IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横河電機株式会社の特許一覧

特許7283509設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム
<>
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図1
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図2
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図3
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図4
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図5
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図6
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図7
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図8
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図9
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図10
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図11
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図12
  • 特許-設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021154585
(22)【出願日】2021-09-22
(62)【分割の表示】P 2017199782の分割
【原出願日】2017-10-13
(65)【公開番号】P2021192315
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】森 宏
(72)【発明者】
【氏名】水島 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】裏田 友洋
【審査官】山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-033609(JP,A)
【文献】特開2016-157285(JP,A)
【文献】特開2001-292191(JP,A)
【文献】特開2001-014007(JP,A)
【文献】特開2009-205243(JP,A)
【文献】特開2009-181247(JP,A)
【文献】特開2005-092808(JP,A)
【文献】特開2014-167733(JP,A)
【文献】特開2001-333083(JP,A)
【文献】特開2000-010608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定システムであって、
前記フィールド機器に固有の部分に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データを格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベースを有するエンジニアリング装置と、
前記エンジニアリング装置に接続され、前記フィールド機器を制御するコントローラと、
前記フィールド機器を前記コントローラに接続する装置であるI/O装置であって、前記フィールド機器から前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を取得する機器構成情報取得部を有し、取得した前記機器構成情報と前記エンジニアリング装置の前記データベースから予めコピーされた前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記フィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データを生成して前記フィールド機器に設定するI/O装置と、
を備え
前記I/O装置は、前記フィールド機器を新たなフィールド機器へ交換する際に、前記機器構成情報取得部により、前記新たなフィールド機器から前記新たなフィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を新たに取得し、新たに取得した前記機器構成情報と前記エンジニアリング装置の前記データベースから予めコピーされた前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記新たなフィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた新たな第2形式の設定データを生成して前記新たなフィールド機器に設定する一連の動作を自動で実行する、
定システム。
【請求項2】
前記識別情報は、前記機器パラメータが属するオブジェクトを識別するオブジェクト識別情報と、前記機器パラメータが設定されるべき相対位置を示す相対位置情報とが対応付けられた情報を含み、
前記機器構成情報は、オブジェクトを識別するオブジェクト識別情報と、前記オブジェクトの先頭位置を示す先頭位置情報とが対応付けられた情報を含み、
前記I/O装置は、同一の前記オブジェクト識別情報が対応付けられた前記相対位置情報と前記先頭位置情報とを用いて前記第2形式の設定データを生成する、
請求項1記載の設定システム。
【請求項3】
前記データベースは、前記第1形式の設定データに加えて、前記フィールド機器に依存せず、プロセス制御システムの制御アプリケーションで用いられる共通のデータを格納し、
前記I/O装置は、前記第1形式の設定データとともに前記共通のデータを前記フィールド機器に設定する、
請求項1又は請求項2記載の設定システム。
【請求項4】
前記I/O装置は、生成した前記第2形式の設定データを記憶する記憶部を備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の設定システム。
【請求項5】
前記I/O装置は、前記機器構成情報取得部で取得された前記機器構成情報を格納する機器構成情報データベースを備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の設定システム。
【請求項6】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う、前記フィールド機器を、前記フィールド機器を制御するコントローラに接続する装置であるI/O装置であって、
前記フィールド機器に固有の部分に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データを格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベースと、
前記フィールド機器から前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を取得する機器構成情報取得部と、
取得した前記機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記フィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データを生成する生成部と、
前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する設定部と、
を備え
前記フィールド機器を新たなフィールド機器へ交換する際に、前記機器構成情報取得部により、前記新たなフィールド機器から前記新たなフィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を新たに取得し、新たに取得した前記機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記新たなフィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた新たな第2形式の設定データを生成して前記新たなフィールド機器に設定する一連の動作を自動で実行する、
/O装置。
【請求項7】
フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定方法であって、
前記フィールド機器を、前記フィールド機器を制御するコントローラに接続する装置であるI/O装置が、前記フィールド機器に固有の部分に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データを格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベースから前記第1形式の設定データを予めコピーする第1ステップと、
前記I/O装置が、前記フィールド機器から前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を取得するステップと、
前記I/O装置が、取得した前記機器構成情報と前記第1ステップでコピーされた前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記フィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データを生成する第2ステップと、
前記I/O装置が、前記第2ステップで生成された前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する第3ステップと、
を有し、
前記I/O装置は、前記フィールド機器を新たなフィールド機器へ交換する際に、前記新たなフィールド機器から前記新たなフィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を新たに取得し、新たに取得した前記機器構成情報と前記データベースから予めコピーした前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記新たなフィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた新たな第2形式の設定データを生成して前記新たなフィールド機器に設定する一連の動作を自動で実行する、
定方法。
【請求項8】
フィールド機器を、前記フィールド機器を制御するコントローラに接続する装置であるI/O装置に設けられ、前記フィールド機器に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行うコンピュータを、
前記フィールド機器に固有の部分に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データを格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベースと、
前記フィールド機器から前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を取得する機器構成情報取得手段と、
取得した前記機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記フィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データを生成する生成手段と、
前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する設定手段と、
して機能させ
前記フィールド機器を新たなフィールド機器へ交換する際に、前記機器構成情報取得手段により、前記新たなフィールド機器から前記新たなフィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報を新たに取得し、新たに取得した前記機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、前記新たなフィールド機器内のメモリ上において前記機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた新たな第2形式の設定データを生成して前記新たなフィールド機器に設定する一連の動作を自動で実行させる、
定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントや工場等(以下、これらを総称する場合には、単に「プラント」という)に構築されるプロセス制御システムは、概してフィールド機器と呼ばれる現場機器(測定器、操作器)と、これらを制御するコントローラとが通信手段を介して接続された構成である。このプロセス制御システムでは、フィールド機器で得られたプロセス値(例えば、圧力、温度、流量等の測定値)をコントローラが収集し、収集したプロセス値に応じてコントローラがフィールド機器を操作(制御)する動作が行われる。このような動作が繰り返されることで、プラント等の高度な自動操業が実現される。
【0003】
従来のプロセス制御システムは、フィールド機器とコントローラとが伝送線によって接続され、フィールド機器とコントローラとの間でアナログ信号(例えば、4-20mA信号)の送受信が行われるものが殆どであった。これに対し、近年のプロセス制御システムは、フィールド機器とコントローラとが例えば有線又は無線のネットワークに接続され、フィールド機器とコントローラとの間でディジタル信号の送受信が行われるものが多くなっている。
【0004】
ディジタル通信が可能なフィールド機器は、アナログ信号の送受信を行う従来のフィールド機器とは異なり、所定の動作を行わせるために必要な設定(エンジニアリング)を事前に行う必要がある。例えば、ネットワークを介した通信を可能とするための通信設定や、機能ブロックを動作させるための機能ブロック設定等が挙げられる。尚、機能ブロックは、制御機能の基本単位をブロック化して表現したものであり、例えば入力ブロック、出力ブロック、PID(比例積分微分)ブロック等がある。この機能ブロックは、フィールド機器にソフトウェアを組み込むことによって実現される。
【0005】
このようなエンジニアリングは、エンジニアリング装置を用いて行われるのが一般的である。具体的なエンジニアリングの手順の一例は、以下の通りである。まず、フィールド機器の性能情報やリソース情報等が記述されたCF(Capability File)ファイルと、機器パラメータの属性情報等が記述されたDD(Device Description)ファイルとから、フィールド機器内部の構成情報を取得する。次に、取得した構成情報と、ユーザによって定義された通信定義やアプリケーション定義のデータとに基づいて、フィールド機器に設定すべき設定データを生成する。そして、フィールド機器が設置されたプラントの現場において、生成された設定データをフィールド機器にダウンロードする(読み込ませる)。
【0006】
上述のエンジニアリング(設定データを生成するまでのエンジニアリング)は、オフラインエンジニアリングと呼ばれる。このオフラインエンジニアリングでは、フィールド機器が無い環境においても、フィールド機器にダウンロードする設定データを事前に準備することが可能である。このため、オフラインエンジニアリングでは、例えば予め複数の設定データを生成しておき、プラントの現場に設置された複数のフィールド機器に順次ダウンロードするといったことができるため、現場での作業時間を短縮することができるという利点がある。以下の特許文献1には、このようなオフラインエンジニアリングが可能なフィールドバスシステムの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-44111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、故障等によってフィールド機器の交換を行う場合には、新たなフィールド機器に対して上述したエンジニアリングを行う必要がある。交換前後のフィールド機器の機種や機器レビジョンが異なる場合には、交換前後のフィールド機器の機器内部の構成情報が異なるため、ベンダから提供される新たなフィールド機器についてのCFファイル及びDDファイルを用いて、新たなフィールド機器に設定すべき設定データを生成する必要がある。そして、エンジニアリング装置に設けられている機器コンフィギュレーションデータベース(各フィールド機器の設定データが格納されているデータベース)の内容を変更する必要がある。
【0009】
しかしながら、上記の機器コンフィギュレーションデータベースを変更するには、予め規定された権限が必要になり、その権限を有しない者は機器コンフィギュレーションデータベースを変更することはできない。例えば、一般的なプラントでは責任分担が明確になっており、システムエンジニアには機器コンフィギュレーションデータベースを変更する権限が与えられているが、プラントに常駐する運転員や保守員には機器コンフィギュレーションデータベースを変更する権限は与えられていない。
【0010】
システムエンジニアは、運転員や保守員とは異なり、プラントに常駐していないため、フィールド機器の故障が生じた場合には、システムエンジニアが派遣されるまでフィールド機器の交換作業を行うことができないという問題がある。また、フィールド機器の故障が生じた場合には、システムエンジニアがプラントに到着するまで生産効率が低下した状態で長時間に亘ってプラントを稼働せざるを得なかったり、或いは生産停止にせざるを得なかったり、と生産活動に大きな影響(損害)が生ずるという問題がある。
【0011】
尚、システムエンジニアが、プラントの外部からリモートアクセスによってエンジニアリング装置を操作すれば上述の問題が解消されるとも考えられる。しかしながら、プラント内のネットワークは、セキュリティの確保の観点から、外部のネットワークから隔離されていることが多く、また、フィールド機器のエンジニアリングは、現場の作業員との密接な連携が必要であるため、リモートアクセスによってエンジニアリングを行うことは困難である。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、システムエンジニアによるエンジニアリングを必要とせずにフィールド機器の交換を行うことができ、生産効率の低下を防止することが可能な設定システム、I/O装置、設定方法、及び設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の設定システムは、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定システム(1~4)であって、前記フィールド機器に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データ(D11)を格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベース(DB1)を有するエンジニアリング装置(15)と、前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報(D2)と前記エンジニアリング装置の前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、該機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データ(D13)を生成して前記フィールド機器に設定する設定装置(12、12a、12b、14、16)と、を備える。
また、本発明の設定システムは、前記識別情報が、前記機器パラメータが属するオブジェクトを識別するオブジェクト識別情報と、前記機器パラメータが設定されるべき相対位置を示す相対位置情報とが対応付けられた情報を含み、前記機器構成情報は、オブジェクトを識別するオブジェクト識別情報と、前記オブジェクトの先頭位置を示す先頭位置情報とが対応付けられた情報を含み、前記設定装置が、同一の前記オブジェクト識別情報が対応付けられた前記相対位置情報と前記先頭位置情報とを用いて前記第2形式の設定データを生成する。
また、本発明の設定システムは、前記データベースが、前記第1形式の設定データに加えて、前記第2形式の設定データを格納し、前記設定装置が、前記機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて生成した前記第2形式の設定データ、又は前記データベースを参照して得られる前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する。
また、本発明の設定システムは、前記データベースが、前記フィールド機器のうちの1つである当該フィールド機器について、当該フィールド機器についての前記第1形式の設定データと、当該フィールド機器と通信を行う他のフィールド機器についての前記第1形式の設定データとを対応付けて格納し、前記設定装置が、当該フィールド機器に対し、当該フィールド機器についての前記第1形式の設定データと、前記他のフィールド機器についての前記第1形式の設定データとを設定する。
また、本発明の設定システムは、前記データベースが、前記第1形式の設定データに加えて、前記フィールド機器に依存せず、プロセス制御システム(PS)の制御アプリケーションで用いられる共通のデータ(D12)を格納し、前記設定装置が、前記第1形式の設定データとともに前記共通のデータを前記フィールド機器に設定する。
また、本発明の設定システムは、前記設定装置が、生成した前記第2形式の設定データを記憶する記憶部(33)を備える。
また、本発明の設定システムは、前記設定装置が、前記フィールド機器から前記機器構成情報を取得する機器構成情報取得部(31)と、前記機器構成情報取得部で取得された前記機器構成情報を格納する機器構成情報データベース(DB2)と、を備える。
本発明の設定装置は、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定装置(12、12a、12b、15a、16)であって、前記フィールド機器に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データ(D11)を格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベース(DB1、DB10)と、前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報(D2)と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、該機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データ(D13)を生成する生成部(32)と、前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する設定部(33)と、を備える。
本発明の設定方法は、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行う設定方法であって、前記フィールド機器に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データ(D11)を格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベース(DB1、DB10)を参照して前記第1形式の設定データを得る第1ステップ(S2)と、前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報と前記第1ステップで得られた前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、該機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データ(D13)を生成する第2ステップ(S3)と、前記第2ステップで生成された前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する第3ステップ(S4)と、を有する。
本発明の設定プログラムは、フィールド機器(11)に所定の動作を行わせるために必要な設定を前記フィールド機器に対して行うコンピュータを、前記フィールド機器に設定される機器パラメータに対し、該機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式の設定データ(D11)を格納し、格納しているデータの変更に予め規定された権限が必要なデータベース(DB1、DB10)と、前記フィールド機器の物理的な構成を示す機器構成情報と前記データベースを参照して得られる前記第1形式の設定データとを用いて、前記機器パラメータに対し、該機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データ(D13)を生成する生成手段(32)と、前記第2形式の設定データを前記フィールド機器に設定する設定手段(33)と、して機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、システムエンジニアによるエンジニアリングを必要とせずにフィールド機器の交換を行うことができ、これにより生産効率の低下を防止することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】プロセス制御システムの要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態における設定データの作成方法の概要を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態において、論理機器の設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態において、実機器の機器構成情報の一例を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態において、ダウンロード用設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態による設定方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。
図9】本発明の第2実施形態による設定システムの変形例を示すブロック図である。
図10】本発明の第3実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。
図11】本発明の第4実施形態による設定装置の要部構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第5実施形態において、論理機器の設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。
図13】本発明の第6の実施形態における設定システム及び設定方法の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による設定システム、設定装置、設定方法、及び設定プログラムについて詳細に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
〈プロセス制御システム〉
図1は、プロセス制御システムの要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、プロセス制御システムPSは、フィールド機器11、I/O装置12、コントローラ13、操作監視端末14(設定装置)、及びエンジニアリング端末15(エンジニアリング装置)を備えており、操作監視端末14からの指示等に応じてコントローラ13がフィールド機器11を制御することによってプラント(図示省略)で実現される工業プロセスの制御を行う。尚、プロセス制御システムPSにおいて、フィールド機器11の交換が行われる場合には、後述する設定システム1が用いられる。
【0018】
フィールド機器11は、I/O装置12を介してコントローラ13に接続されている。また、コントローラ13、操作監視端末14、及びエンジニアリング端末15は、制御ネットワークNに接続されている。尚、制御ネットワークNは、例えばプラントの現場と監視室との間を接続するネットワークである。
【0019】
フィールド機器11は、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントの現場に設置される機器である。尚、図1では、理解を容易にするために、プラントに設置された複数のフィールド機器11のうちの流体の流量を測定する1つのセンサ機器11aと流体の流量を制御(操作)する1つのバルブ機器11bとを図示している。フィールド機器11は、例えばIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)によりIEC61158において規格化されている国際標準フィールドバスの1つの方式であるFF(ファウンデーションフィールドバス:Foundation Fieldbus(登録商標))に準拠した通信が可能である。
【0020】
I/O装置12は、フィールド機器11とコントローラ13との間に設けられ、複数のフィールド機器11をコントローラ13に接続する。コントローラ13は、操作監視端末14からの指示等に応じてフィールド機器11との間で通信を行ってフィールド機器11の制御を行う。具体的に、コントローラ13は、あるフィールド機器11(例えば、センサ機器11a)で測定されたプロセス値を取得し、他のフィールド機器11(例えば、バルブ機器11b)の操作量を演算して送信することによって、他のフィールド機器11(例えば、バルブ機器11b)を制御する。
【0021】
操作監視端末14は、例えばプラントの運転員によって操作されてプロセスの監視のために用いられるHMI(Human Machine Interface)端末である。具体的に、操作監視端末14は、フィールド機器11の入出力データをコントローラ13から取得してプロセス制御システムPSを構成するフィールド機器11やコントローラ13の挙動を運転員に伝えるとともに、運転員の指示に基づいてコントローラ13の制御を行う。尚、操作監視端末14は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって実現される。
【0022】
エンジニアリング端末15は、計装データベース(図示省略)に格納された設計情報(プロセス制御システムPSの設計情報を含めたプラントの設計情報)を用いて、各種エンジニアリングを行う。例えば、コントローラ13のアプリケーション構築、フィールド機器11を含むI/O定義、操作監視端末14の表示画面の構築等のエンジニアリングを行う。尚、エンジニアリング端末15は、操作監視端末14と同様に、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって実現される。
【0023】
〈設定システム〉
図2は、本発明の第1実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。図3は、本発明の第1実施形態における設定データの作成方法の概要を示す図である。図2に示す通り、本実施形態の設定システム1は、エンジニアリング端末15と操作監視端末14とによって実現され、例えばフィールド機器11の交換が行われる際に、新たなフィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行うシステムである。設定システム1がフィールド機器11に対して行う設定としては、例えばディジタル通信を可能とするための通信設定や、機能ブロックを動作させるための機能ブロック設定等が挙げられる。
【0024】
エンジニアリング端末15は、ユーザ設定部21、論理機器設定データ生成部22、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB1を備える。このエンジニアリング端末15は、例えばシステムエンジニアによって操作され、機種や機器レビジョンに依存しない論理的なフィールド機器(以下、「論理機器」という)に設定する設定データ(以下、「論理機器の設定データ」という)を生成し、生成した論理機器の設定データD1(図3参照)を操作監視端末14に提供する。
【0025】
ユーザ設定部21は、論理機器の設定データD1を生成するために必要となるデータの入力画面を表示し、その入力画面においてユーザによって入力されるデータを取得する。ユーザ設定部21によって取得されるデータとしては、例えばユーザによって定義された通信定義やアプリケーション定義のデータが挙げられる。論理機器設定データ生成部22は、ユーザ設定部21で取得されたデータに基づいて論理機器の設定データD1を生成し、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納させる。尚、論理機器設定データ生成部22は、予め読み込んであるCFファイルやDDファイルを用いて設定データD1を生成しても良く、外部のCFファイルやDDファイルを読み込んで設定データD1を生成しても良い。
【0026】
機器コンフィギュレーションデータベースDB1は、論理機器設定データ生成部22によって生成された論理機器の設定データD1を格納するデータベースであり、その利用については予め規定された権限が必要なデータベースである。例えば、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータの変更には、システムエンジニアの権限が必要になり、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータの参照には、プラントに常駐する運転員や保守員の権限が必要になる。このため、例えば、プラントに常駐する運転員や保守員は、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータを変更することができないが、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータを参照することは可能である。
【0027】
機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納される論理機器の設定データD1は、上述した通信設定や機能ブロック設定毎に、機器固有部の設定データD11とアプリケーション共通部の設定データD12とに分類される(図3参照)。機器固有部の設定データD11は、フィールド機器11に固有の部分(フィールド機器11の機種や機器レビジョンに依存する部分)に設定されるデータではあるが、機器固有のデータそのものの(例えば、物理番地等)ではなく、機器固有のデータを指し示す論理的な形式(以下、「論理識別形式」という)で記述されたデータである。つまり、機器固有部の設定データD11は、フィールド機器11に固有の部分に設定される機器パラメータに対し、その機器パラメータを論理的に識別する識別情報が対応付けられた第1形式のデータである。
【0028】
これに対し、アプリケーション共通部の設定データD12は、プロセス制御システムPSの制御アプリケーションで用いられる共通の(即ち、フィールド機器に依存しない)データである。アプリケーション共通部のデータD12には、例えば機能ブロックのスケールや測定単位等が含まれる。従って、機器固有部の設定データD11とアプリケーション共通部の設定データD12とが含まれる設定データD1は、フィールド機器11に依存しないデータによって構成されることになる。
【0029】
図4は、本発明の第1実施形態において、論理機器の設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。図4に示す通り、機器固有部の設定データD11は、「機器パラメータ」に対して「識別情報」が対応付けられたデータである。「機器パラメータ」は、「機器パラメータ名」と「設定値」とからなり、「識別情報」は、「オブジェクト名」(オブジェクト識別情報)と「相対位置」(相対位置情報)とからなる。
【0030】
例えば、図4に示す例において、設定データD11の第1行目は、「機器パラメータ名」、「設定値」、「オブジェクト名」、及び「相対位置」が、それぞれ「P101」、「15」、「Obj001」、及び「+10番地」である。これは、機器パラメータ名が「P101」である機器パラメータの設定値が「15」であり、その機器パラメータが属するオブジェクトのオブジェクト名が「Obj001」であり、その機器パラメータの(フィールド機器11のメモリ上における)物理位置がそのオブジェクトの先頭位置から「+10番地」後ろの位置であることを意味する。
【0031】
操作監視端末14は、機器構成情報アップロード部31(機器構成情報取得部)、ダウンロード用設定データ生成部32(生成部、生成手段)、設定データダウンロード部33(記憶部、設定部、設定手段)、及び機器構成情報データベースDB2を備える。この操作監視端末14は、例えばプラントの運転員によって操作され、にフィールド機器11にダウンロードする設定データ(以下、「ダウンロード用設定データ」という)を生成し、生成したダウンロード用設定データD3(図3参照)をフィールド機器11にダウンロードする。
【0032】
機器構成情報アップロード部31は、例えばフィールド機器11の交換時に、プロセス制御システムPSに新たに接続されたフィールド機器11から、そのフィールド機器11の機器構成情報(以下、「実機器の機器構成情報」という)を、図1に示すI/O装置12、コントローラ13、及び制御ネットワークNを介して取得する。機器構成情報アップロード部31は、取得した実機器の機器構成情報D2(図3参照)を機器構成情報データベースDB2に保存する。
【0033】
機器構成情報データベースDB2は、機器構成情報アップロード部31によって取得された実機器の機器構成情報D2を格納するデータベースである。図5は、本発明の第1実施形態において、実機器の機器構成情報の一例を示す図である。図5に示す通り、実機器の機器構成情報D2は、「オブジェクト名」(オブジェクト識別情報)と「先頭位置」(先頭位置情報)とが対応付けられたデータである。例えば、図5に示す例において、実機器の機器構成情報D2の第1行目は、「オブジェクト名」及び「先頭位置」が、それぞれ「Obj001」及び「1000番地」である。これは、オブジェクト名が「Obj001」であるオブジェクトの(フィールド機器11のメモリ上における)先頭位置が「1000番地」であることを意味する。
【0034】
ダウンロード用設定データ生成部32は、エンジニアリング端末15の機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納された論理機器の設定データD1と、機器構成情報データベースDB2に格納された実機器の機器構成情報D2とを用いて、ダウンロード用設定データD3を生成する。具体的に、ダウンロード用設定データ生成部32は、図3に示す通り、論理機器の設定データD1に含まれる論理識別形式で記述された機器固有部の設定データD11を、フィールド機器11に依存する形式(以下、「機器依存形式」という)のデータD13(即ち、機器固有のデータそのもの)に変換することでダウンロード用設定データD3を生成する。つまり、ダウンロード用設定データ生成部32は、機器パラメータに対し、その機器パラメータが設定されるべき物理位置を示す物理情報が対応付けられた第2形式の設定データを生成する。
【0035】
図6は、本発明の第1実施形態において、ダウンロード用設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。図6に示す通り、機器固有部の設定データD13は、「機器パラメータ」に対して「物理情報」が対応付けられたデータである。「機器パラメータ」は、「機器パラメータ名」と「設定値」とからなり、「物理情報」は、「物理位置」からなる。
【0036】
例えば、図6に示す例において、設定データD13の第1行目は、「機器パラメータ名」、「設定値」、及び「物理位置」が、それぞれ「P101」、「15」、及び「1010番地」である。これは、機器パラメータ名が「P101」である機器パラメータの設定値が「15」であり、その機器パラメータの(フィールド機器11のメモリ上における)物理位置が「1010番地」であることを示す。尚、この「1010番地」の値は、図5に示す実機器の機器構成情報D2に含まれる先頭位置を示す値である「1000番地」と、図4に示した機器固有部の設定データD11の相対位置を示す値である「+10番地」、を加算することによって生成された値である。
【0037】
設定データダウンロード部33は、ダウンロード用設定データ生成部32によって生成されたダウンロード用設定データD3を記憶する。設定データダウンロード部33は、記憶したダウンロード用設定データD3を、図1に示す制御ネットワークN、コントローラ13、及びI/O装置12を介して、フィールド機器11に送信(ダウンロード)する。尚、ダウンロード用設定データD3のダウンロードは、ダウンロード用設定データD3がダウンロード用設定データ生成部32によって生成された直後に行っても良く、操作監視端末14の操作者(例えば、プラントの運転員)からの指示があったときに行っても良い。
【0038】
〈設定方法〉
図7は、本発明の第1実施形態による設定方法を示すフローチャートである。尚、図3に示す処理の流れを示す矢印に付されている符号S1~S4は、図7に示すステップS1~S4の処理に相当する処理である。ここでは、理解を容易にするために、プラントの運転員(エンジニアリング端末15に設けられた機器コンフィギュレーションデータベースDB1を参照する権限を有する者)が操作監視端末14にログインしており、フィールド機器11に対する設定がプラントの運転員の指示の下で行われる場合を例に挙げて説明する。
【0039】
まず、プラント制御システムP1に新たなフィールド機器11が接続されると、そのフィールド機器11から実機器の機器構成情報D2を取得して機器構成情報データベースDB2に格納する処理が操作監視端末14の機器構成情報アップロード部31によって行われる(ステップS1)。尚、実機器の機器構成情報D2は、フィールド機器11から、図1に示すI/O装置12、コントローラ13、及び制御ネットワークNを介して機器構成情報アップロード部31に取得される。
【0040】
次に、エンジニアリング端末15に設けられた機器コンフィギュレーションデータベースDB1が操作監視端末14のダウンロード用設定データ生成部32によって参照される。そして、機器コンフィギュレーションデータベースDB1から論理機器の設定データD1を取得する処理が操作監視端末14のダウンロード用設定データ生成部32によって行われる(ステップS2:第1ステップ)。
【0041】
次いで、取得した論理機器の設定データD1と、機器構成情報データベースDB2に格納されている実機器の機器構成情報D2とを用いて、ダウンロード用設定データD3を生成する処理が操作監視端末14のダウンロード用設定データ生成部32によって行われる(ステップS3:第2ステップ)。具体的には、図3に示す通り、論理機器の設定データD1に含まれる論理識別形式で記述された機器固有部の設定データD11を、機器依存形式のデータD13(即ち、機器固有のデータそのもの)に変換することでダウンロード用設定データD3を生成する処理が行われる(ステップS3:第2ステップ)。
【0042】
そして、操作監視端末14のダウンロード用設定データ生成部32で生成されたダウンロード用設定データD3のダウンロードを実行する処理が操作監視端末14の設定データダウンロード部33で行われる(ステップS4:第3ステップ)。以上の処理が行われることによって、プロセス制御システムPSに新たに接続されたフィールド機器11に対する機器パラメータの設定が行われ、新たに接続されたフィールド機器11が稼働可能な状態になる。
【0043】
以上の通り、本実施形態では、操作監視端末14のダウンロード用設定データ生成部32が、エンジニアリング端末15に設けられた機器コンフィギュレーションデータベースDB1を参照して論理機器の設定データD1を取得し、取得した論理機器の設定データD1と、機器構成情報データベースDB2に格納されている実機器の機器構成情報D2とを用いて、ダウンロード用設定データD3を生成するようにしている。そして操作監視端末14の設定データダウンロード部33が、生成されたダウンロード用設定データD3を、プラント制御システムP1に接続された新たなフィールド機器11にダウンロードするようにしている。これにより、システムエンジニアによるエンジニアリングを必要とせずにフィールド機器11の交換を行うことができる。その結果として、プラントにおける生産効率の低下を防止することが可能である。
【0044】
また、本実施形態では、機器コンフィギュレーションデータベースDB1を作成した時点で新オフラインエンジニアリングが完了し、現場での作業時間を短縮させることができているが、更に、実機器の機器構成情報D2が機器構成情報データベースDB2に格納されていれば、フィールド機器が無い環境においても、ダウンロード用設定データD3を生成することが可能である。つまり、本実施形態の設定システム1は、従来のオフラインエンジニアリングと同様に、更なる現場での作業時間を短縮することが可能であるという利点がある。
【0045】
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。図8に示す通り、本実施形態の設定システム2は、エンジニアリング端末15(エンジニアリング装置)とI/O装置12a(設定装置)とによって実現され、例えばフィールド機器11の交換が行われる際に、新たなフィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行うシステムである。
【0046】
エンジニアリング端末15は、第1実施形態のエンジニアリング端末15と同様の構成である。尚、図8においては、ユーザ設定部21及び論理機器設定データ生成部22の図示を省略し、機器コンフィギュレーションデータベースDB1のみを図示している。また、機器コンフィギュレーションデータベースDB1は、第1実施形態と同様のものであり、その利用については予め規定された権限が必要である。例えば、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータの変更には、システムエンジニアの権限が必要になり、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータの参照には、プラントに常駐する運転員や保守員の権限が必要になる。
【0047】
I/O装置12aは、第1実施形態における操作監視端末14に設けられていた機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、及び機器構成情報データベースDB2に加えて、機器コンフィギュレーションデータベースDB10を備える。機器コンフィギュレーションデータベースDB10は、エンジニアリング端末15に設けられている機器コンフィギュレーションデータベースDB1と同様のデータベースである。
【0048】
つまり、エンジニアリング端末15に設けられている機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されている論理機器の設定データD1(図3参照)の一部又は全部のコピーが、I/O装置12aの機器コンフィギュレーションデータベースDB10に格納されている。この機器コンフィギュレーションデータベースDB10は、エンジニアリング端末15に設けられている機器コンフィギュレーションデータベースDB1と同様に、その利用については予め規定された権限が必要である。例えば、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されたデータの変更には、システムエンジニアの権限が必要になる。尚、I/O装置12a内に設けられている機器コンフィギュレーションデータベースDB10は、I/O装置12a内に設けられているダウンロード用設定データ生成部32から参照可能にされている。
【0049】
本実施形態の設定システム2では、フィールド機器11に対する設定処理に必要な構成の全て(機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、機器構成情報データベースDB2、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB10)をI/O装置12aが備える。このため、本実施形態の設定システム2では、プロセス制御システムPSに対して新たなフィールド機器11が接続されたタイミングで、フィールド機器11に接続されたI/O装置12aがフィールド機器11から実機器の機器構成情報D2を取得し、ダウンロード用設定データD3をフィールド機器11へダウンロードする一連の動作を自動で実行することが可能である。尚、本実施形態における設定データの作成方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0050】
以上の通り、本実施形態では、I/O装置12aのダウンロード用設定データ生成部32が、自装置に設けられた機器コンフィギュレーションデータベースDB10を参照して論理機器の設定データD1を取得し、取得した論理機器の設定データD1と、機器構成情報データベースDB2に格納されている実機器の機器構成情報D2とを用いて、ダウンロード用設定データD3を生成するようにしている。そしてI/O装置12aの設定データダウンロード部33が、生成されたダウンロード用設定データD3を、プラント制御システムP1に接続された新たなフィールド機器11にダウンロードするようにしている。
【0051】
これにより、システムエンジニアによるエンジニアリングを必要とせずにフィールド機器11の交換を行うことができる。その結果として、プラントにおける生産効率の低下を防止することが可能である。また、本実施形態の設定システム2も、オフラインエンジニアリングが可能であるため、従来のオフラインエンジニアリングと同様に、現場での作業時間を短縮することが可能であるという利点がある。尚、本実施形態の設定システム2では、フィールド機器11がある場合には、フィールド機器11から取得した機器構成情報D2を用いてダウンロード用設定データD3を作成することができるため、機器構成情報データベースDB2を省略することも可能である。
【0052】
〈変形例〉
図9は、本発明の第2実施形態による設定システムの変形例を示すブロック図である。図9に示す通り、本変形例に係る設定システム2は、エンジニアリング端末15(エンジニアリング装置)と2つのI/O装置12a,12b(設定装置)とによって実現される。本変形例に係る設定システム2は、1つのフィールド機器11に対して2つのI/O装置が接続されている場合(つまり、I/O装置が二重化されている場合)のものである。
【0053】
I/O装置12a,12bは、図8に示すI/O装置12と同様の構成であり、それぞれ機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、機器構成情報データベースDB2、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB10を備える。尚、図9では図示の都合上、I/O装置12bについては、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB10の図示を省略し、機器構成情報アップロード部31及び機器構成情報データベースDB2のみを図示している。
【0054】
二重化されたI/O装置12a,12bでは、I/O装置12a,12bの双方で、機器構成情報データベースDB2を等値化する必要がある。このため、プロセス制御システムPSに新たなフィールド機器11が接続されたタイミングで、フィールド機器11に接続されたI/O装置12a,12bに設けられた機器構成情報アップロード部31のそれぞれが、フィールド機器11から実機器の機器構成情報D2を取得して機器構成情報データベースDB2に格納する。
【0055】
但し、プロセス制御システムPSに接続された新たなフィールド機器11に対してダウンロード用設定データD3の生成及びダウンロードを行うのは一方のI/O装置(図9に示す例ではI/O装置12a)のみで良い。仮に、I/O装置12aが故障等した場合には、I/O装置12bがI/O装置12aに代わって、プロセス制御システムPSに接続された新たなフィールド機器11に対してダウンロード用設定データD3の生成及びダウンロードを行う。
【0056】
〔第3実施形態〕
図10は、本発明の第3実施形態による設定システムの要部構成を示すブロック図である。図10に示す通り、本実施形態の設定システム3は、エンジニアリング端末15(エンジニアリング装置)と携帯端末16(設定装置)とによって実現され、例えばフィールド機器11の交換が行われる際に、新たなフィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行うシステムである。
【0057】
エンジニアリング端末15は、第1実施形態のエンジニアリング端末15と同様の構成である。尚、図10においては、図8と同様に、ユーザ設定部21及び論理機器設定データ生成部22の図示を省略し、機器コンフィギュレーションデータベースDB1のみを図示している。
【0058】
携帯端末16は、第2実施形態におけるI/O装置12と同様に、機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、機器構成情報データベースDB2、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB10を備える。この携帯端末16は、例えばプラントの現場で作業する保守員によって携帯され、フィールド機器11に接続されてフィールド機器11に対する設定を行うために用いられる。尚、携帯端末16は、例えばノート型、タブレット型等の携帯性に優れたパーソナルコンピュータによって実現される。
【0059】
携帯端末16がエンジニアリング端末15に接続される形態は任意で良い。例えば、携帯端末16が制御ネットワークNに直接接続されることで、制御ネットワークNを介してエンジニアリング端末15に接続される形態であっても良く、携帯端末16が制御ネットワークNに接続されたアクセスポイントと無線通信を行うことでエンジニアリング端末15に接続される形態であっても良い。或いは、制御ネットワークNを介さずに、接続ケーブル等によってエンジニアリング端末15に直接接続される形態であっても良い。
【0060】
尚、携帯端末16は、エンジニアリング端末15に設けられた機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されている論理機器の設定データD1(図3参照)のコピーが得られるのであれば、必ずしもエンジニアリング端末15に通信可能に接続される必要はない。例えば、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納されている論理機器の設定データD1のコピーをUSBメモリ等の不揮発性記憶媒体に記憶させて携帯端末16に取り込み可能である場合には、携帯端末16は、エンジニアリング端末15に通信可能に接続される必要はない。
【0061】
本実施形態の設定システム3では、フィールド機器11に対する設定処理に必要な構成の全て(機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、機器構成情報データベースDB2、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB10)を携帯端末16が備える。このため、本実施形態の設定システム3では、携帯端末16を携帯した保守員が、プラントの現場においてフィールド機器11の設置位置に赴き、プロセス制御システムPSに接続された新たなフィールド機器11に携帯端末16を接続すれば、フィールド機器11に対するダウンロード用設定データD3のダウンロードを行うことが可能である。
【0062】
これにより、システムエンジニアによるエンジニアリングを必要とせずにフィールド機器11の交換を行うことができる。その結果として、プラントにおける生産効率の低下を防止することが可能である。また、本実施形態の設定システム3も、オフラインエンジニアリングが可能であるため、従来のオフラインエンジニアリングと同様に、現場での作業時間を短縮することが可能であるという利点がある。尚、本実施形態の設定システム3では、フィールド機器11がある場合には、第2実施形態の設定システム2と同様に、機器構成情報データベースDB2を省略することも可能である。
【0063】
〔第4実施形態〕
図11は、本発明の第4実施形態による設定装置の要部構成を示すブロック図である。図11に示す通り、本実施形態の設定装置としてのエンジニアリング端末15aは、図2に示すユーザ設定部21、論理機器設定データ生成部22、及び機器コンフィギュレーションデータベースDB1に加えて、図2に示す機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、及び機器構成情報データベースDB2を備える。つまり、本実施形態の設定装置としてのエンジニアリング端末15aは、図2に示すエンジニアリング端末15の機能と、操作監視端末14の機能とを一体化したものである。
【0064】
本実施形態の設定装置としてのエンジニアリング端末15aでは、フィールド機器11に対する設定処理に必要な構成の全て(機器構成情報アップロード部31、ダウンロード用設定データ生成部32、設定データダウンロード部33、機器コンフィギュレーションデータベースDB1、及び機器構成情報データベースDB2)をエンジニアリング端末15aが備える。このため、本実施形態では、エンジニアリング端末15aのみで、プロセス制御システムPSに接続された新たなフィールド機器11に対するダウンロード用設定データD3のダウンロードを行うことが可能である。尚、本実施形態でも、オフラインエンジニアリングが可能であるため、従来のオフラインエンジニアリングと同様に、現場での作業時間を短縮することが可能であるという利点がある。
【0065】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態による設定システムについて説明する。上述した第1~第4実施形態において、機器コンフィギュレーションデータベースDB1(或いは、機器コンフィギュレーションデータベースDB10)に格納されている論理機器の設定データD1に含まれる機器固有部の設定データD11は、論理識別形式で記述されたもののみであった。これに対し、本実施形態において、論理機器の設定データD1に含まれる機器固有部の設定データD11は、論理識別形式で記述されたものと機器依存形式で記述されたものとが混在可能である。
【0066】
図12は、本発明の第5実施形態において、論理機器の設定データに含まれる機器固有部の設定データの一例を示す図である。図12に示す通り、機器固有部の設定データD11は、「機器パラメータ」に対して「識別情報」又は「物理情報」が対応付けられたデータである。「機器パラメータ」は、「機器パラメータ名」と「設定値」とからなり、「識別情報」は、「オブジェクト名」と「相対位置」とからなり、「物理情報」は、「物理位置」からなる。
【0067】
図12に示す例において、設定データD11の第1行目及び第2行目が、「機器パラメータ」に対して「識別情報」が対応付けられたデータである。具体的に、設定データD11の第1行目は、「機器パラメータ名」及び「設定値」がそれぞれ「P101」、「15」である「機器パラメータ」に対して、「オブジェクト名」及び「相対位置」が、それぞれ「Obj001」及び「+10番地」である「識別情報」が対応付けられている。また、設定データD11の第2行目は、「機器パラメータ名」及び「設定値」がそれぞれ「P102」、「10」である「機器パラメータ」に対して、「オブジェクト名」及び「相対位置」が、それぞれ「Obj001」及び「+35番地」である「識別情報」が対応付けられている。
【0068】
これに対し、図12に示す例において、設定データD11の第3行目が、「機器パラメータ」に対して「物理情報」が対応付けられたデータである。具体的に、設定データD11の第3行目は、「機器パラメータ名」及び「設定値」がそれぞれ「P103」、「25」である「機器パラメータ」に対して、「物理番地」が「2015番地」である「物理情報」が対応付けられている。
【0069】
このような設定データD11(論理識別形式で記述されたものと機器依存形式で記述されたものとが混在する設定データ)は、例えばエンジニアリング端末15,15aのユーザ設定部21によって表示される入力画面において、システムエンジニアが設定データD11の形式を指定することによって生成することが可能である。ここで、設定データD11には、論理識別形式で記述されたものと機器依存形式で記述されたものとを判別するためのフラグを設定することが望ましい。
【0070】
ダウンロード用設定データD3を生成する場合には、ダウンロード用設定データ生成部32は、例えば上述したフラグに基づいて設定データD11の形式を判別し、その判別結果に基づいてダウンロード用設定データD3を生成する。具体的に、ダウンロード用設定データ生成部32は、論理識別形式で記述されたものと判別した設定データについては、その設定データと、機器構成情報データベースDB2に格納された実機器の機器構成情報D2とを用いてダウンロード用設定データを生成し、機器依存形式で記述されたものと判別した設定データについては、そのままダウンロード用設定データとして用いる。このようにしてダウンロード用設定データD3が生成される。
【0071】
このように、本実施形態において、機器固有部の設定データD11は、論理識別形式で記述されたものと機器依存形式で記述されたものとが混在可能である。このため、例えば、既存のフィールド機器11については、機器依存形式で記述された設定データを機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納し、新規のフィールド機器11(交換されたものを含む)については、論理識別形式で記述された設定データを機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納するといった運用が可能である。これにより、本実施形態による設定システムでは、例えば既設プラントの一部分が稼働している場合における増改築時(フィールド機器の追加又は変更)において、増改築の対象となるフィールド機器に対しては論理識別形式を適用可能とするとともに、稼働中の既存フィールド機器については新たに論理識別形式に変更することなく(即ち、フィールド機器へのダウンロード用設定データD3の再ダウンロードを行う必要なく)、稼動部分の停止を生じさせずにプラントの増改築を行うことが可能である。
【0072】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態による設定システムについて説明する。前述した第1~第5実施形態は、フィールド機器11がI/O装置12を介して通信を行うプロセス制御システムPSを前提とするものであった。しかしながら、プロセス制御システムPS内には、I/O装置12を介することなく、フィールド機器11間で通信が行われる場合もあり得る。本実施形態の設定システム4は、このような場合に、新たなフィールド機器11に所定の動作を行わせるために必要な設定をフィールド機器11に対して行うシステムである。
【0073】
図13は、本発明の第6の実施形態における設定システム及び設定方法の概要を示すブロック図である。尚、以下では、I/O装置12を介することなく通信を行う2つのフィールド機器を、「フィールド機器A」、「フィールド機器B」とする。図13に示す通り、本実施形態の設定システム4が備える機器コンフィギュレーションデータベースDB1には、フィールド機器Aに相当する論理機器αの設定データD1Aと、フィールド機器Bに相当する論理機器βの設定データD1Bとが格納されている。
【0074】
論理機器αの設定データD1A及び論理機器βの設定データD1Bのそれぞれの機器固有部の設定データD11には、論理識別形式で記述された論理機器αの機器固有部の設定データD11Aと、論理識別形式で記述された論理機器βの機器固有部の設定データD11Bとが含まれる。つまり、例えば論理機器αの設定データD1Aの機器固有部の設定データD11には、自己(論理機器α)の設定データD11Aと通信相手(論理機器β)の設定データD11Bとが含まれる。尚、論理機器βの設定データD1Bの機器固有部の設定データについても同様であるが、図13においては、論理機器βの設定データD1Bの内容については図示を省略している。
【0075】
本実施形態における設定システム4は、例えばフィールド機器Aに対してダウンロード用設定データD3をダウンロードする場合において、ダウンロード対象のフィールド機器Aの機器構成情報D2Aだけでなく、通信相手側のフィールド機器Bの機器構成情報D2Bも取得し、それらを機器構成情報データベースDB2に保存する。そして、設定システム4は、論理機器αの設定データD1Aとフィールド機器A及びフィールド機器Bの機器構成情報D2A,D2Bとに基づいて、ダウンロード用設定データD3を生成する。
【0076】
尚、ダウンロード用設定データD3は、機器コンフィギュレーションデータベースDB1に格納された論理機器αの設定データD1Aに含まれる設定データD11A,D11Bが、それぞれ設定データD13A,D13Bに変換されたものである。つまり、論理識別形式で記述された論理機器αの機器固有部の設定データD11Aが、フィールド機器Aの機器依存形式のデータD13Aに変換され、論理識別形式で記述された論理機器βの機器固有部の設定データD11Bが、フィールド機器Bの機器依存形式のデータD13Bに変換されたものである。
【0077】
このようにして生成されたダウンロード用設定データD3がフィールド機器Aにダウンロードされることにより、既存のフィールド機器が新たなフィールド機器Aに置き換えられたとしても、新たなフィールド機器Aとフィールド機器Bとの間で引き続き通信を行うことができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態における設定システム及び設定装置の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。そして、設定システム及び設定装置の機能を実現するためのプログラムの一部又は全部をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0079】
尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、設定システム及び設定装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【符号の説明】
【0080】
1~4 設定システム
11 フィールド機器
12 I/O装置
12a,12b I/O装置
14 操作監視端末
15,15a エンジニアリング端末
16 携帯端末
31 機器構成情報アップロード部
32 ダウンロード用設定データ生成部
33 設定データダウンロード部
D2 機器構成情報
D11 機器固有部の設定データ
D12 アプリケーション共通部の設定データ
D13 機器固有部の設定データ
DB1 機器コンフィギュレーションデータベース
DB2 機器構成情報データベース
DB10 機器コンフィギュレーションデータベース
PS プロセス制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13