(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】データの再送復号方法、装置、システム及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 1/08 20060101AFI20230522BHJP
H04L 1/18 20230101ALI20230522BHJP
【FI】
H04L1/08
H04L1/18
(21)【出願番号】P 2021537942
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2019108577
(87)【国際公開番号】W WO2020134258
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201811609673.1
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】李揚
(72)【発明者】
【氏名】汪立林
(72)【発明者】
【氏名】武雪強
(72)【発明者】
【氏名】張徳剛
(72)【発明者】
【氏名】王佳楠
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-011460(JP,A)
【文献】特開2014-229944(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0054572(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/08
H04L 1/18
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの再送復号方法であって、
前記方法は、復号部に適用され、前記方法は、
復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得することと、
記憶されている前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、前記コードブロックチェック状態情報は、前記復号部が、受信した復号待ちデータの復号結果をチェックして記憶したコードブロックチェック状態情報であることと、
前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号することと、
前記コードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信し、前記データ送信部に、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記予定の復号パラメータを決定させることと、
前記データ送信部により送信された前記予定の復号パラメータを受信することと、を含み、
前記予定の復号パラメータは、反復回数を含み、前記データ送信部により送信された前記予定の復号パラメータを受信することは、前記データ送信部が前記コードブロックチェック状態情報、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて決定した前記反復回数を受信することを含む、
ことを特徴とするデータの再送復号方法。
【請求項2】
前記の現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号した後、さらに、
前記マージ復号の結果と記憶された第1復号結果とを組み合わせて、再送復号結果を得ることを含み、そのうち、前記第1復号結果が、前回復号過程において正しく復号されたコードブロックの復号結果であり、
前記方法は、さらに、前記再送復号結果に基づいて前回復号されたコードブロックチェック状態情報を更新することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の再送復号待ちデータを取得する前に、さらに、
新規伝送復号データを取得し、前記新規伝送復号データに含まれる復号待ちコードブロックを復号およびチェックして、新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を得ることと、
前記新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コードブロックをチェックするチェック方式には、巡回冗長検査CRC方式、Hartenberg行列検査方式、CRC方式とHartenberg行列検査方式との組合せ検査方式が含まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予定の復号パラメータは、冗長バージョン番号をさらに含み、
前記の予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号することは、
前記冗長バージョン番号に基づいて、前記第1コードブロックにおける、前記対象コードブロックに対応する冗長データを決定することと、
前記冗長データと前記対象コードブロックとをマージ復号することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データの再送復号方法であって、
前記方法は、データ送信部に適用され、前記方法は、
復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信することと、
前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定することと、
前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信することと、を含み、
前記復号パラメータは、冗長バージョン番号および反復回数を含み、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定することは、
前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記冗長バージョン番号を決定することと、
前記コードブロックチェック状態情報に基づいて、予定の総遅延時間、単一のコードブロック復号遅延時間、及びハードコアの個数を決定することと、
前記予定の総遅延時間、単一のコードブロック復号遅延時間、及びハードコアの個数に基づいて、前記反復回数を決定することと、を含む、
ことを特徴とするデータの再送復号方法。
【請求項7】
前記方法は、さらに、
前記復号部により送信された更新後のコードブロックチェック情報を受信することと、
前記更新後のコードブロックチェック情報に基づいて、前記復号パラメータを更新することと、を含み、
前記更新後のコードブロックチェック情報は、前記復号部が前記再送復号待ちデータを復号し、得られた復号結果により前記コードブロックチェック情報を更新することで得られたものである、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
データの再送復号システムであって、
前記データの再送復号システムは、復号部とデータ送信部とを備え、
前記データ送信部は、請求項6又は7に記載のデータの再送復号方法を
実行し、復号部により送信された、新規伝送復号データまたは再送復号待ちデータに基づくコードブロックチェック状態情報を受信し、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、前記復号パラメータを前記復号部に送信することに用いられ、
前記復号部は、請求項1~5のいずれか1項に記載のデータの再送復号方法を
実行し、復号待ちコードブロックを含む前記新規伝送復号データまたは復号待ちコードブロックを含む前記再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、前記復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号することに用いられる、
ことを特徴とするデータの再送復号システム。
【請求項9】
データの再送復号装置であって、前記データの再送復号装置は、請求項1~5のいずれか1項に記載のデータの再送復号方法を
実行し、
復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得する第1取得モジュールと、
記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定する判定モジュールと、
前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号する復号モジュールと、
を備えることを特徴とするデータの再送復号装置。
【請求項10】
データの再送復号装置であって、前記データの再送復号装置は、請求項6又は7に記載のデータの再送復号方法を
実行し、
復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信する第2受信モジュールと、
前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定するパラメータ決定モジュールと、
前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信する送信モジュールと、
を備えることを特徴とするデータの再送復号装置。
【請求項11】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサにより実行されているときに、請求項1~5または請求項7のいずれか1項に記載のデータの再送復号方法におけるステップを実現する、
ことを特徴とする通信装置。
【発明の詳細な説明】
【クロス・リファレンス】
【0001】
本願は、2018年12月27日に出願された「データの再送復号方法、装置、システム及び通信装置」という名称の中国特許出願201811609673.1に基づくものであり、当該出願の開示全体は援用により本願に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
本願は、無線通信分野に関し、特に、データの再送復号方法、装置、システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信ネットワーク技術の絶えず発展に伴い、LTEトラフィックおよび5Gトラフィックでは、チャネルノイズと、モビリティによるフェージングおよびユーザによる他の干渉とにより、チャネル伝送品質が劣るため、増分冗長再送を用いて伝送データを保護することができる。
【0004】
データ再送を行う場合、送信側は、1回目の伝送時にデータ情報と一部の冗長情報とを送信し、受信側は、トランスポートブロック(TB、Transport Block)またはコードブロックグループ(CBG、Code Block Group)を主とするデータ情報と一部の冗長情報とをマージ復号し、マージ復号に失敗すると、再送データの送信が要求され、送信側は通常、データを再送する時に余剰の冗長情報を送信することになり、この冗長情報によって、チャネル符号化率を下げ、復号成功率を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、ユーザ量が絶えず増加していくにつれ、特に5Gトラフィックでは、データ量が絶えず増大していくことにより、復号器の再送時の復号能力の低下を招く一方で、データ量が過大になると、より高い反復回数を配置できなくなり、復号性能が低くなり、そして、符号化率が低い場合には、復号待ちデータ量が少なく、反復回数と復号器のスループットが一定となるため、復号能力の無駄になってしまう。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法は、復号部に適用され、前記方法は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得することと、記憶されている前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定することと、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号することと、を含む。
【0007】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法は、データ送信部に適用され、前記方法は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信することと、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定することと、前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信することと、を含む。
【0008】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号システムは、前記復号部と前記データ送信部とを備え、そのうち、前記データ送信部は、復号部により送信された、新規伝送復号データまたは再送復号待ちデータに基づくコードブロックチェック状態情報を受信し、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、前記復号パラメータを前記復号部に送信することに用いられ、前記復号部は、復号待ちコードブロックを含む前記新規伝送復号データまたは復号待ちコードブロックを含む前記再送復号待ちデータを取得し、予め記憶されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、前記復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号することに用いられる。
【0009】
本願の実施例はデータの再送復号装置をも提供し、前記装置は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得する第1取得モジュールと、予め記憶されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定する判定モジュールと、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、前記対象コードブロックに対応するコードブロックであって、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号する復号モジュールと、を備える。
【0010】
本願の実施例はデータの再送復号装置をも提供し、前記装置は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信する第2受信モジュールと、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定するパラメータ決定モジュールと、前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信する送信モジュールと、を備える。
【0011】
本願の実施例は、下記の技術案を採用する。即ち、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、対象コードブロックに対応するコードブロックであって現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここで説明する図面は、本願をさらに理解するために用いられ、本願の一部を構成するものであり、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願を不適切に限定するものではない。
【0013】
【
図1】
図1は、本願の一種のデータの再送復号方法の実施例を示すフローチャートである。
【0014】
【
図2】
図2は、本願のもう一種のデータの再送復号方法の実施例を示すフローチャートである。
【0015】
【
図3】
図3は、本願のさらに一種のデータの再送復号方法の実施例を示すフローチャートである。
【0016】
【
図4】
図4は、本願の一種の反復回数とパケット誤り率の関係を示す模式図である。
【0017】
【
図5】
図5は、本願のさらに一種のデータの再送復号方法の実施例を示すフローチャートである。
【0018】
【
図6】
図6は、本願の一種のデータの再送復号装置の実施例を示す構成図である。
【0019】
【
図7】
図7は、本願のさらに一種のデータの再送復号装置の実施例を示す構成図である。
【0020】
【
図8】
図8は、本願の一種の通信装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の具体的な実施例及び対応する図面と組み合わせて、本願の技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明された実施例は、すべての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0022】
以下、図面を参照して、本願の各実施例により提供される技術案を詳細に説明する。
【0023】
実施例1
【0024】
図1に示すように、本願の実施例は一種のデータの再送復号方法を提供し、当該方法の実行主体は、復号部であってもよく、当該復号部は、任意の通信装置(例えば、基地局または端末装置など)における復号部であってもよい。この方法は、具体的には以下のステップを含んでもよい。
【0025】
ステップS102において、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得する。
【0026】
そのうち、再送復号待ちデータは、複数の冗長ビット情報を含むデータであってもよく、冗長ビット情報は、チェックビット情報、巡回冗長検査(CRC、Cyclic Redundancy Check)情報などの任意の冗長ビット情報のうちの一つ又は複数であってもよく、復号待ちコードブロックは、任意の復号待ちトランスポートブロック(TB、Transport Block)またはコードブロックグループ(CBG、Code Block Group)であってもよい。
【0027】
実施において、移動通信ネットワーク技術の絶えず発展に伴い、LTEトラフィックでは、チャネルノイズと、モビリティによるフェージング及びユーザによる他の干渉とにより、チャネル伝送品質が劣るため、増分冗長再送を用いて伝送データを保護することができる。データ再送を行う場合、送信側は、1回目の伝送時にデータ情報と一部の冗長情報とを送信し、受信側は、トランスポートブロック(TB、Transport Block)またはコードブロックグループ(CBG、Code Block Group)を主とするデータ情報と一部の冗長情報とをマージ復号し、マージ復号に失敗すると、再送データの送信が要求され、送信側は通常、データを再送する時に余剰の冗長情報を送信することになり、この冗長情報によって、チャネル符号化率を下げ、復号成功率を向上させることができる。
【0028】
しかしながら、ユーザ量が絶えず増加していくにつれ、特に5Gトラフィックでは、データ量が絶えず増大していくことにより、復号器の再送時の復号能力の低下を招く一方で、データ量が過大になると、より高い反復回数を配置できなくなり、復号性能が低くなり、そして、符号化率が低い場合には、復号待ちデータ量が少なく、反復回数と復号器のスループットが一定となるため、復号能力の無駄になってしまう。そこで、本願の実施例は、上記課題を解決することができる技術案を提供し、具体的には、以下の内容を含むことができる。
【0029】
復号部は、1回目に受信された復号待ちデータと冗長データ(例えば、冗長ビット情報)を復号し、復号結果をチェックする際に、間違った復号結果があると、復号部は、再送復号待ちデータの取得要求である2回目のデータ要求を、上位システム(例えば、データ送信部)に送信し、上位システムは、再送復号待ちデータを復号部に送信し、そのうち、再送復号待ちデータには、復号待ちコードブロックと、1回目に送信される復号待ちデータのうちの冗長データとは異なる冗長ビット情報とが含まれてもよい。
【0030】
例えば、5Gトラフィックでは、LDPCの符号化方式を用いてユーザ情報データを符号化し、符号化した後に、各ユーザ情報データに基づくコードブロックのチェック行列を得ることができ、そのうち、チェック行列には、ユーザ情報データ及び対応するチェックデータが含まれてもよく、この場合、チェック行列におけるユーザ情報データを復号待ちデータとし、対応するチェックデータを冗長データとすることができ、1回目に送信される復号待ちデータは、各ユーザ情報データ及びチェックデータを含む複数のチェック行列、即ち、複数の復号待ちコードブロックであってもよい。復号部は、複数の復号待ちコードブロックを受信した後、コードブロックを復号し、間違った復号結果があると、復号部は、2回目のデータ要求、即ち再送復号待ちデータの取得要求を送信することができ、このとき、上位のシステムは、ユーザ情報データごとに二次符号化を行い、符号化後に得られたチェック行列は、1回目の符号化と異なっていてもよく、例えば、1回目の符号化で得られたユーザAに基づくチェック行列Aでは、22列のユーザ実情報データおよび5列のチェックデータがあり、2回目のユーザAに基づくチェック行列Bでは、22列のユーザ実情報データおよび32列のチェックデータがあり、ユーザ情報データを二次符号化した後、得られたチェック行列を再送復号待ちデータとして復号部に送信することができ、復号部は、この再送復号待ちデータを取得することができる。
【0031】
また、5Gトラフィック以外の他のトラフィックでは、複数種類の符号化方式を含んでもよい。ターボ(Turbo)符号化を例に挙げて、各コードブロックごとにターボ符号化を行った後、各コードブロックデータに対応してシステマティックビット(systematic bit)、第1パリティビット(first parity bit)、第2パリティビット(second parity bit)の3つのビット情報を生成する。1回目のデータ出力時には、コードブロックのデータ情報と上記3つの冗長ビット情報のうちの一つまたは複数の冗長データを復号部にマージ送信し、復号部は、復号待ちデータと冗長データを受信した後、復号待ちデータと冗長データをマージ復号することができ、間違った復号結果があると、2回目のデータ要求、即ち再送復号待ちデータの送信要求を上位システムへ送信することができ、上位システムは、再送復号待ちデータの送信要求を受信した後、再送復号待ちデータを復号部に送信する。そのうち、再送復号待ちデータは、1回目に送信される復号待ちデータと同じデータを含んでもよいが、含まれる冗長データは、1回目に送信される冗長データとは異なってもよく、例えば、1回目に送信される復号待ちデータは、コードブロック1~コードブロック3である場合、1回目に送信される冗長データは、各コードブロックのシステマティックビット(systematic bit)であってもよく、2回目に送信される再送復号待ちデータは、コードブロック1~コードブロック3であってもよく、再送復号待ちデータに対応する冗長データは、各コードブロックの二つのパリティビット、即ち第1パリティビット(first parity bit)と第2パリティビット(second parity bit)であってもよく、再送復号待ちデータに対応する冗長データは、すべてのビット情報を含む冗長データであってもよい。
【0032】
なお、コードブロックに含まれる冗長データは、パリティデータであってもよく、他のパリティビット情報、例えば、巡回冗長検査、H(Hartenberg)行列検査、または巡回冗長検査とH行列検査とが結合するチェック方式などで生成されたパリティビット情報が含まれていてもよく、具体的な冗長データ内容は、実際の状況に応じて異なっていてもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0033】
ステップS104において、記憶されている前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定する。
【0034】
ここで、コードブロックチェック状態情報は、異なるチェック方式によってコードブロックの復号結果をチェックして得られたチェック状態情報であってもよい。
【0035】
実施において、コードブロックチェック状態情報は、復号部が、1回目に受信した復号待ちデータの復号結果をチェックして記憶したコードブロックチェック状態情報であってもよく、このコードブロックチェック状態情報に基づいて、受信した再送復号待ちデータの集約には再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを確定することができる。例えば、再送復号待ちデータはコードブロック1~コードブロック5を含み、復号部に記憶した当該コードブロック1~コードブロック5のコードブロックチェック状態情報は、コードブロック1が正しく、コードブロック2が誤り、コードブロック3が正しく、コードブロック4が正しく、コードブロック5が誤りであると、当該コードブロック1~コードブロック5のコードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックがコードブロック2とコードブロック5であると特定できる。
【0036】
ステップS106において、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号する。
【0037】
ここで、予定の復号パラメータは、予定の反復回数を含んでもよく、予定の反復回数は、復号部がコードブロックチェック状態情報によって決定した反復回数であってもよいし、受信した上位システム(例えば、データ送信部)がコードブロックチェック状態情報によって決定した反復回数であってもよいし、あるいは、受信したユーザが設定した予定の反復回数であり、現在記憶されている第1コードブロックは、前回受信した復号待ちデータに含まれるコードブロックであってもよく、現在記憶されている、対象コードブロックに対応するコードブロックは、現在記憶されている対象コードブロックの番号または他の識別子に基づいて、現在記憶されているコードブロックの中で探索されたコードブロックであってもよい。
【0038】
実施において、対象コードブロックが特定されると、現在記憶されているコードブロックのの中で対象コードブロックに対応するコードブロックを探し出し、当該コードブロックを対象コードブロックにマージ復号することができる。例えば、LDPC符号化方式を例にとると、再送復号待ちデータには、3つのコードブロックが含まれており、それぞれコードブロック1~コードブロック3であり、記憶されているコードブロックチェック状態情報から、前回の復号で既にコードブロック2を正しく復号したことが特定されれば、対象コードブロックはコードブロック1及びコードブロック3であり、すなわち、コードブロック1及びコードブロック3の再度復号が必要となり、現在記憶されているコードブロック1は、ユーザAのデータ情報に基づいてLDPC方式により前回得られた行列A1であり、ここで、行列A1には、22列のユーザ実データ情報及び5列のチェック情報が含まれており、現在記憶されているコードブロック3は、ユーザCのデータ情報に基づいてLDPC方式により前回得られた行列C1であり、ここで、行列C1には、22列のユーザ実データ情報及び7列のチェック情報が含まれている。取得した再送復号待ちデータにおいて、コードブロック1の行列はA2であり、A2には22列のユーザ実データ情報および9列のチェック情報が含まれ、コードブロック3の行列C2には22列のユーザ実データ情報および9列のチェック情報が含まれ、行列A1と行列A2とをマージ復号し、コードブロック1に対応する復号結果およびチェック結果を得ることができ、同様に、コードブロック3の行列C1と行列C2とをマージ復号し、コードブロック3の復号結果およびチェック結果を得ることができる。コードブロック1とコードブロック3のチェック結果がともに正しい場合、コードブロック1とコードブロック3の復号結果はマージ復号の復号結果である。ここで、マージ復号の過程において、予定の復号パラメータ、すなわち、予定の反復回数および予定の冗長バージョン番号に基づいて行う必要がある。
【0039】
マージ復号の復号結果を、記憶した前回の復号が正しい復号とマージして再送復号結果を決定してもよいし、あるいは、記憶した前回の復号の復号結果をマージ復号の復号結果により更新し、マージ復号の復号結果における正しい復号結果で、記憶した前回の復号の復号結果を置き換えて、再送復号結果を決定してもよい。
【0040】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号し、そのうち、前記第1コードブロックは、前記対象コードブロックに対応するコードブロックである。このように、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保するとともに復号性能を向上させることができ、復号待ちコードブロックの数に応じてリアルタイムに動的なオンラインで復号反復回数を算出し、復号器の性能を向上させることもできる。
【0041】
実施例2
【0042】
図2に示すように、本願の実施例は一種のデータの再送復号方法を提供し、当該方法の実行主体は、復号部であってもよく、当該復号部は、任意の通信装置(例えば、基地局または端末装置など)における復号部であってもよい。この方法は、具体的には以下のステップを含んでもよい。
【0043】
ステップS202において、新規伝送復号データを取得し、新規伝送復号データに含まれる復号待ちコードブロックを復号およびチェックし、新規伝送復号結果およびコードブロックチェック状態情報を得る。
【0044】
ここで、新規伝送復号データは、トランスポートブロックまたはコードブロックグルプを含む任意のデータであってもよい。
【0045】
実施において、復号部は、取得された新規伝送復号データのうちの復号待ちコードブロックを復号およびチェックし、得られた新規伝送復号結果およびコードブロックチェック状態情報を記憶してもよい。例えば、新規伝送復号データには、5つのコードブロックが含まれており、それぞれコードブロック1~コードブロック5であり、当該5つのコードブロックを復号およびチェックして、各コードブロックに対応する復号結果及びチェック結果を得て、当該5つのコードブロックの復号結果及びチェック結果を記憶する。
例えば、ターボ(Turbo)符号化を例にすると、各コードブロックは、3つのチェックビット情報、すなわち、システマティックビット(systematic bit)、第1パリティビット(first parity bit)、第2パリティビット(second parity bit)を含み得る。そのうち、システマティックビット(systematic bit)は、復号に必要なビット情報であり、新規伝送復号データにおける各コードブロックには、対応するsystematic bitと、一部のParity bitとが付加されていてもよい。例えば、新規伝送復号データは、5つのコードブロックのデータ、全てのコードブロックに対応するシステマティックビット情報、および、コードブロック1とコードブロック2の第1パリティビットのビット情報を含んでもよく、復号部は、当該新規伝送復号データを受信した後、各コードブロックの冗長ビット情報に基づいて、当該コードブロックを復号及びチェックすることができ、復号結果を得た後、各コードブロックの復号結果をチェックすることができ、チェック結果は、コードブロック1が正しく、コードブロック2が誤り、コードブロック3が正しく、コードブロック4が正しく、コードブロック5が誤りであると、当該新規伝送復号結果と各コードブロックに対応するコードブロックチェック状態情報を記憶することができる。
【0046】
ステップS204において、新規伝送復号結果とコードブロックチェック状態情報を記憶し、コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定する。
【0047】
ここで、復号パラメータは、冗長バージョン番号および反復回数を含んでもよく、反復回数は、復号部が記憶されたコードブロックチェック状態情報によって決定したパラメータであってもよい。
【0048】
実施において、実施例1のステップS106において予定の復号パラメータでマージ復号を行う以外に、復号部は、新規伝送復号データを復号したコードブロックチェック状態情報に基づいて、再送復号待ち復号パラメータを決定してもよく、例えば、再送復号待ち復号パラメータは、復号部が自らのデータ処理能力に基づいて決定した復号パラメータであってもよいし、復号部が再送復号待ちデータにおける対象コードブロックの数に応じて決定した復号パラメータであってもよく、そのうち、コードブロックチェック状態情報において誤ったコードブロックが少ないほど、対応する反復回数が大きくなり、復号部の復号性能が良くなる。
【0049】
ステップS206において、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得する。
【0050】
ステップS208において、予め記憶されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定する。
【0051】
上記ステップS206~S208の具体的な処理は、実施例1のステップS102~S104における関連内容を参照でき、ここでは再び贅言しない。
【0052】
ステップS210において、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、冗長バージョン番号に基づいて、第1コードブロックにおける、対象コードブロックに対応する冗長データを決定する。
【0053】
実施において、再送復号待ちデータにおける冗長データをサーキュレータに格納することができ、ターボ(Turbo)符号化した後、各コードブロックの異なる3つのビット情報を得て、まず、コードブロックのシステマティックビットをサーキュレータに格納し、その後、伝送しようとする第1パリティビットおよび/または第2パリティビットを順次格納し、復号部は、冗長データを格納するサーキュレータを受信した後、冗長バージョン番号によって、冗長データを抽出する開始位置を決定することができる。
【0054】
ステップS212において、冗長データと対象コードブロックをマージ復号する。
【0055】
冗長バージョン番号に基づいて、復号が必要なコードブロックに対してマージ復号を行い、マージ復号の復号結果を得る。
【0056】
新規伝送及び再送時の復号行列の大きさによっては、冗長バージョン番号が同じであれば、再送復号の遅延が新規伝送復号の遅延のn倍になると、再送復号時の復号処理能力は新規伝送復号時の1/nだけとなり、このときのチャネル条件下ではエラーコードブロック率がm%となり、トランスポートブロック全体の全ての再送復号の遅延がXになると、誤ったコードブロックのみを復号する遅延はm%*xとなり、すなわち、同じ時間内では、エラーコードブロックを復号する能力が全てのコードブロックを再度復号する能力よりも1/(m%)倍向上する。
【0057】
ステップS214において、マージ復号の結果と記憶された第1復号結果とを組み合わせて、再送復号結果を得る。
【0058】
ここで、第1復号結果は、前回の復号過程において正しく復号されたコードブロックの復号結果であってもよい。
【0059】
実施において、誤ったコードブロックを再度復号した後、再送復号結果(即ち、マージ復号の結果)と記憶された第1復号結果とをマージ出力することができる。例えば、記憶されているコードブロックチェック状態情報から、正しいコードブロックがコードブロック2、コードブロック4およびコードブロック5であり、再度復号が必要なエラーコードブロックがコードブロック1およびコードブロック3であることが特定されれば、コードブロック1およびコードブロック3を再度復号した後、新たなコードブロック1およびコードブロック3のマージ復号の結果を得られ、当該マージ復号の結果と記憶されているコードブロック2、コードブロック4およびコードブロック5の第1復号結果とをマージしてソート出力することができ、例えば、記憶されているコードブロック2の復号結果がa、コードブロック4の復号結果がb、コードブロック5の復号結果がc、コードブロック1を再度復号した後のマージ復号結果がd、コードブロック3を再度復号した後のマージ復号の結果がeである場合、出力後の復号結果は、コードブロックの順に応じてソートして出力されてもよく、すなわち、得られた再送復号結果は、d、a、e、b、cであってよい。
【0060】
ステップS216において、再送復号結果に基づいてコードブロックチェック状態情報を更新する。
【0061】
実施において、再送復号待ちデータを復号する際に、対象コードブロックの復号結果をチェックする時に誤った復号結果があれば、当該復号チェック状態に基づいて、記憶されるコードブロックチェック状態情報を更新することができる。例えば、再度復号が必要な対象コードブロックがコードブロック1とコードブロック3であり、コードブロック2、コードブロック4およびコードブロック5のコードブロックチェック状態情報が正確で、再度の復号が不要である場合、コードブロック1とコードブロック3を再送復号した後に得られたコードブロック1の再送復号待ち結果が正確であり、得られたコードブロック3の再送復号待ち結果が誤りであれば、当該再送復号待ち結果をコードブロックチェック状態情報に格納することができ、すなわち、対応するコードブロック1のコードブロックチェック状態情報が正しいものに変更され、コードブロック3のコードブロックチェック状態情報が変わらずエラーとなる。
【0062】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号し、そのうち、第1コードブロックは、対象コードブロックに対応するコードブロックである。このように、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保するとともに復号性能を向上させることができ、復号待ちコードブロックの数に応じてリアルタイムに動的なオンラインで復号反復回数を算出し、復号器の性能を向上させることもできる。
【0063】
実施例3
【0064】
図3に示すように、本願の実施例は一種のデータの再送復号方法を提供し、当該方法の実行主体は、復号部であってもよく、当該復号部は、任意の通信装置(例えば、基地局または端末装置など)における復号部であってもよい。この方法は、具体的には以下のステップを含んでもよい。
【0065】
ステップS302において、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信する。
【0066】
ステップS304において、コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定する。
【0067】
実施において、データ送信部は、コードブロックチェック状態情報における誤ったブロックの数、および復号部の復号能力などの情報に基づいて、再送復号時の復号パラメータを決定することができ、復号パラメータは、冗長バージョン番号と反復回数を含んでもよく、そのうち、復号部の復号能力は、復号部の復号ハードコアの個数、単一のコードブロックの復号遅延時間などを含むことができる。
【0068】
また、コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックが少ないほど、反復回数が大きくなり、対応する復号の正解率が高くなり、復号性能が良くなり、異なる信号対雑音比の条件において、近似する誤り率に達するために必要な反復回数は異なり得る。例えば、
図4に示すように、加算性白色ガウス雑音(AWGN、Additive White GaussianNoise)チャネル条件で、100リソースブロック(RB、Resources Block)、変調・符号化方式(MCS、Modulation and Coding Scheme)28を例にとると、
図4のシミュレーション結果において、横軸は信号対雑音比、縦軸はパケット誤り率、折れ線は反復回数を表し、
図4から明らかなように、同様のパケット誤り率の前提で、6回反復の性能よりも20回反復の方が1dB以上長くなる。
【0069】
ステップS306において、復号部が復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号及びチェックするように、復号パラメータを復号部に送信する。
【0070】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法は、復号部から送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信し、コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、復号パラメータを復号部に送信することで、復号部が前記復号パラメータに基づいて、再送復号待ちデータを復号及びチェックする。このように、データ送信部は、復号部により送信されたコードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、異なるコードブロックチェック状態情報に基づいて対応する復号パラメータを決定することができ、コードブロックチェック状態情報の相違に応じて、再送復号時に用いる復号パラメータを動的に調整することを確保することができ、復号品質を確保し、システムリソースを節約し、復号器の性能を向上することができる。
【0071】
実施例4
【0072】
図5に示すように、本願の実施例は一種のデータの再送復号方法を提供し、当該方法の実行主体は、復号部およびデータ送信部であってもよく、当該復号部は、任意の通信装置(例えば、基地局または端末装置など)における復号部であってもよく、当該データ送信部は、任意の通信装置(例えば、基地局または端末装置など)におけるデータ送信部であってもよい。この方法は、具体的には以下のステップを含んでもよい。
【0073】
ステップS502において、復号部は、新規伝送復号データを取得し、新規伝送復号データに含まれる復号待ちコードブロックを復号およびチェックして、新規伝送復号結果およびコードブロックチェック状態情報を得る。
【0074】
ステップS504において、復号部は、新規伝送復号結果およびコードブロックチェック状態情報を記憶する。
【0075】
ステップS506において、データ送信部は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信する。
【0076】
ステップS508において、データ送信部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて冗長バージョン番号を決定する。
【0077】
ここで、冗長バージョン番号は、復号のための冗長バージョンを決定するために用いられてもよく、冗長バージョン番号が進むほど、その携帯する冗長情報量が大きくなる。
【0078】
実施において、復号部は、コードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信することができ、データ送信部は、コードブロックチェック状態情報における誤ったブロックの数に応じて、再送復号時の復号パラメータを決定することができる。
【0079】
ステップS510において、データ送信部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数を決定する。
【0080】
ここで、予定の総遅延時間は、1秒や5秒など、予定の任意の時間でもよく、単一のコードブロックの暗号化遅延時間は、予定の任意の時間でもよく、ハードコアの個数は、復号部に含まれる復号用のハードコアの個数であってもよい。
【0081】
ステップS512において、データ送信部は、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて、反復回数を決定する。
【0082】
実施において、取得した予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて、再送復号の反復回数を決定することができ、例えば、反復回数は、
であってもよい。
【0083】
ここで、iteは反復回数であり、s_cycleは予定の総遅延時間であり、core_numはハードコアの個数であり、err_cb_numはコードブロックチェック状態情報が誤りとなるコードブロックの個数であり、dec_cycleは単一の復号遅延時間であり、上記の数式からわかるように、システムの総遅延時間が大きいほど、復号ハードコアの個数が多いほど、コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックの個数が少ないほど、単一の復号遅延時間が小さいほど、算出された反復回数が大きくなり、復号ペアの確率が大きくなり、対応する復号性能が良好となる。
【0084】
ステップS514において、データ送信部は、復号部が復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号及びチェックするように、復号パラメータを復号部に送信する。
【0085】
ステップS516において、復号部は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得する。
【0086】
ステップS518において、復号部は、予め記憶されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定する。
【0087】
上記ステップS516~S518の具体的な処理過程は、実施例1のステップS102~S104における関連内容を参照でき、ここでは再び贅言しない。
【0088】
ステップS520において、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、復号部は、復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号する。
【0089】
ここで、復号パラメータは、冗長バージョン番号と反復回数とを含んでもよく、冗長バージョン番号は、今回伝送されるコードブロックの先頭列位置を特定することに用いられてもよく、冗長バージョン番号に基づいてマージしてもよい。
【0090】
上記ステップS520の具体的な処理過程は、実施例1のステップS106における関連内容を参照でき、ここでは再び贅言しない。
【0091】
ステップS522において、復号部は、マージ復号の結果と記憶された第1復号結果とを組み合わせて再送復号結果を得て、再送復号結果に基づいてコードブロックチェック状態情報を更新する。
【0092】
上記ステップS522の具体的な処理過程は、実施例1のステップS106における関連内容を参照でき、ここでは再び贅言しない。
【0093】
ステップS524において、データ送信部は、復号部により送信されたコードブロックチェック情報を受信し、更新後のコードブロックチェック情報は、復号部が再送復号待ちデータを復号し、得られた復号結果によりコードブロックチェック情報を更新して得られる情報である。
【0094】
ステップS526において、データ送信部は、更新後のコードブロックチェック情報に基づいて、復号パラメータを更新する。
【0095】
実施において、データ送信部は、復号パラメータを更新し、復号部により送信されたデータ再送の要求を再度受信すると、更新後の復号パラメータを再度復号部に送信し、復号部が第3回受信した再送復号待ちデータを復号及びチェックするようにしてもよい。
【0096】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法において、復号部は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、予め記憶されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号し、そのうち、第1コードブロックが対象コードブロックに対応するコードブロックであり、データ送信部は、受信された前記復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号パラメータを決定することができる。このように、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保するとともに復号性能を向上させることができ、データ送信部は、復号部により送信されたコードブロックチェック状態情報に応じてリアルタイムに動的なオンラインで復号反復回数を算出することができ、復号部が再送復号を行う際のリソース無駄を低減し、復号器の性能を向上することができる。
【0097】
実施例5
【0098】
以上は、本願の実施例により提供されるデータの再送復号方法であり、同様の考え方に基づいて、本願の実施例は、一種のデータの再送復号システムをさらに提供する。当該データの再送復号システムは、復号部とデータ送信部とを備え、そのうち、前記データ送信部は、復号部により送信された、新規伝送復号データまたは再送復号待ちデータに基づくコードブロックチェック状態情報を受信し、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、前記復号パラメータを前記復号部に送信する。前記復号部は、復号待ちコードブロックを含む前記新規伝送復号データまたは復号待ちコードブロックを含む前記再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、前記復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号し、そのうち、前記第1コードブロックが前記対象コードブロックに対応するコードブロックである。
【0099】
ここで、復号部は、取得された新規伝送復号データを復号した後に、記憶した新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信することができ、データ送信部は、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信した後、当該コードブロックチェック情報に基づいて復号パラメータを決定して復号部に送信することができる。復号部は、取得された再送復号データを復号した後、マージ復号の結果と記憶されている第1復号結果とをマージして、コードブロックチェック状態情報を更新し、更新後のコードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信し、データ送信部は、再送復号待ちデータに基づいく更新後のコードブロックチェック状態情報を受信すると、更新後のコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号パラメータを再度算出し、当該復号パラメータを復号部に送信することができ、これにより、復号部は、再送復号待ちデータを再度受信するときに、当該復号パラメータに基づいて、再度受信された再送復号待ちデータを復号することができる。
【0100】
本願の実施例において、前記復号部は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号し、そのうち、前記第1コードブロックが前記対象コードブロックに対応するコードブロックである。
【0101】
本願の実施例において、前記復号部は、前記マージ復号の結果と記憶された第1復号結果とを組み合わせて、再送復号結果を得ることに用いられ、そのうち、前記第1復号結果は、前回の復号過程において正しく復号されたコードブロックの復号結果である。
【0102】
前記方法は、前記再送復号結果に応じて、前記コードブロックチェック状態情報を更新することをさらに含む。
【0103】
本願の実施例において、前記復号部は、前記コードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信し、前記データ送信部に、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記予定の復号パラメータを決定させることと、前記データ送信部により送信された前記予定の復号パラメータを受信することとに用いられる。
【0104】
本願の実施例において、前記復号部は、前記データ送信部が前記コードブロックチェック状態情報、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて決定した前記反復回数を受信することに用いられ、そのうち、前記反復回数は、下記の通りである。
【0105】
ここで、iteは前記反復回数であり、s_cycleは前記予定の総遅延時間であり、core_numは前記ハードコアの個数であり、err_cb_numは前記コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックの個数であり、dec_cycleは前記単一のコードブロックの復号遅延時間である。
【0106】
本願の実施例において、前記復号部は、新規伝送復号データを取得し、前記新規伝送復号データに含まれる復号待ちコードブロックを復号およびチェックして、新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を得ることと、前記新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を記憶することとに用いられる。
【0107】
本願の実施例において、前記コードブロックをチェックするチェック方式は、巡回冗長検査CRC方式、Hartenberg行列検査方式、CRC方式とHartenberg行列検査方式との組合せ検査方式を含んでいる。
【0108】
本願の実施例において、前記予定の復号パラメータは、冗長バージョン番号をさらに含み、前記復号部は、前記冗長バージョン番号に基づいて、前記第1コードブロックにおける、前記対象コードブロックに対応する冗長データを決定することと、前記冗長データと前記対象コードブロックとをマージ復号することとに用いられる。
【0109】
本願の実施例において、前記データ送信部は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信することと、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定することと、前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信することとに用いられる。
【0110】
本願の実施例において、前記データ送信部は、前記復号部により送信された、前記復号部が前記再送復号待ちデータを復号し、得られた復号結果により前記コードブロックチェック情報を更新して得られた更新後のコードブロックチェック情報を受信することと、前記更新後のコードブロックチェック情報に基づいて、前記復号パラメータを更新することとに用いられる。
【0111】
本願の実施例において、前記復号パラメータは、冗長バージョン番号および反復回数を含み、前記データ送信部は、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記冗長バージョン番号を決定することと、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数を決定することと、前記予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて、前記反復回数を決定することとに用いられ、そのうち、反復回数は、以下の通りである。
【0112】
ここで、iteは前記反復回数であり、s_cycleは前記予定の総遅延時間であり、core_numは前記ハードコアの個数であり、err_cb_numは前記コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックの個数であり、dec_cycleは前記単一のコードブロックの復号遅延時間である。
【0113】
本願の実施例は、一種のデータの再送復号システムを提供し、データの再送復号方法に適用される当該データの再送復号システムにおいて、復号部は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得してから、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号し、第1コードブロックが対象コードブロックに対応するコードブロックである。このように、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保するとともに復号性能を向上させることができ、データ送信部は、復号部により送信されたコードブロックチェック状態情報に応じてリアルタイムに動的なオンラインで復号反復回数を算出することができ、復号部が再送復号を行う際のリソース無駄を低減し、復号器の性能を向上することができる。
【0114】
本願の実施例で採用した上記の少なくとも1つの技術案は、以下の有益な効果を奏することができる。すなわち、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保しながら復号性能を向上させることができる。
【0115】
実施例6
【0116】
以上は、本願の実施例により提供されたデータの再送復号方法であり、同様の考え方に基づいて、本願の実施例は、
図6に示すように、一種のデータの再送復号装置をも提供する。
【0117】
当該データの再送復号装置は、第1取得モジュール601と、判定モジュール602と、復号モジュール603と、を備え、第1取得モジュール601は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得するためのものであり、判定モジュール602は、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定するためのものであり、復号モジュール603は、前記復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと前記対象コードブロックとをマージ復号するためのものであり、そのうち、前記第1コードブロックが前記対象コードブロックに対応するコードブロックである。
【0118】
本願の実施例において、前記装置は、さらに、前記マージ復号の結果と記憶された第1復号結果とを組み合わせて再送復号結果を得る組合せモジュールを備え、そのうち、前記第1復号結果が、前回の復号過程において正しく復号されたコードブロックの復号結果である。
【0119】
前記装置は、さらに、前記再送復号結果に応じて前記コードブロックチェック状態情報を更新する更新モジュールを備える。
【0120】
本願の実施例において、前記装置は、さらに、データ送信部が前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記予定の復号パラメータを決定するように、前記コードブロックチェック状態情報をデータ送信部に送信する送信モジュールと、前記データ送信部により送信された前記予定の復号パラメータを受信する第1受信モジュールと、を備える。
【0121】
本願の実施例において、前記予定の復号パラメータは、反復回数を含み、前記第1受信モジュールは、前記データ送信部が前記コードブロックチェック状態情報、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて決定した前記反復回数を受信する第1受信部を備え、そのうち、前記反復回数は、以下の通りである。
【0122】
ここで、iteは前記反復回数であり、s_cycleは前記予定の総遅延時間であり、core_numは前記ハードコアの個数であり、err_cb_numは前記コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックの個数であり、dec_cycleは前記単一のコードブロックの復号遅延時間である。
【0123】
本願の実施例において、前記第1取得モジュール601は、新規伝送復号データを取得し、前記新規伝送復号データに含まれる復号待ちコードブロックを復号およびチェックし、新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を得ることに用いられる。
【0124】
前記装置は、さらに、前記新規伝送復号結果および前記コードブロックチェック状態情報を記憶する記憶モジュールを備える。
【0125】
本願の実施例において、前記コードブロックをチェックするチェック方式には、巡回冗長検査(CRC、Cyclic Redundancy Check)方式、H(Hartenberg)行列検査方式、CRC+H行列検査方式が含まれる。
【0126】
本願の実施例において、前記予定の復号パラメータは、冗長バージョン番号をさらに含み、前記復号モジュール603は、前記冗長バージョン番号に基づいて、前記第1コードブロックにおける前記対象コードブロックに対応する冗長データを決定する復号部と、前記冗長データと前記対象コードブロックをマージ復号するマージ部と、を備える。
【0127】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号装置は、復号待ちコードブロックが含まれる再送復号待ちデータを取得し、記憶している前回復号されたコードブロックチェック状態情報に基づいて、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれているか否かを判定し、復号待ちコードブロックには再度の復号が必要な対象コードブロックが含まれていると、予定の復号パラメータに基づいて、現在記憶されている第1コードブロックと対象コードブロックとをマージ復号し、第1コードブロックが対象コードブロックに対応するコードブロックである。このように、復号部は、コードブロックチェック状態情報に基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックを特定することができ、受信した再送データに基づいて、再度の復号が必要な対象コードブロックのみを復号し、データ量が大きい場合には復号品質を確保するとともに復号性能を向上させることができ、復号待ちコードブロックの数に応じてリアルタイムに動的なオンラインで復号反復回数を算出し、復号器の性能を向上させることもできる。
【0128】
実施例7
【0129】
以上は、本願の実施例により提供されたデータの再送復号方法であり、同様の考え方に基づいて、本願の実施例は、
図7に示すように、一種のデータの再送復号装置をも提供する。
【0130】
当該データの再送復号装置は、第2受信モジュール701と、パラメータ決定モジュール702と、送信モジュール703と、を備え、第2受信モジュール701は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信するためのものであり、パラメータ決定モジュール702は、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定するためのものであり、送信モジュール703は、前記復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、前記復号パラメータを前記復号部に送信するためのものである。
【0131】
本願の実施例において、前記装置は、さらに、前記復号部により送信された、前記復号部が前記再送復号待ちデータを復号し、得られた復号結果により前記コードブロックチェック情報を更新して得られた更新後のコードブロックチェック情報を受信する第3受信モジュールと、前記更新後のコードブロックチェック情報に基づいて、前記復号パラメータを更新する更新モジュールと、を備える。
【0132】
本願の実施例において、前記復号パラメータは、冗長バージョン番号および反復回数を含み、前記パラメータ決定モジュール702は、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて前記冗長バージョン番号を決定する第1決定部と、前記コードブロックチェック状態情報に基づいて、予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数を決定する第2決定部と、前記予定の総遅延時間、単一のコードブロックの復号遅延時間、およびハードコアの個数に基づいて、前記反復回数を決定する第3決定部と、を備え、そのうち、前記反復回数は、以下の通りである。
【0133】
ここで、iteは前記反復回数であり、s_cycleは前記予定の総遅延時間であり、core_numは前記ハードコアの個数であり、err_cb_numは前記コードブロックチェック状態情報における誤ったコードブロックの個数であり、dec_cycleは前記単一のコードブロックの復号遅延時間である。
【0134】
本願の実施例により提供されるデータの再送復号装置は、復号部により送信された、新規伝送復号データに基づくコードブロックチェック状態情報を受信し、コードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定し、復号部が前記復号パラメータに基づいて再送復号待ちデータを復号およびチェックするように、復号パラメータを復号部に送信する。このように、データ送信部は、復号部により送信されたコードブロックチェック状態情報に基づいて復号パラメータを決定することができ、異なるコードブロックチェック状態情報に基づいて対応する復号パラメータを決定することができ、コードブロックチェック状態情報の相違に応じて、再送復号時に用いる復号パラメータを動的に調整することを確保することができ、復号品質を確保し、システムリソースを節約し、復号器の性能を向上することができる。
【0135】
実施例8
【0136】
本願の実施例により提供されたデータの再送復号方法、システムに対応して、本願の実施例は、
図8に示したように、プロセッサ810と、送受信機820と、メモリ830と、バスインタフェースとを備えた通信装置を提供する。ここで、本願の実施例において、通信装置は、さらに、
メモリ830に記憶されかつ前記プロセッサ810上で実行可能なコンピュータプログラムを備え、前記コンピュータプログラムは、
前記プロセッサ810により実行されているときに、上記
図1~
図5に示す方法における各過程を実現し、且つ同様の技術効果を奏することができ、重複を避けるために、ここでは再び贅言しない。
【0137】
図8において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続のバス及びブリッジを含むことができ、具体的には、プロセッサ810に代表される一つまたは複数のプロセッサと、メモリ830に代表されるメモリの各種の回路とがリンクして構成される。バスアーキテクチャは、周辺装置、レギュレータ、パワーマネジメント回路など、様々な他の回路をリンクすることもでき、これらはいずれも本分野の周知ものであるため、これ以上の説明は省略する。バスインタフェースは、インタフェースを提供する。送受信機820は、複数の部品であってもよく、すなわち、送信機および受信機を含み、伝送媒体上で各種の他の装置と通信するための手段を提供する。
【0138】
プロセッサ810は、バスアーキテクチャの管理および通常の処理を担い、メモリ830は、プロセッサ810が動作を実行する際に用いるデータを記憶することができる。
【0139】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をも提供し、このコンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されているときに、上述した方法実施例における
図1~
図5の各工程を実現しつつ、同様の技術効果を奏することができ、重複を避けるために、ここでは再び贅言しない。ここで、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスク等である。
【0140】
なお、「含む」、「含有」またはその他の変更用語の意味は、非排他的な意味を含むことであり、これにより、一連の要素を含むプロセス、方法、商品または機器には、それらの要素のみならず、明確に列挙されていない他の要素が含まれ、あるいは、そのようなプロセス、方法、商品または機器における固有の要素が含まれる。制限がない限り、文言の「……一つを含む」によって定義される要素は、すべての要素を含むプロセス、方法、商品または機器において、他の同一の要素が存在することを排除するものではない。
【0141】
当業者であれば分かるように、本願の実施例は方法、システム、またはコンピュータプログラム製品を提供できる。従って、本願には、完全なハードウェアの実施形態、完全なソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアの実施形態とハードウェアの実施形態との結合形態も採用可能である。また、本願は、コンピュータで利用可能なプログラムコードを含むコンピュータで利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリ等を含むが、これらに限定されない)の1つ以上を用いて実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0142】
上記は、本願の実施例に過ぎなく、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願は種々の変更や変化を行うことができる。本願の精神と原理の範囲内で行われた修正、同等の置き換え、改良などは、いずれも本願の請求の範囲に含まれるものとする。