(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 1/12 20220101AFI20230523BHJP
F23L 5/02 20060101ALI20230523BHJP
F24H 9/02 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
F24H1/12 B
F23L5/02
F24H9/02 301D
(21)【出願番号】P 2019012422
(22)【出願日】2019-01-28
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】北川 翔一
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112321(JP,A)
【文献】特開平10-089669(JP,A)
【文献】実開平02-028947(JP,U)
【文献】実公昭49-036254(JP,Y1)
【文献】特開2010-127519(JP,A)
【文献】特開2000-013071(JP,A)
【文献】実開平04-038098(JP,U)
【文献】特開2002-106807(JP,A)
【文献】実開昭55-157659(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
F23L 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下左右及び後面が閉塞し、開口した前面がフロントカバーで閉塞される筐体と、
前記筐体内に収容され、バーナを有するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、側面に開口する吸気口を備えたチャンバと、
前記チャンバの側方に配置され、前記吸気口に対向する吐出口を備えたファンユニットと、を備え、
前記吸気口に設けた吸気側固定部と、前記吐出口に設けた吐出側固定部とを固定することで、前記吸気口と前記吐出口とが連通した状態で前記ファンユニットが前記チャンバに固定される給湯器であって、
前記吸気側固定部は、前記吸気口より後方側に設けられる第1ヒンジ部と、前記吸気口より前方側に設けられ、正面を向く第1固定面部とを有する一方、
前記吐出側固定部は、前記吐出口より後方側に設けられ、前記第1ヒンジ部と上下方向の軸を中心に回転可能に係合する第2ヒンジ部と、前記吐出口より前方側に設けられ、前記吸気口と前記吐出口との連通状態で前記第1固定面部に前方から重合する第2固定面部とを有して、
前記第1ヒンジ部と前記第2ヒンジ部とが係合し、前記ファンユニットが前記軸を中心に回転して前記吸気口と前記吐出口とが連通した状態で、前記第2固定面部が前方から前記第1固定面部にネジ止めされていることを特徴とする給湯器。
【請求項2】
前記第2ヒンジ部は、後方へ突出するヒンジ片であり、前記第1ヒンジ部は、前記ヒンジ片が差し込まれるヒンジ枠であることを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナに燃焼用空気を供給するファンを備えた給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器では、前面を開口した筐体内に、バーナを有するケーシングを収容すると共に、そのケーシングの上部に、吸気口を有するチャンバを突設し、そのチャンバの吸気口にファンの吐出口を側方からネジ止め固定した給湯器が知られている。
しかし、メンテナンスのためにファンを着脱する必要がある場合、狭い筐体内で横向きのネジを緩めたり締め付けたりする作業となるため、ファンのみの着脱が困難となる。そこで、特許文献1には、チャンバの吸気口を斜め前方に向けて開口形成して、ファンを斜め前方からのネジによって着脱可能とした発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、メンテナンス時のファンの着脱に係る作業性はよくなるが、給湯器の製造時には、チャンバに対して斜めにファンをネジ止めする作業となるため、製造ライン上での作業の流れを悪くするという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、製造時のファンの取付作業と、メンテナンス時のファンの着脱作業とが共に作業性よく行える給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上下左右及び後面が閉塞し、開口した前面がフロントカバーで閉塞される筐体と、筐体内に収容され、バーナを有するケーシングと、ケーシングに設けられ、側面に開口する吸気口を備えたチャンバと、チャンバの側方に配置され、吸気口に対向する吐出口を備えたファンユニットと、を備え、吸気口に設けた吸気側固定部と、吐出口に設けた吐出側固定部とを固定することで、吸気口と吐出口とが連通した状態でファンユニットがチャンバに固定される給湯器であって、
吸気側固定部は、吸気口より後方側に設けられる第1ヒンジ部と、吸気口より前方側に設けられ、正面を向く第1固定面部とを有する一方、吐出側固定部は、吐出口より後方側に設けられ、第1ヒンジ部と上下方向の軸を中心に回転可能に係合する第2ヒンジ部と、吐出口より前方側に設けられ、吸気口と吐出口との連通状態で第1固定面部に前方から重合する第2固定面部とを有して、第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが係合し、ファンユニットが軸を中心に回転して吸気口と前記吐出口とが連通した状態で、第2固定面部が前方から第1固定面部にネジ止めされていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、第2ヒンジ部は、後方へ突出するヒンジ片であり、第1ヒンジ部は、ヒンジ片が差し込まれるヒンジ枠であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、正面からのネジ止めによってファンユニットをチャンバに固定可能となると共に、正面からのネジの取り外しによってファンユニットが取り出し可能となる。よって、製造時のファンユニットの取付は勿論、メンテナンス時のファンユニットの着脱も作業性よく行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、第2ヒンジ部を、後方へ突出するヒンジ片とし、第1ヒンジ部を、ヒンジ片が差し込まれるヒンジ枠としているので、取付時のファンユニットの係止と回転とがスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】フロントカバーを外した給湯器の正面図である。
【
図2】樹脂シート及びコントローラ、表示操作パネルを省略した給湯器の正面図である。
【
図3】チャンバ及びファンユニットの斜視図である。
【
図4】チャンバ及びファンユニットの平面図である。
【
図6】
図4のA-A線断面図である(開閉部材は閉塞位置)。
【
図7】チャンバ及びファンユニットの下方からの斜視図である(開閉部材は閉塞位置)。
【
図8】開閉部材を開放位置で示す
図4のA-A線断面図である。
【
図9】チャンバ及びファンユニットの下方からの斜視図である(開閉部材は開放位置)。
【
図11】ファンユニットをチャンバに取り付ける際の最初の状態を示す斜視図である。
【
図12】ファンユニットをチャンバに取り付ける際の最初の状態を示す正面図である。
【
図14】ファンユニットをチャンバに取り付けた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す正面図で、フロントカバーを外した状態で示している。
図2は
図1において、樹脂シート及びコントローラ、表示操作パネルを除いた状態を示している。
この給湯器1は、前面を開口した四角箱状の筐体2内に、燃焼部としてのバーナ4と、熱交換部としての一次熱交換器5と二次熱交換器6とが上から順に設けられる内胴3を収容した逆燃焼式となっている。また、筐体2内には、内胴3の下部から後方へ回り込んで上向きに設けられる排気部7と、内胴3の右側方でバーナ4に連結されたファンユニット8と、ファンユニット8の下側でファンユニット8に連結され、ガスガバナ9を介してガス導入管11から燃料ガスが供給されるガス供給ユニット10とが設けられている。内胴3の下方右側には、電装基板を収容してなるコントローラ12が横向きに設置され、その下方中央には、フロントカバーから露出する表示操作パネル13が設けられている。
【0010】
バーナ4は、燃料ガスと燃焼に必要な全ての燃焼用空気との混合気が燃焼する全一次空気式で、上下面を開口して上下方向に所定深さを有する平面視横長矩形状の上ケーシング14を有し、上ケーシング14の上面は、上方へ突出してファンユニット8が接続されるチャンバ15によって閉塞されている。上ケーシング14の下面には、複数の炎孔が形成された図示しない炎孔板が設けられて、炎孔板の表面(下面)で混合気が燃焼可能となっている。
ここでのチャンバ15は、
図3,4に示すように、上ケーシング14に上方からネジ止めされる平面視四角形状の上板部16と、上板部16から上方へ膨出する導入部17とを一体形成してなる。上板部16の外周上面及び導入部17の左側面には、放熱用リブ18,18・・が複数突設されている。
【0011】
導入部17は、前後方向に延びるように形成され、右側面前側には、
図5に示すように、横長矩形状の開口19が形成されて、この開口19に、
図6に示す吸気口20が設けられている。吸気口20は、右側端部にフランジ21を設けた短い筒状となっており、内部には、側面視が十字状で中心が筒状となる整流リブ22が設けられている。
この吸気口20は、開口19の外側に突設した内リブ23の内側にフランジ21を係止させて開口19に右側から嵌入させることで、導入部17の内部へ突出する状態で保持される。導入部17内に突出する吸気口20の左側端部は、下方へ行くに従って左側へ突出する傾斜状の出口24となっている。
導入部17の右側面前側で内リブ23の外側には、内リブ23よりも右側へ突出する外リブ25が設けられて、内リブ23と外リブ25との間にパッキン26を嵌合させている。
【0012】
吸気口20の内部側には、開閉部材27が設けられている。この開閉部材27は、
図6,7に示すように、吸気口20の出口24を閉塞可能な四角形状の板体で、上端に設けた軸部28を、吸気口20の上面左端に設けたフック29に係止させることで、軸部28を中心に上下方向へ回転可能に取り付けられる。但し、ファンユニット8が駆動しない状態では自重によって出口24を閉塞した閉塞位置に維持される。これにより、内胴3内の気体が吸気口20を通ってファンユニット8側に逆流することが防止される。
開閉部材27は、ファンユニット8からの混合気の吐出により、
図8,9に示すように、上方へ回転して出口24を開放する開放位置へ移動するが、導入部17の上側内面には、左右方向に延びる突条31と溝32とが前後方向へ交互に形成されてなる凹凸部30が形成されている。この突条31は、下面がフック29のやや上側となる高さで形成されて、開閉部材27がフック29より上方へ回転すると、突条31に当接してそれ以上の回転が規制されるようになっている。
【0013】
チャンバ15の導入部17において、開口19の後側では、
図5に示すように、後方へ延びた後、右側へ折曲し、上下方向の中央部分を開口させた第1ヒンジ部としてのヒンジ枠33が一体に形成されている。一方、開口19の前側で導入部17の前面には、上下にネジ孔35,35が形成されて正面を向いた第1固定面部としての内側固定面34が設けられている。このヒンジ枠33と内側固定面34とで吸気側固定部を形成している。
【0014】
ファンユニット8は、平面視円形のファンケース40内に遠心ファンであるファン41を収容し、ファンケース40の上側中央に、ファン41を回転駆動させるファンモータ42を設けている。ファンケース40の下面中央には、ガス供給ユニット10に接続される吸込口43が形成されている。
また、ファンケース40の外周部には、
図10に示すように、接線方向に突出する吐出口44が設けられている。この吐出口44は、横長四角形に開口する短筒状で、突出端部には、チャンバ15の開口19に設けた外リブ25と同じ外形を有する外フランジ45が設けられている。外フランジ45の左側面における吐出口44の周囲には、外リブ25の内側に嵌合して内リブ23に当接する嵌合部46が突設されている。
【0015】
さらに、外フランジ45の後端には、チャンバ15のヒンジ枠33に差し込み係止可能な第2ヒンジ部としてのヒンジ片47が突設され、外フランジ45の前端には、左側へ折曲して導入部17の内側固定面34に前方から当接する第2固定面部としての外側固定片48が形成されている。外側固定片48の上下には、ネジ孔35,35に対応する透孔49,49が形成されている。
【0016】
よって、チャンバ15にファンユニット8を取り付ける際は、まず、導入部17の開口19に対してファンケース40を、外フランジ45の前端が後端よりも開口19から離れる斜め姿勢に保持して、
図11~13に示すように、先に外フランジ45のヒンジ片47を、導入部17に設けたヒンジ枠33に差し込んで係止させる。次に、ファンケース40を、ヒンジ枠33に係止させたままヒンジ片47を中心として平面視で左回転させて、外フランジ45の外側固定片48を導入部17の前面に被せる。すると、
図14,15に示すように、嵌合部46が外リブ25の内側に嵌合して吐出口44が吸気口20と連通する。この状態で外側固定片48の透孔49,49を介して導入部17のネジ孔35,35にそれぞれネジ50,50を螺合すれば、ファンユニット8の取付は完了する。このようにファンユニット8は前方からのネジ止めで取り付けられるため、取付作業は楽に行える。
【0017】
一方、ファンユニット8の取り出しは上記手順と逆に、まず前方からネジ50,50を緩めて取り外し、外側固定片48の内側固定面34への結合を解除する。次に、ファンユニット8を、ヒンジ片47を中心として平面視で右回転させて
図11~13の状態とする。そして、そのままファンユニット8を前方へ移動させてヒンジ片47をヒンジ枠33から抜き取れば、ファンユニット8を筐体2から前方へ取り出すことができる。
【0018】
一次熱交換器5は、
図2に示すように、バーナ4が取り付けられる四角筒状の中ケーシング60内の下部に、複数のフィンを左右方向へ所定間隔をおいて並設すると共に、各フィンを貫通する複数の伝熱管を配設してなる。中ケーシング60の右側面の下部に設けた伝熱管の入側端部には、二次熱交換器6との接続管61が接続され、上部に設けた伝熱管の出側端部には、出湯管62が接続される。中ケーシング60の上側外周には、略全面に導電パターンが蛇行状に網羅されてなる帯状の樹脂シート63(
図1)が巻回される。
二次熱交換器6は、中ケーシング60と連通する四角筒状の下ケーシング64内に、凹凸を形成した複数の伝熱プレートを前後方向へ所定間隔をおいて並設して、伝熱プレート間で連続する内部流路を形成し、下ケーシング64の正面側下部に設けた入口と正面側上部に設けた出口とを内部流路に接続してなる。入口には給水管65が接続され、出口には接続管61が接続される。
【0019】
排気部7は、二次熱交換器6の下ケーシング64の下面に取り付けられるドレン受け66と、ドレン受け66の後部に立設される排気ダクト67とを備える。ドレン受け66の底部は、ドレン排出管68を介して中和器69と接続される。
排気ダクト67は、合成樹脂製の横長角筒状で、排気ダクト67の上端の開口には、筐体2の上面に突出する円筒状の排気筒部71を備えた上カバー70が接合される。
【0020】
以上の如く構成された給湯器1においては、器具内に通水されると、リモコン等で要求される燃焼量に応じた回転数でコントローラ12がファンモータ42を駆動させてファン41を回転させる。すると、ファンユニット8では、ファン41の回転数に比例した空気が吸い込まれる。同時にガス導入管11からは燃料ガスが供給され、ガスガバナ9で調圧された後、ガス供給ユニット10で、ファンユニット8の吸込側に設けたベンチュリーを介して空気と混合されて混合気が生成される。生成された混合気は、ファンケース40の吐出口44からバーナ4のチャンバ15の吸気口20に吐出され、開閉部材27を押し上げて出口24から上ケーシング14内に供給されて、炎孔板の各炎孔から噴出し、図示しない点火電極によって点火されて燃焼する。
このとき、上方へ回転した開閉部材27は、導入部17の上側内面に形成した凹凸部30の突条31に当接してそれ以上の回転が規制されるので、開閉部材27が回転しすぎて導入部17の上側内面に引っ掛かって戻らなくなるおそれはない。また、フック29に過度の負荷が加わるおそれもなくなる。さらに、導入部17内に進入した混合気の一部は凹凸部30の突条31に沿って流れ込むので、混合気の整流作用も得られる。
【0021】
そして、バーナ4からの燃焼排気は、一次熱交換器5の中ケーシング60で各フィンの間を通過することで、伝熱管内を流れる水と熱交換し、顕熱が回収される。その後、二次熱交換器6の下ケーシング64内で各伝熱プレートの間を通過することで、伝熱プレートの内部流路を流れる水と熱交換し、潜熱が回収される。こうして設定温度の湯が出湯管62から出湯される。
一方、下ケーシング64を通過した燃焼排気は、排気部7のドレン受け66内に進入し、ドレン受け66の後部に移動して排気ダクト67内を上昇して排気筒部71から外部に排出される。二次熱交換器6で発生したドレンは、ドレン受け66内に落下し、ドレン排出管68及び中和器69を介して器具の外部へ排出される。
【0022】
そして、運転が停止した直後は、二次熱交換器6内にはドレンの蒸発に伴う高湿度の気体が残留しており、時間の経過に連れてこの気体が内胴3内を上昇し、バーナ4のチャンバ15内に達する。しかし、吸気口20の出口24は開閉部材27によって閉塞されているので、上昇した気体が吸気口20を通ってファンユニット8まで逆流することが防止される。
【0023】
(チャンバとファンユニットとの固定構造に係る発明の効果)
上記形態の給湯器1によれば、吸気側固定部を、吸気口20より後方側に設けられるヒンジ枠33(第1ヒンジ部)と、吸気口20より前方側に設けられ、正面を向く内側固定面34(第1固定面部)とを有するものとする一方、吐出側固定部を、吐出口44より後方側に設けられ、ヒンジ枠33と上下方向の軸を中心に回転可能に係合するヒンジ片47(第2ヒンジ部)と、吐出口44より前方側に設けられ、吸気口20と吐出口44との連通状態で内側固定面34に前方から重合する外側固定片48(第2固定面部)とを有するものとして、ヒンジ枠33とヒンジ片47とが係合し、ファンユニット8が当該軸を中心に回転して吸気口20と吐出口44とが連通した状態で、外側固定片48が前方から内側固定面34にネジ止めされている。
これにより、正面からのネジ止めによってファンユニット8をチャンバ15に固定可能となると共に、正面からのネジの取り外しによってファンユニット8が取り出し可能となる。よって、製造時のファンユニット8の取付は勿論、メンテナンス時のファンユニット8の着脱も作業性よく行うことができる。
【0024】
特にここでは、第2ヒンジ部を、後方へ突出するヒンジ片47とし、第1ヒンジ部を、ヒンジ片47が差し込まれるヒンジ枠33としているので、取付時のファンユニット8の係止と回転とがスムーズに行える。
【0025】
なお、上記形態では、第1ヒンジ部を、中央を開口したヒンジ枠としているが、開口でなく凹部としてもよいし、開口や凹部を複数設けてもよい。平面視がL字状でなくてもよい。
また、第2ヒンジ部も、第1ヒンジ部の形状に合わせて、複数のヒンジ片で形成したり、先端に軸部を設けたり等、適宜変更できる。
さらに、上記形態では第1ヒンジ部をヒンジ枠、第2ヒンジ部をヒンジ片としているが、これと逆に、第1ヒンジ部をヒンジ片、第2ヒンジ部をヒンジ枠とすることもできる。
そして、第1固定面部と第2固定面部とのネジ止めも3箇所以上で行ってもよい。チャンバとファンユニットの配置が左右逆であっても差し支えない。
【0026】
(チャンバ内の開閉部材及び凹凸部に係る発明の効果)
上記形態の給湯器1によれば、チャンバ15には、混合気の吸気口20を備えた導入部17が上方へ膨出して設けられると共に、チャンバ15内で吸気口20には、ファン41が駆動しない状態で自重によって吸気口20を閉塞し、ファン41が駆動する状態ではファン41の吐出圧によって吸気口20を開放する開閉部材27が、上端を軸として回転可能に設けられている一方、導入部17における上部内面には、開閉部材27の上方への回転位置を規制する凹凸部30が形成されていることで、ファン41側への気体の逆流を防止する開閉部材27が開放した際の引っ掛かりの発生をなくして確実に開閉動作させることができる。また、開閉部材27が必要以上に開放しないため、フック29に過度の負担が加わることもない。
【0027】
特にここでは、凹凸部30は、吸気口20での混合気の導入方向に延びる複数の突条31と、突条31間の溝32とにより形成されるので、ファン41からチャンバ15内に供給される混合気の整流作用が得られる。
また、導入部17の内部に開口する吸気口20の出口24は、下方へ行くに従って混合気の導入方向に延びる傾斜面となっているので、開閉部材27の自重による出口24の閉塞が確実に行える。
【0028】
なお、凹凸部の突条の数や形状(高さや幅等)は上記形態に限らず、適宜変更可能で、凹凸部としては左右方向の突条に限らず、前後方向の突条も加えて格子状にしたりしてもよい。
また、開閉部材も、全体形状やヒンジの形状等は適宜変更可能で、例えば吸気口の出口の傾斜をなくして開閉部材を下方へ行くに従って厚肉となるように形成してもよい。
さらに、上記形態では導入部の上部内面に凹凸部を設けているが、開閉部材における開放側の表面に凹凸部を設けて、開放時には上部内面への当接によって開閉部材の回転位置を規制することもできる。開閉部材と導入部の上部内面との双方に凹凸部を設けて互いの当接によって開閉部材の回転位置を規制することもできる。
【0029】
その他、各発明に共通して、バーナ、一次熱交換器、二次熱交換器の各形態やファンユニットの配置、コントローラの配置等は適宜変更可能である。二次熱交換器がない給湯器であってもよい。
また、ファンユニットでは、燃料ガスと燃焼用空気とを混合した混合気をチャンバへ供給する予混合式となっているが、これに限らず、ファンからは燃焼用空気のみを供給させてファンの下流側で燃料ガスと混合してチャンバに導入させる給湯器であっても各発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1・・給湯器、2・・筐体、3・・内胴、4・・バーナ、5・・一次熱交換器、6・・二次熱交換器、7・・排気部、8・・ファンユニット、10・・ガス供給ユニット、12・・コントローラ、14・・上ケーシング、15・・チャンバ、16・・上板部、17・・導入部、19・・開口、20・・吸気口、24・・出口、27・・開閉部材、30・・凹凸部、31・・突条、33・・ヒンジ枠、34・・ネジ孔、40・・ファンケース、41・・ファン、42・・ファンモータ、44・・吐出口、45・・外フランジ、47・・係止片、48・・結合片、49・・透孔、50・・ネジ、60・・中ケーシング、61・・接続管、62・・出湯管、64・・下ケーシング、65・・給水管。