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特許7283711モルヒナン誘導体を含む医薬組成物及びその鎮痛剤への使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】モルヒナン誘導体を含む医薬組成物及びその鎮痛剤への使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/485 20060101AFI20230523BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A61K31/485
A61K31/513
A61K31/501
A61K31/497
A61P25/04
A61P29/02
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/06
A61P43/00 111
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2018543906
(86)(22)【出願日】2017-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2017035890
(87)【国際公開番号】W WO2018066532
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2016211102
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505232346
【氏名又は名称】学校法人星薬科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185856
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100217098
【弁理士】
【氏名又は名称】清 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124822
【弁理士】
【氏名又は名称】千草 新一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 淳三
(72)【発明者】
【氏名】中田 恵理子
【審査官】鶴見 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/148232(WO,A1)
【文献】特開2011-074018(JP,A)
【文献】European Journal of Pharmacology,2010年,Vol.641,No.1, pp.49-53
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,Vol.56,No.9,2013年, pp.3656-3665
【文献】NeuroReport,2000年,Vol.11,No.7,pp.1413-1416
【文献】Neuroscience Letters,2016年,Vol.614,pp.49-54
【文献】European Journal of Pain,Vol.11,2007年,pp.685-693
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61P 25/04
A61P 29/02
A61P 25/22
A61P 25/24
A61P 25/06
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I):
【化1】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む神経障害性疼痛の治療又は予防用医薬組成物であって、正常な感覚的な痛みに対して鎮痛効果を発揮しないことを特徴とする、医薬組成物
【請求項17】
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリダジン-3(2H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)キノリン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-2H-ピラン-2-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-4H-ピラン-4-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-4(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-アセトキシ-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-4(3H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチル-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オン、
5-クロロ-3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、及び、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンから選択される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む神経障害性疼痛の治療又は予防用医薬組成物であって、正常な感覚的な痛みに対して鎮痛効果を発揮しないことを特徴とする、医薬組成物
【請求項26】
神経障害性疼痛が、慢性神経障害性疼痛である、請求項1~25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
慢性神経障害性疼痛が、糖尿病性神経障害に伴う疼痛である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項28】
1~3回/日の頻度で継続的に投与される、請求項26又は27に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オピオイドδ受容体アゴニスト作用を有するモルヒナン誘導体を含む医薬組成物、及びそれを用いた疼痛の治療又は予防に関する。
本願は、2016年10月3日に日本に出願された特願2016-211102に基づき優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
オピオイドは、オピオイド受容体に結合して効果を発揮し、オピオイド受容体には、μ、δ、κの3つのサブタイプが存在する。μ、δ、κの3つのサブタイプのいずれも、そのアゴニストが鎮痛作用を有することが知られている。
この中で、オピオイドδ受容体を選択的に活性化するアゴニストは、オピオイドμ受容体やオピオイドκ受容体の活性化を通じて現れる副作用を有さないかほとんど有さないことが期待されている。
これまでに、オピオイドδ受容体アゴニストとしては、様々な化合物が報告されており、その鎮痛作用、抗うつ作用及び抗不安作用が実証されている(特許文献1~6、非特許文献1~10)。
痛みはヒトの日常において危険回避に役立ち、生体における警告反応として重要である。しかし、病的に起こる痛みは多くの場合有益なものではなく、生活の質(QOL)を低下させる。これらの痛みの治療には、これまで非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やモルヒネに代表されるオピオイド系鎮痛薬が使用されてきたが、神経障害性疼痛や慢性化した炎症性疼痛、原因不明の線維筋痛症の疼痛などに対しては十分な効果を発揮できない。近年では、α2δリガンドであるプレガバリンや、抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬(SNRI)などが神経障害性疼痛に対して用いられているが、その効果は限定的で、様々な副作用を惹起したり、副作用のために使用が限定される等の欠点を有している。
したがって、既存薬では充足できない疼痛に対しても有効で、且つ副作用の少ない新たな薬剤を用いた治療の選択肢が強く望まれてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2006-522775
【文献】WO 2001/046192
【文献】WO 2008/001859
【文献】WO 2013/035833
【文献】WO 2014/021273
【文献】WO 2014/136305
【非特許文献】
【0004】
【文献】Tetrahedron,2011,67,6682
【文献】European Journal of Pharmacology 276 (1995) 131-135
【文献】European Journal of Pharmacology 322 (1997) 27-30
【文献】J. Pharmacol. Exp. Ther., 286: 780-787, 1998
【文献】Eur. J. Pharmacol., 326: 31-36, 1997.
【文献】Neurosci. Lett., 196: 169-172, 1995
【文献】Life Sci., 54: PL425-430, 1994
【文献】Life Sci., 55: PL121-126, 1994
【文献】Psychopharmacology, 113: 167-171, 1993
【文献】Brain Res., 592: 101-105, 1992
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、疼痛の治療又は予防等に有用な医薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行ったところ、モルヒナン誘導体を含む医薬組成物が疼痛の治療又は予防等に有用であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、一つの側面において、次の一般式(I):
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、
1~6個のハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、
そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、一つの側面において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む疼痛の治療又は予防用医薬組成物を提供する。
また、本発明は、一つの側面において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む、病態特異的に治療又は予防効果を発揮する、疼痛の治療又は予防用医薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、疼痛の治療又は予防等に有用な医薬が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は化合物1に関するマウス高架式十字迷路試験の結果を示す図である。 縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図2図2は化合物7に関するマウス高架式十字迷路試験の結果を示す図である。 縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図3図3は化合物3に関するマウス高架式十字迷路試験の結果を示す図である。縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図4図4は化合物9に関するマウス高架式十字迷路試験の結果を示す図である。縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図5図5は化合物10に関するマウス高架式十字迷路試験の結果を示す図である。縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図6図6は化合物3,7,10に関するラット高架式十字迷路試験の結果を示す図である。縦軸は壁無し走行路での滞在時間の割合を示し、横軸は被験薬物とその投与量を示す。
図7図7は糖尿病マウスにおけるオピオイドδ受容体アゴニストの鎮痛作用の経時的変化を示す。糖尿病マウス及び対照群マウスにオピオイドδ受容体アゴニスト又はその溶媒(4.5%β-CD)を投与し、tail-flick試験法により鎮痛作用(tail-flick反応潜時の変化)を測定した。tail-flick反応潜時の測定は、薬物投与前及び投与15、30、60、90及び120分後に行った。各プロットは反応潜時の平均値と標準誤差 (n=8~10)を示す。***; P<0.001 vs. vehicle (Bonferroni multiple comparisons test)
図8図8は糖尿病マウスにおけるオピオイドδ受容体アゴニストの鎮痛作用の用量反応性を示す。糖尿病マウス及び対照群マウスにオピオイドδ受容体アゴニスト又はその溶媒(4.5%β-CD)を投与し、tail-flick試験法により鎮痛作用(tail-flick反応潜時の変化)を測定した。経時変化の結果より、それぞれの用量で効果が最大となった投与90分後のtail-flick反応潜時から薬物投与前のtail-flick反応潜時を引いたtail-flick反応潜時の差をグラフにした。**; P<0.01, ***; P<0.001 vs. vehicle (t-test)
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明をさらに詳しく説明する。
(1)
本発明は、一つの側面において、次の一般式(I):
【化2】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
一つの実施態様として、上記(1)の本発明が提供する医薬組成物で使用される一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、以下の(2)~(58):
(2)
がC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルである(1)の上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(3)
がシクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルである上記(1)または(2)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(4)
がヒドロキシで置換されたC2-6アルキル;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;又はC1-6アルコキシで置換されたC2-6アルキルである(1)の上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(5)
がアリル、フルオロプロピル、2-(ピリジン-3-イル)エチル、2-(メチルスルホニル)エチル又は2-(アミノスルホニル)エチルである(1)の上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(6)
がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されている5~7員のヘテロ環又は該ヘテロ環にベンゼン環が縮合したヘテロ環である上記(1)~(5)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(7)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシドである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(8)
がピリジン 1-オキシドである上記(1)~(7)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(9)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(10)
がピリジン-2(1H)-オン;1-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オン;又は6-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)若しくは(9)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0014】
(11)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-4(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(12)
がピリジン-4(1H)-オン又は1-C1-6アルキルピリジン-4(1H)-オンである、上記(1)~(6)若しくは(11)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(13)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリダジン-3(2H)-オンである、上記(1)~(6)の何れか1項記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(14)
がピリダジン-3(2H)-オンである、上記(1)~(6)若しくは(13)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(15)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピラジン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(16)
がピラジン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(17)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(18)
が4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記(1)~(6)若しくは(17)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(19)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いキノリン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(20)
がキノリン-2(1H)-オンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0015】
(21)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記(1)~(6)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(22)
がピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記(1)~(6)若しくは(21)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(23)
XがCHである、上記(1)~(22)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(24)
及びRのうち、一方がヒドロキシで、他方が水素である、上記(1)~(23)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(25)
がハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、Rが水素又はヒドロキシで、Rが水素である、上記(1)~(23)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(26)
がヒドロキシ;カルバモイル;又はC1-6アルカノイルオキシで、Rが水素で、Rが水素である、上記(1)~(23)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(27)
がヒドロキシで、Rが水素で、Rが水素である、上記(1)~(23)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(28)
、R及びRが全て水素である、上記(1)~(23)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(29)
6a、R6b、R、R、R及びR10が全て水素である、上記(1)~(28)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0016】
(30)
、R6a、R6b、R、R、R及びR10が水素で、
が水素;C1-6アルキル;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数は3~6で、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数は6~10で、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるアラルキルで、
がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されている5~7員のヘテロ環又は該ヘテロ環にベンゼン環が縮合したヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、
XがCHで、
そして、YがC(=O)であり、
但し、RのC1-6アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、
1~6個のハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、Rのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分が有していても良い置換基を有していても良く、
更にRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い(1)の上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(31)
がC1-6アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルである(1)又は(30)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(32)
がシクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルである、(1)、(30)または(31)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(33)
がヒドロキシで置換されたC2-6アルキル;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;又はC1-6アルコキシで置換されたC2-6アルキルである、(1)又は(30)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(34)
がアリル、フルオロプロピル、2-(ピリジン-3-イル)エチル、2-(メチルスルホニル)エチル又は2-(アミノスルホニル)エチルである、(1)又は(30)に記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(35)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシド、ピリジン-2(1H)-オン、ピリジン-4(1H)-オン、ピリダジン-3(2H)-オン、ピラジン-2(1H)-オン、4H-ピラン-4-オン、2H-ピラン-2-オン、キノリン-2(1H)-オン、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである(1)又は(30)~(34)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(36)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシドである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(37)
がピリジン 1-オキシドである、(1)又は(30)~(36)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(38)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-2(1H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(39)
がピリジン-2(1H)-オン;1-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オン;又は6-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(40)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-4(1H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0017】
(41)
がピリジン-4(1H)-オン又は1-C1-6アルキルピリジン-4(1H)-オンである、(1)、(30)~(35)又は(40)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(42)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリダジン-3(2H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(43)
がピリダジン-3(2H)-オンである、(1)、(30)~(35)又は(42)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(44)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピラジン-2(1H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(45)
がピラジン-2(1H)-オンである、(1)、(30)~(35)又は(44)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(46)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(47)
が4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、(1)、(30)~(35)又は(46)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(48)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いキノリン-2(1H)-オンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(49)
がキノリン-2(1H)-オンである、(1)、(30)~(35)又は(48)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(50)
が1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、(1)又は(30)~(35)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0018】
(51)
がピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、(1)、(30)~(35)又は(50)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(52)
及びRのうち、一方がヒドロキシで、他方が水素である、(1)又は(30)~(51)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(53)
がハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、Rが水素又はヒドロキシである、(1)又は(30)~(51)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(54)
がヒドロキシ;カルバモイル;又はC1-6アルカノイルオキシで、Rが水素である、(1)又は(30)~(51)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(55)
がヒドロキシで、Rが水素である、(1)又は(30)~(51)の何れかに記載の
化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(56)
及びRが水素である、(1)、(30)~(51)の何れかに記載の化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;
【0019】
(57)
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリダジン-3(2H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)キノリン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-2H-ピラン-2-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-4H-ピラン-4-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-4(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-アセトキシ-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-4(3H)-オン及び
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オンから選択される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物;または
【0020】
(58)
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチル-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オン、
5-クロロ-3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン及び
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンから選択される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物、
のいずれかであってもよい。
【0021】
本件明細書において、
1-6アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル若しくはヘキシル等が挙げられる。
1-10アルキルとしては、上記のC1-6アルキルで例示したものの他、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルとしては、2-クロロエチル、2-フルオロエチル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロエチル、トリフルオロメチル又は3,3,3-トリフルオロプロピル等が挙げられる。
2-6アルケニルとしては、2-プロペニル又は3-メチル-2-ブテニル等が挙げられる。
シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のC3-6シクロアルキルで置換されたメチル、エチル等が挙げられる。
アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるアラルキルとしては、ベンジル基又はフェネチル基が挙げられる。
3-6シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等が挙げられる。
6-10アリールとしては、フェニル又はナフチル等が挙げられる。
N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリールとしては、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル又はチアゾリル等が挙げられる。
ヘテロアリールはN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるヘテロアリールアルキルとしては、(ピリジン-2-イル)メチル、(ピリジン-3-イル)メチル、(ピリジン-4-イル)メチル、(フラン-2-イル)メチル、(フラン-3-イル)メチル、(イミダゾール-2-イル)メチル、(イミダゾール-4-イル)メチル、(イミダゾール-5-イル)メチル、(チアゾール-2-イル)メチル、(チアゾール-4-イル)メチル、(チアゾール-5-イル)メチル、2-(ピリジン-2-イル)エチル、2-(ピリジン-3-イル)エチル、2-(ピラゾール-1-イル)エチル、2-(チオフェン-2-イル)エチル、又は2-(チオフェン-3-イル)エチル、等が挙げられる。
【0022】
1-6アルカノイルとしては、アセチル又はプロピオニル等が挙げられる。
1-6アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ又はプロポキシ等が挙げられる。
1-6アルカノイルオキシとしては、アセトキシ等が挙げられる。
アルコキシ部分の炭素原子数は1~6であるアルコキシカルボニルとしては、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル等が挙げられる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素等が挙げられる。
1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシとしては、フルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシ等が挙げられる。
1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシとしては、上記の1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシの他、テトラフルオロエトキシ等が挙げられる。
アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキルとしては、ベンジル等が挙げられる。
6-10アリールオキシとしては、フェノキシ等が挙げられる。
1-8アルキルアミノとしては、メチルアミノ、エチルアミノ等が挙げられる。
アシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノとしては、アセチルアミノ等が挙げられる。
6-10アリールアミノとしては、フェニルアミノ等が挙げられる。
アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイルとしては、エチルカルバモイル等が挙げられる。
アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイルとしては、ジエチルカルバモイル等が挙げられる。
アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニルとしては、メチルスルホニル等が挙げられる。
アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニルとしては、メチルスルフィニル等が挙げられる。
アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオとしては、メチルチオ等が挙げられる。
アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルとしては、ベンゾイル等が挙げられる。
11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって形成してもよい5~7員環としては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。
【0023】
のN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し
、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環としては、
(A)ピリジン 1-オキシド、2-メチルピリジン 1-オキシド等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシド、
(B)ピリジン-2(1H)-オン、1-メチルピリジン-2(1H)-オン、1-エチルピリジン-2(1H)-オン、6-メチルピリジン-2(1H)-オン、6-エチルピリジン-2(1H)-オン又は6-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-オン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-2(1H)-オン、
(C)ピリジン-4(1H)-オン、1-メチルピリジン-4(1H)-オン、1-エチルピリジン-4(1H)-オン又は1-(フルオロエチル)ピリジン-4(1H)-オン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-4(1H)-オン、
(D)ピリダジン-3(2H)-オン、2-メチルピリダジン-3(2H)-オン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリダジン-3(2H)-オン、
(E)ピラジン-2(1H)-オン、1-メチルピラジン-2(1H)-オン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピラジン-2(1H)-オン
(F)4H-ピラン-4-オン、3-メチル-4H-ピラン-4-オン、2H-ピラン-2-オン、5-メチル-2H-ピラン-2-オン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い4H-ピラン-4-オン、2H-ピラン-2-オン
(G)キノリン-2(1H)-オン、6-メチルキノリン-2(1H)-オン、キノリン-1-オキシド、4―メチルキノリン-1-オキシド等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いキノリン-2(1H)-オン、キノリン-1-オキシド、
(H)ピリミジン-4(3H)-オン、ピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオン等の1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリミジン-4(3H)-オン、ピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオン等が挙げられる。
【0024】
上記一般式(I)で表される化合物の互変異性体としては、上記RのN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環における互変異性体が挙げられ、例えばRの2-ピリドン(ラクタム)と対応する2-ヒドロキシピリジン(ラクチム型)が該当する。
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、薬学的に許容される塩としては、好ましくは酸付加塩が挙げられ、酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸又は無機酸との塩が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、立体異性体としてはシス、トランス異性体、ラセミ体や光学活性体等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物において、溶媒和物としては、本発明の化合物又はその塩の医薬上許容される溶媒和物で、水和物も含む。
また上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物には、体内あるいは目標部位に到達してから薬理活性物質に変換され、薬理効果を発揮(活性化)するように化学的に修飾されたプロドラッグであっても良い。
かかるプロドラッグとしては、例えばプロドラッグを構成する基が水酸基に存在する場合、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基等の通常の水酸基の保護基が挙げられ、窒素原子に存在する場合、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基等の通常のアミノ基の保護基、あるいはカルボン酸部位に導入されるプロドラッグ基、例えばピバロイルオキシメチル(tBu-C(O)O-CH2-)基、メドキソミル(Medoxomil)基、シレキシチル基等が挙げられる。
さらにまた上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物には、重水素などの安定同位体で置換されていても良い。
【0025】
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の製造方法を次に示す。

本明細書で使用される略号は以下のとおりである。

略号表
Boc: tert-ブトキシカルボニル
CPM: シクロプロピルメチル
DMA: N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP: N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
HATU: 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-
トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド
ヘキサフルオロホスフェート
HOAt: 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBT: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me: メチル
Ms: メシル
Ph: フェニル
TBS: tert-ブチルジメチルシリル
THF: テトラヒドロフラン
TLC: 薄層クロマトグラフィー
Ts: トシル
WSC: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
【0026】
(製造方法)
上記一般式(I)で表される化合物で、R 、R 6a 、R 6b 、R 、R 、R 及びR 10 が水素である本発明が提供する化合物

本発明が提供する化合物である下記の化合物(I)は、例えば下記の化合物(I-A)から化合物(I)への脱保護反応によって得ることができる。
【0027】
【化3】
【0028】
[式中、R1a、R2a、R3a及びR4aは、脱保護反応によってそれぞれ上記一般式(I)のR、R、R及びRへ変換可能な任意の官能基であり、また、R1aはそれ自体がRであり、R2aはそれ自体がRであり、R3aはそれ自体がRであり、また、R4aはそれ自体がRである場合もありうる。その他の記号は前記と同義とする。]
【0029】
上記の製造方法において、上記化合物(I)は上記化合物(I-A)に対して必要に応じて適当な公知の一般的な脱保護反応によりR1aをRに変換、R2aをRに変換、R3aをRに変換あるいはR4aをRに変換することにより導くことができる。例えば上記化合物(I-A)中のR1a、R2a、R3aあるいはR4aがメチル基で保護された水酸基を含む場合には、上記化合物(I-A)に対して、(1)ジクロロメタン中、三臭化ホウ素を作用させる方法、あるいは(2)上記化合物(I-A)を大過剰のピリジン塩酸塩とともに無溶媒中で加熱する方法によって保護基であるメチル基を除去することができ上記化合物(I)へと導くことができる。
また、上記化合物(I-A)中のR1a、R2a、R3aあるいはR4aがtert-ブチルジメチルシリル(TBS)基で保護された水酸基を含む場合には、上記化合物(I-A)に対して(3)適当な溶媒に溶解したアンモニアを作用させる方法、あるいは(4)適当な溶媒に溶解した塩化水素を作用させる方法、あるいは(5)THF中、フッ化テトラブチルアンモニウムを作用させるなどの方法により保護基であるTBS基を除去することができ上記化合物(I)へと導くことができる。
1a、R2a、R3aあるいはR4aがそれぞれその他の保護基で保護された官能基を含む場合には、例えばPeter G.M. Wuts著 「Green‘s Protective Groups in Organic Synthesis (5th edition; A John Wiley & Son’s, Inc, Pubication)に解説されている一般的な脱保護条件により上記化合物(I-A)を上記化合物(I)に導くことができる。
これらR1a、R2a、R3aおよびR4aが各々、異なる保護基を有しており、それらがそれぞれ異なる条件下で除去される必要がある場合には、各々の保護基の除去に適切な異なった条件を連続して行い、多段階の脱保護反応として上記化合物(I-A)を上記化合物(I)に導く場合もありうる。
【0030】
上記化合物(I-A)は、例えば以下に示す反応式中の下記化合物(I-B)に対する一般的なアシル化反応によって得ることができる。
【0031】
【化4】
【0032】
[式中、R1a、R2a、R3a及びR4aは、脱保護反応によってそれぞれ上記一般式(I)のR、R、R及びRへ変換可能な任意の官能基であり、また、R1aはそれ自体がRであり、R2aはそれ自体がRであり、R3aはそれ自体がRであり、また、R4aはそれ自体がRである場合もありうる。Lは一般的なアシル化剤の脱離基を表す。その他の記号は前記と同義とする。]
【0033】
上記の製造方法において、必要に応じてHOBT、DMAPなどの添加剤、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で上記化合物(I-B)、カルボン酸(R2aCOOH)およびHATU、WSCなどの縮合剤を作用させることによって上記化合物(I-A)を得ることができる。
また、上記化合物(I-B)とカルボン酸クロリド(R2aCOCl;式中のL=Cl)あるいはカルボン酸無水物(式中のL=-OC(O)R2a)を、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、あるいはピリジンなどの塩基の存在下で作用させることによって上記化合物(I-A)を得ることができる。
3aが水酸基(OH)である場合には、上図式中のアシル化反応において望むアミド化反応に加え、R3a水酸基に対するアシル化が副反応として進行し、反応系中で上記化合物(I-A)におけるR3a= -OC(O)R2aとなる生成物が一時的に副生するが、反応溶液を2規定アンモニア/メタノール溶液などで処理することにより、後処理過程でR3a=OHへと再変換され、結果的に上記化合物(I-B)における第2級アミンへの選択的なアミド化が進行した上記化合物(I-A)を得ることができる。
その他にもChristian A.G.N. Montalbetti, et al, Tetrahedron,61(46),2005,10827-10852.で解説されている縮合反応によっても上記化合物(I-B)および対応するカルボン酸(R2a-COOH)から上記化合物(I-A)を合成することができる。
【0034】
上記化合物(I-B)は、例えば特許文献WO2013/035833に記載の化合物8(実施例4:R1a=CPM,X=O,R3a=OMe,R4a=H)、化合物33(実施例29:R1a=Me,X=O,R3a=OMe,R4a=H)、化合物67(実施例60:R1a=CPM,X=O,R3a=H,R4a=OH)、化合物77(実施例67:R1a=CPM,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物116(実施例101:R1a=CPM,X=CH,R3a=H,R4a=OH)、化合物130(実施例106:R1a=PhCFCH,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物185(実施例143:R1a=TBSOCHCH,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物189(実施例144:R1a=(R)-MeCH(OH)CH,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物350(実施例261:R1a=(S)-MeCH(OH)CH,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物291(実施例224:R1a=CPM,X=CH,R3a=H,R4a=OMe)、化合物297(実施例228:R1a=CPM,X=CH,R3a=H,R4a=H)、WO2014/136305に記載の化合物29(実施例27:R1a=BocNHCHCH,X=CH,R3a=OTBS,R4a=H)、あるいは化合物68(実施例34:R1a=Boc,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)を使用するか、あるいは、上記特許文献記載の方法により公知の官能基変換および脱保護反応を組み合わせることにより、望む上記化合物(I-A)を合成することができる。
【0035】
下記化合物(I-A)は、例えば以下に示す反応式中の下記化合物(I-C)に対する一般的なアルキル化反応によっても得ることができる。
【0036】
【化5】
【0037】
[式中、式中、R1a、R2a、R3a及びR4aは、脱保護反応によってそれぞれ上記一般式(I)のR、R、R及びRへ変換可能な任意の官能基であり、また、R1aはそれ自体がRであり、R2aはそれ自体がRであり、R3aはそれ自体がRであり、また、R4aはそれ自体がRである場合もありうる。Lは一般的なアルキル化反応の脱離基を表す。R1’aはR1’a-CH=R1aとなるような置換基を表す。その他の記号は前記と同義とする。]
【0038】
上記製造方法において、上記化合物(I-C)に対して、必要に応じて酢酸などの添加剤の存在下、対応するアルデヒド(R1’a-CHO;R1’aはR1’a-CH=R1aとなるような置換基を表す。)とナトリウムトリアセトキシボロヒドリドあるいはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を適切な溶媒中で作用させることにより上記化合物(I-A)を合成することができる。
また、DMFあるいはアルコールなどの極性溶媒中で上記化合物(I-C)に対して、対応するアルキル化剤(R1a-L: LはCl,Br,IなどのハロゲンあるいはOMs,OTsなどの適当な脱離基を表す。)を炭酸カリウムなどの塩基存在下で作用させることにより上記化合物(I-A)を合成することができる。
【0039】
その他にも上記化合物(I-C)に対するR1a基の導入は上記に記載する反応に限ることなく、多段階反応を含む公知の一般的なアミノ基に対するアルキル基の導入反応を適用し上記化合物(I-C)を上記化合物(I-A)に導くことができる。
【0040】
上記化合物(I-C)は、例えば特許文献WO2013/035833に記載の化合物11(実施例7:R2a=Ph,X=O,R3a=OMe,R4a=H)、化合物81(実施例71:R2a=Ph,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物121(実施例104:R2a=Ph,X=CH,R3a=OTBS,R4a=H)、化合物149(実施例120:R2a=2-pyridil,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物116(実施例101:R1a=CPM,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)、化合物217(実施例163:R2a=CF,X=CH,R3a=OMe,R4a=H)の合成法に準じた方法に従って、上記の文献記載の適切な出発原料から公知の官能基変換および脱保護反応を組み合わせることにより合成することができる。
本発明が提供する化合物である上記一般式(I)で表される化合物のその他の化合物についても、上記製造方法、後記実施例に記載の方法、更には上記の特許文献4~6、及び非特許文献1等を組み合わせることにより製造することができる。
【0041】
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、μおよびκオピオイド受容体に比較して、オピオイドδ受容体に対して優れた作動活性及び選択性を示す。
よって、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、オピオイドδ受容体アゴニスト作用を発揮する医薬組成物に利用可能である。
また、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、hERG(ヒトether-a-go-go関連遺伝子)カリウムチャネルに対し、弱い阻害作用しか示さない。
よって、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、ヒトにおける心室再分極の遅延及びQT間隔の延長のリスクが低い医薬組成物に利用可能である。
さらに、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、ヒト肝ミクロソームによる代謝に対して優れた安定性を示す。
よって、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、経口投与用医薬組成物に利用可能である。
また、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、うつ、不安等の動物モデルで脳内に作用して薬効を発揮するから、脳内移行性が良いと考えられる。
【0042】
本発明が提供する医薬組成物は、ヒトまたはその他の哺乳動物に経口または非経口で投与され、非経口投与の例には、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、関節内投与、経粘膜投与、直腸投与が挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物は、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を、そのまま、又は薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP))、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca))、希釈剤(例えば、注射用水、生理食塩水)、及び必要な場合は添加剤(例えば、pH調整剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤)と混合して調製されてもよく、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の製剤であり得る。例えば、錠剤とするには、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を、賦形剤(例えば、乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca))、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP))、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)等と混合して製剤化されてもよい。例えば、注射剤とするには、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を、分散剤(例えば、Tween80等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖)、pH調整剤(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム)等と混合して製剤化されてもよい。
【0043】
本発明が提供する医薬組成物は、疼痛の治療又は予防に有効な量の上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含むことができる。
好ましい実施態様において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物は、病的な痛みに対して特異的に治療又は予防効果を発揮することができる。
好ましい実施態様において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物は、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量では、正常時の疼痛閾値に対して影響を与えない。例えば、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量の3倍、10倍、30倍又は100倍の用量で正常時の疼痛閾値に対して影響がない。
好ましい実施態様において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物は、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量では、正常な痛み(例えば、ヒトの日常において危険回避に役立つ痛み)に対して鎮痛効果を発揮しない。例えば、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量の3倍、10倍、30倍又は100倍の用量で正常な痛み(例えば、ヒトの日常において危険回避に役立つ痛み)に対して鎮痛効果を発揮しない。
好ましい実施態様において、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物は、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量では、健常人の疼痛閾値に対して影響を与えない。例えば、病的な痛みに対して治療又は予防効果を発揮する用量の3倍、10倍、30倍又は100倍の用量で健常人の疼痛閾値に対して影響がない。
【0044】
上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の投与量は、塩の種類、投与方法、投与対象の症状、年齢等によって適宜決定され得る。例えば、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を体重60kgのヒトに投与する場合は、1回あたり、0.01~2000mg、好ましくは0.1~150mg、より好ましくは1~15mgで投与されてもよい。投与は1~3回/日であってもよい。また、例えば、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物をヒトに経口投与する場合は、1μg~10g/日、好ましくは0.01~2000mg/日、より好ましくは0.1~100mg/日投与されてもよく、ヒトに静脈内投与する場合は、0.1μg~1g/日、好ましくは0.001~200mg/日投与されてもよい。1日1~3回に分けて投与されてもよい。
【0045】
また、上記一般式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、その他の薬剤(例えば、鎮痛薬(例えば、非ステロイド性抗炎症薬)、抗うつ薬・抗不安薬(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬))と併用することができる。併用は、同時投与(例えば、配合剤として投与)、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間をおいて投与(例えば、別個製剤化されたものを投与)することにより達成されてもよい。
【0046】
本発明が提供する医薬組成物は、鎮痛剤として、疼痛全般の治療及び/又は予防に有用である。
疼痛にはいろいろな分類があるが、期間や性質の観点からは、急性疼痛と慢性疼痛に分けられる。急性疼痛は、傷害の強さや範囲に対する最も重要な生物学的信号であり、急性疼痛の例には、組織の傷害や炎症等によって放出される発痛物質によって引き起こされ、損傷の治療とともに解除される侵害受容性疼痛が挙げられる。慢性疼痛は、急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛みであり、慢性疼痛の例には、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性神経障害に伴う疼痛等の神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛が挙げられる。原因の観点からは、疼痛は、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛及び心因性疼痛に分けられる。侵害受容性疼痛は、肩関節周囲炎、腱鞘炎、関節リウマチ、頭痛、歯痛、打撲、切り傷等が挙げられる。神経障害性疼痛は、神経が障害されることで起こる痛みであり、帯状疱疹後疼痛、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、坐骨神経痛、抗がん剤服用による末梢神経障害に伴う疼痛等の末梢神経障害性疼痛と、脳卒中後疼痛や脊髄損傷後疼痛、多発性硬化症に伴う疼痛等の中枢神経障害性疼痛が挙げられる。心因性疼痛は、不安や社会生活で受けるストレスなど、心理・社会的な要因で起こる痛みである。
【0047】
本発明が提供する医薬組成物が治療及び/又は予防に有用な疼痛及び疼痛を伴う疾患の具体例を以下に挙げる:幻肢痛、断端痛、複合性局所疼痛症候群、ポリニューロパチー、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、HIV感染による疼痛、傍腫瘍性疼痛、舌咽神経痛、後頭神経痛、神経根傷害、神経叢損傷、術後瘢痕症候群、内臓痛、火傷(日焼けを含む)、狭心痛、髄節又は肋間神経痛、化学療法誘導神経障害から生ずる疼痛、関節リウマチに伴う痛み、変形性関節症に伴う痛み、頭痛、片頭痛、口腔顔面痛、歯痛、舌痛症、顎関節症に伴う痛み、三叉神経痛、肩痛、椎間板ヘルニアに伴う痛み、変形性頚椎症に伴う痛み、脊柱管狭窄症に伴う痛み、胸郭出口症候群に伴う痛み、腕神経叢引き抜き症候群に伴う痛み、肩手症候群、むち打ち症に伴う痛み、胸痛、腹痛、疝痛、胆石症に伴う痛み、膵炎に伴う痛み、尿路結石症、過敏性腸症候群に伴う痛み、腰背部痛、坐骨神経痛、骨折に伴う痛み、骨粗鬆症に伴う痛み、関節痛、痛風に伴う痛み、馬尾症候群に伴う痛み、強直性脊椎炎症に伴う痛み、筋肉痛、有痛性痙攣、筋筋膜痛症候群、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群、閉塞性動脈硬化症に伴う痛み、バージャー病に伴う痛み、レイノー現象に伴う痛み、帯状疱疹後疼痛、カウザルギー、絞扼性神経障害に伴う痛み、手根管症候群に伴う痛み、糖尿病に伴う痛み、ギランバレー症候群に伴う痛み、ハンセン病に伴う痛み、薬物療法に伴う痛み、放射線療法に伴う痛み、脊髄損傷後疼痛、脊髄空洞症に伴う痛み、脳卒中後疼痛(視床痛を含む)、求心路遮断痛、交感神経依存性疼痛、ABC症候群、多発性硬化症、皮膚疾患に伴う痛み、がん性疼痛、手術痛、術後痛、外傷に伴う痛み、壊疽に伴う痛み、身体表現性障害に伴う痛み、身体化障害に伴う痛み、鬱病に伴う痛み、パーキンソン病に伴う痛み、膝関節痛、関節炎に伴う痛み、生理痛、中間痛、陣痛、分娩痛、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性疼痛、過活動膀胱、膀胱炎、前立腺炎、前立腺痛、腰痛。
【0048】
好ましくは、本発明が提供する医薬組成物は、糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛、帯状疱疹後疼痛、脊髄損傷後疼痛、脳卒中後疼痛、多発性硬化症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛及び線維筋痛症に伴う疼痛、頭痛の治療及び/又は予防に使用される。頭痛は、慢性頭痛及び急性頭痛を含み、頭痛は、好ましくは片頭痛であり、例えば、一過性の片頭痛(episodic migraine)又は前兆のある片頭痛である。また、本発明が提供する医薬組成物は、頭痛に伴ううつ及び/又は不安の症状の治療に有用である。
【0049】
本発明が提供する医薬組成物は、抗うつ及び/又は抗不安効果を有することから、上記の疼痛の軽減及び/又は緩和に加えて、疼痛に伴う、うつ及び/又は不安の症状の寛解にも有用である。よって、本発明が提供する医薬組成物は、疼痛に伴う、うつ及び/又は不安の症状の治療又は予防用医薬組成物であり得る。また、本発明が提供する医薬組成物は、うつ及び/又は不安の症状を伴う疼痛の治療又は予防用医薬組成物であり得る。
例えば、線維筋痛症は、全身の耐え難い慢性疼痛を中核症状としてうつや不安等の感情障害を随伴症状として伴う。本発明が提供する医薬組成物は、線維筋痛症の疼痛の軽減及び/又は緩和に加えて、疼痛に伴う、うつ及び/又は不安の症状の寛解にも有用である。よって、本発明が提供する医薬組成物は、線維筋痛症のうつ及び/又は不安の症状の治療又は予防用医薬組成物であり得る。
また、本発明が提供する医薬組成物は、パーキンソン病及び過活動膀胱において、その中核症状の治療又は予防に有効であるが、それに加え、これらの疾患に伴う疼痛の治療又は予防にも有効である。よって、本発明が提供する医薬組成物は、パーキンソン病または過活動膀胱に伴う疼痛の治療又は予防用医薬組成物であり得る。
【0050】
本発明はまた、以下の1)~71)の実施態様を提供する:
1)
哺乳類対象(例えば、ヒト)における疼痛の治療又は予防方法であって、疼痛の治療又は予防が必要な対象に有効量の一般式(I):
【化6】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物を投与する工程を含む方法;
2)
疼痛の治療又は予防に使用するための、一般式(I):
【化7】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物の使用;
3)
疼痛の治療又は予防用医薬組成物を製造するための、一般式(I):
【化8】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の使用;
4)
疼痛の治療又は予防用医薬組成物であって、
【化9】
(式中、Rは水素;C1-10アルキル;C6-10アリール;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;C3-6シクロアルキル;又はヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルを表し、
はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されているヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
、R及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ニトロ;アミノ;C1-8アルキルアミノ;C6-10アリールアミノ又はアシル部分の炭素原子数が2~6であるアシルアミノを表し、
6a及びR6bは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表すか、又はR6a及びR6bが一緒になって=Oを表し、
及びRは同一又は異なって、水素;フッ素又はヒドロキシを表し、
及びR10は同一又は異なって、水素;C1-6アルキル;C6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキル;ヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル又はC2-6アルケニルを表し、
XはO又はCHを表し、
そして、YはC(=O)を表す。
但し、RのC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分;並びにヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、RのC6-10アリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R、R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分;及びC6-10アリールアミノのアリール部分;並びにR及びR10のC6-10アリール;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;アリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;及びヘテロアリール部分がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含み、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのC6-10アリールが有していても良い置換基を有していても良く、
更にRがC1-10アルキルの場合、NR1112で置換されていても良く、ここでR11及びR12は同一又は異なって、水素;C1-10アルキル;若しくはアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルであるか、又はR11とR12と、R11及びR12が結合している窒素原子、更に所望により1~2個のヘテロ原子とが一緒になって5~7員環を形成してもよく、そしてまたRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い。)
で表される化合物、該化合物の互変異性体、立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含む医薬組成物;
5)
疼痛が、神経障害性疼痛(例えば、末梢性神経障害性疼痛又は中枢性神経障害性疼痛)である、上記1)~4)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
6)
疼痛が、糖尿病性神経障害に伴う疼痛である、上記1)~5)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
7)
疼痛が、線維筋痛症に伴う疼痛である、上記1)~5)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
8)
疼痛が、頭痛である、上記1)~4)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
9)
疼痛が、片頭痛である、上記1)~4)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
10)
疼痛が、幻肢痛、断端痛、複合性局所疼痛症候群、ポリニューロパチー、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、HIV感染による疼痛、傍腫瘍性疼痛、舌咽神経痛、後頭神経痛、神経根傷害、神経叢損傷、術後瘢痕症候群、内臓痛、火傷(日焼けを含む)、狭心痛、関節リウマチに伴う痛み、変形性関節症に伴う痛み、頭痛、片頭痛、口腔顔面痛、歯痛、舌痛症、顎関節症に伴う痛み、三叉神経痛、肩痛、椎間板ヘルニアに伴う痛み、変形性頚椎症に伴う痛み、脊柱管狭窄症に伴う痛み、胸郭出口症候群に伴う痛み、腕神経叢引き抜き症候群に伴う痛み、肩手症候群、むち打ち症に伴う痛み、胸痛、腹痛、疝痛、胆石症に伴う痛み、膵炎に伴う痛み、尿路結石症、過敏性腸症候群に伴う痛み、腰背部痛、坐骨神経痛、骨折に伴う痛み、骨粗鬆症に伴う痛み、関節痛、痛風に伴う痛み、馬尾症候群に伴う痛み、強直性脊椎炎症に伴う痛み、筋肉痛、有痛性痙攣、筋筋膜痛症候群、線維筋痛症に伴う疼痛、複合性局所疼痛症候群、閉塞性動脈硬化症に伴う痛み、バージャー病に伴う痛み、レイノー現象に伴う痛み、帯状疱疹後疼痛、カウザルギー、絞扼性神経障害に伴う痛み、手根管症候群に伴う痛み、糖尿病に伴う痛み、ギランバレー症候群に伴う痛み、ハンセン病に伴う痛み、薬物療法に伴う痛み、放射線療法に伴う痛み、脊髄損傷後疼痛、脊髄空洞症に伴う痛み、脳卒中後疼痛(視床痛を含む)、求心路遮断痛、交感神経依存性疼痛、ABC症候群、多発性硬化症、皮膚疾患に伴う痛み、がん性疼痛、手術痛、術後痛、外傷に伴う痛み、壊疽に伴う痛み、身体表現性障害に伴う痛み、身体化障害に伴う痛み、鬱病に伴う痛み、パーキンソン病に伴う痛み、膝関節痛、関節炎に伴う痛み、生理痛、中間痛、陣痛、分娩痛、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、心因性疼痛、過活動膀胱、膀胱炎、前立腺炎、及び前立腺痛
からなる疼痛及び疾患に伴う疼痛の群より選択される、上記1)~4)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
11)
医薬組成物が、健常人の疼痛閾値に影響を及ぼさない量の式(I)の化合物を含む、上記1)~10)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
12)
医薬組成物が、病的な痛みに対して特異的に治療又は予防効果を発揮する量の式(I)の化合物を含む、1)~11)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
13)
医薬組成物が、その含有量の10倍未満の量では正常な痛みに対して鎮痛効果を発揮しない、1)~12)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
14)
医薬組成物が、0.1~150mg(例えば、1~15mg)の式(I)の化合物を含む、上記1)~13)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
15)
式(I)の化合物において、RがC1-10アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルである、上記1)~14)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
16)
式(I)の化合物において、Rがシクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルである、上記1)~15)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
17)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシで置換されたC2-6アルキル;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;又はC1-6アルコキシで置換されたC2-6アルキルである、上記1)~14)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
18)
式(I)の化合物において、Rがアリル、フルオロプロピル、2-(ピリジン-3-イル)エチル、2-(メチルスルホニル)エチル又は2-(アミノスルホニル)エチルである、上記1)~14)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
19)
式(I)の化合物において、RがN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されている5~7員のヘテロ環又は該ヘテロ環にベンゼン環が縮合したヘテロ環である、上記1)~18)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
20)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシドである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
21)
式(I)の化合物において、Rがピリジン 1-オキシドである、上記1)~20)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
22)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-2(1H)-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
23)
式(I)の化合物において、Rがピリジン-2(1H)-オン;1-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オン;又は6-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オンである、上記1)~19)、22)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
24)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-4(1H)-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
25)
式(I)の化合物において、Rがピリジン-4(1H)-オン又は1-C1-6アルキルピリジン-4(1H)-オンである、上記1)~19)及び24)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
26)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリダジン-3(2H)-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
27)
式(I)の化合物において、Rがピリダジン-3(2H)-オンである、上記1)~19)、26)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
28)
式(I)の化合物において、RがC1-10アルキル及び1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピラジン-2(1H)-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
29)
式(I)の化合物において、Rがピラジン-2(1H)-オンである、上記1)~19)、28)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
30)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
31)
式(I)の化合物において、Rが4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記1)~19)、30)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
32)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いキノリン-2(1H)-オンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
33)
式(I)の化合物において、Rがキノリン-2(1H)-オンである、上記1)~19)、32)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
34)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記1)~19)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
35)
式(I)の化合物において、Rがピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記1)~19)、34)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
36)
式(I)の化合物において、XがCHである、上記1)~35)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
37)
式(I)の化合物において、R及びRのうち、一方がヒドロキシで、他方が水素である、上記1)~36)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
38)
式(I)の化合物において、Rがハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、Rが水素又はヒドロキシで、Rが水素である、上記1)~36)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
39)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシ;カルバモイル;又はC1-6アルカノイルオキシで、Rが水素で、Rが水素である、上記1)~36)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
40)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシで、Rが水素で、Rが水素である、上記1)~36)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
41)
式(I)の化合物において、R、R及びRが全て水素である、上記1)~36)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
42)
式(I)の化合物において、R6a、R6b、R、R、R及びR10が全て水素である、上記1)~41)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
43)
式(I)の化合物において、R、R6a、R6b、R、R、R及びR10が水素で、
が水素;C1-6アルキル;C2-6アルケニル;シクロアルキル部分の炭素原子数は3~6で、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数は6~10で、アルキレン部分の炭素原子数は1~5であるアラルキルで、
がN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を環構成原子として含み、そして隣接する環構成原子の少なくとも1組は2重結合を有し、さらに少なくとも1つのオキソ基で置換されている5~7員のヘテロ環又は該ヘテロ環にベンゼン環が縮合したヘテロ環を表し、
ここで、RはRの環構成原子である炭素原子を介してYと結合し、
及びRは同一又は異なって、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、
XがCHで、
そして、YがC(=O)であり、
但し、RのC1-6アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルのアルキレン部分及びシクロアルキル部分;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、1~6個の
ハロゲン;ヒドロキシ;C1-6アルコキシ;C6-10アリールオキシ;C1-6アルカノイル;C1-6アルカノイルオキシ;カルボキシル;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルホニル;アミノスルホニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルスルフィニル;アルキル部分の炭素原子数が1~6であるアルキルチオ;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;アリール部分の炭素原子数が6~10であるアリールカルボニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
そして、Rのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分;R及びRのC6-10アリールオキシのアリール部分は、
1-6アルキル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;ヒドロキシ;アルコキシ部分の炭素原子数が1~6であるアルコキシカルボニル;カルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるアルキルカルバモイル;アルキル部分の炭素原子数は1~6であるジアルキルカルバモイル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルコキシ;フェニル;N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を環構成原子として含むヘテロアリール;フェノキシ;アルキルの炭素原子数が1~3であるフェニルアルキル;メチレンジオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良く、
のヘテロ環は、オキソ基の他、上述したRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアリール部分が有していても良い置換基を有していても良く、
更にRのアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルのアルキレン部分は、フェニル又は1~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていても良い、上記1)~14)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
44)
式(I)の化合物において、RがC1-6アルキル;シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキル;又はアリール部分の炭素原子数が6~10で、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるアラルキルである、上記1)~14)、43)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
45)
式(I)の化合物において、Rがシクロアルキルアルキルであって、シクロアルキル部分の炭素原子数が3~6であり、アルキレン部分の炭素原子数が1~5であるシクロアルキルアルキルである、上記1)~14)、43)、44)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
46)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシで置換されたC2-6アルキル;1~6個のハロゲンで置換されたC1-6アルキル;又はC1-6アルコキシで置換されたC2-6アルキルである、上記1)~14)、43)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
47)
式(I)の化合物において、Rがアリル、フルオロプロピル、2-(ピリジン-3-イル)エチル、2-(メチルスルホニル)エチル又は2-(アミノスルホニル)エチルである、上記1)又は43)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
48)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシド、ピリジン-2(1H)-オン、ピリジン-4(1H)-オン、ピリダジン-3(2H)-オン、ピラジン-2(1H)-オン、4H-ピラン-4-オン、2H-ピラン-2-オン、キノリン-2(1H)-オン、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記1)~14)、43)~47)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
49)
式(I)の化合物において、RがC1-10アルキル及び1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン 1-オキシドである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
50)
式(I)の化合物において、Rがピリジン 1-オキシドである、上記1)~14)、43)~49)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
51)
式(I)の化合物において、RがC1-10アルキル及び1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-2(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
52)
式(I)の化合物において、Rがピリジン-2(1H)-オン;1-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オン;又は6-C1-6アルキルピリジン-2(1H)-オンである、1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
53)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~4個の置換基で置換されていても良いピリジン-4(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
54)
式(I)の化合物において、Rがピリジン-4(1H)-オン又は1-C1-6アルキルピリジン-4(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)、53)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
55)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピリダジン-3(2H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
56)
式(I)の化合物において、Rがピリダジン-3(2H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)、55)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
57)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いピラジン-2(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
58)
式(I)の化合物において、Rがピラジン-2(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)、57)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
59)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
60)
式(I)の化合物において、Rが4H-ピラン-4-オン又は2H-ピラン-2-オンである、上記1)~14)、43)~48)、59)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
61)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良いキノリン-2(1H)-オンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
62)
式(I)の化合物において、Rがキノリン-2(1H)-オンである、上記1)、43)~48)、61)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
63)
式(I)の化合物において、Rが1~3個のフッ素で置換されたC1-10アルキル及び置換されていないC1-10アルキルから選択される1~3個の置換基で置換されていても良い、ピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記1)~14)、43)~48)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
64)
式(I)の化合物において、Rがピリミジン-4(3H)-オン又はピリミジン-2,4(1H,3H)―ジオンである、上記1)~14)、43)~48)、63)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
65)
式(I)の化合物において、R及びRのうち、一方がヒドロキシで、他方が水素である、上記1)~14)、43)~64)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
66)
式(I)の化合物において、Rがハロゲン;シアノ;カルバモイル;C1-6アルコキシ;C1-6アルカノイルオキシ;アミノ;又はアシル部分の炭素原子数は2~6であるアシルアミノで、Rが水素又はヒドロキシである、上記1)~14)、43)~64)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
67)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシ;カルバモイル;又はC1-6アルカノイルオキシで、Rが水素である、上記1)~14)、43)~64)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
68)
式(I)の化合物において、Rがヒドロキシで、Rが水素である、上記1)~14)、43)~64)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
69)
式(I)の化合物において、R及びRが水素である、上記1)~14)、43)~64)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;
70)
式(I)の化合物が、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリダジン-3(2H)-オン、
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)キノリン-2(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-2H-ピラン-2-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-4H-ピラン-4-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-4(1H)-オン、
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-アセトキシ-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン、
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オン、
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-4(3H)-オン及び
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オンからなる群から選択される化合物である、上記1)~14)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物;及び
71)医薬組成物が、式(I)の化合物に加えて、薬学的に許容される担体を含む、上記1)~70)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物。
72)疼痛が、うつ及び/又は不安を伴う疼痛である、上記1)~71)のいずれかの方法、使用又は医薬組成物。

次に、参考例、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例化合物および参考例化合物の命名はケンブリッジソフト社製 ChemDraw ver.14を用いて描画した構造式を同ソフトウェア搭載の命名アルゴリズムによって英語名として変換した後に日本語翻訳した。
なお、実施例1~34のNMRデータ、質量分析の実測値(ESI+またはESI-)は表1~5に記載した。
【実施例
【0051】
参考例1-1
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オールの合成
【0052】
【化10】
【0053】
300mLの丸底フラスコへ特許文献WO2013/035833 実施例67の方法で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール(372mg,1.02mmol)を加え、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃で20分間激しく撹拌した後、1.0M 三臭化ホウ素/ジクロロメタン溶液(5mL,5mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液へメタノール(10mL)を0℃で加え、同温で1時間撹拌した。
反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をクロロホルム(50mL)に懸濁し、6%アンモニア水溶液(20mL)で洗浄した。水層をクロロホルム(30mL)で2回抽出し、集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮し表題化合物(356mg,100%)を褐色フォームとして得た。
【0054】
[別法]
500mLの丸底フラスコへ特許文献WO2013/035833 実施例67の方法で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール(3.58g,9.82mmol)および塩酸ピリジン(87g,753mmol)を加え、200℃で1時間撹拌した。反応後室温に戻し、生成した固体に飽和炭酸カリウム水溶液を加えて溶解させ、酢酸エチルおよびクロロホルムで抽出し、集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮し表題化合物(3.30g,96%)を褐色フォームとして得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ6.94 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 6.70 (dd, 1H, J = 8.2, 2.8 Hz), 6.50 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 3.73-3.76 (m, 1H), 3.23-3.31 (m, 2H), 3.05-3.12 (m, 2H), 2.77-2.99 (m, 4H), 2.55 (dd, 1H, J = 11.0, 5.0 Hz), 2.31 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 1.91-2.11 (m, 2H), 1.69-1.74 (m, 1H), 1.20-1.45 (m, 3H), 0.93-1.10 (m, 3H), 0.77-0.83 (m, 1H), 0.42-0.51 (m, 2H), 0.05-0.14 (m, 2H).
【0055】
参考例1-2
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドールの合成
【0056】
【化11】
【0057】
200mLの丸底フラスコへ参考例1-1の方法で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(694mg,1.98mmol)を加え、DMF(20mL)に溶解し、室温でイミダゾール(241mg,3.54mmol)およびtert-ブチルジメチルクロロシラン(498mg,3.31mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液中に原料の残存が確認されたため、イミダゾール(529mg,7.77mmol)およびtert-ブチルジメチルクロロシラン(503mg,3.34mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応溶液へ水(150m)を加え酢酸エチルおよびヘキサンの混合溶媒(1:1,100mL)で抽出した。水層へ6%アンモニア水(30mL)を加え塩基性とした後、酢酸エチルおよびヘキサンの混合溶媒(1:1,100mL)で2回抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮した。残渣をメタノール/クロロホルム(濃度勾配 0-50%)次いで10%の濃アンモニア水を含んだメタノール/クロロホルム(濃度勾配 20-50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、25g)で精製し表題化合物(456mg,50%)を黄色シロップとして、また、原料の(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(265mg,38%)を得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ6.94 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 6.65 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.59 (dd, 1H, J = 8.2, 2.8 Hz), 3.49-3.53 (m, 1H), 3.33 (dd, 1H, J = 8.2, 7.8 Hz), 3.08-3.18 (m, 2H), 2.77-2.96 (m, 4H), 2.71 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 2.51-2.55 (m, 1H), 2.30 (d, 2H, J = 6.4 Hz), 1.90-2.03 (m, 2H), 1.63-1.68 (m, 1H), 1.35-1.43 (m, 1H), 0.91-1.13 (m, 14H), 0.77-0.83 (m, 1H), 0.42-0.51 (m, 2H), 0.16 (s, 6H), 0.08-0.10 (m, 2H).
【0058】
実施例1
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシドの合成
【0059】
【化12】
【0060】
50mLの丸底フラスコへ参考例1で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(31mg,87μmol)、2-カルボキシピリジン 1-オキシド(32mg,0.23mmol)、およびHATU(125mg,0.33mmol)を加え、THF(1.5mL)に懸濁した後トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびDMA(200μL)を加え室温で1時間撹拌した。
反応液へ2規定アンモニア/メタノール溶液(2mL)を加え同温で1時間撹拌した。
反応溶液を減圧下、濃縮し得られた残渣を6%アンモニア水に懸濁し、酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―50%)を溶出溶媒としたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、16g)に供し、表題化合物(18mg,44%)を白色固体として得た。
【0061】
実施例2
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシドの合成
【0062】
【化13】
【0063】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(36mg,0.10mmol)、4-カルボキシピリジン 1-オキシド(42mg,0.30mmol)、トリエチルアミン(70μL,0,50mmol)およびHATU(108mg,0.28mmo)を用いて反応を行った。反応溶液を直接メタノールおよび5%のトリエチルアミンを含有した酢酸エチル(濃度勾配:10%―50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し精製した。得られたシロップをメタノールに溶解後、クロロホルムおよびtert-ブチルメチルエーテルを加え粉末化後、濾取し表題化合物(30mg,62%)を微褐色固体として得た。
【0064】
実施例3
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0065】
【化14】
【0066】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(39mg,0.11mmol)、2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(39mg,0.28mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(130mg,0.34mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮し残渣を直接メタノールおよび5%のトリエチルアミンを含有した酢酸エチル(濃度勾配:10%―50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し精製した。得られた残渣を6%アンモニア水から粉末化し表題化合物(13mg,25%)を淡黄色粉末として得た。
【0067】
実施例4
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシドの合成
【0068】
【化15】
【0069】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(34mg,97μmol)、3-カルボキシピリジン 1-オキシド(40mg,0.29mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(125mg,0.33mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮し残渣を直接0.1規定アンモニア/メタノール溶液およびクロロホルム(濃度勾配:0%―50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、25g)に供し精製した。得られたシロップをメタノールに溶解後、tert-ブチルメチルエーテルを加え粉末化した後、濾取し表題化合物(14mg,31%)を微褐色アモルファスとして得た。
【0070】
実施例5
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0071】
【化16】
【0072】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(34mg,96μmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(40mg,0.29mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(132mg,0.35mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を直接0.1規定アンモニア/メタノール溶液およびクロロホルム(濃度勾配:1%―50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し精製した。不純物を取り除くために得られた化合物をクロロホルムに懸濁後、6%アンモニア水で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出後、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮し表題化合物(14mg,30%)を淡黄色粉末として得た。
【0073】
参考例2
1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸の合成
【0074】
【化17】
【0075】
本化合物はWO2006/107254記載の方法に準じた方法で合成した。
50mLの丸底フラスコへ2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(500mg,3.59mmol)を加え、メタノール(5mL)および水(0.8mL)に懸濁させた後、水酸化カリウム(400mg,7.13mmol)を加え100℃で15分撹拌した。反応溶液を室温に戻し、ヨードメタン(2.6mL,41.8mmol)を加え100℃で45分撹拌した後、減圧下、溶媒量が半分になるまで濃縮した。反応溶液に3規定塩酸(20mL)を加え生じた固体を濾過し、水およびアセトニトリルで洗浄した後、減圧下乾燥させることで表題化合物(64.9mg,12%)を白色粉末として得た。
H NMR(CDOD,400MHz):δ8.43 (dd, 1H, J = 6.9, 2.3 Hz), 8.05 (dd, 1H, J = 6.9, 2.3 Hz), 6.65 (t, 1H, J = 6.9 Hz), 3.70 (s, 3H).
【0076】
実施例6
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0077】
【化18】
【0078】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(30mg,86μmol)、参考例2で合成した1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(29mg,0.19mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(75μL,0.43mmol)およびHATU(72mg,0.19mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣を1.4規定アンモニア/メタノール溶液-クロロホルム(濃度:5%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(26.2mg,63%)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0079】
実施例7
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0080】
【化19】
【0081】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(66mg,0.19mmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(83mg,0.59mmol)、トリエチルアミン(150μL,1.10mmol)およびHATU(262mg,0.69mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を直接メタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、10g)に供し精製した。得られたシロップをメタノールに溶解しtert-ブチルメチルエーテルを加え粉末化し表題化合物(83mg,94%)を褐色固体として得た。
【0082】
実施例8
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0083】
【化20】
【0084】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(19mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(48mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFとDMAの替わりにDMFを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮し、残渣を1.4規定アンモニア/メタノール溶液-クロロホルム(濃度:10%)を展開溶媒とした分取TLCに供し精製した後、さらに不純物を取り除くために得られた固体を飽和炭酸カリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、無機物を濾別し、濾液を減圧下、濃縮し表題化合物を得た。得られた化合物は生物活性試験に提供するために実施例32に従い塩酸塩とした。
【0085】
実施例9
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0086】
【化21】
【0087】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(30mg,86μmol)、1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(29mg,0.19mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(75μL,0.43mmol)およびHATU(72mg,0.19mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:10%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(31.1mg,75%)を白色アモルファスとして得た。
【0088】
参考例3
1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸の合成
【0089】
【化22】
【0090】
50mLの丸底フラスコへ6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(500mg,3.59mmol)を加え、メタノール(5mL)および水(0.8mL)に懸濁させた後、水酸化カリウム(400mg,7.13mmol)を加え100℃で15分撹拌した。反応溶液を室温に戻し、ヨードメタン(2.6mL,41.8mmol)を加え100℃で1時間撹拌した後、減圧下、溶媒量が半分になるまで濃縮した。反応溶液に3規定塩酸を加え生じた固体を濾過し、水およびアセトニトリルで洗浄した後、減圧下乾燥し表題化合物(339mg,62%)を白色粉末として得た。
H NMR(DMSO-d6,400MHz):δ7.45 (dd, 1H, J = 9.2, 6.9 Hz), 6.72 (dd, 1H, J = 6.9, 1.4 Hz), 6.59 (dd, 1H, J = 9.2, 1.4 Hz), 3.51 (s, 3H).
【0091】
実施例10
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0092】
【化23】
【0093】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(30mg,86μmol)、参考例3の方法で合成した1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(29mg,0.19mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(75μL,0.43mmol)およびHATU(72mg,0.19mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:10%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(32.7mg,79%)を白色アモルファスとして得た。
【0094】
実施例11
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0095】
【化24】
【0096】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(54mg,0.15mmol)、2-メトキシイソニコチン酸(54mg,0.35mmol)、トリエチルアミン(140μL,1.00mmol)およびHATU(195mg,0.51mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣をクロロホルムに懸濁後、6%アンモニア水で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を10%の濃アンモニア水を含有したメタノールおよびクロロホルムを溶出溶媒としたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、16g)に供し((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-イル)(2-メトキシピリジン-4-イル)メタノン(61mg,82%)を白色固体として得た。
【0097】
H NMR(DMSO-d6,400MHz):δ8.20 (d, 0.6H, J = 6.0 Hz), 8.15 (d, 0.4H, J = 5.0 Hz), 6.88-6.97 (m, 2H), 6.80 (s, 0.6H), 6.74 (s, 0.4H), 6.64 (d, 0.6H, J = 2.8 Hz), 6.56 (dd, 0.6H, J = 8.2, 2.3 Hz), 6.45-6.51 (m, 0.8H), 4.06-4.16 (m, 1H), 3.92 (s, 1.8H), 3.88 (s, 1.2H), 3.64-3.69 (m, 0.6H), 3.43-3.37 (m, 2H), 3.14-3.17 (m, 1H), 2.97-3.09 (m, 1H), 2.82-2.91 (m, 2H), 2.52-2.56 (m, 1H), 2.29-2.31 (m, 2H), 1.88-2.08 (m, 2H), 1.66-1.80 (m, 1H), 1.42-1.57 (m, 1.6H), 1.02-1.23 (m, 2.4H), 0.75-0.96 (m, 2H), 0.42-0.49 (m, 2H), 0.05-0.14 (m, 2H).
100mL丸底フラスコへ上記で得られた((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-イル)(2-メトキシピリジン-4-イル)メタノン(48mg,98μmol)、およびピリジン塩酸塩(2.88g,25mmol)を加え、200℃で10分間、加熱撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、6%アンモニア水に懸濁し酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下、濃縮した。残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、8g)に供し表題化合物(35mg,75%)を白色固体として得た。
【0098】
実施例12
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0099】
【化25】
【0100】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(32mg,90μmol)、2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-カルボン酸・一水和物(35mg,0.20mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(114mg,0.30mmol)を用いて反応を行い、反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮し得られた残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁し、クロロホルムとメタノールの5:1混合溶液で3回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣を10%の濃アンモニア水を含有したメタノールおよびクロロホルム(濃度:25%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(16mg,35%)を白色固体として得た。
【0101】
実施例13
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オンの合成
【0102】
【化26】
【0103】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(32mg,90μmol)、4-オキソ-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(28mg,0.20mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(114mg,0.30mmol)を用いて反応を行い、反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁し、酢酸エチルで3回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣を10%の濃アンモニア水を含有したメタノールおよびクロロホルム(濃度:15%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(19mg,44%)を白色固体として得た。
【0104】
実施例14
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-4(1H)-オンの合成
【0105】
【化27】
【0106】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(32mg,90μmol)、4-オキソ-1,4-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(28mg,0.20mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(114mg,0.30mmol)を用いて反応を行い、反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁し、クロロホルムとメタノールの5:1混合溶液で3回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣を10%の濃アンモニア水を含有したメタノールおよびクロロホルム(濃度:15%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(8mg,20%)を白色固体として得た。
【0107】
実施例15
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0108】
【化28】
【0109】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(32mg,90μmol)、1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸(31mg,0.20mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(114mg,0.30mmol)を用いて反応を行い、反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁し、クロロホルムで3回抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:5%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(41mg,94%)を白色固体として得た。
【0110】
実施例16
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリダジン-3(2H)-オンの合成
【0111】
【化29】
【0112】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(30mg,85.9μmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-カルボン酸(31mg,0.22mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(129mg,0.34mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を6%アンモニア水に懸濁後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、16g)に供し表題化合物(27mg,66%)を白色固体として得た。
【0113】
実施例17
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)キノリン-2(1H)-オンの合成
【0114】
【化30】
【0115】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(33mg,95μmol)、2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸(50mg,0.26mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(128mg,0.34mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を6%アンモニア水に懸濁後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、16g)に供し表題化合物(28mg,56%)を白色固体として得た。
【0116】
実施例18
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-2H-ピラン-2-オンの合成
【0117】
【化31】
【0118】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、2-オキソ-2H-ピラン-5-カルボン酸(18mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(48mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応開始1時間後に反応溶液へ1規定塩酸を加えさらに撹拌した。反応溶液へ炭酸カリウム水溶液を加え反応を停止後、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:5%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(4.0mg,15%)を褐色アモルファスとして得た。
【0119】
実施例19
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-4H-ピラン-4-オンの合成
【0120】
【化32】
【0121】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、4-オキソ-4H-ピラン-2-カルボン酸(18mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(48mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液へ2規定メチルアミン/メタノール溶液(0.3mL,0.6mmol)を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:10%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(4.4mg,16%)を褐色アモルファスとして得た。
【0122】
実施例20
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-4(1H)-オンの合成
【0123】
【化33】
【0124】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、4-オキソ-4H-ピラン-2-カルボン酸(18mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(48mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液への2規定メチルアミン/メタノール溶液(3.0mL,6.0mmol)を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸カリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―10%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、8g)に供し、表題化合物(19mg,68%)を微褐色アモルファスとして得た。
【0125】
実施例21
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オンの合成
【0126】
【化34】
【0127】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-カルボン酸(18mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(48mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFおよびDMAの替わりにジクロロメタンを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を炭酸カリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:5%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し、表題化合物(12.2mg,45%)を微褐色アモルファスとして得た。
【0128】
実施例22
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-アセトキシ-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシドの合成
【0129】
【化35】
【0130】
10mLの試験管へ実施例1で合成した2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド(52mg,0.11mmol)を加えTHF(1mL)に懸濁した後、トリエチルアミン(45μL,0.32mmol)および塩化アセチル(15μL,0.21mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応液中に原料の残存が確認されたため再びトリエチルアミン(45μL,0.32mmol)および塩化アセチル(15μL,0.21mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応溶液へ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え20分間激しく撹拌した後、水層を分離し酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮し表題化合物(51mg,89%)を黄色アモルファスとして得た。
【0131】
実施例23
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0132】
【化36】
【0133】
実施例1と同様の手法に従い、特許文献WO2013/035833に記載の化合物297(実施例228)の方法で調整した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール(27mg,79μmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(18mg,0.16mmol)、トリエチルアミン(50μL,0.36mmol)およびHATU(70mg,0.18mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を6%アンモニア水に懸濁後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―20%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、8g)に供した。得られた化合物をメタノールに溶解し、tert-ブチルメチルエーテルを加え粉末化し表題化合物(24mg,67%)を白色固体として得た。
【0134】
参考例4
3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-カルボン酸の合成
【0135】
【化37】
【0136】
本化合物は特許文献WO2009/033084の方法で合成し1H NMRスペクトルは文献 Syn.Commun.2010.40(20).2988-2999記載のデータと一致した。
50mLの丸底フラスコへ3-アミノピラジン-2-カルボン酸(300mg,2.17mmol)および濃硫酸(1.3mL)を加え、氷浴下、濃硫酸(1.6mL)に溶かした亜硝酸ナトリウム(149mg,2.16mmol)を滴下した後、1時間撹拌した。反応溶液を氷水に加え、激しく撹拌し生じた固体を濾取した。得られた固体を減圧下、60℃で1時間乾燥させることで表題化合物(166mg,55%)を淡黄色結晶として得た。
H NMR(DMSO-d6,400MHz):δ7.80 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 7.64 (d, 1H, J = 3.7 Hz).
【0137】
実施例24
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピラジン-2(1H)-オンの合成
【0138】
【化38】
【0139】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、参考例4で合成した3-オキソ-3,4-ジヒドロピラジン-2-カルボン酸(20mg,0.14mmol)を用いて反応を行った。但し、トリエチルアミンの替わりにHOAt(17mg,0.13mmol)、HATUの替わりにWSC(24mg,0.13mmol)、および溶媒としてTHFの替わりにDMFを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、クロロホルムで抽出し、飽和塩化アンモニア水溶液ついで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:20%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(5.9mg,22%)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0140】
実施例25
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0141】
【化39】
【0142】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-カルボン酸(20mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、トリエチルアミンの替わりにHOAt(17mg,0.13mmol)、HATUの替わりにWSC(24mg,0.13mmol)、および溶媒としてTHFの替わりにDMFを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:5%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供した。不純物を取り除くために得られた化合物をクロロホルムおよびアンモニア水に懸濁させた後濾取し表題化合物(2.5mg,9%)を微褐色アモルファスとして得た。
【0143】
参考例5
1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸の合成
【0144】
【化40】
【0145】
30mLの丸底フラスコへ6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(129mg,925μmol)および1,1-ジエトキシ-N,N-ジメチルメタンアミン(1.5mL)を加え、100℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮した。残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配 0%-20%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸エチル(104mg,58%)を無色油状物質として得た。
上記で得られた1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸エチル(104mg,533μmol)を50mLの丸底フラスコへ加えエタノール(3mL)に溶解した後、5規定水酸化ナトリウム水溶液(200μL,1.0mmol)を加え、55℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで放冷後、5規定 塩酸(400μL,2.0mmol)を加え酸性とした後、減圧下で濃縮した。残渣へエタノール(3mL)を加え、減圧下で濃縮した。残渣をエタノール(3mL)に懸濁した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮し表題化合物(48mg,54%)を無色結晶性固体として得た。
H NMR(DMSO-d6,400MHz):δ7.41 (dd, 1H, J = 9.2, 6.0 Hz), 6.65 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 6.53 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 4.06 (q, 2H, J = 6.9Hz), 1.17 (t, 3H, J = 6.9 Hz).
【0146】
実施例26
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0147】
【化43】
【0148】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(32mg,92μmol)、参考例5で合成した1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(33mg,0.19mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(136mg,0.36mmol)を用いて反応を行った。反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を6%アンモニア水に懸濁後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―20%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、8g)に供した。得られた化合物をメタノールに溶解し、tert-ブチルメチルエーテルを加え粉末化し表題化合物(35mg,76%)を白色固体として得た。
【0149】
実施例27
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリミジン-4(3H)-オンの合成
【0150】
【化42】
【0151】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール(30mg,65μmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸(20mg,0.14mmol)を用いて反応を行った。但し、トリエチルアミンの替わりにHOAt(19mg,0.14mmol)、HATUの替わりにWSC(27mg,0.14mmol)、および溶媒としてTHFの替わりにDMFを用いた。残渣を水に懸濁後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―10%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供した。
100mL丸底フラスコへ上記で得られた固体、メタノール(2mL)、およびアンモニア水溶液を加え室温で3日間撹拌した。反応溶液を濃縮後、残渣をクロロホルムに懸濁後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度:20%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(1.7mg,6%)を白色アモルファスとして得た。
【0152】
参考例6
1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸の合成
【0153】
【化43】
【0154】
ジクロロメタン(3.3mL)およびTHF(3.3mL)に溶解させた2-オキソ-2H-ピラン-5-カルボン酸(200mg,1.43mmol)およびDMAP(17.5mg,143μmol)に対し、WSC(274mg,1.43mmol)およびベンジルアルコール(148μL,1.43mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液へ水を加え不溶物を濾別後、ヘキサンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。集めた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮した。
得られた残渣をエチルアミン 塩酸塩(112mg,1.37mmol)とともにメタノール(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(520μL,3.73mmol)を加え室温で16時間撹拌した。反応後減圧下で濃縮し、得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびヘキサン(濃度勾配 10%-60%)を溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g)に供し1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸 ベンジル(126mg,2ステップ34%)を淡黄色アモルファスとして得た。
上記で得られた1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸 ベンジルをメタノール(2mL)および酢酸エチル(2mL)に溶解させ、10%パラジウムカーボンを加えた後、水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応後不溶物をセライト濾過し得られた溶液を濃縮し、標題化合物(73mg,89%)を淡黄色アモルファスとして得た。
H NMR(CH3OD,400MHz):δ8.43 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 7.95 (dd, 1H, J = 9.6, 2.3 Hz), 6.51 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 4.07 (q, 2H, J = 7.3 Hz), 1.34 (t, 3H, J = 7.3 Hz).
【0155】
実施例28
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-エチルピリジン-2(1H)-オンの合成
【0156】
【化44】
【0157】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(15mg,43μmol)、参考例6で合成した1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(16mg,94μmol)、ジイソプロピルエチルアミン(37μL,0.21mmol)およびHATU(36mg,94μmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHFのみを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し表題化合物(13.3mg,62%)を白色アモルファスとして得た。
【0158】
実施例29
2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド 塩酸塩の合成
【0159】
【化45】
【0160】
50mLの丸底フラスコへ実施例1で合成した2-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン 1-オキシド(79mg,0.17mmol)を加え、エタノール(2mL)に溶解した後、2規定塩酸(1mL)を加え得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下、80℃で18時間乾燥し表題化合物(85mg,99%)を白色アモルファスとして得た。
【0161】
実施例30
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン 塩酸塩の合成
【0162】
【化46】
【0163】
50mLの丸底フラスコへ実施例3で合成した3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン(44mg,93μmol)を加え2規定塩酸(2mL)に溶解し、得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下、100℃で18時間乾燥し表題化合物(40mg,84%)を黄色固体として得た。
【0164】
実施例31
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン 塩酸塩の合成
【0165】
【化47】
【0166】
10mLの試験管へ実施例6で合成した3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(26mg,54μmol)および酢酸エチルを加え、1規定塩酸を用いて抽出し、水層を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下、60℃で1時間乾燥し表題化合物(23mg,83%)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0167】
実施例32
3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オン 塩酸塩の合成
【0168】
【化48】
【0169】
10mLの試験管へ実施例8で合成した3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2(1H)-オンおよび酢酸エチルを加え、1規定塩酸を用いて抽出し、水層を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下乾燥し表題化合物(11mg,実施例8から2工程 39%)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0170】
実施例33
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン 塩酸塩の合成
【0171】
【化49】
【0172】
10mLの試験管へ実施例9で合成した5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(31mg,64μmol)および酢酸エチルを加え、1規定塩酸を用いて抽出し、水層を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下、60℃で2時間乾燥し表題化合物(22mg,67%)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0173】
実施例34
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン 塩酸塩の合成
【0174】
【化50】
【0175】
10mLの試験管へ実施例10で合成した6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(33mg,67μmol)および酢酸エチルを加え、1規定塩酸を用いて抽出し、水層を減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下、60℃で2時間乾燥し表題化合物(33mg,94%)を微褐色アモルファスとして得た。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
【表5】
【0181】
参考例7―1
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボン酸 2,2,2-トリクロロエチルの合成
【0182】
【化51】
【0183】
100mLのナス型フラスコへWO2014136305、実施例34(1)記載の方法で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-メトキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボン酸 2,2,2-トリクロロエチル(972.7mg,2.00mmol)を加え、塩化メチレン(20mL)に溶解した。反応溶液を0℃に冷却した後、激しく撹拌しながら1M 三臭化ホウ素/塩化メチレン溶液(6mL)を加えた後、室温まで昇温しながら1時間撹拌した。
反応溶液へ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加えた後、クロロホルム(20mLx3)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮し、表題化合物(1.04g, >100%)を白色フォーム状物質として得た。粗生成物はこれ以上の精製を行うことなくこのまま次の反応に用いた。
【0184】
参考例7-2
(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-14-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボン酸 2,2,2-トリクロロエチルの合成
【0185】
【化52】
【0186】
100mLのナス型フラスコへ参考例7-1で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボン酸 2,2,2-トリクロロエチル(1.04g)を加え、THF(20mL)に溶解した。得られた溶液へトリエチルアミン(2.79mL,20mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(1.41mL,10mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)で希釈した後、酢酸エチル(30mLx2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮し、表題化合物(1.46g, >100%)を白色フォーム状物質として得た。粗生成物はこれ以上の精製を行うことなくこのまま次の反応に用いた。
【0187】
参考例7-3
2,2,2-トリフルオロ-1-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-14-イル)エタン-1-オンの合成
【0188】
【化53】
【0189】
100mLのナス型フラスコへ参考例7-2で合成した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-14-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボン酸 2,2,2-トリクロロエチル(1.46g)を加え、酢酸(25mL)に溶解した。得られた溶液へ亜鉛粉末(1.31g,20mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液をセライト濾過し過剰量の亜鉛粉末を留去した。濾液を減圧下濃縮した後、トルエンと共沸した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)で希釈した後、クロロホルム(30mLx3)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよびメタノール(濃度勾配 0%-30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル:16g)に供し、表題化合物(215mg, 3工程 通算収率27%)を淡黄色フォーム状物質として得た。
1H NMR CDCl,6.96-7.06(m,1H),6.64-6.72(m,1H),6.52-6.58(m,1H),5.90(br s,1H),4.90(d,0.5H,J=6.8Hz),4.34(dd,0.5H,J=6.5,13.8Hz),4.18-4.24(m,0.5H),2.72-3.81(m,8.5H),2.21-2.45(m,1H),1.46-2.00(m,3H),0.99-1.43(m,4H).
【0190】
参考例8-1
3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチルの合成
【0191】
【化54】
【0192】
本化合物の合成はWO2011/090935記載の方法に従って合成した。
500mLのナス型フラスコへ20% ナトリウムエトキシド/エタノール溶液(60mL)および2-(エトキシメチレン)マロン酸エチル(10.5mL,524mmol)を加え室温で10分間撹拌した。得られた混合物へヒドラジン一水和物(5.1mL,104mmol)を加え、80℃で18時間加熱撹拌した後、得られた黄色の懸濁液を0℃に冷却した。激しく撹拌した反応液へ同温にて1N 塩酸(180mL)をゆっくりと加え黄色溶液を得た。得られた溶液へ酢酸エチル(150mL)を加え室温で1時間撹拌した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチル(100mLx2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、不溶物を濾別した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルおよびヘキサンを用いて結晶化し表題化合物(2.82g,35%)を黄色結晶(互変異性体の混合物)として得た。質量分析 ES M-H=155
【0193】
参考例8-2
3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸の合成
【0194】
【化55】
【0195】
50mLの丸底フラスコへ3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(200mg,1.28mmol)、ヨードメタン(397μL,6.40mmol)およびDMF(5mL)を加え、水素化ナトリウム(60%,流動パラフィンに分散)(256mg,6.40mmol)を加え室温で22時間撹拌した。氷冷下、反応溶液に水を加え酢酸エチルで3回抽出し、集めた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびヘキサン(濃度勾配 5%-60%)を溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25g)に供し3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(51mg,22%)を白色固体として得た。
【0196】
50mLの丸底フラスコへ上記で得られた3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(51mg,0.279mmol)を加え、エタノール(1mL)に溶解させた後、5規定水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,2.50mmol)を加え室温で3日間撹拌した。反応溶液に1規定塩酸(2.7mL)を加え溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHFに溶かし、セライトを用いて不溶物を濾別し濾液を減圧下で濃縮することで標題化合物(43mg,100%)を白色粉末として得た。

1H NMR DMSO-d6,11.91(br s,1H),7.99(s,1H),3.80(s,3H),3.69(s,3H).
【0197】
実施例35
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0198】
【化56】
【0199】
10mLの試験管へ参考例7-3で合成した2,2,2-トリフルオロ-1-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-14-イル)エタン-1-オン(54mg,136μmol)、6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボン酸(67mg,0.48mmol)、およびHATU(197mg,0.52mmol)を加え、THF(2mL)に懸濁した後トリエチルアミン(100μL,0.72mmol)およびDMA(100μL)を加え室温で1.5時間撹拌した。
反応液へエタノールアミン(100μL)およびメタノール(2mL)を加え同温で1時間撹拌した。
反応溶液を減圧下、濃縮し得られた残渣をクロロホルム(30mL)に溶解し、6%アンモニア水(10mLx3)で洗浄した。集めた水層をクロロホルム(20mL)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:10%―30%)を溶出溶媒としたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、16g)に供し、6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-14-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オン(M+H=514.26)を白色フォーム状物質として得た。
上記で得られた6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-14-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンを100mLのナス型フラスコ中、メタノール(5mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(124mg、3.26mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下、濃縮し残渣を6%アンモニア水(20mL)に懸濁し、クロロホルム(20mLx2)で洗浄した。水層を減圧下で濃縮し残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:10%―30%)を溶出溶媒としたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、12g)に供し精製し、6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-14-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンと表題化合物6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの混合物を得た。
得られた上記の混合物を50mLのナスフラスコ中、濃アンモニア水(3mL)に溶解し、ゴム栓を用い封管状態で80℃、18時間加熱撹拌した。
反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をメタノールおよびクロロホルム(濃度勾配:10%―50%)を溶出溶媒としたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、7g)に供した。得られた粗生成物をメタノール(0.2mL)およびt-ブチルメチルエーテル(3mL)を用いて粉末化し表題化合物(23mg、41%)を得た。
【0200】
1H NMR DMSO-d,9.08(s,1H),7.53(dd,0.7H,J=6.9,8.7Hz),7.47(dd,0.3H,J=7.3,9.2Hz),6.92(d,0.7H,J=8.2Hz),6.87(d,0.3H,J=7.8Hz),6.39-6.58(m,4H),4.42-4.45(m,0.7H),4.13-4.17(m,0.3H),3.89-3.94(m,0.3H),3.71-3.76(m,0.7H),3.61(d,0.7H,J=11.0Hz),3.45-3.48(m,0.3H),3.15-3.27(m,1H),2.80-3.09(m,5H),2.64-2.73(m,1H),2.13-2.44(m,2H),1.63-1.70(m,1H),1.25-1.59(m,2H),1.12-1.15(d,1H,J=11.0Hz),1.01-1.07(m,1H),0.88-0.94(m,1H),0.66-0.74(m,1H).
【0201】
実施例36
4-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1-メチル-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オンの合成
【0202】
【化57】
【0203】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(30mg,86μmol)、3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(29mg,0.19mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(75μL,0.43mmol)およびHATU(72mg,0.19mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHF(2mL)のみを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和重曹水に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよび酢酸エチル(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10g)に供し精製し((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-イル)(3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メタノン(33.3mg,80%)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR CDOD
7.69(s,0.7H),7.55(s,0.3H),6.90-6.96(m,1H),6.63(d,0.7H,J=2.8Hz),6.53-6.58(m,1.3H),2.78-5.02(m,8H),3.90(s,3H),3.73(s,2.1H),3.68(s,0.9H),2.53-2.57(m,1H),2.31-2.33 (m,2H),1.90-2.09(m,2H),1.66-1.76(m,1H),1.51-0.78(m,7H),0.45-0.48(m,2H),0.09-0.12(m,2H).
【0204】
30mL丸底フラスコへ上記で得られた((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-1,2,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-3H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-イル)(3-メトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メタノン(15mg,31μmol)を加え、塩化メチレン(1mL)に溶解し、氷冷下1.0M 三臭化ホウ素/塩化メチレン溶液(153μL,0.15mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和重曹水に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をアンモニア水含有メタノールおよびクロロホルム(濃度:10%)を展開溶媒とした分取TLCに供し、表題化合物(10.6mg,73%)を淡黄色アモルファスとして得た。

1H NMR DMSO-d
11.47(s,0.1H),11.37(s,0.9H),9.11(s,1H),8.09(s,0.9H),7.48(s,0.1H),6.94(d,1H,J=8.2Hz),6.60(d,1H,J=2.3Hz),6.54(dd,1H,J=8.2,2.3Hz),4.33-4.50(m,1H),2.50-4.07(m,12H),2.19-2.34(m,2H),1.80-2.00(m,2H),1.58-1.65(m,1H),0.70-1.43(m,6H),0.38-0.53(m,2H),0.02-0.16(m,2H).
【0205】
実施例37
5-クロロ-3-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0206】
【化58】
【0207】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(20mg,57μmol)、5-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(22mg,0.13mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL,0.29mmol)およびHATU(72mg,0.13mmol)を用いて反応を行った。但し、溶媒としてTHF(1mL)のみを用いた。反応溶液へ1.4規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を飽和重曹水に懸濁後、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し不溶物を濾別後、濾液を減圧下、濃縮した。得られた残渣をメタノールおよび酢酸エチル(濃度勾配:0%-80%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、8g)に供し精製し標題化合物(11.6mg,40%)を褐色アモルファスとして得た。

1H NMR DMSO-d
11.99(br s,1H),9.06(br s,1H),7.68(s,0.7H),7.59(s,0.3H),7.48(d,1H,J=2.3Hz),6.89(d,0.7H,J=8.2Hz),6.85(d,0.3H,J=8.2Hz),6.40-6.56(m,2H),4.25-4.32(m,0.7H),3.93-3.98(m,0.3H),3.78-3.84(m,0.3H),2.11-3.62(m,10.7H),1.68-1.91(m,2H),1.48-1.63(m,1H),0.87-1.46(m,4H),0.50-0.79(m,2H),0.29-0.47(m,2H),0.06-0.12(m,2H).
【0208】
実施例38
5-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-ヒドロキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成
【0209】
【化59】
【0210】
実施例1と同様の手法に従い、(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-10-オール(35mg,98μmol)、1,3―ジメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4―テトラヒドロピリミジン-5-カルボン酸(35mg,0.19mmol)、トリエチルアミン(70μL,0.50mmol)およびHATU(145mg,0.38mmol)を用いて反応を行った後、反応溶液へ2規定アンモニア/メタノール溶液を加え反応を停止後、減圧下、濃縮した。残渣を6%アンモニア水(20mL)に懸濁し、酢酸エチル(15mLx2)で抽出した。集めた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をメタノールおよび酢酸エチル(濃度勾配:0%―30%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、10g)に供し精製した。得られたシロップ状物質をメタノール(0.2mL)に溶解後、t-ブチルメチルエーテル(3mL)を加え粉末化した後、濾取し表題化合物(39mg,76%)を白色粉末として得た。

1H NMR CDOD
7.82(s,1H),6.92-6.98(m,1H),6.52-6.65(m,2H),4.53-4.62(m,1H),4.02-4.18(m,1H),3.50-3.80(m,2H),3.42(s,2H),3.37(s,1H),3.33(s,2H),3.31(s,1H),2.81-3.18(m,5H),2.57-2.59(m,1H),2.30-2.38(m,2H),1.93-2.09(m,2H),1.67-1.78(m,1H),1.43-1.59(m,2H),1.10-1.29(m,2H),0.81-0.95(m,2H),0.44-0.53(m,2H),0.08-0.17(m,2H).
【0211】
実施例39
6-((1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール-3-カルボニル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0212】
【化60】
【0213】
実験は実施例1と同様の手法に従い行った。
WO2013035833記載の実施例67の方法に従い調整した(1S,3aR,5aS,6R,11bR,11cS)-14-(シクロプロピルメチル)-10-メトキシ-2,3,3a,4,5,6,7,11c-オクタヒドロ-1H-6,11b-(エピミノエタノ)-1,5a-メタノナフト[1,2-e]インドール(82mg,0.23mmol)、トリエチルアミン(200μL,1.43mmol)およびHATU(167mg,0.44mmol)を用いて反応を行った後、反応溶液へエタノールアミン(200μL)およびメタノール(1mL)を加え反応を停止後、酢酸エチル(50mL)で希釈した後、6%アンモニア水(50mL)で洗浄した。水層をクロロホルム(30mLx2)で抽出し、集めた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をメタノールおよび酢酸エチル(濃度勾配:10%―50%)を溶出溶媒に用いたカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、7g)に供し精製した。得られたシロップ状物質をメタノール(0.2mL)に溶解後、t-ブチルメチルエーテル(3mL)を加え粉末化した。得られた粉末を100℃で16時間減圧下乾燥し、表題化合物(87mg,100%)を白色アモルファス状物質として得た。

1H NMR DMSO-d
7.5(br s,1H),6.97-7.03(m,1H),6.45-6.73(m,4H),4.40-4.45(m,0.7H),3.84-3.89(m,0.3H),3.69(s,3H),3.55-3.62(m,1H),2.95-3.22(m,4H),2.79-2.84(m,2H),2.13-2.62(m,4H),1.79-1.87(m,2H),1.26-1.60(m,3H),0.99-1.14(m,3H),0.70-0.74(m,1H),0.54-0.61(m,1H),0.39-0.40(m,2H),0.00-0.07(m,2H).
【0214】
実施例40
オピオイド受容体機能試験
本発明が提供する化合物のμ、δおよびκオピオイド受容体に対する機能活性を調べた。
方法:Lance Ultra cAMP kit(パーキンエルマー社)を用い、所定の方法に従って実施した。アゴニスト活性の評価では、各ヒトオピオイド受容体(δ、μおよびκ:アクセッション番号とカタログ番号は下記)発現CHO細胞と被験化合物をそれぞれ10μM フォルスコリン存在下にて、アッセイバッファー(1×HBSS,1M HEPES,pH7.4,250mM IBMX(Isobutylmethylxanthine),7.5% BSA)中で30分間反応させた。続けて、キット中のcAMP検出試薬を添加し、1時間後にEnVisionプレートリーダー(パーキンエルマー社)を用いて時間分解蛍光測定を行った。被験化合物および各対照薬(δ:SNC80、μ:DAMGO、κ:U-69593 )は10-12~10-5Mの濃度範囲で評価を行い、665nmの蛍光値から被験化合物の用量反応曲線を求め、EC50値およびEmax値を算出した。Emax値は各対照薬の最大反応を100%とした時の、被験化合物の最大反応の割合で求めた。

SNC80:
(+)-4-[(α R)-α-((2S,5R)-4-アリル-2,5-ジメチル-1-ピペラジニル)-3-メトキシベンジル]-N,N-ジエチルベンズアミド

DAMGO:
[D-Ala,N-MePhe,Gly-ol]enkephalin

U-69593:
(+)-(5α,7α,8β)-N-メチル-N-[7-(1-ピロリジニル)-1-オキサスピロ[4.5]デシ-8-イル]ベンゼンアセトアミド

アクセッション番号及びカタログ番号
δ:Catalog No.CT4607,accession No.NM_000911.2
μ:Catalog No.CT4605,accession No.NM_000914
κ:Catalog No.CT4606,accession No.NM_000912
(ChanTest Corporation)
【0215】
【表6】
【0216】
N.C.:最高濃度(10μM)において最大反応に達していなかったため、ED50値は算出しなかった。
:最高濃度において最大反応に達していなかったため、参考値として最高濃度での反応率を示した。

表6に示すとおり、本発明の化合物は、オピオイドδ受容体に対して強力なアゴニスト活性を有し、かつμ及びκ受容体に対してはアゴニスト活性を有さないか、またはごく弱いアゴニスト活性しか示さないことが確認された。
【0217】
実施例41
マウス高架式十字迷路試験
(試験方法)
試験には5-6週齢のC57BL/6N系雄性マウスを用いた。壁なし走行路(幅6 cm、長さ30 cm)及び壁あり走行路(幅6 cm、長さ30 cm、壁の高さ15 cm)からなる高さ40 cmの十字迷路装置に、マウスを壁あり走行路側に向けて置き、自発的に十字迷路に侵入させた。被験物質は、salineまたは0.005N HCl-salineに溶解し、試験開始30分前に背部皮下に投与した。試験開始時にビデオカメラの録画を開始し、マウスが十字迷路へ侵入した時点を試験開始とし、5分間の探索行動を撮影記録した。映像をもとに、各走行路での滞在時間を求め、壁なし走行路滞在時間率(%)を算出した。
(試験結果)
図1及び2に示すとおり、本実験において、化合物1(実施例1記載の化合物)及び7(実施例7記載の化合物)は、それぞれ3mg/kg及び10mg/kg皮下投与で有意に壁なし走行路滞在時間率を増加させ、抗不安様作用を示すことが確認された。また、化合物3(実施例3記載の化合物)、9(実施例9記載の化合物)及び10(実施例10記載の化合物)については、壁なし走行路滞在時間率の延長傾向が認められた(図3~5)。
【0218】
実施例42
ラット高架式十字迷路試験
本発明が提供する化合物の抗不安作用についてラット高架式十字迷路試験を用いて調べた。

(試験方法)
試験には7-9週齢のWistar系雄性ラットを用いた。壁なし走行路(幅10cm、長さ50cm)及び壁あり走行路(幅10cm、長さ50cm、壁の高さ30cm)からなる高さ50cmの十字迷路装置に、ラットを壁あり走行路側に向けて置き、自発的に十字迷路に侵入させ、5分間の探索行動を観察した。被験物質は4.5%シクロデキストリン水溶液に溶解し、試験開始2時間前に経口投与した。試験データはビデオ画像行動解析ソフトウエア(PanLab社製Smart3.0、PanLab S.L.)を用いて自動解析し、壁なし走行路滞在時間率(%)を算出した。
(試験結果)
図6に示すとおり、本実験において、化合物7(実施例7記載の化合物)、3(実施例3記載の化合物)及び10(実施例10記載の化合物)は、3mg/kg経口投与で有意に壁なし走行路滞在時間率を増加させ、抗不安様作用を示すことが確認された。
【0219】
実施例43
hERG(ヒトether-a-go-go関連遺伝子)カリウムチャネル阻害試験
(試験方法)
試験は、hERGチャネル安定発現CHO細胞(Channelopathy Foundation社より購入)を用いて、Port―a―Patchオートパッチクランプ装置(Nanion Technologies)により行った。hERG電流は、細胞の膜電位を-80 mVに保持後、+20mV 1.5秒間の脱分極パルスに続く-50mV 1.5秒間のテストパルスを10秒に1回の頻度で与え、テストパルスにより誘導されるテール電流により確認した。被験化合物は、細胞外液(137mM NaCl、4mM KCl、1.8mM CaCl、1mM MgCl、10mM D(+)-グルコース、10mM HEPES、pH7.4)に溶解し、5分間、室温にて還流した。阻害率は、化合物適用前の最大テール電流値を100%とした時の化合物適用後のテール電流値の割合から求めた。試験には、テール電流のピーク値300pA以上、テール電流のrun-downが電流初期値の10%未満、リーク電流が200pA未満の細胞を使用した。
【0220】
(試験結果)
表7に試験結果を示す。
表中、化合物1,3,7,9,10はそれぞれ実施例1,3,7,9,10に記載の化合物である。
表7から明らかなように試験化合物は何れも弱い阻害作用しか示さなかった。
一方、WO 2013/35833(特許文献4)記載の化合物には、hERG阻害作用が強い化合物が存在していることが判明した。
【0221】
【表7】
【0222】
比較化合物1:WO 2013/35833の実施例93(化合物104)
比較化合物2:WO 2013/35833の実施例205(化合物267)
【0223】
実施例44
代謝安定性試験
(試験方法)
ヒト肝ミクロソームと被験物質を一定時間 (0~60 min) 反応させ、反応試料中の被験物質の未変化体残存量を測定し、残存率を求めた。反応時間0時間における未変化体残存率を100%とし、インキュベーション後の残存率を時間に対してlog-linearプロットし、回帰直線(y=100e-kt、k=直線の傾き:消失速度定数)を求め、以下の式を用いて代謝クリアランスCLint (mL/min/kg) を算出した。

CLint* = k (-min) × 52.5 (mg MS protein/g liver) × 26 (g liver/kg) / MS protein (mg MS protein/mL)

*: Davies, B. and Morris, T. : Physiological parameters in laboratory animals and humans. Pharm. Res., 10(7): 1093-1095, 1993.
(試験結果)
試験結果を表9に示す。
【0224】
【表8】
【0225】

比較化合物1:WO 2013/35833の実施例93(化合物104)

表9から明らかなように本発明化合物は優れた代謝安定性を有することが明らかになった。一方、WO 2013/35833(特許文献4)記載の化合物には、代謝安定性が悪い化合物が存在していることが判明した。
【0226】
実施例45
有痛性糖尿病性神経障害モデルマウスを用いた疼痛試験
(試験方法)
試験には購入時4週齢のICR系雄性マウスを用い、streptozotocin (200 mg/kg) を尾側静脈内投与することで糖尿病を誘発した。Streptozotocin 処置2 週間後、血糖値が 400 mg/dL 以上のものを糖尿病マウスとして実験に用いた。疼痛閾値の測定は、輻射熱刺激装置(Thermal Analgesimeter KN-205E:夏目製作所)を用いて熱刺激をマウス尾部に与え、マウスが尾を払いのけるまでの潜時を測定した(tail-flick法1))。なお、最大刺激時間(cut-off time)は組織障害を起こさない範囲内で15秒とした。反応潜時の測定は、被験物質(実施例7の化合物)投与前、被験物質投与後15分、30分、60分、90分および120分経過した時点で行った。被験物質は4.5%シクロデキストリン水溶液に溶解し、1、 3または10 mg/kg用量で皮下投与した。

1) Dewey, W.L., Harris, L.S., Howes, J.F., Nuite, J.A. (1970) The effect of various neurohumoral modulators on the activity of morphine and the narcotic antagonists in the tail-flick and phenylquinone tests. J. Pharmacol. Exp. Ther. 175: 435-442.

(試験結果)
糖尿病モデルマウスでは、正常マウスと比較して反応潜時が短縮し、痛覚過敏反応が観察された。この糖尿病モデルマウスに被験物質を投与すると、図7および8のように、投与後90分をピークとする用量依存的な反応潜時の延長が観察された。一方、正常マウスに被験物質を投与したところ、いずれの用量においても反応潜時への影響は認められなかった。
すなわち、実施例7の化合物は糖尿病モデルマウスに生じる痛みに対して特異的に鎮痛作用を示し、正常時の疼痛閾値に対しては何ら影響を与えない安全な化合物であることが判明した。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8