(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230522BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230522BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230522BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20230522BHJP
G02F 1/1345 20060101ALN20230522BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G06F3/044 126
G06F3/041 450
G06F3/041 430
G02F1/1333
G02F1/1345
(21)【出願番号】P 2022051781
(22)【出願日】2022-03-28
(62)【分割の表示】P 2020189451の分割
【原出願日】2016-01-19
【審査請求日】2022-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸治
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 正樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 泰
(72)【発明者】
【氏名】石崎 剛司
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-120003(JP,A)
【文献】特開2014-157219(JP,A)
【文献】特開2003-057678(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0121328(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G06F 3/044
G06F 3/041
G02F 1/1333
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域、及び、前記第1領域に隣接する第2領域を有する第1基板と、
表示領域を有する前記第2領域に対向する第2基板と、
前記第1領域に配置されたICチップと、
前記ICチップに接続された第1端子と、
前記第1端子に接続され、前記第1領域から前記第2領域に向かって延在する第1配線と、
前記ICチップに接続された第2端子と、
前記第1領域に配置され、前記第2端子に接続された第2配線と、
前記第1領域に配置され、前記第2配線に接続された外部接続用端子と、
前記外部接続用端子に接続された検出回路を備えるフレキシブル基板と、を備え、
前記第1端子、前記第2端子、及び、前記外部接続用端子は、前記第1配線の延在方向と平行な同一直線上に並び、
前記第1端子、及び、前記第2端子は、前記ICチップの内部において互いに電気的に接続されている、表示装置。
【請求項2】
前記第1配線は、その一部が前記第2領域に位置している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記表示領域に重畳する検出電極を備え、
前記検出回路は、前記第1配線
を介して、前記検出電極と電気的に接続されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
さらに、前記第2領域において、行列状に配置された複数の画素と、
行方向に延出した複数の走査線と、
前記行方向に交差する列方向に延出した複数の信号線と、
複数のセンサ駆動電極と、を備えている、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置のインターフェイス等として、指などの被検出物の接触あるいは接近を検出するセンサが実用化されている。センサの一例である静電容量式タッチパネルは、被検出物による静電容量の変化を検出するための電極を備えている。このようなタッチパネルを備えた表示装置においては、例えば、表示パネルに接続されたフレキシブルプリント基板に加えて、タッチパネルの電極が形成される面に接続されたフレキシブルプリント基板が必要となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、狭額縁化が可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
表示装置は、第1領域、及び、前記第1領域に隣接する第2領域を有する第1基板と、表示領域を有する前記第2領域に対向する第2基板と、前記第1領域に配置されたICチップと、前記ICチップに接続された第1端子と、前記第1端子に接続され、前記第1領域から前記第2領域に向かって延在する第1配線と、前記ICチップに接続された第2端子と、前記第2端子に接続された第2配線と、前記第2配線に接続された外部接続用端子と、を備え、前記第1端子、及び、前記第2端子は、前記ICチップの内部において互いに電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの構成を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した表示パネルPNLを示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示パネルPNLの基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した表示パネルPNLの一部の構造を示す断面図である。
【
図6】
図6は、センサSSの一構成例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、センサSSの他の構成例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、センシング方法の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の表示装置DSPにおける接続関係を説明するための図である。
【
図12】
図12は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
【
図14】
図14は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
【
図15】
図15は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
【
図16】
図16は、表示装置DSPの他の構成例を説明するための図である。
【
図19A】
図19Aは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの一構成例を示す断面図である。
【
図19B】
図19Bは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
【
図20A】
図20Aは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
【
図20B】
図20Bは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
【
図21A】
図21Aは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
【
図21B】
図21Bは、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
【
図22】
図22は、表示装置DSPの他の構成例を説明するための図である。
【
図23】
図23は、
図22に示した第1基板SUB1及び第2基板SUB2の一部を拡大した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの構成を示す分解斜視図である。図中において、第1方向X及び第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは互いに直交している。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、駆動ICチップ1(第1制御部)、フレキシブル基板3などを備えている。ここでの表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層(後述する液晶層LC)と、を備えている。第1基板SUB1は、第1領域A1及び第2領域A2を有している。第1領域A1及び第2領域A2は、第2方向Yに隣接している。第2基板SUB2は、第1基板SUB1の第2領域A2に対向している。つまり、第2領域A2は、第1基板SUB1のうち、第2基板SUB2と対向する領域であり、第1領域A1は、第1基板SUB1のうち、第2基板SUB2の端部SUBEよりも外側に延出した領域である。
駆動ICチップ1及びフレキシブル基板3は、第1領域A1に接続されている。駆動ICチップ1は、例えば、表示パネルPNLに対して画像を表示するのに必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。ここでのディスプレイドライバDDは、後述する信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び、共通電極駆動回路CDの少なくとも一部を含むものである。フレキシブル基板3は、表示パネルPNLと外部の回路基板5とを接続している。
【0011】
図2は、
図1に示した表示パネルPNLを示す平面図である。
第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール部SEで互いに接着されている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、シール部SEによって囲まれた内側に位置している。なお、表示領域DA及び非表示領域NDAは、
図1に示した第1基板SUB1の第2領域A2と対応する領域である。
本実施形態の表示パネルPNLは、例えば、第1基板SUB1の下面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型であるが、これに限定されるものではない。例えば、表示パネルPNLは、第2基板SUB2の上面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型であっても良いし、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型であっても良い。
【0012】
図3は、
図1に示した表示パネルPNLの基本構成及び等価回路を示す図である。
表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。また、表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数本の走査線G(G1~Gn)、複数本の信号線S(S1~Sm)、共通電極CEなどを備えている。走査線Gは、各々第1方向Xに延出し、第2方向Yに並んでいる。信号線Sは、各々第2方向Yに延出し、第1方向Xに並んでいる。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくても良く、それらの一部が屈曲していてもよい。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置されている。
走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。共通電極CEは、共通電極駆動回路CDに接続されている。信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び、共通電極駆動回路CDは、第1基板SUB1上に形成されても良いし、これらの一部或いは全部が
図1に示した駆動ICチップ1に内蔵されていても良い。また、これらの駆動回路のレイアウトは、図示した例に限られるものではなく、例えば、走査線駆動回路GDは、表示領域DAを挟んだ両側に配置されても良い。
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LCなどを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと画素電極PEとの間に形成される。
【0013】
図4は、
図1に示した表示パネルPNLの一部の構造を示す断面図である。
図示した表示パネルPNLは、主として基板主面にほぼ平行な横電界を利用する表示モードに対応した構成を有しているが、特に制限される訳ではなく、基板主面に対して垂直な縦電界や、基板主面に対して斜め方向の電界、或いは、それらを組み合わせて利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。横電界を利用する表示モードでは、例えば第1基板SUB1に画素電極PE及び共通電極CEの双方が備えられた構成が適用可能である。縦電界や斜め電界を利用する表示モードでは、例えば第1基板SUB1に画素電極PEが備えられ、第2基板SUB2に共通電極CEが備えられた構成が適用可能である。なお、ここでの基板主面とは、X-Y平面と平行な面である。
【0014】
第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、信号線S1及びS2、共通電極CE、画素電極PE、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第1配向膜AL1などを備えている。一例では、第1絶縁膜11及び第3絶縁膜13はシリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機系材料によって形成され、第2絶縁膜12はアクリル樹脂などの有機系材料によって形成されている。なお、ここでは、スイッチング素子や走査線、これらの間に介在する各種絶縁膜等の図示を省略している。
第1絶縁基板10は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に位置している。信号線S1及びS2は、第1絶縁膜11の上に位置している。第2絶縁膜12は、信号線S1及びS2、及び、第1絶縁膜11の上に位置している。共通電極CEは、第2絶縁膜12の上に位置している。第3絶縁膜13は、共通電極CE及び第2絶縁膜12の上に位置している。画素電極PEは、第3絶縁膜13の上に位置している。画素電極PEは、第3絶縁膜を介して共通電極CEと対向している。また、画素電極PEは、共通電極CEと対向する位置にスリットSLを有している。共通電極CE及び画素電極PEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び第3絶縁膜13を覆っている。
なお、画素電極PEが第2絶縁膜12と第3絶縁膜13との間に位置し、共通電極CEが第3絶縁膜13と第1配向膜AL1との間に位置していても良い。このような場合、画素電極PEは画素ごとにスリットを有していない平板状に形成され、共通電極CEは画素電極PEと対向するスリットを有する。また、画素電極PE及び共通電極CEの双方が同一層上に位置していても良く、例えば、画素電極PE及び共通電極CEの双方が第3絶縁膜13と第1配向膜AL1との間に位置していても良い。
【0015】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
第2絶縁基板20は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。遮光層BMは、各画素を区画し、図中において信号線Sと対向する位置に配置されている。カラーフィルタCFは、画素電極PEと対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタなどを含む。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
なお、カラーフィルタCFは、第1基板SUB1に配置されても良い。また、遮光層BMを配置する代わりに、異なる色のカラーフィルタを2層以上重ね合せることで透過率を低下させ、遮光層として機能させても良い。白色を表示する画素には、白色のカラーフィルタを配置しても良いし、無着色の樹脂材料を配置しても良いし、カラーフィルタを配置せずにオーバーコート層OCを配置しても良い。
【0016】
本実施形態の表示装置DSPに搭載されるセンサは、検出電極Rxを備えている。図示した例では、検出電極Rxは、第2基板SUB2の外面SBAに位置している。検出電極Rxは、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金や、ITOやIZO等の透明な酸化物材料や、導電性の有機材料や、微細な導電性物質の分散体などによって形成されている。
詳述しないが、検出電極Rxは、単層構造であっても良いし、複数の薄膜を積層した積層構造であっても良い。検出電極Rxが積層構造である場合、例えば、金属層の上に酸化物導電層を備えた多層構造などが適用可能である。検出電極Rxが酸化物導電層によって形成される場合、検出電極Rxの形状は、例えば短冊状である。検出電極Rxが金属層によって形成される場合、金属細線によって形成され、検出電極Rxの形状は、例えば波状、格子状、メッシュ状などである。必要に応じて、検出電極Rxは、保護膜によって覆われていても良い。
【0017】
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10と照明装置BLとの間に位置している。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、検出電極Rxの上に位置している。第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、必要に応じて位相差板を含んでいても良い。第1偏光板PL1及び第2偏光板PL2は、例えば、それぞれの吸収軸が直交するクロスニコルの位置関係となるように配置される。
【0018】
次に、本実施形態の表示装置DSPに搭載されるセンサSSの一構成例について説明する。以下に説明するセンサSSは、例えば静電容量型であり、誘電体を介して対向する一対の電極間の静電容量の変化に基づいて、被検出物の接触あるいは接近を検出するものである。
【0019】
図5は、センサSSの構成を示す図である。
本実施形態では、センサSSは、センサ駆動電極(第1電極)Tx及び検出電極(第2電極)Rxを備えている。センサ駆動電極Txは、
図4に示した共通電極CEを含み、第1基板SUB1において第2絶縁膜12と第3絶縁膜13との間に位置している。検出電極Rxは、
図4に示したように、第2基板SUB2の外面SBAに位置している。
センサ駆動電極Tx及び検出電極Rxは、表示領域DAに位置している。図示した例では、センサ駆動電極Tx及び検出電極Rxは、それぞれ帯状の形状を有している。センサ駆動電極Txが延出する方向は、
図3に示した第1方向Xであっても良いし、第2方向Yであっても良い。検出電極Rxは、センサ駆動電極Txと交差する方向に延出している。例えば、センサ駆動電極Txが第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる場合、検出電極Rxは、第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。一方、検出電極Rxが第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる場合、センサ駆動電極Txは、第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。
センサ駆動電極Txは、共通電極駆動回路CDと電気的に接続されている。検出電極Rxは、検出回路DCと電気的に接続されている。
【0020】
共通電極駆動回路CDは、画像を表示する表示駆動時に、共通電極CEを含むセンサ駆動電極Txに対してコモン駆動信号を供給する。これにより、センサ駆動電極Txは、画素電極PEとの間で電界を発生させ、液晶層LCを駆動する。
また、共通電極駆動回路CDは、被検出物の接触あるいは接近を検出するためのセンシングを行うセンシング駆動時に、センサ駆動電極Txに対してセンサ駆動信号を供給する。これにより、センサ駆動電極Txは、検出電極Rxとの間で容量を発生させる。検出電極Rxは、センサ駆動電極Txへのセンサ駆動信号の供給に伴って、センシングに必要なセンサ信号(つまり、センサ駆動電極Txと検出電極Rxとの間の電極間容量の変化に基づいた信号)を出力する。検出回路DCは、検出電極Rxからセンサ信号を読み取り、被検出物の接触あるいは接近の有無を検出し、また、被検出物の位置座標などを検出する。
【0021】
なお、センサ駆動電極Tx及び検出電極Rxの個数やサイズ、形状は特に限定されるものではなく種々変更可能である。例えば、センサ駆動電極Txは、表示領域DAの全体に亘って途切れることなく延出した単個の平板状に形成されても良い。また、検出電極Rxは、島状に形成され、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されても良い。
【0022】
図6は、センサSSの一構成例を示す平面図である。
検出電極Rxのそれぞれは、第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。センサ駆動電極Txのそれぞれは、第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。ここでは、検出電極Rx及びリード線Lに着目し、その具体的なレイアウトについて説明する。
リード線Lは、第2基板SUB2において、検出電極Rxと同一面(例えば、
図4に示した外面SBA)に位置している。このようなリード線Lは、低抵抗な金属材料によって形成されることが望ましい。一例では、リード線Lは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料によって形成される。リード線Lの各々の一端側は、検出電極Rxの各々と電気的に接続されている。リード線Lの各々の他端側は、端子群TG2における端子T2の各々と電気的に接続されている。
図示した例では、複数のリード線Lのうち、奇数番目の検出電極Rxと接続されたリード線Lは、一方の非表示領域NDA1(つまり、表示領域DAよりも右側の非表示領域)に位置し、偶数番目の検出電極Rxと接続されたリード線Lは、他方の非表示領域NDA2(例えば、表示領域DAよりも左側の非表示領域)に位置している。
【0023】
図7は、センサSSの他の構成例を示す平面図である。
図示した例は、
図6に示した構成例と比較して、リード線Lのレイアウトが相違している。図示した例では、複数のリード線Lのうち、表示領域DAの上側半分に位置する検出電極Rxと接続されたリード線Lは、一方の非表示領域NDA1に位置し、表示領域DAの下側半分に位置する検出電極Rxと接続されたリード線Lは、他方の非表示領域NDA2に位置している。
【0024】
次に、上記した表示装置DSPにおいて被検出物の接触あるいは接近を検出するためのセンシング方法の一例の原理について、
図8を参照しながら説明する。
センサ駆動電極Txと検出電極Rxとの間には、容量Ccが存在する。センサ駆動電極Txには、順次、所定の周期でパルス状の書込信号(センサ駆動信号)Vwが供給される。この例では、被検出物となる利用者の指が特定の検出電極Rxとセンサ駆動電極Txとが交差する位置に近接して存在するものとする。検出電極Rxに近接している被検出物により、容量Cxが生ずる。センサ駆動電極Txに書込信号Vwが供給されたときに、特定の検出電極Rxからは、他の検出電極から得られるパルスよりもレベルの低いパルス状の読取信号(センサ信号)Vrが得られる。
図5に示した検出回路DCでは、書込信号Vwがセンサ駆動電極Txに供給されるタイミングと、各検出電極Rxからの読取信号Vrとに基づいて、センサSSのX-Y平面内での被検出物の2次元位置情報を検出することができる。また、上記の容量Cxは、被検出物が検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。このため、読取信号Vrのレベルも被検出物が検出電極Rxに近い場合と、遠い場合とで異なる。したがって、検出回路DCでは、読取信号Vrのレベルに基づいて、センサSSに対する被検出物の近接度を検出することもできる。
なお、上記したセンサSSは、一対の電極間の静電容量(上記の例ではセンサ駆動電極Txと検出電極Rxとの間の静電容量)の変化に基づいて被検出物を検出する相互容量方式に限らず、検出電極Rxの静電容量の変化に基づいて被検出物を検出する自己容量方式であっても良い。
【0025】
図9は、本実施形態の表示装置DSPにおける接続関係を説明するための図である。
図示したように、第1基板SUB1は、第1領域A1において端子T11を備えている。第2基板SUB2は、端子T2を備えている。これらの端子T11及び端子T2は、接続部材CMによって電気的に接続されている。接続部材CMは、平面視で、表示パネルPNLの外側にはみ出さず、図示した例では第1基板SUB1の端部よりも内側に位置している。このような接続部材CMによる接続構造は、後に詳述する。
端子T2は、
図6などに示したように、リード線Lを介して検出電極Rxと電気的に接続されている。端子T1は、配線W1に接続されている。配線W1については後に詳述するが、検出回路DCと電気的に接続されている。
【0026】
図示した例の表示装置DSPは、ディスプレイドライバDDを内蔵した駆動ICチップ1、検出回路DCを内蔵したICチップ2(第2制御部)、及び、フレキシブル基板3を備えている。駆動ICチップ1は、第1領域A1に接続されている。ICチップ2は、フレキシブル基板3に接続されている。外部の回路基板5は、アプリケーションプロセッサAPP(第3制御部)を備え、フレキシブル基板3に接続されている。アプリケーションプロセッサAPPと駆動ICチップ1との間、アプリケーションプロセッサAPPとICチップ2との間、駆動ICチップ1とICチップ2との間には、それぞれ伝送路が形成されている。これにより、アプリケーションプロセッサAPPとディスプレイドライバDDとの間、アプリケーションプロセッサAPPと検出回路DCとの間、及び、ディスプレイドライバDDと検出回路DCとの間では、それぞれ各種信号のやり取りが可能となるように構成されている。
例えば、表示駆動時において、アプリケーションプロセッサAPPは、ディスプレイドライバDDにグラフィックデータなどに対応した各種信号を送信する。ディスプレイドライバDDは、アプリケーションプロセッサAPPから受信した信号に基づいて、走査線Gに対して所定のタイミングで走査信号を供給し、信号線Sに対して映像信号を供給し、共通電極CEとして機能するセンサ駆動電極Txに対してコモン駆動信号を供給する。
センシング駆動時においては、ディスプレイドライバDD及び検出回路DCは、いずれか一方でセンサSSの駆動時期を知らせるタイミング信号を生成し、このタイミング信号を他方に与えることができる。あるいは、アプリケーションプロセッサAPPは、ディスプレイドライバDD及び検出回路DCにタイミング信号を与えることができる。上記のタイミング信号により、ディスプレイドライバDD及び検出回路DCを同期化することができる。ディスプレイドライバDDは、アプリケーションプロセッサAPPから受信した制御信号に基づいて、センサ駆動電極Txに対してセンサ駆動信号を供給する。検出回路DCは、検出電極Rxから出力されたセンサ信号を読み取り、センシング結果に相当する信号を生成し、アプリケーションプロセッサAPPに送信する。アプリケーションプロセッサAPPは、ディスプレイドライバDDから受信した信号を用いて様々な処理を行うことができる。
【0027】
図10は、
図9に示した第1基板SUB1の一構成例を示す平面図である。
第1基板SUB1は、第1領域A1に位置する端子T11及び端子T12と、端子T11と端子T12との間を接続する配線W1と、を備えている。端子T12は、駆動ICチップ1よりも第1基板SUB1の基板端部SUBAに近接する側に位置している。
配線W1は、一端部W11、他端部W12、及び、中途部W13を備えている。一端部W11は、第1領域Aに位置し、端子T11に接続されるとともに、端子T11から基板端部SUBAに向かうことなく第2領域A2に向かって延出している。他端部W12は、第1領域Aに位置し、端子T12に接続されるとともに、端子T12から基板端部SUBAに向かうことなく第2領域A2に向かって延出している。図示した例では、中途部W13は、第2領域A2に位置し、一端部W11と他端部W12との間を接続している。なお、図示した例では、端子T11の各々に接続されたすべての配線W1の中途部が第2領域A2に位置しているが、一部の配線W1の中途部のみが第2領域A2に位置している場合もあり得る。
また、図示した例では、配線W1の他端部W12は、その一部が駆動ICチップ1の下方に位置している。フレキシブル基板3は、端子T12に接続されている。フレキシブル基板3は、端子T12とICチップ2とを接続する配線W3を備えている。
【0028】
図11は、
図10に示したA-B線で切断した第1基板SUB1の断面図である。
第1基板SUB1において、配線W1の他端部W12は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、駆動ICチップ1の直下を通り、第1基板SUB1の基板端部SUBAに近接する位置まで延出している。このような配線W1は、例えば
図4を参照して説明した信号線S1などと同一の金属材料によって形成されているが、走査線などと同一の金属材料によって形成されていても良い。端子T12は、第3絶縁膜13の上に位置し、第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを介して他端部W12にコンタクトしている。このような端子T12は、例えば
図4を参照して説明した画素電極PEなどと同一の透明導電材料によって形成されている。なお、図示した例のように配線W1とは別個に端子T12を設けずに、第3絶縁膜を貫通する位置で露出した配線W1の露出部分を端子T12としても良い。
駆動ICチップ1及びフレキシブル基板3は、それぞれ導電性接着層4A、4Bにより第1基板SUB1に接続されている。導電性接着層4A、4Bは、例えば、接着剤中に導電粒子を分散させた異方性導電膜である。フレキシブル基板3は、ベース層30、配線W3、カバー層32などを備えている。配線W3は、ベース層30の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カバー層32は、配線W3を覆っている。配線W3は、端子T12と向かい合う位置でカバー層32から露出し、導電性接着層4Bの導電粒子41Bを介して端子T12と電気的に接続されている。駆動ICチップ1は、配線1の他端部W12と重なる位置で第1基板SUB1に接着されているが、図示した断面において、配線W1とは電気的に接続されていない。
【0029】
本実施形態によれば、第1基板SUB1において、第2基板SUB2の検出電極Rxと接続部材CMを介して電気的に接続される端子T11と、検出回路DCとを電気的に接続するための配線W1は、端子T11から基板端部SUBAに向かうことなく第2領域A2に向かって延出している。このため、配線W1が端子T11から基板端部SUBAに向かって延出する場合と比較して、第1領域A1の第2方向Yに沿った幅を縮小することができ、狭額縁化が可能となる。
また、配線W1の中途部W13が第2領域A2に位置する構成では、第1領域A1における配線W1の設置面積を低減することができ、第1領域A1の面積を低減することが可能となる。このため、より狭額縁化が可能となる。
また、検出回路DCがフレキシブル基板3に接続されたICチップ2に内蔵される構成では、配線W1は、駆動ICチップ1の直下を通り、フレキシブル基板3が接続される端子T12まで延出している。このため、配線W1が駆動ICチップ1を迂回する経路で配置された場合と比較して、配線W1の各々の配線長を短縮することができ、配線W1の設置面積をさらに低減することができるとともに、配線W1の配線抵抗を低減することができる。
また、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接続するための接続部材CMは、表示パネルPNLからはみ出すことがなく、第1基板SUB1に接続されたフレキシブル基板3のみが表示パネルPNLからはみ出して外部の回路基板5と接続される。したがって、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の各々が別々のフレキシブル基板を介して回路基板5と接続される場合と比較して、フレキシブル基板の個数を低減することができ、構造を簡素化することが可能となるとともに、コストを削減することが可能となる。
また、フレキシブル基板3を単一化したことにより、複数のフレキシブル基板を互いに電気的に接続するためのコネクタが不要となり、表示装置の小型化、及び、薄型化が可能となる。
また、フレキシブル基板3が接続された表示装置DSPを電子機器にセットした際に、電子機器内部の構造物とフレキシブル基板3との接触を抑制することができ、構造物を所望の位置に設置することが可能となる。
【0030】
次に、他の構成例について説明する。
【0031】
図12は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
図示した構成例は、
図10に示した構成例と比較して、第1基板SUB1における第1領域A1の構成が相違している。すなわち、第1基板SUB1は、第1領域A1において、端子T11及び端子T12に加えて、端子T13と、端子T14と、端子T13と端子T14との間を接続する配線W2と、を備えている。端子T12及び端子T13は、駆動ICチップ1の直下に位置している。端子T12及び端子T13は、それぞれ駆動ICチップ1の長辺に沿って配置されている。端子T14は、駆動ICチップ1よりも第1基板SUB1の基板端部SUBAに近接する側に位置している。第1基板SUB1において、端子T13及びT14は、電気的に接続されている。
駆動ICチップ1は、端子T12及び端子T13に接続されている。また、詳述しないが、駆動ICチップ1は、その内部において端子T12と端子T13とを電気的に接続している。フレキシブル基板3は、端子T14に接続されている。フレキシブル基板3は、端子T14とICチップ2とを接続する配線W3を備えている。なお、端子T11と端子T12との間を接続する配線W1については、
図10に示した構成例と同様に構成されており、詳細な説明を省略するが、一端部W11は端子T11から第2領域A2に向かって延出し、中途部W13は第2領域A2に位置している。
【0032】
図13は、
図12に示したC-D線で切断した第1基板SUB1の断面図である。
第1基板SUB1において、配線W1の他端部W12及び配線W2は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置している。他端部W12は、駆動ICチップ1の直下に延出している。配線W2は、他端部W12から離間し、駆動ICチップ1の直下を通り、基板端部SUBAに近接する位置まで延出している。端子T12乃至T14の各々は、第3絶縁膜13の上に位置している。端子T12は、他端部W12にコンタクトしている。端子T13及びT14は、それぞれ配線W2にコンタクトしている。
駆動ICチップ1の端子T22及びT23の各々は、導電性接着層4Aの導電粒子42A及び43Bにより端子T12及びT13と電気的に接続されている。フレキシブル基板3は、導電性接着層4Bの導電粒子41Bにより端子T14と電気的に接続されている。
このような
図12及び
図13に示した構成例においても、上記構成例と同様の効果が得られる。
【0033】
図14は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
図示した構成例は、
図10に示した構成例と比較して、第1配線W1の全部が第1領域A1に位置している点で相違している。すなわち、配線W1において、一端部W11、他端部W12、及び、中途部W13は、いずれも第1領域A1に位置している。より具体的には、一端部W11は、端子T11から第2領域A2に向かって延出しながらも、第2領域A2まで到達することなく中途部W13と接続されている。同様に、他端部W12は、端子T12から第2領域A2に向かって延出しながらも、第2領域A2まで到達することなく中途部W13と接続されている。中途部W13は、第1領域A1において、一端部W11と他端部W12との間を接続している。
また、図示した例では、配線W1において他端部W12と中途部W13との接続部分は、駆動ICチップ1の下方に位置している。
このような構成例においても、上記構成例と同様の効果が得られる。加えて、配線W1の全体が第1領域A1に位置しているため、配線W1のレイアウトを考慮することなく、第2領域A2に位置する走査線及び信号線を容易にレイアウトすることができる。
【0034】
図15は、
図9に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
図示した構成例は、
図14に示した構成例と比較して、第1基板SUB1における第1領域A1の構成が相違している。すなわち、第1基板SUB1は、
図12に示した構成例と同様に、第1領域A1において、端子T11及び端子T12に加えて、端子T13と、端子T14と、端子T13と端子T14との間を接続する配線W2と、を備えている。端子T12及び端子T13は、駆動ICチップ1の直下に位置している。端子T12は駆動ICチップ1の短辺に沿って配置され、端子T13は駆動ICチップ1の長辺に沿って配置されている。端子T14は、駆動ICチップ1よりも第1基板SUB1の基板端部SUBAに近接する側に位置している。
駆動ICチップ1は、
図13と同様に端子T12、端子T13に対応する位置に各々端子T22、端子T23を有し、端子T22と端子T23を駆動ICチップ1の内部で電気的に接続することにより、端子T12と端子T13とを電気的に接続している。フレキシブル基板3は、端子T14に接続されている。なお、端子T11と端子T12との間を接続する配線W1については、
図14に示した構成例と同様に構成されており、詳細な説明を省略するが、その全部が第1領域A1に位置している。
このような
図15に示した構成例においても、
図14に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0035】
図16は、表示装置DSPの他の構成例を説明するための図である。
図示した構成例は、
図9に示した構成例と比較して、駆動ICチップ1がディスプレイドライバDDに加えて検出回路DCも内蔵している点で相違している。回路基板5のアプリケーションプロセッサAPPと駆動ICチップ1との間には、伝送路が形成されている。これにより、アプリケーションプロセッサAPPとディスプレイドライバDDとの間、アプリケーションプロセッサAPPと検出回路DCとの間では、それぞれ各種信号のやり取りが可能となるように構成されている。また、駆動ICチップ1の内部においては、ディスプレイドライバDDと検出回路DCとの間で各種信号のやり取りが可能となるように構成されている。
【0036】
図17は、
図16に示した第1基板SUB1の一構成例を示す平面図である。
第1基板SUB1は、第1領域A1に位置する端子T11及び端子T12と、端子T11と端子T12との間を接続する配線W1と、を備えている。端子T12は、駆動ICチップ1の直下に位置し、駆動ICチップ1の長辺に沿って配置されている。
配線W1において、一端部W11は、第1領域A1の端子T11から第2領域A2に向かって延出している。他端部W12は、第1領域A1の端子T12から第2領域A2に向かって延出している。中途部W13は、第2領域A2に位置し、一端部W11と他端部W12との間を接続している。駆動ICチップ1は、端子T12に接続されている。駆動ICチップ1は、
図13と同様に端子T12に対応する位置に端子T22を有し、端子T12と端子T22は電気的に接続されている。端子T22と検出回路DCは、駆動ICチップ1の内部で電気的に接続され、信号の送受信を行っている。
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。加えて、ICチップ2を省略し、検出回路RCが駆動ICチップ1に内蔵されたことにより、フレキシブル基板3の小型化及び薄型化が可能となる。
【0037】
図18は、
図16に示した第1基板SUB1の他の構成例を示す平面図である。
図示した構成例は、
図17に示した構成例と比較して、端子T11と端子T12との間を接続する第1配線W1の全部が第1領域A1に位置している点で相違している。端子T12は、駆動ICチップ1の直下に位置し、駆動ICチップ1の短辺に沿って配置されている。
駆動ICチップ1は、
図13と同様に端子T12に対応する位置に端子T22を有し、端子T12と端子T22は電気的に接続されている。端子T22と端子T12は、駆動ICチップ1内部で電気的に接続されている。端子T22と検出回路DCは、駆動ICチップ1内部で電気的に接続されている。
このような
図18に示した構成例においても、
図17に示した構成例と同様の効果が得られる。
【0038】
図19Aは、例えば
図10、
図12、
図17に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの一構成例を示す断面図である。
図示した構成例は、接続部材CMがフレキシブル配線基板7である場合に相当する。
図19Aでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、端子T11から第2領域まで延在し、第2領域内で中途部W13に接続されている。端子T11は、第3絶縁膜13の上に位置し、第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを介して一端部W11にコンタクトしている。
第2基板SUB2において、リード線L及び端子T2は、第2基板SUB2の外面SBAに位置している。
フレキシブル配線基板7は、ベース層70、導電層71、及び、カバー層72を備えている。導電層71は、ベース層70の表示パネルPNLと対向する側に位置し、第1基板SUB1と対向する位置から第2基板SUB2と対向する位置に亘って延出している。カバー層72は、導電層71を覆っている。導電層71は、端子T11と向かい合う位置でカバー層72から露出し、導電性接着層4Cの導電粒子44Cを介して端子T11と電気的に接続されている。また、導電層71は、端子T2と向かい合う位置でカバー層72から露出し、導電性接着層4Dの導電粒子45Dを介して端子T2と電気的に接続されている。これにより、端子T11及び端子T2は、フレキシブル配線基板7の導電層71を介して互いに電気的に接続される。なお、導電性接着層4C及び4Dは、例えばいずれも異方性導電膜である。フレキシブル配線基板7は、例えば熱圧着などの手法によって第1基板SUB1及び第2基板SUB2にそれぞれ接続される。
図19Bは、例えば
図14、
図15、
図18に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
図19Bでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、第1領域内で中途部W13に接続されている。その他の構造については
図19Aと同様である。
【0039】
図20Aは、例えば
図10、
図12、
図17に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
図示した構成例は、接続部材CMが導電ペースト8である場合に相当する。第1基板SUB1の第1領域A1には、第2基板SUB2との段差を緩和するためのフィレット81が配置されている。導電ペースト8は、例えば樹脂材料に銀などの導電材料を分散させたものである。この導電ペースト8は、端子T11の上、フィレット81の斜面上、及び、端子T2の上にそれぞれ配置され、互いに繋がっている。これにより、端子T11及び端子T2は、導電ペースト8を介して互いに電気的に接続される。このような導電ペースト8は、例えば、ディスペンサもしくはスクリーン印刷版を用いて塗布された後に、紫外線照射もしくは加熱による硬化処理がなされて得られるものである。
図20Aでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、端子T11から第2領域まで延在し、第2領域内で中途部W13に接続されている。
図20Bは、例えば
図14、
図15、
図18に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
図20Bでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、第1領域内で中途部W13に接続されている。その他の構造については
図20Aと同様である。
【0040】
図21Aは、例えば
図10、
図12、
図17に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
図示した構成例は、接続部材CMがワイヤ9である場合に相当する。ワイヤ9は、端子T11及び端子T2にそれぞれ接続されている。これにより、端子T11及び端子T2は、ワイヤ9を介して互いに電気的に接続される。このようなワイヤ9は、例えば、ワイヤボンディングなどの手法で接続される。
図21Aでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、端子T11から第2領域まで延在し、第2領域内で中途部W13に接続されている。
図21Bは、例えば
図14、
図15、
図18に対応し、本実施形態に適用可能な接続部材CMの他の構成例を示す断面図である。
図21Bでは、第1基板SUB1において、配線W1の一端部W11は、例えば第1絶縁膜11と第3絶縁膜13との間に位置し、第1領域内で中途部W13に接続されている。その他の構造については
図20Aと同様である。
【0041】
図22は、表示装置DSPの他の構成例を説明するための図である。
図示した構成例は、上記した各構成例と比較して、接続部材CM及びフレキシブル基板3の機能を兼ね備えた単一のフレキシブル基板100を備えた点で相違している。すなわち、フレキシブル基板100は、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接続するための第1部分110と、第1基板SUB1と外部回路基板5とを接続するための第2部分120と、を含んでいる。第1部分110は、平面視で、表示パネルPNLの外側にはみ出さず、図示した例では第1基板SUB1の端部よりも内側に位置している。
【0042】
図23は、
図22に示した第1基板SUB1及び第2基板SUB2の一部を拡大した平面図である。なお、図中において、フレキシブル基板100は点線で示している。
第1基板SUB1は、第1領域A1において、複数の端子T11を備えた端子群TG1と、複数のダミー端子TDを備えた端子群TGDと、複数の端子T30を備えた端子群TG3と、を備えている。なお、ダミー端子TDは、必要に応じて設けられるものであって、その個数は任意であり、省略される場合もあり得る。端子T11、ダミー端子TD、及び、端子T30は、第1基板SUB1の基板端部SUBAに沿って同一直線上に位置している。
第2基板SUB2は、複数の端子T2を備えた端子群TG2を備えている。なお、第2基板SUB2は、端子T2の他に、必要に応じてダミー端子を備えていても良い。端子T2は、第2基板SUB2の基板端部SUBEに沿って同一直線上に位置している。
端子T11は、フレキシブル基板100の第1部分110により、端子T2と電気的に接続される。端子T11及びT2の接続構造については、例えば、
図19を参照して説明した構成例が適用可能である。端子T11の各々は、配線W1と接続されている。配線W1は、第2領域A2に向かって延出している。図示した例では、
図14などを参照して説明したように、配線W1の中途部が第1領域A1に位置している。なお、配線W1の中途部は、
図10などを参照して説明したように、第2領域A2に位置していても良い。配線W1の端部は、
図10などと同様に端子T30に接続されても良いし、
図12などと同様に駆動ICチップ1に接続される端子に接続されても良い。
端子T30は、主に、駆動ICチップ1と電気的に接続された端子であり、上記の通り、端子T11と電気的に接続された端子を含む場合もあり得る。
このような構成例においては、フレキシブル基板100の第1部分110は、端子群TG1の各端子T11と、端子群TG2の各端子T2とを接続し、フレキシブル基板100の第2部分120は、端子群TG3の各端子T30と接続される。このような構成例によれば、接続部材CM及びフレキシブル基板3を別個に設けた場合と比較して、1度の実装プロセスでフレキシブル基板100の第1部分110及び第2部分120を接続することができ、製造工程を簡素化することが可能となる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、狭額縁化が可能なセンサ付き表示装置を提供することができる。
【0044】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル SS…センサ
SUB1…第1基板 A1…第1領域 A2…第2領域
SUB2…第2基板
1…ICチップ 2…駆動ICチップ 3…フレキシブル基板
Rx…検出電極 Tx…センサ駆動電極
CM…接続部材 7…フレキシブル配線基板 8…導電ペースト 9…ワイヤ
DD…ディスプレイドライバ DC…検出回路