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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】船舶用発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20230522BHJP
   H02K 5/24 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
H02K7/18 B
H02K5/24 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021556505
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 KR2020003500
(87)【国際公開番号】W WO2020189967
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0031353
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030008
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517256448
【氏名又は名称】ヒュンダイ エレクトリック アンド エナジー システムズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ラク-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チャン-ウン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュン-ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ム-チョン
(72)【発明者】
【氏名】ノブロック、ミクサ イラニョシー
(72)【発明者】
【氏名】ラザル、ギャスパー
(72)【発明者】
【氏名】エスゼニィー、バラージュ
(72)【発明者】
【氏名】ピンター、ゾルタン
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-085034(JP,A)
【文献】特開2000-245108(JP,A)
【文献】実開昭63-055761(JP,U)
【文献】特開2000-122469(JP,A)
【文献】実開昭61-038864(JP,U)
【文献】特開2003-081189(JP,A)
【文献】特開昭59-089546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/18
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸(Crankshaft)を備えるエンジンを収容するエンジンルームに連結されている船舶用発電機であって、
前記クランク軸に連結され、一定レベルの質量を有して前記エンジンの振動を低減する着脱型振動防止部;
前記着脱型振動防止部に連結され、前記着脱型振動防止部によって支持される回転子部;
前記回転子部と対面するように前記エンジンルームに固定された固定子部;
前記固定子部に連結された冷却部;及び
前記クランク軸及び前記固定子部に連結された励磁機
を含み、
前記着脱型振動防止部は、一端部が前記クランク軸に連結され、他端部が前記クランク軸の直径方向に延長された支持体を含み、
前記回転子部は、前記支持体に連結されることにより、前記クランク軸の外周から離隔する回転子を含み、
前記固定子部は、
前記エンジンルームに結合される第1フレーム;
前記第1フレームに連結され、固定子が連結される第2フレーム;
一側が前記第2フレームに連結され、端部が前記クランク軸の外周方向に延長された第3フレーム;及び
前記第3フレームの前記端部に連結された第4フレーム;
を含み、
前記励磁機は、
前記クランク軸に連結された励磁機の回転子;及び
前記励磁機の回転子と対面するように前記第4フレームに連結された励磁機の固定子を含み、
前記励磁機の回転子及び前記励磁機の固定子の少なくとも一部は、前記回転子の外周の延長線中に存在することを特徴とする、船舶用発電機。
【請求項2】
前記着脱型振動防止部は、
一面に前記回転子が接触される前記支持体;及び
前記支持体の一面と向き合う面に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する振動防止部材
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶用発電機。
【請求項3】
前記着脱型振動防止部は、
前記支持体の前記一面に結合され、端部が前記クランク軸の長さ方向に折り曲げられて延長されたサポート支持体をさらに含み、
前記回転子部は、
前記サポート支持体に固定され、前記クランク軸と平行に置かれる前記回転子を含むことを特徴とする、請求項2に記載の船舶用発電機。
【請求項4】
前記振動防止部材は、
前記支持体の一面に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第1振動防止部材;及び
前記第1振動防止部材に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第2振動防止部材
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の船舶用発電機。
【請求項5】
前記着脱型振動防止部は、
前記振動防止部材が結合される一面にねじ溝を備える前記支持体;
前記ねじ溝に対応する締結孔をそれぞれ備える前記第1、2振動防止部材;及び
端部が前記締結孔を貫通して前記ねじ溝に挿入される締結部材
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の船舶用発電機。
【請求項6】
前記回転子は、
前記サポート支持体の延長部にボルトによって固定されることを特徴とする、請求項3に記載の船舶用発電機。
【請求項7】
前記冷却部は、
前記第2フレームに連結された冷却ハウジング;
前記冷却ハウジングの内部に存在する冷却器;
前記冷却ハウジングの外部に固定されたエアーポンプ;及び
前記エアーポンプ、第4フレーム、及び前記クランク軸に連結されたエアーダクト
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶用発電機。
【請求項8】
前記冷却部は、
前記第3フレームに連結され、端部が折り曲げられて回転子と対面するように延長されたエアーガイド部材をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の船舶用発電機。
【請求項9】
前記冷却部は、
前記サポート支持体の端部に連結され、端部が前記クランク軸の外周に向かうように延長された第1冷却ファンを含むことを特徴とする、請求項3に記載の船舶用発電機。
【請求項10】
前記励磁機の回転子は、
前記クランク軸に結合部材によって連結され、
前記冷却部は、
前記結合部材に連結され、端部が前記回転子の外周に向かうように延長された第2冷却ファンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶用発電機。
【請求項11】
前記着脱型振動防止部は、
前記支持体及び前記振動防止部材の少なくとも一つに備えられ、前記固定子部の方向に延長された第1シーリング部材をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の船舶用発電機。
【請求項12】
前記固定子部は、
前記第1フレーム及び前記第2フレームの少なくとも一つに備えられ、前記クランク軸の方向に延長された第2シーリング部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶用発電機。
【請求項13】
前記エアーダクト及び前記エアーガイド部材は、
非磁性体として提供される、請求項8に記載の船舶用発電機。
【請求項14】
前記第1シーリング部材は、
非磁性体として提供される、請求項11に記載の船舶用発電機。
【請求項15】
前記第2シーリング部材は、
非磁性体として提供される、請求項12に記載の船舶用発電機。
【請求項16】
クランク軸(Crankshaft)を備えるエンジンを収容するエンジンルームに連結され、
前記クランク軸に連結され、一定レベルの質量を有して前記エンジンの振動を低減する着脱型振動防止部;
前記着脱型振動防止部に連結され、前記着脱型振動防止部によって支持される回転子部;
前記回転子部と対面するように前記エンジンルームに固定された固定子部;
前記固定子部に連結された冷却部;及び
前記クランク軸及び前記固定子部に連結された励磁機
を含み、
前記着脱型振動防止部は、一端部が前記クランク軸に連結され、他端部が前記クランク軸の直径方向に延長された支持体を含み、
前記回転子部は、前記支持体に連結されることにより、前記クランク軸の外周から離隔する回転子を含み、
前記固定子部は、
前記エンジンルームに結合される第1フレーム;
前記第1フレームに連結され、固定子が連結される第2フレーム;
一側が前記第2フレームに連結され、端部が前記クランク軸の外周方向に延長された第3フレーム;及び
前記第3フレームの前記端部に連結された第4フレーム;
を含み、
前記冷却部は、前記第3フレームに連結され、端部が折り曲げられて回転子と対面するように延長されたエアーガイド部材を含むことを特徴とする、船舶用発電機。
【請求項17】
前記冷却部は、
前記第2フレームに連結された冷却ハウジング;
前記冷却ハウジングの内部に存在する冷却器;
前記冷却ハウジングの外部に固定されたエアーポンプ;及び
前記エアーポンプ、第4フレーム、及び前記クランク軸に連結されたエアーダクト
を含むことを特徴とする、請求項16に記載の船舶用発電機。
【請求項18】
前記エアーダクト及び前記エアーガイド部材は、
非磁性体として提供される、請求項17に記載の船舶用発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常的に船舶用エンジンは、シリンダー(Cylinder)、ピストン(Piston)、クランク軸(Crank Shaft)などで構成される。クランク軸はベアリングなどの連結により、ピストンの上下運動をコネクティングロッド(Connecting Rod)と連結して回転運動に変えてくれる役割を果たす。
【0003】
図1に示すように、エンジンルーム10に連結され、上記エンジンルーム10の外部に露出したクランク軸11の一側端部には、船舶の推進のためのプロペラ20が連結されて回転するようになっており、一定レベルの質量を有する質量物30も上記クランク軸11に連結されることで、一定レベルの慣性モーメントを満たすようにし、クランク軸の振動を防止する役割を果たす。
【0004】
最近では、このようなクランク軸11に発電機(Generator)を設置して、エネルギー効率を高めようとする研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0024077A(2014.02.28)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空間活用性が増大し、エネルギー効率性が向上した船舶用発電機を提供することを一目的とする。
【0007】
また、発電機を船舶に設けるにあたり、設置作業の効率性及び便宜性を向上させることを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、船舶用発電機に関するものである。
【0009】
本発明に係る船舶用発電機は、クランク軸(Crankshaft)を備えるエンジンを収容するエンジンルームに連結されている船舶用発電機であって、上記クランク軸に連結され、一定レベルの質量を有して上記エンジンの振動を低減する着脱型振動防止部と、上記着脱型振動防止部に連結され、上記着脱型振動防止部によって支持される回転子部と、上記回転子部と対面するように上記エンジンルームに固定された固定子部と、上記固定子部に連結された冷却部、及び上記クランク軸及び上記固定子部に連結された少なくとも一つの励磁機を含むことができる。
【0010】
また、上記着脱型振動防止部は、一端部が上記クランク軸に連結され、他端部が上記クランク軸の直径方向に延長された支持体を含み、上記回転子部は、上記支持体に連結されることで、上記クランク軸の外周から離隔する回転子を含むことができる。
【0011】
また、上記着脱型振動防止部は、一面に上記回転子が接触される上記支持体、及び上記支持体の一面と向き合う面に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する振動防止部材を含むことができる。
【0012】
また、上記着脱型振動防止部は、上記支持体の上記一面に結合され、端部が上記クランク軸の長さ方向に折り曲げられて延長されたサポート支持体をさらに含み、上記回転子部は、上記サポート支持体に固定され、上記クランク軸と平行に置かれる上記回転子を含むことができる。
【0013】
また、上記振動防止部材は、上記支持体の一面に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第1振動防止部材、及び上記第1振動防止部材に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第2の振動防止部材を含むことができる。
【0014】
また、上記着脱型振動防止部は、上記振動防止部材が結合される一面にねじ溝を備える上記支持体と、上記ねじ溝に対応する締結孔をそれぞれ備える上記第1、2振動防止部材、及び端部が上記締結孔を貫通して上記ねじ溝に挿入される締結部材を含むことができる。
【0015】
また、上記回転子は、上記サポート支持体の延長部にボルトによって固定されることができる。
【0016】
また、上記固定子部は、上記エンジンルームに結合される第1フレームと、上記第1フレームに連結され、固定子が連結される第2フレームと、一側が上記第2フレームに連結され、端部が上記クランク軸の外周方向に延長された第3フレーム、及び上記第3フレームの上記端部に連結された第4フレームを含むことができる。
【0017】
また、上記励磁機は、上記クランク軸に連結された励磁機の回転子、及び上記励磁機の回転子と対面するように上記第4フレームに連結された励磁機の固定子を含み、上記励磁機の回転子及び上記励磁機の固定子の少なくとも一部は、上記回転子の外周の延長線中に存在することができる。
【0018】
また、上記冷却部は、上記第2フレームに連結された冷却ハウジングと、上記冷却ハウジングの内部に存在する冷却器と、上記冷却ハウジングの外部に固定されたエアーポンプ、及び上記エアーポンプ、第4フレーム及び上記クランク軸に連結されたエアーダクトを含むことができる。
【0019】
また、上記冷却部は、上記第3フレームに連結され、端部が折り曲げられて回転子と対面するように延長されたエアーガイド部材をさらに含むことができる。
【0020】
また、上記冷却部は、上記サポート支持体の端部に連結され、端部が上記クランク軸の外周に向かうように延長された第1冷却ファンを含むことができる。
【0021】
また、上記励磁機の回転子は、上記クランク軸に結合部材によって連結され、上記冷却部は、上記結合部材に連結され、端部が上記回転子の外周に向かうように延長された第2冷却ファンを含むことができる。
【0022】
また、上記着脱型振動防止部は、上記支持体及び上記振動防止部材の少なくとも一つに備えられて上記固定子部の方向に延長された第1シーリング部材をさらに含むことができる。
【0023】
また、上記固定子部は、上記第1フレーム及び上記第2フレームの少なくとも一つに備えられて上記クランク軸の方向に延長された第2シーリング部材をさらに含むことができる。
【0024】
また、上記エアーダクト及び上記エアーガイド部材は、非磁性体として提供されることができる。
【0025】
また、上記第1シーリング部材は、非磁性体として提供されることができる。
【0026】
また、上記第2シーリング部材は、非磁性体として提供されることができる。
【0027】
一方、本発明の別の一実施例による船舶用発電機は、クランク軸(Crankshaft)を備えるエンジンを収容するエンジンルームに連結されている船舶用発電機であって、上記クランク軸に連結され、一定レベルの質量を有して上記エンジンの振動を低減する着脱型振動防止部と、上記着脱型振動防止部に連結され、上記着脱型振動防止部によって支持される回転子部と、上記回転子部と対面するように上記エンジンルームに固定された固定子部と、上記固定子部に連結された冷却部、及び上記クランク軸及び上記固定子部に連結された流動ガイド部を含むことができる。
【0028】
また、上記固定子部は、上記エンジンルームに結合される第1フレームと、上記第1フレームに連結され、固定子が連結される第2フレーム、及び一側が上記第2フレームに連結され、端部が上記クランク軸の外周方向に延長された第3フレームを含み、上記流動ガイド部は、上記クランク軸及び上記第3フレームに連結されることができる。
【0029】
また、上記流動ガイド部は、上記第3フレームに連結され、斜めに備えられた第1流動ガイドフレーム、及び上記クランク軸に連結され、上記第1流動ガイドフレームの方向に延長され、その端部が上記第1流動ガイドフレームと離隔するように提供される第2流動ガイドフレームを含むことができる。
【0030】
また、上記着脱型振動防止部は、一端部が上記クランク軸に連結され、他端部が上記クランク軸の直径方向に延長された支持体を含み、上記回転子部は、上記支持体に連結されることで、上記クランク軸の外周から離隔する回転子を含み、上記固定子部は、上記第2フレームに連結され、上記回転子と対面する上記固定子を含むことができる。
【0031】
また、上記エンジンルームは、エンジンルームカバーを含み、上記固定子部は、上記エンジンルームの上記エンジンルームカバーに結合される上記第1フレームを含み、上記エンジンルームカバーと上記第1フレームとの間には非磁性体として提供される第1連結パッドが備えられる。
【0032】
また、上記支持体と上記クランク軸との間には非磁性体として提供される第2連結パッドが備えられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、船舶の空間活用性が増大し、エネルギー効率性が向上することができる。
【0034】
また、発電機を船舶に設ける作業の効率性及び便宜性が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】通常のクランク軸に連結されたプロペラを示したものである。
図2】本発明に係る船舶用発電機を概略的に示したものである。
図3】本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機を概略的に示したものである。
図4】本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機を概略的に示したものである。
図5】本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機を概略的に示したものである。
図6】本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施例に関する説明の理解を助けるために添付された図面に同一の符号で記載された要素は同一の要素であり、各実施例において、同一の作用をするようになる構成要素のうち関連した構成要素は、同一または延長線上の数字で表記した。
【0037】
また、本発明の要旨を明確にするために、従来技術によって公知の要素と技術に対する説明は省略し、以下では、添付された図面を参考にして、本発明に関して詳細に説明する。
【0038】
但し、本発明の思想は、提示される実施例に制限されず、当業者によって、特定構成要素が追加、変更、削除された他の形態でも提案することができるが、これもまた本発明と同一の思想の範囲内に含まれることを明らかにしておく。
【0039】
なお、以下で説明する船舶用発電機は、エンジンが装着された発電機(Engine Mounted Generator、EMG)として船舶に適用することができる。
【0040】
図2には、本発明に係る船舶用発電機100が示されており、船舶用発電機100の構成は、図2のセンターラインCLを基準に上下対称構造を有することができる。そして、図2に示されたクランク軸52には、船舶のプロペラ200が連結されて船舶に動力を提供することができる。
【0041】
上記のような図2に示すように、本発明に係る船舶用発電機100は、クランク軸(Crankshaft)52を備えるエンジン(図示せず)を収容するエンジンルーム50に連結され、上記プロペラ200と反対方向に上記エンジンルーム50に連結されることができる。
【0042】
本発明の一実施例において、船舶用発電機は、上記エンジンルーム50の上記クランク軸52に連結され、一定レベルの質量を有し、上記エンジン(図示せず)、特にクランク軸52の振動を低減する着脱型振動防止部110、上記着脱型振動防止部110に連結され、上記着脱型振動防止部110によって支持される回転子部120、上記回転子部と対面するように上記エンジンルームに固定された固定子部130、上記固定子部に連結された冷却部140、及び上記クランク軸52及び上記固定子部に連結された少なくとも一つの励磁機150を含むことができる。
【0043】
この時、上記着脱型振動防止部110は、上記回転子部120の回転が可能であるように上記回転子部120を支持する。上記着脱型振動防止部110には上記回転子部120の回転を可能とするためにベアリング(図示せず)などの部品が用いられることができるが、その具体的な方法は、本発明によって限定されない。
【0044】
上記着脱型振動防止部110は、一端部が上記クランク軸52に連結され、他端部が上記クランク軸52の直径方向に延長された支持体111を含み、上記回転子部120は、上記支持体111に連結されることで上記クランク軸52の外周から離隔する回転子121を含むことができる。
【0045】
このような構成によって回転子121は、回転可能に支持されるとともに、クランク軸52と連動して回転することができるようになる。これによると、クランク軸52に回転子121を連動することで船舶のエネルギー効率を向上させるようになる。
【0046】
かかる回転子121は、支持体111の一面に連結されることができる。そして、上記支持体に上記回転子121を連結するために、上記着脱型振動防止部110は、サポート支持体113をさらに含むことができる。
【0047】
サポート支持体113は、上記支持体111の上記一面に結合され、端部が上記クランク軸52の長さ方向に折り曲げられて延長されて形成されることができる。
【0048】
そして、上記回転子121は、上記クランク軸52の折り曲げられた延長部113aにボルトBによって固定されることができ、これにより上記回転子121は、上記クランク軸52に平行に位置することができる。
【0049】
上記サポート支持体113も上記支持体111にボルト(図示せず)などの結合部材によって結合されることができる。しかし、この方法は、必ずしも本発明によって限定されるものではない。
【0050】
上記のような本発明によると、船舶用発電機100の内部で関連部品の配置関係を効率的に設定することができ、究極的には、発電機の規格を縮小して空間活用性を向上させることができる。
【0051】
それだけでなく、クランク軸52に回転子121を結合または分離する作業の便宜性を向上させ、作業時間を短縮させることができる。
【0052】
一方、上記支持体111には、振動防止部材112が備えられ、具体的には、上記サポート支持体113が結合される上記支持体111の一面と向き合う面に振動防止部材112が備えられ、上記振動防止部材112は、上記支持体111に結合または分離されるように備えられる。
【0053】
上記振動防止部材112は、一定の質量を有する質量物として、一定レベルの慣性モーメントを満たすようにしてクランク軸52の回転時、上記クランク軸52に連結されたエンジン(図示せず)の歪み振動を防止する役割を果たす。
【0054】
上記振動防止部材112の質量値は、船舶の規模、クランク軸52及びプロペラの仕様などにより適宜選択して適用することができる。
【0055】
このように、振動防止部材112を支持体111に設けると、発電機の内部の空間活用性が増大し、クランク軸52の振動を防止することで、発電機のエネルギー効率性を向上させることができる。
【0056】
本発明の一実施例において、上記振動防止部材112は、図3に示すように、上記支持体111の一面に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第1振動防止部材112a及び上記第1振動防止部材に結合または分離されるように提供され、一定レベルの質量を有する第2振動防止部材112bを含むことができる。
【0057】
第1振動防止部材112a及び第2振動防止部材112bは、互いに異なる質量を有するように備えられることで、クランク軸52またはエンジン(図示せず)の仕様に適したレベルの慣性モーメントを効率的に提供することができる。
【0058】
また、本発明の一実施例において、上記着脱型振動防止部110は、上記振動防止部材112が結合される一面にねじ溝114を備える上記支持体111、上記ねじ溝に対応される締結孔115をそれぞれ備える上記第1振動防止部材、上記第2振動防止部材、及びその端部が上記締結孔を貫通して上記ねじ溝に挿入される締結部材116を含むことができる。
【0059】
また、本発明の別の一実施例において、上記着脱型振動防止部110は、上記支持体111及び上記振動防止部材112の少なくとも一つに備えられて上記固定子部130の方向に延長された第1シーリング部材117をさらに含むことができる。
【0060】
第1シーリング部材117の端部は、クランク軸52の直径方向に延長されて上記固定子部130に向かい、上記第1シーリング部材117によってエンジンルーム50から流入されることができる潤滑油を遮断することができる。
【0061】
一方、図2及び図3に示すように、上記固定子部130は、上記エンジンルーム50のエンジンルームカバー51にボルト(図2のB)によって結合される第1フレーム131、上記第1フレーム131に連結され、上記回転子121と対面する固定子135が連結される第2フレーム132、一側が上記第2フレームに連結され、その端部が上記クランク軸52の外周方向に延長された第3フレーム133及び上記第3フレームの上記端部に連結された第4フレーム134を含むことができる。
【0062】
また、一実施例において、上記固定子部130は、上記第1フレーム131及び上記第2フレーム132の少なくとも一つに備えられて上記クランク軸52の方向に延長された第2シーリング部材136をさらに含むことができる。
【0063】
上記第2シーリング部材136の端部は、クランク軸52の外周方向に延長されて上記第1シーリング部材117と噛合し、上記第1シーリング部材117と一定間隙を置いて噛合することにより、上記第1シーリング部材117がクランク軸52の回転により回転する際に干渉しないように備えられる。
【0064】
このような第1シーリング部材117及び第2シーリング部材136によって、エンジンルーム50から流入されることができる潤滑油及び異物などをより効果的に遮断して発電機の耐久性を向上させることに寄与することができる。
【0065】
一方、上記励磁機150は、上記クランク軸52に連結されてエンジンと同一の速度で回転する励磁機の回転子151及び上記励磁機の回転子と一定間隙を置いて対面するように上記第4フレーム134に連結された励磁機の固定子152を含み、上記励磁機の回転子及び上記励磁機の固定子の少なくとも一部は、上記回転子121の外周のセンターラインCLの方向への延長線中に存在することができる。
【0066】
上記のような固定子部130及び励磁機150の構成によると、エンジンルームカバー51に船舶用発電機100を直接結合することができ、励磁機150を船舶用発電機100の内部に存在するようにすることで、エンジンルーム50自体及び船舶用発電機自体の規模及び規格を減らすことができるため、船舶の空間活用性を向上させることができる。
【0067】
一方、本発明は、図4に示すように、上記第2フレームに連結された冷却ハウジング141、上記冷却ハウジングの内部に存在する冷却器142、上記冷却ハウジングの外部に固定されたエアーポンプ143、及び上記エアーポンプ、第4フレーム及び上記クランク軸52に連結され、内部に冷却流路144aを含むエアーダクト144を備える冷却部140を含むことができる。
【0068】
上記冷却部140は、船舶用発電機100の冷却を行って、エネルギー効率を向上させる役割を果たす。
【0069】
この際、上記冷却部は、上記第3フレームに連結され、端部が折り曲げられて回転子121と対面するように延長されたエアーガイド部材145及び上記サポート支持体113の端部に連結され、端部が上記クランク軸52の外周に向かうように延長された第1冷却ファン146を含むことができる。
【0070】
これによると船舶用発電機100の内部で回転子121の回転により、冷却流量を発生させることができるようになる。
【0071】
また、冷却器142、上記冷却ハウジングの外部に固定されたエアーポンプ143及び上記エアーポンプ、第4フレーム及び上記クランク軸52に連結されたエアーダクト144を船舶用発電機100の外部の近く、すなわち、クランク軸52のできる限り上部に位置させることで、冷却部140のメンテナンスを容易にする効果がある。
【0072】
また、上記エアーガイド部材145は、冷却流量を回転子121側に集中させる役割を果たして回転子121の冷却効率を向上させる役割を果たす。
【0073】
一方、励磁機150は、上述のように励磁機の回転子151及び励磁機の固定子152を含むことができ、上記励磁機の回転子151は、上記クランク軸52に結合部材153によって連結されることができる。そして、上記結合部材153は、上記クランク軸52に連結されることができ、上記励磁機の固定子152は、上記励磁機の回転子151と一定間隙を置いて向き合うように備えられることができる。
【0074】
そして、上記励磁機の回転子151及び上記励磁機の固定子152の少なくとも一部は、上記回転子部120とセンターラインCLに垂直な方向に同一線上に存在することで、船舶用発電機100の空間効率を向上させることができる。
【0075】
一方、上記冷却部は、上記結合部材153に連結され、その端部が上記回転子の外周に向かうように延長された第2冷却ファン147を含むことができる。このような第1冷却ファン146及び第2冷却ファン147の相互作用によると、回転子121に向かう冷却流体の流量を増大させて船舶用発電機100の冷却効率を向上させることができ、回転子121を経た冷却流体がエアーダクト144を介して円滑に循環されるようにすることで、冷却流体の熱交換を効率的に行うことができるようになる。
【0076】
本発明の一実施例によると、上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145は、非磁性体として提供されることができる。
【0077】
本発明の一実施例において、上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145は、ゴムを含む材質からなることができる。しかし、これは必ずしも本発明によって限定されるものではなく、上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145の材質は、非磁性体の範囲内で当業者によって適宜選択されて適用されることができる事項である。
【0078】
上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145を非磁性体で備えると、固定子135及び回転子121を通過する磁束と、励磁機の固定子152及び励磁機の回転子151を通過する磁束の一部成分が上記固定子部130を通過する現象を防止することができる。
【0079】
具体的には、上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145を非磁性体で備えると、上記固定子135及び上記回転子121を通過する磁束と、励磁機の固定子152及び励磁機の回転子151を通過する磁束の一部成分が上記固定子部130の第1、2、3、4フレーム131、132、133、134を通過してエンジン(図示せず)に電気的腐食または電食を起こす現象を防止することができる。
【0080】
また、上記エアーダクト144及び上記エアーガイド部材145を非磁性体で備えると、上記固定子135及び上記回転子121を通過する磁束と、励磁機の固定子152及び励磁機の回転子151を通過する磁束の一部成分が上記第1、2シーリング部材117、136及び上記結合部材153を通過してエンジン(図示せず)に電気的腐食または電食を起こすことを防止することができることによって、究極的に全体の推進システムに故障を起こす現象を防止することができる。
【0081】
一方、図5に示すように、本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機100は、クランク軸(Crankshaft)52を備えるエンジン(図示せず)を収容するエンジンルーム50に連結されることができる。船舶用発電機は、上記クランク軸52に連結され、一定レベルの質量を有して上記エンジンの振動を低減する着脱型振動防止部110、上記着脱型振動防止部110に連結され、上記着脱型振動防止部によって支持される回転子部120、上記回転子部と対面するように上記エンジンルーム50に固定された固定子部130、上記固定子部に連結された冷却部140、及び上記クランク軸52及び上記固定子部130に連結された流動ガイド部160を含むことができる。
【0082】
上記固定子部130は、上記エンジンルーム50に結合される第1フレーム131、上記第1フレームに連結され、固定子135が連結される第2フレーム132、及び一側が上記第2フレーム132に連結され、端部が上記クランク軸の外周方向に延長された第3フレーム133を含むことができる。
【0083】
そして、上記流動ガイド部160は、上記クランク軸52及び上記第3フレーム133に連結されて船舶用発電機100の内部のエアの流動をガイドすることができる。
【0084】
本発明の一実施例において、上記流動ガイド部160は、上記第3フレーム133に連結され、斜めに備えられた第1流動ガイドフレーム161及び上記クランク軸52に連結され、上記第1流動ガイドフレーム161の方向に延長され、その端部が上記第1流動ガイドフレーム161と離隔するように提供される第2流動ガイドフレーム162を含むことができる。
【0085】
上記のような流動ガイド部160によると、船舶用発電機100で励磁機150を排除することで、船舶用発電機100の軽量化を達成することができる。
【0086】
また、船舶用発電機100の構造を単純化することができることによって船舶用発電機の故障の可能性を最小限に抑えることができる。
【0087】
したがって、船舶用発電機100の信頼性が向上することができる。
【0088】
また、上記のような流動ガイド部160によると、船舶用発電機100の内部でエアの流動を最適化して船舶用発電機100の冷却効率を向上させることができる。
【0089】
一方、図6に示すように、本発明の別の一実施例に係る船舶用発電機100の上記着脱型振動防止部110は、一端部が上記クランク軸52に連結され、他端部が上記クランク軸52の直径方向に延長された支持体111を含むことができる。
【0090】
上記支持体111の一面には、上記回転子121が連結されることができる。
【0091】
上記支持体111の一面には、振動防止部材112が備えられ、上記支持体111の他面には、サポート支持体113が備えられる。
【0092】
上記振動防止部材112は、上記支持体111に結合または分離されるように備えられる。上記振動防止部材112は、一定質量を有する質量物として、一定レベルの慣性モーメントを満たすようにしてクランク軸52の回転時、上記クランク軸52に連結されたエンジン(図示せず)の歪み振動を防止する役割を果たす。
【0093】
上記回転子部120は、上記支持体111に連結されることにより、上記クランク軸52の外周から離隔する回転子121を含むことができる。
【0094】
上記固定子部130は、上記第2フレーム132に連結され、上記回転子121と対面する上記固定子135を含むことができる。
【0095】
そして、上記エンジンルーム50は、内部に収容空間を備えるエンジンルームカバー51を含むことができ、上記クランク軸52は、上記エンジンルームカバー51の内部に収容されることができる。
【0096】
本発明の一実施例において、上記固定子部130は、上記エンジンルームの上記エンジンルームカバー51に結合される上記第1フレーム131を含むことができる。
【0097】
この時、上記エンジンルームカバー51と上記第1フレーム131との間には非磁性体として提供される第1連結パッド171が備えられる。
【0098】
これにより、上記エンジンルームカバー51、上記第1連結パッド171及び上記第1フレーム131は、これらを貫通するボルトBによって結合されることができる。
【0099】
また、一実施例において、上記支持体111と上記クランク軸52との間には非磁性体として提供される第2連結パッド172が備えられる。
【0100】
上記支持体111、上記第2連結パッド172、及び上記クランク軸52を結合する方法は、必ずしも本発明によって限定されず、ボルトなどの結合手段を介して上記支持体111、上記第2連結パッド172、及び上記クランク軸52を適切に結合することができる。
【0101】
上記第1連結パッド171及び上記第2連結パッド172によると、磁束成分がエンジン(図示せず)に腐食または電食を起こす現象を防止することができる。
【0102】
以上で説明した事項は、本発明の一実施例について説明したものであり、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0103】
50 エンジンルーム 100 船舶用発電機
110 着脱型振動防止部 111 支持体
112 振動防止部材 113 サポート支持体
114 ねじ溝 115 締結孔
116 締結部材 117 第1シーリング部材
120 回転子部 121 回転子
130 固定子部 131 第1フレーム
132 第2フレーム 133 第3フレーム
134 第4フレーム 135 固定子
136 第2シーリング部材 140 冷却部
141 冷却ハウジング 142 冷却器
143 エアーポンプ 144 エアーダクト
145 エアーガイド部材 146 第1冷却ファン
147 第2冷却ファン 150 励磁機
151 励磁機の回転子 152 励磁機の固定子
153 結合部材 160 流動ガイド部
161 第1流動ガイドフレーム 162 第2流動ガイドフレーム
171 第1連結パッド 172 第2連結パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6