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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】排水桝
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/10 20060101AFI20230523BHJP
   E01D 19/08 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
E03F5/10 A
E01D19/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019157015
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021032049
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】513324365
【氏名又は名称】株式会社コーセイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊木 宏行
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162592(JP,A)
【文献】実開平07-004549(JP,U)
【文献】特開2005-344444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/10
E01D 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が排水路として埋設管に連結され、上部が地表面に露出し、外部から排水が流入する上部開口面積を有し、下部埋設管側の断面積を前記上部開口面積よりも狭く形成してなる本体と、
前記本体の内部の上部開口から挿着されて、前記本体内の前記上部開口面積よりも狭く形成した段部に固定されるグレーチング収容体と、
前記グレーチング収容体内に配設されるグレーチングを具備し、
前記グレーチング収容体を前記本体に取り付けるボルト・ナット間に、水平断面の開口が広い金属からなる全体形状が略コの字状、略Uの字状、略Vの字状、略Wの字状、略Cの字状のうちの1種類を弾性締め付け具として配設して、締め付け、それら弾性締め付け具の締め付け位置相互の間隔を空間としたことを特徴とする排水桝。
【請求項2】
前記グレーチング収容体のフランジの外周は、前記本体の上部開口面積の外周よりも外側に形成したことを特徴とする請求項1に記載の排水桝。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水等の排水装置に関するもので、特に、河川に架け渡された橋梁や高架道路といった道路橋の側脇に設置される排水桝に関するものである。仮に、アスファルト層の下側のコンクリート層に埋設される排水桝であっても、排水桝の外周壁とコンクリート層との剥離が発生し難く、また、排水桝の外周壁とコンクリート層との剥離が発生した隙間に雨水を流入させても、清掃が簡単に行えるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の排水桝としては、特許文献1に、上桝体と、略漏斗状の下桝体とで排水桝を構成する上下分割構造と、それら上下の桝体を面接当状態で重ねて連結させるようにしたので、点で荷重を受ける従来構造に比べて広い面積で荷重を受けることができるので、合成樹脂材や繊維強化樹脂等の部分強度が金属材よりも劣る軽量素材を用いて上及び下桝体を形成することが可能になる。即ち、従来の点荷重構造が面荷重構造になったので、荷重による割れや歪み等の損傷おそれを解消でき、軽量素材で上下分割型の排水桝を構成するものである。
【0003】
そして、上桝体または下桝体の何れか一方を寸法の異なるものに交換することによって排水桝としての高さを変更することができ、コンクリート床の打設後に施工ズレが生じたとか、アスファルト層の厚さが予定値と異なる等の誤差があっても、それに対応して好ましい排水桝の設置状態を得ることができ、従来の高さ調節機能も備わったものにすることができる。
【0004】
また、特許文献2の排水桝は、アスファルト層の下側にコンクリート層が設けられた路面から排水するものであり、排水が流入する上部開口と、流入した排水が流出する下部開口とを有し、上部開口が空中に開放されるようにコンクリート層に埋設され、また、排水桝は、次のような、上部筒体、下部筒体、及び締結具を備える。即ち、上部筒体は、樹脂製であり、上部開口、及び上部開口の下側で開く別の開口を有し、コンクリート層に埋設される。下部筒体は、下部開口、及び下部開口の上側で開く別の開口を有し、上部筒体とは別体に設けられてコンクリート層に埋設される。また、締結具は、上部筒体と下部筒体とを締結して上部筒体と下部筒体との相対位置を固定する。
【0005】
そして、上部筒体の内、別の開口を具備する下側端部が下部筒体の別の開口に嵌まることで環状の空間が形成され、環状の空間は、上側でコンクリート層に開放される。さらに、上部筒体の下側端部と下部筒体の内壁との間に、上下方向に開く上下隙間が形成されており、環状の空間は、上下隙間により下部筒体の内周に開放されている。
【0006】
これにより、排水桝の外周壁とコンクリート層との間に剥離隙間が形成されても、環状の空間を樋として利用することができ、剥離隙間を通った水を集めて上下隙間から排水桝の内部に導くことができる(以下、環状の空間を樋空間と呼び、上下隙間を排水穴と呼ぶことがある。)。このため、排水桝の本体を上部、下部筒体に分けても、剥離隙間を通った水を排水桝の内部に導くことができる。また、上部筒体と下部筒体との相対位置を変更したり、上部筒体の下側端部や下部筒体の内壁の形状を変更したりすることで、排水穴の形状、位置及び大きさ等を自在に変更することができる。排水穴の形状、位置及び大きさ等の変更に関して自由度を高めることができる。
【0007】
特許文献の排水桝は、アスファルト層の下側にコンクリート層が設けられた路面から排水するものであり、排水が流入する上部開口と、流入した排水が流出する下部開口とを有し、上部開口が空中に開放されるようにコンクリート層に埋設される。また、排水桝は、次のような、上部筒体、下部筒体及び締結具を備える。即ち、上部筒体は、樹脂製であり、上部開口及び上部開口の下側で開く別の開口を有し、コンクリート層に埋設される。下部筒体は、下部開口及び下部開口の上側で開く別の開口を有し、上部筒体とは別体に設けられてコンクリート層に埋設される。また、締結具は、上部筒体と下部筒体とを締結して上部筒体と下部筒体との相対位置を固定する。
【0008】
そして、上部筒体の内、別の開口を具備する下側端部が下部筒体の別の開口に嵌まることで環状の空間が形成され、環状の空間は、上側でコンクリート層に開放される。更に、上部筒体の下側端部と下部筒体の内壁との間に、上下方向に開く上下隙間が形成されており、環状の空間は、上下隙間により下部筒体の内周に開放されている。
【0009】
これにより、排水桝の外周壁とコンクリート層との間に剥離隙間が形成されても、環状の空間を樋として利用することができ、剥離隙間を通った水を集めて上下隙間から排水桝の内部に導くことができる。このため、排水桝の本体を上部、下部筒体に分けても、剥離隙間を通った水を排水桝の内部に導くことができる。また、上部筒体と下部筒体との相対位置を変更したり、上部筒体の下側端部や下部筒体の内壁の形状を変更したりすることで、排水穴の形状、位置及び大きさ等を自在に変更することができる。また、排水穴の形状、位置および大きさ等の変更に関して自由度を高めることができる。
【0010】
また、特許文献3では、下桝部の下方に突出して排水誘導片が形成されているので、排水桝の設置に当っては、この排水誘導片を床版に面一にして設置できるので、透水舗装層を通して床版上を流れる雨水等は、排水誘導片を経て、上桝部に形成され排水窓または上桝部と下桝部との隙間から排水される。
同じく、上桝部と下桝部とを別に形成し、上桝部を下桝部に形成した高さ調整スペーサーに載置するので、高さ調整スペーサーを調整することで上桝部の高さ調整が可能となり異なる舗装層の厚みに対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2000-220201号公報
【文献】特許第6474849号
【文献】特開2005-248426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、特許文献1は、上桝体または下桝体のいずれか一方を寸法の異なるものにして排水桝としての高さを変更できるから、コンクリート床の打設後に施工ズレが生じたとか、アスファルト層の厚さが予定値と異なる等の誤差があっても、それに対応して好ましい排水桝の設置状態を得ることができる。しかし、特許文献1の技術は中間桝体によって変化させるものであるから、所謂、下駄をかせた形態となり、安定感を欠くものである。
【0013】
また、特許文献2は、排水桝の外周壁とコンクリート層との間に形成された剥離隙間を通った水を排水桝の内周に導く穴について、形状、位置及び大きさ等の変更に関して自由度を高めるものである。しかし、剥離隙間を通った水を排水桝の内周に導く穴の形状、位置を変化するものであるが、樋空間にポリエステル繊維の不織布からなるパッキンが装着されているから、相当の回転力でボルト・ナットを締め付けなければならず、ボルト・ナットを締め付けると、小石や砂埃、土埃が団子状に固まり、施工現場でグレーチング機能するまでの水溜りができることがあり、排水桝の本体とコンクリート層との間に亀裂を入れることを前提とする組付けになる。特に、本体とコンクリート層との間に樋空間を形成するものであるから、使用によって、本体がコンクリート層から剥がれてしまうという現象が生じ可能性が大である。
【0014】
そして、本体とコンクリート層の埋設空間は、水が流れる経路になるから、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキンが目詰まりし、予測してない水路ができたり、空間ができたりしてもグレーチングがガタゴトと音を発生する要因になる。
特許文献3は、雨水の漏水に対する技術を開示しているが、雨水の合流の仕方であり、ここには路面から排水する排水の在り方を開示するものはない。
【0015】
例えば、図1に掲載した排水桝について詳しく説明する。
排水が図に記すように、流入する本体105の立ち上がり104の内面で形成される略長方形の上部開口150の上部開口面積Aと、流入した排水が流下する水平面103、垂直面102等で形成される下部開口の下部開口面積Bがコンクリート層50に埋設され、断面が狭くなる下部開口によって、本体105の外形が形成されている。
グレーチング収容枠140の側面と本体105の立ち上がり104との間には、例えば、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120が装着されている。即ち、排水桝をコンクリート層50に埋設した状態では、樋空間130の上側でコンクリート層50に開放されている。
【0016】
ここで、ボルト・ナット等の締結具113は、例えば、ボルト111及びナッ112により、グレーチング収容枠140と本体105の立ち上がり104との間に、それぞれに設けた孔にボルト111の軸部を通して、ボルト111の頭部及びナット112によりグレーチング収容枠140の側面でパッキン120を圧縮している。
また、樋空間130には、例えば、グレーチング収容枠140によりポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120が嵌まることができるように矩形筒状に設けられている。例えば、ボルト111及びナット112からなる締結具113は、パッキン120を強く締め付けている。
【0017】
しかし、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120を締め付けると、パッキン120が変形し、ガタツキを防止し、同時に、雨水を流すだけの隙間を作り出すのは困難となる。特に、グレーチング収容枠140の外周の周りにポリエステル繊維の不織布が配設されているので、パッキン120は水を通すフィルタとして機能し、1~3年もすると土埃等で水が遮断され、通過しなくなる。このようになると、雨水がグレーチング収容枠140のフランジの外部から入ると、本体105とグレーチング収容枠140とを剥離し、グレーチングまたはグレーチング収容枠140間の隙間でガタガタ音を発生させたり、昆虫が出入りする穴を形成したり、昆虫の巣を含む昆虫の生育環境となる可能性がある。
また、図示したパッキン120は厚みがあるが、施工状態では1~2mm以下であり、現実の施工では、新規であっても通水性が確保されていない。
【0018】
そこで、本発明は上記問題点を解消し、路面から排水する雨水が排水桝で留まることなく、また、本体とグレーチングまたはグレーチング収容枠がガタ付くことなく、そして、本体とグレーチング収容枠との隙間に雨水の通路ができ、それによって排水路の周囲及び排水桝に亀裂ができて、本体とグレーチング収容枠との間に一体感がなくなるのを防止し、前記本体とコンクリート層との間を一体にしたとして処理できる排水桝の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1の発明にかかる排水桝は、地表面に露出すると共に排水が流入する上部開口面積を広く、コンクリート中に埋設、位置する断面積を前記上部開口面積よりも狭く形成し、埋設管に接続される本体は、前記本体の内部の上部開口から挿着されて前記本体内に固定されるグレーチング収容体と、前記グレーチング収容体内に配設されるグレーチングを具備し、前記グレーチング収容体を前記本体に取り付けるボルト・ナット間の締結具に、水平断面の開口が広い金属からなる略コの字状の弾性締め付け具、略Uの字状の弾性締め付け具、略Vの字状の弾性締め付け具、略Wの字状の弾性締め付け具、略Cの字状の弾性締め付け具として配設して、締め付け、それら弾性締め付け具を配設して締め付ける。
【0020】
ここで、本体は、地表面に露出すると共に排水が流入する上部開口面積を広く、コンクリート中に位置する断面積を前記上部開口面積よりも狭く形成したものであり、この本体の下端は、排水を行う埋設管に接続されものである。
また、グレーチング収容体は、前記本体の内部に装着され、前記本体の上部開口から挿着され、グレーチングの位置決めがなされ、前記本体内に固定されるものである。
【0021】
そして、グレーチングは、前記グレーチング収容体内に配設されるものであり、通常、チェーン(鎖)等で勝手にグレーチングが離れた場所に移動したり、前記グレーチング収容体を破損したりすることのないようにチェーンで接続されている。
更に、前記グレーチング収容体を前記本体に取り付けるボルト・ナット間に、水平断面の開口が広い平面略コの字状の形態、略Uの字状、略Vの字状、略Wの字状、略Cの字状の形態のうちの1個を弾性締め付け具として、締め付けるものであり、締め付けをしていないスペーサー間隔には間隙が形成されている。これらは水平から見ての形状であるが、正面から見ても同様である。
【0022】
請求項2の発明にかかる排水桝は、前記グレーチング収容体のフランジの外周が、前記本体の上部開口の外周よりも側に形成したものである。
ここで、前記グレーチング収容体のフランジの外周とは、前記本体の内側に前記グレーチング収容体を装着するが、この時、前記本体に前記グレーチング収容体を取り付けるとき、前記グレーチング収容体のフランジを前記本体の開口を前記グレーチング収容体のフランジの傘の垂直下に配置させて、通常では雨水が入らないようにして、使用するものである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明の排水桝は、本体の下端が埋設管に接続され、前記本体上部が地表面に露出すると共に、排水が流入する形態とし、その本体内部の上部開口からグレーチングを取付け、前記グレーチングを前記グレーチング収容体に収めて前記本体に取付けるボルト・ナット間に、水平断面の開口が広い略コの字状、略Uの字状、略Vの字状、略Wの字状、略Cの字状のうち、1種類を弾性締め付け具として配設し、締め付け、前記グレーチング収容体のフランジを前記本体の開口を前記グレーチング収容体のフランジの傘の垂直下に配置させ、通常では雨水が入らないようにして使用するものである。
【0024】
請求項2の排水桝において、前記グレーチング収容体のフランジの外周は、前記本体の上部開口の外周よりも側に形成したものであるから、請求項1の効果に加えて、前記グレーチング収容体のフランジの外周が前記本体の上部開口の外周よりも側に形成しているから、前記グレーチング収容体のフランジが傘となり、前記本体外から雨水が前記本体内に流れ込むことがない。
このため、前記本体部と前記グレーチング収容体の間を保持しようとする外力が安定して継続するから、長寿命となり、メンテナンスがほとんど不要となる。
【0025】
特に、前記グレーチング収容体の立ち上がりの内周面を、フランジ枠の垂直に位置しないように、所謂、フランジ枠で傘を形成しているので、雨水が前記グレーチング収容体の立ち上がりの内周面側に流れることがない。仮に、雨水が前記グレーチング収容体の立ち上がりの内周面側に流れることがあっても、雨水が切れると乾燥に入ることができるから、グレーチング収容枠から本体を剥離したり、グレーチングまたはグレーチング収容枠間の隙間でガタガタ音を発生させたり、昆虫が出入りする穴を形成したり、昆虫の巣を形成させたりしない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は従来の特許文献2の実施の形態を示した要部断面図である。
図2図2は本発明の実施の形態の排水桝の分解図の要部断面図である。
図3図3は本発明の実施の形態の排水桝の正面から見た要部縦断面図である。
図4図4は本発明の実施の形態の排水桝の側面から見た要部断面図である。
図5図5は本発明の実施の形態の排水桝の面から見た要部断面図である。
図6図6は本発明の他の実施の形態の排水桝の正面から見た要部断面図である。
図7図7は本発明の実施の形態の排水桝で使用する弾性締め付け具の形状を斜視図から見た説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0028】
[実施の形態]
本実施の形態の排水桝100は、本体10と、本体10に装着されるグレーチング20、グレーチング20を収容するグレーチング収容体30、更に、金具である弾性締め付け具45から全体が構成されている。
排水桝100の本体10は、長靴(ブーツ)を上下(天地)反転させたような外形であり、排水桝100の本体10の上部開口15を略長方形とした上部開口面積Aとし、本体10の下部開口管11の丸形状の下部開口面積Bよりも広く形成している。両者間は、徐々に変化している。
【0029】
本体10の内面は、排水が螺旋状に渦巻きながら排水されるように、螺旋線突起12が下部開口管11側に形成されている。この排水が螺旋状に渦巻くように形成してあるのは、大雨等のとき、グレーチング20からオバーフローしないように突起を形成し、本体10の内側が負圧になるようにしている。この螺旋線突起12は、本体10の下部開口側に下端が形成されるようにしている。本体10が埋設管に接続されるとき、埋設管13の上端を接着剤で接合すると同時に、その取り付けが接着剤を使用するものであるが、螺旋線突起12の起伏によって埋設管の上端を機械的に保持できるから、機械的に接合ができる。
【0030】
グレーチング収容体30は、グレーチング収容枠31で形成した上端には、フランジ枠32を形成している。フランジ枠32の水平距離は、上部開口15の各辺よりも、即ち、上部開口15の上部開口面積Aよりも広く形成されている。フランジ枠32の水平突出距離は、概略30~50mmの食み出し量にしている。
上部開口15の上部開口面積Aに対して本体10の立ち上がり16の外側面の距離が短くなるように、弾性締め付け具45側に雨水が通路を形成しない。本実施の形態においては、上部開口15の上部開口面積Aに対して本体10の立ち上がり16の外側面の距離が短くなるように弾性締め付け具45側に雨水が浸透しないようにしている。
【0031】
仮に、弾性締め付け具45側に雨水が浸透したとしても、本体10内の排水が螺旋状に渦巻くように形成されているので、弾性締め付け具45側が負圧になるから、弾性締め付け具45は、水平断面の開口が広い略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eのうちの1種類をスプリングワッシャーと同様に機能させている。
【0032】
略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eによって形成される溝は、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120を締め付ける場合と異なり、雨水を流す程度の隙間を作り出すことができるから、雨水が入り込んだとしても、雨水を下部開口管11に流すことができる。
通常は、グレーチング収容体30のフランジ32が傘となり、前記本体10外から雨水が前記本体10内に流れ込むことがないから、仮に、雨水が入り込んだとしても、雨水を下部開口管11に流すことができる。
【0033】
本体10の上部開口15にはグレーチング収容体30の上部開口からグレーチング20が挿入される。即ち、FRPをコーティングして固化してなる埋設管13の下部開口管11は、それぞれの上部開口面積A及び下部開口面積Bを有する。ボルト・ナットからなる締結具43は、本体10の水平面面積を下方方向に行くに従って面積を少なく狭めてなる下部開口管11と、上部開口とを締結してグレーチング収容体30と下部開口管11との相対位置を固定する。
【0034】
弾性締め付け具45は、水平断面の開口が広い略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eの内の1種類をその中央部付近に中央孔46を穿設し、仮設して、締め付けたものであるから、雨水は排出されやすくなる。
図2に示すように、正面から見て、略U字状に接合するグレーチング収容体30に取り付けているのは、弾性締め付け具45の一部を瞬間接着剤で仮止めしたものである。ここでは作業性から、瞬間接着剤を使用したが、必ずしも本実施例の弾性締め付け具45に、
瞬間接着剤を必要とするものではない。
【0035】
図5及び図6において、水平断面の自由端の開口が広い、即ち、水平断面の開口が広い略コの字状の弾性締め付け具45aや略Cの字状の弾性締め付け具45eを配設した場合について説明する。
本体10の立ち上がり16の穿設した貫通孔17を通して、また、グレーチング収容体30のグレーチング収容枠31及び貫通孔39を形成する。
グレーチング収容体30のグレーチング収容枠31及び穿設孔39にボルト41を通し、略コの字状の弾性締め付け具45aや略Cの字状の弾性締め付け具45eを通し、更に、本体10の立ち上がり16の穿設した貫通孔17を通して、ナット42で締め付けを行う。
【0036】
このように、例えば、略コの字状の弾性締め付け具45aや略Cの字状の弾性締め付け具45eを締め付けることができる。ボルト41とナット42で、その弾性締め付け具45の中央のボルト貫通孔となっている中央孔46に通し、ボルト41とナット42の締め付けを行う。
このときのグレーチング収容枠31及び穿設孔39にボルト41を通し、略コの字状の弾性締め付け具45aや略Cの字状の弾性締め付け具45eの中央孔46を通し、更に、本体10の立ち上がり16の穿設した貫通孔17を通して、ナット42で締め付けを行っているが、グレーチング収容枠31の外周の周りに、従来のようにポリエステル繊維の不織布が配設されているものではないので、従来のように、パッキン120は水を通すフィルタとして機能しなくとも、土埃等で水が遮断されることがない。
【0037】
グレーチング収容体30のグレーチング収容枠31は、円欠部52,53,54,55で形成されており、毛管現象で水を保持することのない、水切れの良いような構造になっている。
グレーチング収容体30のグレーチング収容枠31には、中央部付近に弾性締め付け具45等の中央孔46に合致する貫通孔39を穿設している。
【0038】
特に、グレーチング収容体30には、グレーチング収容枠31で4角隅の上端には、フランジ枠32を形成し、フランジ枠32の水平距離は、上部開口15の各辺よりも、即ち、上部開口面積Aよりも広く、概略30~50mmの食み出し量に形成している。しかし、コンクリート層50、アスファルト等に入る亀裂等を考慮しても、フランジ枠32の大きさが、一律に決まるものではない。したがって、30mm以下の食み出し量が一律に不適とすることはできない。
【0039】
以上のように、本発明の実施の形態の排水桝100は、下部が排水路としての埋設管13に連結され、上部が地表面に露出し、外部から排水が流入する上部開口15を有し、下部の埋設管13側を上部開口15よりも狭く形成してなる本体10と、本体10の内部の上部開口から挿着されて、前記本体内の前記上部開口面積よりも狭く形成した段部に固定されるグレーチング収容体30と、前記グレーチング収容体30内に配設されるグレーチング20を具備し、前記グレーチング収容体30を前記本体10に取り付けるボルト・ナット間に、水平断面の開口が広い金属からなる略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eとして配設して、締め付け、それら弾性締め付け具45の締め付け位置相互の間隔を空間49(何も配設されていない位置)としたものである。
【0040】
したがって、本発明の実施の形態の排水桝100は、本体10の下端が埋設管13に接続され、前記本体10の上部が地表面に露出すると共に排水が流入する形態とし、その本体10の内部の上部開口15からグレーチング20を取付け、前記グレーチング20を前記グレーチング収容体30に収めて前記本体10に取付けるボルト・ナット間に、水平断面の開口が広い金属からなる略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eとして配設して、締め付け、それら締め付け位置相互の間隔を空間49としたものである。
【0041】
また、本発明の実施の形態の排水桝100は、前記グレーチング収容体30のフランジ枠32の外周は、前記本体の上部開口面積Aの外周よりも外側に形成したものである。
したがって、排水桝100の前記グレーチング収容体30のフランジ枠32の外周は、前記本体10の上部開口150の外周よりも側に形成したものであるから前記グレーチング収容体30のフランジ枠32の外周が前記本体10の上部開口15の外周よりも側に形成しているから、前記グレーチング収容体30のフランジ32が傘となり、前記本体10外から雨水が前記本体10内に流れ込むことがない。
【0042】
このため、本体10部と前記グレーチング収容体30の間を保持しようとする外力が安定して継続するから、長寿命となり、メンテナンスがほとんど不要となる。
ここで、本体10は、地表面に露出すると共に排水が流入する上部開口15の面積を広く、コンクリート層50中に位置する断面積を前記上部開口15の面積よりも狭く形成したものであり、この本体10の下端は、排水を行う埋設管13に接続されものである。
また、グレーチング収容体30は、前記本体10の内部に装着され、前記本体10の上部開口から挿着され、本体10内に固定されるものである。
【0043】
そして、グレーチング20は、前記グレーチング収容体内30に配設されるものである。更に、前記グレーチング収容体30を前記本体10に取り付けるボルト・ナット43間に、水平断面の開口が広い金属からなる略コの字状の弾性締め付け具45a、略Uの字状の弾性締め付け具45b、略Vの字状の弾性締め付け具45c、略Wの字状の弾性締め付け具45d、略Cの字状の弾性締め付け具45eとして配設して、締め付け、それら弾性締め付け具45として、締め付けるものであり、締め付けをしていない間隔には間隙が形成されている。
【0044】
従来のように、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120を締め付けると、パッキン120の面積が変形したり、または変形個所に歪が入って折れ曲がったり、雨水がグレーチング収容体140のフランジの外部から入ると、図1の本体105とグレーチング収容体140とを剥離し、グレーチングまたはグレーチング収容体140間の隙間でガタガタ音を発生させたり、昆虫が出入りする穴を形成したり、昆虫の巣を含む昆虫の生育環境となる可能性がある。
【0045】
しかし、本実施の形態では、隠れる生物の生態の適した箇所を提供するものではないので、蜘蛛や蟻等の生物が生育環境を形成できないので、蜘蛛や蟻等の生物が住み着くことがない。
また、雨水を流すだけの隙間が確保されているから、従来例のように、パッキン120の目詰まりに至らないので、1~3年経過しても土埃等で水が遮断され、通過しなくなることがない。
【0046】
このように、本発明は上記問題点を解消し、路面から排水する雨水が排水桝で留まることなく、本体とグレーチングまたはグレーチング収容枠がガタ付くことなく、そして、本体とグレーチング収容枠31との隙間に雨水の通路ができ、それによって排水路の周囲及び排水桝に亀裂ができて、本体とグレーチング収容枠31との間に一体感がなくなるのを防止し、前記本体10とコンクリート層50との間を一体にしたとして処理できる。
また、半円切欠部52~55は、グレーチング収容体30のグレーチング収容枠31の間隔が、所定の間隔であり、ここには、雨水がグレーチング収容体30から入っても、本体10の上面を移動して、上部開口面積Aから移動しないから、上下方向に流れる水の流体抵抗は大きい。
【0047】
特に、雨水がグレーチング収容体30から入っても、コンクリート層50とアスファルト層との間、或いは本体10の上面を雨水が移動するから、生物の生態の適した箇所を提供するものではない。また、蜘蛛や蟻等の生物が生育環境を形成できないので、蜘蛛や蟻等の生物が住み着くことがない。また、ポリエステル繊維の不織布からなるパッキン120を締め付けると、パッキン120の断面積が変形したり、水の流れを遮ったりすることがないから、生物の生育環境に適していない。
【0048】
10 本体
20 グレーチング
30 グレーチング収容体
31 グレーチング収容枠
32 フランジ枠
45 弾性締め付け具
45a 略コの字状の弾性締め付け具
45b 略Uの字状の弾性締め付け具
45c 略Vの字状の弾性締め付け具
45d 略Wの字状の弾性締め付け具
45e 略Cの字状の弾性締め付け具
46 中央孔
0 コンクリート層
52~55 半円切欠部
A 上部開口面積
B 下部開口面積
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7