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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/22 20060101AFI20230523BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A47G29/22
B65D6/18 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019100032
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020192116
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000250144
【氏名又は名称】余合ホーム&モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】小林 富夫
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 哲也
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-137106(JP,A)
【文献】実開平05-076333(JP,U)
【文献】特開2000-211701(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02340747(EP,A1)
【文献】特開2003-275040(JP,A)
【文献】特表2018-525038(JP,A)
【文献】登録実用新案第3013613(JP,U)
【文献】米国特許第05340207(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/22
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み立て状態から折り畳み状態に可変な宅配ボックスであって、
前面が開口される箱形状の本体と、
前記折り畳み状態では前記本体の前面を覆うと共に前記組み立て状態では上方に開かれる天板と、
前記折り畳み状態では前記本体の前面を覆うと共に前記組み立て状態では下方に開かれる底板と、
前記組み立て状態では前記天板の縁部に沿って設けられた第1レールと前記底板の縁部に沿って設けられた第2レールとに案内されて前記本体の前方を覆うと共に前記折り畳み状態では前記本体の天板部の縁部を1周半する第3レールと前記本体の底板部の縁部を1周半する第4レールとに案内されて前記本体に収納されるシャッタと、
前記組み立て状態では前記本体に対し前記底板を略水平に保持するアームと、
前記組み立て状態では前記シャッタを施錠する施錠機構と、
を備える、宅配ボックス。
【請求項2】
前記天板は、前記組み立て状態では前記天板を略水平に保持する保持機構を有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記アームは、前記底板の開閉速度を調整する減速機構を備える、請求項1または2に記載の宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、宅配ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配ボックスは、公知である。例えば、特許文献1には、可変式の宅配ボックスが開示される。可変式の宅配ボックスは、宅配業者によって宅配物が預けられるまではコンパクトな折り畳み状態とされる。また、可変式の宅配ボックスは、宅配業者によって宅配物が預けられてからは組み立て状態とされ、預けられた宅配物を収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-525038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可変式の宅配ボックスは、組み立て状態では宅配物を収納するため、所定の大きさが必要となる。その一方で、可変式の宅配ボックスは、一戸建て住宅の玄関先または庭先において壁面に設置される場合もあるため、できる限り軽量化されることが望まれる。
【0005】
本開示の目的は、軽量化を実現することができる宅配ボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である宅配ボックスは、組み立て状態から折り畳み状態に可変な宅配ボックスであって、前面が開口される箱形状の本体と、折り畳み状態では本体の前面を覆うと共に組み立て状態では上方に開かれる天板と、折り畳み状態では本体の前面を覆うと共に組み立て状態では下方に開かれる底板と、組み立て状態では天板の縁部に沿って設けられた第1レールと底板の縁部に沿って設けられた第2レールとに案内されて本体の前方を覆うと共に折り畳み状態では本体に収納されるシャッタと、組み立て状態では本体に対し底板を略水平に保持するアームと、組み立て状態ではシャッタを施錠する施錠機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、組み立て状態の前面および両側面の前側をシャッタで構成するため軽量化を実現することができる宅配ボックスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】組み立て状態の宅配ボックスの構成を示す斜視図である。
図2】折り畳み状態の宅配ボックスの構成を示す斜視図である。
図3】保持機構の構成を示す平面図である。
図4】アーム機構の構成を示す斜視図である。
図5】シャッタの構成を示す斜視図である。
図6】シャッタの構成を示す断面図である。
図7】天板の第1レールの構成を示す斜視図である。
図8】底板の第2レールの構成を示す斜視図である。
図9】施錠装置の構成を示す斜視図である。
図10】シャッタを施錠するときの動作を示す模式図である。
図11】宅配ボックスを組み立てるときの動作を示す模式図である。
図12】宅配ボックスを折り畳むときの動作を示す模式図である。
図13】別実施形態のシャッタを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施形態の一例を詳細に説明する。実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであるから、図面に描画された構成要素の寸法などは、以下の説明を参酌して判断されるべきである。本明細書において、「略~」との記載は、略同一を例に説明すると、完全に同一はもとより、実質的に同一と認められる場合を含む意図である。以下で説明する実施形態は例示であって、本開示の宅配ボックスはこれに限定されない。
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、宅配ボックスの仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
以下では、宅配ボックスにおいて本体が設けられる側を奥行き方向の後側とする。水平面において奥行き方向と直交する方向を幅方向とする。宅配ボックスの前側に向かって右側を幅方向の右側とする。幅方向と奥行き方向とに直交する鉛直方向を上下方向とする。また、シャッタが引き出されるときのシャッタの先端側を引き出し方向の先端側とする。シャッタが引き出されるときの宅配ボックスの内側をシャッタの内側とする。
【0012】
図1および図2を用いて、宅配ボックス100の構成について説明する。図1は、組み立て状態の宅配ボックス100の構成を示す斜視図である。図2は、折り畳み状態の宅配ボックス100の構成を表す斜視図である。
【0013】
宅配ボックス100は、組み立て状態から折り畳み状態に可変である。宅配ボックス100は、一戸建て住宅の玄関脇の壁面に設置されるが、これに限定されない。宅配ボックス100は、例えば集合住宅等に設置されても良い。また、宅配ボックス100は、例えば玄関脇の床面等に設置されても良い。
【0014】
宅配ボックス100は、宅配業者によって宅配物が預けられるまでは、折り畳まれた状態(折り畳み状態)となる。また、宅配ボックス100は、宅配業者によって宅配物が預けられてからは、組み立てられた状態(組み立て状態)となる。宅配ボックス100は、本体10と、天板20と、底板30と、シャッタ40と、一対のアーム機構50と、施錠装置60(図9または図10参照)と、を備える。
【0015】
本体10は、前面が開口された箱状に構成される。本体10は、例えば樹脂等で形成される。本体10は、天板部10Aと、底板部10B(図4参照)と、左側板部10C、右側板部10Dと、裏板と、を含む。
【0016】
天板20は、平面視にて例えば長方形状等に形成される。天板20は、例えば樹脂等で形成される。天板20の基端側は、本体10の天板部10Aにヒンジ固定されている。ここで、天板20の基端側とは、組み立て状態の天板20の後端側であって、折り畳み状態の天板20の上端側である。天板20は、組み立て状態では、保持機構25によって略水平方向に保持される。保持機構25の詳細は、後述する。
【0017】
天板20は、折り畳み状態では、本体10の前面の上側の略半分を覆う。折り畳み状態では、天板20に設けられた一対のマグネットと、本体10の左側板部10Cと右側板部10Dとのそれぞれに設けられたマグネットとが磁着することによって天板20が本体10に固定される。
【0018】
底板30は、平面視にて例えば長方形状等に形成される。底板30は、例えば樹脂等で形成される。底板30の基端側は、本体10の底板部10Bにヒンジ固定されている。ここで、底板30の基端側とは、組み立て状態の底板30の後端側であって、折り畳み状態の底板30の下端側である。底板30は、組み立て状態では、アームとしての一対のアーム機構50,50によって略水平方向に保持される。アーム機構50の詳細は、後述する。
【0019】
底板30は、折り畳み状態では、本体10の前面の下側の略半分を覆う。折り畳み状態では、底板30に設けられた一対のマグネットと、本体10の左側板部10Cと右側板部10Dとのそれぞれに設けられたマグネットとが磁着することによって底板30が本体10に固定される。
【0020】
シャッタ40は、組み立て状態では、宅配ボックス100の前面および両側面の前側を覆う。具体的には、シャッタ40は、組み立て状態の宅配ボックス100において、本体10の前方、天板20の下方および底板30の上方からなる空間を覆う。このとき、シャッタ40は、天板20の縁部に沿って設けられた第1のレールとしての天板レール21(図7参照)と底板30の縁部に沿って設けられた第2のレールとしての底板レール31(図8参照)とに案内される。シャッタ40は、宅配ボックス100が折り畳み状態では、本体10に収納される。施錠装置60の詳細は、後述する。
【0021】
図3を用いて、保持機構25の構成について説明する。図3は、保持機構25の構成を示す平面図である。図3では、宅配ボックス100を組み立て状態としたときの平面図を示す。
【0022】
保持機構25は、一対のピン部29A,29Aを本体10の左側板部10Cと右側板部10Dとに形成されたそれぞれの孔部(図示なし)に嵌めることによって、天板20を略水平状態に保持する機構である。以下では、宅配ボックス100の組み立て状態を説明する。保持機構25は、天板20の上面に設けられる。なお、例えばカバーを保持機構25の上面に設けることによって、保持機構25を外部から見えないようにしてもよい。
【0023】
保持機構25は、把持部26と、一対のアーム27,27と、一対の回動部28,28と、一対のアーム29,29と、を有する。把持部26は、奥行き方向の前端側であって幅方向の略中央部に設けられる。把持部26は、固定部26Aと、可動部26Bと、を含む。固定部26Aは、天板20に固定され、可動部26Bは、一対のアーム27,27の前端側に固定され、奥行き方向に移動可能に構成される。可動部26Bは、弾性部材(図示なし)によって後向きに付勢されている。アーム27は、棒状に構成される。アーム27は、幅方向の略中央部において奥行き方向に沿って配置される。一対のアーム27,27のそれぞれの後端側には、一対の回動部28,28のそれぞれの前端側かつ内端側が回動自在に接続される。
【0024】
回動部28は、平面視において略L字形状に構成される。回動部28は、回動支点28Aを含む。回動支点28Aは、天板20に支持され、略L字形状の回動部28の角部に設けられる。回動部28は、回動支点28Aを中心として回動自在に構成される。一対の回動部28,28のそれぞれの後端側には、一対のアーム29,29のそれぞれの内端側が回動自在に接続される。一対のアーム29,29は、奥行き方向の後端側において、左側と右側とにそれぞれが配置される。アーム29の外端側には、ピン部29Aが設けられる。
【0025】
保持機構25の動作について説明する。把持部26を把持することによって、可動部26Bおよび一対のアーム27,27が可動部26Bの付勢力に逆らって前側に移動する。これにより、一対の回動部28,28のそれぞれの前端側かつ内端側が前側に移動し、一対の回動部28,28がそれぞれの回動支点28Aを中心として回動し、一対の回動部28,28のそれぞれの外端側が内側に移動する。これにより、一対のアーム29,29のそれぞれが内側に移動し、それに伴い一対のピン部29A,29Aが内側に移動する。また、把持部26を解放することによって、一対のピン部29A,29Aが外側に移動する。
【0026】
保持機構25の効果について説明する。保持機構25によれば、組み立て状態の宅配ボックス100において、一対のピン部29A,29Aが、本体10の左側板部10Cと右側板部10Dとに形成されたそれぞれの孔部に嵌ることによって、天板20を略水平状態に保持することができる。また、把持部26を把持することによって、一対のピン部29A,29Aが内側に移動して孔部から抜け、天板20の略水平状態を解除することができる。
【0027】
図4を用いて、アーム機構50の構成について説明する。図4は、アーム機構50の構成を示す斜視図である。図4は、シャッタ40が引き出される前の組み立て状態の宅配ボックス100を示す。
【0028】
底板30は、本体10の底板部10Bと一対のヒンジ部材13,13によって取り付けられる。一対のアーム機構50,50は、上述したように、本体10に対し底板30を略水平方向に保持する。アーム機構50は、ロッド51と、減速機構52と、支持部53と、を有する。以下では、底板30が略水平方向であるとして説明する。
【0029】
ロッド51の前端側は、支持部53に回動自在に接続される。支持部53は、底板30の幅方向の外端部であって、奥行き方向の後寄りに設けられる。ロッド51の後端側は、減速機構52に回動自在に支持される。また、ロッド51は、減速機構52に対し摺動可能となるように減速機構52に支持される。減速機構52は、ロッド51に対して例えばネジ等の先端部を当接した状態からネジを締め付けることによってロッド51が減速機構52を摺動するときの摩擦抵抗を増加させる。
【0030】
アーム50の効果について説明する。アーム50によれば、ロッド51の摺動時においてロッド51に摩擦抵抗を増加させることによって、底板30の開閉時に開閉速度を減速することができる。これにより、底板30が重力によって急に下方に開くことを防止することができる。なお、変形例として、減速機構52にダンパー等を用いても良い。
【0031】
図5乃至図8を用いて、シャッタ40の構成について説明する。図5は、シャッタ40の構成を示す斜視図である。図5は、シャッタ40が引き出されるときの組み立て状態の宅配ボックス100を示す。図6は、図5におけるAA断面図である。図7は、天板20の天板レール21を上方から見た斜視図である。図7では、説明を分かり易くするため、その他の部材の記載を省略している。図8は、底板30の底板レール31を上方から見た斜視図である。図8では、説明を分かり易くするため、シャッタ40の一部のみを記載している。
【0032】
図5に示すように、本体10の天板部10Aには、上本体レール11が形成される。本体10の底板部10Bには、下本体レール12が形成される。上本体レール11は、天板部10Aの縁部を略1周半するように長円状に形成される。下本体レール12も同様に底板部10Bの縁部を略1周半するように長円状に形成される。
【0033】
宅配ボックス100が組み立て状態のときは、天板20の下面には、天板レール21が形成される。天板レール21は、天板20の縁部に沿って略U字形状に形成される。同様に、宅配ボックス100が組み立て状態のときは、底板30の上面には、底板レール31が形成される。底板レール31は、底板30の縁部に沿って略U字形状に形成される。
【0034】
宅配ボックス100が組み立て状態のときは、天板部10Aに形成された上本体レール11と天板レール21とが天板20の左端部において連通する。同様に、宅配ボックス100が組み立て状態のときは、底板部10Bに形成された下本体レール12と底板レール31とが底板30の左端部において連通する。
【0035】
シャッタ40は、本体41と、補強部42と、を有する。補強部42は、シャッタ40の引き出し方向に沿って所定間隔に設けられる。補強部42は、例えばアルミ等で形成される。
【0036】
図6に示すように、本体41は、複数のベース部材45から構成される。ベース部材45は、例えば樹脂等で形成される。ベース部材45は、上下方向に沿って長尺状に形成される。ベース部材45の引き出し方向の前側には、内側に向かって凸部が形成される。ベース部材45の引き出し方向の後側には、内側に向かって凹部が形成される。ベース部材45は、隣接するベース部材45とヒンジ部45Aによって接続される。ヒンジ部45Aは、ベース部材45の凹部に隣接するベース部材45の凸部を嵌合させることによって構成される。これにより、本体41は、引き出し方向の内側にのみ曲がることができる。宅配ボックス100では、シャッタ40の内側が宅配ボックス100の内側を向くように、シャッタ40が設けられる。
【0037】
図7に示すように、シャッタ40の上端部には、複数(図7では一つ)のローラ46が設けられる。ローラ46は、例えば略円盤状に形成される。ローラ46は、例えば補強部42の上端部に設けられる。ローラ46は、シャッタ40(補強部42)に対し上下方向を軸として回転可能に構成される。
【0038】
天板20には、上述したように天板レール21が形成される。天板レール21は、ローラ46が通過するローラ通過部21Aと、シャッタ40の上端部が通過するシャッタ通過部21Bと、を含む。ローラ通過部21Aとシャッタ通過部21Bとは連通している。ローラ通過部21Aの幅は、ローラ46の直径よりも若干大きく形成される。シャッタ通過部21Bの幅は、シャッタ40の上端部の幅よりも若干大きく形成される。ここで「幅」とは、水平面においてシャッタ40の引き出し方向に垂直な方向の長さである。なお、ローラ46の変形例として、水平面においてシャッタ40の引き出し方向に垂直な方向を軸として回動可能なローラとしてもよい。
【0039】
図8に示すように、底板30には、上述したように底板レール31が形成される。底板レール31では、シャッタ40の下端部が通過する。底板レール31の幅は、シャッタ40の下端部の幅よりも若干大きく形成される。
【0040】
シャッタ40の動作について説明する。シャッタ40は、宅配ボックス100が折り畳み状態のときには、本体10の上本体レール11と下本体レール12とに案内されて、本体10に収納される。一方、シャッタ40は、宅配ボックス100が組み立て状態のときには、天板レール21(図7参照)と底板レール31(図8参照)とに案内されて宅配ボックス100の前面および両側面の前側を覆う。
【0041】
シャッタ40の効果について説明する。シャッタ40によれば、本体41を樹脂で構成することによって軽量化することができる。また、シャッタ40を内側にのみ曲がるように構成すると共に各レールによって案内することによって、本体10に収納される折り畳み状態から宅配ボックス100の前面および両側面の前側を覆う組み立て状態まで、スムーズに移動することができる。
【0042】
図9を用いて、施錠装置60の構成について説明する。図9は、施錠装置60の構成を示す斜視図である。
【0043】
施錠装置60は、シャッタ40のシャッタ先端部49を本体10に施錠する装置である。施錠装置60は、レバー61と、ラッチ62と、ラッチ受け部63と、鍵穴65と、伝票差し込み部66と、を有する。レバー61およびラッチ62は、本体10の右側板部10Dに設けられる。ラッチ62は、幅方向から見て略L字形状に形成される。ラッチ62は、右側板部10Dに収納された状態から前方に突出した状態まで回動するように構成される。
【0044】
シャッタ40の引き出し方向の先端側には、シャッタ先端部49が設けられる。シャッタ先端部49の先端面には、ラッチ受け部63が設けられる。ラッチ受け部63には、ピン部63Aが設けられる。シャッタ先端部49の外側には、取っ手49Aが設けられる。
【0045】
施錠装置60の動作について説明する。レバー61が上方に位置するときには、ラッチ62は右側板部10Dに収納され、施錠装置60は解錠している状態となる。レバー61を下方に押し下げることによって、ラッチ62は上方に回動しラッチ受け部63のピン部63Aに係合し、施錠装置60は施錠される。一方、鍵穴65に鍵を差し込んで解錠することによって、レバー61が上方に移動し、施錠装置60が解錠される。
【0046】
図10を用いて、シャッタ40を施錠するときの動作について説明する。図10は、シャッタ40を施錠するときの動作を示す模式図である。シャッタ40を施錠するときの動作は、図10(a)から図10(d)に向かう順に移行する。
【0047】
図10(a)に示すように、宅配業者は、シャッタ先端部49を天板レール21(図7参照)と底板レール31(図8参照)とに沿って引き出し、組み立て状態の宅配ボックス100の前面および両側面の前側をシャッタ40で覆う。図10(b)に示すように、シャッタ先端部49が本体10の右側板部10Dに到達し、宅配ボックス100においてシャッタ40が閉じられる。図10(c)に示すように、宅配業者は、預けた宅配物の伝票Dを伝票差し込み部66に差し込む。図10(d)に示すように、宅配業者は、伝票差し込み部66に伝票Dが差し込まれた状態でレバー61を下方に押し下げる。これにより、施錠装置60が施錠されると共に伝票Dが伝票差し込み部66に固定される。
【0048】
図11を用いて、宅配ボックス100を組み立てるときの動作について説明する。図11は、宅配ボックス100を組み立てるときの動作を示す模式図である。宅配ボックス100を組み立てるときの動作は、図11(a)から図11(e)に向かう順で移行する。
【0049】
図11(a)に示すように、宅配ボックス100は、宅配業者によって宅配物を預けられるまでは折り畳み状態である。図11(b)に示すように、宅配業者は、まず、天板20を上方に開いて保持機構25によって天板20を略水平に保持する。図11(c)に示すように、宅配業者は、次に、底板30を下方に開く。このとき、底板30は、一対のアーム50,50によって略水平に支持される。図11(d)に示すように、宅配業者は、続いて、宅配物(図示なし)を底板30に載置して、シャッタ40を本体10から引き出す。図11(e)に示すように、宅配業者は、続いて、シャッタ40を施錠装置60(図10参照)によって施錠し、宅配ボックス100を組み立て状態とする。
【0050】
図12を用いて、宅配ボックス100を折り畳むときの動作について説明する。図12は、宅配ボックス100を折り畳むときの動作を示す模式図である。宅配ボックス100を折り畳むときの動作は、図12(a)から図12(f)に向かう順で移行する。
【0051】
図12(a)に示すように、宅配ボックス100は、宅配業者によって宅配物を預けられてからは組み立て状態である。図12(b)に示すように、使用者は、まず、鍵穴65に鍵を差し込んで解錠することによって、施錠装置60を解錠する。図12(c)に示すように、使用者は、次に、シャッタ40を本体10に引き戻す。図12(d)に示すように、使用者は、続いて、さらにシャッタ40を引き戻し、本体10に収納し、宅配物(図示なし)を取り出す。図12(e)に示すように、使用者は、続いて、底板30を折り畳む。図12(f)に示すように、使用者は、続いて、保持機構25を解除して天板20を折り畳み、宅配ボックス100を折り畳み状態にする。
【0052】
宅配ボックス100の効果について説明する。宅配ボックス100によれば、組み立て状態の前面および両側面の前側をシャッタ40で構成するため軽量化を実現することができる。
【0053】
また、宅配ボックス100によれば、保持機構25によって、組み立て状態では天板20を略水平に保持することができるため、シャッタ40をスムーズに引き出すと共に宅配ボックス100の前面および両側面の前側を隙間なく覆うことができる。
【0054】
また、宅配ボックス100によれば、一対のアーム50,50によって、組み立て状態では底板30を略水平に保持することができるため、シャッタ40をスムーズに引き出すと共に宅配ボックス100の前面および両側面の前側を隙間なく覆うことができる。さらに、宅配ボックス100を組み立てるときには、底板30が重力によって急に下方に開くことを防止することができる。
【0055】
図13を用いて、別実施形態のシャッタ140の構成について説明する。図13は、シャッタ140の構成を示す模式図である。
【0056】
シャッタ140は、両開きの構成であって、第1シャッタ141と、第2シャッタ142とを有する。第1シャッタ141の先端側には、施錠装置160が設けられる。宅配ボックス100が組み立て状態では、宅配ボックス100の前面の略中央部において、第2シャッタ142の先端側が施錠装置160に施錠される。別実施形態のシャッタ140であっても、本実施形態のシャッタ40と同様の作用および効果を奏する。
【0057】
また、別実施形態のシャッタ140によれば、実施形態のシャッタ40と比較して、本体10に収納された際のシャッタ140の円弧部が少ないため、宅配ボックスを薄型化することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 本体、20 天板、21 天板レール(第1レール)、25 保持機構、30 底板、31 底板レール(第2レール)、40 シャッタ、50 アーム機構(アーム)、60 施錠装置、100 宅配ボックス
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図13