IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コ スンジョンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】自動車後方ルーフキャリア装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/042 20060101AFI20230522BHJP
   B60R 9/055 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
B60R9/042
B60R9/055
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021560510
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2019005990
(87)【国際公開番号】W WO2020235700
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521442534
【氏名又は名称】コ スンジョン
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】コ スンジョン
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-128543(JP,U)
【文献】中国実用新案第205524004(CN,U)
【文献】特開平08-058476(JP,A)
【文献】米国特許第06827244(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/042
B60R 9/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の屋根の上部面にその長手方向の両側に設置される一対のルーフ支持台(110)と、
前記ルーフ支持台(110)にそれぞれ連結固定される中空のルーフ固定レール(120)と、
前記ルーフ固定レール(120)に設置され、自動車トランク後面まで延長される作動レール(130)と、
前記ルーフ固定レール(120)に設置され、その外部面と前記作動レール(130)の外部面に沿ってスライド移動する移動台車(140)と、
前記移動台車(140)の上部面に設置され、その内部に物や品物を収納保管するキャリアボックス(150)と、を含み、
前記ルーフ固定レール(120)には、自動車後方トランクまで前記作動レール(130)が連結固定され、前記ルーフ固定レール(120)と前記作動レール(130)との連結部には、トランク外側方向に折り曲がる第2折り曲げ部(230)が設けられ、
前記第2折り曲げ部(230)は、複数個の関節具(231)が連続して連結されたチェーン形態で屈曲可能なようになり、前記関節具(231)は、その上部面を形成する上面プレート(231a)、及び前記上面プレート(231a)の両側面で下向き形成される一対の側面プレート(231b)で構成される、自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項2】
前記作動レール(130)は、前記ルーフ固定レール(120)の内部から外側に引き出されながら延長されて自動車トランク後面にその端部が支持される、請求項1に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項3】
前記作動レール(130)は、自動車の屋根の両側に相対向して一対で設置され、その端部にはそれらを連結する連結ブラケット(131)が備えられ、前記連結ブラケット(131)には、前記ルーフ固定レール(120)から前記作動レール(130)を出没させる作動取っ手132が設置される、請求項1に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項4】
前記作動レール(130)の中間部には、その外側に相互離隔した複数の硬性材質のリング(133b)が挿入された軟性材質の連結台(133a)からなる折り曲げ部(133)が備えられる、請求項1に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項5】
前記移動台車(140)は、前記キャリアボックス(150)が上部面に装着される板状のボディープレート(141)、一側は前記ボディープレート(141)の下面部に固定設置され、他側は前記ルーフ固定レール(120)に装着されてローリングするように回動ローラ(142R)が備えられたローラ部(142)、及び前記ボディープレート(141)の下面後半部に備えられ、前記作動取っ手(132)が支持されながら前記作動レール(130)とロック又はアンロックされるロックブラケット(143)を含む、請求項に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項6】
前記移動台車(140)の下部面には、前方又は後方に伸縮するように前方シリンダー(161)と後方シリンダー(162)で構成されるシリンダー装置(160)が設置され、
前記前方シリンダー(161)は、一端が前記ボディープレート(141)の下部前方部に連結され、他端は前記ローラ部(142)の後方ローラ部(142b)に連結され、前記後方シリンダー(162)は、一端が前記ボディープレート(141)の下部後方部に連結され、他端は前記ローラ部(142)の前方ローラ部(142a)に連結され、前方及び後方シリンダー(161,162)の伸縮によって前記移動台車(140)が上昇又は下降する、請求項5に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項7】
前記作動取っ手(132)は、前記連結ブラケット(131)の中央部に備えられ、その上端部に、前記移動台車(140)の下部面に備えられた前記ロックブラケット(143)に支持される凹溝部(132ab)が形成されたボディー部(132a)、前記ボディー部(132a)の下端部に設置される取っ手部(132b)、前記取っ手部(132b)に設置される作動部(132c)、及び前記ボディー部(132a)の側面上部側に備えられ、前記作動部(132c)によって回動しながら前記ロックブラケット(143)にロック又はアンロックされるロック具(132d)で構成される、請求項5に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項8】
前記側面プレート(131b)の一側面部には、回動ピン(231p)が挿入されるように第1回動ピン孔(h1)が備えられる突出ラウンド部(231c)が形成され、前記側面プレート(231b)の他側面部には、回動ピン(231p)が挿入されるように第2回動ピン孔(h2)が備えられると共に前記突出ラウンド部(231c)が回転可能にはめ込まれる凹溝部231dが形成される、請求項に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項9】
前記突出ラウンド部(231c)の上部面には、前記上面プレート(231a)の先端部によって形成される上側突部(231e)が備えられ、前記突出ラウンド部(231c)の下部面には下側突部(231f)が備えられ、前記上面プレート(231a)の後面部から前記上側突部(231e)までの上部距離(L1)は、前記側面プレート(231b)の後面下端部から前記下側突部(231f)までの下部距離(L2)よりも長く形成される、請求項に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項10】
前記リング(133b)には、前記連結台(133a)を貫通する固定ピン(133c)が固定される、請求項4に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項11】
前記リング(133b)は、下部の間隔が上部の間隔と等しい又は大きい、請求項4に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項12】
前記移動台車(140)の上部面には、長手方向に上部レール(144)が備えられ、
前記キャリアボックス(150)の下部面には、前記上部レール(144)に沿ってスライド移動する下部レール(151)が備えられ、
前記キャリアボックス(150)が前記上部レール(144)に沿って下降した後、前記移動台車(140)から取り外される、請求項1に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【請求項13】
前記移動台車(140)の上部面には、長手方向に上部レール(144)が備えられ、
前記キャリアボックス(150)の下部面には、前記上部レール(144)と結合する下部レール(151)が備えられ、
前記上部レール(144)には回動するリンクが備えられ、前記キャリアボックス(150)が前記リンクの回転により下降した後、前記移動台車(140)から取り外される、請求項1に記載の自動車後方ルーフキャリア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の屋根に設置されるキャリア装置に関し、より詳細には、自動車の屋根の両側に長手方向に固定されるルーフ支持台、ルーフ支持台の側面部にそれぞれ連結固定される中空のルーフ固定レール、ルーフ固定レールに設けられてトランクまで連結設置される作動レール、ルーフ固定レールに沿ってスライドする移送台車、及び移送台車に着脱可能であり、内部に物を収納するキャリアボックスで構成され、作動レールをトランク後方部まで連結設置し、移送台車をルーフ固定レールと作動レールに沿って移送下降してキャリアボックスに物を収納するようにすることにより、自動車の屋根に備えられたキャリアボックスに自動車後方から品物を便利に上げ下ろし可能にする自動車後方ルーフキャリア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車の屋根には、品物や物を積んで運行できるようにルーフキャリア装置が装着され、利用されている。
【0003】
このような従来の自動車用ルーフキャリアは、車両の屋根の上部面左右両側にルーフキャリアバーが設置され、これらを連結するルーフキャリア支持台の上部に品物保管ボックスを設置し、その内部に荷物を保管して運行している。
【0004】
従来、ルーフキャリアボックスとは、車両の屋根に荷物やスキーなどを積むために設置されたものを指す。このようなルーフキャリアボックスは、車両のルーフに長手方向に設置された2個のルーフラック(Rack)と、該ルーフラックを横切って複数の支持棒(台)が締め付けられた上部に設置される構造である。
【0005】
このような車両用ルーフキャリア及びボックスは、スキー、自転車、レジャー用ボックス、その他荷物など、体積が大きくて比較的軽い荷物を積載可能に車両のルーフパネルの上部に設置される荷物積載手段であり、レジャー、旅行などの様々な用途に便利に利用でき、主としてレジャー用車両などに多く設置されている現状がある。
【0006】
しかしながら、従来の自動車用ルーフキャリアは、ルーフキャリアバー(ラック)がルーフパネルに固定されるため、該ルーフキャリアバーの間に取り付けられるルーフキャリア支持台に荷物を上げ下ろしするとき、労力が多くかかるだけでなく、ワゴン車のように高さの高い車両に設置されたルーフキャリア(又は、ボックス)に荷物を上げ下ろしする時には、作業者が梯子などを用いて、車両の上部に設置されたルーフキャリアに荷物を積んだり降ろしたりしなければならず、荷物の上げ下ろしが非常に面倒になる問題点があった。
【0007】
また、従来のワゴン車やRV車、SUV車などには、上部面に設置されるルーフキャリア(又は、キャリアボックス)の他にも、車両の後面に補助キャリアを設置し、多くの品物や物をさらに積載可能にしている。
【0008】
従来、車両屋根のルーフキャリア(レール)に設置されたキャリアボックスは、車両後面に設置された後面補助キャリア(レール)に、その下部面を支持しながらスライド下降し、車両後面側から物を上げ下ろしするようにしているが、この場合、前記ルーフキャリアの端部と前記補助後面キャリアの端部とが一定の距離で離れており(離隔区間があり)、キャリアボックスがルーフ固定レールから後面補助キャリア(レール)に連続して下降することが円滑でなく、しかも、キャリアボックスが離隔区間から離脱することもあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】KR10-1709147
【文献】KR20-1998-0039092
【文献】KR20-1999-0024979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたものである。
【0011】
自動車の屋根の両側に固定されるルーフ支持台に、ルーフ固定レール、ルーフ固定レールの内部に沿ってスライドしながら伸縮する作動レール、ルーフ固定レールに沿ってスライドする移送台車、及び移送台車に着脱可能であり、内部に物を収納するキャリアボックスから構成され、作動レールを伸張させてトランク後方部に支持し、移送台車をルーフ固定レールと作動レールに沿って地上に移送下降させてキャリアボックスに物を収納するようにすることにより、自動車の屋根に備えられたキャリアボックスが自動車後方に展開しながら品物を便利に上げ下ろし可能にする自動車後方ルーフキャリア装置を提供することにその目的がある。
【0012】
本発明の他の目的は、自動車の屋根に備えられるルーフ固定レールの内部に沿って伸縮して出没する作動レールは、その中間部にフレキシブルな折り曲げ区間を形成し、ユーザの人為的な力で作動レールがルーフ固定レールから伸張して自動車のトランクの外部面に容易に折り曲がって支持されるようにすることにより、移送台車を地上に便利に下降させることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、荷物が収納されるキャリアボックスを移送台車に迅速に着脱可能なようにすることにより、キャリアボックスを用いて自動車の屋根への荷物の上げ下ろし作業の効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明は、自動車の屋根の上部面にその長手方向の両側に設置される一対のルーフ支持台(110)と、前記ルーフ支持台(110)にそれぞれ連結固定される中空のルーフ固定レール(120)と、前記ルーフ固定レール(120)に設置され、自動車トランク後面まで延長される作動レール(130)と、前記ルーフ固定レール(120)に設置され、その外部面と前記作動レール(130)の外部面に沿ってスライド移動する移動台車(140)と、前記移動台車(140)の上部面に設置され、その内部に物や品物を収納保管するキャリアボックス(150)と、を含む。
【0015】
また、本発明の前記作動レール(130)は、前記ルーフ固定レール(120)の内部から外側に引き出されながら延長されて自動車トランク後面にその端部が支持される。
【0016】
また、本発明の前記作動レール(130)は、自動車の屋根の両側に相対向して一対で設置され、その端部にはそれらを連結する連結ブラケット(131)が備えられ、前記連結ブラケット(131)には、前記ルーフ固定レール(120)から前記作動レール(130)を出没させる作動取っ手(132)が設置される。
【0017】
また、本発明の前記作動レール(130)の中間部には、その外側に相互離隔した複数の硬性材質のリング(133b)が挿入された軟性材質の連結台(133a)からなる折り曲げ部(133)が備えられる。
【0018】
また、本発明の前記移動台車(140)は、前記キャリアボックス(150)が上部面に装着される板状のボディープレート(141)、一側は前記ボディープレート(141)の下面部に固定設置され、他側は前記ルーフ固定レール(120)に装着されてローリングするように回動ローラ(142R)が備えられたローラ部(142)、及び前記ボディープレート(141)の下面後半部に備えられ、前記作動取っ手(132)が支持されながら前記作動レール(130)とロック又はアンロックされるロックブラケット(143)を含む。
【0019】
また、本発明の前記移動台車(140)の下部面には、前方又は後方に伸縮するように前方シリンダー(161)と後方シリンダー(162)で構成されるシリンダー装置(160)が設置され、前記前方シリンダー(161)は、一端が前記ボディープレート(141)の下部前方部に連結され、他端は前記ローラ部(142)の後方ローラ部(142b)に連結され、前記後方シリンダー(162)は、一端が前記ボディープレート(141)の下部後方部に連結され、他端は前記ローラ部(142)の前方ローラ部(142a)に連結され、前方及び後方シリンダー(161,162)の伸縮によって前記移動台車(140)が上昇又は下降する。
【0020】
また、本発明の前記作動取っ手(132)は、前記連結ブラケット(131)の中央部に備えられ、その上端部に、前記移動台車(140)の下部面に備えられた前記ロックブラケット(143)に支持される凹溝部(132ab)が形成されたボディー部(132a)、前記ボディー部(132a)の下端部に設置される取っ手部(132b)、前記取っ手部(132b)に設置される作動部(132c)、及び前記ボディー部(132a)の側面上部側に備えられ、前記作動部(132c)によって回動しながら前記ロックブラケット(143)にロック又はアンロックされるロック具(132d)で構成される。
【0021】
また、本発明の前記ルーフ固定レール(120)には、自動車後方トランクまで前記作動レール(130)が連結固定され、前記ルーフ固定レール(120)と前記作動レール(130)との連結部には、トランク外側方向に折り曲がる第2折り曲げ部(230)が設けられる。
【0022】
また、本発明の前記第2折り曲げ部(230)は、複数個の関節具231が連続して連結されたチェーン形態で屈曲可能なようになり、前記関節具231は、その上部面を形成する上面プレート(231a)、及び前記上面プレート(231a)の両側面で下向き形成される一対の側面プレート(231b)で構成される。
【0023】
また、本発明の前記側面プレート(131b)の一側面部には、回動ピン(231p)が挿入されるように第1回動ピン孔(h1)が備えられる突出ラウンド部(231c)が形成され、前記側面プレート(231b)の他側面部には、回動ピン(231p)が挿入されるように第2回動ピン孔(h2)が備えられると共に前記突出ラウンド部(231c)が回転可能にはめ込まれる凹溝部231dが形成される。
【0024】
また、本発明の前記突出ラウンド部(231c)の上部面には、前記上面プレート(231a)の先端部によって形成される上側突部(231e)が備えられ、前記突出ラウンド部(231c)の下部面には下側突部(231f)が備えられ、前記上面プレート(231a)の後面部から前記上側突部(231e)までの上部距離(L1)は、前記側面プレート(231b)の後面下端部から前記下側突部(231f)までの下部距離(L2)よりも長く形成される。
【0025】
また、本発明の前記リング(133b)には、前記連結台(133a)を貫通する固定ピン(133c)が固定される。
【0026】
また、本発明の前記リング(133b)は、下部の間隔が上部の間隔と等しい又は大きい。
【0027】
また、本発明の前記移動台車(140)の上部面には、長手方向に上部レール(144)が備えられ、前記キャリアボックス(150)の下部面には、前記上部レール(144)に沿ってスライド移動する下部レール(151)が備えられ、前記キャリアボックス(150)が前記上部レール(144)に沿って下降した後、前記移動台車(140)から取り外される。
【0028】
また、本発明の前記移動台車(140)の上部面には、長手方向に上部レール(144)が備えられ、前記キャリアボックス(150)の下部面には、前記上部レール(144)と結合する下部レール(151)が備えられ、前記上部レール(144)には回動するリンクが備えられ、前記キャリアボックス(150)が前記リンクの回転により下降した後、前記移動台車(140)から取り外される。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置は、自動車の屋根の両側に備えられるルーフレールに挿入設置される作動レールを伸張させてトランク後方部に支持させ、移送台車をルーフ固定レールと作動レールに沿って地上に移送下降させてキャリアボックスに物を収納するようにすることにより、自動車の屋根に備えられたキャリアボックスが自動車後方に展開しながら品物を便利に上げ下ろしすることができるという長所がある。
【0030】
また、本発明は、自動車の屋根に備えられるルーフ固定レールの内部に沿って伸縮して出没する作動レールは、その中間部にフレキシブルな折り曲げ区間を形成し、ユーザの人為的な力で作動レールがルーフ固定レールから伸張して自動車のトランクの外部面に容易に折り曲がって支持されるようにすることにより、移送台車を地上に速かに下降させ、作業の便宜性を提供する。
【0031】
また、本発明は、荷物が収納されるキャリアボックスを移送台車に迅速に着脱可能なようにすることにより、キャリアボックスを用いた自動車の屋根への荷物の上げ下ろし作業の効率を上げる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置が自動車の屋根に装着された状態を示す概略斜視図である。
図2】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置が自動車の屋根に装着された状態を示す概略断面図である。
図3】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置の分離斜視図である。
図4】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置の作動レールがルーフ固定レールに沿って伸張する状態図、及びトランクに向かって折れ曲がる状態図である。
図5】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置における移動台車の要部詳細図及び作動状態図である。
図6】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置の移動台車がルーフ固定レールと作動レールに沿ってトランク後方及び地面に展開した状態図である。
図7】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置の移動台車がトランク後方から展開した後、キャリアボックスが底面にリンクを介して下降した状態図である。
図8】本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置に備えられる他の実施例の作動レールに対する概略状態図である。
図9】(a)は折り曲げ部の他の実施例であり、(b)は折り曲げ部が上方向に曲がった状態図である。
図10】(a)は中間媒介体の形態図であり、(b)は関節具の形態図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照しつつ、当該分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように説明する。
【0034】
本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置100は、図1図8に示すように、
自動車の屋根(「ルーフ」又は「ルーフパネル」ともいう。)Rの上部面にその長手方向の両側に設置される一対のルーフ支持台110と、
前記ルーフ支持台110にそれぞれ連結固定される中空のルーフ固定レール120と、
前記ルーフ固定レール120に挿入設置され、外側に引き出されながら出現し、挿入されながら前記ルーフ固定レール120の内側に引っ込む作動レール130と、
前記ルーフ固定レール120に設置され、その外部面に沿ってスライディング移動して自動車ルーフパネルから自動車後方のトランク後面まで移動する移動台車140と、
前記移動台車140の上部面に設置され、その内部に物や品物を収納保管するキャリアボックス150と、を含んでなる。
【0035】
通常、自動車(一般乗用車、SUV車、及びRV車を含む。)のルーフに設置されるキャリアボックスは、自動車用品又はレジャー用品、その他の物品など、体積が大きくて比較的軽い荷物を積載できるように車両のルーフパネルの上部に設置される荷物積載手段であって、レジャーや旅行などの様々な活動に便利に利用できることから、主としてレジャー用車両などに多く設置され、活用されている。
【0036】
上記のように構成される本発明は、車両のルーフパネルに設置される前記ルーフ固定レール120から前記作動レール130を引き出して(伸張させて)車両トランクまでスライディング移動させて自動車後方に下降させた後、前記移動台車140を前記ルーフ固定レール120から前記作動レール130に沿って移動させ、続いて、前記移動台車140に備えられた前記キャリアボックス150の内部に収納されている荷物を降ろしたり、又はキャリアボックス150の内部に必要な荷物を載せたりした後、上記とは逆にスライディングさせて自動車のルーフ支持台110に前記キャリアボックス150を常置固定して運行することにより、自動車利用時に内部には積み難い物や品物を効果的に携帯することができる。
【0037】
このとき、キャリアボックス150の重さが軽い場合には、移動台車140と同時に、作動レール130を引き出して移送することもできる。キャリアボックス150と移動台車140の分離又は結合移送は、移動台車140とキャリアボックス150とのロックを設定するか否かによる。
【0038】
前記ルーフ支持台110は、自動車の屋根パネルに受け具111を設置し、屋根の上部面から一定高さで離隔して固定設置されてもよく、前記受け具111を設置しないで屋根パネルに完全に密着して設置されてもよい。
【0039】
このような前記ルーフ支持台110は、自動車の屋根パネルに、長手方向に延在して両側に並んで固定設置される。
【0040】
前記ルーフ固定レール120は、前記ルーフ支持台110の側面にそれぞれ固定され、中空型の四角形に形成されている。また、前記ルーフ固定レール120は、前記ルーフ支持台110の上面部に設置して構成されてもよい。
【0041】
前記作動レール130は、前記ルーフ固定レール120の内部にスライディング可能に挿入設置され、前記ルーフ固定レール120の内部に沿って外部に伸縮しながら出没するように設置構成される。
【0042】
したがって、前記作動レール130は、前記ルーフ固定レール120から伸張してトランク後方まで延長設置され得る。前記作動レール130が1段である場合は、ルーフ固定レール120を十分に長くすることにより、作動レール130をトランク後方まで延長させることができ、必要に応じて、作動レール130を多段にして伸縮するようにしてもよい。
【0043】
また、前記作動レール130は、自動車の屋根の両側に相対向して設置され、その端部には、それらを連結する連結ブラケット131が備えられ、前記連結ブラケット131には、前記ルーフ固定レール120から前記作動レール130を出没させ得る作動取っ手132が設置されている。
【0044】
したがって、前記作動レール130を前記ルーフ固定レール120から出没させるためには、前記作動取っ手132を引いたり押したりすればいい。
【0045】
また、前記作動レール130の中間部には、フレキシブルな材質の連結台133aが設けられ、その外側に互いに間隔を有する嵌め媒介体133bが挿入されることで、折り曲げを可能にする折り曲げ部133が備えられている。
【0046】
すなわち、前記折り曲げ部133は、加圧されると折り曲がる軟性(フレキシブルな)材質の連結台133aを備え、その外側には、互いに離隔した硬性のリング133bが複数個はめ込まれる。前記リングは、円形又は四角形の形状であり、折り曲げ部133が加圧されて下方に折れ曲がった時にリングの下端部か互いに接触し、それ以上折れ曲がらないように支持する役割を担い、折れ曲がった反対側(外側)は互いに、折れ曲がっていない時に比べてより離隔した距離を有するようになる。前記リング133bの中央には、リングが連結台133aから移動しないように、固定ピン133cが連結台133aを貫通して設置されてよい。このような固定ピン133cは、折り曲げ部133に曲げが発生してリングとリングの下部が互いに接触して押すことになっても、連結台において移動しないよう互いに支持する。このような複数のリングは、複数の節を形成するものと考えてもよく、曲げが発生するものの、堅固な節によって折り曲がった状態で移動台車140が垂れずに移動するようになる。このような折り曲げ部133は様々な形態に変更されてもよく、例えば、図9に示すように、回動リングが連続して連結されて折れ曲がるようにしてもよい。
【0047】
一方、折り曲げ部133は、図9に示すように、展開型ではなく、自動車後方に設置された場合にも適用可能である。この場合、自動車のトランクが開放されると、図9(b)のように、折り曲げ部133により上方への曲げが生じる。この時には、リング133bの下面が互いに接触しながら押し合いつつ連結台133aが曲がる。リング133bは、上部と下部が同一の間隔を有してもよく、トランクが開放される時に下部の間隔が上部の間隔よりも長く配置されるようにしてもよい。
【0048】
上記のように構成される前記作動レール130は、前記作動取っ手132を持って引っ張ると、前記作動レール130が前記ルーフ固定レール120の内部から引っ張られ(伸張し)、この状態でさらに前記作動取っ手132を下方に折り曲げると、前記折り曲げ部133が折れ曲がりながら前記作動レール130が自動車後方のトランクに支持される。
【0049】
ここで、自動車のトランクには、前記作動レール130の端部側がトランクに安定して支持され得るように、後防止支持ブラケット134がさらに設置されてよい。
【0050】
一方、前記移動台車140は、前記キャリアボックス150が上部面に装着される板状のボディープレート141と、一側は前記ボディープレート141の下面部に固定設置され、他側は前記ルーフ固定レール120に装着され、ローリング可能なように上部と下部及び側面に回動ローラ142Rが備えられたコの字状のローラ部142と、前記ボディープレート141の下面後半部に備えられ、前記作動取っ手132が支持されながらロック又はアンロックされるロックブラケット143とで構成されている。
【0051】
前記ボディープレート141は、扁平な板状であり、その上部面に前記キャリアボックス150が装着され、安定して支持される。
【0052】
また、前記ローラ部142は、前記ボディープレート141の前方下部面に備えられる一対の前方ローラ部142aと、前記ボディープレート141の後方下部面に備えられる一対の後方ローラ部142bとからなる。前記ローラ部142は、ルーフ固定レール120及び作動レール130の両側に同時に掛けられ、移動台車140の移動時にも離脱しない。
【0053】
このように構成される前記移動台車140は、前記ボディープレート141の下部側に備えられた前記ローラ部142の回動ローラが前記ルーフ固定レール120上に沿って前後方向にローリングしながら移動することができる。
【0054】
また、前記ルーフ固定レール120から前記作動レール130が伸張して自動車トランクの下端まで折り曲げられて支持されている場合に、前記移動台車140は、前記ルーフ固定レール120を経て前記作動レール130の終端部まで移動する。
【0055】
この場合、前記移動台車140は、前記ボディープレート141の下部側に備えられた前記ロックブラケット143に、前記作動取っ手132が安着してロックされながら固定支持される。
【0056】
また、前記移動台車140の下部面には、前記折り曲げ部133の区間を安定してスライド可能なように、前方又は後方に伸縮するシリンダー装置160がさらに設置されている。
【0057】
前記シリンダー装置160は、前方シリンダー161及び後方シリンダー162で構成され、それぞれ、一対で設置されるが、前記前方シリンダー161は、一端が前記ボディープレート141の下部前方部に回動可能に連結され、他端は、前記後方ローラ部142bに回動可能に連結されながら伸縮可能に設置され、前記後方シリンダー162は、一端が前記ボディープレート141の下部後方部に回動可能に連結され、他端は、前記前方ローラ部142aに回動可能に連結されながら伸縮可能に設置されている。
【0058】
したがって、前記移動台車140が前記折り曲げ部133の区間をスライドしながら通過する時、前記前方シリンダー161と前記後方シリンダー162が伸張しながら移動台車140が作動レール130から遠ざかり、安定して曲りながらスライディング移動可能になる。
【0059】
すなわち、前記折り曲げ部133を用いて前記作動レール130を伸張させた後、これを自動車トランク後方に折り曲げて支持した状態で、前記移動台車140は前記ルーフ固定レール120上でスライドして前進し、引き続き、前記作動レール130に沿ってスライドする時、前記折り曲げ部133の区間で前記移動台車140が急に折れ曲がりながら下降することになるが、この時、前記前方シリンダー161は収縮し、同時に前記後方シリンダー162は伸張しながら安定して下降する。逆に、前記移動台車140が前記作動レール130に沿って上昇する時、前記折り曲げ部133の区間で前記移動台車140が急に上昇しながら折れ曲がることになるが、この時、前方シリンダー161は伸張し、同時に前記後方シリンダー162は収縮しながら安定して上昇し、前記ルーフ固定レール120上に安着可能になる。
【0060】
一方、前記作動取っ手132は、前記連結ブラケット131の中央部に備えられ、その上端部に、前記移動台車140の下部面に備えられる前記ロックブラケット143に支持される凹溝部132abが形成されるボディー部132a、前記ボディー部132aの下端部に設置される取っ手部132b、前記取っ手部132bに設置される作動部132c、及び前記ボディー部132aの側面上部側に備えられ、前記作動部132cによって回動しながら前記ロックブラケット143にロック又はアンロックされるロック具132dで構成されている。ロックブラケット143は、移動台車140と作動レール130とを固定又は分離させ、作動レール130が単独で引き出されたり、又は作動レール130と移動台車140とが結合した状態で作動レール130が引き出されたりするようにする。
【0061】
前記作動部132cによって前記ロック具132dが回転しながら前記ロックブラケット143にロック又はアンロックされる構成は、前記ボディー部132aの内部に、ケーブルなどのような連結ラインをテンション手段(図示せず)と共に設置し、前記作動部132cを握力などで押すと、前記ロック具132dが回動しながら前記ロックブラケット143からロックが解除されるようにするものであり、このような構成は、通常の技術者が容易に公知技術を用いて様々に実施でき、詳細説明は省略する。一方、ルーフ固定レール120から作動レール130が引き出されるようにロック又はアンロックする別のロック部も、その説明を省略する。
【0062】
また、前記移動台車140には、その上部面に前記キャリアボックス150が着脱可能なようにする上部レール144が、両側に長手方向に沿って備えられ、前記キャリアボックス150の下部面には、前記上部レール144に挿入設置され、それに沿ってスライドして昇降する下部レール151が、両側に長手方向に沿って備えられている。
【0063】
前記上部レール144と前記下部レール151とが結合すれば、前記移動台車140の上部面に前記キャリアボックス150が上下スライド可能になる。
【0064】
そして、前記上部レール144と前記下部レール151の下端部には、前記キャリアボックス150が急に下降しないように、ダンパー(図示せず)及び取っ手151aがさらに設置されてよい。前記取っ手151aを引っ張ると、前記上部レール144と前記下部レール151とが締結されているので、前記移動台車140と前記キャリアボックス150とが一緒に移動する。
【0065】
また、前記キャリアボックス150の上部面にはキャリア取っ手152が備えられており、前記キャリア取っ手152には、前記キャリアボックス150を取り外す分離レバー153が備えられている。
【0066】
ここで、前記分離レバー153によって前記キャリアボックス150が前記移動台車140から分離されるように設置する構成は、公知技術によって様々に通常の技術者が実施できるものであり、当該構成の詳細説明は省略する。
【0067】
上記のような構成の本発明は、前記キャリアボックス150が前記移動台車140に固定された状態で、前記作動レール130の端部まで前記移動台車140をスライド移動させた後、前記キャリアボックス150のロックを解除すれば、前記上部レール144に沿って前記下部レール151が下降しながら地面に前記キャリアボックス150が安着する。この時、前記キャリアボックス150は、前記上部レール144と前記下部レール151の下端部に備えられたダンパーにより地面に安全に安着する。この状態で、前記分離レバー153を押して前記キャリアボックス150を取り外し、その内部に荷物を収納する。
【0068】
また、本発明の前記キャリアボックス150は、図7に示すように、他の実施例によって構成されてもよい。
【0069】
すなわち、前記移動台車140の上部面に設置された前記上部レール144は、前記移動台車140の上部面に回動可能に設置された上部リンク144aと下部リンク144bによって回動するように構成される。
【0070】
このような構成の本発明では、前記キャリアボックス150が前記移動台車140に固定された状態で前記作動レール130の端部まで前記移動台車140をスライド移動させた後、前記上部リンク144aと前記下部リンク144bのロック(このようなロック構成は、公知技術によって実施される。)を解除し、それらを回転させる。続いて、前記上部レール144に沿って前記下部レール151が下降しながら地面に前記キャリアボックス150が安着する。この状態で、前記分離レバー153を押して前記キャリアボックス150を取り外し、その内部に荷物を収納する。
【0071】
上記のように構成される本発明では、前記作動レール130を自動車のトランク後方に下降させた後、前記移動台車140と前記キャリアボックス150を移動させてもよく、また、前記移動台車140と前記キャリアボックス150を移動させながら同時に前記作動レール130をスライド移動させてもよい。
【0072】
また、本発明は、図8に示すように、作動レール130を様々な構成で設置することができる。すなわち、図8(a)に示すように、前記作動レール130が出没可能なように前記ルーフ固定レール120の内部に挿入設置されるものの、その内側端部に弾性スプリング135が弾性的に連結されるように構成することができる。このような構成により、作動レール130を伸張させると、前記弾性スプリング135がスライド移動し、止め部に到達して上方に伸張する。この時、前記作動レール130は、前記ルーフ固定レール120の端部に備えられた回動ピン136によって回転しながらトランク後方部にその終端部が位置するようになる。続いて、前記キャリアボックス150を底面に移動させて荷物を上げ下ろしする。図8(b)のように、前記弾性スプリング135に代えて伸縮シリンダー137を設置して構成してもよい。
【0073】
本発明の一実施例は、上述したように、前記作動レール130が前記ルーフ固定レール120の内部にスライディング可能なように挿入設置され、前記ルーフ固定レール120の内部に沿って外部に伸縮しながら出没するように設置構成される。
【0074】
なお、本発明は、図9及び図10に示すように、前記作動レール130が前記ルーフ固定レール120の端部に連結され、自動車の後方トランクTの外部パネルまで長く連結して固定設置される他の実施例によって構成されてもよい。
【0075】
すなわち、本発明の他の実施例は、前記ルーフ固定レール120と前記作動レール130との連結部に、一方向(上部方向、矢印B方向、トランク外側方向)に折り曲げ可能にする第2折り曲げ部230が備えられる。
【0076】
したがって、前記ルーフ固定レール120に沿ってスライド移動するように設置される前記移動台車140は、前記ルーフ固定レール120から前記第2折り曲げ部230を経て前記作動レール130の端部(トランク後面下端)までスライド移動可能になる。
【0077】
前記第2折り曲げ部230は、複数個の関節具231が連続して連結されるチェーンの形態であり、屈曲可能なようになるもので、前記関節具231は、その上部面を形成する上面プレート231aと、前記上面プレート231aの両側面で下向き形成される一対の側面プレート231bとで構成され、前記側面プレート231bの一側面部(先端部)には、回動ピン231pが挿入されるように第1回動ピン孔h1が備えられる突出ラウンド部231cが形成され、前記側面プレート231bの他側面部(後端部)には、回動ピン231pが挿入されるように第2回動ピン孔h2が備えられながら前記突出ラウンド部231cが回転可能なようにはめ込まれる凹溝部231dが形成される。
【0078】
前記突出ラウンド部231cの上部面には、前記上面プレート231aの先端部によって形成される上側突部231eが備えられ、前記突出ラウンド部231cの下部面には下側突部231fが形成されている。
【0079】
ここで、前記上面プレート231aの後面部から前記上側突部231eまでの上部距離L1は、前記側面プレート231bの後面下端部から前記下側突部231fまでの下部距離L2よりも長く形成される。
【0080】
このような前記第2折り曲げ部230は、前記突出ラウンド部231cを前記凹溝部231dに前記回動ピン231pではめ込みながら前記関節具231が互いに回動可能なように連結される。このような方式で前記関節具231を複数個組み立てて所要の長さに連結することで、前記第2折り曲げ部230が完成する。この時、前記第2折り曲げ部230の両端は、別個の連結部材(図示せず)で連結設置される。
【0081】
また、前記第2折り曲げ部230は、前記関節具231の前記突出ラウンド部231cが右側方向(図面基準)に向くように複数個が連結される左側連結部230a、前記左側連結部230aと対向するように前記関節具231の前記突出ラウンド部231cが左側方向(図面基準)に向くように複数個が連結される右側連結部230b、及び前記左側連結部230aと前記右側連結部230bとを連結する中間媒介体232で構成される。
【0082】
すなわち、前記左側連結部230aと前記右側連結部230bは、前記中間媒介体232を中心に両側に相対向して設置される。
【0083】
前記中間媒介体232は、上部面232a、下部面232b、及び両側の側面232cで形成され、前記上部面232aの上部面距離L3は、前記下部面232bの下部面距離L4よりも長く、前記両側面232cには、その前後面にそれぞれ、前記突出ラウンド部231cが前記回動ピン231pによってはめ込まれながら回動可能なようにする媒介体凹溝部232dが形成されている。
【0084】
したがって、前記関節具231が複数個つながる前記第2折り曲げ部230は、その上部面が下部面よりも長く設置されるので、屈曲しつつラウンド形状をなしながら連結されることが可能になる。
【0085】
すなわち、図9及び図10に示すように、前記上面プレート231aの前面部に形成される前記上側突部231eは、隣接する前記上面プレート231aの後面部と密着するようになり、前記側面プレート231bの下部前面部に形成される前記下側突部231fは、隣接する前記側面プレート231bの下部後面部と一定の隙間(以下、下部隙間d1という。)が形成される。
【0086】
そして、図9(b)に示すように、自動車のトランクTを開放する(持ち上げる)時は、前記第2折り曲げ部230が矢印A方向に両側外圧を受けながら矢印B方向に上がる。この時、前記関節具231は、前記回動ピン231pによって回動しながら前記第2折り曲げ部230の下部面に形成された前記下部隙間d1が最小化し、逆に、前記上面プレート231aの後面部とこれに密着している前記上側突部231eが広がりながら上部隙間d2が形成される。
【0087】
したがって、自動車のトランクTが開放される時には、前記第2折り曲げ部230が矢印A方向に持ち上げられながら、トランクTの開放時にいかなる問題(前記第2折り曲げ部230が矢印B方向と反対に屈曲してトランクが開かない問題)も発生しない。また、この場合、前記第2折り曲げ部230の上部面全体は上部隙間d2の発生によってその長さが増え、逆に、前記第2折り曲げ部230の下部面は、前記下部隙間d1の最小化によってその全体長さが減るようになる。このような状態で前記トランクTを閉じる時には、前記と逆に、前記第2折り曲げ部230の下部面の全長は増え、上部面の全長は再び減って元の長さに回復する。
【0088】
このように、前記ルーフ固定レール120に上方に屈曲するラウンド状に前記第2折り曲げ部230が連結固定されることにより、前記移動台車140が前記ルーフ固定レール120から前記作動レール130の端部まで容易にスライド移動(下降)することが可能になる。
【0089】
第2折り曲げ部230は、展開型ではなく自動車後方に固定されるものとして説明しているが、これに限定されず、折り曲げ部130の形状にしてもよい。
【0090】
以上のように、本発明に係る自動車後方ルーフキャリア装置は、自動車の屋根の両側に長手方向に固定されるルーフ支持台、ルーフ支持台の側面部にそれぞれ連結固定される中空のルーフ固定レール、ルーフ固定レールに備えられながらトランクまで連結設置される作動レール、ルーフ固定レールに沿ってスライドする移送台車、及び移送台車に着脱可能であり、内部に物を収納するキャリアボックスで構成され、作動レールをトランク後方部まで連結設置し、移送台車をルーフ固定レールと作動レールに沿って移送下降させてキャリアボックスに物を収納するようにすることにより、自動車の屋根に備えられたキャリアボックスに自動車後方から品物を便利に上げ下ろしすることができる。
【符号の説明】
【0091】
100:自動車後方ルーフキャリア装置
110:ルーフ支持台
111:受け具
120:ルーフ固定レール
130:作動レール
131:連結ブラケット
132:作動取っ手
132a:ボディー部
132ab:凹溝部
132b:取っ手部
132c:作動部
132d:ロック具
133:折り曲げ部
134:後防止支持ブラケット
135:弾性スプリング
136:回動ピン
137:伸縮シリンダー
140:移動台車
141:ボディープレート
142:ローラ部
142a:前方ローラ部
142b:後方ローラ部
142R:回動ローラ
143:ロックブラケット
144:上部レール
144a:上部リンク
144b:下部リンク
150:キャリアボックス
151:下部レール
151a:取っ手
152:キャリア取っ手
153:分離レバー
160:シリンダー装置
161:前方シリンダー
162:後方シリンダー
230:第2折り曲げ部
230a:左側連結部
230b:右側連結部
231:関節具
231a:上面プレート
231b:側面プレート
231c:突出ラウンド部
231d:凹溝部
231e:上側突部
231f:下側突部
231p:回動ピン
h1:第1回動ピン孔
h2:第2回動ピン孔
d1:下部隙間
d2:上部隙間
L1:上部距離
L2:下部距離
L3:上部面距離
L4:下部面距離
232:中間媒介体
232a:上部面
232b:下部面
232c:側面
232d:媒介体凹溝部
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図9(a)】
図9(b)】
図10(a)】
図10(b)】