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特許7282793ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー
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  • 特許-ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/00 20060101AFI20230522BHJP
   F16L 19/06 20060101ALI20230522BHJP
   G01N 30/60 20060101ALI20230522BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
F16L19/00
F16L19/06
G01N30/60 P
G01N30/26 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020544855
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019544
(87)【国際公開番号】W WO2019165415
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】62/635,196
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508276110
【氏名又は名称】ヴァルコ インスツルメンツ カンパニー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100167047
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸典
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石原 昌典
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ, スタンレー, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, エイチ., マックス
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0061955(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319400(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300542(US,A1)
【文献】特表2012-519818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0224543(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0058612(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/00
F16L 19/06
G01N 30/60
G01N 30/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(118)の所で終端し、長さ(144)を有するゼロ・デッドボリュームフィッティング細部パイロット(116)を有するゼロ・デッドボリュームフィッティング細部(114)を備えるゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体(112)と共に用いられる高圧キャピラリーチューブコネクターシステム(100)であって、該高圧キャピラリーチューブコネクターシステム(100)は、
不活性材料からなる管(108)の太さに合った径の全体を貫通した本体チューブボア(130)と、本体第1端面(126)を有する本体第1端部の所から始まり、本体座繰り状ボア面(201)の所で終端する所定の深さ(208)と所定の内径(204)を有する円筒状の本体内側座繰り状ボア(202)と、内部に設けられるフェルール着座部120とを有し、前記ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体(112)に噛合する本体(101)と;
前記本体内側座繰り状ボア(202)に圧入されることにより前記管(108)が存在しなくても前記本体内側座繰り状ボア(202)内に保持されるプライマリーシール(110)であって、前記管(108)の挿通が可能な全体を通したプライマリーシールボア(310)と、前記本体座繰り状ボア面(201)に接触するようになったプライマリーシール第1駆動面(301)と、前記本体内側座繰り状ボア(202)に嵌合し且つその長さ(312)が前記本体内側座繰り状ボア(202)の深さ(208)よりも長いために前記本体内側座繰り状ボア(202)から飛び出す大きさのプライマリーシール第1部分(302)と、前記本体内側座繰り状ボア(202)の内径(204)と同等かそれよりも大きいプライマリーシール第1外径(306)と、前記本体第1端部の外径と同等かそれよりも小さいプライマリーシール第2外径(308)を有するとともに、平面状プライマリーシール第2面(316)の所で前記底部(118)に対して平らに着座する大きさの円筒状のプライマリーシール第2部分(304)と、前記プライマリーシール第2部分(304)の所のプライマリーシール肩部(314)とを有するプライマリーシール(110)と;
前記管(108)を包囲するものであって、フェルール第1端部(134)と、該フェルール第1端部(134)の近傍を接触点(146)として前記フェルール着座部(120)に接触するような大きさのフェルールウェッジ形状円錐部分(138)と、フェルール第2端面(136)とを有するフェルール(104)と;
前記本体(101)に噛合されることにより前記フェルール第2端面(136)に対して力を調節可能に加えることができ、前記フェルール第1端部(134)を前記接触点に維持したまま、前記ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体(112)に対する位置を維持する支持体(106)と;
を具備することを特徴とする高圧キャピラリーチューブコネクターシステム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧キャピラリーコネクターシステム(100)において、前記支持体(106)は外側ねじ面(140)を有するナットであり、前記本体(101)は内側ねじ面及び外側ねじ面を有し、前記ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体(112)は内側ねじ面を有することを特徴とする高圧キャピラリーチューブコネクターシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッドボリュームがゼロ(ゼロ・デッドボリューム)であることが要求される化学分析機器のために設計されたシステムで使用されるフィッティング(接合具)に関する。
【背景技術】
【0002】
化学分析システムにおいては、フィッティングが漏れに対して高気密状態を提供することが必要である。そのような分析システムにおいては、用いられるフィッティングが、試料成分に対して不活性であり、乱れや混合を誘起しない流路を提供でき、そして、システム全体に対して最小限のデッドボリュームしか与えないものであることが望ましい。
【0003】
デッドボリュームが生じることの問題に良く注意を払って設計されたフィッティングでは、フィッティングを貫通する管の端部同士が互いに直接衝合し、または、管径に一致したボアを有するものであるため、デッドボリュームあるいは残余ボリュームを残さないようにすることができる。そのように設計されたフィッティングはゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリーと呼ばれる。分析試験装置において、デッドボリュームが生じることは避けるべきである。なぜならば、デッドボリュームがあると、ガスカラムを含む試験機器の効率を低下させてしまうからである。
【0004】
そのようなゼロ・デッドボリュームフィッティングで最も一般的な物の一つはコンプレッションフィッティングである。ゼロ・デッドボリュームフィッティングは、メス型締め具細部、管、該管上に緩く嵌め込まれるフェルールと、やはり前記管上に嵌め込まれるオス型ナットとで構成される。実際に使用するときは、管が、その管端部がフィッティングのボア内面を通過し、且つ締め具細部の底部に正しく着座するまで入れられることによりフィッティングの所定位置に装着されることになる。次に、フェルールが管に沿って、フィッティングの噛合壁と噛合するまで移動される。そして次に、ナットが、所定の位置となるように、フェルールをフィッティング細部の篏合壁に対して変形するようにねじ込まれる。こうすることにより、フェルールは管に対して圧力を与え、そしてその管をフィッティング細部の底面に対して強く押し当てることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなシステムでの基本的問題点は、その形式に起因すると言え、具体的には部品点数、即ちフィッティング、フェルール、管、ナットの数に固有のものと言える。フィッティングとフェルールは、気密性を提供するためにフェルールがフィッティングに対して変形できるように十分な大きさである必要があるが、そうすると、これら構成要素、部品の境界部には、ある程度の容積が生じざるを得ないことになる。これらシステムのフェルールは気密・密閉性を提供するために変形可能でなければならないが、変形させるのに必要な力が時に過剰になってしまうことがある。そうすると、管をフィッティング内に強く押し込み過ぎて、関連するバルブの動作の妨げになることがある。この問題は、複数の締付体を有するマルチポートバルブで、ポートに関連して一つ又はそれ以上のフィッティング細部に過剰締め付けをした場合に特に上記問題が顕著である。さらに、これらのシステムは、高圧に維持されなければならず、また関連する如何なる他のフィッティングを変形させてはならず、そして、好ましくない混合領域と成り得るような無効な空間を形成してはならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、ゼロ・デッドボリュームフィッティングと共に用いられる高圧キャピラリーチューブコネクターシステムであって、該高圧キャピラリーチューブコネクターシステムは、本体とプライマリーシールと不活性管と支持体とを具備するものである。ここで、ゼロ・デッドボリュームフィッティングは、ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部パイロット底部の所で終端し、ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部パイロット長を有するゼロ・デッドボリュームフィッティング細部パイロット、及び、ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部フェルール着座部を有する。ゼロ・デッドボリュームフィッティングに噛合するように構成された本体は、用いられる管径に合った大きさで本体全体を貫通する本体チューブボアと、本体第1端部の所に本体内部ボア(本体内側座繰り状ボア)とを有する。該本体内部ボアは、その内径がちょうどプライマリーシールを受け入れることができる大きさで、その本体内側座繰り状ボアの深さは、管が無い状態でもプライマリーシールを支持するに十分なものとなっている。プライマリーシールは、チューブの挿通が可能な全体を通したプライマリーシールボアと、本体内側ボアの第1端面に接触するようになったプライマリーシール第1駆動面と、径が本体内側ボアにちょうど嵌る大きさで、長さがその本体内側ボアよりも飛び出す長さのプライマリーシール第1部分を有する。プライマリーシールはさらに、その径が本体第1端部外径と同等かそれよりも小さいプラマリーシール第2外径を有するプラマリーシール第2部分を有する。プライマリーシールは、プライマリーシール第2部分に肩部を持つことになる。このような構造のプライマリーシールは本体内側ボア内に加圧装着される。管(チューブ)を包囲し、フェルール第1端部とフェルール第2端面とを有するフェルールは、フェルール第1端部の近傍を接触点として前記ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部フェルール着座部に接触するような大きさのフェルールウェッジ形状円錐部分を有する。支持体は本体と噛合するようになっており、これにより、フェルール第2端面に対して大小調節可能な力を加えることができ、同時に、フェルール第1端部の接触を維持したまま、ゼロ・デッドボリュームフィッティングに対する位置を維持することができる。支持体は、内側にねじ面を有するゼロ・デッドボリュームフィッティング細部と共に用いられる外側にねじ面を有するナットであっても構わない。
【0007】
本明細書の一部を構成する図面に基き以下説明される実施形態を参照することにより、本発明の上記の特徴、利点及び目的、さらには以下において明らかにされる他の特徴、利点及び目的の理解が可能となろう。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な好ましい実施形態を示しているに過ぎないこと、そして本発明範囲を限定するものではなく、他の同等に有効な実施形態としても本発明を構成可能なことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1はフィッティング細部に締め付けられる前のアッセンブリーの縦断面図である。
図2図2はゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリーの端部の縦断面図である。
図3図3はプライマリーシールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー、即ちシステム100の詳細を図1を参照しながら以下説明する。ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー100は、デッドボリュームをゼロ迄減少させることが可能なフィッティングを提供する。図1には、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112内に、管(チューブ)108が締め込まれる前の、ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー100の縦断面図が示される。ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー100は、本体101、フェルール104、支持体106及びプライマリーシール110から成る。
【0010】
支持体106の形状は、回転させることができれば、六角形、ローレット(刻み付)、その他何れの形状でも構わない。本体101は、同様に、それを回転させることができる限り、六角形、ローレット(刻み付)、その他何れの形状でも構わない本体ヘッド部102を有する。
【0011】
管(チューブ)108は石英ガラス又は他の材料で形成される。ゼロ・デッドボリュームフィッティングアッセンブリー100は、従来技術で良く知られている通り、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112内に配設される。ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112は、ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部114を有し、さらに、フィッティングアッセンブリー100と本体101の先端部を受け入れるような大きさのゼロ・デッドボリュームフィッティングパイロット116とを有する。ゼロ・デッドボリュームフィッティングパイロット116は、ゼロ・デッドボリュームフィッティングパイロット底部118の所で終端する。ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112はまたその中に、メスねじ等のゼロ・デッドボリュームフィッティング保持部122を具える。
【0012】
プライマリーシール110は、液体又は気体状の試料を高圧の下、その試料を汚染させることなく搬送するものであり、不活性材料で構成される。プライマリーシール110はまた、ゼロ・デッドボリュームフィッティング細部内の平面部118に対して圧接・圧縮されることにより、そこに気密状態を提供できるような不活性材料の中から選択される。衝合平面118はスチールで構成される。プライマリーシール110は、柔軟性不活性材料であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン樹脂)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン樹脂)、ナイロンまたはその他の材料で形成しても良い。
【0013】
ゼロ・デッドボリューム・フィッティングアッセンブリー100の組付けは以下のように行われる。先ず、本体101がゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112内に配置される。次に、フィッティングアッセンブリー100は、フィッティング細部114に、六角締付器具を用いて、プライマリーシール110の圧縮により該プライマリーシール110がゼロ・デッドボリュームフィッティング細部のパイロット部底部118に対して平らに着座するようにねじ込まれる。次に、管(チューブ)108が、フェルール104を、更に本体の管ボア130を通して本体101を、その管108の第1端(先端)124がゼロ・デッドボリュームフィッティング細部のパイロットの底部118に到達するまで貫通して、支持体106の内部に配設される。上記から分かる通り、締め込み後は、プライマリーシール110は、フェルール104が管108をゼロ・デッドボリュームフィッティング細部114のパイロット116の底部118に向かって必要以上過剰に駆動することを防止する。フェルール104は管108を取り囲み且つその周面を移動可能に取り付けられ、そして、本体101内に配置される。こうすることにより、フェルール104は、本体101の内部に設けられるフェルール着座部120に対して乗っかるような位置関係に、換言すれば着座することになる。次に、支持体106が、ゼロ・デッドボリュームフィッティングの支持部132の所で、本体106と噛み合わされる。支持体106の本体101に対する噛合が進むにつれて、フェルール104をフェルール着座部120に対して駆動し、それに応じて、フェルール104の先端部(ノーズ)は管108の外周面を把持(グリップ)することになる。このポイント(時点)でフェルール104が管108を固定することになり、管108の圧縮程度が決まり、そしてゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112に対して加わる力が制限される。本体101はその先端部の所に、本体第1端面126を有する。プライマリーシール110の構造及びそれがあることにより、フェルール104が管108を過剰に駆動することの防止、そして管108が石英シリカで形成されている場合には、その管108を破壊しないことに好都合である。
【0014】
図2には、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112及び本体101の端部縦断面が示されている。図1及び図2を参照しながら説明を続ける。本体101の第1端部には、プライマリーシール110を丁度受け入れる大きさの内径204を有する本体内側座繰り状ボア202を有する。本体第1端部外径205と本体内側座繰り状ボア202との差は、プライマリーシール110の大きさに合致し、且つ管108が存在しないとき、プライマリーシール110を保持するのに十分な深さ208を有する本体壁部206を提供する。本体101がゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112と完全に噛合し終えると、本体101は、プライマリーシール110をゼロ・デッドボリュームフィッティング細部のパイロット底面118に圧縮するように作用する。
【0015】
プライマリーシール110の縦断面を示した図3を参照しながら説明する。プライマリーシール110は、平面等のプライマリーシール第1駆動面301を有し、該駆動面301は本体内側座繰り状ボア202の座繰りボア面201(図1参照)に合致する面を提供する。プライマリーシール110は、図2に示される本体内側座繰り状ボア202の長さを超え延びるも、その中に納まる大きさのプライマリーシール第1部分302を有する。プライマリーシール110のプライマリーシール第1外径306は、プライマリーシール110を本体101内に圧入できるように、図2に示される本体内側座繰り状ボアの内径204に非常に近いものとなっている。プライマリーシール第1部分302のプライマリーシール第1部分の長さ302は、図2に示される本体内側座繰り状ボアの深さ208よりも長い。プライマリーシール110はプライマリーシールの第2外径308を有するプライマリーシール第2部分304を具える。第2外径308は、図2に示される本体第1端部の外径205よりも僅かに大きいか又は小さいことが好ましい。プライマリーシール110の第2外径308とプライマリーシールの第1外径306に差があることにより、プライマリーシール110にプライマリーシール肩部314ができる。プライマリーシール110の第1駆動面301が本体の内側座繰り状ボア202(図2参照)の第1座繰りボア面201に衝合するように、プライマリーシール110が本体101内に配設された時には、プライマリーシール肩部314は本体第1端部面126とは接触していない状態で残る。プライマリーシール110はその中に、管108との間に隙間を与える大きさで、全体を貫通するプライマリーシールボア310を具える。本体101がゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112と完全に噛合し終え、それによりゼロ・デッドボリュームフィッティング細部のパイロット底面118に対する圧縮作業が完了した時点では、プラマリーシール110は、その第2部分304が本体101に接することなく、菅108の周囲に押しつぶされ、これによりプライマリーシール第2面316が、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112のゼロ・デッドボリュームフィッティング細部のパイロット底面118に対する完全な気密状態を提供することになる。
【0016】
図1図3を参照して説明した通り、本願発明により、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112及び管108と一緒に用いられる高圧キャピラリーチューブコネクターシステム100が提供される。システム100は、本体101、プライマリーシール110、フェルール104及び支持体106を有する。他方、ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112はゼロ・デッドボリュームフィッティング細部114を具え、該細部114は、底部118で終端し、長さ144のゼロ・デッドボリュームフィッティング細部パイロット116と、平な底面118とを有する。ゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112と噛合するようになっている本体101は、全体を通して管108の大きさに合わせた本体チューブボア130と、本体第1端部の所に、本体内側座繰り状ボア202とを有する。本体内側座繰り状ボア202は、プライマリーシール110を受け入れる大きさのボア開口径204と、管108が無い時にプライマリーシール110を保持するに十分な深さとを有する。プライマリーシール110は、全長を通して管108が容易に通る大きさのプライマリーシールボア310と、本体内側の座繰り状ボア面201に接触するようになったプライマリーシール第1駆動面301及びプライマリーシール第1部分302とを具える。プライマリーシール第1部分302は、本体内側座繰り状ボア202に合致し、本体内側ボア130からは飛び出る大きさになっている。具体的には、プライマリーシール第1部分302のプライマリーシール第1外径306は本体内側座繰り状ボア開口径204に等しいかこれよりも大きく、またその長さ312は本体内側座繰り状ボア深さ208よりは長くなっている。さらに、プライマリーシール110はプライマリーシール第2部分304を有する。プライマリーシール第2部分304は、本体第1端部外径205と同等又はそれよりも小さいプライマリーシール第2外径308と、肩部314を有し、本体内側座繰り状ボア202に対して圧入される。管108を包囲し、フェルール第1端部134とフェルール第2端面136とを具えるフェルール104は、フェルール着座部120に、フェルール第1端部134の近傍にあたる接触点146の所で接触するような大きさのフェルールウェッジ形状円推部分138を有する。支持体106は、第2端面136に対して力を加減可能又は解除可能に加えると共に、接触点146の所にフェルール第1端134を維持したままゼロ・デッドボリュームフィッティング又はバルブ本体112に対する位置を維持するために、本体101と噛合するようになっている。支持体106は、内側ねじ面142を持つ本体101と共に用いられる外側ねじ面140を有するナットであっても構わない。
【0017】
上記明細書において用いられている用語及び表現は説明のために用いた用語であり、これらの用語及び表現によって本発明を限定しようとする意図はなく、また本願において示し、あるいは説明した特徴の均等物を排除することを意図したものではない。
図1
図2
図3