(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】改善された複数の統合的効果を伴うコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
G02C7/04
(21)【出願番号】P 2021183315
(22)【出願日】2021-11-10
(62)【分割の表示】P 2017054556の分割
【原出願日】2017-03-21
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンジー・エル・バウアーズ
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-197679(JP,A)
【文献】特表2013-546027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼強調コンタクトレンズであって、
目の強膜領域に対応する第1の領域
、目の角膜縁領域に対応する第2の領域
、及び目の虹彩領域に対応する第3の領域
であって、前記第2の領域は、内側の境界及び外側の境界を備える黒い不透明な帯と、前記黒い不透明な帯の前記内側の境界から前記眼強調コンタクトレンズの幾何学中心に向かって延び、少なくとも部分的に前記第3の領域の一部を覆う、複数のランダムに配置された黒い不透明なテーパ状スポークとを含み、前記複数のランダムに配置された黒い不透明なテーパ状スポークはそれぞれ異なるサイズ及び構成であり、前記テーパ状スポーク間の空間は透明である、第1、2、及び3の領域と、
ランダムパターンまたは非ランダムパターンの少なくともいずれか一方で、前記目の角膜縁領域に対応する前記第2の領域
のうち前記黒い不透明な帯内に
のみ封入され、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する角膜縁領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料と、
装用者の強膜に対応する前記第1の領域に組み込まれ、異なる屈折率を伴う透明材料との交互層として構成され、真珠光沢及び干渉効果をもたらす真珠光沢顔料と、を含む、眼強調コンタクトレンズ。
【請求項2】
前記雲母ベースの真珠光沢顔料には酸化物層がコーティングされている、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項3】
前記酸化物層には二酸化チタンが含まれている、請求項2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項4】
前記酸化物層には酸化鉄が含まれている、請求項2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項5】
前記雲母ベースの真珠光沢顔料にはケイ酸アルミニウムカリウムが含まれている、請求項2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項6】
前記雲母ベースの真珠光沢顔料は
前記ランダムパターンで配列されている、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項7】
前記雲母ベースの真珠光沢顔料は
前記非ランダムパターンで配列されている、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項8】
前記第1、第2、及び第3の領域を覆う環形状の透明なコート層を更に含む、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項9】
前記環形状の透明なコート層と、前記第1、第2、及び第3の領域との両方を覆うバルクレンズ材料を更に含む、請求項8に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項10】
前記第1の領域は第1のデザイングラフィックを含む、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項11】
前記第3の領域は第3のデザイングラフィックを含む、請求項1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【請求項12】
前記透明材料の層は、前記眼強調コンタクトレンズの中央の光学ゾーンに開口部を有する、請求項1~
11のいずれか1項に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科レンズに関し、より具体的には、コンタクトレンズが上に位置付けられる眼の外観を強調するための複数の効果層を組み込み、また、所与のパターン内の奥行を示唆し、明示するため、虹彩領域内で変形例を作り出すため、虹彩の色を変えるため、虹彩を拡大するため、及び生来の虹彩が全体デザインの効果に寄与するのを可能にするネガティブスペースを作り出すためのデザインを含む、美容用コンタクトレンズに関する。全体デザインは、さまざまな程度に重なり合う半透明層の複合物である。美容用コンタクトレンズはまた、複数の効果層を封入して安全で快適な高品質光学品質コンタクトレンズを得るための環形状の透明な層を含んでいる。美容用コンタクトレンズはまた、真珠光沢顔料を1つ以上の領域に組み込んで、光沢のある輝く虹色の外観を形成している。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズ又はコンタクトは、単に、眼上に設置されるレンズである。コンタクトレンズは、医療用デバイスと見なされ、視力の矯正のため、及び/又は美容若しくは他の治療上の理由で装用されてもよい。コンタクトレンズは、1950年代以降、視力を改善するために商用的に利用されてきた。初期のコンタクトレンズは、硬い材料で作製又は製作されており、比較的高価で脆かった。それに加えて、これら初期のコンタクトレンズを製作していた材料は、コンタクトレンズを通して結膜及び角膜まで十分に酸素を透過させることができず、そのことによって潜在的に多数の臨床上の副作用を引き起こす可能性があった。これらのコンタクトレンズは依然として利用されているが、最初の快適性が低いため、全ての患者に適しているわけではない。その後のこの分野における発展によって、ハイドロゲル系のソフトコンタクトレンズがもたらされ、今日では非常に一般的で広く利用されている。今日、入手可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証済みの快適性及び臨床性能と組み合わせたものである。本質的に、これらのシリコーンヒドロゲルに基づくコンタクトレンズは、より高い酸素透過値を有し、一般に、初期の硬い材料で作成されたコンタクトレンズより装用が快適である。一方、硬質のガス透過性ハードコンタクトレンズは、シロキサン含有ポリマーから製造されるが、ソフトコンタクトレンズよりも硬く、したがって、それらの形状を保持し、より耐久性がある。
【0003】
現在利用可能なコンタクトレンズは、依然として、視力矯正の費用効果の高い手段である。近視若しくは近眼、遠視若しくは遠眼、乱視、すなわち角膜の非球面性、及び老眼、すなわち、遠近調節する水晶体の能力の喪失を含む、視覚障害を矯正するために、薄いプラスチックレンズが眼の角膜にかぶせて装着される。コンタクトレンズは、多様な形態で入手可能であり、様々な機能性をもたらすべく多様な材料から製造されている。終日装用ソフトコンタクトレンズは、通常、酸素透過性を得るために水と組み合わされた軟質のポリマー材料から製造される。終日装用ソフトコンタクトレンズは、1日使い捨て型であっても、連続装用の使い捨て型であってもよい。1日使い捨て型のコンタクトレンズは通常、1日にわたって装用され、その後、捨てられるが、連続装用の使い捨て型コンタクトレンズは通常、最大で30日の期間にわたって装用される。着色ソフトコンタクトレンズは、種々の機能性を得るために種々の材料を使用する。例えば、識別用着色コンタクトレンズは、落としたコンタクトレンズを発見する際に装用者を支援するために、明るい色合いを用いるものであり、強調着色コンタクトレンズは、装用者の生来の眼色を強調することを意図した透明又は半透明の色合いを有するものであるが、着色カラーコンタクトレンズは、装用者の眼色を変化させることを意図した、不透明な色合いを備え、光フィルタリング着色コンタクトレンズは、特定の色を強調する一方で他の色を弱めるように機能する。二重焦点及び多焦点のコンタクトレンズは、老眼を有する患者専用に設計され、ソフトとハードの両方で入手可能である。トーリックコンタクトレンズは、乱視を有する患者専用に設計され、同様にソフト及びハードの両方の種類で入手可能である。上記の様々な態様を組み合わせたコンビネーションレンズ、例えばハイブリッドコンタクトレンズもまた入手可能である。
【0004】
美容用コンタクトレンズは、装用者の虹彩を完全に又はより好ましくは部分的に覆う1つ又は2つ以上の要素からなるパターンを含んでもよい。これらのレンズはまた角膜縁リングも含み得る。角膜縁リングは、本質的には、色の環状帯であり、レンズが眼上の中心にあるときに、レンズ装用者の強膜と角膜の接合部である角膜縁領域を部分的に又は完全に覆っている。角膜縁リングの組み込みは、虹彩をより大きく、より暗く、及び/又はより明確に見せることができる。角膜縁リング及び虹彩パターンの組み合わせは、眼上のレンズの外観をより自然にする。言い換えると、虹彩パターンは、角膜縁リングが装用者の眼と自然に溶け込むのを可能にし、虹彩パターン及び角膜縁リングの組み合わせは、溶け込み、奥行、コントラスト、及び明確性を作り出す。
【0005】
他の美容用コンタクトレンズは、虹彩の代わりに又は虹彩に加えて強膜に焦点を当てるものである。例えば、コンタクトレンズは、不透明、半不透明、及び/又は半透明であり得る、明るい色の周辺部、すなわち虹彩領域の外側を含むことができる。その明るい部分は、角膜縁からコンタクトレンズの縁まで延びて、より明るい又はより白い強膜の印象を作り出すことができる。これらのコンタクトレンズは、上述のように、それを装用しない場合よりも虹彩を大きく、暗く、及び/又はより明確に見せることができる、角膜縁リングを含んでもよい。
【0006】
上記の美容用コンタクトレンズは、実際に眼の外観を強調するが、美容用レンズの領域において、所与のパターン内の奥行を示唆し、明示するため、虹彩領域内で変形例を作り出すため、虹彩の色を変えるため、虹彩を拡大するため、及び生来の虹彩が全体デザインの効果に寄与するのを可能にするネガティブスペースを作り出すためのデザインを含む、レンズの必要性が存在する。
【0007】
透明なコーティングを典型的に用いて、種々のデザイン/パターンを完全に封入する。すなわち、コンタクトレンズ内の1つ以上の効果層である。現在、このクリアコートは、コンタクトレンズの前側曲面全てを被覆する。精密な光学表面及び経路を維持するために、美容用コンタクトレンズ分野において、十分な顔料の封入に関連する機能性を維持しながらも妥協のない光学品質を持つ、レンズの必要性が存在する。
【0008】
加えて、前述の美容用コンタクトレンズによって目の外観は強調されるが、一方で、光沢のある輝く虹色の外観を形成するためにレンズの異なる領域内に組み込むことができる効果顔料をも含むレンズが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の改善された複数の統合的効果を伴うコンタクトレンズによって、簡単に前述した従来技術に付随する限界を打開する。
【0010】
第1の態様によれば、本発明は眼強調コンタクトレンズに関する。眼強調レンズは、目の強膜領域に対応する第1の領域と、目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、目の虹彩領域に対応する第3の領域と、目の角膜縁領域に対応する第2の領域内に組み込まれ、光沢のある輝く虹色の外観を有する角膜縁領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含んでいる。
【0011】
別の態様によれば、本発明は、眼強調コンタクトレンズを対象とする。眼強調レンズは、目の強膜領域に対応する第1の領域と、目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、目の虹彩領域に対応する第3の領域と、第1、第2、及び第3の領域内に組み込まれ、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する強膜領域、角膜縁領域、及び虹彩領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含んでいる。
【0012】
更に別の態様によれば、本発明は眼強調コンタクトレンズに関する。眼強調レンズは、目の虹彩領域に対応する効果デザイングラフィックを含み、効果デザイングラフィックは、雲母ベースの真珠光沢顔料を含み、光沢のある輝く虹色の外観を有する虹彩領域を形成するように構成されている。
【0013】
更にまた別の態様によれば、本発明は眼強調コンタクトレンズに関する。眼強調レンズは、目の強膜領域に対応する第1の領域と、目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、目の虹彩領域に対応する第3の領域と、第1、第2、及び第3の領域のうちの少なくとも1つに組み込まれた雲母ベースの真珠光沢顔料であって、不透明で、光沢のある輝く虹色の外観の両方を形成する乳白剤として構成された、雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含んでいる。
【0014】
美容用コンタクトレンズは、眼全体及び/又は眼の異なる領域の色を含むあらゆるやり方で、それらが装用された眼の外観を変えるように設計され得る。要件ではないが、美容用コンタクトレンズはまた、屈折異常を補正するために使用してもよい。美容用コンタクトレンズはまた、直接的な医療用途も有することができる。例えば、美容用コンタクトレンズを使用して、損傷のある眼の外観を修復することができる。美容用コンタクトレンズは、透明、半透明、不透明色の強調又は色合いを含み得る。色合いは、有機/無機顔料、染料、又は特殊効果顔料を含み得る。コンタクトレンズ上の印刷された領域は、虹彩領域(虹彩パターン)、角膜縁領域(角膜縁リング)、強膜領域(強膜を明るくする)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。加えて、パターンは、連続的、断続的、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0015】
本発明の美容用コンタクトレンズは、複数の効果層を用いて固有の視覚的外観を達成する。多層デザインは、コンタクトレンズが上に位置付けられる眼の外観を、生来の見た目を維持しながら強調する及び/又は目立たせるために用いられてもよい。これらの例示的なデザインはそれぞれ、3つの層、すなわち、固有の角膜縁デザイングラフィック、固有の内部効果グラフィック、及び固有の外部効果グラフィックを含む。これらの層は、任意の数のデザイン要素及びデザイン原則を用いて形成されてもよい。例えば、ラインを用いて形状を明確化し、生来の虹彩において見出されるライン構造、形状、及び輪郭に似せるか、又は模倣する輪郭を作り出すことができる。異なるレベルの半透明性又は不透明性を持つ色及び色調の値を用いて、溶け込み及びコントラストを作り出すことができる一方、異なる色及び色調を用いて、ハイライト及び陰影を形成することにより、奥行を示唆することができる。スペースを用いて組成を決定することができ、例えば、ポジティブスペースを用いて効果を明確化し、示唆することができる一方、ネガティブスペースを用いて、生来の虹彩が全体パターンの効果に寄与するのを可能にすることができる。重なり合う層の透視を用いて、所与のパターン内の奥行を示唆し、明示することができる。テクスチャを用いて、虹彩の変形例を作り出すことができる。二次元アートで使用されるように、テクスチャは、明暗の使用によって作り出される。明暗要素並びに重なり合う要素を用いて、奥行及び形態を示唆してもよい。
【0016】
本発明の美容用コンタクトレンズは、装用者の目に光沢のある輝く虹色の外観を加えるための真珠光沢顔料が組み込まれた前述のレンズのいずれかを含んでいても良い。顔料をレンズの任意の領域(例えば、虹彩及び/又は強膜を覆う領域)に加えても良い。例えば、それらを強膜を覆う領域で用いた場合、真珠光沢顔料の組み合わせ又は組み込みによって、濡れた反射性外観を有して自然に見えるより明るい白色の強膜領域となる。
【0017】
真珠光沢顔料を組み込むことは、美容用コンタクトレンズ製造プロセスに何ら著しい影響を及ぼすものではない。したがって、自然で光沢のある外観が著しい変化を伴わずに実現される場合がある。
【0018】
本発明では、環形状クリアベースコート層を用いて、強調及び/又は色合いを完全に封入する一方で、光学ゾーンに開口部を与えて高品質の視機能をもたらしても良い。本発明の美容用コンタクトレンズは、装用者の眼の視覚的外観を強調するための費用効果の高い手段を提供する一方、非美容用コンタクトレンズの光学品質及び着け心地を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の上述及び他の特徴と利点は、添付図面に例証されるような、本発明の好ましい実施形態の以下のより詳しい記載から明白となるであろう。
【
図1】例示的な非美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図2】第1の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図3】第2の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図4】第3の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図5】第4の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図6】第1の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図7】第2の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図8】第3の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図9】第4の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図10】第5の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図11】第6の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図12】第7の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図13】第8の例示的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図14A】本発明による第1の例示的な角膜縁デザイングラフィックの平面図である。
【
図14B】本発明による第1の例示的な内部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図14C】本発明による第1の例示的な外部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図14D】本発明による
図14A、B、及びCの3つのデザイングラフィックを含む、第1の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図15A】本発明による第2の例示的な角膜縁デザイングラフィックの平面図である。
【
図15B】本発明による第2の例示的な内部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図15C】本発明による第2の例示的な外部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図15D】本発明による
図15A、B、及びCの3つのデザイングラフィックを含む、第2の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図16A】本発明による第3の例示的な角膜縁デザイングラフィックの平面図である。
【
図16B】本発明による第3の例示的な外部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図16C】本発明による第3の例示的な内部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図16D】本発明による
図16A、B、及びCの3つのデザイングラフィックを含む、第3の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図17A】本発明による第4の例示的な角膜縁デザイングラフィックの平面図である。
【
図17B】本発明による第4の例示的な外部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図17C】本発明による第4の例示的な内部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図17D】本発明による
図17A、B、及びCの3つのデザイングラフィックを含む、第4の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図18A】本発明による第5の例示的な角膜縁デザイングラフィックの平面図である。
【
図18B】本発明による第5の例示的な内部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図18C】本発明による第5の例示的な外部効果デザイングラフィックの平面図である。
【
図18D】本発明による
図14A、B、及びCの3つのデザイングラフィックを含む、第5の例示的な美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図19】概略的なパッド印刷プロセスの図式的表示である。
【
図20】より詳細なパッド印刷プロセスの図式的表示である。
【
図21】例示的なコンタクトレンズを含む層を表す図である。
【
図22】本発明による例示的なクリアベース印刷版(クリシェ)を表す図である。
【
図22A】本発明によるクリアベース印刷版の一部分の分解図である。
【
図22B】本発明によるクリアベース印刷版の分解断面図である。
【
図23】本発明による環状クリアベース層を有する美容用コンタクトレンズを含む層を表す図である。
【
図24】本発明による真珠光沢顔料を伴う明るい色の強膜を伴う美容用コンタクトレンズを表す図である。
【
図25】本発明による角膜縁部分に雲母ベースの真珠光沢顔料を伴う典型的な角膜縁リング/スポークパターン美容用コンタクトレンズの平面図である。
【
図26】本発明による雲母ベースの真珠光沢顔料を含む効果デザイングラフィックを伴う装用者の目の虹彩領域に対応する典型的な効果デザイングラフィックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
コンタクトレンズ又はコンタクトは、単に、眼上に設置されるレンズである。コンタクトレンズは、医療用デバイスと見なされ、視力の矯正のため、及び/又は美容若しくは他の治療上の理由で装用されてもよい。コンタクトレンズは、1950年代以降、視力を改善するために商用的に利用されてきた。初期のコンタクトレンズは、硬い材料で作製又は製作されており、比較的高価で脆かった。それに加えて、これら初期のコンタクトレンズを製作していた材料は、コンタクトレンズを通して結膜及び角膜まで十分に酸素を透過させることができず、そのことによって潜在的に多数の臨床上の副作用を引き起こす可能性があった。これらのコンタクトレンズは依然として利用されているが、最初の快適性が低いため、全ての患者に適しているわけではない。その後のこの分野における発展によって、ハイドロゲル系のソフトコンタクトレンズがもたらされ、今日では非常に一般的で広く利用されている。今日、入手可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証済みの快適性及び臨床性能と組み合わせたものである。本質的に、これらのシリコーンヒドロゲル系コンタクトレンズは、初期の硬質材料から製造されたコンタクトレンズより、酸素透過率が高く、装用が概ねより快適である。しかしながら、これらの新しいコンタクトレンズにも、全く制約がないわけではない。
【0021】
ここで
図1を参照すると、例示の非美容用コンタクトレンズ100の平面図が示されている。コンタクトレンズ100は、光学ゾーン102、光学ゾーン102を包囲する周縁ゾーン104、装着時に個人の眼に接触するよう設計された後方湾曲面、及び後方湾曲面と反対側の前方湾曲面を含む。光学ゾーン102は、それを通して視力矯正が得られるコンタクトレンズ100の部分である。言い換えると、光学ゾーン102は、視力矯正を提供し、単焦点の近視又は遠視の矯正、乱視の視力矯正、二焦点の視力矯正、多焦点の視力矯正、カスタム矯正等の特定のニーズ、又は視力矯正を提供し得る任意の他のデザインのために設計される。周辺ゾーン104は、光学ゾーン102を包囲し、眼上のコンタクトレンズ100に機械的安定性を提供する。言い換えると、周辺ゾーン104は、セントレーション及び配向を含む眼上でのコンタクトレンズ100の位置付け及び安定化に影響を及ぼす機械的特性を提供する。配向は、光学ゾーン102が乱視矯正及び/又は高次収差補正等の非回転対称特性を含むとき、基本となる。幾つかのコンタクトレンズ設計では、光学ゾーン102と周辺ゾーン104との間の任意の中間ゾーンが利用されてもよい。任意の中間ゾーンは、光学ゾーン102及び周辺ゾーン104が滑らかに溶け込むことを確実にする。
【0022】
図1に示すレンズ100は円形であるが、楕円形状又は切頭円形の形状などの、コンタクトレンズに好都合な任意の形状をなしてもよい。円形又は非変形であることに加えて、コンタクトレンズ100は、平面又は非平面であってもよい。
【0023】
美容用コンタクトレンズは、それが装用された眼の外観を向上する又は変えるように設計される。要件ではないが、美容用コンタクトレンズは屈折異常の補正にも利用され得る。加えて、美容用コンタクトレンズは、例えば損傷のある眼の外観を修復するためなど、直接的な医療用途もまた有し得る。無虹彩症、虹彩の欠失、瞳孔異常、虹彩の損傷、及び/又は老人環若しくは角膜老人環、角膜縁領域の色を薄くするか又は変色させる障害に罹患する個人は、完全な虹彩の外観を付与する着色されたコンタクトレンズを用いることができる。美容用コンタクトレンズは、半透明/透明色の強調、色合い、不透明色の色合い、人工虹彩パターン、縁リング、強膜を明るくする色合い、及び/又は上記の任意の組み合わせを含むことができる。
【0024】
より具体的には、美容用コンタクトレンズを用いて、強膜を明るくする及び/又は装用者の虹彩の明確性を強調するために役立つ角膜縁リングを含むパターンを有することができ、結果としてレンズ装用者を見る人に虹彩をより大きく見せる。加えて、美容用コンタクトレンズは、装用者の虹彩を完全に、又は好ましくは部分的に覆う追加のパターン要素を有してもよい。美容用レンズは、黒い眼の個人の虹彩を強調するために用いられ得るが、明るい眼のレンズ装用者の虹彩も同様に強調するために使用することもできる。
【0025】
図2を参照すると、第1の例示の美容用コンタクトレンズ200が図示されている。このレンズ200は、
図1のコンタクトレンズ100に関して上述した意図の範囲に含まれる光学ゾーン及び周辺ゾーンを含むが、美容用コンタクトレンズの種々の領域を記述するために、異なる用語が使用される。美容用コンタクトレンズ200は、個々の瞳孔の大きさ及び場所に実質的に対応する大きさの中央領域202を含む。中央領域202は、視力を妨害しないように、通常、着色又はデザインを有さない。中央部204は、中央領域202を包囲し、個人の虹彩の大きさ及び場所に実質的に対応する大きさである。中央部204は、装用者の虹彩の外観を向上するために、1つ又は2つ以上の色、及び/又は、1つ又は2つ以上の色により形成されたパターンを、含むことができる。周辺部206は、中央部204の周囲に配置され、コンタクトレンズ200の周縁まで延在する。周辺部206は、ポイント201から測定される内径と、ポイント203から測定される外径とを有する環状形を備えており、外径は、コンタクトレンズ200全体の外縁と一致してもよいが、必ずしもその必要はない。周辺部206は、例えば、白色、ほぼ白色、オフホワイト、明るい黄色、薄青、明るい桃色、明るい緑色、又は上記の任意の組み合わせで着色することができる。明るい色は、装着者の強膜と徐々に溶け込むように配置される。
【0026】
周辺部206は、強膜の外観を強調するように着色される。この周辺部206の着色は、不透明、半透明、又はこれらの2つの間の何かの色、若しくは半不透明でもよい。例示的な実施形態は、新鮮で自然な外観を強膜に与えることにより、強膜の外観を強調する。本明細書で使用される「不透明」は、380~780nmの範囲で0~約50%、好ましくは7~約50%の平均光透過率が可能な色を意味すると理解されたい。本明細書で使用される「半透明」は、380~780nmの範囲で約50~約85%、好ましくは約65~約85%の平均光透過率が可能な色を意味すると理解されたい。
【0027】
図3は、第2の例示的な美容用コンタクトレンズ300を示す。美容用コンタクトレンズ300は、中央領域302と、該中央領域302を包囲する中央部304と、該中央部304及び角膜縁リング308を包囲する周辺部306とを備える。本明細書に記載されるように、角膜縁リングは、本質的に、レンズが眼上の中心にあるときに、レンズ装用者の角膜縁領域を部分的に又は完全に覆う、色彩の環状帯である。幾つかの例示的な実施形態では、角膜縁リングは、ハロー効果を作り出すためにより大きくてもよい。この例示的な実施形態では、周辺部306における着色は、ポイント301から測定される内径から、ポイント303から測定される外径までで、不透明から半透明又は透明へと段階的にされるか、又はされてもよい。前述の例示的な実施形態と同様に、中央部304は、装用者の虹彩の外観を強調するために、1つ又は2つ以上の色及び/又は1つ又は2つ以上の色により形成されたパターンを含むことができる。この組み合わせは、最も自然な虹彩に暗い角膜縁リングのコントラストを提供すると同時に、周辺部306に明るい着色が適用されるという追加の利点を提供する。角膜縁リング308は、該リング308が、虹彩、中央部着色/パターン304、及び明るい色の周辺部306と自然に溶け込むのを可能にする任意の好適な幅又はパターンであり得る。角膜縁リング308は、半透明でも不透明でもよい。
【0028】
図4は、幾何学パターンの形式で適用される、周辺部406に明るい着色を持つ第3の例示的な美容用コンタクトレンズ400を示す。美容用コンタクトレンズ400は、中央領域402と、該中央領域402を包囲する中央部404と、該中央部404及び角膜縁リング408を包囲する周辺部406とを備える。
図3及び4のコンタクトレンズ間の差異は、周辺部406における幾何学パターンにある。この例示的な美容用レンズ400において、幾何学パターンは、そうでなければ白色に着色されるレンズ表面から除かれた円410の外観を呈し、その結果、各円410が、生来の強膜と溶け込むために、角膜縁リング408に近接する接線ではその隣接する円410に接し、パターンの最外径では分離する。好ましい実施形態では、強膜印刷、周辺部406に対応する領域は、角膜縁の縁における不透明からマトリクス状のパターンになり、生来の強膜と溶け込む。この例示的な実施形態は、円410を幾何学形状として用いるが、任意の幾何学形状を用いてもよい点に留意することは重要である。パターンは、そのような円410によって形成された十字形の明るい色の構造体の行と列としても考えることもできる。図示されるように、円412は、中央部404のパターン中へと延びてもよい。
【0029】
幾何学形状を含むパターニングは、
図4に関して上記のような規則的に形状化された構造から又は
図5に示されるように、美容用コンタクトレンズ500の中央部504及び周辺部506の両方にある複数のランダムドット若しくは形状510から形成されてもよい。中央領域502及び角膜縁リング508は、この例示的なコンタクトレンズ500内にパターンを有しておらず、例えば、スポークも溶け込みもない。現実的な又は強調された色彩感覚を伝えるための都合のよい任意の形状は、特にそのような幾何学形状が所望の色相又は濃淡に寄与する場合に用いることができる。用いられるドットは、任意の大きさ及び形状を含んでもよい。ドットは、美容用コンタクトレンズの異なる要素の境界の溶け込みに役立つ。
【0030】
他の例示的な実施形態によると、美容用レンズは、角膜縁リングと、複数のテーパ状スポークとを備えてもよい。上記のように、角膜縁リングは、レンズが眼上の中心にあるときに、レンズ装用者の角膜縁領域、又は角膜と強膜の接合部分を部分的に又は実質的に完全に覆う色彩の環状帯である。好ましくは、角膜縁リングは、角膜縁領域を実質的に完全に覆っている。角膜縁リングの最も内側の境界又はレンズの幾何学中心に最も近い縁は、約8mm~約12mm、好ましくは約9~約11mmの直径を有する円を形成してもよく、この円は、レンズの幾何学中心を中心としている。前記リングは、任意の適切な幅のものでもよく、好ましくは幅が約0.5~約2.5mm、より好ましくは幅が約0.75~約1.25mmである。
【0031】
角膜縁リングの最も内側の境界からレンズの幾何学中心に向かって内方に延びているのは、ホイールのスポークに類似する実質的に三角形の構造体である。このようなテーパ状スポークは、レンズの虹彩部分の全体、すなわち、レンズが眼上の中心にあるときに、虹彩を覆うレンズの部分にわたって延びてもよいが、そうでないことが好ましい。より正確に言うと、好ましくは、スポークは、角膜縁リングの最も内側の縁から内方に延び、その結果、スポークパターンの最も内側の縁が、レンズの幾何学中心から約6mm以上、より好ましくは約7mm以上に位置する。スポークは、均一又はさまざまな形状及びサイズのものでもよく、長さが約1~約2mmであることが好ましい。
【0032】
図6において、コンタクトレンズ600上の角膜縁リング-テーパ状スポークパターンの第1の例示的な実施形態が示される。この例示的な実施形態では、角膜縁リング602は、幅約1mmの黒い不透明な帯である。角膜縁リング602の最も内側の境界604で始まり、コンタクトレンズ600の幾何学中心に向かって内方に延びるのは、複数のランダムに配置されたテーパ状スポーク606であり、その最も内側の境界612は、コンタクトレンズ600の幾何学中心から測定して7mmの直径を持つ円を形成する。スポーク606の全ては、概して同様に構成されているが、好ましくはどのスポーク606も別のスポーク606と全く同じではない。スポーク606は、散在するか、又はスペース608によって境されており、そのスペースの中には要素がない。スペース608もまた、概して全て同様に構成されているが、好ましくはスペース608のうちのどの1つも、スペース608又はスポーク606の他のもののいずれとも全く同じ構成ではない。領域610は、パターン要素がない領域であり、示される領域は、装用者の眼の虹彩部分、並びに装用者の眼の瞳孔部分の全体、又はレンズが眼上の中心にあるときに装用者の瞳孔を覆うレンズの部分を部分的に構成する。示されるように、領域610は透明であるが、半透明的又は不透明的に着色されてもよい。示される最も内側の境界604は、均一で規則的な形状であるが、不均一で不規則的な境界であってもよい。同様に、テーパ状スポークの境界612は、実質的に均一な境界を形成するが、不均一な境界を形成してもよい。
【0033】
図7は、コンタクトレンズ700上の代替テーパ状スポークパターンを示す。この例示的な実施形態では、角膜縁リング704の最も内側の境界702から始まり、コンタクトレンズ700の幾何学中心に向かって内方に延びるのは、複数のランダムに配置されたテーパ状スポーク706である。この例示的な実施形態では、テーパ状スポーク706は、コンタクトレンズ700の幾何学中心に向かって移動するにつれてテーパ状になる1つ又は2つ以上の波線を含む。図示されるように、最も内側の角膜縁リング境界702は、不均一で不規則な形状である。領域708は、パターン要素のない領域であり、この領域は、上述されるように装用者の虹彩部分並びに装用者の眼の瞳孔部分の全体を部分的に構成する。
【0034】
図8は、コンタクトレンズ800上の更に別のテーパ状スポークパターンを示す。この例示的な実施形態では、角膜縁リング804の最も内側の境界802で始まり、コンタクトレンズ800の幾何学中心に向かって内方に延びるのは、複数のスポーク806及び808であり、スポーク806は、スポーク808より長く、これらのスポーク806、808の両方は、波線によって形成される。示されるように、スポーク806及び808は、実質的に規則的な間隔で互いから離間しているが、不規則的に離間していてもよい。更に、スポーク806のそれぞれは、全て実質的に同じ形状であるが、それらはスポーク808の場合と同様に、異なる形状であってもよい。要素810は、パターン要素のない領域であり、この領域は、上述されるように装用者の眼の虹彩部分並びに装用者の瞳孔の全体を部分的に構成する。
【0035】
図9は、コンタクトレンズ900上の更に別の例示的なテーパ状スポークパターンを示し、これは
図8に示されるパターンの変形例である。この例示的な実施形態では、スポークパターンは、複数のスポーク902及び904を有し、スポーク902は、スポーク904より長く、これらのスポーク902、904の両方は、波線によって形成される。示されるように、スポーク902及び904は、ランダムに一緒にグループ化されてクラスタ906を形成する。これらのクラスタ906は、角膜縁リング910の最も内側の半径908から延びる。
【0036】
図10は、コンタクトレンズ1000上の例示的なテーパ状スポークパターンを示し、ここには角膜縁リング1002があり、そこから内方に延びるのは、複数のランダムに離間したスポーク1004である。この例示的な実施形態では、スポーク1004は、1つ又は2つ以上の場所で屈曲している。
【0037】
図6~10に関して記載されたパターンの全てにおいて、スポークは、レンズの幾何学中心へと内方に延びてもよい。しかしながら好ましくは、スポークの最も内側の境界又はレンズの幾何学中心に対する縁は、レンズの幾何学中心から約6.5mm以上、好ましくは約7mm以上に位置する。
【0038】
スポーク及び角膜縁リング要素に加えて、これらのパターンは、幾つかの追加構成要素のうちのいずれを含んでもよい。そのような構成要素は、ドット及びラインなどの幾何学構造、又は縞模様、羽根様形状などを含む凝った構造、並びにそれらの組み合わせを含んでもよい。例示的な一実施形態において、
図11に図示されるように、コンタクトレンズ1100は、スポーク1104を覆う複数のランダムドット1102と、スポーク1104間のスペースとを備えてもよい。代替として、複数のドットは、スポークの領域及びその間のスペースの一部分のみを覆ってもよく、例えば、それらの最も内側の部分又は角膜縁リング1106に最も近い部分又はその領域の約1~約90%、好ましくは約25~75%のみを覆う。更に別の代替例として、ランダムドットパターンは、レンズの幾何学中心に向かって内方に移動するにつれてドットの数が減り、ドット密度勾配を形成するようなものであってもよい。ドットは、角膜縁リング1106とスポーク1104との間の境界の溶け込みに役立つ。
【0039】
更に別の代替案として、
図12において、複数のランダムドット1202がスポーク1204とスポーク間のスペースとを覆っているコンタクトレンズ1200を例示する。ドット1202は、スポーク1204の全体及びその間のスペースを覆う。スポークは、角膜縁リング1206から延びる。本発明のパターンで使用されるドットは、任意のサイズのものでもよく、好ましくは直径約0.060~約0.180mm、より好ましくは直径約0.0075~約0.0125mmである。
【0040】
本明細書に記載される美容用コンタクトレンズのパターンのいずれかにおいても、中心は、好ましくは視力に影響を及ぼさないことを確実するように透明である。しかしながら、中心領域は、半透明/透明若しくは不透明色、又は不透明及び半透明/透明色のいかなる組み合わせの領域であってもよい。
【0041】
装用者の眼の色を強化する又は変えるためにコンタクトレンズで使用されるとき、好ましくは角膜縁リング要素は、レンズ装用者の角膜縁領域の色を隠す色の同じ色調の帯であり、より好ましくは隠す色は不透明色である。ここでも適切な大きさの角膜縁リングを用いてハロー効果を作り出してもよい。残りの要素、スポーク、ドット、及び他のパターン要素は、眼の上での所望の美容結果に応じて、半透明でも不透明でもよい。本発明の目的上、「半透明である」の意味は、380~780nm範囲における平均光透過率(%T)として約60~約99%、好ましくは約65~約85%Tを可能にする色である。「不透明である」の意味は、380~780nm範囲における平均光透過率(%T)として約55、好ましくは7~約50%Tを可能にする色である。
【0042】
角膜縁リング及び虹彩パターン要素のそれぞれに対して選択する色は、レンズ装用者の虹彩の生来の色及び所望の強調又は色変化によって決定する。したがって、要素は、任意の多様な色相及び彩度の、青色、緑色、灰色、茶色、黒色、黄色、赤色、又はそれらの組み合わせを含む、いずれかの色彩であってもよい。角膜縁リングに好ましい色には、さまざまな色相及び彩度の黒色、茶色、灰色、黒青色及び暗緑色のいずれか挙げられる。
【0043】
角膜縁リング、スポーク、及び他のパターン要素の色もまた、互いに実質的に同じでも補色でもよい。例えば、
図13において、角膜縁リング1302及びスポーク1304が同じ色であるパターンを含むコンタクトレンズ1300が示される。スポーク1306は、角膜縁リング1302及びスポーク1304のそれと異なるが、補色である。瞳孔部分1308は、角膜縁リング及びスポークの色に補色の別の色である。好ましくは、瞳孔部分は透明であり、それは無色であることを意図する。
【0044】
周辺部分を含む明るい色の要素は、純粋な白、白に近い色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、紅梅色、淡緑色、又は上記の色の任意の組み合わせでもよい。この要素は、レンズによって覆われていない強膜の可視部分とはっきりとコントラストをなさないように一致させられることが好ましい。これらの色は、不透明度とコントラストがより高められるより多量のTiO2の使用によって達成されることが好ましい。更に他の顔料には、より白っぽい色の要素を調整するために少量の黒酸化鉄、褐色酸化鉄、黄酸化鉄、赤酸化鉄、二酸化チタンなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの顔料に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含めた、可溶性及び不溶性の染料が使用されてもよい。例示的な一実施形態は、適切な半透明性を提供するために、10%~20%のTiO2及び80%~90%の透明結合ポリマーを有する着色剤である。
【0045】
一般的に、着色された要素は、コンタクトレンズにおける使用に適した任意の有機若しくは無機顔料、又はこれらの顔料の組み合わせから製造することができる。不透明度は、使用される顔料及び二酸化チタンの濃度を変化させることによって調節することができ、多量になるにつれてより高い不透明度がもたらされる。例示的な有機顔料には、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、バットオレンジ#1など、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。有用な無機顔料の例としては、黒酸化鉄、褐色酸化鉄、黄酸化鉄、赤酸化鉄、二酸化チタンなど、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。これらの顔料に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含めた、可溶性及び不溶性の染料が使用されてもよい。有用な染料及び顔料は、市販されている。
【0046】
本発明によると、多層デザインを含むコンタクトレンズは、コンタクトレンズが上に位置付けられる眼の外観を、生来の見た目を維持しながら強調するために用いられてもよい。例示的なデザインはそれぞれ、3つの層、すなわち、固有の角膜縁デザイングラフィック、固有の内部効果グラフィック、及び固有の外部効果グラフィックを含む。さまざまな層を印刷する順序及び色彩は、下で詳細に記載されるように、最終デザインに対する影響を有する。加えて、3つの層のそれぞれは、固有の眼の外観を作り出すために、色彩及びデザインがさまざまであってもよい。
【0047】
これらの層は、任意の数のデザイン要素及びデザイン原則を用いて形成されてもよい。例えば、ラインを用いて形状を明確化し、生来の虹彩において見出されるライン構造、形状、及び輪郭に似せるか、又は模倣する輪郭を作り出すことができる。異なるレベルの半透明性又は不透明性を持つ色及び色調の値を用いて、溶け込み及びコントラストを作り出すことができる一方、異なる色及び色調を用いて、ハイライト及び陰影を形成することにより、奥行を示唆することができる。スペースを用いて組成を決定することができ、例えば、ポジティブスペースを用いて効果を明確化し、示唆することができる一方、ネガティブスペースを用いて、生来の虹彩が全体パターンの効果に寄与するのを可能にすることができる。重なり合う層の透視を用いて、所与のパターン内の奥行を示唆し、明示することができる。色彩及び形状のコントラストを通して作り出されたテクスチャは、虹彩の変形例を作り出すために用いられてもよい。二次元アートで使用されるように、テクスチャは、明暗の使用によって作り出される。明暗要素を用いて、奥行及び形態を示唆してもよい。
【0048】
上記のように、本発明は、3つの別個の層を用いて、全体パターンの更なる奥行及び変形例を提供する。角膜縁デザイングラフィックは、虹彩の外径を包囲する全体パターンの部分であり、強膜に最も近く、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することを意図されるが、それはまた、虹彩中へと延びる要素も含む。内部効果グラフィック層は、虹彩を強調することを意図される全体パターンの部分であるが、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することにも寄与する部分を含んでもよい。外部効果グラフィック層は、虹彩を強調することを意図される全体パターンの部分であるが、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することにも寄与する部分を含んでもよい。本発明の多層アプローチを用いて、重なり合う及び重なり合わない半透明層を用いて異なるレベルの透明性及び/又は不透明性を作り出すことができる。
【0049】
上で説明されるさまざまなデザイン要素を用いて、さまざまな効果を達成することができる。上記の角膜縁リング/テーパ状スポークパターンと同様に、本発明による多層デザインもまた、同様の特徴を使用することができる。例えば、スポーク、指、毛様構造を、類似の構造及び/又はドットと同様に用いて、同じ色調の角膜縁帯を虹彩に溶け込ませることができる。加えて、生来の虹彩において見出されるものを含むさまざまな他の幾何学形状を、さまざまな層に組み込んでもよい。
【0050】
図14Aを参照すると、本発明による角膜縁デザイングラフィック1400の第1の例示的な実施形態が示されている。この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1400は、幅約0.89mmの半透明環状帯1402を含む。環状帯1402の最も内側の境界1404に接続され、そこから角膜縁デザイングラフィック1400の幾何学中心に向かって伸びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い毛様構造体1406である。毛様構造体のうちの幾つかは、主要構造1406からの分枝1408を有する。半透明の帯1402に接続されていない追加の毛様構造体1410は、他の毛様構造体1406の間に散在される。これらの毛様構造体は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1402は、装用者の角膜縁領域を覆い、かつ強調するように設計されるが、同様に半透明である突出構造体1406、1408、及び1410は、装用者の虹彩を強調し、半透明環状帯1402を装用者の虹彩と溶け込ませるように設計される。毛様構造体の間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1400の中央部1412は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この中央部1412に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、デザインの要素間のスペースは、透明でも着色されていてもよい。
【0051】
この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1400全体は、赤色酸化鉄、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明のミディアムブラウンである。角膜縁デザイングラフィック1400は、この例示的な実施形態において半透明であるが、他のデザインは、不透明要素又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい点に留意することは重要である。この角膜縁デザイングラフィック1400は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、かつそれは最初に印刷される。言い換えると、それはレンズに組み込まれる全体デザインの第1のグラフィック層である。印刷の順序は、後により詳細に記載されるように、全体デザインに影響する。
【0052】
図14Bは、本発明による内部効果デザイングラフィック1420の第1の例示的な実施形態を示す。内部効果グラフィック1420は、複数の丸いトラフ1424及び尖ったピーク1426を、その中のネガティブスペース1428の(ネガティブスペースは、印刷された要素内では閉じた特徴として、及び印刷された要素の外側では開いた形状として存在する)、すなわち、パターンのない、さまざまな形状の要素とともに有する、幾何学形状を持つ波様リング構造体1422と、トラフ1424内に散在するさまざまな長さ及び幅の複数の細長い実質的に楕円形構造体1430とを備える、環状帯を含む。実質的に楕円形の構造体1430は、テーパ状終点を有することも有しないこともある。全体効果は、正弦波パターンに類似しても生来の虹彩を模倣してもよい。より具体的には、全体効果は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。内部効果デザイングラフィック1420は、装用者の虹彩を覆い、かつ強調するように設計され、角膜縁デザイングラフィック1400の半透明環状帯1402と少なくとも部分的に重なり合う。加えて、内部効果デザイングラフィック1420は、重なり合う半透明区分を有するような方法で角膜縁デザイングラフィック1400の突出構造体1406、1408、及び1410を覆うと同時に、突出構造体1406、1408、及び1410の間のネガティブスペースのうちの幾らか又は一部分を充填する。重なり合う半透明顔料の区分は、パターン内に追加の色相を作り出し、これは下層の個人の構造に用いられる色彩並びに異なるレベルの半透明性に応じて、より暗くてもより明るくてもよい。このパターンの要素間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1420の中央部1432は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この領域で色合いを用いても良いことに留意することは重要である。加えて、ネガティブスペースは透明でも着色されてもよい。
【0053】
この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1420全体は、赤色酸化鉄、トランスオキシド黄色、茶色酸化鉄、及びトランスオキシド顔料を、橙色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の橙色である。橙色ファミリーは、黄色及び金色を含む。これらの色又はこのファミリーの色は、より暗い色相、例えば、茶色、暗い茶色、暗い栗色などの眼を持つ個人の下層の生来の虹彩の色を目立たせることを意図される。より明るい色相、例えば、青色、緑色、明るい栗色、灰色などの眼を持つ個人には、異なる色が用いられるであろう。内部効果グラフィック1420は、半透明要素を含むが、他の実施形態では、不透明要素並びに/又は半透明及び不透明要素の組み合わせを含んでもよい点に留意することは重要である。この内部効果グラフィック1420は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、角膜縁グラフィック1400の後で2番目に印刷される。言い換えると、内部効果グラフィック1420は、角膜縁デザイングラフィック1400の後でその上に印刷される。この印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層、すなわち内部効果デザイングラフィック1420は、グラフィック1400の後ろに出現する。内部効果デザイングラフィック1420の外径は、角膜縁デザイングラフィック1400の外径よりも小さいが、その内径とは実質的に等しい。
【0054】
図14Cは、本発明による外部効果デザイングラフィック1440の第1の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1440は、幅約1.44mmの半透明環状帯1442を含む。半透明環状帯1442の最も内側の境界1444に接続し、そこから延びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い実質的に三角形の構造体1446である。実質的に三角形の構造体のうちの幾つかは、尖端で互いに接し、包囲されたスペース1448を形成する。外部効果デザイングラフィック1440はまた、半透明環状帯1442に接続していない複数のライン1450を含み、実質的に三角形の構造体間に散在され、同じ方向に、すなわち、外部効果デザイングラフィック1440の幾何学中心に向かって配向される。これらの構造は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1442の外縁は、環状帯1442の外観をより不明確な構造に変える、くし様構造1452を備える。くし様構造1452は、3つの層からの半透明色を重ねることによって作り出された重なり合う線を目立たなくさせて溶け込ませることが意図されている。すなわち、角膜縁デザイングラフィック1400、内部効果デザイングラフィック1420、及び外部効果デザイングラフィック1440である。外部効果デザイングラフィック1440は、角膜縁デザイングラフィック1400の半透明環状帯1402、並びに内部効果デザイングラフィック1420全体及び角膜縁デザイングラフィック1400の突出構造体1406、1408、及び1410を覆い、かつ強調するように設計されている。外層デザイングラフィック1440は、よりネガティブなスペースを充填し、重なり合う区分又はポジティブスペースは、追加の色相の領域、異なるレベルの不透明性の領域、及び任意の単層又はグラフィックから分離した別個の異なるデザインを作り出す。加えて、重なり合う領域間のネガティブスペースは、生来の虹彩と連携して働くことによって、溶け込み及び美容効果に役立つ形状及びパターンを作り出す。この設計の要素間のネガティブスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。中央部1454は、レンズのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この区分に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、要素間のネガティブスペースが着色されてもよい。くし様構造1452は、半透明の角膜縁デザイングラフィック1400の硬い線を崩す形状を作り出すことによって、角膜縁デザイングラフィックの環状帯1402の外径を変える。
【0055】
この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1440全体は、茶色酸化鉄及び黒色酸化鉄顔料を含む組成物から形成された、半透明の黒色である。外部効果デザイングラフィック1440及び角膜縁デザイングラフィック1400が重なり合う、この例示的な実施形態では、それらは、より暗い、より明確な/不透明な領域を作り出すが、重なり合わないデザインの部分は、より半透明の着色を残し、不透明から透明への半透明の溶け込みを提供する。この技法は、生来の虹彩との溶け込みを可能にする。外部効果デザイングラフィック1440は、この例示的な実施形態では、半透明のデザインを含むが、他の実施形態では、このデザインは、不透明要素並びに/又は半透明及び不透明要素の組み合わせを含んでもよい。外部効果グラフィック1440は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、かつ内部効果グラフィック層1420の後で3番目にその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、内部効果デザイングラフィック1420の後ろに出現する。外部効果デザイングラフィック1440の外径は、角膜縁デザイングラフィック1400の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0056】
図14Dは、上記の順序で印刷された3つの層又はデザイングラフィック1400、1420、及び1440全てを含む美容用コンタクトレンズ1460の第1の例示的な実施形態を示す。印刷順序は、製造の観点から記載されているが、観察者が眼上のコンタクトレンズを見ているときに、視覚効果は、印刷において記載されるものとは逆の順序で層又はデザイングラフィックを見るということである。示されるように、重なり合う層は、異なる色、異なるレベルの半透明性、異なる色相、異なるレベルの明るさ、異なるレベルの暗さ、及び固有の構造を形成するパターンを含む。印刷順序又は色のいずれか又は両方の変化は、後に詳細に記載されるように、異なるデザインをもたらす。加えて、半透明性のレベルを変化させることは、色相、溶け込み、テクスチャ、及びコントラストに関して全体デザインに影響することもできる。
【0057】
3つの層によって作り出された全体デザインは、約6.5mmの内径及び約12.675mm~約12.8mmの範囲の外径を持つ環状構造を備える。この環状構造は、デザインの点で眼の虹彩構造と同様である。レンズの中心のオープン又はネガティブスペースは、眼の瞳孔領域又は光学ゾーンに対応し、好ましくは視覚を干渉しないように透明である。しかしながら、上記のように、この領域は、着色されると同時に任意のネガティブスペースであってもよい。
【0058】
図15Aを参照すると、本発明による角膜縁デザイングラフィック1500の第2の例示的な実施形態が示されている。この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1500は、幅約0.89mmの半透明環状帯1502を含む。環状帯1502の最も内側の境界1504に接続され、そこから角膜縁デザイングラフィック1500の幾何学中心に向かって伸びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い毛様構造体1506である。毛様構造体のうちの幾つかは、主要構造1506からの分枝1508を有する。不透明帯1502に接続されていない追加の毛様構造体1510は、他の毛様構造体1506の間に散在される。これらの毛様構造体は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1502は、装用者の角膜縁領域を覆い、かつ強調するように設計されるが、突出構造体1506、1508、及び1510は、装用者の虹彩を強調し、かつ環状帯1502を虹彩と溶け込ませるように設計される。突出構造体1506、1508、及び1510もまた、半透明である。毛様構造体の間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1500の中央部1512は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この中央部1512に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、デザインの要素間のスペースは、透明でも着色されていてもよい。
【0059】
この例示的な実施形態では、全体角膜縁デザイングラフィック1500は、黒色酸化鉄顔料から形成された半透明の黒色である。角膜縁デザイングラフィック1500は、この例示的な実施形態において半透明であるが、他のデザインは、不透明要素又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい点に留意することは重要である。この角膜縁デザイングラフィック1500は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、かつそれは最初に印刷される。言い換えると、それはレンズに組み込まれる全体デザインの第1のグラフィック層である。印刷の順序は、後により詳細に記載されるように、全体デザインに影響する。
【0060】
図15Bは、本発明による内部効果デザイングラフィック1520の第2の例示的な実施形態を示す。内部効果グラフィック1520は、複数の丸いトラフ1524及び尖ったピーク1526を、その中のネガティブスペース1528の(ネガティブスペースは、印刷された要素内では閉じた特徴として、及び印刷された要素の外側では開いた形状として存在する)、すなわち、パターンのない、さまざまな形状の要素とともに有する、幾何学形状を持つ波様リング構造体1522と、トラフ1524内に散在するさまざまな長さ及び幅の複数の細長い実質的に楕円形構造体1530とを備える、環状帯を含む。実質的に楕円形の構造体1530は、テーパ状終点を有することも有しないこともある。全体効果は、放射状パターンに類似しても生来の虹彩を模倣してもよい。より具体的には、全体効果は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。内部効果デザイングラフィック1520は、装用者の虹彩を覆い、かつ強調するように設計され、角膜縁デザイングラフィック1500の半透明環状帯1502と少なくとも部分的に重なり合う。加えて、内部効果デザイングラフィック1520は、重なり合う半透明区分を有するような方法で角膜縁デザイングラフィック1500の突出構造体1506、1508、及び1510を覆うと同時に、突出構造体1506、1508、及び1510の間のネガティブスペースのうちの幾らか又は一部分を充填する。重なり合う半透明顔料の区分は、パターン内に追加の色相を作り出し、これは下層の個人の構造に用いられる色彩並びに異なるレベルの半透明性に応じて、より暗くてもより明るくてもよい。このパターンの要素間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1520の中央部1532は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この領域で色合いを用いても良いことに留意することは重要である。加えて、デザインの要素間のスペースは、透明でも着色されていてもよい。
【0061】
この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1520全体は、赤色酸化鉄、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を、金色から茶色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明のミディアムブラウンである。用いられる色は、下層の生来の虹彩の色を目立たせるか又はそうでなければ強調することを意図される。異なる色の眼には異なる色が用いられる。内部効果デザイングラフィック1520は、代替の例示的な実施形態において、不透明並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。この内部効果デザイングラフィック1520は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、かつ角膜縁グラフィック1500の後で2番目に印刷される。言い換えると、内部効果グラフィック1520は、角膜縁デザイングラフィック1500の後でその上に印刷される。この印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、このグラフィック層1520は、角膜縁デザイングラフィック1500の後ろに出現する。内部効果デザイングラフィック1520の外径は、角膜縁デザイングラフィック1500の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0062】
図15Cは、本発明による外部効果デザイングラフィック1540の第2の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1540は、幅約1.44mmの半透明環状帯1542を含む。半透明環状帯1542の最も内側の境界1544に接続し、そこから延びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い実質的に三角形の構造体1546である。実質的に三角形の構造体のうちの幾つかは、尖端で互いに接し、包囲されたスペース1548を形成する。外層デザイングラフィック1540はまた、不透明な環状帯1542に接続していない複数のライン1550を含み、実質的に三角形の構造体の間に散在され、同じ方向に、すなわち、外部効果デザイングラフィック1540の幾何学中心に向かって配向される。これらの構造は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1542の外縁は、環状帯1542の外観をより不明確な構造に変えるくし様構造1552を備える。くし様構造1552は、3つの層からの半透明色を重ねることによって作り出された重なり合う線を目立たなくさせて溶け込ませることが意図されている。すなわち、角膜縁デザイングラフィック1500、内部効果グラフィック1520、及び外部効果デザイングラフィック1540である。外部効果デザイングラフィック1540は、角膜縁デザイングラフィック1500の半透明環状帯1502、並びに内部効果デザイングラフィック1520全体及び角膜縁デザイングラフィック1500の突出構造体1506、1508、及び1510を覆い、かつ強調するように設計されている。外部効果デザイングラフィック1540は、よりネガティブなスペースを充填し、重なり合う区分又はポジティブスペースは、追加の色相の領域、異なるレベルの不透明性の領域、及び任意の単層又はグラフィックから分離した別個の異なるデザインを作り出す。加えて、重なり合う領域間のネガティブスペースは、生来の虹彩と連携して働くことによって、溶け込み及び美容効果に役立つ形状及びパターンを作り出す。この設計の要素間のネガティブスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。中央部1554は、レンズのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この区分に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、要素間のネガティブスペースは、透明でも着色されてもよい。くし様構造1552は、その外観を目立たなくさせることによって角膜縁デザイングラフィックの環状帯1502の外径の外観を変える。
【0063】
この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1540全体は、二酸化チタン及び黒色酸化鉄顔料を含む組成から形成された、半透明の灰色である。外部効果デザイングラフィック1540及び角膜縁デザイングラフィック1500が重なり合う、この例示的な実施形態では、それらは、より暗い、より明確な/不透明な領域を作り出すが、重なり合わないデザインの部分は、より半透明の着色を残し、不透明から透明への半透明の溶け込みを提供する。この技法は、生来の虹彩との溶け込みを可能にする。外部効果デザイングラフィック1540は半透明デザインを含んでいる。しかし、他のデザインで不透明要素並びに/又は不透明及び半透明の要素の組み合わせを組み込んでいても良い。外部効果グラフィック1540は、後で詳細に説明する技術を用いて印刷され、内部効果グラフィック1520の後に順番で3番目に、内部効果グラフィック1520の最上部に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、内部効果デザイングラフィック1520の背後に出現する。外部効果グラフィック1554の外径は、角膜縁デザイングラフィック1500の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0064】
図15Dは、上記の順序で印刷された3つの層又はデザイングラフィック1500、1520、及び1540全てを含む美容用コンタクトレンズ1560の第2の例示的な実施形態を示す。印刷順序は、製造の観点から記載されているが、観察者が眼上のコンタクトレンズを見ているときに、視覚効果は、印刷において記載されるものとは逆の順序で層又はデザイングラフィックを見るということである。示されるように、重なり合う層は、異なる色、異なる色相、異なるレベルの明るさ、異なるレベルの暗さ、及び固有の構造を形成するパターンを含む。印刷順序又は色のいずれか両方の変化は、異なるデザインをもたらす。加えて、これらの変化のいずれも半透明性のレベルに影響することがあり、全体デザインにも影響し得る。
【0065】
3つの層によって作り出された全体デザインは、約6.0mmの内径及び約12.50mm~約12.775mmの範囲の外径を持つ環状構造を備える。この環状構造は、デザインの点で眼の虹彩構造と同様である。レンズの中心のオープン又はネガティブスペースは、眼の瞳孔領域又は光学ゾーンに対応し、好ましくは視覚を干渉しないように透明である。しかしながら、上記のように、この領域並びに任意のネガティブスペースは、着色されてもよい。
【0066】
図16Aを参照すると、本発明による角膜縁デザイングラフィック1600の第3の例示的な実施形態が示されている。この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1600は、幅約0.89mmの半透明環状帯1602を含む。半透明環環状帯1602の最も内側の境界1604に接続され、そこから角膜縁デザイングラフィック1600の幾何学中心に向かって伸びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い毛様構造体1606である。毛様構造体のうちの幾つかは、主要構造1606からの分枝1608を有する。フック様構造を作り出す追加の分枝様構造体1610は、瞳孔筋の縁を模倣することを意図される。前述のように、これらの構造の全ては、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1602は、装用者の角膜縁領域を覆い、かつ強調するように設計されるが、突出構造体1606、1608、及び1610は、装用者の虹彩を強調し、かつ半透明環状帯1602を装用者の虹彩と溶け込ませるように設計される。毛様構造体もまた、半透明である。毛様構造体の間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1600の中央部1612は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この中央部1612に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、デザインの要素間のスペースは、透明でも着色されていてもよい。
【0067】
この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1600全体は、茶色酸化鉄及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の暗い茶色である。角膜縁デザイングラフィック1600は、半透明要素を含むが、他の例示的な実施形態では、それは、不透明要素並びに/又は半透明及び不透明要素の組み合わせを含んでもよい。この角膜縁デザイングラフィック1600は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、それは最初に印刷される。言い換えると、それはレンズに組み込まれる全体デザインの第1のグラフィックデザインである。印刷の順序は、後により詳細に記載されるように、全体デザインに影響する。
【0068】
図16Bは、本発明による外部効果デザイングラフィック1620の第3の例示的な実施形態を示す。内部及び外部効果グラフィックの印刷の順序は、この例示的な実施形態において変更される点に留意することは重要である。上記の例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィックは、角膜縁デザイングラフィックと外部効果デザイングラフィックとの間にある。この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1620は、幅約1.44mmの半透明環状帯1622を含む。半透明環状帯1622の最も内側の境界1624に接続し、そこから延びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い実質的に三角形の構造体1626である。実質的に三角形の構造体のうちの幾つかは、尖端で互いに接し、包囲されたスペース1628を形成する。外部効果デザイングラフィック1620はまた、半透明環状帯1622に接続していない複数のライン1630を含み、実質的に三角形の構造体間に散在され、同じ方向に、すなわち、外部効果デザイングラフィック1620の幾何学中心に向かって配向される。実質的に三角形の構造体又は突出部1626のうちの幾つかは、分枝1632を有し、ライン1630のうちの幾つかは、分枝1634を有する。これらの構造の全ては、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。環状帯1622の外縁は、環状帯1622の外観をより不明確な構造に変えるくし様構造1636を備える。くし様構造1636は、2つの層からの半透明色を重ねることによって作り出された重なり合う線を目立たなくさせて溶け込ませることを意図される。外部効果デザイングラフィック1620の要素の全ては、半透明であるが、他の実施形態では、これらの要素は、不透明並びに/又は半透明及び不透明の組み合わせであってもよい。外部効果デザイングラフィック1620は、角膜縁グラフィック1600の半透明環状帯1602を覆い、かつ強調するように設計される。加えて、外部効果デザイングラフィック1620は、重なり合う区分を有するような方法で角膜縁デザイングラフィック1600の突出構造体1606、1608、及び1610を覆うと同時に、突出構造体1606、1608、及び1610の間のネガティブスペースのうちの幾らか又は一部分を充填する。外部効果デザイングラフィック1620は、よりネガティブなスペースを充填し、重なり合う区分又はポジティブスペースは、追加の色相の領域、異なるレベルの不透明性の領域、及び任意の単層から分離した別個の異なるデザインを作り出す。加えて、重なり合う領域間のネガティブスペースは、生来の虹彩と連携して働くことによって、溶け込み及び美容効果に役立つ形状及びパターンを作り出す。この設計の要素間のネガティブスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。中央部1638は、レンズのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この領域で色合いを用いても良いことに留意することは重要である。加えて、着色は、ネガティブスペースにおいて同様に用いられてもよい。くし様構造1636は、その外観を目立たなくさせることによって角膜縁デザイングラフィック1600の環状帯1602の外径を変える。
【0069】
この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1620全体は、赤色酸化鉄、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、フタロシアニングリーン、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を含む組成物から形成された、半透明の茶色である。外部効果デザイングラフィック1620及び角膜縁デザイングラフィック1600が重なり合う、この例示的な実施形態では、それらは、より暗い、より明確な/不透明な領域を作り出すが、重なり合わないデザインの部分は、より半透明の着色を残し、不透明から透明への半透明の溶け込みを提供する。この技法は、生来の虹彩との溶け込みを可能にする。この典型的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1620は半透明デザインを含んでいる、しかし、他の典型的な実施形態では、デザインは不透明要素並びに/又は半透明及び不透明要素の組み合わせを含んでいても良い。外部効果デザイングラフィック1620は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、角膜縁デザイングラフィック層1600の後で2番目にその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、角膜縁デザイングラフィック1600の後ろに出現する。外部効果デザイングラフィック1620の外径は、角膜縁デザイングラフィック1600の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0070】
図16Cは、本発明による内部効果デザイングラフィック1640の第3の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1640は、幅約2.08mmの半透明環状帯1642を含む。図から容易に見ることができるように、環状帯1642は、この実施形態では、他の環状帯よりもはるかに幅広い。環状帯1642の最も内側の境界1644に接続され、そこから延びるのは、内部効果デザイングラフィック1640の幾何学中心に向かって内方に延びる、複数の実質的に三角形の構造体又は突出部1646である。これらの突出部は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。環状帯1642の外縁は、環状帯1642の外観をより不明確な構造に変える、硬い線が重なり合う領域を目立たなくさせ/溶け込ませる一様でない表面1648を含む。それは、外部効果デザイングラフィック1620のくし様構造1636よりも顕著ではない。内部効果デザイングラフィック1640は、角膜縁デザイングラフィック1600及び外部効果デザイングラフィック1620それぞれの半透明環状帯1602及び1622を覆い、かつ強調するように設計されている。ここでも実質的に三角形の構造体1646は、角膜縁デザイングラフィック1600の突出部1606、1608、及び1610と、外層デザイングラフィック1620の要素1626、1628、及び1630との間のスペースに重なり、かつ充填する。重なり合う半透明顔料の区分は、パターン内に追加の色相を作り出し、これは個人の下層構造に用いられる色彩並びに異なるレベルの半透明性に応じて、より暗くてもより明るくてもよい。このパターンの要素間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。内部効果グラフィック1640の中央部1650は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、しかし、色合いを中央部分1650並びにネガティブスペースにおいて用いても良い。
【0071】
この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1640全体は、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及びトランスオキシド顔料を、黄色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明な黄色である。上記のように、黄色は、橙色ファミリーの一部であり、金色も含む。これらの色は、茶色又は暗い眼を持つ個人に対して、下層の生来の虹彩の色を目立たせることを意図される。より明るい眼の色には、異なる色が用いられるであろう。この内部効果デザイングラフィック1640は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、外部効果グラフィック1620の後で3番目に印刷される。言い換えると、内部効果グラフィック1640は、外部デザイングラフィック1620の後でその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、外層の後ろに出現する。内部効果デザイングラフィック1640は、半透明要素を含むが、代替の例示的な実施形態では、それは、不透明要素並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。内部効果デザイングラフィック1640の外径は、角膜縁デザイングラフィック1600の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0072】
図16Dは、上記の順序で印刷された3つの層又はデザイングラフィック1600、1620、及び1640の全てを含む美容用コンタクトレンズ1660の第3の例示的な実施形態を示す。内部効果層及び外部効果層が切り替えられるため、印刷順序は、上述される他の2つの例示的な実施形態とは異なる点に留意することは重要である。加えて、3つのデザイングラフィックは全て、固有の角膜縁リングデザインパターンを作り出す環状帯を有する。印刷順序は、製造の観点から記載されているが、観察者が眼上のコンタクトレンズを見ているときに、視覚効果は、印刷において使用されるものとは逆の順序で層又はデザイングラフィックを見るということである。示されるように、重なり合う層は、異なる色、異なる色相、異なるレベルの明るさ、異なるレベルの暗さ、及び固有の構造を形成するパターンを含む。印刷順序又は色のいずれか両方の変化は、異なるデザインをもたらす。加えて、半透明性の変化も達成され得る。
【0073】
3つの層によって作り出された全体デザインは、約6.7mmの内径及び約12.650mm~約12.725mmの範囲の外径を持つ環状構造を備える。この環状構造は、デザインの点で眼の虹彩構造と同様である。レンズの中心のオープン又はネガティブスペースは、眼の瞳孔領域又は光学ゾーンに対応し、好ましくは視覚を干渉しないように透明である。しかしながら、上記のように、この領域は着色されてもよく、要素間のネガティブスペースであってもよい。
【0074】
図17Aを参照すると、本発明による角膜縁デザイングラフィック1700の第4の例示的な実施形態が示されている。この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1700は、幅約0.85mmの半透明環状帯1702を含む。半透明環状帯1702の最も内側の境界1704に接続され、そこから角膜縁デザイングラフィック1700の幾何学中心に向かって伸びるのは、生来の虹彩内の陰窩に類似する複数の幾何学構造体1706である。追加の幾何学構造体1708もまた、角膜縁デザイングラフィック1700の幾何学中心に向かって伸びるが、半透明環状帯1702に付着されていない。陰窩は、捲縮輪のいずれかの側面上に位置する一連の開口部である、生来の虹彩上で見出される物理的特徴である。虹彩の基部上の陰窩は、虹彩の毛様部分の最も外側の部分の近くで観察され得る、追加の開口部である。上記のように、デザイングラフィックにおける要素の全ては、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1702は、装用者の角膜縁領域を覆い、かつ強調するように設計されるが、突出構造体1706及び1708は、装用者の虹彩を強調し、環状帯1702を虹彩と溶け込ませるように設計される。幾何学構造体の間のスペースは、重なり合い要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1700の中央部1710は、領域のこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この中央部1710に色合いを用いてもよい点に留意することは重要である。加えて、色合いは、要素間のスペースにおいて用いられてもよい。
【0075】
この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1700全体は、茶色酸化鉄及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の暗い茶色である。角膜縁デザイングラフィックは半透明であるが、他の例示的な実施形態では、それは、不透明要素並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。この角膜縁デザイングラフィック1700は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、それは最初に印刷される。言い換えると、それはレンズに組み込まれる全体デザインの第1のグラフィックデザインである。印刷の順序は、後により詳細に記載されるように、全体デザインに影響する。
【0076】
図17Bは、本発明による外部効果デザイングラフィック1720の第4の例示的な実施形態を図示する。内部及び外部効果グラフィックの印刷の順序は、最初の2つの例示的な実施形態に対して、この例示的な実施形態において変更される点に留意することは重要である。この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1720は、幅約0.89mmの半透明環状帯1722を含む。半透明環状帯1722の最も内側の境界1724に接続し、そこから延びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い実質的に三角形の構造体1726である。実質的に三角形の構造体のうちの幾つかは、尖端で互いに接し、包囲されたスペース1728を形成する。外部効果デザイングラフィック1720はまた、半透明環状帯1722に接続していない複数のライン1730を含み、実質的に三角形の構造体の間に散在され、同じ方向に、すなわち、外部効果デザイングラフィック1720の幾何学中心に向かって配向される。実質的に三角形の構造体又は突出部1726のうちの幾つかは、分枝1732を有し、ライン1730のうちの幾つかは、分枝1734を有する。これらの構造の全ては、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。環状帯1722の外縁は、半透明環状帯1722の外観をより不明確な構造に変えるくし様構造1736を備える。くし様構造1736は、他の層からの半透明色を重ねることによって作り出された重なり合う線を目立たなくさせて溶け込ませることを意図される。外部効果デザイングラフィック1720は、角膜縁グラフィック1700の半透明環状帯1702を覆い、かつ強調するように設計される。加えて、外部効果デザイングラフィック1720は、重なり合う区分を有するような方法で角膜縁デザイングラフィック1700の突出構造体1706及び1708を覆うと同時に、突出構造体1706と1708との間のネガティブスペースのうちの幾らか又は一部分を充填する。外部効果デザイングラフィック1720は、よりネガティブなスペースを充填し、重なり合う区分又はポジティブスペースは、追加の色相の領域、異なるレベルの不透明性の領域、及び任意の単層から分離した別個の異なるデザインを作り出す。加えて、重なり合う領域間のネガティブスペースは、生来の虹彩と連携して働くことによって、溶け込み及び美容効果に役立つ形状及びパターンを作り出す。デザインの要素間のネガティブスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、形状を形成する。例えば、有色の形状及び特徴並びに暴露された虹彩である。中央部1738は、レンズのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、色合いを用いても良いことに留意することは重要である。加えて、色合いは、デザインのネガティブスペースにおいて用いられてもよい。くし様構造1736は、その外観を目立たなくさせることによって角膜縁デザイングラフィック1700の環状帯1702の外径を変える。
【0077】
この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1720全体は、赤色酸化鉄、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の茶色である。外部効果デザイングラフィック1720及び角膜縁デザイングラフィック1700が重なり合う、この例示的な実施形態では、それらは、より暗い、より明確な/不透明な領域を作り出すが、重なり合わないデザインの部分は、より半透明の着色を有し、不透明から透明への半透明の溶け込みを提供する。この技法は、生来の虹彩との溶け込みを可能にする。外部効果デザイングラフィック1720は、半透明要素を含むが、他の実施形態では、不透明要素並びに半透明及び不透明要素の組み合わせを含んでもよい。この外部効果グラフィック1720は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、角膜縁効果グラフィック層1700の後で2番目にその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層又はグラフィックは、角膜縁層1700の後ろに出現する。外部効果デザイングラフィック1720の外径は、角膜縁デザイングラフィック1700の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0078】
図17Cは、本発明による内部効果デザイングラフィック1740の第4の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1740は、幅約2.03mmの半透明環状帯1742を含む。図から容易に見ることができるように、環状帯1742は、この実施形態では、他の環状帯よりもはるかに幅広い。半透明環状帯1742の最も内側の境界1744に接続され、そこから延びるのは、内部効果デザイングラフィック1740の幾何学中心に向かって内方に延びる、複数の実質的に三角形の構造体又は突出部1746である。これらの突出部は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。環状帯1742の外縁は、不透明な環状帯1742の外観をより不明確な構造に変える、硬い線が重なり合う領域を目立たなくさせ/溶け込ませる一様でない表面1748を含む。それは、外部効果デザイングラフィック1720のくし様構造1736よりも顕著ではない。内部効果デザイングラフィック1740は、角膜縁デザイングラフィック1700及び外部効果デザイングラフィック1720それぞれの半透明環状帯1702及び1722を覆い、かつ強調するように設計されている。ここでも実質的に三角形の構造体1746は、角膜縁デザイングラフィック1700の突出部1706及び1708と、外層デザイングラフィック1720の要素1726、1728、及び1730との間のスペースに重なり合い、かつ充填する。重なり合う半透明顔料の区分は、パターン内に追加の色相を作り出し、これは個人の下層構造に用いられる色彩並びに異なるレベルの半透明性に応じて、より暗くてもより明るくてもよい。このパターンの要素間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。内部効果グラフィック1740の中央部1750は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この領域又はゾーン並びにデザインのネガティブスペースにおいて色合いを用いても良いことに留意することは重要である。
【0079】
この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1740全体は、赤色酸化鉄、フタロシアニンブルー、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の茶色である。この内部効果デザイングラフィック1740は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、外部効果グラフィック1720の後で3番目に印刷される。言い換えると、内部効果グラフィック1740は、外部デザイングラフィック1720の後でその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層又はグラフィックは、他の層又はグラフィックの後ろに出現する。内部効果デザイングラフィック1740は、半透明要素を含むが、不透明要素並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。内部効果デザイングラフィック1740の外径は、角膜縁デザイングラフィック1700の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0080】
図17Dは、上記の順序で印刷された3つの層又はデザイングラフィック1700、1720、及び1740全てを含む美容用コンタクトレンズ1760の第4の例示的な実施形態を示す。上述した例示的な前の実施形態と同様に、内部効果層及び外部効果層が切り替えられるため、印刷順序は、上述した他の2つの例示的な実施形態とは異なる点に留意することは重要である。加えて、3つのデザイングラフィックは全て、固有の角膜縁リングデザインパターンを作り出す環状帯を有する。印刷順序は、製造の観点から記載されているが、観察者が眼上のコンタクトレンズを見ているときには、視覚効果は、上述されるものとは逆の順序で層又はデザイングラフィックを見るということである。示されるように、重なり合う層は、異なる色、異なる色相、異なるレベルの明るさ、及び異なるレベルの暗さ、並びに固有の構造を形成するパターンを含む。印刷順序又は色のいずれか両方の変化は、異なるデザインをもたらす。半透明性の変化も達成され得る。
【0081】
3つの層によって作り出された全体デザインは、約6.4~約6.6mmの内径及び約12.70mm~約12.775mmの範囲の外径を持つ環状構造を備える。この環状構造は、デザインの点で眼の虹彩構造と同様である。レンズの中心のオープン又はネガティブスペースは、眼の瞳孔領域又は光学ゾーンに対応し、好ましくは視覚を干渉しないように透明である。しかしながら、上記のように、この領域は着色されてもよく、デザインの要素間のネガティブスペースであってもよい。
【0082】
図18Aを参照すると、本発明による角膜縁デザイングラフィック1800の第5の例示的な実施形態が示されている。この例示的な実施形態では、角膜縁デザイングラフィック1800は、幅約1.15mmの半透明環状帯1802を含む。環状帯1802の最も内側の境界1804に接続され、そこから角膜縁デザイングラフィック1800の幾何学中心に向かって伸びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い毛様構造体1806である。半透明の帯1802に接続されていない追加の毛様構造体1808は、他の毛様構造体1806の間に散在される。追加の構造体1810は、円形、正方形、三角形、及びそれらの任意の組み合わせに類似し得る、自由形態の幾何学形状である。これらの形状は、互いに接しても互いに独立してもよく、毛様構造体1806と1808との間のスペースを覆い、かつ占有し得る。これらの構造の全ては、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。半透明環状帯1802は、装用者の角膜縁領域を覆い、かつ強調するように設計されているが、突出構造体1806、1808、及び1810は、装用者の虹彩を強調し、半透明環状帯1802を装用者の虹彩と溶け込ませるように設計されている。毛様構造体の間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1800の中央部1812は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この中央部分で色合いを用いても良いことに留意することは重要である。加えて、色合いは、デザイン要素間のネガティブスペースにおいて用いられてもよい。
【0083】
この例示的な実施形態では、全体角膜縁デザイングラフィック1800は、黒色酸化鉄顔料から形成された半透明の黒色である。他の実施形態では、この角膜縁デザイングラフィックは、不透明要素並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。この角膜縁デザイングラフィック1800は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、それは最初に印刷される。言い換えると、それはレンズに組み込まれる全体デザインの第1のグラフィック層である。印刷の順序は、後により詳細に記載されるように、全体デザインに影響する。
【0084】
図18Bは、本発明による内部効果デザイングラフィック1820の第5の例示的な実施形態を示す。内部効果グラフィック1820は、概して内部効果グラフィック1820の幾何学中心に向かって配向された、相互接続していない、長い、中間長、及び短い点線/破線1822の環状帯を含む。全体効果は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1820は、生来の虹彩の放射溝又は毛様ゾーンにおいて見出され得る誘導線をほのめかししながら、半透明性及び/又は色彩を所与の領域内で保持する、微妙な強調を提供するように機能する。この微妙な強調もまた、小さなピンポイントのハイライトを付与するように機能する。内部効果デザイングラフィック1820は、装用者の虹彩を覆い、かつ強調するように設計され、角膜縁デザイングラフィック1800の半透明環状帯1802と少なくとも部分的に重なり合う。加えて、内部効果デザイングラフィック1820は、重なり合う不透明区分を有するような方法で角膜縁デザイングラフィック1800の突出構造体1806、1808、及び1810を覆うと同時に、突出構造体1806、1808、及び1810の間のネガティブスペースのうちの幾らか又は一部分を充填する。重なり合うこれらの区分は、個人の下層構造とは異なる色並びに異なるレベルの半透明性となる。加えて、重なり合う領域は、下層の個人の構造に用いられる色に応じてより暗くても明るくてもよい。このパターンの要素間のスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。デザイングラフィック1820の中央部1824は、デザインのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、この領域並びにデザイン要素間のネガティブスペースにおいて色合いを用いても良いことに留意することは重要である。
【0085】
この例示的な実施形態では、内部効果デザイングラフィック1820全体は、赤色酸化鉄、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及びトランスオキシド顔料を、橙色ファミリーの色を作り出す比率で含む組成物から形成された、透明の橙色である。橙色ファミリーは、黄色及び金色を含む。これらの色又はこのファミリーの色は、茶色又は暗い眼を持つ個人の下層の生来の虹彩の色を目立たせることを意図される。明るい眼を持つ個人には、異なる色が用いられるであろう。内部効果デザイングラフィック1820は、代替の実施形態において、不透明要素並びに/又は不透明及び半透明要素の組み合わせを含んでもよい。この内部効果グラフィック1820は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、角膜縁グラフィック1800の後で2番目に印刷される。言い換えると、内部効果グラフィック1820は、角膜縁デザイングラフィック1800の後でその上に印刷される。この印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、グラフィック1800の後ろに出現する。内部効果デザイングラフィック1820の外径は、角膜縁デザイングラフィック1800の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0086】
図18Cは、本発明による外部効果デザイングラフィック1840の第5の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1840は、幅約1.44mmの半透明環状帯1842を含む。半透明環状帯1842の最も内側の境界1844に接続し、そこから延びるのは、複数の長い、中間長の、及び短い実質的に三角形の構造体1846である。実質的に三角形の構造体のうちの幾つかは、尖端で互いに接し、包囲されたスペース1848を形成する。外部効果デザイングラフィック1840はまた、半透明環状帯1842に接続していない複数のライン1850を含み、実質的に三角形の構造体の間に散在され、同じ方向に、すなわち、外部効果デザイングラフィック1840の幾何学中心に向かって配向される。これらの構造は、虹彩内の生来の構造、例えば、瞳孔筋構造、折畳み又は放射溝、陰窩、毛様体構造などのように見えるように設計される。環状帯1842の外縁は、半透明環状帯1842の外観をより不明確な構造に変えるくし様構造1852を備える。くし様構造1852は、3つの層からの半透明色を重ねることによって作り出された重なり合う線を目立たなくさせて溶け込ませることを意図される。外部効果デザイングラフィック1840は、角膜縁デザイングラフィック1800の半透明環状帯1802、並びに内部効果デザイングラフィック1820全体及び角膜縁デザイングラフィック1800の突出構造体1806、1808、及び1810を覆い、かつ強調するように設計されている。外層デザイングラフィック1840は、よりネガティブなスペースを充填し、重なり合う区分又はポジティブスペースは、追加の色相、異なるレベルの不透明性の領域、及び任意の単層から分離した別個の異なるデザインを作り出す。加えて、重なり合う領域間のネガティブスペースは、生来の虹彩と連携して働くことによって、溶け込み及び美容効果に役立つ形状及びパターンを作り出す。この設計の要素間のネガティブスペースは、重なり合う要素及び下層要素に応じて、有色の形状及び特徴並びに曝露された虹彩を含む、形状を作り出す。中央部1854は、レンズのこの部分が瞳孔に対応するため、透明であってもよい。しかしながら、色合いを用いても良いことに留意することは重要である。くし様構造1852は、角膜縁デザイングラフィック1800の硬い線を崩す形状を作り出すことによって、角膜縁デザイングラフィックの半透明環状帯1802の外径を変える。
【0087】
この例示的な実施形態では、外部効果デザイングラフィック1840全体は、赤色酸化鉄、二酸化チタン、トランスオキシド黄色、黄色酸化鉄、茶色酸化鉄、及び黒色酸化鉄顔料を、茶色から黒色の範囲のファミリー又は色彩を作り出す比率で含む組成物から形成された、半透明の茶色である。外部効果デザイングラフィック1840及び角膜縁デザイングラフィック1800が重なり合う、この例示的な実施形態では、それらは、より暗い、より明確な/不透明な領域を作り出すが、重なり合わないデザインの部分は、より半透明の着色を残し、不透明から透明への溶け込みを提供する。この技法は、生来の虹彩との溶け込みを可能にする。外部効果グラフィック1840は、後に詳細に記載される技法を用いて印刷され、内部効果グラフィック層1820の後で3番目にその上に印刷される。印刷順序は、製造の観点からのものである。観察者の観点からは、この層は、内部効果デザイングラフィック1820の後ろに出現する。外部効果デザイングラフィック1840の外径は、角膜縁デザイングラフィック1800の外径よりも小さいが、内径は実質的に等しい。
【0088】
図18Dは、上記の順序で印刷された全ての3つの層又はデザイングラフィック1800、1820、及び1840を含む美容用コンタクトレンズ1860の第5の例示的な実施形態を図示する。ここでも印刷の順序は、最初の2つの例示的な実施形態の場合と同様に、角膜縁、内部効果、及び外部効果グラフィックに戻る。印刷順序は、製造の観点から記載されているが、観察者が眼上のコンタクトレンズを見ているときに、視覚効果は、印刷に関して記載されるものとは逆の順序で層又はデザイングラフィックを見るということである。示されるように、重なり合う層は、異なる色、色相、明るさ、暗さ、及び固有の構造を形成するパターンを含む。印刷順序又は色のいずれか又は両方の変化は、後に詳細に記載されるように、異なるデザインをもたらす。半透明性の変化も達成され得る。
【0089】
3つの層によって作り出された全体デザインは、約6.7mm~約7.1mmの範囲の内径及び約12.675mm~約12.750mmの範囲の外径を持つ環状構造を備える。この環状構造は、デザインの点で眼の虹彩構造と同様である。レンズの中心のオープン又はネガティブスペースは、眼の瞳孔領域又は光学ゾーンに対応し、好ましくは視覚を干渉しないように透明である。しかしながら、この領域において並びにデザイン要素間のネガティブスペースにおいて、色合いが用いられてもよい。
【0090】
上述される例示的な実施形態は、多層デザインを含むコンタクトレンズに関し、これは、コンタクトレンズが位置付けられる眼の外観を、生来の見た目を維持しながら強調及び/又は目立たせるために用いられてもよい。これらの例示的なデザインはそれぞれ、3つの層、すなわち、固有の角膜縁デザイングラフィック、固有の内部効果グラフィック、及び固有の外部効果グラフィックを含む。これらの層は、任意の数のデザイン要素及びデザイン原則を用いて形成されてもよい。例えば、ラインを用いて形状を明確化し、生来の虹彩において見出されるライン構造、形状、及び輪郭に似せるか、又は模倣する輪郭を作り出すことができる。異なるレベルの半透明性又は不透明性を持つ色及び色調の値を用いて、溶け込み及びコントラストを作り出すことができる一方、異なる色及び色調を用いて、ハイライト及び陰影を形成することにより、奥行を示唆することができる。スペースを用いて組成を決定することができ、例えば、ポジティブスペースを用いて効果を明確化し、かつ示唆することができる一方、ネガティブスペースを用いて、生来の虹彩が全体パターンの効果に寄与するのを可能にすることができる。重なり合う層の透視を用いて、所与のパターン内の奥行を示唆し、かつ明示することができる。テクスチャを用いて、虹彩の変形例を作り出すことができる。二次元アートで使用されるように、テクスチャは、明暗の使用によって作り出される。明暗要素を用いて、奥行及び形態を示唆してもよい。
【0091】
上記のように、本発明は、3つの別個の層を用いて、全体パターンの更なる奥行及び変形例を提供する。角膜縁デザイングラフィックは、虹彩の外径を包囲する全体パターンの部分であり、強膜に最も近く、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することを意図されるが、それはまた、虹彩中へと延びる要素も含む。内部効果グラフィック層は、虹彩を強調することを意図される全体パターンの部分であるが、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することにも寄与する部分を含んでもよい。外部効果グラフィック層は、虹彩を強調することを意図される全体パターンの部分であるが、眼の角膜縁領域を目立たせる、強調する、及び/又は明確化することにも寄与する部分を含んでもよい。本発明の多層アプローチを用いて、重なり合う及び重なり合わない半透明層を用いて異なるレベルの透明性及び/又は不透明性を作り出すことができる。
【0092】
上述される例示的な実施形態は、美容用コンタクトレンズに用いられ得るさまざまなデザイン特徴を図示するが、要素/特徴のさまざまな組み合わせ及び部分的組み合わせが新しいデザインを作り出すように用いられてもよい点に留意することは重要である。印刷順序の変化は、全体デザインに影響し得る。少なくとも1つの層における任意の単一色の変化は、全体デザインに影響し得る。任意の単一層におけるデザインの変化は、全体デザインに影響し得、かつ任意の単一層における任意のデザインの特徴のうちのいずれかの変化が全体デザインに影響し得る。任意のデザインの大きさ及び/又は層間の重なり合いの程度の変化は、全体デザインに影響し得る。任意の単一層又は各層におけるネガティブスペース/ポジティブスペースの量の変化は、全体デザインに影響し得る。これらの層のうちのいずれか又は全ての半透明性の変化は、全体デザインに影響し得る。加えて、追加の層も全体デザインに影響し得る。上記の例示的な実施形態は、本明細書に記載されるさまざまなデザイン要素を用いて達成され得る、異なるデザインを示している。
【0093】
明細書を通して多くの用語が用いられているが、本明細書に記載される全てのデザインは、装用者の眼の外観を強調することを意図される。したがって、本明細書で使用される用語「強調する」は、引き立たせる、目立たせる、明確化する、境界を明確化する、向上させる、強化する、増幅させる、拡大する、強める及び/又は装用者の眼の外観を美容的に変える任意の行為を含むものとする。
【0094】
本明細書に記載され、本発明に関連する色配合の全ては、顔料分に関して一般に記載され、特定の色として一般に分類される点に留意することは重要である。任意の好適な色が本発明を実施する際に用いられてもよい点に留意することは重要である。
【0095】
美容用コンタクトレンズの異なる領域に対するデザイン/パターン/色彩は、市場調査に基づいて開発される。次いでこれらのパターンを、一般にクリシェと称される金属構造物にエッチングする。より具体的には、好ましくは鋼、より好ましくはステンレス鋼でできた金属プレートが、硬化後に水不溶性となることが可能なフォトレジスト材料で覆われる。パターンが選択されるか又は設計され、次いで写真技術などの多くの技術のいずれかを用いて所望のサイズに縮小され、前記金属プレート上に置かれ、前記フォトレジスト材料が硬化される。その後に金属プレート又はクリシェが水溶液で洗浄され、結果として得られた像又はパターンが、好適な深さ、例えば、約20ミクロンまでプレートの中にエッチングされる。クリシェが製作された後、多工程プロセスを用いて下記のように美容用コンタクトレンズを製造する。
【0096】
図19は、その製造プロセスに使用するパッド印刷プロセスの概要を示す。プロセスの第1工程1902は、所望の着色剤でクリシェの窪みを充填(filing)することである。クリシェ1901は、特定のパターンがその中にエッチングされた多くのクリシェの窪み1903を含む。プロセスの第2工程1904は、クリシェ1901の表面からの余分なインク又は着色剤の除去を含む。余分なインクは、通常、カップ1905上のドクターブレード(1個又は複数個)を用いてクリシェ1901の表面から取り除かれる。プロセスの第3工程1906で、クリシェ1901上の着色剤を乾燥する。プロセスの第4工程1908で、クリシェ1901内の着色剤をパッドにピックアップされる。プロセスの第5工程1910で、着色剤を乾燥する、又は、パッドの上で乾燥させる。プロセスの第6工程1912で、着色剤をパッドから前側曲面に転写し、以下に説明する追加の加工を行なう。プロセスの第7工程1914で、着色剤を乾燥する、又は、前側曲面鋳型半体の前側曲面上で乾燥させる。次いで、残り2つの効果層に対してこのプロセスを繰り返す。
【0097】
図20は、より詳細なプロセスの説明を提供する。第1工程2002で、コンタクトレンズの印刷されていない前側曲面鋳型を提供する。第2工程2004で、透明なベース、すなわち顔料又は染料のないものが、前側曲面に適用される。透明なベースは、下でより詳細に記載されるように用いられるレンズ材料に依存する。第3工程2006で、溶媒、透明なベース、及び顔料を含むインクが、透明なベース印刷された前側曲面に適用される。ここでもこれが繰り返され、その結果、全ての3つの層が透明なベース印刷されたベースカーブに適用される。第4工程2008で、次に印刷された前側曲面に、反応性モノマー混合物、例えば、エタフィルコン-Aを投与する。プロセスの第5工程2010で、コンタクトレンズの後側曲面鋳型を前側曲面鋳型上に位置付け、70℃に温度を維持しながら2分間そこにそのまま維持する。プロセスの第6工程2012で、前側と後側の曲面の間の反応性モノマー混合物を硬化するために可視光に曝露させる。この硬化工程は、70℃の温度で4分間、5mWの可視光を用いる。プロセスの第7工程2014で、鋳型からのコンタクトレンズを800ppmのTween 80と脱イオン水の70℃の溶液中にて1時間、更に45℃の脱イオン水にて1時間、水和させる。プロセスの第8工程2016で、前記コンタクトレンズはその独自のパッケージ内で食塩水にて、124℃の温度で18分間蒸気滅菌される。上述したプロセスは説明を簡単にするために簡略化されていることに注意することが重要である。
【0098】
上記のように、レンズ形成材料は、エタフィルコンAを含む。エタフィルコンAは、コンタクトレンズを製造するための周知の特許材料である。エタフィルコンAは、2-ヒドロキシエタルメタクリレートと、1,1,1-トリメチオールプロポープトリメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートと架橋されたメタクリル酸とのコポリマーである。エタフィルコンAは、Johnson & Johnson Vision Care,Inc.の部門であるVISTAKON(登録商標)から入手可能な多くのコンタクトレンズに用いられている。エタフィルコンAは、本明細書に記載される例示的な実施形態において用いられるが、任意の好適なレンズ形成材料が用いられてもよい点に留意することは重要である。エタフィルコンAの場合、好ましい結合ポリマーは、HEMA及びMAAのランダムブロックコポリマー又はHEMAのホモポリマーである。結合ポリマーの総重量に基づく、これらの実施形態における、それぞれの成分の重量パーセントは、約93~約100重量パーセントのHEMA、及び約0~約2重量パーセントのMAAである。
【0099】
上述されるプロセス又は同様のプロセスを用いて、顔料は透明なベース及びレンズを形成するバルク材料内に封入される。言い換えると、全ての有色の層は、レンズ材料内に封入され、眼に接触することはない。
【0100】
図21は、上述のプロセスから形成されている美容用コンタクトレンズの基本構造を図示する。1つ又は2つ以上の効果層2104は、クリアベース2102とバルクレンズ材料2106との間に挟まれるか、又は封入される。単一の効果層のみが図示されているが、任意の数の効果層又は印刷された着色層が他の2層の間に封入され得る。図示されるように、コンタクトレンズは、1つ又は2つ以上の着色印刷層が、実質的に環状構造を有する場合であっても、レンズ材料内に1つ又は2つ以上の着色印刷層を封入するための完全なクリアベース層を備える。スポークがあるとしても、着色されたデザインは、レンズの光学ゾーン内に延在しない。言い換えると、このデザインでは、コンタクトレンズの中央の光学ゾーン又は中央の視覚領は、クリアベース材料で被覆されている。精密な光学表面及び経路を維持し、患者に最適な視覚、安全性、及び快適性を提供するために、工程2004において上述された完全な被覆とは対照的に前側曲面上に透明な環状帯を印刷するための環状パターンを印刷する印刷版を利用することによって、クリアベース材料が中央の視覚領から取り除かれ得る。透明な環状帯は、任意のデザイン層を封入する又は被覆するように寸法決めされ得る。より具体的には、印刷版を適切に寸法決めすることによって、環状構造の開口部は、着色印刷層の封入を確実にしながら光学品質を維持するように最適化され得る。いかなるデザインも光学ゾーンに侵入するべきではないことから、この領域においては何も封入する必要がない。
【0101】
本発明に示したように封入される着色した領域を説明するために、いくつもの用語が使用され得ることに留意することが重要である。例えば、着色層は、効果層、印刷層、デザイン層、及び着色印刷層と称されてもよい。
【0102】
図22、22A、及び22Bは、本発明に従って利用され得る印刷版(クリシェ)2200の例示的実施形態を図示する。この例示的実施形態では、印刷版2200を使用して、実質的な環状パターンで前側曲面鋳型上にクリアベース材料を堆積させる。インクの堆積に関する上述のプロセスは、この例示的実施形態では、まず、ベースコート材料を用いて利用される。言い換えれば、
図19及び20に対して前述したプロセスを最初に用いて、クリアベースコート材料を前曲面鋳型上に堆積させる。堆積させる位置は、任意の好適なデザインを含む顔料の封入を可能にする一方で、中央の視覚領(すなわち、目の瞳孔領域に対応する領域)をわずかなクリアベースコート材料も無い状態にできる位置である。改変されたクリアベース印刷版2200は、任意の着色デザインを被覆しながら光学ゾーン内のクリアベースコート材料の存在を排除するか、又は、コンタクトレンズの前面の全ての残存部分を被覆しながら、クリアベースコート材料の存在を排除する。言い換えると、クリアベースは、デザインを超えてレンズの縁まで延在してもよい。印刷版2200は、第1の環状区分2202、移行区分2206、及び視覚領開口部2204を備える。第1の環状区分2202は、コンタクトレンズの縁に相当する位置からの、又は着色されたデザインに近接する位置に相当するレンズの縁からの任意の点差し込み部から移行区分2206へ延在してもよい。本発明の典型的な実施形態によれば、第1の環状区分2202は内径が約3.9mmで外径が約17mmである。好ましい実施形態では、第1の環状区分2202は内径が約6mmで外径が約13.5mmである。第1の環状区分2202は、パッドへ移すためのクリアベース材料をピックアップする印刷版2200の部分である。移行区分2206は、第1の環状区分2202の内径から視覚領開口部2204の外径に延在するはるかに小さい環状帯である。本発明の典型的な実施形態によれば、移行区分2206は内径が約1.9mmで外径が約8mmである。好ましい実施形態では、移行区分2206は内径が約4.4mmで外径が約6mmである。移行区分2206は、視覚領開口部2204に接近するにつれて、減少する量のクリアベースコート材料を保持するように構成され、これは本明細書で詳細に説明する多くの異なる方法で行なっても良い。図示されるように、移行区分2206は、前側曲面鋳型上に堆積するための、ある特定の量のベースコート材料をピックアップするディザリングパターン又はマトリクスを備える。移行区分又はゾーン2206は、2つの材料を一緒により良好に融合又は一体化するために利用される。より具体的には、転写されるパターン/マトリクス及び減少する量のベースコート材料を有する移行区分2206は、クリアベースコート材料及びレンズモノマーのより良好な融合/一体化を提供し、それによって、移行区分2206の不在下で生じる可能性のあるあらゆる誘導応力を低減させる。例示的実施形態では、移行区分2206は、第1の環状区分2202に近似の約30ミクロンの厚さ及び視覚領開口部2204に近似の約0ミクロンの厚さを有する。好ましい実施形態では、移行区分2206は、第1の環状区分2202に近似の約20ミクロンの厚さ及び視覚領開口部2204に近似の約10ミクロンの厚さを有する。しかしながら、パッド印刷後、印刷された前側曲面に反応性単量体混合物を投与し、後側曲面鋳型は、前側曲面鋳型上に位置して、レンズの厚さの変化を伴わずに上に詳細に示されるようなレンズを形成する。
【0103】
任意の好適なプロセス又は技術は、ベースコート材料が中央の光学ゾーンに堆積しない限り、レンズモノマーだけではなく、着色デザインを封入するために利用することができることに留意することが重要である。加えて、印刷版2200から転写されるクリアベースコート材料の寸法は、パッドの形状及び硬度等の要因、並びに最終的には、レンズ膨張及び測定技術に基づいていることに留意することが重要である。
【0104】
上述される例示的な移行区分2206は、
図22Aの分解図に詳細に図示されるパターン/マトリクス、及び
図22Bの分解断面図に詳細に図示される厚さ勾配の両方を備える。しかしながら、他の例示的な移行区分は、上に示される組み合わせではなく、どちらか一方を備えてもよい。特に、代替の例示的実施形態では、移行区分は、パターン/マトリクスのみを備えてもよく、パターン密度の減少は材料の厚さを低減するように働き、それにより、潜在的な誘導応力の低下をもたらす。別の代替の例示的実施形態では、減少する量の材料の中実層が利用され、それにより、潜在的な誘導応力の低下をもたらす。パターン/マトリクスは、単独で又は厚さ勾配プロファイルと組み合わせて利用されるかに関わらず、任意の好適なパターンを備え得る。例えば、パターンは、任意の好適な幾何学的デザイン、ディザリングデザイン、ドットマトリクスデザイン、又は任意のランダムデザインを含み得る。
図22及び22Aに図示されるデザインは、第1の環状区分2202から視覚領開口部2204に向かって減少する密度の特徴部を有する基本デザインである。
【0105】
図23は、本発明に従って上述のプロセスから形成されている美容用コンタクトレンズの基本構造を図示する。1つ若しくは2つ以上の効果層及び/又は着色印刷層2304は、環形状クリアベース2302とバルクレンズ材料2306との間に挟まれるか、又は封入される。前述のように、単一の効果層のみが図示されているが、任意の数の効果層が、他の2層の間に封入されてもよい。例示したように、コンタクトレンズは、バルクレンズ材料内に1つ以上の着色印刷層を封入する環形状クリアベース材料層2302を含んでいる。すなわち、反応性モノマー混合物である。言い換えると、この設計では、コンタクトレンズの中央の光学ゾーン又は中央の視覚領2308は被覆されず、それにより、着色層2304の完全な被覆/封入を確実にしながら、高度の快適性を維持することに加えて、精密な光学表面及び経路を維持する。移行区分2206を有する印刷版2200の設計は、環形状クリアベース層2302内に移行領域2310を作り出し、それは、上に詳細に記載されるような材料間のより良好な融合/一体化を提供する。本発明の例示的実施形態に従って、開口部2308は、約1.9mm~約8.8mmの範囲の直径を有し、好ましい実施形態では、約5.75mmの直径を有する。
【0106】
代替の例示的実施形態では、美容用の又は美容用ではないコンタクトレンズは、顔料の封入以外の理由、例えば、快適性のための滑らかなコーティングのために、前面上、背面上、又は両方の表面上のいずれかでコーティングされ、高い光学品質を維持しながら、材料を良好に融合/一体化するために、本明細書に開示される移行区分を有する環状構造を利用することが望ましい。より具体的には、コンタクトレンズが第1の材料から形成され、次いで、レンズの滑らかさを高めるために、第2の材料が片方又は両方の表面上に添加された場合、2つの材料の融合は、上述の応力を誘導することがある。解決策は、またしても、任意の潜在的な誘導応力を低減させるための上に示された移行区分を有する環状のコーティング/構造体であるだろう。
【0107】
別の典型的な実施形態によれば、真珠光沢顔料を美容用コンタクトレンズの1つ以上の領域又は部分内に組み込んで、光沢のある輝く虹色の外観をそこに加えても良い。例えば、これらの真珠光沢顔料を、装用者の強膜に対応するレンズの少なくとも一部に加えても良い。真珠光沢及び干渉効果は、異なる屈折率を伴う透明材料の交互層によってもたらされる。真珠光沢顔料を他の真珠光沢顔料と組み合わせても良く、及び/又は異なるタイプの顔料(例えば、酸化鉄、フタロシアニン及び二酸化チタン、又は染料)と組み合わせても良い。結果として得られる色のいくつかは、銀色、金色、並びに赤色、青色、及び緑色の種々の濃淡であっても良い。
【0108】
概して、美容用コンタクトレンズ上に明るい色の強膜領域を形成するために現時点で用いられる好ましい顔料は二酸化チタンである。本発明の1つの典型的な実施形態による美容用コンタクトレンズは、装用者の強膜に対応する領域内に真珠光沢顔料を組み込むことであり、それにより光沢のある輝く虹色の外観を形成する。言い換えれば、真珠光沢顔料の組み合わせ又は組み込みによって、例えば、雲母ベースの真珠光沢顔料に二酸化チタンをコーティングすると、濡れた反射性外観を有して見た目に自然にもなるより明るい白色の強膜領域となる。好ましい真珠光沢顔料は、雲母ベースの顔料に二酸化チタンをコーティングした銀タイプである。典型的な雲母ベースの顔料は、ケイ酸アルミニウムカリウムである。これに、二酸化チタンTiO2又は酸化鉄Fe2O3をコーティングしても良い。EMD Chemicals Inc.は、アメリカ食品医薬品局が承認した天然ケイ酸塩を二酸化チタンと組み合わせたものを、商標Candurin(登録商標)で販売している。しかしながら、任意の真珠光沢顔料を他の真珠光沢顔料と組み合わせても良く、及び/又は異なるタイプの顔料又は染料と組み合わせて強膜領域で用いても良いことに留意することは重要である。
【0109】
真珠光沢顔料を組み込む本発明の美容用コンタクトレンズは、角膜縁リング、装用者の虹彩を覆うパターン、瞳領域を覆うパターン、透明な瞳領域、明るい色の強膜領域、明るい色の強膜領域であって幾何学的なパターンを伴うもの、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含んでいても良い。角膜縁リングは好ましくは不透明又は半透明である。虹彩領域は半透明、不透明、又は透明であっても良い。瞳領域は透明であるか又はパターンを全く含んでいない。顔料及び染料の両方を用いて、コンタクトレンズの角膜縁、虹彩、及び瞳領域のパターン要素を着色しても良い。任意の有機顔料、無機顔料、効果顔料、染料、又はそれらの任意の組み合わせを用いて、パターンの要素を着色しても良い。
【0110】
次に
図24を参照して、本発明により真珠光沢顔料を含む混合物から形成された明るい色の強膜領域2402を伴う美容用コンタクトレンズ2400の概略図を示す。真珠光沢顔料を伴う明るい色の強膜領域2402を、以下のように製造しても良い。クリアベースインクを、35.35gの1-プロパノールを588.11gの1D Clear Baseに加えることによって調製する。クリアベースインク組成物並びにその調製についてのより詳細な説明を以下に述べる。インクサンプルを次に、3(3)分間、1800rpmにおいて、Servodyneミキサ上で混合した。20(20)パーセントのSilver Fineインクは、5.98gの1-プロパノールを20.05g Silver Fine顔料(EMD Cemicals、Candurian(登録商標)Pearl Effect Colors)及び80.01gの1D Clear Baseに加えることによって調製した。混合物を次に手で混合した。エッチングパターンを伴う鋼鉄印刷版にインク混合物を充填して、鋳型の表面上に印刷した。これは前述した通りである。インクを印刷版から鋳型の表面に、シリコンパッドを用いて転写した。クリアベースインクを最初に印刷し、続いてSilver Fineインクを印刷した。レンズ形成材料(すなわち、エタフィルコンA反応性モノマー混合物)を、印刷された鋳型上に堆積させた後に、相補的な鋳型半体を用いて鋳型組み立てを完了させた。レンズ材料を次に、硬化させて、鋳型から取り外して、緩衝食塩水溶液中で平衡化させた。これらは全て前述で詳細に説明している。真珠光沢顔料をレンズ材料内に封入する。
【0111】
クリアベースインクに対する結合ポリマーは、96gの1-ドデカンチオール(DODT)、56.54gラウリルメタクリレート(LMA)、7.40gメタクリル酸(MAA)、1367gのヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、68.5gグリセロール、378gの1-エトキシ-2-プロパノール(EP)、1511g乳酸イソプロピル(IPL)、及び8.89g2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)を用いて形成した。最初にDODTを加えて、モノマー及び溶媒(約50~100ccのIPL以外)を5(5)リットル青色キャップボトル内で混合して、10(10)分間撹拌した。混合物を次に、5(5)リットルステンレス鋼反応器内に、攪拌器及び窒素を用いて注いだ。混合物の撹拌及び加熱を、温度が68(68)℃になるまで、ほぼ25(25)分間行なった。温度が68(68)℃で安定した後に、AMBNを残りのIPLに溶解して、窒素ブリードを開けながら加えた。重合を16~24時間進行させ、その後に温度を80(80)℃に上げて、反応を終了させた。次いで、混合物を室温に平衡化させた。混合物の粘度を、4(4)部のIPLを1(1)部のEPと混合することによって、要望どおりに調整した。
【0112】
上記のように、レンズ形成材料は、エタフィルコンAを含む。エタフィルコンAは、コンタクトレンズを製造するための周知の特許材料である。エタフィルコンAは、2-ヒドロキシエタルメタクリレートと、1,1,1-トリメチオールプロポープトリメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートと架橋されたメタクリル酸とのコポリマーである。エタフィルコンAは、Johnson & Johnson Vision Care,Inc.の部門であるVISTAKON(登録商標)から入手可能な多くのコンタクトレンズに用いられている。エタフィルコンAは、本明細書に記載される例示的な実施形態において用いられるが、任意の好適なレンズ形成材料が用いられてもよい点に留意することは重要である。
【0113】
別の典型的な実施形態によれば、本発明は、美容用コンタクトレンズであって、それらが位置する目の1つ以上の領域を覆う1つ以上の効果層、目の種々の領域(例えば、前述したような強膜、虹彩、又は強膜及び虹彩の両方)を覆うコンタクトレンズの部分内に組み込まれた真珠光沢顔料、並びに1つ以上の効果層及び真珠光沢顔料を封入する透明なコーティングを含む美容用コンタクトレンズに関する。好ましくは、透明なコーティングは、前述したように環形状を有しているため、レンズの中央の視覚部分は最も高い光学品質である。別の典型的な実施形態によれば、真珠光沢顔料を、強膜、虹彩、及び角膜縁リングを覆う区分において、強膜及び角膜縁リングにおいて、角膜縁リング及び虹彩において、強膜単独において、虹彩単独において、又は角膜縁リング単独において、組み込んでも良い。加えて、典型的な実施形態として、角膜縁リングが以下の特性を有し、また真珠光沢顔料を含み得る場合があっても良いが、一方で、他の典型的な実施形態では角膜縁リングを用いなくても良い。
【0114】
コンタクトレンズの区分のいずれかにおいて、本明細書で説明するような効果層を形成するためのインク組成/染料/顔料を、並びに本明細書で説明するようなコーティングされた雲母ベースの真珠光沢顔料を、単独で又は互いに組み合わせて含んでも良いことに留意することは重要である。例えば、顔料で形成された効果層を雲母ベースの真珠光沢顔料と組み合わせても良く、顔料プラス雲母ベースの真珠光沢顔料効果層を、雲母ベースの真珠光沢顔料と組み合わせても良く、顔料プラス雲母ベースの真珠光沢顔料効果層を、顔料プラス雲母ベースの真珠光沢顔料効果層と組み合わせても良く、及び雲母ベースの真珠光沢顔料ベースの効果層を、雲母ベースの真珠光沢顔料ベースの効果層と組み合わせて、コンタクトレンズを含む区分のいずれかにおいて用いても良い。加えて、雲母を単独で用いて効果層を形成しても良く、雲母を乳白剤として又は着色組成物を形成する際の主要な添加物として用いても良い。例えば、雲母を、より鮮やかな黄色を作るために用いても良い。
【0115】
より具体的には、雲母ベースの真珠光沢顔料を、角膜縁リングを形成する際の乳白剤として用いても良いし、又は角膜縁リング自体を形成する際の主要な要素として用いても良い。1つの典型的な実施形態では、
図25に例示するように、雲母ベースの真珠光沢顔料を角膜縁リング効果に加えて、角膜縁リングに鮮やかさ及びきらめきを加えても良い。
図25において、コンタクトレンズ2500上の角膜縁リング-テーパ状スポークパターンの第1の例示的な実施形態が示される。この例示的な実施形態では、角膜縁リング2502は、幅約1mmの黒い不透明な帯である。角膜縁リング2502の最も内側の境界2504で始まり、コンタクトレンズ2500の幾何学中心に向かって内方に延びるのは、複数のランダムに配置されたテーパ状スポーク2506であり、その最も内側の境界2512は、コンタクトレンズ2500の幾何学中心から測定して7mmの直径を持つ円を形成する。スポーク2506の全ては、概して同様に構成されているが、好ましくはどのスポーク2506も別のスポーク2506と全く同じではない。スポーク2506は、散在するか又はスペース2508によって境され、そのスペースの中には要素がない。スペース2508もまた、概して全て同様に構成されているが、好ましくはスペース2508のうちのどの1つも、スペース2508又はスポーク2506の他のもののいずれとも全く同じ構成ではない。領域2510は、パターン要素がない領域であり、示される領域は、装用者の眼の虹彩部分、並びに装用者の眼の瞳孔部分の全体、又はレンズが眼上の中心にあるときに装用者の瞳孔を覆うレンズの部分を部分的に構成する。示されるように、領域2510は透明であるが、半透明的又は不透明的に着色されてもよい。示される最も内側の境界2504は、均一で規則的な形状であるが、不均一で不規則的な境界であってもよい。同様に、テーパ状スポークの境界2512は、実質的に均一な境界を形成するが、不均一な境界を形成してもよい。雲母ベースの真珠光沢顔料2514が、角膜縁リング領域2502内に封入されており、ランダム又は非ランダムパターンであっても良い。雲母ベースの真珠光沢顔料を、本明細書で示すデザインのいずれかに組み込んであっても良いことに留意することは重要である。
【0116】
雲母ベースの真珠光沢顔料を、虹彩領域を覆う区分を形成する際に用いても良い。例えば、雲母ベースの真珠光沢顔料を用いて効果層を形成しても良い。雲母上に異なるコーティングを用いても良い。雲母ベースの真珠光沢顔料を存在する効果層に加えても良い。雲母ベースの真珠光沢顔料を、存在する効果層における乳白剤として加えても良い。加えて、雲母ベースの顔料を用いて新色を開発しても良い。
【0117】
次に
図26を参照して、装用者の目の虹彩領域を覆う美容用コンタクトレンズに対する典型的な効果デザイングラフィック2600を例示する。
図26から分かり得るように、このデザイングラフィックでは、他のデザインの大部分がそうであるような角膜縁リングを含まないため、全く異なる効果を形成する。加えて、他のデザインとは違って、この典型的な実施形態では、デザインを構成する雲母ベースの真珠光沢顔料2602のみを含んでいる。雲母ベースの真珠光沢顔料2602は、虹彩領域内に配置されており、ランダム又は非ランダムパターンであっても良い。加えて、本明細書で述べるように、雲母ベースの真珠光沢顔料に他の種々の材料をコーティングして、その色を変えても良いし、又は更なる効果を加えても良い。他の典型的な実施形態では、効果層(例えば例示したもの)は、前述したような標準的な顔料を真珠光沢顔料と組み合わせたものを含んでいても良い。
図26は顔料の正規の形状として例示しているが、環状以外の任意の他の形状を想定しても良いことに留意することは重要である。
【0118】
雲母ベースの真珠光沢顔料は、強膜領域を覆う区分を形成する際に用いても良い。例えば、雲母ベースの真珠光沢顔料を用いて、強膜内に効果層を形成しても良い。雲母上に異なるコーティングを用いても良い。雲母ベースの真珠光沢顔料を、強膜領域内に存在する効果層に加えても良い、例えば、明るくする色である。雲母ベースの真珠光沢顔料を、強膜領域内に乳白剤として加えても良い。加えて、雲母ベースの顔料を用いて、強膜領域で用いる新色を開発しても良い。コンタクトレンズの1つ以上の区分又は領域に加えるべき雲母ベースの真珠光沢顔料の程度及び量を、微妙から顕著までの所望の範囲の影響に応じて調整しても良い。
【0119】
図示及び説明されたものは、最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるが、説明及び図示した特定の設計及び方法からの変更がそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、記載し例証した特定の構成に限定されないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての修正と一貫するように構成されているべきである。
【0120】
〔実施の態様〕
(1) 眼強調コンタクトレンズであって、
目の強膜領域に対応する第1の領域と、
目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、
目の虹彩領域に対応する第3の領域と、
目の前記角膜縁領域に対応する前記第2の領域内に組み込まれ、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する角膜縁領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含む、眼強調コンタクトレンズ。
(2) 前記雲母ベースの真珠光沢顔料には酸化物層がコーティングされている、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(3) 前記酸化物層には二酸化チタンが含まれている、実施態様2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(4) 前記酸化物層には酸化鉄が含まれている、実施態様2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(5) 前記酸化物層にはケイ酸アルミニウムカリウムが含まれている、実施態様2に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【0121】
(6) 前記雲母ベースの真珠光沢顔料はランダムパターンで配列されている、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(7) 前記雲母ベースの真珠光沢顔料は非ランダムパターンで配列されている、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(8) 前記第1、第2、及び第3の領域を覆う環形状の透明なコート層を更に含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(9) 前記環形状の透明なコート層と、前記第1、第2、及び第3の領域との両方を覆うバルクレンズ材料を更に含む、実施態様8に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(10) 前記第1の領域は第1のデザイングラフィックを含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
【0122】
(11) 前記第2の領域は第2のデザイングラフィックを含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(12) 前記第3の領域は第3のデザイングラフィックを含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(13) 前記強膜領域に対応する前記第1の領域内に組み込まれ、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する強膜領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料を更に含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(14) 前記虹彩領域に対応する前記第3の領域内に組み込まれ、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する虹彩領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料を更に含む、実施態様1に記載の眼強調コンタクトレンズ。
(15) 眼強調コンタクトレンズであって、
目の強膜領域に対応する第1の領域と、
目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、
目の虹彩領域に対応する第3の領域と、
前記第1、第2、及び第3の領域内に組み込まれ、かつ光沢のある輝く虹色の外観を有する強膜領域、角膜縁領域、及び虹彩領域を形成するように構成された雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含む、眼強調コンタクトレンズ。
【0123】
(16) 眼強調コンタクトレンズであって、目の虹彩領域に対応する効果デザイングラフィックを含み、前記効果デザイングラフィックが、雲母ベースの真珠光沢顔料を含み、光沢のある輝く虹色の外観を有する虹彩領域を形成するように構成された、眼強調コンタクトレンズ。
(17) 眼強調コンタクトレンズであって、
目の強膜領域に対応する第1の領域と、
目の角膜縁領域に対応する第2の領域と、
目の虹彩領域に対応する第3の領域と、
前記第1、第2、及び第3の領域のうちの少なくとも1つに組み込まれた雲母ベースの真珠光沢顔料であって、不透明で、光沢のある輝く虹色の外観の両方を形成する乳白剤として構成された、雲母ベースの真珠光沢顔料と、を含む、眼強調コンタクトレンズ。