(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】タービンのためのアーチ状リブ
(51)【国際特許分類】
F03D 3/06 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
F03D3/06 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018078595
(22)【出願日】2018-04-16
【審査請求日】2021-04-16
(32)【優先日】2018-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518133474
【氏名又は名称】ウィンドサイド・アメリカ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Windside America Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】518133485
【氏名又は名称】オサケユフティオ・ウィンドサイド・プロダクション・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Oy Windside Production Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】リスト・ヨウスティニエミ
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0097981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0196750(US,A1)
【文献】特表昭63-502044(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0086895(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321989(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104948383(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1001812(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトに沿って軸方向に離間した間隔で、堅固に接続する複数のアーチ状支持リブ、
を備え、
前記複数のアーチ状支持リブのそれぞれは、ハブと、一対の対向するアーチ状リブアームと、を含み、
前記アーチ状リブアームのそれぞれは、アーチ状ウィングと、取り付けアームと、を含み、
前記取り付けアームと前記アーチ状ウィングとは、前記ハブから分かれて延びており、
前記アーチ状ウィングは、第1の端部でハブに接続され、前記取り付けアームに対して垂直に延びており、前記取り付けアームの遠位端の反対側の端部で交差するように延びる曲率を有し、
前記取り付けアームは、前記アーチ状ウィングからハブへと負荷を伝達し、
前記アーチ状ウィングは、同じ翼が前記シャフトの両側に配置されるように翼に接続するための外面を画定し、前記翼は、対向する前記取り付けアームで終端し、
前記ハブは、前記シャフトに接続するための接続ボスを画定し、
バランス質量体が、前記ハブと前記取り付けアームの前記遠位端との中間の前記取り付けアームに配置されて
おり、
前記取り付けアームと前記アーチ状ウィングは、ウィング開口部を画定し、
前記取り付けアームは、前記ウィング開口部に向かう傾斜面と、前記取り付けアームの反対側にある垂直面と、を含む、ロータ。
【請求項2】
シャフトに沿って軸方向に離間した間隔で、堅固に接続する複数のアーチ状支持リブ、
を備えるロータであって、
前記複数のアーチ状支持リブのそれぞれは、ハブと、一対の対向するアーチ状リブアームと、を含み、
前記アーチ状リブアームのそれぞれは、アーチ状ウィングと、取り付けアームと、を含み、
前記取り付けアームと前記アーチ状ウィングとは、前記ハブから分かれて延びており、
前記アーチ状ウィングは、第1の端部でハブに接続され、前記取り付けアームに対して垂直に延びており、前記取り付けアームの遠位端の反対側の端部で交差するように延びる曲率を有し、
前記取り付けアームは、前記アーチ状ウィングからハブへと負荷を伝達し、
前記アーチ状ウィングは、同じ翼が前記シャフトの両側に配置されるように翼に接続するための外面を画定し、前記翼は、対向する前記取り付けアームで終端し、
前記ハブは、前記シャフトに接続するための接続ボスを画定し、
バランス質量体が、前記ハブと前記取り付けアームの前記遠位端との中間の前記取り付けアームに配置されており、
前記接続ボスとバランス質量体との中間に翼形状部分が配置されている、ロータ。
【請求項3】
前記翼は、前記アーチ状ウィングの外周に沿って取り付けられており、前記アーチ状ウィングに沿って複数の接触点で接続されている、請求項1
又は2に記載のロータ。
【請求項4】
前記取り付けアームと前記アーチ状ウィングは、ウィング開口部を画定し、
前記取り付けアームは、前記ウィング開口部に向かう傾斜面と、前記取り付けアームの反対側にある垂直面と、を含む、請求項
2に記載のロータ。
【請求項5】
前記アーチ状ウィングおよび前記取り付けアームは、ウィング開口部を画定する、請求項
2に記載のロータ。
【請求項6】
前記翼は、前記アーチ状ウィングの前記外周に接続するための接着剤またはねじを含む、請求項
3に記載のロータ。
【請求項7】
前記接続ボスは、その内部に画定されたねじ穴を含む、請求項1
又は2に記載のロータ。
【請求項8】
前記接続ボスとバランス質量体との中間に配置されている翼形状部分を含む、請求項1に記載のロータ。
【請求項9】
前記翼が、水平方向もしくは垂直方向にあるか、または、前記シャフトに対して0~90度の間の角度を有するストリップまたはスラットから作成され、
前記ストリップまたはスラットは、少なくとも2つのアーチ状支持リブとの間を延びる、請求項1
又は2に記載のロータ。
【請求項10】
ねじ状に形成された翼をロータに取り付ける方法であって、
モノリシック構造を有するアーチ状リブアセンブリをシャフトの延びる方向に移動させることによって、前記シャフトに対して横方向となるように、前記アーチ状リブアセンブリを前記シャフトに接続するステップ、ここで、前記モノリシック構造は、前記シャフトに係合する開口を画定する中央ハブと、一対の対向する取り付けアームと、一対の対向するアーチ状ウィングと、を有し、前記アーチ状ウィングは、近位端でハブから延びて遠位端で前記取り付けアームと交差し、前記アーチ状ウィングは、曲線に沿って延びており、前記取り付けアーム、ハブ及び前記アーチ状ウィングは、ウィング開口部を画定する、
単一の翼が前記シャフトの両側に接続されるように、前記翼の内面を前記アーチ状ウィングの合わせ面に締結するステップ、
を含む、方法。
【請求項11】
前記ねじ状に形成された翼を接着剤またはねじによって前記アーチ状ウィングに締結するステップ、を更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記翼は、水平方向または垂直方向にあるか、または、前記シャフトに対して0~90度の間の任意の方向にあるストリップまたはスラットから作成される、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体作動式タービンに関する。より詳細には、本発明は、線形発電ステーションに一体化された流体作動式タービンのためのアーチ状リブ設計に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の風力タービンは、典型的には、プロペラ駆動航空機のプロペラのように、半径方向に取り付けられた複数のブレードに結合された回転可能な中央ハブを有する。このようなブレードは、ハブとほぼ垂直な円弧内を移動する。ブレードは、所望の電力量を生成するのに十分な速度で回転する。
【0003】
従来技術に頻繁に見られる設計のタービンには多くの欠点がある。発電要件を満たすために、ブレードの先端速度を比較的速くすることになる。先端速度を速くすると、健康上の問題との関連が指摘されている望ましくないノイズが発生する。
【0004】
上述の風力タービンは、さらに全方向性ではない。そのような風力タービンは、通常、支持マスト上でハブおよびプロペラを水平に回転させることによって、卓越風を整え、卓越風のエネルギーを捕捉する。このようなタービンの運転に必要な空間の容積は、少なくとも垂直方向と水平方向の両方におけるブレード先端間距離である。これは、特に居住区域での使用にとっては、相当かつ望ましくないほど大きな容積である。ハブに対するブレードの半径方向の配置は、かなりの容積が風力タービン専用であることを必要とする。非垂直型(またはプロペラ型)の風力タービンを人間が占有する建物に統合しようとすると、そのような専用の容積は非垂直型風力タービンの有用性を低下させ、建物設計に悪影響を与える。
【0005】
また、電力を発生するための風力タービン構造の使用は、国際公開第81/01443号、カナダ特許第1,236,030号明細書、および米国特許第8,087,897号明細書に開示されており、これらは、ここに本明細書の一部を構成するものとして援用されている。そのような従来技術のデバイスは、
-基部、
-基部に旋回可能に接続されたフレーム、
-外縁および内縁、ならびに、湾曲した、例えば半円形の断面を有する一対の細長い羽根または翼であって、羽根の凹面が互いに部分的に重なり合って、羽根の内縁間の軸方向通路を画定するように、幾何学的軸線を中心として軸方向に対称に配置されており、羽根は互いに対してねじ形状にねじられている、一対の細長い羽根または翼を備えるロータ、
-ロータの少なくとも一端をフレームに旋回可能に接続する長手方向要素、
-各羽根の外縁を他の羽根の内縁と軸方向に間隔を空けて堅固に相互接続する複数の細長い、概して翼状のリブであって、上記リブは、幾何学的軸線に対して実質的に垂直関係に配置され、リブの断面は、幾何学的軸線の同一の方向において凸状である、リブ、を備える。
【0006】
従来技術のロータは、翼とリブとの間の限られた部分での接続しか許容していない。したがって、翼は、接続点において局部的な応力を受ける。従来の「フラットバーリブ」設計では、翼によって引き起こされる力は、リブの両端に関してのみ分割される。
【0007】
したがって、業界において、その回転によって潜在的な健康上の問題を生じさせず、且つ地元の鳥個体群に悪影響を及ぼさない、線形発電ステーションに結合可能な、比較的静かな風力タービンが必要とされている。さらに、その回転を行うために卓越流体流に整える必要がない線形発電ステーションにおける全方向性風力タービンが必要とされている。さらに、翼をより効率的にロータに接続するために改良されたリブ設計が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第81/01443号
【文献】カナダ特許第1,236,030号明細書
【文献】米国特許第8,087,897号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、離間したアーチ形状の支持リブを有し、バランス質量体および接続質量体を含む上記のタイプのロータであって、ロータ内で特に有利なバランス条件が達成される、ロータを提供する。
【0010】
タービンは、すべての風速において風の中の運動エネルギーの変換を最大にするように設計されている。2m/s程度の低い風速、および60m/s程度の高い風速から電気を生成することができる。風が常にタービン翼に対して直角であるため、本発明の二重螺旋形状に起因して、乱れた風からのエネルギーも利用される。
【0011】
タービンは、主に12V、24Vまたは48VバッテリのDCバッテリバンクを充電する目的で使用される。蓄積されたエネルギーは、その後、DC機器、照明、信号、および、グリッド接続された代替手段を有するか、または、有しないシステムに電力を供給するのに使用することができる。さらに、本発明は、この種のタービンのサイズを公共グリッド向けの電力を生成するための非常に大きなAC発電タービンに増大させることを容易にするように、翼の締結を改善する。
【0012】
本発明によるロータは、主に、各羽根または翼に、軸方向に離間した間隔で堅固に相互接続する、複数の細長い、概ねアーチ状支持リブによって特徴付けられる。アーチ状リブは、シャフトに対して横方向に配置することができる。上記リブは、幾何学的軸線に対して実質的に垂直な関係で配置される。アーチ状リブの断面は、幾何学的軸線と同一の方向に凸状であってもよい。リブは、遠位端にある接続ボスと、中間バランス質量体とを有していてもよい。
【0013】
本発明は、タービンの翼をタービンシャフトに堅固にかつ安全に接続または締結する改良された固定方法が実施されるロータである。米国特許第8,087,897号明細書および国際公開第81/01443号に開示されているような初期の締結では、翼は締結部またはリブの端部および締結の中間点からのみ締結されている。本発明において、この新規のタイプの締結は、翼材料をその半径方向全体に沿って締結することを可能にする。
【0014】
締結部またはリブは、一般に、ロータシャフトに接続するためのハブと、ハブから遠位方向に延びる、対向するリブとを含む。アーチ状リブは湾曲した翼の形状に従うように注意深く設計された弓、曲線、または弧の形状に作成されている。この同じ形状は、弓、曲線、または弧の間で共有され、翼自体は、翼材料を締結部曲線の全面にわたって取り付けることを可能にする。
【0015】
従来の「フラットバーリブ」設計では、翼によって引き起こされる力は、リブの両端に関してのみ分割される。本発明では、この力は、締結部またはリブの合わせ面全体の周りに拡散される。翼が半径方向に固定されると、新規の本発明はシャフトに関連する翼の堅固さを増加させる。新規のタイプの締結部は、翼が翼の縁部においてのみ接続されている「フラットバーリブ」の旧式のリブよりも、より効率的にシャフトにそれらの力を伝える。
【0016】
本発明では、湾曲したリブを、締結部曲線の全長に沿って、例えば接着剤および/または10~100pc以上のねじによって翼に取り付けることができる。この新規の締結タイプおよび方法は、翼が半径方向において2本または4本のネジのみで締結される初期の締結モデルおよび方法よりもはるかに強力である。
【0017】
本発明は、少なくとも2つの羽根または翼、および軸方向に離間した間隔で、第1の羽根の外縁を他の羽根の内縁と堅固に相互接続する複数の細長い支持リブを含むロータである。アーチ状リブは、内縁に沿った他の点で羽根の翼に接続されてもよい。アーチ状リブは、中央ハブに接続ボスを有していてもよい。バランス質量体は、アーチ状リブの近位端と遠位端との中間に位置決めされてもよい。
【0018】
本発明は、翼を有し、シャフトに沿って軸方向に離間した間隔をおいて、堅固に相互接続する複数のアーチ状支持リブを含むロータであり、各アーチ型支持リブは、ハブと弓形ウィングとを含み、ハブは、シャフトに接続するための接続ボスを画定する。弓形ウィングは、湾曲アームと取り付けアームとを含む。翼は、湾曲アームの外周に沿って取り付けられる。翼は、翼およびリブに使用される材料のタイプに応じて、任意の妥当な方法で湾曲アームの外周に接着、ねじ止めまたは接続される。接続ボスは、ねじ穴を含んでもよい。好ましい実施形態では、ロータは少なくとも2つの翼を含む。
【0019】
本発明は、翼をロータに取り付ける方法も含む。この方法は、リブアセンブリをシャフトに対して横方向に接続することを含む。リブアセンブリは、シャフトと係合するための開口を画定する中央ハブと、ハブから半径方向に延びるリブアームと、リブアームの遠位端部をハブに接続し、翼の内面をリブアーチ状アームの合わせ面に締結するリブアーチ状ウィングとを有する。翼をリブに締結することは、接着剤、ねじまたは使用される材料に適した他の締結技法による。リブアセンブリは、中央ハブから遠位方向に延びる、対向するリブアームをさらに含むことができる。
【0020】
本発明の1つの利点は、リブアームが、リブアーチ状ウィングを形成する材料および中央ハブとは異なる材料から作成され得ることである。
【0021】
本発明によるロータを、添付の図面を参照してより詳細に検討する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】本発明の締結部を示す風力タービンの斜視図である。
【
図4】タービンのための締結リブの代替実施形態の上面斜視図である。
【
図5】
図4に示された締結リブの上面平面図である。
【
図6】
図4に示された締結リブの正面側立面図である。
【
図7】
図4に示された締結リブの底面平面図である。
【
図8】
図4に示された締結リブの背面側立面図である。
【
図9】
図4に示された締結リブの左側立面図である。
【
図10】
図4に示された締結リブの右側立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のロータが、
図1に全体的に示されている。本発明によるロータ1は、湾曲した、好ましくは半円形の断面を有する一対の細長い羽根または翼2a、2bを含む。本出願においては、羽根および翼は、締結部およびリブのように互換的に使用される。
【0024】
羽根2a、2bは、羽根2a、2bの凹面が部分的に互いに重なり合うように、対称に、長手方向の幾何学的軸線5(
図1参照)の周りに軸方向に配置される。これにより、軸方向通路が羽根2a、2bの内縁間に画定される。羽根2a、2bは、実質的に180°だけ互いに対してねじ状にねじられている。ロータ1の長さは、その直径の少なくとも4倍であることが好ましい。
【0025】
長手方向シャフト3が、少なくとも一端において支持フレーム50に回転可能に接続されている。シャフト3は、軸線5と同心である。上述したように、接続部は旋回可能であってもよい。この場合、ロータ1を支持フレームに対して第1の軸方向に弾性的に保持するが、ロータ1に作用する風の強さに応じてロータ1が旋回することを可能にする手段が設けられている。
【0026】
複数の細長い、概してアーチ状の支持リブ4は、好ましくは軸方向に等間隔を有して、それぞれの羽根2a、2bの内面を堅固に相互接続する。
図1に示すように、羽根2a、2bは、シャフト3の周りに巻き付いている。支持リブ4は、シャフト3を横切るか、または90度より大きいかまたは小さい角度にあり得る。
【0027】
上記リブ4は、長手方向軸線5に対して実質的に垂直な関係で配置され、それらの断面は、垂直に取り付けられたロータ1に対して上方向に凸状である。シャフト3は、
図1の場合のように、ロータ1の軸方向全長にわたって延びていてもよい。
【0028】
ロータ1のアーチ状リブが、
図1および
図3において全体的に4で示されている。アーチ状リブ4は、2つの主要な部分構成要素、すなわちハブ10およびブレード30から形成される。
【0029】
リブ4のハブ10は、ハブ本体12を含む。軸方向ボア14が、ハブ本体12内に画定される。軸方向ボア14は、ロータ1の長手方向軸線5と同軸に画定されている。
【0030】
一対のねじ穴18がハブ本体12を貫通し、軸方向ボア14と交差する。リブ4がシャフト3上に配置されると、ボルト(図示せず)をそれぞれのねじ穴18内にねじ式に配置してもよく、それぞれのボルトの端部がシャフト3の外縁を圧迫して、リブ4をシャフト3に堅固に結合する。
【0031】
一対の対向する羽根内縁支持体20が、好ましくは、ハブ本体12と一体的に形成されている。羽根内縁支持体20の各々は、傾斜支持面21を含む。ブラインドねじ穴22が、各支持面21において始まり、それぞれの羽根内縁支持体20の内側に延びる。
【0032】
選択可能なバランス質量体24を、羽根内縁支持体20と一体的に形成してもよい。選択可能なバランス質量体24は、ハブ本体12から半径方向に延びることが好ましい。
図3に示すように、選択可能なバランス質量体24は、内側縁26および外側縁28を有する。内側縁26と外側縁28との間の距離は、選択可能なバランス質量体24の質量に適切に影響を与えるように、所望に応じて変更してもよい。例えば、バランス質量体24の外縁29を変化させること、および、所望のより大きいまたはより小さい質量を有する材料からバランス質量体24を形成することなどの、他の既知の手段を利用して、そのような質量に影響を与えてもよい。
【0033】
ブレード30は、ハブ10から半径方向外側に延び、ブレード30の近位端32において選択可能なバランス質量体24に結合される。結合ボス36がブレード30の遠位端34に形成されている。結合ボス36は、内部に画定されたブラインドねじ穴38を有する羽根外縁支持面42を呈する。
【0034】
ブレード30は、対向する弓形ウィング39および40を含んでもよい。弓形ウィング39および40は、内縁支持部20に近似する第1の端部41と、遠位端34に近接する羽根外縁支持面42の第2の端部とでリブ4に接続してもよい。弓形ウィング39および40は、単一部品であってもよく、または複数のセグメントから構成されてもよい。弓形ウィング39および40は、翼または羽根に接続するための追加の表面積を有していてもよい。弓形ウィング39および40は、平坦であるかまたは翼を取り付けるための接続部を含むことが可能な外面43を有する。内側領域44が、ブレード30ならびに弓形ウィング39および40によって画定される。内側領域44はオープンであってもよく、または他の支持構造体で充填されていてもよい。
【0035】
リブ4は好ましくは金属製である。一方、羽根2a、2bは金属またはプラスチック製であり得る。他の材料の組み合わせを使用してもよく、または、リブと羽根とを同じ材料から作製してもよい。
【0036】
ハブ10の選択可能なバランス質量体24は、ロータ1の回転質量を適切に平衡させるように選択される。このような平衡は、ロータ1により経験されることになる既知の範囲の回転速度について、シャフト3、羽根2、およびリブ4自体の質量の影響を考慮に入れる。さらに、選択可能なバランス質量体24の質量は、ロータ1の共振周波数が、ロータ1により経験されることになる回転速度の範囲より下または上にあるように選択される。ロータ1の固有振動数近傍でのロータ1の動作を回避することは、ロータ1内の潜在的に破壊的な共鳴を最小にするために重要である。
【0037】
図2および
図4~
図10は、リブまたは締結部100の代替実施形態を示す。アーチ状リブ100は、ハブ開口122を介してシャフト3上に配置される。ボルト(図示せず)をそれぞれのねじ穴内にねじ式に配置してもよく、それぞれのボルトの端部がシャフト3の外縁を圧迫して、リブ100をシャフト3に堅固に結合する。
【0038】
リブ100は、好ましくは、ハブ本体112と一体的に形成されている、一対の対向する羽根内縁支持体120を含む。選択可能なバランス質量体(図示せず)を、羽根内縁支持体120と一体的に形成してもよいし、または、独立して取り付けてもよい。選択可能なバランス質量体は、ハブ本体112から半径方向に延びることが好ましい。例えば、バランス質量体の外縁を変化させること、および、所望のより大きいまたはより小さい質量を有する材料からバランス質量体を形成することなどの、他の既知の手段を利用して、そのような質量に影響を与えてもよい。
【0039】
リブ100は、ハブ112から半径方向外側に延びるリブアーム130を含む。リブアーム130は、対向するアーチ状ウィング139および140を含んでもよい。アーチ状ウィング139および140は、内縁支持部120に近似する第1の端部135と、遠位端134に近接する第2の端部とでリブ100に接続する。アーチ状ウィング139および140は、単一部品であってもよく、または複数のセグメントから構成されてもよい。アーチ状ウィング139および140は、翼または羽根に接続するための追加の表面積を有していてもよい。アーチ状ウィング139および140は、平坦であるかまたは翼を取り付けるための接続部を含むことが可能な外面141を有する。ウィング開口部142が、リブアーム130ならびに弓形ウィング139および140によって画定される。ウィング開口部142は、オープンであってもよく、または他の支持構造体で充填されてもよい、リブ100の内側領域である。リブアーム130はまた、傾斜した内面143および傾斜した外面144を含んでもよい。リブアーム内面143およびリブアーム外面144は、リブの空気力学的側面を増加させるための斜角、傾斜または曲率を有していてもよい。同様に、リブアーム140は、凹状または湾曲した断面を有していてもよい。
【0040】
図2に示すように、個々のリブ100を、シャフト3上に配置してもよい。その後、羽根2a、2bを、個々のリブ100に結合してもよい。羽根2aの内側縁は、リブ139および140の外面141に結合される。翼は、単一部品ではなく、ストリップまたはスラットから構成されていてもよい。ストリップまたはスラットは、水平または垂直のいずれかの方向、または0~90度の角度の間の任意の方向にある。
【0041】
本発明は、様々な改変および代替形態に修正可能であるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に記載される。しかしながら、本発明を記載した特定の実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。逆に、その意図するところは、すべての改変、等価物、および代替形態を包含することである。