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特許7282878放射性物質の塊の取り扱いを容易にする設計を有する、放射性物質の輸送及び/又は保管のためのパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】放射性物質の塊の取り扱いを容易にする設計を有する、放射性物質の輸送及び/又は保管のためのパッケージ
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/36 20060101AFI20230522BHJP
   G21F 5/06 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
G21F9/36 501H
G21F9/36 501G
G21F9/36 501J
G21F5/06 G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021519002
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 FR2019051454
(87)【国際公開番号】W WO2019239078
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】1855265
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520492400
【氏名又は名称】オラノ ニュークリア パッケージーズ アンド サービシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティニャ,オード
(72)【発明者】
【氏名】カー,ベンジャマン
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-169456(JP,A)
【文献】米国特許第04456827(US,A)
【文献】仏国特許発明第01553725(FR,A)
【文献】特開2002-148387(JP,A)
【文献】特開2015-184196(JP,A)
【文献】特開2004-028944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/36
G21F 5/00-5/14
G21C 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質を輸送及び/又は保管するためのパッケージ(1)であって、放射性物質の塊(13)を受け入れるための収容キャビティ(12)を境界限定しており、前記収容キャビティが、側体(10)と、底部(4)と、前記側体に着脱可能に取り付けられた蓋(6)とにより少なくとも部分的に画成されており、前記底部と前記蓋とが、前記パッケージの長手方向軸(2)に沿って互いに離間されており、前記側体(10)が前記蓋(6)側の軸方向第1端部(10a)と前記底部(4)側の軸方向第2端部との間に延在しているパッケージにおいて、
前記側体(10)が、遷移面(16)を画成している厚さ変化領域(14)を有し、前記側体が、前記遷移面(16)から前記側体の前記軸方向第1端部(10a)に向かって延在している減厚部分(20a)を含み、前記減厚部分(20)が内面(24)を含み、当該内面(24)が前記側体の中空ゾーン(26)を横方向に境界限定しており、前記中空ゾーン(26)が前記遷移面(16)により軸方向においても境界限定されており、且つ、
前記パッケージが、前記長手方向軸(2)を中心に延在している側体再構成部分(30)を備え、当該側体再構成部分(30)が、前記中空ゾーン(26)内に着脱可能に配置されており、且つ、前記収容キャビティ(12)の一部を横方向に境界限定している内面(34)を有し、
前記内面(24,34)が、30mmよりも大きい半径方向最小分離長さを有するように互いに離間されており、
前記側体再構成部分(30)は前記遷移面(16)に当接していることを特徴とする、パッケージ。
【請求項2】
前記側体再構成部分(30)が、
a)前記側体(10)及び前記蓋(6)から独立しており、且つ、
b)前記蓋(6)の一体的部分を形成しており、前記蓋(6)が、また、前記収容キャビティ(12)を軸方向に閉鎖してこのキャビティの軸方向端面(38)を画成するための主要部分(36)も含み、前記側体再構成部分(30)が、前記軸方向端面(38)から前記底部(4)の方向に軸方向に突出して配置されており、又は、
c)第1部分(30a)と第2部分(30b)とを組み合わせて前記側体を再構成することにより形成され、
前記第1部分(30a)が前記蓋(6)の一体的部分を形成しており、前記蓋(6)が、また、このキャビティの軸方向端面(38)を画成している前記収容キャビティ(12)の軸方向閉鎖のための前記主要部分(36)も含み、前記第1部分(30a)が、第一に、側壁(70)を含み、当該側壁(70)が前記内面(34)を形成し、且つ、前記軸方向端面(38)から前記底部(4)の方向に軸方向に突出して配置されており、前記第1部分(30a)が、第ニに、固定フランジ(72)を含み、当該固定フランジ(72)が、前記側壁(70)の軸方向端部に配置され、且つ、前記遷移面(16)に当接することを意図されており、
前記第2部分(30b)が前記側体(10)及び前記蓋(6)から独立しており、且つ、前記側体の前記減厚部分(20a)の前記内面(24)と、前記蓋の前記第1部分(30a)の前記側壁(70)及びこの蓋の前記主要部分(36)から形成された組立体との間に半径方向に配置されている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記蓋(6)を前記側体(10)上に固定するための手段(40)を備え、当該固定手段が、前記側体再構成部分(30)と、前記パッケージ(1)に含まれる前記側体(10)の前記遷移面(16)とを通過することを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記c)の場合、前記固定手段(40)が前記側体再構成部分(30)の前記第1部分(30a)の前記固定フランジを通過することを特徴とする、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
シーリングシステム(54)が、前記側体の前記遷移面(16)と前記側体再構成部分(30)の軸方向端部との間で軸方向に把持されることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記蓋(6)の全体が前記側体の前記減厚部分(20a)により横方向に覆われていることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記側体(10)に固定された追加の蓋をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記蓋(6)の少なくとも一部と、前記側体(10)の前記軸方向第1端部(10a)とを覆う衝撃ダンピングキャップ(46)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記側体再構成部分(30)の前記内面(34)が前記収容キャビティの軸方向セクションを横方向に境界限定し、当該軸方向セクションが50mm以上の軸方向長さ(L1)にわたって延在していることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記側体の前記遷移面(16)が内部ショルダを形成していることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項11】
請求項1に記載のパッケージ(1)を含むパーセル(100)であって、当該パッケージ(1)に前記放射性物質の塊(13)が、前記収容キャビティ(12)に収容されて積み込まれており、バレルの形態である前記放射性物質の塊(13)が、部分的に前記側体再構成部分(30)に横方向に面して配置されている、パーセル(100)。
【請求項12】
請求項1に記載のパッケージの前記収容キャビティ(12)に収容されている前記放射性物質の塊(13)を取り出す方法であって、
-前記蓋(6)及び前記側体再構成部分(30)を取り外し、これにより、前記中空ゾーン(26)の、前記減厚部分(20a)の内面(24)と前記放射性物質の塊(13)の上部の外面との間の環状空間(56)を解放するステップと、
-前記塊(13)を前記収容キャビティ(12)から抜き出すためのハンドリング装置(58)を前記環状空間(56)に、前記放射性物質の塊(13)の外面に接続するために導入するステップと、
-前記ハンドリング装置(58)を使用して、前記収容キャビティ(12)から前記塊(13)を抜き出すステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質、例えば、バレルに収容された放射性廃棄物、又は核燃料集合体を輸送及び/又は保管するためのパッケージの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質の輸送及び/又は保管用のパッケージのための多数の設計が先行技術から知られている。一般的に、パッケージは、放射性物質の塊(mass)を受け入れる収容キャビティを有し、このキャビティは、側体、底部、及び、側体に着脱可能に取り付けられた蓋により画成されている。
【0003】
放射性物質の塊を抜き出すためには、最初に蓋を本体から取り外す。次に、塊を、収容キャビティから抜き出すためにハンドリング装置により把持する。このような抜き出しを確実にするためには、ハンドリング装置を放射性物質の塊に、例えばこの塊のヘッド端に接続しなければならない。
【0004】
しかし、ハンドリング装置により塊を、塊の側面で把持しなければならない場合もある。この場合、一般的に、半径方向の間隙が、この塊と、収容キャビティを境界限定している側体の内面との間に設けられる。こうして、ハンドリング装置を、この半径方向の間隙に軸方向に、放射性物質の塊の側面に接続するために導入できる。しかし、この半径方向の間隙により、パッケージの寸法が過度に大きくなり、重量、コスト、及び体積(bulk)に関して不都合な影響をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下に特定される問題に対処するために、本発明の目的は、請求項1に記載の特徴による、放射性物質を輸送及び/又は保管するためのパッケージである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、前記側体再構成部分が取り外されたとき、前記中空ゾーンが、前記放射性物質の塊への横方向の(側方からの)アクセスをもたらして、前記放射性物質の塊が横方向に(側方から)容易に把持されることを可能にする。これは、前記中空ゾーンが、前記側体の前記減厚部分の内面と前記放射性物質の塊との間にハンドリング装置を導入することを可能にすることによる。
【0007】
このように容易にされた把持は、有利なことに、前記側体の幅を増大せずに達成され、これが、コスト、パッケージの総重量、及びパッケージの体積の抑制を保証する。
【0008】
さらに、前記側体再構成部分は、前記側体の前記減厚部分において前記側体の厚さを局所的に再構成することを可能にして、シールディングからの漏出が無いようにする。
【0009】
最後に、前記蓋の少なくとも一部、好ましくは前記蓋全体を、前記側体の前記減厚部分により横方向に境界限定された、この側体の前記中空ゾーンに配置できる。従って、前記蓋が前記側体により保護されているため、横方向又は斜めに落下した場合でも、前記パッケージの機械的強度は十分である。
【0010】
さらに、本発明は、以下の任意選択的な特徴のうちの少なくとも1つを、単独で又は組合せにより有する。
【0011】
前記再構成部分は、長手方向軸を中心として中断されずに延在し、従って、360度にわたる閉じた構造、例えば環状構造を形成し、この構造の厚さは一定又は可変である。好ましくは、前記再構成部分は、均一で十分なシールディング(遮蔽)性能を得るために前記側体と共に一定の厚さを形成するような組立体である。360度にわたって閉じられたこの構造は、単一の部品で作成されても、又は、間隙を有さずに端から端まで配置された一連の角度セクターにより作成されてもよい。
【0012】
或いは、前記再構成部分は、360度未満の角度セクターのみにわたって延在し、この場合、複数の再構成部分をパッケージ内に互いに角度的に離隔して設けることができる。
【0013】
前記側体再構成部分は、
a)前記側体及び前記蓋から独立しており、且つ、
b)前記蓋の一体的部分を形成しており、前記蓋が、また、前記収容キャビティを軸方向に閉鎖してこのキャビティの軸方向端面を画成するための主要部分も含み、前記側体再構成部分が、前記軸方向端面から前記底部の方向に軸方向に突出して配置されており、又は、
c)第1部分と第2部分とを組み合わせて前記側体を再構成することにより形成され、
前記第1部分が前記蓋の一体的部分を形成しており、前記蓋が、また、このキャビティの軸方向端面を画成している前記収容キャビティの軸方向閉鎖のための前記主要部分も含み、前記第1部分が、第一に、側壁を含み、当該側壁が前記内面を形成し、且つ、前記軸方向端面から前記底部の方向に軸方向に突出して配置されており、前記第1部分が、第ニに、固定フランジを含み、当該固定フランジが、前記側壁の軸方向端部に配置され、且つ、前記遷移面に当接することを意図されており、
前記第2部分が前記側体及び前記蓋から独立しており、且つ、前記側体の前記減厚部分の前記内面と、前記蓋の前記第1部分の前記側壁及びこの蓋の前記主要部分から形成された組立体との間に半径方向に配置されている。
【0014】
前記パッケージは、前記蓋を前記側体上に固定するための手段を備え、当該固定手段は、前記側体再構成部分と、前記パッケージ側体の前記遷移面とを通過する。この実施形態は、b)の場合、すなわち、前記側体再構成部分が前記蓋内に一体的に組み込まれている場合に優先的に採用される。
【0015】
前記c)の場合、これらの前記固定手段は、優先的に、前記側体再構成部分の前記第1部分の前記固定フランジを通過する。こうして、有利なことに、前記固定手段の長さが低減される。すなわち、前記固定手段はこの固定フランジのみを通過し、前記再構成部分の前記第2部分は通過しない。
【0016】
或いは、前記固定手段は、前記側体の前記軸方向第1端部と協働してもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。そして、この代替的な実施形態は、前記側体再構成部分が前記側体及び前記蓋から独立している場合に好ましく、この場合、前記再構成部分は、間隙を有さずに軸方向に保持されることができ、又は、前記蓋と前記遷移面との間に軸方向間隙を有して保持され得る。
【0017】
シーリングシステムが、前記側体の前記遷移面と前記側体再構成部分の軸方向端部との間で軸方向に把持される。この実施形態は、上述のb)の場合及びc)の場合において優先的に採用される。
【0018】
或いは、前記シーリングシステムは、前記側体の前記軸方向第1端部と、前記蓋の、この第1端部を覆う部分との間で軸方向に把持されてもよく、これも発明の範囲から逸脱しない。この代替的な実施形態は、上述のa)の場合、すなわち、前記側体再構成部分が前記側体及び前記蓋から独立している場合に好ましい。
【0019】
落下した場合の機械的強度を高めるために、前記蓋の全体が、前記側体の前記減厚部分により横方向に覆われている。しかし、この蓋の一部を前記側体に対して軸方向において外側に配置してもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。
【0020】
前記パッケージは、さらに、前記側体に固定された追加の蓋を含む。
【0021】
前記パッケージは、さらに、前記蓋の少なくとも一部と、前記側体の前記軸方向第1端部とを覆う衝撃ダンピング(減衰)キャップを含む。
【0022】
前記側体再構成部分の前記内面は、前記側方キャビティの軸方向セクションを横方向に境界限定し、当該軸方向セクションは、50mm以上の軸方向長さにわたって延在している。優先的には、この軸方向セクションの長さは、前記収容キャビティの軸方向全長の例えば20%に相当し、最大で、前記収容キャビティのこの軸方向全長の50%に相当する。
【0023】
前記側体の前記遷移面は内部ショルダを形成している。或いは、この面は、前記側体の厚さの遷移を提供するその他の形態、例えば、傾斜面、階段状面などを有し得る。
【0024】
本発明の目的の1つは、上述のパッケージを含むパーセルであり、前記パッケージに前記放射性物質の塊が、前記収容キャビティに収容されて積み込まれており、前記放射性物質の塊は、好ましくはバレルの形態であり、前記側体再構成部分に横方向に面する部分に配置されている。
【0025】
本発明の別の目的は、請求項12に記載の取り出し方法である。
【0026】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の非限定的な詳細な説明に現れるであろう。
【0027】
この説明を、添付図面を参照しつつ行う。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の好ましい実施形態による、放射性物質を保管及び/又は輸送するためのパッケージの長手方向軸方向の断面図である。
図2】分解図で示された、図1と類似の図である。
図3図1及び図2に示したパッケージの、ヘッドダンピングキャップが無い状態で示された平面図である。
図4】パッケージが本発明の別の好ましい実施形態の形態である、図1図3と類似の図である。
図5】パッケージが本発明の別の好ましい実施形態の形態である、図1図4と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に図1図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態による、放射性物質を保管及び/又は輸送するためのパッケージ1が示されている。
【0030】
このパッケージ1は、その長手方向軸2が鉛直方向に向けられた鉛直保管位置で示されている。これは、上述のケースb)に対応しており、パッケージ底部4を含み、パッケージ底部4は、長手方向軸2に平行な高さ方向8において、着脱可能な蓋6の反対側にある。軸2に沿って互いに離間されている底部4と蓋6に加えて、パッケージ1は、この軸2の周囲に延在する側体10を含む。側体10は、蓋6側の軸方向第1端部10aと、底部4側に位置する、軸方向第1端部10aの反対側の第2端部との間に延在している。こうして、側体10は、ヘッド端とも称される軸方向第1端部10aにて、蓋6により閉じられている。側体10は、また、軸方向第2端部10bにて底部4により閉じられている。
【0031】
底部4及び蓋6は、放射性物質の塊13が受け入れられる収容キャビティ12を軸方向に境界限定しており、ここで、バレルが放射性廃棄物を密封している。このタイプのバレルは「キャニスタ」という用語でも知られている。図1及び図2に示されているように、この塊13がキャビティ12に収容されると、塊13はパッケージ1と共にパーセル100を形成する。また、収容キャビティ12は、横方向においても側体10により境界限定されている。本発明におけるその特殊性について、以下に説明する。
【0032】
この側体10はその内部に、厚さ変化ゾーン14を含み、ゾーン14は、ここではショルダの形態の遷移面16により示されている。こうして、側体10は、減厚(reduced-thickness)部分20aと、ショルダ16により部分20aから分離された、より厚い部分20bとを含む。そして、減厚部分20aは、ショルダ16から第1端部10aに向かって延在している。より正確には、減厚部分20aは、このショルダ16と、側体10の第1端部10a(この側体の軸方向端面に対応する)との間で軸方向に境界限定されている。また、より厚い部分20bは、ショルダ16と第2端部10bとの間で軸方向に境界限定されている。
【0033】
好ましくは、減厚部分20aは一定の厚さを有する。減厚部分20aは、側体10の中空ゾーン26を横方向に境界限定する内面24を含み、結果として、この中空ゾーン26は、ショルダ16の横方向面(transverse surface)により、及び、この側体10の第1端部10aの横方向面により、軸方向に境界限定されている。側体の外面が円形断面を有する円筒状であるこの好ましい実施形態において、側体の減厚部分20aの内面24もまた、優先的に、円形断面を有する円筒状である。従って、中空ゾーン26は円筒状容積の形態であり、これもまた円形断面を有する。
【0034】
同様に、より厚い部分20bも一定の厚さを有する。より厚い部分20bは、収容キャビティ12の大部分を底部4まで横方向に境界限定している内面28を含む。この、より厚い部分20bの内面28もまた、優先的に、円形断面を有する円筒状であり、内面28の直径は、側体の減厚部分20aの内面24の直径よりも小さい。
【0035】
本発明のその他の特殊性の1つは、側体再構成部分30の存在にあり、この再構成部分は、この場合、中空ゾーン26において軸2を中心に360度にわたって延在する閉じたリングの形態である。この再構成部分30は、側体の減厚部分20aの内面24の形状と相補的な形状を有する外面32を有する。さらに、再構成部分30の内面34は、収容キャビティ12の上部、すなわち、外側本体のより厚い部分20bより上(すなわち、ショルダ16より上)に位置する部分を横方向に境界限定している。これに関して、リング30の内面34が、より厚い部分20bの内面28と同一の又は類似の形状を有し、これにより、均一で一定の形状を有する収容キャビティ12をもたらすことに留意されたい。これは、側体の部分20bの厚さが、部分20aと、この部分20aに横方向に隣接して配置されたリング30との全体の厚さにほぼ同一であることによる。
【0036】
内面34と内面24とは、軸2を中心に同心円状である。そして、内面34と内面24とは、この軸2に対して互いに半径方向に、半径方向最小分離長さが30mm以上(又は、より優先的には50mmよりも大きい長さ)であるように離間して配置されている。面24,34の同心性及びそれらの形状により、面24と面34との半径方向の分離は、優先的に、円周方向全体にわたって一定又はほぼ一定である。
【0037】
この好ましい実施形態において、リングの形態の再構成部分30が、蓋6の一体的部分を形成している。そして蓋6は、収容キャビティ12の軸方向閉鎖のために機能する主要部分36を含み、この主要部分36は、優先的に、軸2に直交して配置されたスラブの形態である。蓋6は、この再構成部分30も含み、再構成部分30は、キャビティの軸方向端面38に対応している軸方向主要閉鎖部分36の内面から、底部4の方向に軸方向に突出して配置されている。蓋6の2つの構成要素30,36は、単一の部品として作成されても、或いは、溶接又は同等の固定手段により、互いに固定して取り付けられてもよい。さらに、蓋6は、蓋6の軸方向端面38に衝撃ダンパ(図示せず)を含むことも可能であり、その場合、衝撃ダンパは、放射性物質の塊13のヘッド端と軸方向において対向する。同様に、このような衝撃ダンパは、塊13に固定されるか、或いは、この塊13と蓋6との間に単に軸方向に配置され得る。
【0038】
図1に見られるように、蓋6、特に、軸方向主要閉鎖部分36は、側体10の減厚部分20aにより、横方向において完全に覆われている。これは、横方向又は斜めに落下した場合のパッケージの機械的強度を高めることを可能にする。なぜなら、蓋6が側体により完全に保護されているからである。この機械的強度は、また、蓋6を側体10に固定するための手段によっても提供され、この手段は、ここでは、軸2に平行な複数のねじ付き要素40の形態を有する。これらの要素40は、最初に、軸方向主要閉鎖部分36の外周を通過し、次いで、再構成部分30を通過し、最終的に、ショルダ16を通過して、側体の部分20bの上端にねじ込まれる。ねじ付き要素は、軸2を中心に等間隔に配置され、ねじ付き要素のヘッドは、軸方向主要閉鎖部分36の外面44上に形成された皿穴42に配置されている。これらの皿穴42のおかげで、ねじ付き要素40はこの閉鎖部分36から突出しない。これは、側体10上に第2の蓋(図示せず)を、蓋6の上に重ねて組み立てることを可能にし、又は、衝撃ダンピングキャップ46の底部45を軸方向主要閉鎖部分36の外面44に可能な限り近づけることを可能にする。ヘッドダンパキャップと称されるこのキャップ46は、中空部48を境界限定するベース45を実質的に提供し、この中空部48に、減厚部分20aのヘッド部が、蓋6の閉鎖部分36と共に収容される。従って、これらの2つの要素はヘッドダンパキャップ46により横方向に覆われる。さらに、類似のベースダンパキャップ50が、より厚い部分20bの底部及び底部4を横方向に覆うことが特定される。
【0039】
また、パッケージは、ショルダ16と再構成部分30の底部軸方向端部との間に軸方向に把持されたシーリング(密閉)システムを含む。シーリングシステムは、例えば、軸2を中心とした2つのシール54であり、シール54は、ねじ付き要素40により形成された固定クラウンの内側で、上述の2つの要素間の境界に配置されている。これらのシールは、バレル13を収容キャビティ12内に閉じ込めさせ、そして、閉じ込めチャンバを形成する。
【0040】
こうして、本発明に特有のこの設計により、キャビティ12は、底部4及び蓋の主要閉鎖部分36により軸方向に境界限定され、また、2つの内面34,28により横方向に境界限定される。さらに、リング30の内面34が、キャビティ12の上部軸方向セクションを、50mm以上の長さL1にわたって横方向に境界限定する。
【0041】
パッケージに中身が積み込まれた構成状態において、図1に示されているように、蓋6が側体10上に固定されているとき、再構成リング30は、ショルダ16に対して、ねじ付き要素40を介して軸方向に押し付けられる。この構成において、シールディングは、リング30を介した厚さの再構成のおかげで側体10の上部に適切に設置される。そして、バレル13の上部は、このリング30に横方向に面して配置され、バレル13とリング30との間の半径方向の間隙は、優先的に小さい。また、小さい軸方向間隙も、図1の鉛直方向位置における底部4上に載置されたバレル13と、蓋6の主要閉鎖部分36の軸方向端面38との間に観察される。
【0042】
バレル13からの取り出し作業中に行われた蓋6の取り外し後、中空ゾーン26の環状空間56が、減厚部分20aの内面24とバレル13の上部の外面との間に形成される。そして、環状空間56は、30mm以上の、好ましくは以上50mm以上の半径方向厚さを有する。
【0043】
図2に見られる、ショルダ16により底部に向かって軸方向に境界限定されたこの環状空間56は、バレル13を把持するための、バレル13への横方向のアクセスを形成する。これは、ハンドリング装置58が、フリー状態に維持され且つ十分な半径方向の厚さを有するこの環状空間56内に、バレル13の外側側面に接続されるために軸方向に導入され得ることによる。ハンドリング装置58は、例えば、ドラムクランプ又はグラプネル58であり、これらは、パッケージの幅を過大にすることを全く必要とせずに専用スペース56内に容易に挿入され得る。取り付けが行われたならば、バレル13をキャビティ12から軸方向に引き抜くことができる。
【0044】
図4は、上述の実施形態と多くの類似点を有する、本発明の別の好ましい実施形態を示している。さらに、全ての図において、同一の数値参照符号が付された要素は、同一の又は類似の要素に対応している。
【0045】
上述のa)の場合に対応している、この別の実施形態において、主な違いは側体再構成部分にあり、すなわち、この側体再構成部分は、蓋6に組み込まれたリングではなく、側体10及び蓋6から独立したリング30である。このリング30は、実際、スラグの形態の蓋6と、ショルダ16(側体10の2つの部分20aと20bとを分離している)との間に軸方向に配置されている。
【0046】
この実施形態において、シール(複数可)54は、側体10の第1端部10aと、この端部を覆う蓋6の内面との間にオフセット配置され得る。蓋6を受け入れるために皿穴/凹部62が第1端部10aに優先的に設けられているため、シール54は、この第1端部10aの皿穴底部に配置されている。同様にねじ付き固定要素40も、減厚部分20aのヘッド部と協働するためにここに配置され得て、蓋6の外周と、軸方向第1端部10aにより画成された皿穴底部とを通過する。
【0047】
最後に、この実施形態において、蓋6は、また、減厚部分20aにより横方向に完全に覆われて、軸方向第1端部10aの皿穴/凹部62内に完全に収容される。遷移面16に関しては、ショルダの形態としての皿穴底部において、シール54はさらに、ねじ付き要素40により形成された固定クラウンの内側に位置している。
【0048】
図5は、上述の実施形態と類似のさらに別の実施形態を示している。この実施形態は前述のc)の場合に相当し、側体再構成部分30が2つの別々の要素により形成されているという特殊性を有する。
【0049】
これは、図1図3の実施形態の再構成部分30に非常に類似している第1部分30aと、図4の実施形態の再構成部分30に非常に類似している第2部分30bとを組み合わせた例である。
【0050】
これは、第1部分30aが、蓋6(収容キャビティ12の軸方向主要閉鎖部分36も含む)の一体的部分を形成することによる。より正確には、第1部分30aは、まず、薄いリング70の形態の側壁を含み、リング70は、蓋の主要部分36により画成された軸方向端面38から下向きに突出している。リング70は軸2を中心としており、リング70の内面は、キャビティ12を半径方向に境界限定する内面34を形成している。リング70は、主要部分36に接続された端部と反対側の軸方向端部において、固定フランジ72を固定的に担持している。固定フランジ72は、軸2を中心とした薄いディスクの形態を有し、リング70から半径方向外向きに突出している。固定フランジ72の半径方向の延在がショルダ16の延在にほぼ対応しており、ショルダ16に固定フランジ72が当接することが意図されている。これを行うために、ねじ付き要素40がクラウンを形成し、ねじ付き要素40の各々が固定フランジ72を通過し、次いでショルダ16を通過し、これにより、これらの2つの要素72と16とを互いに押し付ける。従って、蓋6を固定するために必要なねじ付き要素40の長さが、図1~3に示したb)の場合の類似の要素と比較して特に短いことが分かる。
【0051】
固定フランジ72が側体10の厚さをショルダ16の付近で再構成できるのならば、蓋6に固定した後、内面24とこの同じ蓋との間に環状空間74が残る。この空間は、再構成部分30の第2部分30bにより完全に又は部分的に占有されている。この第2部分30bは、図4に示したa)の場合の再構成部分30と同様に、側体10及び蓋6から独立している。
【0052】
第2部分30bは、別のリング30bの形態を有し、第2部分30bの軸方向端部の一方が、環状空間74を軸方向に境界限定しているフランジ72に当接しており、他方の軸方向端部は、第1端部10aの平面付近若しくは平面内に配置され、及び/又は主要閉鎖部分36の外面44の平面の近く若しくは平面内に配置されている。このリング30bは、内面24と、第1部分30aのリング70及びこの蓋の主要部分36により形成された組立体の半径方向外面との間に配置されている。これに関し、主要部分36と第1部分30aとは単一の部品で作成され、或いは、より優先的には、複数の要素を互いに組み立てることにより、好ましくは溶接により作成され得ることに留意されたい。
【0053】
再構成リング30bの軸方向のロックは、ヘッドダンピングキャップ46の底部を通して、或いは、蓋6を軸方向に覆い且つ本体10に固定された追加の蓋(図示せず)の存在により行われる。また、この追加の蓋は、上述のその他の全ての実施形態においても提供され得る。
【0054】
単に非限定的な例として以上に記載した本発明に、当業者が様々な修正を、添付の特許請求の範囲により定義される範囲に従って行い得ることは当然である。特に、様々な好ましい実施形態は互いに組み合わせ得る。
【符号の説明】
【0055】
1 パッケージ
2 長手方向軸
4 パッケージ底部
6 蓋
10 側体
10a 軸方向第1端部
10b 軸方向第2端部
12 収容キャビティ
13 放射性物質の塊
16 遷移面(ショルダ)
20a 減厚部分
24 減厚部分の内面
30 側体再構成部分
36 蓋の主要閉鎖部分
40 ねじ付き要素
46 衝撃ダンピングキャップ
54 シール
56 環状空間
58 ハンドリング装置
70 側壁
100 パーセル
図1
図2
図3
図4
図5