(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】調理システム、ガスコンロおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20230523BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20230523BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230523BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
F24C3/12 E
F24C15/00 M
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
F24C3/12 L
(21)【出願番号】P 2019137183
(22)【出願日】2019-07-25
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】原野 史帆
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-022127(JP,A)
【文献】特開2017-219251(JP,A)
【文献】特開2004-165081(JP,A)
【文献】特開2013-053777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 15/00
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバーナを備えたコンロ本体と、
通信網にアクセス可能なサーバと、
第1制御部と第1端末側通信部と第1表示部とを備え、近距離通信方式で前記コンロ本体と無線通信を行い且つ通信網を介して前記サーバと通信を行う第1端末と、
操作部と第2制御部と第2端末側通信部と第2表示部とを備え、通信網を介して前記サーバと通信を行う第2端末と、
を備え、
前記第2端末は、前記操作部に対して所定操作がなされることに応じて前記所定操作に対応した操作情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第2端末から送信された前記操作情報を受信した場合に、前記第1端末に対して前記操作情報に対応した第1中間情報を送信し、
前記第1端末は、前記サーバから送信された前記第1中間情報を受信した場合に、前記第1中間情報に対応する指示情報を前記コンロ本体に送信し、
前記コンロ本体は、前記第1端末から送信された前記指示情報を受信した場合に、前記指示情報に対応する対応動作を行い且つ前記第1端末に応答情報を送信し、
前記第1端末は、前記コンロ本体から送信された前記応答情報を受信した場合に、前記応答情報に対応する第2中間情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1端末から送信された前記第2中間情報を受信した場合に、前記第2中間情報に対応する第3中間情報を前記第2端末に送信し、
更に、前記第2端末は、前記サーバから送信された前記第3中間情報を当該第2端末が受信した場合に前記第3中間情報の受信に対応した報知を行う報知部を備え
、
前記サーバは、前記第1端末に対して情報を送信できない場合には、前記第2端末に対して前記第1端末と前記サーバとの通信が異常であることを示す第1異常情報を送信し、前記第2端末は、前記第1異常情報を受信した場合に前記第1異常情報に対応した第1の異常報知を行い、
前記第1端末が前記コンロ本体に対して情報を送信できない場合には、前記第1端末及び前記サーバにより前記第2端末に対して前記第1端末と前記コンロ本体との通信が異常であることを示す第2異常情報を送信し、前記第2端末は、前記第2異常情報を受信した場合に、前記第2異常情報に対応した第2の異常報知を行い、
前記第1端末は、前記コンロ本体への情報送信後、一定時間内に前記コンロ本体から前記応答情報を受信しない場合には、前記サーバに対して第3異常情報を送信し、前記サーバは、前記第1端末から前記第3異常情報を受信した場合に、前記第2端末に第4中間情報を送信し、前記第2端末は、前記第4中間情報を受信した場合に前記第4中間情報に対応する異常位置を報知するように第3の異常報知を行う
調理システム。
【請求項2】
前記第1端末側通信部は、第1無線通信方式で他装置と無線通信を行いつつ前記他装置を介して前記サーバにアクセスする第1無線通信部と、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記コンロ本体と無線通信を行う第2無線通信部と、を有し、
前記第2無線通信方式は、bluetooth(登録商標)通信方式である
請求項1に記載の調理システム。
【請求項3】
前記第1端末側通信部は、前記サーバから前記第1中間情報が送信された場合に前記第1中間情報を受信し、
前記第1制御部は、前記第1端末側通信部が前記第1中間情報を受信した場合に前記第1中間情報の受信に対応した第1表示を前記第1表示部に行わせる
請求項1又は請求項2に記載の調理システム。
【請求項4】
前記報知部は、前記第2制御部と前記第2表示部とを有し、
前記第2端末側通信部は、前記サーバから前記第3中間情報が送信された場合に前記第3中間情報を受信し、
前記第2制御部は、前記第2端末側通信部が前記第3中間情報を受信した場合に前記第3中間情報の受信に対応した第2表示を前記第2表示部に行わせる
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の調理システム。
【請求項5】
前記報知部は、前記第2端末から前記サーバへと前記操作情報が送信されてから第1の時間内に前記第2端末が前記第3中間情報を受信しない場合に異常の報知を行う
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調理システム。
【請求項6】
前記第2端末は、前記第4中間情報を受信した場合に前記第1端末又は前記コンロ本体の少なくともいずれかが異常であることを特定した異常の報知を行う
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の調理システム。
【請求項7】
前記所定操作は、前記ガスバーナの消火を指示する消火指示操作を含み、
前記第2端末は、前記操作部に対して前記消火指示操作がなされた場合に消火指示を含む前記操作情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、消火指示を含む前記操作情報を受信した場合に消火指示を含む前記第1中間情報を送信し、
前記第1端末は、消火指示を含む前記第1中間情報を受信した場合に、消火指示を含む前記指示情報を前記コンロ本体に送信し、
前記コンロ本体は、消火検知部を有し、消火指示を含む前記指示情報を受信した場合に前記ガスバーナを消火する動作を行い、且つ前記消火検知部が前記ガスバーナの消火を検知した場合には消火の完了を示す情報を含む前記応答情報を送信し、
前記第1端末は、消火の完了を示す情報を含む前記応答情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む前記第2中間情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、消火の完了を示す情報を含む前記第2中間情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む前記第3中間情報を前記第2端末に送信し、
前記報知部は、消火の完了を示す情報を含む前記第3中間情報を前記第2端末が受信した場合に消火の完了を報知する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理システム、ガスコンロおよびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の加熱調理システムは、ガスコンロと、ガスコンロを遠隔操作するスマートフォンと、を備えている。このガスコンロは、アクセスポイントを介してLANやインターネットなどのネットワークに接続される。スマートフォンは、このようなネットワークに接続され、アクセスポイントを介してガスコンロと通信を行う。加熱調理システムは、スマートフォンを操作することによって、遠隔操作情報をネットワークを介してガスコンロに送信する。遠隔操作情報として、例えば、加熱部の特定機能(加熱弱火など)を制限する制限情報が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願の発明者は、コンロ本体が近距離通信方式で無線通信を行うことを可能としつつ、コンロ本体から離れた端末との間でも無線通信を行うことを可能としたシステムとして、以下のような調理システムを想定した。
【0005】
この調理システムは、コンロ本体と近距離通信方式で無線通信を行い得る中継端末(第1端末)を用いるとともに、コンロ本体と上記中継端末(第1端末)とは異なる情報端末(第2端末)との間に上記中継端末を介在させる。このようなシステム構成を採用すれば、コンロ本体は、中継端末(第1端末)との間で近距離通信が可能となり、情報端末(第2端末)との間でも無線通信が可能となる。しかも、コンロ本体は、第1端末と近距離通信を行えばよいため、消費電力を抑えやすくなる。
【0006】
しかし、この調理システムは、コンロ本体が他の端末との間だけで通信を行うのではなく、少なくともコンロ本体、第1端末、第2端末の3種類の機器が無線通信を行うことになるため、通信異常や電波異常などが生じやすく、異常が生じた場合には異常が疑われる箇所が多くなりやすいという事情がある。このような事情があるため、ユーザは、コンロ本体に対して何らかの遠隔指示を行う場合、その遠隔指示が適正に反映されたことを確認できないと不安を抱きやすい。
【0007】
しかし、第2端末を所持するユーザが第2端末を用いてコンロ本体に向けて何らかの指示を与える場合、そのユーザはコンロ本体の近くにいない場合も想定され、すぐにコンロ本体の近くに移動できない場合も想定される。このような状況下では、ユーザが第2端末を操作してコンロ本体に遠隔指示を与えても、コンロ本体がその指示に応じて適正に動作したか否かを目視等によって迅速に把握しにくく、ユーザが異常を具体的に把握できないまま時間が経過してしまうような事態が生じる懸念がある。
【0008】
本発明は、上述した課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、コンロ本体に遠隔指示を与え得るシステムをコンロ本体の消費電力を抑え得る形で実現でき、且つ、ユーザがコンロ本体に遠隔指示を与える場合にコンロ本体に正常に指示が与えられたか否かをユーザが把握しやすい技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の調理システムは、ガスバーナを備えたコンロ本体と、
通信網にアクセス可能なサーバと、
第1制御部と第1端末側通信部と第1表示部とを備え、近距離通信方式で前記コンロ本体と無線通信を行い且つ通信網を介して前記サーバと通信を行う第1端末と、
操作部と第2制御部と第2端末側通信部と第2表示部とを備え、通信網を介して前記サーバと通信を行う第2端末と、
を備え、
前記第2端末は、前記操作部に対して所定操作がなされることに応じて前記所定操作に対応した操作情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第2端末から送信された前記操作情報を受信した場合に、前記第1端末に対して前記操作情報に対応した第1中間情報を送信し、
前記第1端末は、前記サーバから送信された前記第1中間情報を受信した場合に、前記第1中間情報に対応する指示情報を前記コンロ本体に送信し、
前記コンロ本体は、前記第1端末から送信された前記指示情報を受信した場合に、前記指示情報に対応する対応動作を行い且つ前記第1端末に応答情報を送信し、
前記第1端末は、前記コンロ本体から送信された前記応答情報を受信した場合に、前記応答情報に対応する第2中間情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1端末から送信された前記第2中間情報を受信した場合に、前記第2中間情報に対応する第3中間情報を前記第2端末に送信し、
更に、前記第2端末は、前記サーバから送信された前記第3中間情報を当該第2端末が受信した場合に前記第3中間情報の受信に対応した報知を行う報知部を備える。
【0010】
本発明の調理システムは、上記調理システムに設けられるコンロ本体を含むガスコンロである。
【0011】
本発明のプログラムは、上記調理システムの前記第2端末に記憶されるプログラムであり、
前記操作部に対して前記所定操作がなされた場合に、前記操作情報を前記サーバに送信する動作を前記第2端末側通信部に行わせるステップと、
前記サーバから送信された前記第3中間情報を前記第2端末側通信部が受信した場合に、前記第3中間情報の受信に対応した報知を前記報知部に行わせるステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンロ本体に遠隔指示を与え得るシステムをコンロ本体の消費電力を抑え得る形で実現でき、且つ、ユーザがコンロ本体に遠隔指示を与える場合にコンロ本体に正常に指示が与えられたか否かをユーザが把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の調理システムを概略的に例示する説明図である。
【
図2】第1実施形態のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
【
図3】第1実施形態のガスコンロの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
【
図4】第1実施形態のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図5】第1実施形態の調理システムの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図6】第1実施形態の調理システムの動作の流れを説明する説明図である。
【
図7】第1実施形態の情報端末の制御の流れを例示するフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の中継端末の制御の流れを例示するフローチャートである。
【
図9】第1実施形態のガスコンロの制御の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は、以下の例に限定されない。
【0015】
本発明の一つである調理システムにおいて、第1端末側通信部は、第1無線通信方式で他装置と無線通信を行いつつ他装置を介してサーバにアクセスする第1無線通信部と、第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式でコンロ本体と無線通信を行う第2無線通信部と、を有していてもよい。そして、第2無線通信方式は、bluetooth(登録商標)通信方式であってもよい。
この調理システムは、コンロ本体と第1端末との間でbluetooth(登録商標)通信方式による無線通信がなされるため、第1端末において通信網を介したサーバとの無線通信を可能としつつ、コンロ本体と第1端末との間では消費電力を一層抑えた無線通信が可能となる。よって、第2端末を用いた遠隔指示と可能としつつ、コンロ本体の消費電力を一層抑えることができる。
【0016】
本発明の一つである調理システムにおいて、第1端末側通信部は、サーバから第1中間情報が送信された場合に第1中間情報を受信してもよい。第1制御部は、第1端末側通信部が第1中間情報を受信した場合に第1中間情報の受信に対応した第1表示を第1表示部に行わせてもよい。
この調理システムは、サーバから送信された第1中間情報を第1端末が受信した場合に、第1端末においてその旨の表示(第1表示)を行うことができる。従って、第2端末で所定操作がなされることに応じてコンロ本体を動作させる場合に、例えば何らかの異常によってコンロ本体が正常に動作しないような場合には、第2端末に所定操作がなされた場合に第1端末に与えられるべき情報(第1中間情報)を第1端末が正常に受け取っているか否かを判定・報知することができるようになる。つまり、異常の原因が、第1端末が第1中間情報を受信するまでの経路であるか、その後の経路であるかを特定できるようになる。
【0017】
本発明の一つである調理システムにおいて、報知部は、第2制御部と第2表示部とを有していてもよい。第2端末側通信部は、サーバから第3中間情報が送信された場合に第3中間情報を受信していてもよい。第2制御部は、第2端末側通信部が第3中間情報を受信した場合に第3中間情報の受信に対応した第2表示を第2表示部に行わせてもよい。
この調理システムは、第2端末に所定操作がなされたときにコンロ本体が受け取るべき情報(指示情報)をコンロ本体が受信した場合に、その旨(第2表示)を第2端末の第2表示部に表示させることができる。よって、第2端末を所持するユーザは、第2表示部に第2表示がなされたことを見れば、コンロ本体に指示が届いたことを認識することができ、安心感を持つことができる。
【0018】
本発明の一つである調理システムにおいて、報知部は、第2端末からサーバへと操作情報が送信されてから第1の時間内に第2端末が第3中間情報を受信しない場合に異常の報知を行ってもよい。
この調理システムは、第2端末から指示(所定操作に応じた操作情報)が送信されてから一定時間が経過しても正規の応答(コンロが正常に指示を受け取ったことを条件として第2端末が受け取るべき第3中間情報)が第2端末に与えられない場合に、異常である旨を第2端末近傍のユーザに知らしめることができる。従って、異常の報知がなされた場合、異常を認識したユーザは、闇雲に待機しなくても済み、異常を想定した対応をとりやすくなる。
【0019】
本発明の一つである調理システムにおいて、第1制御部は、第1端末からコンロ本体へと指示情報が送信されてから第2の時間内に応答情報を受信しない場合にサーバへと異常情報を送信してもよい。サーバは、第1端末から異常情報を受信した場合に第2端末へと第4中間情報を送信してもよい。第2端末は、第4中間情報を受信した場合に第1端末又はコンロ本体の少なくともいずれかが異常であることを特定した異常の報知を行ってもよい。
この調理システムは、第1端末からコンロ本体へと指示情報が送信されてからある程度の時間が経過しても第1端末がコンロ本体から正常な応答を受信できない場合に、その旨を第2端末に知らせることができ、第2端末では、「第1端末又はコンロ本体の少なくともいずれかが異常であることを特定した異常の報知」を行うことができる。このようにすれば、「第1端末又はコンロ本体の少なくともいずれかが異常であることを特定した異常の報知」を認識したユーザは、第1端末からコンロ本体へと指示情報がなされた後の工程が正常に行われていないことを把握することができるため、このような事態を認識した上でより適切な対応をとりやすくなる。
【0020】
本発明の一つである調理システムにおいて、所定操作は、ガスバーナの消火を指示する消火指示操作を含んでいてもよい。第2端末は、操作部に対して消火指示操作がなされた場合に消火指示を含む操作情報をサーバに送信してもよい。サーバは、消火指示を含む操作情報を受信した場合に消火指示を含む第1中間情報を送信してもよい。第1端末は、消火指示を含む第1中間情報を受信した場合に、消火指示を含む指示情報をコンロ本体に送信してもよい。コンロ本体は、消火検知部を有し、消火指示を含む指示情報を受信した場合にガスバーナを消火する動作を行い、且つ消火検知部がガスバーナの消火を検知した場合には消火の完了を示す情報を含む応答情報を送信してもよい。第1端末は、消火の完了を示す情報を含む応答情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む第2中間情報をサーバに送信してもよい。サーバは、消火の完了を示す情報を含む第2中間情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む第3中間情報を第2端末に送信してもよい。報知部は、消火の完了を示す情報を含む第3中間情報を第2端末が受信した場合に消火の完了を報知してもよい。
この調理システムは、第2端末からコンロ本体へと遠隔指示によって消火を指示することができる。しかも、第2端末からの遠隔指示に応じてコンロ本体で正常に消火がなされ、消火が正常に検知された場合には、消火の完了を報知部によって報知することができるため、第2端末を用いて消火指示を発したユーザは、確実に消火が行われたか否かを把握することができ、消火の完了の報知を受けた場合には、安心感を持つことができる。
【0021】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1で示す調理システム100は、主に、ガスコンロ1と、中継端末(第1端末)70と、情報端末(第2端末)80と、サーバ90と、によって構成されている。調理システム100は、ガスコンロ1が中継端末70およびサーバ90を介して情報端末80との間で無線通信を行うシステムである。
【0022】
まず、ガスコンロ1について説明する。
図2のように、ガスコンロ1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なビルトインコンロとして構成されている。ガスコンロ1は、コンロ本体1Aの上面を構成する天板2(トッププレート)から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、がそれぞれ設けられ、その左右のコンロ部4A,4Bの間で後方寄りに後コンロ部4Cが設けられている。天板2の下方においてコンロ本体1Aの内部中央付近にはグリル3が設けられている。グリル3は、被調理物を収納してグリルバーナ(ガスバーナ54:
図3)で加熱調理するグリル庫を備え、このグリル庫は、グリル扉3Bによって開閉可能とされている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3には、
図3で示すガスバーナ51,52,53,54がそれぞれ設けられている。なお、以下の例では、コンロ本体1Aによってガスコンロ1が構成されており、ガスコンロ1とコンロ本体1Aは実質的に同義である。
【0023】
図3のように、複数のガスバーナ51,52,53,54には、複数の分岐供給路61,62,63,64がそれぞれ接続され、これら分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐する構成をなす。共通供給路60は、ガスバーナ51,52,53,54への共通のガス経路であり、複数の分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐するとともに各ガスバーナ51,52,53,54に向けてガスを導くように配設された供給路である。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられる。共通供給路60から分岐してガスバーナ51に続く分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51Gと、分岐供給路61を開閉可能な閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ52に続く分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52Gと、分岐供給路62を開閉可能な閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ53に続く分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53Gと、分岐供給路63を開閉可能な閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。
【0024】
安全弁51G、閉止弁51F、火力調整弁51Eは、
図4で示すステッピングモータM1によって駆動されるようになっており、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲になったときに安全弁51Gが開放し、モータM1の回転角度が第2角度範囲になったときに閉止弁51Fが開放し、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲及び第2角度範囲よりも大きい第3角度範囲のときに回転角度に応じて火力調整弁51Eの開度が設定されるようになっている。具体的には、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Aの動作によってステッピングモータM1の回転角度が制御されることで火力調整弁51Eの開度が制御され、ガスバーナ51での火力が火力調整弁51Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Bの動作によってステッピングモータM2の回転角度が制御されることで火力調整弁52Eの開度が制御され、ガスバーナ52での火力が火力調整弁52Eの開度に応じて定まる。同様に、制御回路10からの指示に応じたモータ駆動回路48Cの動作によってステッピングモータM3の回転角度が制御されることで火力調整弁53Eの開度が制御され、ガスバーナ53での火力が火力調整弁53Eの開度に応じて定まる。グリル3のガスバーナ54(グリルバーナ)は、グリル3内において上側に配置される上バーナ54Aと、グリル3内において上バーナ54Aよりも下側に配置される下バーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐してガスバーナ54にガスを導く分岐供給路64には、更に、分岐供給路64から分岐して上バーナ54Aにガスを導く第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下バーナ54Bにガスを導く第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54Gと閉止弁54Fとが設けられ、第1供給路65Aには複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには電磁弁54Kが設けられている。電磁弁54H,54J,54Kの開閉は、制御回路10によって制御される。
【0025】
図2に示すように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dが設けられている。回転操作部6Aは、右コンロ部4Aの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Bは、左コンロ部4Bの点火、消火、火力調整を行うものであり、回転操作部6Cは、後コンロ部4Cの点火、消火、火力調整を行うものであり、第4の回転操作部6Dは、グリル3の点火、消火、火力調整を行うものである。4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dはいずれも、押圧操作可能に構成され、且つ回転操作可能に構成されている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。そして、
図4の電気的構成で示すように、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するようにスイッチ30A,30B,30C,30Dがそれぞれ設けられ、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が突出位置から退避位置(消火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が退避位置から突出位置(点火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。
【0026】
更に、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように変位検出部32A,32B,32C,32Dがそれぞれ設けられ、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部の変位(回転位置)を各回転操作部に対応する変位検出部が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御回路10に与えられる。
【0027】
図3のように、上バーナ54Aにガスを導く主経路として第1供給路65Aが構成され、この第1供給路65Aに設けられた電磁弁54Jを迂回するように、電磁弁54Jの経路と並列の経路であるバイパス路66Aが設けられている。電磁弁54Hが開放した状態で電磁弁54Jが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、電磁弁54H,54Jがいずれも開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第1供給路65A又はバイパス路66Aを通って上バーナ54Aに供給される。また、下バーナ54Bにガスを導く主経路として第2供給路65Bが構成され、この第2供給路65Bに設けられた電磁弁54Kを迂回するように、電磁弁54Kの経路と並列の経路であるバイパス路66Bが設けられている。電磁弁54Kが閉じているときには分岐供給路64によって導かれたガスはバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。また、電磁弁54Kが開いているときには分岐供給路64によって導かれたガスは第2供給路65B又はバイパス路66Bを通って下バーナ54Bに供給される。
【0028】
また、
図3、
図4のように、各ガスバーナ51,52,53のそれぞれの近くにはサーミスタ51C,52C,53Cがそれぞれ設けられている。そして、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。具体的には、サーミスタ51Cは、右コンロ部4Aに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Aは、サーミスタ51Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ52Cは、左コンロ部4Bに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Bは、サーミスタ52Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。サーミスタ53Cは、後コンロ部4Cに載置された調理容器の底部の温度を検出し、温度信号入力回路44Cは、サーミスタ53Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、
図3ではサーミスタ51C,52C,53Cを概念的に示しているが、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれの配置は、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4Cのそれぞれに載置された調理容器に近接し得る位置(具体的には、調理容器に対して直接的に又は他部材を介して間接的に接触し得る位置)であればよい。サーミスタ54Cは、グリル3内に配置され、グリル3の庫内の所定位置の温度を検出し、温度信号入力回路44Dは、サーミスタ54Cでの検出温度に応じた電圧信号を制御回路10に入力する。なお、
図3、
図4では図示は省略しているが、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対がそれぞれ設けられ、各熱電対のそれぞれに対応して温度信号入力回路がそれぞれ設けられている。これら温度信号入力回路はいずれも、対応する熱電対で生じた起電力に応じた信号を制御回路10に入力する。
【0029】
熱電対および制御回路10は、「消火検知部」の一例に相当し、ガスバーナ51,52,53,54A,54Bの消火を検知するように機能する。例えば、熱電対で生じる起電力が所定の閾値を下回った場合に、その熱電対が設けられたコンロで消火の完了条件が成立したことになる。
【0030】
各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接してイグナイタ26A,26B,26C,26Dがそれぞれ設けられ、イグナイタ26A,26B,26C,26Dのそれぞれに対応してイグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。例えば、ガスバーナ51に対応してイグナイタ26Aが設けられ、イグナイタ回路46Aは、スイッチ30Aの点火操作に応じてイグナイタ26Aを駆動し、イグナイタ26Aで火花を放電させてガスバーナ51に点火する。
【0031】
制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、通信部11などを制御する機能を有する。制御回路10は、
図4のように、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェースなどを備える。制御回路10は、上述した各電磁弁(
図4では図示を省略)、イグナイタ26A,26B,26C,26D、複数のモータM1,M2,M3,M4などを制御し得る。操作部12は、操作ボタンやタッチパネルなどの公知の入力インタフェースによって構成され、ユーザの操作に応じた情報を制御回路10に入力し得るものである。また、上述した電気部品を含め、様々な電気部品に電力を供給するように電源回路48が設けられている。電源回路48は電池ボックスに収容された電池49(例えば2つの乾電池)からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有しており、電源回路48で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0032】
更に、ガスコンロ1には、後述する中継端末70と無線通信を行うための通信回路である通信部11が設けられている。通信部11は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)によって中継端末70と無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御回路10と通信部11とが協働して中継端末70との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御回路10と通信部11とが協働し、中継端末70及び広域通信網91を介して情報端末80との間で情報の送受信を行う。
【0033】
ガスコンロ1には、第2無線通信方式での通信を許可する端末の識別情報を登録する登録部13を有する。登録部13は、例えば不揮発性メモリなどによって構成されており、ガスコンロ1が電源オフ状態となった場合(即ち、コンロ本体1Aが電源オフ状態になった場合)でも自身に記憶されている情報が保持され、識別情報の登録が維持されるようになっている。例えば、中継端末70が通信を許可する端末である場合、登録部13には、中継端末70の識別情報(ID)が登録され、この中継端末70の識別情報(ID)は、コンロ本体1Aが電源オフ状態となって制御回路10に対する電力供給が中断しても、登録部13に登録(記憶)され続ける。なお、コンロ本体1Aの電源オフ状態は、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれかに対して点火操作が行われても点火がなされない状態であり、例えば、制御回路10への電力供給が停止した状態である。
【0034】
次に、中継端末70について説明する。
中継端末70は、近距離通信方式(第2無線通信方式)でガスコンロ1と無線通信を行う。中継端末70は、広域通信網91を介してサーバ90と通信を行う。具体的には、中継端末70は、後述する第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網91に直接又は他装置を介して間接的にアクセス可能である。広域通信網91は、例えばインターネット通信網などである。例えば、中継端末70は、広域通信網91を構成する基地局との無線通信によって広域通信網91に直接アクセスしたり、無線ルータやその他のアクセスポイントを介して広域通信網91に間接的にアクセスしてもよい。なお、
図1、
図5では、その一例として、中継端末70がWiFi(登録商標)通信によって無線ルータ92と通信可能とされており、中継端末70が無線ルータ92を介して広域通信網91やサーバ90などにアクセスし得る例を示している。
【0035】
図5のように、中継端末70は、制御回路(第1制御部)71と、表示部(第1表示部)72と、操作部73と、第1端末側通信部74と、を備える。中継端末70は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。なお、
図1,5では、タブレット端末として構成された中継端末70を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればタブレット端末以外の構成であってもよい。また、
図5では、ガスコンロ1については一部部品のみを例示し、他の部品の図示を省略している。
【0036】
制御回路71は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、後述する第1通信部75及び第2通信部76などを制御する機能を有する。制御回路71は、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部72は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部73は、例えば、表示部72の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部72の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部72を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部72は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部73は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0037】
第1端末側通信部74は、第1通信部(第1無線通信部)75と、第2通信部(第2無線通信部)76と、を備える。第1通信部75は、bluetooth(登録商標)以外の無線通信規格に従った第1無線通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第1通信部75は、第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網91に直接又は他装置(例えば、WiFiルータ)を介して間接的にアクセスし得る機能を有し、広域通信網91を介して情報端末80の通信部84と無線通信を行い得る。具体的には、制御回路71と第1通信部75が協働し、サーバ90や情報端末80との間で情報の送受信を行い得る。
【0038】
第2通信部76は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第2通信部76は、ガスコンロ1の通信部11と第2無線通信方式で無線通信を行う。具体的には、制御回路71と第2通信部76とが協働し、ガスコンロ1との間で情報の送受信を行い得る。第2通信部76は、ガスコンロ1に対する指示(例えば、バーナの消火指令)が情報端末80から入力される。
【0039】
ガスコンロ1の制御回路10及び中継端末70の制御回路71は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行うように通信部11及び第2通信部76を制御する第1制御を行う。第1制御は、第1の通信開始条件の成立に応じて開始され、具体的には、登録部13に登録された識別情報が中継端末70からコンロ本体1Aに与えられたことを条件としてコンロ本体1Aと中継端末70との間でのペアリングが確立された上で行われる。より詳しくは、ガスコンロ1及び中継端末70がいずれも電源オン状態であり且つガスコンロ1と中継端末70とがbluetooth(登録商標)通信を行い得る距離にあるときに、ガスコンロ1と中継端末70との間でbluetooth(登録商標)規格に従った公知のペアリング方式(例えば、中継端末70からガスコンロ1に送られた識別情報(ID)をガスコンロ1で認証するペアリング方式)でペアリングがなされ、ペアリング状態が維持されているときに上述の第1制御が行われる。例えば、中継端末70の識別情報(ID)が中継端末70からコンロ本体1Aに送られた場合に、コンロ本体1Aの制御回路10はその識別情報(ID)が登録部13に登録(記憶)されているか否かを判定し、登録されている場合には中継端末70との通信を許可してペアリング状態とし、中継端末70と第2無線通信方式で無線通信を行う。
【0040】
ガスコンロ1の制御回路10及び中継端末70の制御回路71は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行いつつ、中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行うように通信部11、第1通信部75、及び第2通信部76を制御する第2制御を行う。この第2制御の際には、ガスコンロ1の制御回路10及び中継端末70の制御回路71は、ガスコンロ1の情報を情報端末80に無線送信し、情報端末80の情報をガスコンロ1に無線送信するように協働して第2制御を行う。第2制御は、上述の第1制御を前提とする制御であり、例えば、第2の通信開始条件の成立に応じて開始される。具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70との間で第2無線通信方式による通信が確立されているとき(より具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth(登録商標)通信方式でペアリングされているとき)に所定条件が成立した場合(例えば、ガスコンロ1の操作部12又は操作部73に所定操作がなされたり、情報端末80に所定操作がなされたり、その他の通信開始条件が成立したとき)に開始されてもよく、その他の条件に応じて開始されてもよい。
【0041】
次に、サーバ90について説明する。
サーバ90は、広域通信網91にアクセス可能に構成されている。第1通信部75は、情報端末80の通信部84と、サーバ90を介して無線通信を行い得る。サーバ90は、例えば公知のコンピュータとして構成され、少なくとも図示しない制御回路、通信部、および記憶部を備えている。制御回路は、通信部、および記憶部等を制御し得る。通信部は、広域通信網91との間においてデータ通信を行うためのインタフェースである。記憶部は、外部との通信処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。
【0042】
次に、情報端末80について説明する。
情報端末80は、通信網を介してサーバ90と通信を行う。
図5のように、情報端末80は、制御回路(第2制御部)81と、表示部(第2表示部)82と、操作部83と、通信部(第2端末側通信部)84と、を備える。情報端末80は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。なお、
図1,5では、スマートフォンとして構成された情報端末80を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればスマートフォン以外の構成であってもよい。
【0043】
制御回路81は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部82は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部83は、例えば、表示部82の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部82の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部82を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部82は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部83は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0044】
通信部84は、bluetooth(登録商標)以外のWiFi(登録商標)、LTE、4Gなどの公知の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。通信部84は、中継端末70の第1通信部75と、サーバ90を介して無線通信を行い得る。
【0045】
報知部85は、制御回路81と、表示部82と、によって構成されている。報知部85は、表示部82に表示を行うことで外部に報知する。例えば、報知部85は、サーバ90から送信された後述する第3中間情報(例えば、消火の完了を示す情報を含む情報)を情報端末80が受信した場合に第3中間情報の受信に対応した報知(例えば、消火の完了の報知)を行う。また、報知部85は、情報端末80からサーバ90へと操作情報が送信されてから所定時間(後述する第1の時間)内に情報端末80が第3中間情報を受信しない場合に異常の報知を行う。また、情報端末80は、後述する第4中間情報を受信した場合に第1端末又はコンロ本体の少なくともいずれかが異常(例えば、ガスコンロ1と中継端末70との間の通信が異常状態)であることを特定した異常の報知を行う。
【0046】
次に、調理システム100による通信制御について説明する。
調理システム100は、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行う。中継端末70および情報端末80には、調理システム100の制御に関するアプリケーションプログラム(調理アプリ)がインストールされており、各端末でアプリを起動させた状態で、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80と通信を行う。情報端末80にインストールされたアプリケーションプログラムは、
図7のような制御を実行し得るプログラムである。中継端末70にインストールされたアプリケーションプログラムは、
図8のような制御を実行し得るプログラムである。また、ガスコンロ1には、
図9のような制御を実行し得るプログラムが記憶されている。
【0047】
図6には、調理システム100で行われる制御の流れが例示されている。
図6では、ユーザが情報端末80によって消火操作(ガスコンロ1の消火を指示する操作)を行う場合を例示している。この例では、ユーザが情報端末80の操作部83を操作してガスコンロ1(各コンロ部4A,4B,4C、グリル3)の全てのガスバーナの消火を指示する情報を入力する操作(消火操作)を行っている。
【0048】
情報端末80(第2端末)は、操作部83に対して所定操作がなされることに応じて当該所定操作に対応した操作情報をサーバに送信する。例えば、情報端末80は、上述の消火操作(消火を指示する情報の入力)が行われると、サーバ90に対して上記消火操作に応じた指令(消火操作指令)を操作情報として送信する。この消火操作指令は、全てのガスバーナの消火を指示する指令であり、このような指令を特定するコマンドを含む情報である。
【0049】
情報端末80は、操作情報を送信した後、操作情報の送信に応じた表示を表示部82に行わせる。例えば、
図6の例では、情報端末80は、上述の消火操作指令の送信を開始した後、表示部82にダイアログ表示として消火操作指令を送信している旨を表示する。
【0050】
サーバ90は、情報端末80(第2端末)から送信された操作情報を受信した場合、中継端末70(第1端末)に対して操作情報に対応した第1中間情報を送信する。第1中間情報は、情報端末80から送信された操作情報の内容を特定し得る情報であり、例えば、操作情報に含まれる指令(例えば、消火操作指令)を含む情報とすることができる。例えば、
図6の例では、サーバ90は、上述の消火操作指令を受信した場合、中継端末70に対し、第1中間情報の一例としての消火要求通知(消火操作指令に対応する通知)を送信し、中継端末70に上記操作情報に対応するプッシュ通知(例えば、消火要求がなされたことを表示するプッシュ通知)を行わせる。この消火要求通知は、第1中間情報の一例に相当し、上記消火操作指令(全てのガスバーナの消火を指示する指令)を通知する情報であり、情報端末80から消火操作指令があったことを中継端末70に知らせる情報である。
【0051】
中継端末70(第1端末)は、サーバ90から送信された第1中間情報を受信した場合に、第1中間情報に対応する指示情報をコンロ本体1Aに送信する。指示情報は、第1中間情報の内容を特定し得る情報であり、例えば、第1中間情報を送信するトリガとなった操作情報に含まれる指令(例えば、消火操作指令)を含む情報とすることができる。
図6の例では、中継端末70は、サーバ90から上述の消火要求通知(第1中間情報)を受信した場合に、プッシュ通知を行い、ガスコンロ1(具体的にはコンロ本体1A)に対し、指示情報の一例としての消火要求コマンドを送信する。消火要求コマンドは、サーバ90からの消火要求通知に対応するコマンド(即ち、情報端末80からの消火操作指令に対応するコマンド)であり、指令の送信元の情報端末80から指示された指令(全てのガスバーナの消火を指示する指令)をガスコンロ1に与える情報である。
【0052】
ガスコンロ1(具体的にはコンロ本体1A)は、中継端末70からコマンドを受信した場合、受信したコマンドに応じた動作を行うようになっており、中継端末70(第1端末)から送信された指示情報を受信した場合に、指示情報に対応する対応動作を行い且つ中継端末70に応答情報を送信するようになっている。応答情報は、指示情報がコンロ本体1Aによって受信されたことを特定し得る情報であり、例えば、上述の対応動作が開始されたことを特定し得る情報となっている。
【0053】
図6の例では、コンロ本体1Aは、指示情報の一例としての消火要求コマンド(全てのガスバーナの消火を指示する指令)を受信した場合、受信した消火要求コマンドに対応する対応動作として、消火要求コマンドに含まれる指令で指示される動作(具体的には、全てのガスバーナを消火する動作(消火操作))を行う。そして、コンロ本体1Aは、消火要求コマンドの受信に応じて消火要求コマンドに対応する対応動作(消火操作)を開始した場合、中継端末70に対し、応答情報の一例としての応答コマンド(例えば、受信したコマンドに応じた対応動作が実行中である旨のコマンド)を送信する。
図6の例では、コンロ本体1Aは、中継端末70から消火要求コマンドを受信したことに応じて消火要求コマンドに応じた対応動作(全てのガスバーナを消火する動作)を開始した場合、消火要求コマンドに応じた対応動作(全てのガスバーナを消火する動作)を行うとともに、この対応動作が実行中である旨のコマンド(消火実行中コマンド)を応答情報の一例として中継端末70に送信するようになっている。
【0054】
中継端末70(第1端末)は、コンロ本体1Aから送信された応答情報を受信した場合に、応答情報に対応する第2中間情報をサーバに送信する。第2中間情報は、応答情報の内容を特定し得る情報である。この第2中間情報も、指示情報がコンロ本体1Aによって受信されたことを特定し得る情報であり、例えば、上述の対応動作が開始されたことを特定し得る情報である。具体的には、中継端末70は、応答コマンドとして上述の消火実行中コマンドを受信した場合、サーバ90に対し、第2中間情報の一例としての通知(具体的には、消火実行中コマンドに対応した消火実行中の通知(コンロ操作結果通知))を送信する。
【0055】
サーバ90は、中継端末70(第1端末)から送信された第2中間情報を受信した場合、第2中間情報に対応する第3中間情報を情報端末80(第2端末)に送信する。
図6の例では、サーバ90は、中継端末70から第2中間情報として上述の消火実行中の通知(コンロ操作結果通知)を受信した場合、情報端末80に対して消火実行中の通知(コンロ操作結果通知)に対応する情報(第3中間情報)を送信して実行中である旨のプッシュ通知を行わせる。例えば、サーバ90が中継端末70から消火実行中の通知(コンロ操作結果通知)を受信した場合、情報端末80に対し、第3中間情報としてコンロ操作結果通知に対応する情報(消火実行中通知)を送信し、情報端末80に消火実行中(消火操作中)である旨のプッシュ通知を行わせる。
【0056】
情報端末80(第2端末)は、サーバ90から送信された第3中間情報を受信した場合、報知部85が第3中間情報の受信に対応した報知を行う。
図6の例では、情報端末80は、上述のダイアログの表示後、サーバ90から第3中間情報の一例に相当する消火実行中通知を受信することに応じて、プッシュ通知を行い、表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(具体的には、「消火実行中通知に対応する情報」に応じた画面)を表示させる。例えば、情報端末80は、上述のダイアログの表示後、サーバ90から消火実行中通知(中継端末70からの消火実行中の通知に応じた情報)を受信した場合、消火実行中通知の受信に応じて表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(例えば、
図6で示すような消火実行中通知に対応した「消火操作中」の画面)を表示させる。
図6の例では、ガスコンロ1の状態を表示する画面は、ガスコンロ1のイメージを表す画像とともに、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応する状態を表す記号や文字が表示される。
図6では、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火実行中である場合に、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「?」が表示されている。「?」のマークは、「?」が付された部分(コンロ部又はグリル)が消火実行中であることを示すマークである。なお、情報端末80は、上述の消火操作指令を送信してから所定時間(例えば10秒)が経過しても後述の消火完了コマンドを受信していない場合にはその旨の表示(例えば、タイムアウトである旨の表示)を表示部82に行わせる。上述の所定時間が経過した旨の表示(例えば、タイムアウトである旨の表示)は、
図6で示す「消火操作中」の画面に追加表示(例えば、吹き出しなどの追加表示)を加えた形で表示してもよく、一時的に画面を切り替えてタイムアウトである旨の表示を行ってもよい。
【0057】
ガスコンロ1は、中継端末70からコマンドを受信した場合において、受信したコマンドに応じた動作を行い、この動作が完了した場合には、動作完了に応じたコマンドを中継端末70に送信する。例えば、ガスコンロ1は、上述の消火実行中コマンドを送信した後、消火動作(消火操作(対応動作))が完了した場合には、中継端末70に対して消火動作完了に応じた消火完了コマンド(応答情報)を送信する。
【0058】
中継端末70は、動作完了に応じたコマンドをガスコンロ1から受信した場合、サーバ90に対して動作完了である旨の情報(動作結果通知)を送信する。例えば、中継端末70は、ガスコンロ1から消火完了コマンドを受信した場合、サーバ90に対して消火完了である旨の情報(コンロ操作結果通知、第2中間情報)を送信する。
【0059】
サーバ90は、中継端末70から動作完了である旨の情報(動作結果通知)を受信した場合、情報端末80に対して動作完了である旨の情報を送信してプッシュ通知を行わせる。例えば、サーバ90は、中継端末70から消火完了である旨の情報を受信した場合、情報端末80に対して消火完了である旨の情報(第3中間情報)を送信してプッシュ通知を行わせる。
【0060】
情報端末80は、サーバ90から動作完了である旨の情報を受信した場合表示部82でなされている画面表示(ガスコンロ1の状態の表示)を動作完了である旨の情報に応じた画面表示に更新する。例えば、情報端末80は、サーバ90から消火完了である旨の情報を受信した場合、表示部82でなされている画面表示(ガスコンロ1の状態の表示)を消火完了である旨の情報に応じた画面表示に更新する。この場合、表示部82には、例えば
図6のように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火完了となった場合、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「消」の文字が表示される。
【0061】
次に、調理システム100における通信異常時の制御について説明する。
情報端末80からサーバ90への情報送信時(例えば、消火操作に応じた指令(消火操作指令)の送信時)に通信異常が生じる場合、情報端末80とサーバ90との間の通信が切断されていることやサーバ90が正常に動作していないことなどが想定される。そのため、情報端末80は、サーバ90に対して情報(例えば、消火操作指令)を送信できない場合には、表示部82に、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の表示を行わせる。例えば、情報端末80は、「通信エラー」や「情報端末80の電波状況を確認してください」等の表示を表示部82に行わせる。
【0062】
サーバ90から中継端末70への情報送信時(例えば、消火操作指令に対応する消火要求通知の送信時)に通信異常が生じる場合、中継端末70の電源がオフ状態であったり、WiFi(登録商標)通信方式等での通信が切断されていることなどが想定される。そのため、サーバ90は、中継端末70に対して情報(例えば、消火要求通知)を送信できない場合には、情報端末80に対して通信異常である旨の第1異常情報(具体的には、中継端末70とサーバ90との通信が異常であることを示す情報)を送信し、サーバ90と中継端末70との間の通信が異常である旨の表示を行わせる。情報端末80は、サーバ90から第1異常情報を受信した場合、第1異常情報に対応した異常の報知を行う。例えば、情報端末80は、第1異常情報に対応した異常の報知として、第1異常情報に対応する異常位置の報知(具体的には、例えば中継端末70が異常位置である旨の報知)を行う。更に、情報端末80は、第1異常情報に対応した対処方法の報知を行う。第1異常情報に対応した対処方法の報知としては、例えば、「ガスコンロ1の状態を表示部82に表示させて消火状態であるか確認し、消火状態でない場合は再度消化操作を行ってください。それでも消火状態にならない場合、次の確認を行ってください。中継端末70がWiFi(登録商標)通信方式等で他装置(例えば、WiFiルータ)と無線通信を行っている状態か。中継端末70が電源オン状態であるか。中継端末70で調理アプリが起動されているか。」等の表示(以下、確認表示という)を表示部82に行わせることが挙げられる。
【0063】
中継端末70からガスコンロ1への情報送信時(例えば、消火操作指令に対応した消火要求コマンドの送信時)に通信異常が生じる場合、ガスコンロ1の電源がオフ状態であったり、bluetooth(登録商標)通信方式等での通信が切断されていることなどが想定される。そのため、中継端末70は、ガスコンロ1に対して情報(例えば、消火要求コマンド)を送信できない場合には、情報端末80に対して通信異常である旨の第2異常情報を送信し、ガスコンロ1と中継端末70との間の通信が異常である旨の表示(プッシュ通知)を情報端末80に行わせる。具体的には、中継端末70は、サーバ90に対して第2異常情報を送信し、第2異常情報を受信したサーバ90が、情報端末80に対して第2異常情報(具体的には、中継端末70とガスコンロ1との通信が異常であることを示す情報)を送信する。情報端末80は、サーバ90から第2異常情報を受信した場合、第2異常情報に対応した異常の報知を行う。例えば、情報端末80は、第2異常情報に対応した異常の報知として、第2異常情報に対応する異常位置の報知(具体的には、例えばコンロ本体1Aが異常位置である旨の報知、或いは、コンロ本体1A又は中継端末70が異常位置である旨の報知)を行う。更に、情報端末80は、第2異常情報に対応した対処方法の報知を行う。第2異常情報に対応した対処方法の報知としては、例えば、「通信エラー」「ガスコンロ1の電源がオン状態であるか確認してください」「中継端末70とガスコンロ1との間のbluetooth(登録商標)通信が阻害されています」等の表示を表示部82に行わせることが挙げられる。
【0064】
ガスコンロ1から中継端末70への情報送信時(例えば、消火実行中コマンドや消火完了コマンドの送信時)に通信異常が生じる場合、ガスコンロ1の異常や、bluetooth(登録商標)通信方式等での通信が切断されていることが想定される。そのため、中継端末70は、ガスコンロ1への情報送信後(例えば、消火要求コマンド(指示情報)の送信後)一定時間(第2の時間)内にガスコンロ1から応答情報(例えば、消火実行中コマンドや消火完了コマンド)を受信しない場合には、サーバ90に異常情報(第3異常情報)を送信する。サーバ90は、中継端末70から第3異常情報を受信した場合、情報端末80に第4中間情報を送信し、ガスコンロ1と中継端末70との間の通信が異常である旨の表示を情報端末80に行わせる。情報端末80(第2端末)は、サーバ90から第4中間情報を受信した場合に、第4中間情報に対応した異常の報知(第3異常情報に対応した異常の報知)を行う。例えば、情報端末80は、第4中間情報に対応した異常の報知(第3異常情報に対応した異常の報知)として、第4中間情報に対応する異常位置の報知(具体的には、例えばコンロ本体1Aが異常位置である旨の報知、或いは、コンロ本体1A又は中継端末70が異常位置である旨の報知)を行う。
【0065】
中継端末70からサーバ90への情報送信時(例えば、コンロ操作結果通知の送信時)に通信異常が生じる場合、WiFi(登録商標)通信方式等での通信が切断されていることが想定される。そのため、サーバ90は、中継端末70への情報送信後(例えば、消火要求通知の送信後)一定時間内に中継端末70から情報(例えば、コンロ操作結果通知)が送信されない場合には、情報端末80に通信異常である旨の情報を送信し、中継端末70とサーバ90との間の通信が異常である旨の表示を行わせる。例えば、情報端末80は、上記確認表示を表示部82に行わせる。
【0066】
サーバ90から情報端末80への情報送信時(例えば、消火実行中通知や消火完了である旨の情報の送信時)に通信異常が生じる場合、情報端末80とサーバ90との間の通信が切断されていることが想定される。そのため、情報端末80は、サーバ90への情報送信後(消火操作指令(操作情報)の送信後)一定時間(第1の時間)内に中継端末70から情報(例えば、消火実行中通知や消火完了である旨の情報(第3中間情報))が送信されない場合には、表示部82に、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の表示を行わせる。例えば、情報端末80は、上記確認表示を表示部82に行わせる。
【0067】
次に、ガスコンロ1、中継端末70、および情報端末80の各装置で行われる制御について詳しく説明する。
まず、情報端末80で行われる制御について説明する。
図7で示す処理は情報端末80において制御回路81によって実行される処理である。制御回路81は、上述した調理アプリを起動させた状態において、ガスコンロ1を遠隔操作するための操作(ガスコンロ1にコマンドを送信するための操作)が操作部83で行われたことを検出することで(ステップS11)、
図7の処理を開始する。情報端末80は、操作部83に対して所定操作がなされることに応じて所定操作に対応した操作情報をサーバ90に送信する。例えば、情報端末80は、操作部83に対して消火指示操作(ガスバーナ51,52,53,54の消火を指示する操作)がなされた場合に消火指示を含む消火操作指令をサーバ90に送信する。なお、
図7の処理は、ガスコンロ1の制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始され、さらに情報端末80と中継端末70との間で第1無線通信方式又は第2無線通信方式で無線通信を行い得る状態で行われるものとする。続くステップS12では、制御回路81は、通信部84を介して、操作指令(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火指令)を、サーバ90に送信する。サーバ90は、情報端末80から送信された操作情報を受信した場合に、中継端末70に対して操作情報に対応した第1中間情報を送信する。例えば、サーバ90は、消火要求通知を受信した場合に消火指示を含む消火要求通知を送信する。
【0068】
ステップS11,S12は、「操作部83に対して所定操作がなされた場合に、操作情報をサーバ90に送信する動作を通信部84に行わせるステップ」の一例に相当する。具体的には、操作部83に対して消火指示操作(ガスバーナ51,52,53,54の消火を指示する操作)がなされることと、消火指示を含む消火操作指令をサーバ90に送信することである。
【0069】
制御回路81は、続くステップS13で、操作指令を送信中である旨の表示を表示部82に行わせる。制御回路81は、続くステップS14で、サーバ90から通信異常である旨の情報(第4中間情報)を受信したか否か判断する。情報端末80は、通信異常である旨の情報を受信した場合、ステップS15において第1端末又はコンロ本体の少なくともいずれかが異常であることを特定した異常の報知を行う。制御回路81は、ステップS14で、サーバ90から通信異常である旨の情報を受信したと判断する場合、Yesに進み、中継端末70とガスコンロ1との間の通信、又はガスコンロ1が異常である旨の報知を行う。具体的には、制御回路81は、上記確認表示を表示部82に行わせる。ステップS15が行われると、制御回路81は、
図7の処理を終了させる。
【0070】
制御回路81は、ステップS14で、サーバ90から通信異常である旨の情報(第4中間情報)を受信していないと判断する場合、Noに進み、ステップS16において、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を、サーバ90から受信したか否か判断する。制御回路81は、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を受信したと判断する場合、Yesに進み、ステップS18を行う。一方で、制御回路81は、ガスコンロ1で操作指令に関する操作が実行中である旨の通知を受信していないと判断する場合、Noに進み、ステップS17で、ステップS12で行われた操作指令の送信の時点から所定時間(例えば10秒)が経過したか否か(タイムアウトか否か)判断する。制御回路81は、タイムアウトであると判断する場合、Yesに進み、ステップS18を行う。一方で、制御回路81は、タイムアウトでないと判断する場合、Noに進み、再びステップS16を行う。
【0071】
制御回路81は、ステップS18で、表示部82に表示を切り替えさせる。具体的には、制御回路81は、上述したように、表示部82にガスコンロ1の状態を表示する画面(
図6参照)に遷移させる。例えば、表示部82は、
図6に示すように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火実行中である場合に、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「?」が表示される。
【0072】
続くステップS19で、制御回路81は、消火完了に関する通知をサーバ90から受信したか否か判断する。制御回路81は、消火完了に関する通知をサーバ90から受信したと判断する場合、Yesに進み、ステップS20を行う。一方で、制御回路81は、消火完了に関する通知をサーバ90から受信していないと判断する場合、Noに進み、消火完了に関する通知をサーバ90から受信したと判断するまで繰り返しステップS21を行う。制御回路81は、ステップS21において、ステップS12で行われた操作指令の送信の時点から所定時間(例えば5分)が経過したか否か(タイムアウトか否か)判断する。制御回路81は、タイムアウトであると判断する場合、Yesに進み、ステップS22を行う。一方で、制御回路81は、タイムアウトでないと判断する場合、Noに進み、再びステップS19を行う。報知部85は、情報端末80からサーバ90へと操作情報が送信されてから第1の時間内に情報端末80が第3中間情報を受信しない場合に異常の報知を行う。ステップS22では、制御回路81は、表示部82に、例えば、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の表示を行わせる。具体的には、情報端末80は、上記確認表示を表示部82に行わせる。なお、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の報知として、その他に、表示部82に、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨のメッセージや、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の絵柄などを表示させてもよい。また、図示しないランプを発光させたり、振動を生じさせ得る構成として振動によって報知してもよい。また、情報端末80とサーバ90との間の通信が異常である旨の情報を、通信部84を介して外部装置に送信してもよい。ステップS22が行われると、制御回路71は、
図7の処理を終了させる。
【0073】
情報端末80は、サーバ90から送信された第3中間情報を受信した場合に第3中間情報の受信に対応した報知を行う。例えば、制御回路81は、通信部84を介して第3中間情報を受信したことを条件として、第3中間情報の受信に対応した報知を行う。すなわち、制御回路81は、通信部84を介して第3中間情報を受信した時点や、第3中間情報を受信した時点から所定時間後に、第3中間情報の受信に対応した報知を行う。例えば、報知部85は、消火の完了を示す情報を情報端末80が受信した場合に、表示部82に消火の完了である旨の表示(第2表示)を行わせる。ステップS20で、制御回路81は、表示部82にガスコンロ1の状態の表示を更新させる。表示部82は、例えば、
図6に示すように、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3が消火完了となった場合、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に対応して「消」の文字が表示される。ステップS20は、「サーバ90から送信された第3中間情報を通信部84が受信した場合に、第3中間情報の受信に対応した報知を報知部85に行わせるステップ」の一例に相当する。ステップS20が行われると、制御回路81は、
図7の処理を終了させる。
【0074】
次に、中継端末70で行われる制御について説明する。
図8で示す処理は中継端末70において制御回路71によって実行される処理である。制御回路71は、上述した調理アプリを起動させることで、
図8の処理が開始される。なお、
図8の処理は、ガスコンロ1の制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始された状態で行われるものとする。
【0075】
ステップS31で、制御回路71は、サーバ90からガスコンロ1に対する指示(操作指令であり、例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火指令)が入力されたか否か判断する。制御回路71は、第2通信部76に指示(指令)が入力された場合に、指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部76を制御する。制御回路71は、サーバ90からガスコンロ1に対する指示が入力されたと判断する場合、ステップS32を行う。一方で、制御回路71は、サーバ90からガスコンロ1に対する指示が入力されていないと判断する場合、指示が入力されたと判断するまで、繰り返しステップS31を行う。中継端末70は、サーバ90から送信された第1中間情報を受信した場合に、第1中間情報に対応する指示情報をガスコンロ1に送信する。例えば、中継端末70は、消火指示を含む消火要求通知を受信した場合に、消火指示を含む消火要求コマンドをガスコンロ1に送信する。ステップS32では、制御回路71は、情報端末80から受信した操作指令(
図7のステップS12で送信された指令)に応じて、ガスコンロ1にコマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を要求する消火コマンド)を送信する。さらに、制御回路71は、サーバ90から送信された第1中間情報を第1通信部75によって受信すると、第1中間情報の受信に対応した第1表示を表示部72に行わせる。例えば、制御回路71は、消火要求通知をサーバ90から受信すると、消火要求通知の受信に対応した第1表示(情報端末80の操作に基づく指令を受信した旨を示す表示)を表示部72に行わせる。「情報端末80の操作に基づく指令を受信した旨を示す表示」は、例えば、上記指令を受信した旨のメッセージであってもよく、上記指令を受信した旨を示す絵柄などであってもよい。例えば、消火要求通知の受信に対応した第1表示を表示部72に行わせる場合には、「外部から消火要求がなされました」といったメッセージを表示してもよく、同趣旨のメッセージや絵柄を表示してもよい。
【0076】
続くステップS33で、制御回路71は、実行中コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を実行していることを伝えるコマンド)をガスコンロ1から受信したか否か判断する。制御回路71は、実行中コマンドを受信したと判断する場合、ステップS36を行う。一方で、制御回路71は、実行中コマンドを受信していないと判断する場合、Noに進み、ステップS34で、ステップS32で行われたコマンドの送信の時点から所定時間(例えば10秒)が経過したか否か(タイムアウトか否か)判断する。制御回路71は、タイムアウトであると判断する場合、Yesに進み、ステップS35を行う。一方で、制御回路71は、タイムアウトでないと判断する場合、Noに進み、再びステップS33を行う。
【0077】
制御回路71は、中継端末70からガスコンロ1へと指示情報(ステップS32)が送信されてから第2の時間内に応答情報を受信しない場合に、サーバ90へと異常情報を送信する。制御回路71は、ステップS35において、サーバ90に対して通信異常である旨の情報(異常情報)を送信する。すなわち、制御回路71は、中継端末70とガスコンロ1との間の通信、又はガスコンロ1が異常である旨の情報を送信する。サーバ90は、中継端末70から異常情報を受信した場合に情報端末80へと第4中間情報を送信する。ステップS35が行われると、制御回路71は、
図8の処理を終了させる。
【0078】
制御回路71は、ガスコンロ1の状態の情報がガスコンロ1から無線送信された場合に、ガスコンロ1の状態の情報に応じた表示(後述するコマンドを実行中である旨の表示やコマンドが完了した旨の表示)を表示部72に行わせる。例えば、ステップS36では、制御回路71は、表示部72にガスコンロ1がコマンド(例えば、消火要求コマンド)を実行中である旨の表示(状態の情報に応じた表示)を行わせる。ステップS36の表示は、ガスコンロ1がコマンド(例えば、消火要求コマンド)を実行中である旨の文字情報の表示であってもよく、その旨の絵表示であってもよく、これらを併用した表示であってもよい。続くステップS37では、制御回路71は、サーバ90を介して情報端末80に消火実行中である旨の情報を送信する。
【0079】
続くステップS38で、制御回路71は、完了コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を完了したことを伝えるコマンド)をガスコンロ1から受信したか否か判断する。制御回路71は、完了コマンドを受信したと判断する場合、ステップS39を行う。一方で、制御回路71は、完了コマンドを受信していないと判断する場合、完了コマンドを受信したと判断するまで繰り返しステップS38を行う。
【0080】
ステップS39では、制御回路71は、表示部72にガスコンロ1が消火完了である旨の表示(状態の情報に応じた表示)を行わせる。ステップS39の表示は、ガスコンロ1の消火が完了している旨(例えば、全てのガスバーナが消火状態である旨)の文字情報の表示であってもよく、その旨の絵表示であってもよく、これらを併用した表示であってもよい。続くステップS40では、制御回路71は、サーバ90を介して情報端末80に消火完了である旨の情報を送信する。中継端末70は、ガスコンロ1から送信された応答情報を受信した場合に、応答情報に対応する第2中間情報をサーバ90に送信する。例えば、中継端末70は、消火の完了を示す情報を含む応答情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む情報(コンロ操作結果通知)をサーバ90に送信する。サーバ90は、中継端末70から送信された第2中間情報を受信した場合に、第2中間情報に対応する第3中間情報を情報端末80に送信する。サーバ90は、消火の完了を示す情報を含む情報(コンロ操作結果通知)を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む消火完了である旨の情報を情報端末80に送信する。ステップS40が行われると、制御回路71は、
図8の処理を終了させる。
【0081】
次に、ガスコンロ1で行われる制御について説明する。
図9で示す処理はガスコンロ1において制御回路10によって実行される処理である。
図9の処理は、例えば、制御回路10及び制御回路71によって第2制御が開始されることで開始される。
【0082】
ステップS51で、制御回路10は、中継端末70からコマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を要求する消火コマンド)が送信されたか否か判断する。制御回路10は、中継端末70からコマンドが送信されたと判断する場合、ステップS52を行う。一方で、制御回路10は、中継端末70からコマンドが送信されていないと判断する場合、繰り返しステップS51を行う。ステップS52では、制御回路10は、中継端末70からコマンドを受信する。
【0083】
制御回路10は、指示(指令)が情報端末80から無線送信された場合に、指示に応じた動作をガスコンロ1に行わせる。ガスコンロ1は、中継端末70から送信された指示情報を受信した場合に、指示情報に対応する対応動作を行い且つ中継端末70に応答情報を送信する。例えば、ガスコンロ1は、消火指示を含む指示情報を受信した場合にガスバーナ51,52,53,54を消火する動作を行い、ガスバーナ51,52,53,54の消火を検知した場合には消火の完了を示す情報を含む消火完了コマンドを送信する。ステップS53で、制御回路10は、ステップS52で受信したコマンドに対応する動作を実行する。制御回路10には、予めコマンドに対応する動作が記憶されている。例えば、制御回路10には、消火コマンドに対応して、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を行う動作が記憶されている。具体的には、制御回路10には、コンロ部4Aを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Aの消火を行う動作が記憶され、コンロ部4Bを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Bの消火を行う動作が記憶され、コンロ部4Cを消火する指令を含む消火コマンドに対応してコンロ部4Cの消火を行う動作が記憶され、グリル3を消火する指令を含む消火コマンドに対応してグリル3の消火を行う動作が記憶されている。そのため、例えば、制御回路10は、コンロ部4Aを消火する指令を含む消火コマンドを受信した場合、コンロ部4Aの消火を行う。
【0084】
制御回路10は、第1制御の際にガスコンロ1の状態の情報(後述する実行中コマンドや完了コマンドなど)を中継端末70に無線送信するように通信部11を制御する。ステップS54で、制御回路10は、実行中コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を実行していることを伝えるコマンド)を中継端末70に送信する。続くステップS55で、制御回路10は、コマンドに対応する動作の完了条件が成立したか否か判断する。例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3に設けられる熱電対のいずれかで生じる起電力が所定の閾値を下回った場合に、その熱電対が設けられたコンロまたはグリルで消火の完了条件が成立したことになる。制御回路10は、完了条件が成立したと判断する場合、ステップS56を行う。一方で、制御回路10は、完了条件が成立していないと判断する場合、繰り返しステップS55を行う。ステップS56では、制御回路10は、中継端末70に完了コマンド(例えば、各コンロ部4A,4B,4C、グリル3のうちのいずれかの消火を完了したことを伝えるコマンド)を送信する。ステップS56が行われると、制御回路10は、
図9の処理を終了させる。
【0085】
本構成の効果を例示する。
上記の調理システム100は、コンロ本体1Aに遠隔指示を与え得るシステムをコンロ本体1Aの消費電力を抑え得る形で実現でき、且つ、ユーザがコンロ本体1Aに遠隔指示を与える場合にコンロ本体1Aに正常に指示が与えられたか否かをユーザが把握しやすくなる。
【0086】
上記の調理システム100において、第1端末側通信部74は、第1無線通信方式で他装置と無線通信を行いつつ他装置を介してサーバ90にアクセスする75と、第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式でコンロ本体1Aと無線通信を行う第2通信部76と、を有する。そして、第2無線通信方式は、bluetooth(登録商標)通信方式とされている。
この調理システム100は、コンロ本体1Aと中継端末70(第1端末)との間でbluetooth(登録商標)通信方式による無線通信がなされるため、中継端末70(第1端末)において通信網を介したサーバ90との無線通信を可能としつつ、コンロ本体1Aと中継端末70(第1端末)との間では消費電力を一層抑えた無線通信が可能となる。よって、情報端末80(第2端末)を用いた遠隔指示と可能としつつ、コンロ本体1Aの消費電力を一層抑えることができる。
【0087】
上記の調理システム100において、第1端末側通信部74は、サーバ90から第1中間情報が送信された場合に第1中間情報を受信する。第1制御部は、第1端末側通信部74が第1中間情報を受信した場合に第1中間情報の受信に対応した第1表示を表示部72(第1表示部)に行わせる。
この調理システム100は、サーバ90から送信された第1中間情報を中継端末70(第1端末)が受信した場合に、中継端末70(第1端末)においてその旨の表示(第1表示)を行うことができる。従って、情報端末80(第2端末)で所定操作がなされることに応じてコンロ本体1Aを動作させる場合に、例えば何らかの異常によってコンロ本体1Aが正常に動作しないような場合には、情報端末80(第2端末)に所定操作がなされた場合に中継端末70(第1端末)に与えられるべき情報(第1中間情報)を中継端末70(第1端末)が正常に受け取っているか否かを判定・報知することができるようになる。つまり、異常の原因が、中継端末70(第1端末)が第1中間情報を受信するまでの経路であるか、その後の経路であるかを特定できるようになる。
【0088】
上記の調理システム100において、報知部85は、制御回路81と表示部82(第2表示部)とを有している。通信部84は、サーバ90から第3中間情報が送信された場合に第3中間情報を受信する。制御回路は、通信部84が第3中間情報を受信した場合に第3中間情報の受信に対応した第2表示を表示部82(第2表示部)に行わせる。
この調理システム100は、情報端末80(第2端末)に所定操作がなされたときにコンロ本体1Aが受け取るべき情報(指示情報)をコンロ本体1Aが受信した場合に、その旨(第2表示)を情報端末80(第2端末)の表示部82(第2表示部)に表示させることができる。よって、情報端末80(第2端末)を所持するユーザは、表示部82(第2表示部)に第2表示がなされたことを見れば、コンロ本体1Aに指示が届いたことを認識することができ、安心感を持つことができる。
【0089】
上記の調理システム100において、報知部85は、情報端末80(第2端末)からサーバ90へと操作情報が送信されてから第1の時間内に情報端末80(第2端末)が第3中間情報を受信しない場合に異常の報知を行わせる。
この調理システム100は、情報端末80(第2端末)から指示(所定操作に応じた操作情報)が送信されてから一定時間が経過しても正規の応答(コンロが正常に指示を受け取ったことを条件として情報端末80(第2端末)が受け取るべき第3中間情報)が情報端末80(第2端末)に与えられない場合に、異常である旨を情報端末80(第2端末)近傍のユーザに知らしめることができる。従って、異常の報知がなされた場合、異常を認識したユーザは、闇雲に待機しなくても済み、異常を想定した対応をとりやすくなる。
【0090】
上記の調理システム100において、制御回路71は、中継端末70(第1端末)からコンロ本体1Aへと指示情報が送信されてから第2の時間内に応答情報を受信しない場合にサーバ90へと異常情報を送信する。サーバ90は、中継端末70(第1端末)から異常情報を受信した場合に情報端末80(第2端末)へと第4中間情報を送信する。情報端末80(第2端末)は、第4中間情報を受信した場合に所定位置が異常であることを特定した異常の報知を行う。
この調理システム100は、中継端末70(第1端末)からコンロ本体1Aへと指示情報が送信されてからある程度の時間が経過しても中継端末70(第1端末)がコンロ本体1Aから正常な応答を受信できない場合に、その旨を情報端末80(第2端末)に知らせることができ、情報端末80(第2端末)では、「所定位置が異常であることを特定した異常の報知」を行うことができる。このようにすれば、「所定位置が異常であることを特定した異常の報知」を認識したユーザは、中継端末70(第1端末)からコンロ本体1Aへと指示情報がなされた後の工程が正常に行われていないことを把握することができるため、このような事態を認識した上でより適切な対応をとりやすくなる。
【0091】
上記の調理システム100において、所定操作は、ガスバーナ51,52,53,54,54A,54Bの消火を指示する消火指示操作を含んでいる。情報端末80(第2端末)は、操作部83に対して消火指示操作がなされた場合に消火指示を含む操作情報をサーバ90に送信する。サーバ90は、消火指示を含む操作情報を受信した場合に消火指示を含む第1中間情報を送信する。中継端末70(第1端末)は、消火指示を含む第1中間情報を受信した場合に、消火指示を含む指示情報をコンロ本体1Aに送信する。コンロ本体1Aは、熱電対および制御回路10を有し、消火指示を含む指示情報を受信した場合にガスバーナ51,52,53,54,54A,54Bを消火する動作を行い、且つ熱電対および制御回路10がガスバーナ51,52,53,54,54A,54Bの消火を検知した場合には消火の完了を示す情報を含む応答情報を送信する。中継端末70(第1端末)は、消火の完了を示す情報を含む応答情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む第2中間情報をサーバ90に送信する。サーバ90は、消火の完了を示す情報を含む第2中間情報を受信した場合に、消火の完了を示す情報を含む第3中間情報を情報端末80(第2端末)に送信する。報知部は、消火の完了を示す情報を含む第3中間情報を情報端末80(第2端末)が受信した場合に消火の完了を報知する。
この調理システム100は、情報端末80(第2端末)からコンロ本体1Aへと遠隔指示によって消火を指示することができる。しかも、情報端末80(第2端末)からの遠隔指示に応じてコンロ本体1Aで正常に消火がなされ、消火が正常に検知された場合には、消火の完了を報知部85によって報知することができるため、情報端末80(第2端末)を用いて消火指示を発したユーザは、確実に消火が行われたか否かを把握することができ、消火の完了の報知を受けた場合には、安心感を持つことができる。
【0092】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0093】
第1実施形態では、情報端末80は、表示部82に対する表示によってガスコンロ1の状態(消火の完了など)を報知した(
図7のステップS20,S22)。しかしながら、情報端末80は、その他の方法によってガスコンロ1の状態を報知してもよい。例えば、情報端末80は、音声を出力し得る構成となっており、ガスコンロ1の状態(消火の完了など)を音声出力によって報知してもよい。また、例えば、情報端末80は、振動を生じさせ得る構成となっており、ガスコンロ1の状態(消火の完了など)を振動によって報知してもよい。また、ガスコンロ1の状態(消火の完了など)に関する情報を、通信部84を介して外部装置に送信してもよい。
【0094】
第1実施形態では、中継端末70で行われる制御において、ステップS21で、制御回路71は、第2通信部76に指示(指令)が入力された場合に、指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部76を制御した。しかしながら、制御回路71は、操作部73が操作されることによってガスコンロ1に対する指示(指令)が中継端末70に入力された場合に、この入力された指示をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信するように第2通信部76を制御してもよい。この場合、例えば、操作部73が操作されることによってガスバーナ51の消火を指示する消火指示(指令)が中継端末70に入力された場合、制御回路71と第2通信部76が協働し、ガスバーナ51の消火を指示する情報をガスコンロ1に対して第2無線通信方式で無線送信する。そして、このように無線送信された「消火を指示する情報」を通信部11が受信した場合、制御回路10は指示に応じた動作(具体的には、ガスバーナ51を消火する動作)をコンロ本体に行わせる。
【0095】
第1実施形態では、情報端末80で、中継端末70を介してガスコンロ1に、消火要求コマンドを送信する例(
図7のステップS12、
図8のステップS32)を示した。しかしながら、情報端末80からガスコンロ1に送信するコマンドは、消火要求以外であってもよい。例えば、ガスコンロ1の状態を示す情報の送信を要求するコマンドであってもよい。
【0096】
第1実施形態では、情報端末80において、操作部83を操作することによってコマンドの入力を行う例(
図7のステップS11)を示した。しかしながら、その他の方法によってコマンドを入力してもよい。例えば、情報端末80が音声を検出し得る構成となっており、検出した音声に基づいてコマンドが入力されてもよい。
【0097】
第1実施形態の説明では、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth(登録商標)通信方式で近距離無線通信を行う例を示した。しかしながら、中継端末70が広域通信網にアクセスするために用いる無線通信方式よりも電力消費が抑えられる近距離無線通信方式であれば、bluetooth(登録商標)通信方式以外の近距離無線通信方式を第2無線通信方式として採用し、コンロ本体1Aと中継端末70とがこの第2無線通信方式で無線通信を行ってもよい。
【0098】
第1実施形態の説明では、中継端末70の第1通信部75が、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式で直接又は外部装置を介して広域通信網にアクセスし、広域通信網を介して情報端末80と無線通信を行う例を示した。しかしながら、第1通信部75は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式で情報端末80と無線通信を行う機能が更に付加されていてもよい。
【0099】
第1実施形態では、コンロ本体1Aによってガスコンロ1が構成されたが、コンロ本体1Aがガスコンロ1の一部をなしていてもよい。即ち、コンロ本体1Aに他の付属品が加えられた形でガスコンロ1が構成されていてもよい。
【0100】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1…ガスコンロ
1A…コンロ本体
51,52,53,54,54A,54B…ガスバーナ
70…中継端末(第1端末)
71…制御回路(第1制御部)
72…表示部(第1表示部)
74…第1端末側通信部
75…第1通信部(第1無線通信部)
76…第2通信部(第2無線通信部)
80…情報端末(第2端末)
81…制御回路(第2制御部)
82…表示部(第2表示部)
83…操作部
84…通信部(第2端末側通信部)
85…報知部
90…サーバ
100…調理システム