(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】閉鎖駆動機構及びそれを含む医療用吻合器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20230522BHJP
A61B 17/068 20060101ALI20230522BHJP
A61B 17/115 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
A61B17/11
A61B17/068
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2022512355
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2020111791
(87)【国際公開番号】W WO2021037153
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】201910806837.8
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921425349.4
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】単 ▲騰▼
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-164144(JP,A)
【文献】特表2014-531262(JP,A)
【文献】特開2011-224375(JP,A)
【文献】特開2008-212672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0136833(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03123956(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0264194(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194081(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
A61B 17/068
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用吻合器に使用される閉鎖駆動機構であって、
前記閉鎖駆動機構は、可動ハンドル、第1のスライダー、ホルダー、閉鎖駆動部材、及び作動ロッドを含み、前記第1のスライダーの構造の少なくとも一部の初期位置は、前記ホルダーの近位端側にあり、前記作動ロッドには、押し付け部及び退避部が設けられており、前記作動ロッドの押し付け部と退避部の初期位置は、両方とも前記ホルダーの近位端側にあり、
初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記可動ハンドルの作用により、前記第1のスライダーが吻合器の遠位端側の方向に向かって前記ホルダーの下方に移動し、前記閉鎖駆動部材を駆動して前記吻合器のステープリングヘッド部を閉じ、前記作動ロッドの押し付け部が前記吻合器の遠位端側の方向に向かって移動して前記ホルダーを下向きに押し付け、前記ホルダーが前記第1のスライダーと嵌合し、
前記吻合器の触発が完了すると、前記作動ロッドの退避部が前記ホルダーの上方に移動し、前記ホルダーが上方に移動して少なくとも部分的に前記退避部に入り、前記ホルダーが前記第1のスライダーから外れる
ことを特徴とする閉鎖駆動機構。
【請求項2】
前記第1のスライダーの上面には溝が設けられており、初期位置では、前記溝は前記ホルダーの近位端側にあり、初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記ホルダーは少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入るか、又は、
前記ホルダーに上向きに凹状の溝が設けられ、初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記第1のスライダーが少なくとも部分的に前記ホルダーの溝に入る
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項3】
前記作動ロッドの押し付け部は、前記作動ロッドの遠位端側に設けられたフランジであり、前記退避部は、前記フランジに対して上向きに凹んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項4】
前記フランジの遠位端側の面は、その近位端側の辺から遠位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第1の傾斜面であり、前記ホルダーの近位端側の面は、前記フランジの第1の傾斜面と合わせる前記ホルダーの第1の傾斜面である
ことを特徴とする請求項3に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項5】
前記退避部は、前記フランジに形成された退避溝である
ことを特徴とする請求項3に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項6】
前記退避溝の遠位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第2の傾斜面であり、前記ホルダーの遠位端側の面は、前記フランジの第2の傾斜面と合わせる前記ホルダーの第2の傾斜面である
ことを特徴とする請求項5に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項7】
前記退避部は、前記フランジの近位端側と前記作動ロッドとの間に形成される
ことを特徴とする請求項3に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項8】
前記フランジの近位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第2の傾斜面であり、前記ホルダーの遠位端側の面は、前記フランジの第2の傾斜面と合わせる前記ホルダーの第2の傾斜面である
ことを特徴とする請求項7に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項9】
前記第1のスライダーの上面に溝が設けられ、前記ホルダーは、第2のスライダー及び第3のスライダーを含み、前記第3のスライダーには、前記第2のスライダーを収容するための収容溝が開口されており、前記第2のスライダーの片側にボスが設けられており、初期状態で前記可動ハンドルを把持すると、前記第2のスライダーのボスが下向きに移動して、少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入る
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項10】
前記第3のスライダーの下方に第1のバイアス部材が設けられ、前記第1のバイアス部材は、前記第3のスライダーに上向きのバイアス力を与える
ことを特徴とする請求項9に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項11】
前記第1のスライダーの上面に溝が設けられ、前記ホルダーは弾性片を含み、前記弾性片は固定端及び可動端を含み、前記弾性片の固定端は前記可動端の遠位端側にあり、前記可動端は、前記第1のスライダーの溝と合わせる協働部を形成し、前記作動ロッドの押し付け部が前記弾性片を下向きに圧迫するとき、前記協働部は、少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入る
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖駆動機構。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の閉鎖駆動機構を含む
ことを特徴とする医療用吻合器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具の技術分野に関し、特に閉鎖駆動機構及びそれを含む医療用吻合器に関する。
【背景技術】
【0002】
消化管疾患は、人間の最も一般的な疾患の1つであり、治療中に、消化管などの生理学的組織の吻合のために医師の手動操作に代わって、医療用吻合器がよく使用される。医療用吻合器は一般的な外科手術器具であり、そのほとんどが軸方向内部ステープリング方式を採用して、手術時に、食道、胃、腸などの生理学的組織のエンドツーエンド、又はエンドツーサイドの吻合を形成し、吻合時に、組織の2つのセグメントが収斂して医療用吻合器に収容され、触発が完了した後、組織に円形の吻合部が形成され、人体の通路が再構築される。
【0003】
従来技術では、医療用吻合器は、医療用吻合器本体と、前記医療用吻合器本体に可動に接続される操作ハンドルと、前記本体と合わせるステープリングヘッド部とを含む。前記ステープリングヘッド部は、対向して設けられるステープルカートリッジとステープルアンビルとを含む。手術時に、まず可動ハンドルを把持し、閉鎖駆動機構を介してステープリングヘッド部の閉鎖プルタブを引っ張って吻合器の近位端側に移動し、これにより、ステープルカートリッジとステープルアンビルを閉じた後、操作ハンドルを再び把持し、ステープルを押して組織に向かって移動させることができ、ステープルカートリッジ内のステープルがステープルアンビルアセンブリで成形されることによって組織を吻合するとともに、カッターが吻合器の近位端側から遠位端側に移動して組織を切断する。本開示において、遠位端側及び近位端側は、操作者に対して相対的であり、操作者に近い方が近位端側であり、操作者から遠い方、即ち手術位置により近い方が遠位端側である。
【0004】
従来の閉鎖駆動機構では、構造が比較的複雑であり、吻合器の触発中に、閉鎖プルタブが吻合器の遠位端側の方向に向かって変位する可能性があり、ステープルカートリッジとステープルアンビルとの間の閉鎖効果に影響を与え、手術結果に悪影響を及ぼす。さらに、従来の閉鎖駆動機構では、吻合器が触発された後、ステープルカートリッジとステープルアンビルは閉じたままであり、医師が吻合器の操作を完了した後、ステープルカートリッジとステープルアンビルを開くために追加の操作手順が必要である。そして、吻合器が触発された後、医師はカッター押し棒を引き戻して、カッターがカッタースロットに沿って初期位置に戻るようにする必要があり、カッターを引き戻す過程で、ステープルカートリッジとステープルアンビルがまだ閉じていると、カッターはステープルカートリッジとステープルアンビルとの間の組織により抵抗され、初期位置にスムーズに戻ることができない。
【発明の概要】
【0005】
従来技術における問題を考慮して、本開示の目的は、閉鎖駆動機構及びそれを含む医療用吻合器を提供することであり、ホルダーと第1のスライダーの嵌合によって、ステープリングヘッド部が閉じられたときの閉鎖駆動部材の位置を制限し、吻合器が触発されるときに閉鎖プルタブが吻合器の遠位端側の方向に向かって移動するのを回避し、吻合器が触発された後、ホルダーが閉鎖駆動部材の位置を制限しなくなり、ステープルカートリッジとステープルアンビルを自動的に開くことができる。
【0006】
本開示の実施例は、医療用吻合器に使用される閉鎖駆動機構を提供し、前記閉鎖駆動機構は、可動ハンドル、第1のスライダー、ホルダー、閉鎖駆動部材、及び作動ロッドを含み、前記第1のスライダーの構造の少なくとも一部の初期位置は、前記ホルダーの近位端側にあり、前記作動ロッドには、押し付け部及び退避部が設けられており、前記作動ロッドの押し付け部と退避部の初期位置は、両方とも前記ホルダーの近位端側にあり、
初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記可動ハンドルの作用により、前記第1のスライダーが吻合器の遠位端側の方向に向かって前記ホルダーの下方に移動し、前記閉鎖駆動部材を駆動して前記吻合器のステープリングヘッド部を閉じ、前記作動ロッドの押し付け部が前記吻合器の遠位端側の方向に向かって移動し、前記ホルダーを下向きに押し付け、前記ホルダーが前記第1のスライダーと嵌合し、
前記吻合器の触発が完了すると、前記作動ロッドの退避部が前記ホルダーの上方に移動し、前記ホルダーが上方に移動して少なくとも部分的に前記退避部に入り、前記ホルダーが前記第1のスライダーから外れる。
【0007】
幾つかの実施例では、前記第1のスライダーの上面には溝が設けられており、初期位置では、前記溝は前記ホルダーの近位端側にあり、初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記ホルダーは少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入るか、又は、
前記ホルダーに上向きに凹状の溝が設けられ、初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記第1のスライダーが少なくとも部分的に前記ホルダーの溝に入る。
【0008】
幾つかの実施例では、前記作動ロッドの押し付け部は、前記作動ロッドの遠位端側に設けられたフランジであり、前記退避部は、前記フランジに対して上向きに凹んでいる。
【0009】
幾つかの実施例では、前記フランジの遠位端側の面は、その近位端側の辺から遠位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第1の傾斜面であり、前記ホルダーの近位端側の面は、前記フランジの第1の傾斜面と合わせるホルダーの第1の傾斜面である。
【0010】
幾つかの実施例では、前記退避部は、前記フランジに形成された退避溝である。
【0011】
幾つかの実施例では、前記退避溝の遠位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第2の傾斜面であり、前記ホルダーの遠位端側の面は、前記フランジの第2の傾斜面と合わせるホルダーの第2の傾斜面である。
【0012】
幾つかの実施例では、前記退避部は、前記フランジの近位端側と前記作動ロッドとの間に形成される。
【0013】
幾つかの実施例では、前記フランジの近位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第2の傾斜面であり、前記ホルダーの遠位端側の面は、前記フランジの第2の傾斜面と合わせるホルダーの第2の傾斜面である。
【0014】
幾つかの実施例では、前記第1のスライダーの上面に溝が設けられ、前記ホルダーは、第2のスライダー及び第3のスライダーを含み、前記第3のスライダーには、前記第2のスライダーを収容するための収容溝が開口されており、前記第2のスライダーの片側にボスが設けられており、初期状態で前記可動ハンドルを把持すると、前記第2のスライダーのボスが下向きに移動して、少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入る。
【0015】
幾つかの実施例では、前記第3のスライダーの下方に第1のバイアス部材が設けられ、前記第1のバイアス部材は、前記第3のスライダーに上向きのバイアス力を与える。
【0016】
幾つかの実施例では、前記第1のスライダーの上面に溝が設けられ、前記ホルダーは弾性片を含み、前記弾性片は固定端及び可動端を含み、前記弾性片の固定端は前記可動端の遠位端側にあり、前記可動端は、前記第1のスライダーの溝と合わせる協働部を形成し、前記作動ロッドの押し付け部が前記弾性片を下向きに圧迫するとき、前記協働部は、少なくとも部分的に前記第1のスライダーの溝に入る。
【0017】
本開示の実施例は、上記の閉鎖駆動機構を含む医療用吻合器をさらに提供する。
【0018】
本開示に提供される閉鎖駆動機構及びそれを含む医療用吻合器には、以下の利点がある。
【0019】
本開示は、医療用吻合器に使用される閉鎖駆動機構を提供し、吻合器が触発される前に、閉鎖駆動部材を介してステープリングヘッド部を引っ張って閉じた後、ホルダーと第1のスライダーの嵌合によって閉鎖駆動部材の位置を制限し、吻合器が触発されるときに閉鎖プルタブが吻合器の遠位端側の方向に向かって移動するのを回避し、吻合器が触発された後、ホルダーが上方に移動して第1のスライダーから外れ、閉鎖駆動部材の位置を制限しなくなり、閉鎖駆動部材が初期位置に戻ることができ、これにより、ステープルカートリッジとステープルアンビルを自動的に開くことができ、医師が吻合器を操作する手順が減少し、カッターを非常にスムーズに引き戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の他の特徴、目的及び利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施例の詳細な説明を読むことによってより明らかになるであろう。
【0021】
【
図1】本開示の第1の実施例の初期状態における吻合器の部分構造概略図である。
【
図2】
図1の吻合器ハウジングを取り外した構造概略図である。
【
図3】本開示の第1の実施例の初期状態における第1のスライダー及びホルダーの位置の概略図である。
【
図4】本開示の第1の実施例の初期状態における閉鎖駆動機構の構造概略図である。
【
図6】本開示の第1の実施例の初期状態で可動ハンドルを1回把持した後の吻合器の部分構造概略図である。
【
図7】本開示の第1の実施例の初期状態で可動ハンドルを1回把持した後の閉鎖駆動機構の構造概略図である。
【
図9】本開示の第1の実施例の初期状態で可動ハンドルを1回把持した後の第1のスライダーとホルダーとの協働の概略図である。
【
図10】本開示の第1の実施例のホルダーの構造概略図である。
【
図11】本開示の第1の実施例の吻合器が触発されたときの吻合器の部分構造概略図である。
【
図12】本開示の第1の実施例の吻合器が触発されたときの閉鎖駆動機構の構造概略図である。
【
図14】本開示の第1の実施例の吻合器が触発されたときの第1のスライダー及びホルダーの位置の構造概略図である。
【
図15】本開示の第2の実施例の閉鎖駆動機構の構造概略図である。
【
図16】本開示の第2の実施例の第1のスライダー及びホルダーの位置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実装することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、逆に、これらの実施形態は、本開示が包括的且つ完全になるように提供され、例示的な実施形態の概念は、当業者に完全に伝達される。図面において、同一の参照符号は同一又は類似の構造を示すので、重複する説明は省略する。
【0023】
従来技術における技術的問題を解決するために、本開示は、医療用吻合器に使用される閉鎖駆動機構及びこのステープルカートリッジを含む医療用吻合器を提供する。前記吻合器は、ステープリングヘッド部及び吻合器本体を含み、前記吻合器本体には、前記ステープリングヘッド部を閉じるための閉鎖プルタブが設けられている。前記閉鎖駆動機構は、医療用吻合器に使用され、前記閉鎖駆動機構は、可動ハンドル、第1のスライダー、ホルダー、閉鎖駆動部材、及び作動ロッドを含み、前記第1のスライダーの初期位置は、前記ホルダーの近位端側にあり、前記作動ロッドには、押し付け部及び退避部が設けられており、前記作動ロッドの押し付け部と退避部の初期位置は、両方とも前記ホルダーの近位端側にある。初期状態で前記可動ハンドルが把持されると、前記可動ハンドルの作用により、前記第1のスライダーが吻合器の遠位端側の方向に向かって前記ホルダーの下方に移動し、前記閉鎖駆動部材を駆動して、前記吻合器の閉鎖プルタブを引っ張ることによって前記吻合器のステープリングヘッド部を閉じ、同様に、前記可動ハンドルの作用により、前記作動ロッドの押し付け部が前記吻合器の遠位端側の方向に向かって移動し、前記ホルダーを下向きに押し付け、前記ホルダーが前記第1のスライダーと嵌合して、前記第1のスライダーの吻合器の近位端側への移動を制限し、吻合器の触発中に、閉鎖プルタブが吻合器の遠位端側の方向に向かって移動しないことを保証し、ステープリングヘッド部の閉鎖の安定性を保証する。
【0024】
前記吻合器の触発が完了すると、前記退避部は、前記作動ロッドと共に遠位端側に向かって前記ホルダーの上方に移動し、前記ホルダーは上方に移動して少なくとも部分的に前記退避部に入り、これにより、前記ホルダーが第1のスライダーから外れ、閉鎖駆動部材の位置を制限しなくなり、前記閉鎖駆動部材は初期位置に戻ることができ、さらに、閉鎖プルタブを駆動して吻合器の遠位端側の方向に向かって移動させ、これにより、ステープルカートリッジとステープルアンビルを自動的に開くことができ、医師が吻合器を操作する手順が減少し、カッターを非常にスムーズに引き戻すことができる。
【0025】
本開示は、前記閉鎖駆動機構を含む医療用吻合器をさらに提供し、この構造の閉鎖駆動機構を採用することにより、吻合器の触発中のステープリングヘッド部の閉鎖の安定性を保証することができ、且つ吻合器が触発された後、ステープリングヘッド部は自動的に開くことができる。
【0026】
本開示の特定の実施形態における閉鎖駆動機構及び吻合器の構造は、
図1~16を参照して以下に具体的に紹介される。
図1~14は、本開示の第1の実施例の閉鎖駆動機構及び吻合器の構造を示し、
図15及び
図16は、本開示の第2の実施例の閉鎖駆動機構及び吻合器の構造を示している。ここで、第1の実施例と第2の実施例のホルダーの構造は異なる。ここでの2つの実施例の特定の構造は、本開示の特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0027】
図1~14に示すように、本開示の第1の実施例では、前記吻合器は、吻合器本体1と、吻合器本体1の遠位端側にあるステープリングヘッド部(図示せず)とを含み、吻合器本体1は、ハウジング13及び固定ハンドル11を含み、吻合器本体1の内部には、ステープリングヘッド部を閉じるか開くための閉鎖プルタブ12がさらに設けられており、閉鎖プルタブ12が初期状態のとき、ステープリングヘッド部が開かれ、閉鎖プルタブ12が吻合器の近位端側に移動すると、ステープリングヘッド部が閉じられ、閉鎖プルタブ12が再び吻合器の遠位端側に移動すると、ステープリングヘッド部を再び開くことができる。前記閉鎖駆動機構は、可動ハンドル3、第1のスライダー5、ホルダー、閉鎖駆動部材83、及び作動ロッド2を含み、前記閉鎖駆動部材83は、閉鎖プルタブ12に接続されており、閉鎖駆動部材83が吻合器の近位端側に移動すると、前記閉鎖プルタブ12を引っ張って吻合器の近位端側に移動して、前記吻合器のステープリングヘッド部を閉じる。
【0028】
図1~5は、この実施例における初期状態の吻合器及び閉鎖駆動構造の構造を示している。この実施例では、初期状態では、前記第1のスライダー5と前記作動ロッド2の両方が初期位置にあり、前記第1のスライダー5の初期位置は、前記ホルダーの近位端側にあり、前記作動ロッド2には押し付け部が設けられており、前記作動ロッド2の押し付け部の初期位置は、前記ホルダーの近位端側にある。
図3に示すように、前記ホルダーは、第2のスライダー6及び第3のスライダー7を含み、前記第3のスライダー7には、前記第2のスライダー6を収容するための収容溝71が開口されている。
図4及び
図5に示すように、前記作動ロッド2の押し付け部は、前記作動ロッド2の遠位端側に設けられたフランジ23である。
【0029】
本開示において、遠位端側及び近位端側は、操作者に対して相対的であり、ここで、遠位端側は、操作者から遠い方を指し、近位端側は、操作者に近い方を指す。上方又は上向きの方向は、作動ロッドに対して、前記ラック22とは反対側を向く側に向かっており、下方又は下向きの方向は反対である。例えば、
図1及び
図2の視点では、吻合器本体1の遠位端側は図の左端であり、吻合器本体1の近位端側は図の右端であり、上向きの方向は図の上端を指す。
図4の視点では、
図1及び
図2の視点に対してビューが反転しているので、
図4では、作動ロッド2の遠位端側は、
図4の作動ロッド2の右側であり、作動ロッド2の近位端側は、
図4の作動ロッド2の左側である。
【0030】
初期状態で前記可動ハンドル3を把持すると、可動ハンドル3の回転運動は、コネクティングロッド4を吻合器の遠位端側の方向に向かって移動させるように駆動し、さらに、前記コネクティングロッド4が前記第1のスライダー5を押して、吻合器の遠位端側の方向に向かって前記ホルダーの下方に移動する。第1のスライダー5は、1つのステアリングアセンブリを介して閉鎖駆動部材83に接続され、ステアリングアセンブリは、前記第1のスライダー5の吻合器の遠位端側の方向への移動を、閉鎖駆動部材83の吻合器の近位端側の方向への移動に変換し、さらに、プルタブ12を引っ張って吻合器の近位端側に移動し、これにより。前記吻合器のステープリングヘッド部を閉じる。
【0031】
この実施例では、前記ステアリングアセンブリは、ステアリングサポートビーム82及びプルロープ81を含み、前記ステアリングサポートビーム82は、ハウジング13に固定されており、一つの好ましい実施形態では、前記ステアリングサポートビーム82はプーリー82として設けられており、移動するときの前記プルロープ81の抵抗を低減する。前記プーリー82は、前記第1のスライダー5の近位端側にあり、前記プルロープ81は、前記プーリー82の外部にスリーブされ、且つ前記プルロープ81は、前記第1のスライダー5と前記閉鎖駆動部材83との間に接続されている。一つの好ましい実施形態では、前記プルロープ81の両端には、それぞれ固定端が設けられている。第1のスライダー5の近位端側には、第2の溝52が設けられてもよく、前記プルロープ81の一固定端は、第2の溝52に取り外し可能に取り付けられている。前記プルロープ81の他の固定端は、前記閉鎖駆動部材83に取り外し可能に接続されている。プルロープ81とプーリー82の構造により、第1のスライダー5の移動を逆駆動力に変換して閉鎖駆動部材83に伝達し、前記閉鎖駆動部材83を近位端側に移動させることができる。
【0032】
同時に、初期状態で前記可動ハンドル3を把持すると、可動ハンドル3が把持されて回転し、可動ハンドル3の係止爪31が作動ロッド2の推進歯21に接触して、推進歯21を吻合器の遠位端方向に向かって押し、作動ロッド2も吻合器の遠位端側の方向に向かって移動し、前記作動ロッド2の押し付け部が前記吻合器の遠位端側の方向に向かって移動し、前記ホルダーに接触した後、前記ホルダーを下向きに押し付け、前記ホルダーが前記第1のスライダー5と嵌合して、前記第1のスライダー5の吻合器の近位端側への移動を阻止し、ステープリングヘッド部が閉じられたときの安定性を維持する。
【0033】
図6~10に示すように、可動ハンドル3を初めて把持した後の吻合器及び閉鎖駆動機構の構造を示している。この実施例では、前記第1のスライダー5の上面には、第1の溝51が設けられており、初期状態で前記可動ハンドル3が把持された後、前記ホルダーが第1のスライダー5と嵌合して、ステープリングヘッド部が閉じられたときの安定性を維持する。ここで、嵌合することは、前記ホルダーの構造の少なくとも一部が前記第1のスライダー5の第1の溝51に入ることを意味する。他の代替可能な実施形態では、ホルダーと第1のスライダー5はまた、以下のように嵌合することができ、前記ホルダーに上向きに凹状の溝が設けられ、初期状態で前記可動ハンドル3が把持されると、前記第1のスライダー5が少なくとも部分的に前記ホルダーの溝に入る。
【0034】
図8~10に示すように、前記第2のスライダー6の片側にボス61が設けられている。初期位置では、前記ボス61は前記第1の溝51の遠位端側にあり、且つ前記ボス61の高さは前記第1の溝51よりも高い。初期状態で前記可動ハンドル3を把持すると、前記第1のスライダー5が遠位端側に移動し、前記第1のスライダー5の第1の溝51が前記ボス61の下方に到達し、且つ前記フランジ23は、第3のスライダー7の上端に接触するまで吻合器の遠位端側に移動し、第3のスライダー7に下向きの押圧力を与え、前記フランジ23の押し付け作用により、前記第3のスライダー7は、前記第2のスライダー6を全体として下向きに移動させるように駆動し、第2のスライダー6のボス61が下向きに移動して、少なくとも部分的に前記第1のスライダー5の第1の溝51に入る。
【0035】
前記第3のスライダー7の下方に第1のバイアス部材が設けられ、前記第1のバイアス部材は、前記第3のスライダー7に上向きのバイアス力を与える。この実施例では、前記第1のバイアス部材は、第1の圧縮ばね74である。初期状態では、前記第3のスライダー7は、前記第1の圧縮ばね74の作用により初期位置に維持され、前記フランジ23が第3のスライダー7を下向きに押し付けると、第3のスライダー7が下向きに移動し、第1の圧縮ばね74を圧迫して変形させる。
【0036】
さらに、前記収容溝71の内壁と前記第2のスライダー6の上面との間に第2のバイアス部材がさらに設けられ、前記第2のバイアス部材は、前記第2のスライダー6に下向きのバイアス力を与える。この実施例では、第2のバイアス部材は、第2の圧縮ばね75である。第3のスライダー7が下向きに移動し、ボス61が第1のスライダー5の第1の溝51に入るまで第2のスライダー6を下向きに移動させるとき、第2のスライダー6は、第3のスライダー7に対して上向きに移動する傾向があり、第2の圧縮ばね75が上向きに圧迫されて変形する。
【0037】
図8及び
図9に示すように、前記フランジ23の遠位端側の面は、その近位端側の辺から遠位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第1の傾斜面24であり、前記第3のスライダー7の近位端側の面は、前記フランジの第1の傾斜面24と合わせる第3のスライダーの第1の傾斜面72である。フランジの第1の傾斜面24と第3のスライダーの第1の傾斜面72との相互誘導作用により、フランジ23は、吻合器の遠位端側に移動するときに、第3のスライダー7によりスムーズに接触して圧迫することができる。
【0038】
図9及び
図10に示すように、前記第1のスライダー5の遠位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜する第1のスライダーの第1の傾斜面53であり、前記第1のスライダーの第1の傾斜面53は、その近位端側から遠位端側に下向きに傾斜する傾斜面であり、前記第2のスライダー6のボス61の近位端側の面は、前記第1のスライダーの第1の傾斜面53と合わせる第2のスライダー傾斜面62である。第1のスライダーの第1の傾斜面53と第2のスライダー傾斜面62との相互誘導作用により、第2のスライダー6のボス61を第1のスライダー5の第1の溝51によりよく誘導することができる。さらに、第1の溝51は、第1のボス61の形状に適合した形状を有し、第1の溝51の近位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜する第1のスライダーの第2の傾斜面54である。
【0039】
前記第1のスライダー5の第1の溝51の遠位端側の面は、第1の停止面55として形成され、対応して、第2のスライダー6のボス61の遠位端側の面は、第2の停止面63として形成され、第1の停止面55及び第2の停止面63は両方とも垂直面である。初期位置では、前記第1の停止面55は、前記第2の停止面63から離間されている。第1の停止面55と第2の停止面63の2つの垂直面の協働により、ボス61が第1の溝51にあると、第1のスライダー5が近位端側に移動するのが阻止される。
【0040】
ステープリングヘッド部を閉じた後、
図6~10に示す吻合器の状態で、可動ハンドル3を再び把持すると、可動ハンドル3が把持されて回転し、その係止爪31がラック22に接触し、ラック22を押すことによって作動ロッド2を押し続けて吻合器の遠位端方向に向かって移動し、作動ロッド2には触発部材27が設けられ、触発部材27は、吻合器の遠位端方向への移動中に吻合器を触発することができ、これにより、吻合器が組織を吻合及び切断する。吻合器の触発中に、フランジ23の押し付け作用の下で、第2のスライダー6のボス61は、第1のスライダー5の第1の溝51に常に保持され、これにより、吻合器の触発中に、ステープリングヘッド部の閉鎖の安定性が維持される。
【0041】
吻合器が触発されたときに、ステープルカートリッジとステープルアンビルが分離するようにステープリングヘッド部を開く必要がある場合、ホルダーを第1のスライダー5から外す必要があり、即ち、この実施例では、第2のスライダー6のボス61を第1のスライダー5の第1の溝51から外す必要がある。
【0042】
この実施例では、前記作動ロッド2に退避部がさらに設けられ、前記吻合器が触発されたとき、前記退避部が前記ホルダーの上方に移動し、前記ホルダーが上方に移動して、少なくとも部分的に前記退避部に入り、前記ホルダーが前記第1のスライダー5から外れ、これにより、第1のスライダー5が吻合器の近位端側の方向に向かって移動することができ、閉鎖プルタブ12が吻合器の遠位端側の方向に向かって移動して、ステープリングヘッド部を自動的に開くことができる。
【0043】
図11~14は、この実施例において吻合器が触発されたときの吻合器及び閉鎖駆動機構の構造を示している。この実施例では、前記退避部は、前記フランジ23の近位端に形成された上向きに凹状の退避溝26であり、即ち、上向きに凹状の溝が前記フランジ23に開口されて、第3のスライダー7の上向きの移動を可能にする。この実施例では、吻合器の触発中に、第1の圧縮ばね74は、第3のスライダー7の作用によって変形し、吻合器の触発が完了すると、フランジ23はもはや第3のスライダー7を圧迫しないので、第1の圧縮ばね74の変形復元力の作用下で、第3のスライダー7が上方に移動し、さらに、第2のスライダー6のボス61を駆動して上方に移動し、第1のスライダー5の第1の溝51から外れる。
【0044】
この実施例では、前記退避溝26の遠位端側の面は、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜するフランジの第2の傾斜面25であり、前記第3のスライダー7の遠位端側の面は、前記フランジの第2の傾斜面25と合わせる第3のスライダーの第2の傾斜面73である。フランジの第2の傾斜面25と第3のスライダーの第2の傾斜面73との相互誘導作用により、吻合器の触発が完了すると、第3のスライダー7は、フランジ23の押し付け作用からよりスムーズに外れて、退避溝26に入ることができる。他の代替可能な実施形態では、吻合器が触発されたとき、フランジ23のフランジの第2の傾斜面25は、依然として第3のスライダーの第2の傾斜面73に一定の圧迫作用を及ぼすことができ、即ち、第3のスライダー7の上向きのストロークが、第1のスライダー5の第1の溝51からの第2のスライダー6の第1のボス61の離脱を満たすことができる限り、押し付け部のホルダーへの押圧力は減少するがゼロではない。
【0045】
他の代替可能な実施形態では、前記フランジ23の長さは、吻合器の触発中の作動ロッド2のストロークに従って設定される。前記退避部は、前記フランジ23の近位端側の端部と前記作動ロッド2との間に形成され、即ち、前記吻合器の触発が完了すると、前記フランジ23は前記第3のスライダー7の遠位端側に移動し、前記第3のスライダー7はフランジ23によりもはや圧迫されず、前記第3のスライダー7は、第2のスライダー6のボス61が第1のスライダー5の第1の溝51から外れるまで上方に移動する。この実施形態では、前記フランジ23の近位端側の面は、第3のスライダーの第2の傾斜面73と相互誘導するように、その遠位端側の辺から近位端側の辺に向かって上向きに傾斜したフランジの第2の傾斜面25である。
【0046】
図15及び
図16に示すように、本開示の第2の実施例の閉鎖駆動機構の構造概略図である。この実施例では、前記第1のスライダー5の上面に第1の溝51が設けられ、前記ホルダーは弾性片9を含み、前記弾性片9は固定端91及び可動端92を含み、前記弾性片9の固定端91は前記可動端92の遠位端側にあり、前記固定端91は前記吻合器のハウジング13に固定され、前記可動端92は下向きに遠位端側の方向に向かって曲げられて、前記第1のスライダー5の第1の溝51と合わせる協働部を形成する。
【0047】
初期状態では、前記第1のスライダー5と前記作動ロッド2の押し付け部の両方が弾性片9の近位端側にあり、初期状態で可動ハンドル3が把持されると、可動ハンドル3は、第1のスライダー5を駆動して、吻合器の遠位端側の方向に向かって前記弾性片9の協働部の下方に移動し、作動ロッド2の押し付け部が前記弾性片9に接触するまで遠位端側に移動した後、前記弾性片9が下向きに圧迫され、前記協働部が少なくとも部分的に前記第1のスライダー5の第1の溝51に入る。弾性片9は、薄い金属板等の材料で製造されてもよく、弾性片9の協働部が押し下げると、弾性片9自体が弾性変形する。
【0048】
吻合器の触発が完了すると、前記弾性片9の協働部が少なくとも部分的に前記作動ロッド2の退避部に入り、弾性片9への前記作動ロッド2の押し付け部の押圧力が減少するか又は排除され、前記弾性片9は、弾性変形の復元力の作用下で上向きに跳ね返り、その協働部が第1のスライダー5の第1の溝51から外れ、これにより、ステープリングヘッド部を自動的に開くことができる。
【0049】
この実施例では、
図15及び
図16に示すように、弾性片9には、プルロープ81が通過するプルロープ通過溝93が設けられており、且つ弾性片9の上端の近位端側の面は、作動ロッド2の押し付け部が弾性片9に接触しているときに押し付け部をよりよく誘導して、遠位端側に移動し続けるときに弾性片9の上端を押し付けるようにするために、弾性片の第1の傾斜面94として形成され、弾性片9の上端の遠位端側の面は、吻合器が触発されたときに弾性片9からの押し付け部の離脱をよりよく誘導するために、弾性片の第2の傾斜面95として形成される。弾性片9の下端の近位端の端面は、ステープリングヘッド部を閉じるときに弾性片9の協働部を第1のスライダー5の第1の溝51によりよく誘導するために、弾性片の第3の傾斜面96として形成される。弾性片9の可動端92は、弾性片9が第1の溝51から誤って外れるのをよりよく防ぐために、前記第1の溝51の遠位端側の面と合わせる垂直面が形成されている。
【0050】
本開示に提供される閉鎖駆動機構及びそれを含む医療用吻合器には、以下の利点がある。
【0051】
本開示は、医療用吻合器に使用される閉鎖駆動機構を提供し、吻合器が触発される前に、閉鎖駆動部材を介してステープリングヘッド部を引っ張って閉じた後、ホルダーと第1のスライダーの嵌合によって閉鎖駆動部材の位置を制限し、吻合器が触発されるときに閉鎖プルタブが吻合器の遠位端側の方向に向かって移動するのを回避し、吻合器が触発された後、ホルダーが上方に移動して第1のスライダーから外れ、閉鎖駆動部材の位置を制限しなくなり、閉鎖駆動部材が初期位置に戻ることができ、これにより、ステープルカートリッジとステープルアンビルを自動的に開くことができ、医師が吻合器を操作する手順が減少し、カッターを非常にスムーズに引き戻すことができる。
【0052】
上記は、特定の好ましい実施形態に関連する本発明のさらに詳細な説明であり、本発明の特定の実装がこれらの説明に限定されると想定することはできない。本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、幾つかの単純な推論又は置換を行うことができ、それらはすべて、本発明の保護範囲内にあると見なされるべきである。