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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20230523BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20230523BHJP
   H05B 45/36 20200101ALI20230523BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230523BHJP
【FI】
F21V23/00 200
F21S8/04 110
F21V23/00 160
F21V23/00 120
H05B45/36
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019110634
(22)【出願日】2019-06-13
(65)【公開番号】P2020202163
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克磨
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】保井 祐紀
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0266507(US,A1)
【文献】特開2014-110197(JP,A)
【文献】特開2016-212967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 8/04
H05B 45/00
H05B 47/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
を備え
前記磁性体コアは、前記第1電源装置と前記第2電源装置との間に設けられることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記第1電線と前記第2電線は、前記磁性体コアに同方向に巻き付けられることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記第1電線と前記第2電線は、それぞれ前記磁性体コアに複数回巻き付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の点灯装置。
【請求項4】
外部電源から電力が入力される入力部を備え、
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記入力部とを接続する電線を含み、
前記第2電線は、前記第2電源装置と前記入力部とを接続する電線を含むことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記光源とを接続する電線を含み、
前記第2電線は、前記第2電源装置と前記光源とを接続する電線を含むことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
外部から信号が入力される信号入力部と、
を備え、
前記第1電線は、前記第1電源装置と前記信号入力部とを接続する電線を含み、
前記第2電線は、前記第2電源装置と前記信号入力部とを接続する電線を含むことを特徴とする点灯装置。
【請求項7】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
を備え、
前記第1電源装置から引き出された前記第1電線は、前記第1電源装置または前記第2電源装置の中心部から離れる方向に迂回して前記磁性体コアに至ることを特徴とする点灯装置。
【請求項8】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
を備え、
前記磁性体コアから引き出された前記第1電線は、前記第1電源装置または前記第2電源装置の中心部から離れる方向に迂回して、外部と接続されることを特徴とする点灯装置。
【請求項9】
前記第1電線を支持し、前記中心部から離れる方向に迂回させる電線支持部材を備えることを特徴とする請求項またはに記載の点灯装置。
【請求項10】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
前記光源を保持する支持体と、
前記磁性体コアを前記支持体から離して保持する固定部材と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項11】
光源を点灯させる第1電源装置と、
前記光源を点灯させる第2電源装置と、
磁性体コアと、
前記磁性体コアを経由して前記第1電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、
前記磁性体コアを経由して前記第2電源装置と外部とを接続し、前記磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、
を備え、
前記磁性体コアは、前記光源、前記第1電源装置および前記第2電源装置と離れていることを特徴とする点灯装置。
【請求項12】
請求項1から1の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配線と、内側に挿通された配線により支持される筒状の磁性体コアとを有する回路基板が開示されている。配線は、基板の表面から立脚するように配設され、剛性を備える。磁性体コアは、基板の表面の領域と重複しつつ離間するように、中空位置に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6176501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、基板の実装面上における磁性体コアの設置スペースを不要にでき、製品の小型化を実現できる。しかし、複数の点灯装置が内蔵されている照明器具において、それぞれの点灯装置に磁性体コアの固定材を設置すると、組み立て工程が複雑となるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に磁性体コアを設置できる点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、を備え、該磁性体コアは、該第1電源装置と該第2電源装置との間に設けられる。
第2の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、外部から信号が入力される信号入力部と、を備え、該第1電線は、該第1電源装置と該信号入力部とを接続する電線を含み、該第2電線は、該第2電源装置と該信号入力部とを接続する電線を含む。
第3の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、を備え、該第1電源装置から引き出された該第1電線は、該第1電源装置または該第2電源装置の中心部から離れる方向に迂回して該磁性体コアに至る。
第4の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、を備え、該磁性体コアから引き出された該第1電線は、該第1電源装置または該第2電源装置の中心部から離れる方向に迂回して、外部と接続される。
第5の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、該光源を保持する支持体と、該磁性体コアを該支持体から離して保持する固定部材と、を備える。
第6の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる第1電源装置と、該光源を点灯させる第2電源装置と、磁性体コアと、該磁性体コアを経由して該第1電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第1電線と、該磁性体コアを経由して該第2電源装置と外部とを接続し、該磁性体コアに巻き付けられた第2電線と、を備え、該磁性体コアは、該光源、該第1電源装置および該第2電源装置と離れている。



【発明の効果】
【0007】
本発明に係る点灯装置では、1つの磁性体コアに第1電源装置からの第1電線と第2電源装置からの第2電線が巻き付けられる。従って、それぞれの電源装置に磁性体コアを設ける必要がなく、組み立て工程が複雑となることを抑制できる。従って、容易に磁性体コアを設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具の平面図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具の正面図である。
図4】実施の形態1の第1の変形例に係る照明器具の平面図である。
図5】実施の形態1の第2の変形例に係る照明器具の平面図である。
図6】妨害波電力のノイズ測定の結果の一例を説明する図である。
図7】実施の形態2に係る照明器具の平面図である。
図8】実施の形態3に係る照明器具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。照明器具1は、光源2と、電源装置4と、放熱フィン3を備える。光源2はLEDなどの発光素子を有する。光源2は第1光源2aと第2光源2bを含む。
【0011】
電源装置4は、光源2を点灯させる点灯装置である。電源装置4は、光源2に供給する電力を制御する。
【0012】
放熱フィン3は、光源2が設けられた第1面3aと、第1面3aと反対側の第2面3bとを有する。放熱フィン3は、光源2を保持する支持体に該当する。放熱フィン3は、光源2が発する熱を放熱させる。また、放熱フィン3は、電源装置4が発する熱を放熱させても良い。放熱フィン3は、例えば金属から形成される。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の平面図である。電源装置4は、第1電源装置6と第2電源装置7を含む。第1電源装置6は第1光源2aを点灯させる。第2電源装置7は第2光源2bを点灯させる。なお、図1に示されるように、第1電源装置6、第2電源装置7および後述する磁性体コア12はケース4aに収納される。ケース4aは例えば金属から形成される。図2では便宜上、ケース4aは省略されている。
【0014】
放熱フィン3の第2面3bには、第1電源装置6、第2電源装置7および入力部5が設けられる。第1電源装置6と第2電源装置7は、第1面3aの長手方向に並ぶ。入力部5は第2電源装置7に隣接して設けられる。入力部5には外部電源から電力が入力される。外部電源は例えば商用交流電源である。
【0015】
第1電源装置6では、第1基板6c上に第1入力端子6a、第1出力端子6b、第1点灯回路、第1制御部等が形成される。一対の第1入力配線8は、第1入力端子6aと入力部5とを接続する。第1点灯回路は、第1入力端子6aを介して外部電源から電力の供給を受け、第1光源2aを点灯させる電力を生成する。第1点灯回路は、入力部5から供給される入力電圧を目標とする電力に変換して第1光源2aに供給する。第1制御部は、第1点灯回路を制御する。第1点灯回路は、例えばスイッチング電源回路である。スイッチング電源回路は、昇圧チョッパ回路およびバックコンバータ回路等を含む。第1点灯回路の出力電力は、第1出力端子6bから出力される。第1出力端子6bは、第1出力配線10によって第1光源2aに接続される。これにより、第1光源2aが点灯する。
【0016】
第2電源装置7では、第2基板7c上に第2入力端子7a、第2出力端子7b、第2点灯回路、第2制御部等が形成される。一対の第2入力配線9は、第2入力端子7aと入力部5とを接続する。第2点灯回路は、第2入力端子7aを介して外部電源から電力の供給を受け、第2光源2bを点灯させる電力を生成する。第2点灯回路は、入力部5から供給される入力電圧を目標とする電力に変換して第2光源2bに供給する。第2制御部は、第2点灯回路を制御する。第2点灯回路は、例えばスイッチング電源回路である。第2点灯回路の出力電力は、第2出力端子7bから出力される。第2出力端子7bは、第2出力配線11によって第2光源2bに接続される。これにより、第2光源2bが点灯する。
【0017】
照明器具1には、ノイズを抑制するための磁性体コア12が設置されるスペースが設けられる。磁性体コア12は、第1電源装置6と第2電源装置7の間に設けられる。第1入力配線8と第2入力配線9は、1つの磁性体コア12に同方向に巻きつけられる。第1入力配線8と第2入力配線9は、それぞれ磁性体コア12に複数回巻き付けられる。第1入力配線8は、磁性体コア12を経由して第1電源装置6と外部とを接続する第1電線に該当する。第2入力配線9は、磁性体コア12を経由して第2電源装置7と外部とを接続する第2電線に該当する。
【0018】
一般に、電子機器からのノイズは規制されている。このため、EMC(Electromagnetic Compatibility)対策として照明器具にノイズフィルタが内蔵されることがある。磁性体コア12は、このようなノイズフィルタとして設けられている。
【0019】
磁性体コア12は環状である。磁性体コア12は、例えばフェライトから形成される。磁性体コア12はフェライトリングまたはフェライトコアとも呼ばれる。磁性体コア12の材質および形状はこれに限らない。磁性体コア12に電線が巻き付けられることで、電線と磁性体コア12はコイルを構成する。このコイルは、高周波ノイズを減衰させるフィルタとして機能する。また、電線を流れるノイズ電流の一部は、磁気損失としてエネルギーを失う。これにより、さらにノイズ除去の効果が向上する。
【0020】
本実施の形態では第1入力配線8と第2入力配線9を磁性体コア12に巻き付けることで、外部電源から侵入するノイズを抑制できる。なお、第1入力配線8と第2入力配線9を同方向で磁性体コア12に巻き付けることで、ノイズ抑制の効果が打ち消し合うことを防止できる。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の正面図である。放熱フィン3の第2面3bには、固定部材13が設けられる。固定部材13は固定台とも呼ばれる。固定部材13はL字型である。固定部材13は、第1部分13aと第2部分13bとを有する。第1部分13aは、第2面3bから第1面3aと離れる方向に延びる。第1部分13aは、第2面3bと垂直に伸びる。これに限らず、第1部分13aは第2面3bに対して傾いていても良い。
【0022】
第1部分13aは第2部分13bから延びる。第2部分13bは、第2面3bに沿って延びる。第1電源装置6は、第2部分13bの上に設けられる。固定部材13は、第1電源装置6と放熱フィン3との間に挟み込まれる。固定部材13は、ネジ等で放熱フィン3または第1電源装置6に固定されている。
【0023】
磁性体コア12は、第1部分13aに固定される。図2に示されるように、磁性体コア12からは接続部20が延びる。接続部20と第1部分13aは固定具21で互いに固定される。固定具21は例えばネジである。磁性体コア12は、第1部分13aのうち、第2部分13bと反対側の端部に固定される。このように、固定部材13は、磁性体コア12を放熱フィン3から離して保持する。
【0024】
第1電源装置6および第1光源2aで発生した熱は放熱フィン3へと伝わる。ここで、本実施の形態では、磁性体コア12は放熱フィン3と接触しない。このため、放熱フィン3からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。これにより、磁性体コア12によるノイズ低減の効果を有効に発揮させることができる。
【0025】
また、磁性体コア12は、第1電源装置6、第2電源装置7および光源2と離れて設けられる。このため、第1電源装置6、第2電源装置7および光源2からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0026】
さらに、第1電源装置6は、第1部分13aに対して磁性体コア12と反対側に設けられる。つまり、第1電源装置6と磁性体コア12は、第1部分13aで隔てられる。このため、第1電源装置6からの熱が磁性体コア12へ伝わるのを抑制でき、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0027】
また、固定部材13は、放熱フィン3よりも熱伝導率が低い。放熱フィン3は例えばアルミから形成される。これに対し、固定部材13は、例えば鉄から形成される。これにより、放熱フィン3からの熱が固定部材13に伝わりにくくなるため、磁性体コア12の温度上昇をさらに抑制できる。
【0028】
また、本実施の形態によれば、小型で簡易な構造の固定部材13により、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。従って、磁性体コア12の温度上昇を抑制するために、照明器具1が大型化することを抑制できる。また、照明器具1の組み立て工程が複雑化することを抑制できる。従って、ノイズ低減の効果を維持しつつ、小型で組立性が良い照明器具1を得ることができる。
【0029】
また、本実施の形態では磁性体コア12を冷却するために導風路を設ける必要がない。このため、第1電源装置6、第2電源装置7および磁性体コア12がケース4aに収納されていても、磁性体コア12の温度上昇を抑制できる。
【0030】
また、磁性体コア12は、第1電源装置6の上端または第2電源装置7の上端よりも低い位置に設けられる。このため、磁性体コア12を設けるために照明器具1が高さ方向に大きくなることを抑制できる。従って、照明器具1を天井に設置する際に、高さ方向の設置スペースを十分に確保できないことを防止できる。
【0031】
固定部材13の形状は、図3に示したものに限らない。固定部材13は、磁性体コア12を放熱フィン3から離して保持できれば良い。例えば、固定部材13は、第2電源装置7と放熱フィン3との間に挟み込まれても良い。また、固定部材13は、第1電源装置6と放熱フィン3の間および第2電源装置7と放熱フィン3の間の両方で挟み込まれても良い。この場合、固定部材13は例えばT字型である。また、固定部材13は、磁性体コア12を光源2、他の電子部品または発熱体から離して保持しても良い。また、一つの固定部材13に複数の磁性体コア12が固定されても良い。
【0032】
また、本実施の形態では、磁性体コア12は第2面3bと対向するように固定部材13に保持される。つまり、磁性体コア12の軸が第2面3bと垂直になるように、磁性体コア12は保持される。これに限らず、磁性体コア12は、磁性体コア12の軸が第2面3bと平行になるように保持されても良い。また、磁性体コア12は第2面3bに対して傾いて保持されても良い。
【0033】
また、本実施の形態では、第1入力配線8と第2入力配線9が1つの磁性体コア12に巻き付けられる。このため、第1入力配線8と第2入力配線9を別の磁性体コアに巻き付ける場合よりも、磁性体コア12の数量を削減できる。なお、第1入力配線8と第2入力配線9を磁性体コア12に同じ方向で巻き付けることで、第1入力配線8と第2入力配線9を別の磁性体コアに巻き付ける場合と同様のノイズ抑制効果が得られる。
【0034】
磁性体コア12への巻数は、電源装置4の出力電力に応じて自由に設定できる。磁性体コア12への巻数は、例えば電源装置4の出力電力または出力電流が高いほど大きく設定されても良い。
【0035】
また、本実施の形態の照明器具1には、2つの光源と2つの電源装置が設けられた。これに限らず、照明器具1には光源と電源装置がそれぞれ1つ以上設けられれば良い。
【0036】
図4は、実施の形態1の第1の変形例に係る照明器具201の平面図である。照明器具201では、第1電源装置6と第1光源2aとを接続する第1出力配線10が磁性体コア12に巻き付けられる。また、第2電源装置7と第2光源2bとを接続する第2出力配線11が磁性体コア12に巻き付けられる。第1出力配線10と第2出力配線11は、磁性体コア12に同方向で巻き付けられる。この構成によれば、光源2への配線に侵入するノイズを抑制できる。第1の変形例は、特に光源2への配線に侵入するノイズが大きい場合に有効である。
【0037】
図5は、実施の形態1の第2の変形例に係る照明器具301の平面図である。照明器具301は、複数の磁性体コア12a、12bを備える。固定部材13には、複数の磁性体コア12a、12bが固定される。これに限らず、複数の磁性体コア12a、12bの各々に、別個に固定部材13が設けられても良い。
【0038】
磁性体コア12aには、第1入力配線8と第2入力配線9が同方向で巻き付けられる。磁性体コア12bには、第1出力配線10と第2出力配線11が同方向で巻き付けられる。このような構成によれば、照明器具1、201よりもノイズ低減の効果を向上できる。
【0039】
図6は、妨害波電力のノイズ測定の結果の一例を説明する図である。ノイズ測定は、国際規格CISPR(Comite international Special des Perturbations Radioelectriques)15「電気照明及び類似機器の無線妨害波特性の許容値及び測定法」に準拠して測定した。図6における比較例のグラフは、1つの磁性体コア12に1つの配線を巻きつけた照明器具でのノイズ測定の結果を示している。つまり、比較例では、第1入力配線8、第2入力配線9、第1出力配線10および第2出力配線11は、別個の磁性体コア12に巻き付けられる。比較例のグラフにおいて、実線81は測定結果のピーク値を示し、実線82はノイズの限度値を示す。限度値は準尖頭値(QP値)である。
【0040】
これに対し、第2の変形例では、第1入力配線8と第2入力配線9が1つの磁性体コア12aに巻き付けられる。また、第1出力配線10と第2出力配線11は1つの磁性体コア12bに巻き付けられる。第2の変形例のグラフにおいて、実線83は測定結果のピーク値を示し、実線84はノイズの限度値の準尖頭値を示す。なお、実線81、83に示される測定結果のピーク値が、実線82、84に示されるノイズの準尖頭値を超えた周波数において、ピーク値および準尖頭値の再測定を行った。再測定により、測定した準尖頭値が実線82、84に示されるノイズの準尖頭値以下であることが確認された。
【0041】
比較例と第2の変形例では、ノイズのレベルは同等である。従って、1つの磁性体コア12に複数の電源装置からの電線を巻き付けても、比較例と同様の効果が得られることが分かる。このように本実施の形態では、複数の電源装置を備える照明器具1において、ノイズ抑制の効果を維持しつつ、磁性体コアの数を減らして照明器具1を小型化できる。
【0042】
一般に、大電力を消費する照明器具には、複数の電源装置が内蔵されている場合がある。このような照明器具は、例えば高天井で使用される。この場合、複数の電源装置の各々にノイズフィルタを設けると、コストの増加、組み立て工程の複雑化、照明器具の大型化等のおそれがある。特に、フェライトリングは、配線の巻回のための空間が必要なため、他の電子部品と比較して大きな設置面積を占有する。このため、複数の磁性体コア12を設けると、電子機器の小型化を阻害するおそれがある。また、複数の電源装置が設けられる照明器具において、効率よくノイズを低減させる方法は、一般に想定されていなかった。
【0043】
これに対し、本実施の形態では、1つの磁性体コア12に複数の電源装置からの電線を巻き付ける。従って、磁性体コア12の数を低減できるため、小さいスペースで効率よくノイズを抑制できる。また、磁性体コア12の数を低減できるため、製造コストを低減できる。さらに、照明器具1の組み立てを容易に実施できる。従って、容易に磁性体コア12を設置できる。
【0044】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0045】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る照明器具401の平面図である。照明器具401は、第1電源装置6と第2電源装置7の外周部に複数のポール14が設けられる点が照明器具301と異なる。ポール14は、第1電線、第2電線を支持する電線支持部材に該当する。ポール14は、例えば棒状部材である。複数のポール14は、第1電源装置6と第2電源装置7に立設し、取り付けられている。ポール14は、放熱フィン3に設けられても良い。
【0046】
ポール14の一部は、第1電源装置6において第1基板6cの外側に設けられる。また、ポール14の一部は第1電源装置6において、第1入力端子6aおよび第1出力端子6bよりも外側に設けられる。同様に、ポール14の一部は第2電源装置7において、第2基板7cの外側に設けられる。また、ポール14の一部は第2電源装置7において、第2入力端子7aおよび第2出力端子7bよりも外側に設けられる。
【0047】
第1入力配線8は、入力部5からポール14の外側を通って、磁性体コア12aに至る。また、第1入力配線8は、磁性体コア12aからポール14の外側を通って第1入力端子6aに至る。同様に、第2入力配線9は、入力部5からポール14の外側を通って、磁性体コア12aに至る。また、第2入力配線9は、磁性体コア12aからポール14の外側を通って第2入力端子7aに至る。
【0048】
第1出力配線10は、磁性体コア12bからポール14の外側を通って第1光源2aに至る。第2出力配線11は、第2出力端子7bからポール14の外側を通って磁性体コア12bに至る。また、第2出力配線11は、磁性体コア12からポール14の外側を通って第2光源2bに至る。
【0049】
このように、第1電源装置6から引き出された第1入力配線8は、第1電源装置6の中心部から離れる方向に迂回して、磁性体コア12aに至る。ポール14は、第1入力配線8を支持し、第1電源装置6の中心部から離れる方向に迂回させる。なお、磁性体コア12の位置によっては、第1入力配線8は、第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回して、磁性体コア12aに至っても良い。同様に、第2電源装置7から引き出された第2入力配線9は、ポール14に支持されて第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回し、磁性体コア12aに至る。
【0050】
また、第2電源装置7から引き出された第2出力配線11は、ポール14に支持されて第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回し、磁性体コア12bに至る。同様に、第1電源装置6から引き出された第1出力配線10が、ポール14に支持されて第1電源装置6の中心部から離れる方向に迂回し、磁性体コア12bに至っても良い。
【0051】
また、磁性体コア12aから引き出された第1入力配線8は、ポール14に支持されて第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回し、入力部5に至る。なお、入力部5の位置によっては、第1入力配線8は、ポール14に支持されて第1電源装置6の中心部から離れる方向に迂回し、入力部5に至っても良い。同様に、磁性体コア12aから引き出された第2入力配線9は、ポール14に支持されて第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回し、入力部5に至る。
【0052】
また、磁性体コア12bから引き出された第1出力配線10は、ポール14に支持されて第1電源装置6の中心部から離れる方向に迂回し、第1光源2aに至る。同様に、磁性体コア12bから引き出された第2出力配線11は、ポール14に支持されて第2電源装置7の中心部から離れる方向に迂回し、第2光源2bに至る。
【0053】
ノイズは、第1電源装置6および第2電源装置7から放射され、配線に伝わる場合がある。これに対し本実施の形態では、ポール14を用いて、電源装置4の外周部を経由して配線を接続する。本実施の形態では、照明器具301と比較して配線が基板の中心部から離れた位置を通る。つまり、照明器具301と比較して配線をノイズ源から離すことができる。また、本実施の形態では、配線が直線状に接続される場合と比較して、配線のうち基板の直上を通る部分の長さを短くできる。従って、第1電源装置6および第2電源装置7から配線に伝わる放射ノイズを抑制できる。本実施の形態は、特に電源装置4の周波数が高い場合に効果が期待できる。
【0054】
なお、ポール14の数および設置場所は、照明器具401または電源装置4の形状に合わせて自由に設定できる。また、ポール14の形状は問わない。ポール14は、第1電源装置6または第2電源装置7の外周部を通るように配線を支持できれば良い。
【0055】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る照明器具501の平面図である。照明器具501は信号入力部15を備える。信号入力部15には、外部から信号が入力される。電源装置4は、信号入力部15を介して外部との通信が可能である。
【0056】
第1基板6cには、第1信号入力端子6dが設けられる。第1信号線16は、第1信号入力端子6dと信号入力部15とを接続する。第1電源装置6の第1制御部は、第1信号入力端子6dから入力される信号に応じて第1点灯回路を制御する。
【0057】
第2基板7cには、第2信号入力端子7dが設けられる。第2信号線17は、第2信号入力端子7dと信号入力部15とを接続する。第2電源装置7の第2制御部は、第2信号入力端子7dから入力される信号に応じて第2点灯回路を制御する。
【0058】
第1信号線16と第2信号線17は、磁性体コア12に同方向で巻き付けられる。
【0059】
ノイズは信号線にも重畳される場合がある。これに対し本実施の形態では、信号線を伝搬するノイズを抑制できる。本実施の形態は、特に電源装置4が高速で通信する場合に有効である。
【0060】
本実施の形態の変形例として、照明器具501に実施の形態2のポール14を設けても良い。この場合、第1信号線16と第2信号線17は、ポール14に支持されて第1電源装置6または第2電源装置7の外周部を経由して信号入力部15に至る。これにより、第1電源装置6および第2電源装置7から第1信号線16および第2信号線17線に伝わるノイズを抑制できる。
【0061】
また、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 照明器具、2 光源、2a 第1光源、2b 第2光源、3 放熱フィン、3a 第1面、3b 第2面、4 電源装置、4a ケース、5 入力部、6 第1電源装置、6a 第1入力端子、6b 第1出力端子、6c 第1基板、6d 第1信号入力端子、7 第2電源装置、7a 第2入力端子、7b 第2出力端子、7c 第2基板、7d 第2信号入力端子、8 第1入力配線、9 第2入力配線、10 第1出力配線、11 第2出力配線、12、12a、12b 磁性体コア、13 固定部材、13a 第1部分、13b 第2部分、14 ポール、15 信号入力部、16 第1信号線、17 第2信号線、20 接続部、21 固定具、201、301、401、501 照明器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8