(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】排気ガスを用いた水素改質器
(51)【国際特許分類】
C01B 3/38 20060101AFI20230522BHJP
F01N 5/02 20060101ALI20230522BHJP
B01J 35/04 20060101ALN20230522BHJP
【FI】
C01B3/38
F01N5/02 J
B01J35/04 311A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022065110
(22)【出願日】2022-04-11
(62)【分割の表示】P 2019548364の分割
【原出願日】2018-03-02
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2017-0028813
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511302024
【氏名又は名称】アモグリーンテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン・ソー
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-118914(JP,A)
【文献】特開2010-230211(JP,A)
【文献】特開昭62-009183(JP,A)
【文献】特表2016-513198(JP,A)
【文献】特開2008-031931(JP,A)
【文献】特開昭54-113721(JP,A)
【文献】特開2007-155291(JP,A)
【文献】特開2001-164932(JP,A)
【文献】特開平02-030601(JP,A)
【文献】特開平11-278804(JP,A)
【文献】米国特許第5343699(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0117426(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0060871(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00 - 3/58
F01N 5/02
B01J 21/00 - 38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから発生する排気ガスと燃料が供給されると
水素を含有する改質ガスを生成する触媒反応部と、
前記排気ガスの熱を
利用する熱交換チャンバと、を含む排気ガスを用いた水素改質器であって、
前記触媒反応部は、
前記排気ガスと燃料
とが
混合した混合ガスが供給される吸入口と、生成された水素を含む改質ガスを排出する排出口
とが
それぞれ形成されるハウジングと、前記ハウジングの内部に装着され
、前記混合ガスと反応して
水素を含有する改質ガスを生成する金属触媒担体と、を含み、
前記吸入口
には、
前記排気ガスを排出する排気管と連結される第1のラインおよび燃料が供給される第2のラインが
それぞれ連結され、
前記排出口
には、第3のラインを介してエンジンに燃料を供給する燃料供給ラインに連結され、
前記金属触媒担体は前記混合ガスと反応して水素を含有する改質ガスを生成する触媒物質を含み、前記触媒物質は三元触媒を除く物質からなり、
前記熱交換チャンバは、
前記触媒反応部の前記ハウジングの外面に装着され
、前記触媒反応部の吸熱反応に必要な熱量を供給するように前記排気ガスが通過する空間
を画定し、その一側には、
エンジンから排出された排気ガスが前記空間に直接流入するガス流入口が形成され、他側には、熱交換を完了した排気ガスを
前記空間から排出するガス排出口が形成される、排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項2】
前記金属触媒担体
には、
前記混合ガスを通過させるために平板と波形板とが交互に
配列された通路が形成され、
前記平板と
前記波形板
との表面には、
前記混合ガスと反応して
水素を含有する改質ガスを生成する
前記触媒物質がコーティングされる、請求項1に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項3】
前記熱交換チャンバの内部には排気ガスと前記触媒反応部との間の熱交換面積を増やし、排気ガスが残留する時間を延長して熱交換性能を向上させる熱交換ユニットが備えられる、請求項1に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項4】
前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に一定の間隔をおいて螺旋状に巻かれるように装着され、排気ガスが前記ハウジングの外面に沿って螺旋状に回転しながら通過するようにする熱交換板である、請求項3に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項5】
前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に装着され、前記ハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材である、請求項3に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項6】
前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材であり、前記ハニカム部材は、前記ハウジングの長さ方向に複数に分割され、前記ハニカム部材の相互間には排気ガスが複数の通路に均一に分散されるようにする分配空間が形成される、請求項3に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【請求項7】
前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に垂直方向に突出して装着される複数の熱交換ピンである、請求項3に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスを用いて水素を生成し、生成された水素をエンジンに供給する排気ガスを用いた水素改質器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、燃料電池など水素燃料技術に対する限界で水素と化石燃料とを混合させた利用技術の開発および活用を通じて水素関連産業を作り出して水素を含む改質ガス発生器をはじめとする核心部品の技術開発を並行していく傾向にある。
【0003】
改質ガスの主要成分である水素は、既存の化石燃料に比べて燃焼反応および拡散速度が速く、煤煙がない清浄燃焼を成し遂げるなどエンジン燃料として非常に理想的な特性を持っているため、既存の化石燃料に合成ガスを混合して使用することによって、エンジンの熱効率を向上させて排気ガスを画期的に減らすことができる。
【0004】
既存の改質反応部を有するエンジンシステムは、登録特許公報10-1190233号公報(2012年10月12日)において開示されているように、燃料および空気が流入し、燃料を燃焼させて熱源を発生させる第1の改質反応部と、第1の改質反応部と連結され表面に改質触媒が塗布され、第1の改質反応部で生成流入した水蒸気と未反応燃料、および空気を改質反応させる改質触媒反応器を有する第2の改質反応部を備えた改質器と、改質器とエンジンとの間に設置されて改質器から排出される改質ガスと改質器に流入される空気を熱交換させる熱交換器と、を備える。
【0005】
このようなエンジンシステムは、改質器から排出される改質ガスと改質器に流入される空気を熱交換して触媒作用に必要な熱源として使用する。
【0006】
しかし、熱交換器に供給される空気を加熱するための別途の熱源を必要とするので構成が複雑であり、一般的な熱交換器の場合では熱交換性能が落ちるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、排気ガスの熱を触媒の吸熱反応に必要な熱源として使用して、吸熱反応のための別途の熱源を必要としない排気ガスを用いた水素改質器を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、触媒と排気ガスの熱交換性能を向上させて、改質器の効率を向上させることができる排気ガスを用いた水素改質器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一特徴によれば、水素改質器は、エンジンから発生する排気ガスと燃料が触媒反応部に供給されて水素が含まれている改質ガスを生成し、触媒反応部の外面に装着された熱交換チャンバに排気ガスが供給されると、排気ガスと触媒反応部が熱交換されて前記触媒反応部の吸熱反応に必要な熱量を提供する。
【0010】
前記触媒反応部は、排気ガスと燃料が供給される吸入口と、触媒と反応後に生成された水素を含む改質ガスを排出する排出口が形成されるハウジングと、前記ハウジングの内部に装着されて排気ガスおよび燃料と反応して改質ガスを生成する金属触媒担体を含むことができる。
【0011】
前記吸入口は、エンジンで発生した排気ガスを排出する排気管に第1のラインに連結され、エンジンに燃料を供給する燃料供給ラインと第2のラインに連結され、前記排出口は、エンジンに燃料を供給する燃料供給ラインと第3のラインに連結され得る。
【0012】
前記金属触媒担体は、平板と波形板とが交互に配列されて排気ガスと燃料が混合した混合ガスが通過する通路を形成し、平板と波形板の表面には混合ガスと反応して水素が含まれている改質ガスを生成する触媒物質をコーティングすることができる。
【0013】
前記熱交換チャンバは、前記ハウジングの外面に装着されて排気ガスが通過する空間を形成し、その一方側には、排気ガスが流入するガス流入口が形成され、他方側には、熱交換を完了した排気ガスを排出するガス排出口を形成してもよい。
【0014】
前記熱交換チャンバの内部には、排気ガスと触媒反応部との間の熱交換面積を増やし、排気ガスが残留する時間を延長して熱交換性能を向上させる熱交換ユニットを備えてもよい。
【0015】
前記熱交換ユニットは、ハウジングの外面に一定の間隔をおいて巻かれるように装着されて前記熱交換チャンバ内部を複数の空間に区画し、排気ガスがハウジングの外面に回転しながら通過するように熱交換板で形成してもよい。
【0016】
前記熱交換ユニットは、ハウジングの外面に装着されハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材で形成してもよい。
【0017】
前記熱交換ユニットは、ハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材であり、前記ハニカム部材は、ハウジングの長さ方向に複数に分割され、前記ハニカム部材の間には、排気ガスが複数の通路に均一に分散されるようにする分配空間を形成してもよい。
【0018】
前記熱交換ユニットは、ハウジングの外面に垂直方向に突出して装着される複数の熱交換ピンを使用してもよい。
【発明の効果】
【0019】
上述のように、本発明は、ハウジング外面に排気ガスが供給される熱交換チャンバが備えられて排気ガスの熱を触媒反応部の吸熱反応に利用できるので、構成を単純化することができ、費用を減らすことができる。
【0020】
また、熱交換チャンバ内部に熱交換性能を向上させることができる熱交換ユニットが備えられて排気ガスと触媒反応部との間の熱交換性能を向上させ、改質器の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態による水素改質器が備えられたエンジンシステムの構成図である。
【
図2】
図2は本発明の第1の実施形態に係る水素改質器の横断面図である。
【
図3】
図3は本発明の第1の実施形態に係る水素改質器の縦断面図である。
【
図4】
図4は本発明の第2の実施形態に係る水素改質器の斜視図である。
【
図5】
図5は本発明の第2の実施形態に係る水素改質器の断面図である。
【
図6】
図6は本発明の第3の実施形態に係る水素改質器の断面図である。
【
図7】
図7は本発明の第4の実施形態に係る水素改質器の断面図である。
【
図8】
図8は本発明の第5の実施形態に係る水素改質器の断面図である。
【
図9】
図9は本発明の第6の実施形態に係る水素改質器の斜視図である。
【
図10】
図10は本発明の第6の実施形態に係る水素改質器の触媒反応部と熱交換ユニットとが交互に積層された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。この過程で、図面に示した構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示すことがある。また、本発明の構成および作用を考慮して特に定義された用語は、使用者および運用者の意図または慣例によって変わり得る。したがって、これら用語は、本明細書全般にわたった内容に基づいて定義しなければならない。
【0023】
図1および
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による水素改質器10は、エンジン20の排気ガスと燃料が供給されると水素が含まれている改質ガスを生成する触媒反応部12と、触媒反応部12の外面に装着されエンジンから排出する排気ガスの熱を用いて触媒反応部12の吸熱反応に必要な熱を提供する熱交換チャンバ14とを含む。
【0024】
触媒反応部12は、排気ガスと燃料が供給される吸入口40と、触媒と反応後、生成された水素を含む改質ガスを排出する排出口42が形成されるハウジング50と、ハウジング50の内部に装着されて排気ガスおよび燃料と反応して改質ガスを生成する金属触媒担体52とを含む。
【0025】
ここで、ハウジング50は、円筒状または多角形状に形成され、吸入口40は、エンジン20で発生する排気ガスを排出する排気管22に第1のライン30に連結されて排気ガス中の一部が第1のライン30を通してハウジング50内に供給される。そして、吸入口40は、燃料が供給される第2のライン32に連結されて少量の燃料が第2のライン32を通してハウジング50内に供給される。
【0026】
この時、第2のライン32を通して供給される燃料は、燃料噴射装置などによって液状の燃料が霧化され、霧化された燃料と排気ガスが混合されて吸入口40を通じてハウジング50内に供給される。
【0027】
ここで、排気ガスと燃料の混合比は、多様な試験を通じて適切に調節でき、第1のライン30および第2のライン32には、それぞれ排気ガスの供給量および燃料の供給量を調節する調節バルブが装着されていてもよい。
【0028】
ハウジング50の排出口42は、エンジンに燃料を供給する燃料供給ライン24と第3のライン34に連結されて、燃料に水素が含まれている改質ガスを混合してエンジンに供給する。
【0029】
化石燃料を使用するエンジンの場合、水素が含まれている燃料がエンジンに供給されると燃焼室内部の燃焼反応および拡散速度が速く、煤煙がない清浄燃焼が行われるため、有害排気ガスを減らし、かつ熱効率を向上させることができる。
【0030】
エンジンは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、またはLPGエンジンなどが適用され得、好ましくはガソリンエンジンに適用され、水素改質器に供給される燃料はガソリンを使用した方が良い。
【0031】
金属触媒担体52は、
図3に示したように、平板54と波形板56とが交互に配列され、ハウジング50の形状によってハウジング50が円筒状の場合、平板54と波形板56とが交互に配列された金属触媒担体52が巻かれた形態でハウジング50内部に配置される。そして、ハウジング50が四角形状の場合、平板54と波形板56とが複数に積層されて、ハウジング50内部に配置されていてもよい。
【0032】
平板54および波形板56は耐熱性金属薄板で形成され、その厚さは20~100μmであることが好ましい。
【0033】
波形板56は波形状または凹凸形状に形成され、平板54は平らな板形状に形成され、ハウジング50内部に相互交互に積層されると排気ガスと燃料が混合した混合ガスが通過する通路58が形成される。このような平板54と波形板56の表面には、混合ガスと反応して水素を生成できる触媒物質がコーティングされる。
【0034】
熱交換チャンバ14は、ハウジング50の外面に装着され、排気ガスが残留する空間60が形成され、その一側には、排気管22と第4のライン36に連結されて排気ガスが吸入するガス吸入口44が形成され、他側には、ガス吸入口44に吸入された排気ガスが熱交換チャンバ14の一側から他側に移動しながら触媒反応部12と熱交換が行われ、熱交換が完了した排気ガスを排出するガス排出口46を含む。
【0035】
第4のライン36には、熱交換チャンバ14に供給される排気ガス供給量を調節できる調節バルブを設置してもよい。
【0036】
熱交換チャンバ14は、ハウジング50の外面に密閉された形態で形成されて排気ガスが通過する空間60が備えられ、熱交換チャンバ14の外面には、熱交換チャンバ14を断熱して空間60を通過する排気ガスの熱が外部に放出されることを防止する断熱材を装着してもよく、熱交換チャンバ14自体が断熱性能を有する材質で形成されてもよい。
【0037】
ガス排出口46は、第5のライン38に連結され、第5のライン38は、排気ガスを外部に排出させる排気口に連結される。
【0038】
水素改質器の場合、金属触媒担体52の吸熱反応のために熱源を必要とする。熱源に既存の電源を供給すれば発熱するヒーターなどが使用される場合、エンジンのジェネレータから発生する電気やバッテリーを使用しなければならない。しかし、現在車両の場合、デジタル化され電子化されて電気を使用する各種電子機器が増える傾向にあり、このような電子機器によって車両の電気消耗が激しくなるのが実情である。
【0039】
本実施形態の水素改質器は、触媒反応部12の吸熱反応のためにエンジンから発生する排気熱を利用できるので、別途のヒーターを必要とせず、車両の電気消耗を減らすことができる。
【0040】
第2の実施形態の水素改質器は、
図4および
図5に示したように、エンジンの排気ガスと燃料が供給されると水素が含まれている改質ガスを生成する触媒反応部12と、排気熱を用いて触媒反応部12の吸熱反応に必要な熱を供給するように排気ガスが通過する空間が形成される熱交換チャンバ14と、熱交換チャンバ14の内部に設置されて排気ガスと触媒反応部12との間の熱交換性能を向上させる熱交換ユニット70とを含む。
【0041】
熱交換ユニット70は、熱交換チャンバ14の内面とハウジング50の外面の間に設置されて排気ガスが空間60に残留する時間を増やし、熱交換面積を広くして熱交換性能を向上させるスパイラルタイプ(Spiral Type)の熱交換板72を含む。
【0042】
熱交換板72は、ハウジング50の外面に一定の間隔をおいて螺旋状に巻かれた形態で形成されて熱交換チャンバ14内部を多数の空間に区画して排気ガスが熱交換板72に沿って回転しながら移動するので、排気ガスが熱交換チャンバ14内部に残留する時間を増やし、熱伝達面積を増やす。
【0043】
このような熱交換板72は、熱伝達性能に優れた金属材質が使用される。
【0044】
したがって、第2の実施形態の水素改質器は、熱交換板72によって排気ガスと触媒反応部12との間の熱交換性能を向上させ、これによって、触媒反応部12の改質性能を向上させることができる。
【0045】
第3の実施形態の水素改質器は、
図6に示したように、熱交換チャンバ14内部に設置されて熱交換性能を向上させる熱交換ユニット70で複数の通路76を有するハニカム部材74が使用される。
【0046】
ハニカム部材74は、熱交換チャンバ14の内部に長さ方向に沿って複数の通路76が形成されて、複数の通路76に排気ガスが通過して熱交換面積を極大化することができる。
【0047】
そして、ハニカム部材74としては、上述した金属触媒担体52の平板54と波形板56とが交互に積層された構造が適用され得る。
【0048】
第4の実施形態の水素改質器は、
図7に示すように、熱交換チャンバ14内部に設置されて熱交換性能を向上させる熱交換ユニット70で複数の通路を有するハニカム部材80、82が使用され、ハニカム部材82、82は、熱交換チャンバ14の長さ方向に沿って複数に分割され、複数に分割されたハニカム部材間には排気ガスが分配される分配空間84が形成される。
【0049】
つまり、第4の実施形態の熱交換ユニット70は、ガス吸入口44に吸入された排気ガスが一次通過する第1のハニカム部材80と、第1のハニカム部材80を通過した排気ガスが分配されて複数の通路76に均一に分散させる分配空間84と、分配空間84で分配された排気ガスが二次通過する第2のハニカム部材82とを含む。
【0050】
このように、第4の実施形態の熱交換ユニットは、ハニカム部材80、82間に分配空間84を備えて、ハニカム部材80、82に形成される複数の通路76を排気ガスが均一に通過できるようにすることによって、熱交換性能をもっと向上させることができる。
【0051】
第5の実施形態の水素改質器は、
図8に示したように、熱交換チャンバ14内部に設置されて熱交換性能を向上させる熱交換ユニットでハウジング50の外面に複数に装着される熱交換ピン86が適用される。
【0052】
つまり、熱交換ピン86は、ハウジング50の外面に垂直方向に複数に突出して形成されて排気ガスが通過しながら熱交換ピン86と熱交換されて、熱交換面積を拡張して熱交換性能を向上させる。
【0053】
第6の実施形態の水素改質器は、
図9および
図10に示すように、複数に積層される触媒反応部120と、触媒反応部120と交互に積層され触媒反応部120と直交して配置されて触媒反応部120に熱を提供する熱交換ユニット130と、触媒反応部120と熱交換ユニット130が内蔵されるハウジング110とを含む。
【0054】
ハウジング110は、触媒反応部120に排気ガスと燃料が混合した混合ガスを供給する吸入口112と触媒反応部120を通過しながら金属触媒担体と反応して生成される水素が含まれている改質ガスを排出する排出口114がそれぞれ触媒反応部の入口側および出口側に形成される。
【0055】
そして、ハウジング110の吸入口112と排出口114が形成される前面および後面には、吸入口112に吸入された混合ガスが複数の触媒反応部120に均一に供給されるようにし、触媒反応部120から排出する改質ガスが排出口114に円滑に排出するようにする第1の分配空間142および第2の分配空間144が形成される。
【0056】
そして、ハウジング110には、熱交換ユニット130に排気ガスを供給する供給部116と、熱交換ユニット130を通過して熱交換が完了した排気ガスが外部に排出する排出部118がそれぞれ形成され、供給部116および排出部118は吸入口112および排出口114と互いに直交して配置される。
【0057】
ハウジング110の供給部116と排出部118が形成される両側面には、それぞれ排気ガスが複数の熱交換ユニット130に均一に供給されるように分配し、熱交換ユニット130を通過した排気ガスが円滑に排出部118に排出するようにする第3の分配空間146および第4の分配空間148がそれぞれ形成される。
【0058】
触媒反応部120は、第1の実施形態で説明した触媒反応部の構成と同様であり、熱交換ユニット130は、第3の実施形態で説明したハニカム部材または触媒反応部の形態と同様な複数の通路を有する形態で形成されてもよい。
【0059】
第6の実施形態の水素改質器は、複数の触媒反応部120に排気ガスと燃料が混合した混合ガスが通過しながら金属触媒担体と反応して水素が含まれている改質ガスが生成され、生成された改質ガスは、燃料供給ラインに供給されて燃料と混合されてエンジンの燃焼室に供給される。
【0060】
そして、熱交換ユニット130に排気ガスが供給されて熱交換ユニット130を通過すれば、排気ガスと触媒反応部120が熱交換されて触媒反応部120の吸熱反応に必要な熱量を供給する。
【0061】
このように、触媒反応部120と熱交換ユニット130とが交互に直交して配置されることによって、熱交換性能を向上させることができる。
【0062】
以上、本発明を特定の好ましい実施例を例に挙げて示して説明したが、本発明は、前記実施例に限定されず本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変更および修正が可能であるだろう。
【産業上の利用可能性】
【0063】
化石燃料を使用するエンジンに水素改質器を備えて、化石燃料に水素が含まれている混合ガスを提供することで、エンジンの熱効率を向上させ、排気ガスを減らすことができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]エンジンから発生する排気ガスと燃料が供給されると水素が含まれている改質ガスを生成する触媒反応部と、前記触媒反応部の外面に装着され、排気ガスの熱を使用して前記触媒反応部の吸熱反応に必要な熱量を提供する熱交換チャンバと、を含む、排気ガスを用いた水素改質器。
[2]前記触媒反応部は、排気ガスと燃料が供給される吸入口と、触媒と反応後、生成された水素を含む改質ガスを排出する排出口が形成されるハウジングと、前記ハウジングの内部に装着されて排気ガスおよび燃料と反応して改質ガスを生成する金属触媒担体と、を含む、[1]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[3]前記吸入口は、エンジンで発生する排気ガスを排出する排気管と連結される第1のラインおよび燃料が供給される第2のラインが連結され、前記排出口は、エンジンに燃料を供給する燃料供給ラインと第3のラインに連結される、[2]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[4]前記金属触媒担体は、平板と波形板とが交互に配列されて排気ガスと燃料が混合した混合ガスが通過する通路を形成し、平板と波形板の表面には、混合ガスと反応して水素が含まれている改質ガスを生成する触媒物質がコーティングされる、[2]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[5]前記熱交換チャンバは、前記ハウジングの外面に装着されて排気ガスが通過する空間が形成され、その一側には、排気ガスが流入するガス流入口が形成され、他側には、熱交換を完了した排気ガスを排出するガス排出口が形成される、[2]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[6]前記熱交換チャンバの内部には排気ガスと前記触媒反応部との間の熱交換面積を増やし、排気ガスが残留する時間を延長して熱交換性能を向上させる熱交換ユニットが備えられる、[5]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[7]前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に一定の間隔をおいて巻かれるように装着され、前記熱交換チャンバの内部を複数の空間に区画し、排気ガスが前記ハウジングの外面に回転しながら通過するようにする熱交換板である、[6]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[8]前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に装着され、前記ハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材である、[6]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[9]前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの長さ方向に排気ガスが通過する複数の通路を有するハニカム部材であり、前記ハニカム部材は、前記ハウジングの長さ方向に複数に分割され、前記ハニカム部材の相互間には排気ガスが複数の通路に均一に分散されるようにする分配空間が形成される、[6]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[10]前記熱交換ユニットは、前記ハウジングの外面に垂直方向に突出して装着される複数の熱交換ピンである、[6]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。
[11]エンジンから発生する排気ガスと燃料が供給されると水素が含まれている改質ガスを生成する触媒反応部と、前記触媒反応部と交互に積層され触媒反応部と直交して設置されて排気ガスが供給されて排気ガスの熱を用いて前記触媒反応部の吸熱反応に必要な熱量を提供する熱交換ユニットと、を含む、排気ガスを用いた水素改質器。
[12]前記触媒反応部と熱交換ユニットとが交互に積層されて内蔵されるハウジングをさらに含み、
前記ハウジングの前記触媒反応部の入口側には、それぞれ排気ガスと燃料が混合した混合ガスが供給される吸入口が形成され、前記ハウジングの前記触媒反応部の出口側には、改質ガスを排出する排出口が形成され、
前記熱交換ユニットの入口側および出口側には、排気ガスを供給および排出する供給部と排出部がそれぞれ形成される、[11]に記載の排気ガスを用いた水素改質器。