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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020200241
(22)【出願日】2020-12-02
(65)【公開番号】P2021176479
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】牧野 嘉毅
(72)【発明者】
【氏名】金川 勉
(72)【発明者】
【氏名】丹野 孝紀
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 達郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 明日香
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-100296(JP,A)
【文献】特開2020-108479(JP,A)
【文献】特開2016-086890(JP,A)
【文献】令和2年1月6日改正の技術上の規格解釈基準についての質疑応答(メモ),日本遊技機工業組合提供の技術資料「変動時間短縮機能」,日本遊技機工業組合,2019年12月26日,7頁目
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保留条件の成立により変動ゲームを保留し、保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、開始条件の成立により保留中の変動ゲームを実行し、実行中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能な遊技機において、
前記開始条件の成立を契機として特別抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選の結果に基づいて変動ゲームの内容を決定する内容決定手段と、
前記内容決定手段の決定結果に基づいてゲーム実行手段を制御し、前記変動ゲームを実行させるゲーム制御手段と、
保留中の変動ゲームの内容を事前に判定する事前判定手段と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
所定の画像を表示可能な表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、前記特別抽選の結果が特定の結果となったことに基づいて移行しうる第1有利状態と、前記第1有利状態とは異なる契機に基づいて移行しうる第2有利状態と、が少なくともあり、
前記表示手段では、前記内容決定手段の決定結果に基づいて特定画像を表示可能であり、前記特定画像には、前記変動ゲームが特定の内容にて実行される特定期待度が異なる複数種類の画像があり、
前記表示手段では、前記事前判定手段の判定結果に基づいて前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、前記変動画像が前記保留中の変動ゲームを示しているとき、当該変動画像の種類は、前記事前判定手段の判定結果に基づいて変化可能であり、前記変動画像には、当該変動画像が示す変動ゲームの前記特定期待度が異なる複数種類の画像があり、
前記表示手段には、前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示する領域である複数の保留領域と、前記保留中の変動ゲームのうち保留時期が最先の変動ゲームが開始されるときに、当該最先の変動ゲームを示す変動画像が移動表示されて前記実行中の変動ゲームを示す変動画像として表示される領域である実行領域と、があり、
前記表示手段に表示された前記特定画像と、前記実行領域に移動表示された前記最先の変動ゲームを示す変動画像との組合せにより前記特定期待度を遊技者が識別可能になる特定状態を生起可能であり、
前記保留中の変動ゲームを示す変動画像の表示を含む演出は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態の何れにおいても行われ、
前記特定状態は、前記第1有利状態では生起されず、前記第2有利状態では生起されうるようになっており、
前記第2有利状態には、前記特別抽選の結果が前記特定の結果とは異なる所定の結果となったことに基づいて移行しうる特定の第2有利状態と、前記変動ゲームの実行回数が規定回数に到達したことに基づいて移行しうる特殊の第2有利状態と、があり、
前記特定の第2有利状態では、前記変動画像とともに特定画像が表示されて特定状態が生起されうるとともに、前記特殊の第2有利状態では、前記変動画像とともに特定画像が表示されて特定状態が生起されうることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
保留条件の成立により変動ゲームを保留し、保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、開始条件の成立により保留中の変動ゲームを実行し、実行中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能な遊技機において、
前記開始条件の成立を契機として特別抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選の結果に基づいて変動ゲームの内容を決定する内容決定手段と、
前記内容決定手段の決定結果に基づいてゲーム実行手段を制御し、前記変動ゲームを実行させるゲーム制御手段と、
保留中の変動ゲームの内容を事前に判定する事前判定手段と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
所定の画像を表示可能な表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、前記特別抽選の結果が特定の結果となったことに基づいて移行しうる第1有利状態と、前記第1有利状態とは異なる契機に基づいて移行しうる第2有利状態と、が少なくともあり、
前記表示手段では、前記内容決定手段の決定結果に基づいて特定画像を表示可能であり、前記特定画像には、前記変動ゲームが特定の内容にて実行される特定期待度が異なる複数種類の画像があり、
前記表示手段では、前記事前判定手段の判定結果に基づいて前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、前記変動画像が前記保留中の変動ゲームを示しているとき、当該変動画像の種類は、前記事前判定手段の判定結果に基づいて変化可能であり、前記変動画像には、当該変動画像が示す変動ゲームの前記特定期待度が異なる複数種類の画像があり、
前記表示手段には、前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示する領域である複数の保留領域と、前記保留中の変動ゲームのうち保留時期が最先の変動ゲームが開始されるときに、当該最先の変動ゲームを示す変動画像が移動表示されて前記実行中の変動ゲームを示す変動画像として表示される領域である実行領域と、があり、
前記表示手段に表示された前記特定画像と、前記実行領域に移動表示された前記最先の変動ゲームを示す変動画像との組合せにより前記特定期待度を遊技者が識別可能になる特定状態を生起可能であり、
前記保留中の変動ゲームを示す変動画像の表示を含む演出は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態の何れにおいても行われ、
前記特定状態は、前記第1有利状態では生起されず、前記第2有利状態では生起されうるようになっており、
前記第2有利状態は、前記特別抽選の結果が前記特定の結果とは異なる特殊の結果となったことに基づいて終了し、
前記特定の結果は、大当りである結果であり、前記特殊の結果は、小当りである結果であることを特徴とする遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機を一例とする遊技機では、保留中である変動ゲームに対応させて所定の情報(一例としてアイコン等の画像)を表示し、保留中である変動ゲームを特定可能にしている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の遊技機では、前記所定の情報を複数通りの表示態様にて表示可能とし、保留中の変動ゲームに対する期待感を高め、遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-290528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機では、前記所定の情報の表示態様に応じた期待感を抱かせるに過ぎず、更なる興趣の向上が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、保留条件の成立により変動ゲームを保留し、保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、開始条件の成立により保留中の変動ゲームを実行し、実行中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能な遊技機において、前記開始条件の成立を契機として特別抽選を行う特別抽選手段と、前記特別抽選の結果に基づいて変動ゲームの内容を決定する内容決定手段と、前記内容決定手段の決定結果に基づいてゲーム実行手段を制御し、前記変動ゲームを実行させるゲーム制御手段と、保留中の変動ゲームの内容を事前に判定する事前判定手段と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、所定の画像を表示可能な表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記遊技状態には、前記特別抽選の結果が特定の結果となったことに基づいて移行しうる第1有利状態と、前記第1有利状態とは異なる契機に基づいて移行しうる第2有利状態と、が少なくともあり、前記表示手段では、前記内容決定手段の決定結果に基づいて特定画像を表示可能であり、前記特定画像には、前記変動ゲームが特定の内容にて実行される特定期待度が異なる複数種類の画像があり、前記表示手段では、前記事前判定手段の判定結果に基づいて前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示可能であり、前記変動画像が前記保留中の変動ゲームを示しているとき、当該変動画像の種類は、前記事前判定手段の判定結果に基づいて変化可能であり、前記変動画像には、当該変動画像が示す変動ゲームの前記特定期待度が異なる複数種類の画像があり、前記表示手段には、前記保留中の変動ゲームを示す変動画像を表示する領域である複数の保留領域と、前記保留中の変動ゲームのうち保留時期が最先の変動ゲームが開始されるときに、当該最先の変動ゲームを示す変動画像が移動表示されて前記実行中の変動ゲームを示す変動画像として表示される領域である実行領域と、があり、前記表示手段に表示された前記特定画像と、前記実行領域に移動表示された前記最先の変動ゲームを示す変動画像との組合せにより前記特定期待度を遊技者が識別可能になる特定状態を生起可能であり、前記保留中の変動ゲームを示す変動画像の表示を含む演出は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態の何れにおいても行われ、前記特定状態は、前記第1有利状態では生起されず、前記第2有利状態では生起されうることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記第2有利状態には、前記特別抽選の結果が前記特定の結果とは異なる所定の結果となったことに基づいて移行しうる特定の第2有利状態と、前記変動ゲームの実行回数が規定回数に到達したことに基づいて移行しうる特殊の第2有利状態と、があり、前記特定の第2有利状態では、前記変動画像とともに特定画像が表示されて特定状態が生起されうるとともに、前記特殊の第2有利状態では、前記変動画像とともに特定画像が表示されて特定状態が生起されうるとよい。
上記遊技機について、前記第2有利状態は、前記特別抽選の結果が前記特定の結果とは異なる特殊の結果となったことに基づいて終了し、前記特定の結果は、大当りである結果であり、前記特殊の結果は、小当りである結果であるとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機の斜視図。
図2】遊技盤の正面図。
図3】遊技状態及び演出モードの移行態様の一例を示す模式図。
図4】情報表示に関するレイアウトの一例を示す模式図。
図5】情報表示に関するレイアウトの一例を示す模式図。
図6】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図7】変動パターンの一例を説明するための説明図。
図8】期待度ランクの一例を示す模式図。
図9】ゲームアイコンに関する期待度ランクの決定態様の一例を示す模式図。
図10】対応キャラアイコンを表示するか否かの決定態様の一例を示す模式図。
図11】ランクパターンの一例を示す模式図。
図12】対応キャラアイコンに関する期待度ランクの決定態様の一例を示す模式図。
図13】補助パターンの一例を示す模式図。
図14】(a)~(d)は、変動パターンの具体的な実行態様の一例を示す模式図。
図15】(a)~(d)は、変動パターンの具体的な実行態様の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0010】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、効果音、セリフ、及び楽曲(BGM)等である。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。パチンコ遊技機10は、遊技球を発射するときに操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な手段の一例である演出ボタンBTを備える。
【0011】
図1及び図2に示すように、搭載枠11bには、遊技盤YBが組み付けられている。遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。遊技領域YBaの左上方には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球が遊技領域YBaへ流入する流入口YBcが形成されている。
【0012】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部を有する。演出表示装置EHは、表示窓口YBbを介して、画像表示部における画像表示領域Rを視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。一例として、演出表示装置EHは、液晶装置である。演出表示装置EHは、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であり、複数の演出装置からなる演出装置群ESを形成する。演出装置群ESは、演出を実行する演出実行手段の一例を構成する。演出表示装置EHは、所定の画像を表示可能な表示手段の一例を構成する。
【0013】
図2に示すように、遊技盤YBは、第1特別図柄表示装置19aを備える。第1特別図柄表示装置19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。遊技盤YBは、第2特別図柄表示装置19bを備える。第2特別図柄表示装置19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0014】
遊技盤YBは、第1保留表示装置19cを備える。第1保留表示装置19cは、保留条件が成立したものの、開始条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。遊技盤YBは、第2保留表示装置19dを備える。第2保留表示装置19dは、保留条件が成立したものの、開始条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、第1保留数及び第2保留数の上限数は、何れも4である。
【0015】
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。遊技盤YBは、普通保留表示装置19fを備える。普通保留表示装置19fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、普通保留数の上限数は4である。また、遊技盤YBは、後述の右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示装置や、後述のラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示装置を備えていてもよい。
【0016】
遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、が少なくともある。第1始動口12は、賞球の払出条件、及び第1特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1始動口12は、演出表示装置EHの下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(図6参照)。
【0017】
第2始動口13は、賞球の払出条件、及び第2特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口13は、第1始動口12の右方にある。第2始動口13は、扉状であることを一例とする開閉片13aを備えており、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。第2始動口13は、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、第2始動口13の開閉片13aを動作させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図6参照)。遊技盤YBは、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(図6参照)。第2始動口13は、所謂「普通電動役物」である。本実施形態において、第2始動口13は、複数の始動口のうち少なくとも1つである特定の始動口の一例となる。また、開閉片13aは、第2始動口13を開閉する開閉手段の一例を構成する。
【0018】
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。大入賞口14は、演出表示装置EHの右下方にある。大入賞口14は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。大入賞口14は、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、大入賞口14の開閉片を動作させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図6参照)。遊技盤YBは、大入賞口14へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(図6参照)。
【0019】
遊技領域YBaには、ゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技領域YBaの右方領域であって、第2始動口13、及び大入賞口14の上方にある。ゲート17は、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aを有する。ゲート口17aは、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を有する(図6参照)。ゲート17は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート17は、遊技球が入球しても賞球の払出条件が成立しない。遊技領域YBaの最下方には、第1始動口12、第2始動口13、及び大入賞口14の何れにも入球しなかった遊技球を遊技領域YBaから排出するためのアウト口18が形成されている。
【0020】
パチンコ遊技機10において、遊技者は、発射ハンドルHDの操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口YBbより左方にある左方領域、及び表示窓口YBbより右方にある右方領域に遊技球を打ち分ける。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちと示す)、遊技球は、右方領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14、又はゲート17へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちと示す)、遊技球は、左方領域に流下案内され易く、第1始動口12へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。パチンコ遊技機10では、右打ちした場合、第1始動口12へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口12へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0021】
左方領域は、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域である。右方領域は、遊技盤YBを正面視したときに中心線CLよりも右側に位置する領域である。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技領域YBaの左上方にある流入口YBcに案内され、遊技領域YBaに流入する。このため、左方領域は、流入口YBc寄りの領域でもあり、右方領域は、流入口YBcから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの左側を通り、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口18へ向かう。右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの右側を通り、アウト口18へ向かう。
【0022】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)が互いに異なり得る複数の状態(以下、確率状態と示す)を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、低確率状態に比して大当り確率が高い高確率状態と、がある。高確率状態は、大当り確率が低確率状態に比して高く、遊技者にとって極めて有利な状態となる。以下の説明では、高確率状態を略して高確状態と示し、低確率状態を略して低確状態と示す。高確状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0023】
パチンコ遊技機10は、第2始動口13への入球率が互いに異なり得る複数の状態(以下、入球率状態と示す)を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、低入球率状態に比して第2始動口13への入球率が高い高入球率状態と、がある。高入球率状態は、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高く、第2始動口13への遊技球の入球が容易になるため、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)である。高入球率状態は、普通電動役物である第2始動口13への入球をサポートする状態ともいえる。以下の説明では、高入球率状態を電サポ状態と示し、低入球率状態を非電サポ状態と示す。電サポ状態は、非電サポ状態に比して、ベース(遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合)が高い状態として把握することもできる。
【0024】
電サポ状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことによって、又は複数の制御を組合せて行うことによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非電サポ状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。1つめの制御は、非電サポ状態と電サポ状態とにおいて、普通ゲームの変動時間を規定する変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンを異ならせることで実現できる。2つめの制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、非電サポ状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。
【0025】
3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間(例えば平均の合計開放時間)を、非電サポ状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の開放回数を非電サポ状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口13の1回の開放時間を非電サポ状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方である。3つめの制御は、非電サポ状態と電サポ状態とにおいて、普通当り遊技における第2始動口13の開放態様を定めた開放パターンについて、そのうち少なくとも一部の開放パターンを異ならせることで実現できる。一例として、開放パターンには、第2始動口13の開放回数、開放時間、及び開放タイミング(閉鎖タイミング)が定められる。
【0026】
電サポ状態は、次に説明する4つめの制御を組合せて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非電サポ状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。4つめの制御は、非電サポ状態と電サポ状態とにおいて、特別ゲームの変動時間を規定する変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンを異ならせることで実現できる。変動パターンの詳細は後述する。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、電サポ状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、非電サポ状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0027】
本実施形態の一例において、電サポ状態は、上述した4つの制御のうち一部の制御を実行することで実現される。具体的に、普通当り確率及び普通ゲームの変動時間は、非電サポ状態と電サポ状態とで同じである。1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間は、非電サポ状態に比して、電サポ状態の方が長い、又は長くなり易い。つまり、同じ発射強度にて遊技球を発射(本実施形態では右打ち)した場合、1回の普通当り遊技中に第2始動口13へ入球する遊技球の個数の期待値は、非電サポ状態に比して、電サポ状態のほうが高くなる。つまり、第2始動口13の開放パターンは、非電サポ状態であるときに比して、電サポ状態である場合の方が有利である。また、特別ゲームの変動時間は、非電サポ状態に比して、電サポ状態のほうが短い、又は短くなり易い。つまり、特別ゲームの変動時間の期待値は、非電サポ状態に比して、電サポ状態のほうが短くなる。
【0028】
また、本実施形態の電サポ状態には、第1電サポ状態と、第2電サポ状態と、がある。本実施形態の一例において、普通当り確率は、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。普通当り確率は、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで異なっていてもよい。普通当り確率は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態の方が高くてもよく、低くてもよい。
【0029】
本実施形態の一例において、普通ゲームの変動パターンは、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。つまり、普通ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。これに限らず、第1電サポ状態、及び第2電サポ状態は、一部又は全部の変動パターンが互いに異なっていてもよい。例えば、普通ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが長くてもよく、長くなり易くてもよい。例えば、普通ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが短くてもよく、短くなり易くてもよい。
【0030】
本実施形態の一例において、第1電サポ状態、及び第2電サポ状態は、普通当り遊技における第2始動口13の開放パターンが同じである。つまり、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間は、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。これに限らず、第1電サポ状態、及び第2電サポ状態は、一部又は全部の開放パターンが互いに異なっていてもよい。例えば、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが長くてもよく、長くなり易くてもよい。例えば、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが短くてもよく、短くなり易くてもよい。
【0031】
本実施形態の一例において、特別ゲームの変動パターンは、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。つまり、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態と第2電サポ状態とで同じである。これに限らず、第1電サポ状態、及び第2電サポ状態は、一部又は全部の変動パターンが互いに異なっていてもよい。例えば、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが長くてもよく、長くなり易くてもよい。例えば、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)は、第1電サポ状態に比して、第2電サポ状態のほうが短くてもよく、短くなり易くてもよい。
【0032】
遊技状態には、低確状態且つ非電サポ状態である遊技状態(以下、通常状態と示す)と、高確状態且つ第1電サポ状態である遊技状態(以下、特別有利状態と示す)と、低確状態且つ第1電サポ状態である遊技状態(以下、通常有利状態と示す)と、低確状態且つ第2電サポ状態である遊技状態(以下、特殊有利状態と示す)と、がある。以下の説明では、特別有利状態、通常有利状態、及び特殊有利状態を纏めて「有利状態」と示す場合がある。通常有利状態及び特別有利状態は、第1有利状態の一例であり、特殊有利状態は、第2有利状態の一例となる。パチンコ遊技機10の遊技状態には、高確状態且つ非電サポ状態である遊技状態(所謂、潜伏確変状態)があってもよい。
【0033】
次に、大当りの種類、及び大当り遊技について説明する。
パチンコ遊技機10では、大当り遊技が大当りの種類に応じて付与される。大当りの種類は、大当り図柄(特別図柄)の種類によって規定される。特別図柄の大当り図柄は、大当りAを定めた特別図柄ZA、大当りBを定めた特別図柄ZB、及び大当りCを定めた特別図柄ZCに分類される。特別図柄ZA~ZCは、1種類又は複数種類の特別図柄をそれぞれ含む。パチンコ遊技機10では、大当り遊技が特別図柄の種類に応じて付与される。
【0034】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた回数を上限として行われる。本実施形態の一例において、ラウンド遊技の上限回数は、特別図柄ZA(大当りA)であれば10回、特別図柄ZB(大当りB)及び特別図柄ZC(大当りC)であれば5回である。
【0035】
1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、所定の演出(以下、ラウンド演出と示す)が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0036】
次に、遊技状態の移行態様の一例について説明する。
以下の説明では、ある遊技状態に制御されることを「遊技状態へ移行する」と示し、ある遊技状態に制御されていることを「遊技状態に滞在する」と示す場合がある。なお、大当り遊技中の遊技状態は、通常状態(低確状態且つ非電サポ状態)である。つまり、何れかの有利状態に滞在中、大当り遊技が付与されると、有利状態が終了して通常状態に移行する。
【0037】
図3に示すように、通常状態に滞在中、大当りA,Bに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後、特別有利状態(第1電サポ状態)へ移行する。通常状態に滞在中、大当りCに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後、通常有利状態(第2電サポ状態)へ移行する。本実施形態において、大当りに当選すること(大当りA~Cの何れかとなること)は、第1電サポ状態の移行条件の一例となる。
【0038】
主に通常状態に滞在中、内部的に計数している特別ゲームの実行回数(以下、特別図柄の作動回数と示す)が予め定めた回数(以下、天井回数と示す)に達すると、次回の特別ゲームから特殊有利状態(第2電サポ状態)へ移行する。特別図柄の作動回数は、電サポ状態であるか否かを問わず、低確状態であるときに第1特別ゲーム又は第2特別ゲームが実行されると加算される。作動回数は、大当り遊技が付与されると0にリセットされる。一例として、天井回数は、900回である。内部的な作動回数が天井回数に達することは、第2電サポ状態の移行条件の一例となる。このように、特殊有利状態は、変動ゲームの実行回数が規定回数に到達したことに基づいて移行しうる。
【0039】
特別有利状態に滞在中、大当りA,Bに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後も特別有利状態へ移行する。特別有利状態に滞在中、大当りCに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後、通常有利状態へ移行する。通常有利状態に滞在中、大当りA,Bに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後、特別有利状態へ移行する。通常有利状態に滞在中、大当りCに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後も通常有利状態へ移行する。通常有利状態に滞在中、大当りとならずに特別ゲームの実行回数が予め定めた回数(以下、第1電サポ回数と示す)に達すると、次回の特別ゲームから通常状態へ移行する。一例として、第1電サポ回数は、100回である。
【0040】
特殊有利状態に滞在中、大当りA,Bに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後、特別有利状態へ移行する。特殊有利状態に滞在中、大当りCに基づく大当り遊技が付与されると、当該大当り遊技の終了後も通常有利状態へ移行する。特殊有利状態に滞在中、大当りとならずに特別ゲームの実行回数が予め定めた回数(以下、第2電サポ回数と示す)に達すると、次回の特別ゲームから通常状態へ移行する。一例として、第2電サポ回数は、950回である。なお、第2電サポ回数は、大当り確率の逆数の2.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
【0041】
以上のように、大当り遊技の終了後の遊技状態は、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて異なる。本実施形態の一例において、特別図柄ZA(大当りA)又は特別図柄ZB(大当りB)に基づく大当り遊技の終了後、遊技状態は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって特別有利状態に制御される。特別図柄ZC(大当りC)に基づく大当り遊技の終了後、遊技状態は、第1電サポ回数の特別ゲームが終了する迄の間、又は第1電サポ回数の特別ゲームが終了する迄の間に次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、通常有利状態に制御される。そして、低確状態にて天井回数の変動ゲームを消化すると、遊技状態は、第2電サポ回数の特別ゲームが終了する迄の間、又は第2電サポ回数の特別ゲームが終了する迄の間に次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、特殊有利状態に制御される。
【0042】
パチンコ遊技機10における演出について説明する。
最初に、演出モードについて説明する。本実施形態の一例では、各種の演出の実行態様として互いに異なる実行態様を定めた複数の演出モードがある。パチンコ遊技機10では、複数の演出モードのうち何れかの演出モードが設定され、設定中である演出モードに応じた実行態様にて各種の演出が実行される。以下の説明では、ある演出モードが設定されることを「演出モードへ移行する」と示し、ある演出モードが設定されていることを「演出モードに滞在する」と示す場合がある。
【0043】
複数の演出モードには、通常状態であるときに設定される通常モードMAと、特別有利状態であるときに設定される特別有利モードMBと、通常有利状態であるときに設定される通常有利モードMCと、特殊有利状態であるときに設定される特殊有利モードMDと、がある。一例として、モードMA~MDは、それぞれ1種類であるが、これに限らず、モードMA~MDのうち任意に選択できる1又は複数の演出モードについて複数種類があってもよい。本実施形態では、遊技状態が移行すると、その移行先の遊技状態に対応した演出モードへ移行する。つまり、遊技状態の移行条件と、演出モードの移行条件とは同じである。
【0044】
演出表示装置EHの画像表示領域Rにおいて各種の情報(画像)を表示するときの画面レイアウトについて説明する。モードMA~MDでは、画面レイアウトの少なくとも一部が異なる。本実施形態の一例では、通常モードMA用のレイアウト[A]と、有利モードMB,MC用のレイアウト[B]と、特殊有利モードMD用のレイアウト[C]と、がある。
【0045】
最初に、通常モードMA用のレイアウト[A]について説明する。
図4に示すように、画像表示領域Rには、演出図柄を用いた図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)を表示する領域として、ゲーム表示領域RGが設定されている。ゲーム表示領域RGでは、複数の図柄列を表示可能である。図柄列の各々は、複数の演出図柄を含んで構成され、リールとも称される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。
【0046】
ここで、演出ゲームについて説明する。演出ゲームでは、複数の図柄列の各々で演出図柄を変動表示させてから、複数の図柄列の各々で演出図柄を停止表示させることにより、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)を停止表示させる。本実施形態の一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0047】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。例えば、演出ゲームでは、特別ゲームで大当り図柄が停止表示されるとき、大当りの図柄組合せが停止表示される。一例として、大当りの図柄組合せは、[777]等のように、全ての図柄列の演出図柄が同じとなる組合せ(所謂、図柄揃い)である。演出ゲームでは、特別ゲームではずれ図柄が停止表示されるとき、はずれの図柄組合せが停止表示される。一例として、はずれの図柄組合せは、[787]及び[468]等のように、全ての図柄列の演出図柄が同じとならない組合せである。特別ゲーム及び当該特別ゲームに関連して実行される演出ゲームは、変動ゲームの一例となる。
【0048】
演出ゲームは、リーチ演出を含む場合がある。リーチ演出は、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを停止表示させる演出である。以下、リーチが形成されている状態をリーチ状態と示す場合がある。リーチは、大当りの図柄組合せが形成される一歩手前の状態(所謂、テンパイ)である。例えば、リーチは、[7↓7]等のように、特定の図柄列(例えば、中図柄列)にて演出図柄が変動表示されており、且つ、特定の図柄列とは異なる複数の図柄列(以下、リーチ形成列といい、例えば左右の図柄列)にて、同一の演出図柄が仮停止表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、Nリーチ演出と示す)と、Nリーチ演出に比して、今回の演出ゲームにて大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)が高いスーパーリーチ演出(以下、SPリーチ演出と示す)と、がある。
【0049】
通常モードMA用のレイアウト[A]の説明に戻る。
画像表示領域Rにおいて、ゲーム表示領域RGの下方には、保留中の第1特別ゲームを示す変動情報の一例であるゲームアイコンIを表示する領域として、保留表示領域H1~H4が左から右へとこの順番で並ぶように設定されている。保留表示領域H1には、1番目(最先)に保留された第1特別ゲーム(第1保留数=1)を示すゲームアイコンIが表示される。保留表示領域H2には、2番目に保留された第1特別ゲームを(第1保留数=2)示すゲームアイコンIが表示される。保留表示領域H3には、3番目に保留された第1特別ゲーム(第1保留数=3)を示すゲームアイコンIが表示される。保留表示領域H4には、4番目(最後)に保留された第1特別ゲーム(第1保留数=4)を示すゲームアイコンIが表示される。つまり、保留表示領域H1~H4は、それぞれ第1保留数=1~4の第1特別ゲームと各別に対応する。
【0050】
画像表示領域Rにおいて、ゲーム表示領域RGの右下方(画像表示領域Rの右下角部)には、所定のキャラクタ(以下、略してキャラと示す)を表示する自キャラ表示領域S1が設定されている。自キャラ表示領域S1には、遊技者の選択操作によって選択された自キャラアイコンK1が表示される。画像表示領域Rには、滞在中である演出モードを特定可能な情報の一例として所定の文字列が表示されてもよい。一例として、所定の文字列は、「通常モード」の文字列である。画像表示領域Rには、保留表示領域H1~H4におけるゲームアイコンIの表示に加えて、第1保留数を特定可能な情報、及び第2保留数を特定可能な情報の一例として、それぞれ所定の数字(例えば、0~4のアラビア数字など)が表示されてもよい。
【0051】
有利モードMB,MC用のレイアウト[B]について説明する。
レイアウト[B]は、第1特別ゲームのゲームアイコンIの表示に代えて、保留中の第2特別ゲームを示す変動情報の一例であるゲームアイコンiを表示する点でレイアウト[A]と異なり、その他の構成は同じである。画像表示領域Rには、通常モードMA用のレイアウト[A]と同様に、ゲーム表示領域RGが設定されている。レイアウト[B]では、レイアウト[A]における保留表示領域H1~H4に代えて、保留中の第2特別ゲームを示すゲームアイコンiを表示する領域として、保留表示領域h1~h4が設定されている。保留表示領域h1には、1番目(最先)に保留された第2特別ゲーム(第2保留数=1)を示すゲームアイコンiが表示される。保留表示領域h2には、2番目に保留された第2特別ゲームを(第2保留数=2)示すゲームアイコンiが表示される。保留表示領域h3には、3番目に保留された第2特別ゲーム(第2保留数=3)を示すゲームアイコンiが表示される。保留表示領域h4には、4番目(最後)に保留された第2特別ゲーム(第2保留数=4)を示すゲームアイコンiが表示される。つまり、保留表示領域h1~h4は、それぞれ第2保留数=1~4の第2特別ゲームと各別に対応する。
【0052】
画像表示領域Rには、滞在中である演出モードを特定可能な情報の一例として所定の文字列が表示されてもよい。一例として、所定の文字列は、特別有利状態であれば「特別有利モード」の文字列であり、通常有利状態であれば「通常有利モード」の文字列である。画像表示領域Rには、保留表示領域H1~H4におけるゲームアイコンIの表示に加えて、第1保留数を特定可能な情報、及び第2保留数を特定可能な情報の一例として、それぞれ所定の数字(例えば、0~4のアラビア数字など)が表示されてもよい。
【0053】
特殊有利モードMD用のレイアウト[C]について説明する。
図5に示すように、画像表示領域Rには、レイアウト[A]と同様に、ゲーム表示領域RGが設定されている。レイアウト[C]では、レイアウト[B]と同様に、保留中の第2特別ゲームを示すゲームアイコンiを表示する領域として、保留表示領域h1~h4が設定されている。画像表示領域Rのうち、保留表示領域h1の左隣(左下角部)には、実行中の第2特別ゲームを示す変動情報の一例であるゲームアイコンDを表示する領域として、実行表示領域h0が設定されている。実行表示領域h0は、第2保留数=0の第2特別ゲームに対応する。例えば、第2特別ゲームが新たに保留されて第2保留数=4となり、保留表示領域h4にゲームアイコンiが表示された場合、当該ゲームアイコンiは、先に保留されている第2特別ゲームが開始される毎に、表示領域h4→h3→h2→h1の順に移動するように表示される。そして、実行条件の成立によって実行(消化)される場合、保留表示領域h1に表示されているゲームアイコンiは、保留表示領域h1から実行表示領域h0へ移動し、ゲームアイコンDとして表示される。
【0054】
このように、演出表示装置EHには、保留中の変動ゲームを示すゲームアイコンiを表示する領域である複数の保留領域としての保留表示領域h1~h4がある。また、演出表示装置EHには、保留中の変動ゲームのうち保留時期が最先の変動ゲームが開始されるときに、当該最先の変動ゲームを示すゲームアイコンiが移動表示されて実行中の変動ゲームを示すゲームアイコンDとして表示される領域である実行領域としての実行表示領域h0がある。
【0055】
画像表示領域Rにおいて、ゲーム表示領域RGの右下(右下角部)には、自キャラ表示領域S1が設定されている。自キャラ表示領域S1には、自キャラアイコンK1が表示される。画像表示領域Rには、滞在中である演出モードを特定可能な情報の一例として所定の文字列が表示されてもよい。一例として、所定の文字列は、「特殊有利モード」の文字列である。画像表示領域Rには、保留表示領域h1~h4におけるゲームアイコンiの表示に加えて、第1保留数を特定可能な情報、及び第2保留数を特定可能な情報の一例として、所定の数字(例えば、0~4のアラビア数字など)が表示されてもよい。
【0056】
画像表示領域Rにおいて、ゲーム表示領域RGの左上(左上角部)には、敵キャラ表示領域S2が設定されている。敵キャラ表示領域S2には、遊技者の選択操作によって選択された自キャラと対をなし、対戦相手となる敵キャラを示す敵キャラアイコンK2が表示される。なお、敵キャラアイコンK2は、遊技者が選択可能な自キャラに応じて表示される自キャラアイコンK1とは異なり内部的に決定される。
【0057】
画像表示領域Rにおいて、敵キャラ表示領域S2の右方であって、且つゲーム表示領域RGの上方には、敵キャラに対応するキャラを示す対応キャラアイコンK3を表示する領域として、対応キャラ表示領域A1~A4が左から右へとこの順番で並ぶように設定されている。対応キャラ表示領域A1~A4の個数は、第2保留数の上限数と同じである。詳しくは後述するが、対応キャラアイコンK3は、第2特別ゲームの大当り期待度を特定可能な情報として表示される。
【0058】
画像表示領域Rにおいて、対応キャラ表示領域A1~A4の右方であって、ゲーム表示領域RGの右上(右上角部)には、特定対応キャラ表示領域A0が設定されている。詳しくは後述するが、特定対応キャラ表示領域S3には、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3の何れかが表示される。本実施形態の一例において、ゲームアイコンi,D、自キャラアイコンK1、敵キャラアイコンK2、及び対応キャラアイコンK3は、何れも四角い枠とキャラとを組合せた意匠の画像である。つまり、これらのアイコンは、複数の要素からなるとともに、少なくとも一部の要素が同一である。これらのアイコンは、同一の構成である、又は互いに類似するといえる。
【0059】
次に、予告演出について説明する。
演出装置群ESは、変動ゲームの実行中に、1又は複数の予告演出を実行可能である。予告演出は、実行中の変動ゲームにおける大当り期待度を認識可能な演出である。一例として、予告演出は、キャラや文字列を演出表示装置EHに表示したり、特定の音声(一例として専用音声)をスピーカSPから出力したり、特定の発光パターン(一例として専用発光パターン)にて装飾ランプLAを発光させたりする態様にて実行される。
【0060】
特殊有利モードMDにおいて実行可能な予告演出には、対応キャラ表示領域A1~A4に表示する対応キャラアイコンK3が変更される可能性があることを示唆するキャラ変更示唆演出がある。キャラ変更示唆演出は、変動ゲームが開始される毎に実行される。キャラ変更示唆演出は、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3を全て一時的に非表示とし、非表示とする前と同一又は異なる対応キャラアイコンK3を表示する態様にて実行される。対応キャラアイコンK3を表示させている表示状態は、遊技者が対応キャラアイコンK3の種類を認識容易な第1表示態様となり、対応キャラアイコンK3を非表示とさせている表示状態は、第1表示態様と比較して遊技者が対応キャラアイコンK3の種類を認識困難な第2表示態様となる。詳しくは後述するが、キャラ変更示唆演出を経て対応キャラアイコンK3の数や種類が変更されるときと、変更されずに維持されるときとがあるとともに、対応キャラアイコンK3の数や種類によって大当り期待度が異なる。
【0061】
特殊有利モードMDにおいて実行可能な予告演出には、特定のリーチ演出(後述の対戦リーチ)の開始時におけるキャラ組合せ演出がある。キャラ組合せ演出は、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3の中から、1つの対応キャラアイコンK3がリーチ演出の開始に伴って特定対応キャラ表示領域A0に表示される演出である。キャラ組合せ演出は、対応キャラ表示領域A1~A4に表示させている対応キャラアイコンK3のうち、今回の変動ゲームに対応付けられたゲームアイコンDとの組合せにより大当り期待度を認識可能とする対応キャラアイコンK3を報知する演出である。
【0062】
特殊有利モードMDにおいて実行可能な予告演出には、特定のリーチ演出(後述の対戦リーチ)の開始に伴いキャラ組合せ演出を実行した後に実行する補助演出がある。補助演出は、実行表示領域h0のゲームアイコンD、及び特定対応キャラ表示領域A0の対応キャラアイコンK3のそれぞれに対応付けて所定の補助情報Hgを演出表示装置EHに表示し、これら所定の補助情報Hgの組合せによって大当り期待度を特定可能とする演出である。一例として、補助情報Hgは、文字列である。
【0063】
次に、先読み演出について説明する。
演出装置群ESは、変動ゲームの実行中、1又は複数の先読み演出を実行可能である。先読み演出は、保留中の変動ゲームを対象として変動内容を事前判定(先読み)し、当該事前判定の結果に基づいて実行可とするか否かが決定される演出である。先読み演出は、事前判定の対象となった変動ゲームを最終回の変動ゲームとしたときに、当該最終回の変動ゲームよりも前に実行される1回又は複数回の変動ゲームの実行期間のうち少なくとも一部の期間において実行可能な演出である。以下の説明では、事前判定の対象となった最終回の変動ゲームを「対象ゲーム」と示す場合がある。対象ゲームは、先読み演出の実行可否を決定する基礎となった事前判定の対象となる変動ゲームである。先読み演出は、保留中の変動ゲームのうち、対象ゲームの大当り期待度を認識可能な演出である。
【0064】
デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)について説明する。
演出装置群ESは、待機状態である期間中、デモ演出を実行可能である。待機状態は、変動ゲームを実行中ではなく、保留中の変動ゲームが存在せず、且つ、大当り遊技を実行中ではない状態(所謂、客待ち状態)である。本実施形態の一例において、デモ演出は、キャラ選択演出として実行される。キャラ選択演出では、遊技者が選択可能な複数種類のキャラ(以下、選択対象キャラと示す)の一例として、[ネズミ]→[ネコ]→[イヌ]→[ニワトリ]→[ネズミ]…の順に、所定時間(例えば2秒)毎にキャラを切り替えながら繰り返し表示する態様にて実行される。キャラ選択演出では、演出ボタンBTの操作が有効であること、及びキャラ選択演出を実行中であることを報知するデモ情報(一例として文字列)が演出表示装置EHに表示される。そして、キャラ選択演出では、演出ボタンBTが遊技者により操作されると、当該操作の時点で演出表示装置EHに表示されているキャラが自キャラとして内部的に決定される。
【0065】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に各種の制御コマンド(制御信号)を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御コマンドに基づいて所定の処理を実行する。
【0066】
主基板40について説明する。
主基板40は、主CPU41と、主ROM42と、主RWM43と、乱数生成回路44と、を備える。主CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。主ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。主ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間(演出ゲームの演出時間)を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの変動内容(演出ゲームの演出内容)を特定可能な情報である。
【0067】
変動パターンには、大当りの変動パターンと、はずれの変動パターンと、がある。大当りの変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれの変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。主RWM43は、主CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路44は、ハードウェア乱数を生成する。主基板40は、主CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0068】
主基板40は、各センサSE1~SE4と接続されている。主CPU41は、各センサSE1~SE4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、各表示装置19a~19fと接続されている。主CPU41は、各表示装置19a~19fの表示内容を制御可能である。主基板40は、各ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主CPU41は、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。
【0069】
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、副CPU51と、副ROM52と、副RWM53と、を備える。副CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。副ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。副RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、副CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0070】
副基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副CPU51は、演出表示装置EHを制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続されている。副CPU51は、スピーカSPの出力内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。このように、副CPU51は、演出実行手段の一例である演出装置群ESを制御する演出制御手段の一例を構成する。副基板50は、演出ボタンBTと接続されている。副CPU51は、演出ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。
【0071】
次に、主CPU41が行う各種の処理について説明する。
主CPU41は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理の1つとして特別図柄入力処理を実行する。主CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口12へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口12へ入球した場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている第1保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、主CPU41は、第1保留数を1加算して更新する。主CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。主CPU41は、加算後の第1保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留数コマンドと示す)を副基板50へ出力する。つまり、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0072】
次に、主CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM43に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄等の決定に用いる図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主RWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0073】
主CPU41は、乱数生成回路44から取得した乱数の値に基づいて、新たに保留した変動ゲームの変動内容を特定可能な制御コマンド(以下、先読みコマンドと示す)を副基板50へ出力するための先読み処理を行う。先読みコマンドは、変動ゲームが大当りとなるか否かを特定可能な情報である。先読みコマンドは、変動パターンを特定可能な情報である。先読み処理において、主CPU41は、乱数生成回路44から取得した当り乱数の値が後述の大当り抽選にて大当りに当選する値であるか否かを判定することによって、新たに保留された変動ゲームが大当りとなるか否かを特定する。主CPU41は、乱数生成回路44から取得した変動パターン乱数の値が後述の各変動処理にて何れの変動パターンに当選する値であるかを判定することによって、新たに保留された変動ゲームの変動パターンを特定する。主CPU41は、変動内容を特定可能な先読みコマンドを生成し、副基板50へ出力する。よって、副基板50(副CPU51)は、先読みコマンドを入力することにより、第1始動口12への入球に基づいて実行が保留された変動ゲーム(第1特別ゲーム)の変動内容を特定可能である。先読みコマンドは、その時点における第1保留数も特定可能とされている。
【0074】
主CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主RWM43に記憶させた場合、遊技球が第1始動口12へ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口13へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口13へ入球している場合、主CPU41は、主RWM43に記憶されている第2保留数が上限数未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主CPU41は、第2保留数を1加算して更新する。主CPU41は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置19dを制御する。主CPU41は、加算後の第2保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留数コマンドと示す)を副基板50へ出力する。つまり、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0075】
次に、主CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM43に記憶させる。主CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主RWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。主CPU41は、乱数生成回路44から取得した乱数の値に基づいて先読み処理を行い、新たに保留した変動ゲームの変動内容を特定可能な先読みコマンドを副基板50へ出力する。よって、副基板50(副CPU51)は、先読みコマンドを入力することにより、第2始動口13への入球に基づいて実行が保留された変動ゲーム(第2特別ゲーム)の変動内容を特定可能である。先読みコマンドは、その時点における第2保留数も特定可能とされている。第2特別ゲーム用の乱数情報を主RWM43に記憶させた場合、遊技球が第2始動口13へ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、主CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
【0076】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主CPU41は、タイマ割り込み処理の1つとして、特別図柄開始処理を実行する。主CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主CPU41は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主CPU41は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、主CPU41は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、主CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0077】
第1保留数が零よりも大きい場合、主CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主CPU41は、第1保留数を1減算して更新する。主CPU41は、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。主CPU41は、減算後の第1保留数を特定可能な第1保留数コマンドを副基板50へ出力する。次に、主CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から取得する。主CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用い、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主CPU41は、現在の確率状態(高確状態の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0078】
大当りに当選した場合、主CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主CPU41は、乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第1図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる特別図柄の大当り図柄を決定する。主CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当りの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0079】
大当りに当選しなかった場合、主CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主CPU41は、乱数情報から特定可能な図柄乱数を用いて第2図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる特別図柄のはずれ図柄を決定する。なお、はずれ図柄が1種類しかない場合は、第2図柄抽選を行わずにはずれ図柄を決定する構成であってもよい。主CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチなしの複数のはずれの変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0080】
第2保留数が零よりも大きい場合、主CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主CPU41は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。主CPU41は、減算後の第2保留数を特定可能な第2保留数コマンドを副基板50へ出力する。
【0081】
主CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0082】
特別図柄開始処理を終了すると、主CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。主CPU41は、変動パターンに定めた変動時間を計測する。主CPU41は、変動パターンに定めた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、主CPU41は、変動パターンに定めた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50に出力する。
【0083】
主CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。主CPU41は、変動パターンに定めた変動時間を計測する。主CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、主CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50に出力する。
【0084】
以上のように、パチンコ遊技機10は、主CPU41が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、保留条件の成立により変動ゲームを保留し、開始条件の成立により保留中の変動ゲームを実行する。主CPU41は、開始条件の成立を契機として特別抽選を行う特別抽選手段の一例を構成する。本実施形態において、大当り抽選、第1図柄抽選、及び第2図柄抽選は、特別抽選の一例である。主CPU41は、特別抽選の結果に基づいて変動ゲームの内容の一例である変動パターンを決定する内容決定手段の一例を構成する。主CPU41は、当該主CPU41(内容決定手段)の決定結果に基づいてゲーム実行手段の一例である特別図柄表示装置19a,19bを制御し、変動ゲームを実行させるゲーム制御手段の一例を構成する。
【0085】
ここで、変動パターンの具体的な一例について説明する。
図7に示すように、複数通りの変動パターンには、変動パターンMP1~MP5がある。複数通りの変動パターンには、変動パターンMP1~MP5とは異なる変動パターンを含んでいてもよい。
【0086】
変動パターンMP1は、はずれの変動パターンである。変動パターンMP1は、通常はずれの変動内容を特定する。「通常はずれ」では、演出ゲームの開始後、演出表示装置EHにおいて各列の図柄(飾図)が予め定めた順序(一例として左図柄列→右図柄列→中図柄列)に従って演出図柄が停止表示される。
【0087】
変動パターンMP2~MP5には、それぞれ、大当りの変動パターンと、はずれの変動パターンと、がある。変動パターンMP2は、Nリーチ演出の変動内容を特定する。変動パターンMP3~MP5は、Nリーチ演出を経由するSRリーチ演出の変動内容を特定する。具体的に、変動パターンMP3は、Nリーチ演出の実行後、特定のキャラを除く他のキャラを表示させて行う第1SPリーチ演出(キャラリーチ演出)を実行する変動内容を特定する。変動パターンMP4は、Nリーチ演出の実行後、キャラクタ同士が対戦する様子を表示させて行う第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)を実行する変動内容を特定する。対戦リーチ演出では、実行表示領域h0に表示されているゲームアイコンDに示されるキャラと、特定対応キャラ表示領域A0に表示されている対応キャラアイコンK3に示されるキャラと、が戦いを繰り広げる様子を表示して行われる。変動パターンMP5は、Nリーチ演出の実行後、特定のキャラを表示させて行う第3SPリーチ演出(特定キャラリーチ演出)を実行する変動内容を特定する。
【0088】
本実施形態の一例では、変動パターンMP2<MP3<MP4<MP5の順に、大当り変動処理にて決定される割合と、はずれ変動処理にて決定される割合との合算割合に占める、大当り変動処理にて決定される割合が高い。つまり、本実施形態の一例では、Nリーチ演出<第1SPリーチ演出(キャラリーチ演出)<第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)<第3SPリーチ演出(特定キャラリーチ演出)の順に、大当り期待度が高い。
【0089】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主CPU41は、特別ゲームにて大当り図柄を停止表示させると、この大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0090】
最初に、主CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50に出力する。主CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させる処理を行う。即ち、主CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。主CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上限個数に達するか、又はラウンド遊技の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させる処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50に出力する。主CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50に出力する。主CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副基板50に出力する。
【0091】
次に、遊技状態移行処理について説明する。
主CPU41は、主RWM43にフラグなどの情報を記憶させることによって、遊技状態(確率状態、及び入球率状態)を制御する。主CPU41は、特別図柄ZA,ZBの何れかに基づく大当り遊技を終了すると、次回の大当り遊技が付与されるまで、遊技状態を特別有利状態(高確状態、且つ第1電サポ状態)に制御する。主CPU41は、特別図柄ZCに基づく大当り遊技を終了すると、遊技状態を通常有利状態(低確状態、且つ第1電サポ状態)に制御する。主CPU41は、通常有利状態における特別ゲームの実行回数を計数する。主CPU41は、通常有利状態における特別ゲームの実行回数が第1電サポ回数に達すると、次回の特別ゲームから、通常有利状態が終了して通常状態(低確状態、且つ非電サポ状態)が開始するように遊技状態に制御する。
【0092】
また、主CPU41は、低確状態であるときに特別ゲームを実行(開始又は終了)させると、特別図柄の作動回数に1加算する。主CPU41は、低確状態であれば、電サポ状態、及び非電サポ状態の何れであっても、特別ゲームを実行させると、特別図柄の作動回数に1加算する。主CPU41は、確率状態が高確状態であるときに特別ゲームを実行させても、特別図柄の作動回数に1加算しない。なお、作動回数は、作動回数を特定可能な情報(一例としてカウンタ)として主RWM43に記憶される。
【0093】
主CPU41は、特別図柄の作動回数が予め定めた回数(天井回数)に達すると、次回の特別ゲームから、特殊有利状態(低確状態、且つ第2電サポ状態)が開始するように制御する。本実施形態の一例において、特殊有利状態に制御される直前の遊技状態は、通常状態である。主CPU41は、特殊有利状態における特別ゲームの実行回数を計数する。主CPU41は、特殊有利状態における特別ゲームの実行回数が第2電サポ回数に達すると、特殊有利状態を終了して通常状態が開始するように遊技状態を制御する。
【0094】
主CPU41は、大当り遊技の開始時に作動回数を0にリセットする。これに限らず、主CPU41は、大当り遊技の終了時に作動回数をリセットしてもよい。主CPU41は、電力供給が開始されるとき、バックアップされている情報のリセット(所謂、RWMクリア)が行われたときに作動回数をリセットしてもよい。主CPU41は、大当り遊技が開始されると、何れの遊技状態に制御している場合であっても、通常状態に制御する。つまり、大当り遊技中の遊技状態は、通常状態となる。主CPU41は、遊技状態を移行させると、移行後の遊技状態を特定可能な制御コマンド(以下、状態コマンドと示す)を副基板50に出力する。
【0095】
このように、本実施形態の主CPU41は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段の一例を構成する。本実施形態の一例において、遊技状態には、特別抽選の結果が特定の結果の一例である大当りとなったことに基づいて移行しうる通常有利状態及び特別有利状態と、通常有利状態及び特別有利状態とは異なる契機に基づいて移行しうる特殊有利状態と、が少なくともある。本実施形態において、特殊有利状態への移行契機(移行条件)は、低確状態における特別図柄の作動回数が予め定めた回数(天井回数)に達することである。
【0096】
普通図柄入力処理について説明する。
主CPU41は、タイマ割り込み処理の1つとして普通図柄入力処理を実行する。主CPU41は、ゲートセンサSE4から検知信号を入力すると、主RWM43に記憶されている普通保留数が上限数未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主CPU41は、普通図柄入力処理を終了する。
【0097】
普通保留数が上限数未満である場合、主CPU41は、普通保留数を1加算して更新する。次に、主CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM43に記憶させる。例えば、乱数は、普通図柄の当り判定に用いる普通当り乱数である。その後、主CPU41は、普通図柄入力処理を終了する。
【0098】
普通図柄開始処理について説明する。
主CPU41は、タイマ割り込み処理の1つとして普通図柄開始処理を実行する。主CPU41は、普通ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主CPU41は、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中又は普通ゲームの実行中である場合に否定判定する。普通ゲームの開始条件が成立していない場合、主CPU41は、普通図柄開始処理を終了する。普通ゲームの開始条件が成立している場合、主CPU41は、普通保留数が零よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が零である場合、主CPU41は、普通図柄開始処理を終了する。
【0099】
普通保留数が零ではない場合、主CPU41は、普通保留数を1減算して更新する。主CPU41は、減算後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示装置19fを制御する。主CPU41は、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM43から取得する。主CPU41は、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数を用い、普通図柄の当り抽選として、普通当りに当選とするか否かの普通当り抽選(普通当り判定)を行う。主CPU41は、現在の入球率状態(電サポ状態の有無や種類)に応じた普通当り確率にて普通当り抽選を行う。主CPU41は、特別抽選とは異なる普通当り抽選(普通抽選)を行う普通抽選手段の一例を構成する。
【0100】
主CPU41は、普通ゲームの変動時間を定めた普通図柄用の変動パターンを決定する。主CPU41は、非電サポ状態である場合、第1変動時間(例えば5秒)を定めた変動パターンを決定する一方、電サポ状態の場合、第1変動時間よりも短い第2変動時間(例えば1秒)を定めた変動パターンを決定する。この入球率状態に応じた変動パターンの決定態様により、電サポ状態中は、普通ゲームの変動時間が短縮される。主CPU41は、普通図柄表示装置19eに普通ゲームを開始させる。主CPU41は、普通図柄用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当りに当選しているときには、普通当り図柄を停止表示させ、普図当りに当選していないときには、はずれ図柄を停止表示させる。
【0101】
普通当り遊技処理について説明する。
普通当りに当選した場合、主CPU41は、普通ゲームの終了後、第2始動口13の開閉片13aを所定の動作パターンに従って動作させ、普通当り遊技を実行する。一例として、主CPU41は、非電サポ状態である場合、第1開放パターンに基づいて普通ソレノイドSL1を制御し、第1開放時間(一例として0.2秒)の開放が第1回数(一例として1回)にわたって行われるように開閉片13aの動作を制御する。主CPU41は、電サポ状態である場合、第2開放パターンに基づいて普通ソレノイドSL1を制御し、第1開放時間よりも長い第2開放時間(一例として1.5秒)の開放が第1回数よりも多い第2回数(一例として3回)にわたって行われるように開閉片13aの動作を制御する。このような開閉片13aの開放パターンを用いた制御により、電サポ状態中、第2始動口13の合計開放時間が長くなる。本実施形態の主CPU41は、普通当り抽選の結果が普通当りであるとき、特別図柄の変動ゲームとは異なる普通ゲームが終了すると、開閉片13aを開放状態に制御し、普通当り遊技を生起させる開閉制御手段の一例を構成する。
【0102】
副CPU51が実行する各種の処理について説明する。
副CPU51は、主基板40から入力する各種の制御コマンドに基づいて、各種の演出、及び各種の報知を実行するように、演出装置群ESを制御する。以下、演出を実行させるための各種の処理について説明する。
【0103】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。
【0104】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを含む演出装置群ESを制御する。具体的に、副CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。
【0105】
副CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。副CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0106】
副CPU51は、リーチ演出を実行させる条件(以下、リーチ条件と示す)が成立しているか否かを判定する。リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。これに限らず、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定の乱数を用いたリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、リーチを含む大当りの図柄組合せを決定する。副CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0107】
副CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副CPU51は、演出ゲームを開始させる。副CPU51は、演出ゲームに関連して所定の予告演出を実行させる場合、当該予告演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群ESを制御する。副CPU51は、リーチ条件が成立している場合、予め定めたリーチ形成のタイミングが到来するとリーチ形成列に演出図柄を仮停止表示させ、決定済みである演出図柄によるリーチを形成するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、変動パターンに特定されているリーチ演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。
【0108】
副CPU51は、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは、省略してもよい。副CPU51は、主CPU41(内容決定手段)の決定結果に基づいてゲーム実行手段の一例である演出表示装置EHを制御し、変動ゲームを実行させるゲーム制御手段の一例を構成する。
【0109】
デモ演出処理について説明する。
デモ演出処理は、デモ演出の1つとしてキャラ選択演出を実行させるための処理である。副CPU51は、待機状態へ移行したか否かを判定する。一例として、副CPU51は、変動終了コマンド、又はエンディング終了コマンドを入力してから、変動開始コマンドを入力することなく所定期間が経過した場合に待機状態へ移行した判定する。これに限らず、変動ゲームを実行中ではなく、大当り遊技を実行中ではなく、且つ、何れの保留数も0である状態となったとき、主CPU41が所定の制御コマンド(以下、待機状態指定コマンドと示す)を出力し、副CPU51が待機状態指定コマンドを入力した場合に待機状態へ移行したと判定する構成であってもよい。
【0110】
図8に示すように、キャラ選択演出にて選択可能な選択対象キャラには、複数種類(一例として4種類)のキャラがある。副CPU51は、待機状態へ移行したと判定すると、デモ情報を表示するように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、副RAM53に記憶される選択肢フラグに、[ネズミ]を選択中であることを特定可能な値を設定し、[ネズミ]を表示するように演出表示装置EHを制御する。
【0111】
副CPU51は、選択肢フラグを設定してから所定時間(一例として2秒)が経過すると、[ネコ]を選択中であることを特定可能な値を選択肢フラグに設定して更新し、[ネコ]を表示するように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、選択肢フラグを設定してから所定時間が経過すると、[イヌ]を選択中であることを特定可能な値を選択肢フラグに設定して更新し、[イヌ]を表示するように演出表示装置EHを制御する。
【0112】
副CPU51は、選択肢フラグを設定してから所定時間が経過すると、[ニワトリ]を選択中であることを特定可能な値を選択肢フラグに設定して更新し、[ニワトリ]を表示するように演出表示装置EHを制御する。以降、副CPU51は、[ネズミ]→[ネコ]→[イヌ]→[ニワトリ]→[ネズミ]…の順に、所定時間が経過する毎に選択肢フラグの値を設定して更新し、当該フラグから特定可能なキャラを表示するように演出表示装置EHを制御する。
【0113】
副CPU51は、キャラ選択演出の実行中、演出ボタンBTから操作信号を入力すると、当該操作信号の入力時点において選択肢フラグに設定されている値から特定可能なキャラを自キャラとして決定する。副CPU51は、副RAM53に記憶されている自キャラフラグに、演出ボタンBTの操作に基づき決定した自キャラを特定可能な値を設定する。自キャラフラグは、前述した自キャラ表示領域S1に表示する自キャラアイコンK1を特定可能なフラグである。
【0114】
副CPU51は、キャラ選択演出によって自キャラを決定すると、演出ボタンBTの操作によってキャラが決定されたことを報知する選択報知演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。選択報知演出は、例えば「キャラクタ○○を選択」などの文字列を演出表示装置EHに表示する態様にて実行される。
【0115】
副CPU51は、キャラ選択演出によって自キャラを決定すると、選択対象キャラのうち自キャラを除いた複数キャラの中から、自キャラと対をなす1の敵キャラを所定の乱数を用いた抽選により決定する。副CPU51は、決定した敵キャラを特定可能な値を、副RAM53に記憶されている敵キャラフラグに設定する。敵キャラフラグは、敵キャラ表示領域S2に表示する敵キャラアイコンK2を特定可能なフラグである。
【0116】
モード移行処理について説明する。
図3に示すように、モード移行処理は、演出モードを移行させるための処理である。副CPU51は、状態コマンドを入力すると、当該状態コマンドから特定可能な遊技状態を特定可能な情報(以下、状態フラグと示す)を副RAM53に記憶させる。副CPU51は、状態フラグの値を参照することにより、遊技状態を特定する。副RAM53には、現在の演出モードを特定可能な値が設定されるモードフラグが記憶されている。副CPU51は、モードフラグの値に基づいて現在の演出モードを把握する。つまり、副CPU51は、モードフラグの値を、ある演出モードを特定可能な値に書き換えることで、当該ある演出モードを設定する。
【0117】
副CPU51は、特別図柄ZA,ZBに基づく大当り遊技が終了し、特別有利状態への移行を特定すると、特別有利モードMBを設定する。副CPU51は、特別図柄ZCに基づく大当り遊技が終了し、通常有利状態への移行を特定すると、通常有利モードMCを設定する。副CPU51は、有利モードMB,MCの何れかを設定中、レイアウト[B]にて各種の画像(文字列やアイコン等)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、有利モードMB,MCを設定中、変動開始コマンドを入力すると、副RAM53に記憶されている自キャラフラグの値を参照し、キャラ選択演出にて決定された自キャラを示す自キャラアイコンK1を自キャラ表示領域S1に表示するように、演出表示装置EHを制御する。なお、キャラ選択演出を未実行であるとき、自キャラアイコンK1の初期キャラは、[ネズミ]であってもよく、選択対象キャラの中から抽選にて決定されるキャラであってもよい。
【0118】
副CPU51は、通常有利状態における変動ゲームの実行回数が第1電サポ回数に達し、通常状態への移行を特定すると、通常モードMAを設定する。副CPU51は、特殊有利状態における変動ゲームの実行回数が第2電サポ回数に達し、通常状態への移行を特定すると、通常モードMAを設定する。副CPU51は、通常モードMAを設定中、レイアウト[A]にて各種の画像(文字列やアイコン等)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、通常モードMAを設定中、変動開始コマンドを入力すると、副RAM53に記憶されている自キャラフラグの値に対応する自キャラアイコンK1を自キャラ表示領域S1に表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0119】
副CPU51は、低確状態にて計数される作動回数が天井回数に達し、特殊有利状態への移行を特定すると、特殊有利モードMDを設定する。副CPU51は、特殊有利モードMDを設定中、レイアウト[C]にて各種の画像(文字列やアイコン等)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、特殊有利モードMDを設定中、変動開始コマンドを入力すると、副RAM53に記憶されている自キャラフラグの値に対応する自キャラアイコンK1を自キャラ表示領域S1に表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、特殊有利モードMDを設定中、変動開始コマンドを入力すると、副RAM53に記憶されている敵キャラフラグの値を参照し、決定されている敵キャラを示す敵キャラアイコンK2を敵キャラ表示領域S2に表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0120】
第1保留表示処理について説明する。
第1保留表示処理は、通常モードMAを設定中、保留表示領域H1~H4にゲームアイコンIを表示させる処理である。副CPU51は、第1保留数コマンドを入力すると、当該第1保留数コマンドから特定可能な第1保留数に等しい個数のゲームアイコンIを保留表示領域H1~H4に表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0121】
具体的に、副CPU51は、第1保留数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1保留数と、副RAM53に記憶させている第1保留数とを比較する。副CPU51は、コマンドから特定可能な第1保留数が、記憶中の第1保留数から1増加している場合、保留表示領域H1~H4のうち、コマンドから特定可能な第1保留数に対応する保留表示領域にゲームアイコンIを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、コマンドから特定可能な第1保留数が、記憶中の第1保留数から1減少している場合、保留表示領域H1~H4のうち、コマンドから特定可能な第1保留数を超える第1保留数に対応する保留表示領域のゲームアイコンIを消去するように、演出表示装置EHを制御する。
【0122】
例えば、副CPU51は、副RAM53に第1保留数=2が記憶されており、且つ第1保留数=3を特定可能な第1保留数コマンドを入力すると、保留表示領域H3にゲームアイコンIを表示させる。副CPU51は、副RAM53に第1保留数=4が記憶されており、且つ第1保留数=3を特定可能な第1保留数コマンドを入力すると、保留表示領域H4に表示させているゲームアイコンIを消去する。
【0123】
第2保留表示処理について説明する。
第2保留表示処理は、有利モードMB,MCを設定中、保留表示領域h1~h4にゲームアイコンiを表示させる処理である。副CPU51は、第2保留数コマンドを入力すると、当該第2保留数コマンドから特定可能な第2保留数に等しい個数のゲームアイコンiが保留表示領域h1~h4に表示されるように、演出表示装置EHを制御する。
【0124】
具体的に、副CPU51は、第2保留数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第2保留数と、副RAM53に記憶させている第2保留数とを比較する。副CPU51は、コマンドから特定可能な第2保留数が、記憶中の第2保留数から1増加している場合、保留表示領域h1~h4のうち、コマンドから特定可能な第2保留数に対応する保留表示領域にゲームアイコンiを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、コマンドから特定可能な第2保留数が、記憶中の第2保留数から1減少している場合、保留表示領域h1~h4のうち、コマンドから特定可能な第2保留数を超える第2保留数に対応する保留表示領域のゲームアイコンiを消去するように、演出表示装置EHを制御する。
【0125】
第3保留表示処理について説明する。
第3保留表示処理は、特殊有利モードMDを設定中、先読みコマンドの入力を契機として行う処理であって、先読み演出を実行するための処理である。副CPU51は、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドから特定可能な第2保留数に対応する副RAM53の記憶領域に先読みコマンドの値を記憶させる。副RAM53には、第2保留数=1に対応する記憶領域、第2保留数=2に対応する記憶領域、第2保留数=3に対応する記憶領域、及び第2保留数=4に対応する記憶領域が設定されている。副RAM53には、実行中の第2特別ゲームに対応する記憶領域が設定されている。以下の説明では、実行中の特別ゲームに対応する記憶領域を保留数=0に対応する記憶領域と示す場合がある。例えば、副CPU51は、第2保留数=3を特定可能な先読みコマンドを入力すると、当該コマンド値を、特定可能な第2保留数=3に対応する記憶領域に記憶させる。
【0126】
副CPU51は、入力した先読みコマンドから第2特別ゲームの変動内容を特定する。上述のように、先読みコマンドによって、第2特別ゲームの変動内容として、少なくとも特別抽選(大当り抽選)の結果、及び変動パターンを特定可能である。副CPU51は、保留中の変動ゲームの内容を事前に判定する事前判定手段の一例を構成する。副CPU51は、特定した変動内容をもとに保留表示領域h1~h4に表示させるゲームアイコンiを決定するとともに、当該決定したゲームアイコンiを表示させることにより、先読み演出の1つである保留演出を実行させる。以下、詳細に説明する。
【0127】
特殊有利モードMDを設定中、保留表示領域h1~h4に表示可能なゲームアイコンiに示されるキャラについて説明する。
図8に示すように、各選択対象キャラに対し、複数段階の大当り期待度(以下、期待度ランクと示す)に区分して複数種類のキャラがそれぞれ対応付けられている。各選択対象キャラに対応するキャラの大当り期待度は、期待度ランク[1]~[6]の全6段階である。本実施形態の一例において、選択対象キャラ[ネズミ]には、期待度ランク[1]~[6]のキャラとして、[ネズミA]~[ネズミF]が対応付けられている。同様に、選択対象キャラ[ネコ]には、[ネコA]~[ネコF]が、選択対象キャラ[イヌ]には、[イヌA]~[イヌF]が、選択対象キャラ[ニワトリ]には、[ニワトリA]~[ニワトリF]が対応付けられている。
【0128】
本実施形態の一例において、選択対象キャラ(自キャラ)と、選択対象キャラに対応付けたキャラとの関係は、同じ種類の動物であるが色違いである関係や、「上司」と「部下」との関係のように、選択対象キャラとの関連性を比較的容易に連想できる関係とされている。さらに、本実施形態の一例では、期待度ランク[1]<[2]<[3]<[4]<[5]<[6]の順に、強い印象(イメージ)を遊技者に想起(連想)させ得るキャラが対応付けられている。
【0129】
副CPU51は、先読みコマンドを入力すると、副RAM53から所定の乱数を取得し、当該乱数の値と、入力した先読みコマンドの値(変動内容)とをもとに、演出テーブルTBを参照して期待度ランクを決定する。ここで、演出テーブルTBについて詳しく説明する。演出テーブルTBは、副ROM52に記憶されている。
【0130】
図9に示すように、演出テーブルTBには、先読みコマンドから特定可能な変動パターン(変動内容)に区分して、期待度ランク[1]~[6]に加えて、特殊キャラである[ライオンA]~[ライオンD]でのゲームアイコンiの表示が対応付けられている。演出テーブルTBでは、変動パターンに区分して、期待度ランク[1]~[6]、及び[ライオンA]~[ライオンD]でのゲームアイコンiの表示に対して、上記所定の乱数が取り得る数値の中から所定個数ずつが振り分けられている。
【0131】
演出テーブルTBによれば、期待度ランク[1]<[2]<[3]<[4]<[5]<[6]の順に、大当りの変動パターンであるときの選択割合と、はずれの変動パターンであるときの選択割合の合算割合に占める、大当りの変動パターンであるときの選択割合が高い。つまり、期待度ランク[1]<[2]<[3]<[4]<[5]<[6]の順に、各期待度ランクに対応するキャラのゲームアイコンiにおける大当り期待度が高い。
【0132】
演出テーブルTBによれば、変動パターンMP1(通常はずれ)又は変動パターンMP2(Nリーチ演出)を特定可能である場合、期待度ランク[5],[6]が決定されない。変動パターンMP3~MP5(SPリーチ演出)を特定可能である場合、期待度ランク[5],[6]が決定され得る。よって、期待度ランク[5]以上のキャラによるゲームアイコンiが表示された状況からは、当該ゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームにてSPリーチ演出が実行されることを確定的に認識できる。
【0133】
演出テーブルTBによれば、変動パターンMP5(第3SPリーチ演出)を特定可能である場合にのみ、[ライオンA]~[ライオンD]によるゲームアイコンiの表示が決定され得る。よって、[ライオンA]~[ライオンD]の何れかによるゲームアイコンiが表示された状況からは、当該ゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームにて第3SPリーチ演出が実行されることを確定的に認識できる。演出テーブルTBによれば、[ライオンA]<[ライオンB]<[ライオンC]<[ライオンD]の順に大当り期待度が高い。
【0134】
副CPU51は、期待度ランク[1]~[6]の何れかを決定すると、副RAM53に記憶されている自キャラフラグの値に基づいて自キャラを把握する。副CPU51は、自キャラと、決定した期待度ランクとの組合せから、保留表示領域h1~h4に表示させる具体的なゲームアイコンiを決定する。例えば、図8に示すように、副CPU51は、自キャラが[ネズミ]であり、期待度ランク[6]を決定した場合、[ネズミF]のゲームアイコンiを決定する。例えば、副CPU51は、自キャラが[ニワトリ]であり、期待度ランク[3]を決定した場合、[ニワトリC]のゲームアイコンiを決定する。
【0135】
次に、副CPU51は、先読みコマンドから特定可能な第2保留数に対応する副RAM53の記憶領域に対して、決定した種類(キャラ)のゲームアイコンiを特定可能な値を記憶させる。以下の説明では、第2保留数に対応する記憶領域に記憶されるゲームアイコンiを特定可能な値を「保留特定値」と示す。副CPU51は、第2保留数に対応して記憶された保留特定値を参照することにより、保留表示領域h1~h4に表示させるゲームアイコンiの種類(キャラ)を把握する。そして、副CPU51は、保留表示領域h1~h4のうち、先読みコマンドとともに入力した第2保留数コマンドから特定可能な第2保留数に対応する保留表示領域に、上記のように決定したゲームアイコンiを表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0136】
第4保留表示処理について説明する。
第4保留表示処理は、特殊有利モードMDを設定中、変動開始コマンドの入力を契機として行う処理であって、保留表示領域h1~h4にてゲームアイコンiを表示させる処理である。副CPU51は、第2特別ゲームの変動開始コマンドを入力すると、副RAM53において、第2保留数=1に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第2保留数=0に対応する記憶領域に記憶させる。副CPU51は、第2保留数=2に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第2保留数=1に対応する記憶領域に記憶する。副CPU51は、第2保留数=3に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第2保留数=2に対応する記憶領域に記憶する。副CPU51は、第2保留数=4に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第2保留数=3に対応する記憶領域に記憶する。このとき、副CPU51は、第2保留数=4に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を消去(クリア)する。
【0137】
そして、副CPU51は、第2保留数=0に対応する記憶領域に記憶されている保留特定値から特定可能なゲームアイコンiと同じアイコンをゲームアイコンDとして実行表示領域h0に表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、第2保留数=1~4のそれぞれに対応する記憶領域に記憶されている各保留特定値から特定可能なゲームアイコンiが保留表示領域h1~h4に表示されるように、演出表示装置EHを制御する。
【0138】
即ち、副CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、保留表示領域h1に表示されているゲームアイコンiがゲームアイコンDとして実行表示領域h0へ、保留表示領域h2に表示されているゲームアイコンiが保留表示領域h1へ移動表示されるように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、保留表示領域h3に表示されているゲームアイコンiが保留表示領域h2へ、保留表示領域h4に表示されているゲームアイコンiが保留表示領域h3へ移動表示されるように演出表示装置EHを制御する。
【0139】
このように、第4保留表示処理は、第2特別ゲームが開始される毎に、保留表示領域h1~h4に表示させているゲームアイコンiを、当該ゲームアイコンiを表示させている保留表示領域よりも1回早い実行順序に対応する保留表示領域へ移動するように表示させる。そして、この第4保留表示処理では、第2特別ゲームの開始のときに、保留表示領域h1~h4において最も早い実行順序に対応する保留表示領域に表示させているゲームアイコンiをゲームアイコンDとして、実行表示領域h0へ移動するように表示させる。
【0140】
次に、対応キャラ表示処理について説明する。
対応キャラ表示処理は、特殊有利モードMDを設定中、変動開始コマンドの入力を契機として対応キャラ表示領域A0~A4に対応キャラアイコンK3を表示させる処理である。副CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に対応キャラ表示処理を実行する。
【0141】
副CPU51は、第2特別ゲームの変動開始コマンドを入力すると、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3を表示させるか否か、及び表示させる場合の対応キャラアイコンK3の期待度ランクを決定する。副CPU51は、副RAM53から所定の乱数を取得し、当該乱数の値と、変動開始コマンドから特定可能な変動パターン(変動内容)とをもとに演出テーブルTCを参照し、対応キャラアイコンK3を表示させるか否か、及び表示させる場合の期待度ランクを決定する。演出テーブルTCは、副ROM52に記憶されている。
【0142】
図10に示すように、演出テーブルTCには、変動パターン(変動内容)毎に区分して、対応キャラアイコンK3を表示させない「なし(非当選)」と、表示させる場合における対応キャラアイコンK3の期待度ランク[1]~[6]に対して上記所定の乱数が取り得る数値の中から所定個数ずつが振り分けられている。
【0143】
演出テーブルTCによれば、変動パターンMP4(第2SPリーチ演出)である場合には、期待度ランク[1]~[6]の何れかに対応するキャラの対応キャラアイコンK3を表示させることが決定される一方、他の変動パターンである場合には、「なし(非当選)」のみが決定され得る。
【0144】
演出テーブルTCによれば、期待度ランク[6]<[5]<[4]<[3]<[2]<[1]の順に、はずれの変動パターンMP4である場合の決定割合と、大当りの変動パターンMP4である場合の決定割合との合算割合に占める、大当りの変動パターンMP4である場合の決定割合が高くなる。このため、対応キャラアイコンK3に適用する場合の期待度ランクは、[6]<[5]<[4]<[3]<[2]<[1]の順に大当り期待度が高い。即ち、同一のキャラであっても、ゲームアイコンiとして実行表示領域h0に表示される場合と、対応キャラアイコンK3として特定対応キャラ表示領域A0に表示される場合とでは、遊技者に報知される大当り期待度が逆転する。
【0145】
副CPU51は、変動パターンMP4に基づき、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3を表示させること、及び対応キャラアイコンK3の期待度ランクを決定した場合、副RAM53に記憶されている敵キャラフラグの値に基づいて敵キャラを把握する。副CPU51は、把握した敵キャラと決定した期待度ランクとの組合せから、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる具体的な対応キャラアイコンK3の種類を決定する。例えば、図8に示すように、副CPU51は、敵キャラが[ネズミ]であり、期待度ランク[6]を決定した場合、[ネズミF]の対応キャラアイコンK3を決定する。
【0146】
次に、副CPU51は、副RAM53に記憶されている特定キャラフラグに対して、決定した対応キャラアイコンK3を特定可能な値を記憶させる。副CPU51は、特定キャラフラグの値を参照することにより、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3を把握する。
【0147】
副CPU51は、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3を決定すると、変動開始時に、対応キャラ表示領域A1~A4にて表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランクの組合せを特定可能なランクパターンを決定する。
【0148】
具体的に、副CPU51は、副RAM53に記憶されているランクパターンフラグを参照し、前回の変動ゲームにおける対応キャラアイコンK3の期待度ランクの組合せを把握する。ランクパターンフラグには、前回の変動ゲームで用いられたランクパターンを特定可能な値が設定される。副CPU51は、ランクパターンフラグに基づいて、前回の変動ゲームにおけるランクパターンを把握できる。ここで、ランクパターンについて詳しく説明する。
【0149】
図11に示すように、ランクパターンPE1~PE12には、対応キャラ表示領域A1~A4のうち、1つ、2つ、3つ、又は4つに表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランクが特定されている。例えば、ランクパターンPE1には、期待度ランク[1],[3]~[5]に対応するキャラによる4つの対応キャラアイコンK3を表示させることが特定される。例えば、ランクパターンPE9には、期待度ランク[1],[3]に対応するキャラによる2つの対応キャラアイコンK3を表示させることが特定される。
【0150】
副CPU51は、ランクパターンフラグから把握したランクパターンに特定される対応キャラアイコンK3の期待度ランクの中に、今回の変動ゲームにて特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランクとして決定した期待度ランクが含まれているか否かの維持可否判定を行う。副CPU51は、維持可否判定の判定結果が肯定の場合、前回の変動ゲームで用いたランクパターンを今回の変動ゲームでも「維持可」であると判定する。一方、副CPU51は、維持可否判定の判定結果が否定の場合、前回の変動ゲームで用いたランクパターンを今回の変動ゲームでは「維持不可」であると判定する。
【0151】
副CPU51は、副RAM53から所定の乱数を取得し、当該乱数の値と、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランクと、上記維持可否判定の判定結果と、に基づいてパターンテーブルTDを参照し、ランクパターンを決定する。パターンテーブルTDは、副ROM52に記憶されている。
【0152】
図12に示すように、パターンテーブルTDには、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3を表示させない「なし(非当選)」と、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランク[1]~[6]に対し、それぞれランクパターンPE1~PE12が対応付けられている。パターンテーブルTDには、上記「なし」及び期待度ランク[1]~[6]に加えて、さらに維持可否判定の判定結果に区分して、「現状維持」及びランクパターンPE1~PE12に対して上記所定の乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつが振り分けられている。パターンテーブルTDに示す「現状維持」は、前回の変動ゲームで用いたランクパターンをそのまま維持することを示す。
【0153】
パターンテーブルTDによれば、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3の期待度ランクが含まれるランクパターンが必ず決定される。つまり、特定対応キャラ表示領域A0に表示させるべき対応キャラアイコンK3が対応キャラ表示領域A1~A4に表示されない状況は、発生しないようになっている。
【0154】
パターンテーブルTDによれば、期待度ランク[5],[6]が決定されている場合には、第2保留数の上限数に等しい4つの期待度ランクを含むランクパターンPE1~PE4の何れかが決定され得る。パターンテーブルTDによれば、期待度ランク[3],[4]が決定されている場合には、4つの期待度ランクを含むランクパターンPE1~PE4、3つの期待度ランクを含むランクパターンPE5~PE8、及び2つの期待度ランクを含むランクパターンPE9,PE10の何れかが決定され得る。また、パターンテーブルTDによれば、期待度ランク[1],[2]が決定されている場合には、全てのランクパターンPE1~PE12の何れかが決定され得る。
【0155】
前述のように、対応キャラアイコンK3に適用する期待度ランクは、[6]<[5]<[4]<[3]<[2]<[1]の順に大当り期待度が高い。よって、対応キャラ表示領域A1~A4における対応キャラアイコンK3の表示数が4つ<3つ<2つ<1つの順に減少するほど、大当り期待度が高い。つまり、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される対応キャラアイコンK3の個数に応じて大当り期待度を認識させ得る。
【0156】
また、対応キャラアイコンK3の表示数が4つとなるランクパターンPE1~PE4では、大当り期待度が低い期待度ランク[5],[6]が含まれる。一方、対応キャラアイコンK3の表示数が2つ又は3つとなるランクパターンPE5~PE10では、大当り期待度が低い期待度ランク[5],[6]が含まれない。さらに、対応キャラアイコンK3の表示数が1つとなるランクパターンPE11,PE12では、期待度ランク[3]~[6]が含まれない。このように、本実施形態では、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される対応キャラアイコンK3の個数が減少することに加えて、大当り期待度が低い期待度ランクに対応する種類の対応キャラアイコンK3が含まれ難くなることで、遊技者が大当り期待度の差異を認識し易くなっている。
【0157】
また、パターンテーブルTDによれば、変動パターンMP4である場合(即ち期待度ランクが決定される場合)には、最も高確率で決定される変動パターンMP1(はずれ変動)を含む他の変動パターンが指定される場合(即ち「なし」が決定される場合)と比較して、ランクパターンの「現状維持」が決定され難い。また、上記維持可否判定の判定結果が「維持不可」である場合には、新たにランクパターンPE1~PE12の何れかが必ず決定される。
【0158】
このような構成から、第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)を伴う変動ゲームでは、前回の変動ゲームにて対応キャラ表示領域A1~A4に表示されていた対応キャラアイコンK3が、今回の変動ゲームにおけるキャラ変更示唆演出を経て異なる対応キャラアイコンK3に変更される可能性が高くなる。つまり、副CPU51は、リーチ演出を含む変動パターンである場合、他の変動パターンであるときに比較して、直前の変動ゲームで表示させた対応キャラアイコンK3とは異なる対応キャラアイコンK3を高確率で表示させる。よって、キャラ変更示唆演出を経て対応キャラアイコンK3が変更される状況からは、今回の変動ゲームにて特定のリーチ演出が実行される可能性が高いことを認識させ得る。
【0159】
副CPU51は、今回の変動ゲームにおけるランクパターンを決定すると、当該決定したランクパターンを特定可能な値をランクパターンフラグに設定する。次に、副CPU51は、決定したランクパターンから特定可能な対応キャラアイコンK3の期待度ランクと、副RAM53に記憶されている敵キャラフラグの値をもとに把握する敵キャラとの組合せから、対応キャラ表示領域A1~A4に表示させる具体的な対応キャラアイコンK3の種類を決定する。例えば、図8に示すように、敵キャラが[ネズミ]であって、且つランクパターンPE1を決定している場合、当該ランクパターンから特定可能な期待度ランクが[1]、[3]~[5]であることから、[ネズミA]及び[ネズミC]~[ネズミE]による4つの対応キャラアイコンK3を決定する。
【0160】
副CPU51は、具体的な対応キャラアイコンK3を決定すると、変動ゲームの開始とともに前述したキャラ変更示唆演出を行うように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、キャラ変更示唆演出が終了すると、決定した対応キャラアイコンK3を対応キャラ表示領域A1~A4に表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0161】
そして、副CPU51は、変動パターンMP4が指定されている場合、リーチ演出の開始(リーチの形成)に伴わせて、特定キャラフラグの値から特定可能な対応キャラアイコンK3を特定対応キャラ表示領域A0に表示するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副CPU51は、キャラ組合せ演出を実行するように演出表示装置EHを制御する。前述のように、特定対応キャラ表示領域A0に表示させる対応キャラアイコンK3は、変動ゲームの開始に伴って対応キャラ表示領域A1~A4に表示させる対応キャラアイコンK3に含まれる。
【0162】
補助演出処理について説明する。
補助演出処理は、変動開始コマンドから変動パターンMP4を特定可能であるときに、補助演出を実行させるために行う処理である。副CPU51は、変動パターンMP4(対戦リーチ演出)である場合、副RAM53から所定の乱数を取得し、当該乱数の値をもとに補助テーブルTEを参照し、補助演出の演出内容を決定する。補助テーブルTEは、副ROM52に記憶されている。
【0163】
図13に示すように、補助テーブルTEには、補助演出の演出内容を特定可能な補助パターンPe1~Pe9が対応付けられている。補助パターンPe1~Pe9には、実行表示領域h0に表示されるゲームアイコンDに対応させて表示させる補助情報Hgと、特定対応キャラ表示領域A0に表示される対応キャラアイコンK3に対応させて表示される補助情報Hgとの組合せが特定されている。本実施形態の一例では、「素手」、「拳銃」、及び「戦車」の文字列が補助情報として用意されている。
【0164】
補助テーブルTEには、大当り及びはずれに区分して、補助パターンPe1~Pe9に対して上記所定の乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつが振り分けられている。補助テーブルTEによれば、補助パターンPe9<Pe8<Pe7<Pe6<Pe5<Pe4<Pe3<Pe2<Pe1の順に、はずれの変動パターンMP4である場合の決定割合と、大当りの変動パターンMP4である場合の決定割合との合算割合に占める、大当りの変動パターンMP4であるときの決定割合が高くなる。このため、補助パターンPe9<Pe8<Pe7<Pe6<Pe5<Pe4<Pe3<Pe2<Pe1の順に、補助情報の組合せに設定される大当り期待度が高い。
【0165】
そして、副CPU51は、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3を表示させた後、対戦リーチ演出の開始に伴い、決定している補助パターンで特定可能な補助情報Hgを、ゲームアイコンD及び対応キャラアイコンK3にそれぞれ対応させて表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0166】
その後、副CPU51は、実行表示領域h0におけるゲームアイコンDに示されるキャラと、特定対応キャラ表示領域A0における対応キャラアイコンK3に示されるキャラとの対戦を模した画像(動画)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。本実施形態の一例において、副CPU51は、第2SPリーチ演出を開始させてから終了する迄の間、保留表示領域h1~h4、自キャラ表示領域S1、敵キャラ表示領域S2、対応キャラ表示領域A1~A4におけるアイコンを非表示とする。
【0167】
以下、特殊有利モードMDにおける変動ゲームの実行態様について、その具体的な一例を説明する。
図14、及び図15では、第1保留数=4且つ第2保留数=2である第2特別ゲームの実行中、1球の遊技球が第2始動口13に入球し、その後、変動パターンMP1(通常変動)に基づく2回の第2特別ゲームと、変動パターンMP4(対戦リーチ演出)に基づく1回の第2特別ゲームが行われる状況を示している。
【0168】
図14(a)に示すように、演出表示装置EH(画像表示領域R)では、特殊有利モードMD用のレイアウト[C]によって、各種の情報(各種のアイコン及び演出図柄等)が画像として表示される。詳しく説明すると、特殊有利モードMDであるとき、画像表示領域Rでは、当該画像表示領域Rの下縁部に沿って並ぶ保留表示領域h1~h4に保留中の第2特別ゲームを示すゲームアイコンiが表示され、実行表示領域h0に実行中の第2特別ゲームを示すゲームアイコンDが表示される。
【0169】
画像表示領域Rでは、当該画像表示領域Rの上縁部に沿って並ぶ対応キャラ表示領域A0~A4に対応キャラアイコンK3が表示される。つまり、ゲームアイコンi,Dと、対応キャラアイコンK3とは、ゲーム表示領域RG(複数の図柄列)を挟んだ状態で対向する位置に表示される。このため、表示領域h0~h4に表示されるアイコンi,Dと、対応キャラ表示領域A0~A4に表示される対応キャラアイコンK3の組合せを遊技者に理解させ易い。
【0170】
本実施形態の一例において、保留表示領域h1~h4に表示可能なゲームアイコンiの個数(つまり第2保留数の上限数)と、対応キャラ表示領域A1~A4に表示可能な対応キャラアイコンK3の最大個数とは、同一個数である。よって、保留表示領域h1~h4に表示されるゲームアイコンiと、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される対応キャラアイコンK3との関連性を遊技者により強く印象付けることができる。
【0171】
自キャラアイコンK1を表示する自キャラ表示領域S1、及び敵キャラアイコンK2を表示する敵キャラ表示領域S2は、ゲーム表示領域RGを挟んで対角線上に配置されている。よって、自キャラに関連した情報の表示領域S1,h0~h4と、敵キャラに関連した情報の表示領域S2,A0~A4が点対称に配置されており、これら自キャラと敵キャラとの関係を遊技者が容易に把握できる。
【0172】
図14(a)に示すように、画像表示領域Rでは、1回目の第2特別ゲームの実行中、第2保留数=2であることに基づき、2つのゲームアイコンi(期待度ランク[1])が保留表示領域h1,h2に表示されている。また、実行中の第2特別ゲームに対応付けられたゲームアイコンD(期待度ランク[1])が実行表示領域h0に表示されている。
【0173】
また、自キャラ表示領域S1には、キャラ選択演出により遊技者が選択した自キャラを示す自キャラアイコンK1が表示される。保留表示領域h1~h4には、自キャラに対応したキャラによるゲームアイコンiが表示される。よって、本実施形態では、遊技者が選択した好みのキャラに対応するキャラのゲームアイコンiによって保留演出が行われ得ることから、遊技者の興趣を好適に高めることができる。
【0174】
また、保留表示領域h0~h2には、相対的に大当り期待度が低い期待度ランク[1]のキャラによるゲームアイコンi,Dが表示される。つまり、実行表示領域h0に表示されたゲームアイコンDの種類(キャラ)から、実行中である第2特別ゲームの大当り期待度が低く、且つ、保留表示領域h1,h2に表示されたゲームアイコンiの種類(キャラ)から、保留中の第2特別ゲームの大当り期待度が低いことを遊技者に認識させ得る。
【0175】
一方、敵キャラ表示領域S2には、自キャラとは異なる敵キャラによる敵キャラアイコンK2が表示される。また、対応キャラ表示領域A0~A4には、敵キャラに対応するキャラによる対応キャラアイコンK3が表示される。一例として、対応キャラ表示領域A1~A4には、期待度ランク[1]~[3]にそれぞれ対応する[ネズミA]~[ネズミC]による対応キャラアイコンK3が各1つ(合計3つ)と、期待度ランク[6]に対応する[ネズミF]による対応キャラアイコンK3aが1つ、表示されている。
【0176】
図14(b)に示すように、画像表示領域Rでは、第2特別ゲームの実行中、1球の遊技球が第2始動口13に入球すると、保留表示領域h1~h4に1つのゲームアイコンiが追加して表示される。このとき、第2始動口13への入球を契機に取得された変動パターン振分用乱数の値が変動パターンMP4(対戦リーチ演出)に対応付けられた値である場合には、保留表示領域h3に期待度ランク[6]に対応する[ネコF]のゲームアイコンiaが表示され得る。保留表示領域h3に期待度ランク[6]に対応する[ネコF]のゲームアイコンiaが表示された状況から、第2保留数=3に対応する第2特別ゲームにおける大当り期待度が高いことを認識させ得る。
【0177】
そして、図14(c)に示すように、画像表示領域Rでは、1回目の第2特別ゲームが終了し、変動パターンMP1に基づく2回目の第2特別ゲームが開始されると、保留表示領域h1に表示されていたゲームアイコンiがゲームアイコンDとして実行表示領域h0に移動表示される。また、画像表示領域Rでは、保留表示領域h2,h3に表示されているゲームアイコンi(ia)がそれぞれ1小さい第2保留数に対応付けられた表示領域へ移動表示される。
【0178】
このため、保留表示領域h1~h4に表示されるゲームアイコンi(ia)は、第2特別ゲームが開始される毎に、実行表示領域h0へ向かってスライド移動するように表示される。そして、ゲームアイコンiaが保留表示領域h2に表示される状況から、2回目の第2特別ゲームにおける大当り期待度が高いことを遊技者に認識させ得る。
【0179】
また、画像表示領域Rでは、第2特別ゲームの開始時に実行されるキャラ変更示唆演出によって対応キャラアイコンK3が非表示とされた後に、対応キャラアイコンK3が再び表示される。ここでは、キャラ変更示唆演出の実行後、期待度ランク[6]に対応する[ネズミF]の対応キャラアイコンK3aが含まれなくなる状況を示す。この場合、対応キャラアイコンK3の表示数が4個から3個に減少し、且つ強敵に該当する[ネズミF]の対応キャラアイコンK3aの表示が終了するから、大当り期待度が向上したことを遊技者に認識させ得る。また、この状況からは、仮に今回の変動ゲームにて第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)が実行されても、強敵として位置付けられる[ネズミF]の対応キャラアイコンK3aが特定対応キャラ表示領域A0に表示されることがなく、高い大当り期待度を期待できる。
【0180】
図14(d)に示すように、画像表示領域Rでは、2回目の第2特別ゲームの終了後、変動パターンMP1に基づく3回目の第2特別ゲームが開始されると、保留表示領域h1に表示されているゲームアイコンiがゲームアイコンDとして実行表示領域h0に移動表示される。画像表示領域Rでは、保留表示領域h2に表示されているゲームアイコンiaが1小さい第2保留数に対応付けられた表示領域へ移動表示される。
【0181】
ここでは、キャラ変更示唆演出の実行に伴い、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される対応キャラアイコンK3の表示数、及び種類が変更されない。そして、対応キャラ表示領域A1~A4には、大当り期待度が低い期待度ランク[5],[6]の対応キャラアイコンK3が表示されていないことから、期待度ランク[5],[6]の対応キャラアイコンK3が次回の第2特別ゲームでも継続して表示されないことに期待させ得る。
【0182】
そして、図15(a)に示すように、画像表示領域Rでは、変動パターンMP4に基づく4回目の第2特別ゲームが開始されると、保留表示領域h1に表示されていたゲームアイコンiaがゲームアイコンDとして実行表示領域h0に移動表示される。このため、大当り期待度が高い第2特別ゲームが実行されることを遊技者が容易に把握できる。
【0183】
ここでは、キャラ変更示唆演出の実行に伴い、前回の第2特別ゲームにて表示されていた対応キャラアイコンK3に加えて、期待度ランク[6]に対応するキャラ[ネズミF]の対応キャラアイコンK3aが対応キャラ表示領域A1~A4に表示された状況を示す。この状況からは、仮に今回の第2特別ゲームで第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)が行われる場合、期待度ランク[6]の対応キャラアイコンK3aが特定対応キャラ表示領域A0に表示され、低い大当り期待度が報知され得ることを認識できる。
【0184】
このように、本実施形態では、実行表示領域h0に表示されるゲームアイコンDと、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される1又は複数の対応キャラアイコンK3との組合せにより、今回の第2特別ゲームにおける大当り期待度を遊技者に把握させ得る。そして、新たにゲームアイコンiが表示されるタイミングとは別に、さらに当該ゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームが行われるタイミングで変動ゲームの展開(大当り期待度)を予測させることができる。
【0185】
図15(b)では、画像表示領域Rにおいて、リーチの形成時におけるキャラ組合せ演出によって、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3の中から、対応キャラアイコンK3aが特定対応キャラ表示領域A0に表示される状況を示す。キャラ組合せ演出では、実行表示領域h0に表示されるゲームアイコンDとの組合せにおいて、今回の第2特別ゲームにおける大当り期待度を報知する1つの対応キャラアイコンK3が遊技者に報知される。
【0186】
そして、本実施形態では、実行表示領域h0のゲームアイコンDと、特定対応キャラ表示領域A0の対応キャラアイコンK3との組合せから、今回の第2特別ゲームにおける大当り期待度を把握できる。例えば、期待度ランク[6]のゲームアイコンDと、期待度ランク[1]の対応キャラアイコンK3との組合せからは、今回の第2特別ゲームの大当り期待度が高確率で高いことを認識させ得る。期待度ランク[6]のゲームアイコンDであっても、期待度ランク[6]の対応キャラアイコンK3が表示されれば、今回の第2特別ゲームの大当り期待度が必ずしも高くないことを認識させ得る。逆に、期待度ランク[1]のゲームアイコンDが表示されていても、期待度ランク[1]の対応キャラアイコンK3が表示されれば、今回の第2特別ゲームの大当り期待度が必ずしも低くないことを認識させ得る。
【0187】
よって、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3が表示される前であっても、対応キャラ表示領域A1~A4に大当り期待度が高い対応キャラアイコンK3が表示される場合には、当該第2特別ゲームにおいて第2SPリーチ演出が行われ、最終的に大当り図柄が導出されることに期待感を抱かせ得る。保留表示領域h0~h4に表示可能なアイコンi,Dは複数種類あり、さらに対応キャラ表示領域A0~A4に表示可能な対応キャラアイコンK3は複数種類ある。このため、アイコンi,Dと対応キャラアイコンK3との組合せのバリエーションが増加される。
【0188】
図15(c)に示すように、特定対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3aが表示された後、Nリーチ演出の終了(対戦リーチ演出の開始)に伴い、補助情報HgがゲームアイコンD及び対応キャラアイコンK3に各別に対応して表示される。よって、ゲームアイコンD及び対応キャラアイコンK3の組合せに加えて、さらに補助情報Hgの組合せから今回の第2特別ゲームにおける大当り期待度を遊技者に把握させ得る。
【0189】
その後、図15(d)に示すように、画像表示領域Rでは、実行表示領域h0に表示したゲームアイコンDに示されるキャラと、特定対応キャラ表示領域A0に表示した対応キャラアイコンK3aに示されるキャラとの対戦を模した画像(動画)により、対戦リーチ演出が表示される。その後、画像表示領域Rには、第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)を経て、最終的に大当りの図柄組合せ、又ははずれの図柄組合せが停止表示され、変動ゲーム(第2特別ゲーム)が終了される。
【0190】
以上のように、本実施形態では、変動ゲームが開始されてからリーチ演出が開始される迄の期間のうち少なくとも一部の期間にかけて対応キャラアイコンK3が表示される。これにより、本実施形態では、対応キャラアイコンK3と、今回の変動ゲームを示すゲームアイコンDとの組合せにより大当り期待度を遊技者が識別可能な状態(以下、組合せ識別可能状態と示す)を生起可能である。さらに、リーチ演出の開始に伴い、キャラ組合せ演出が実行されるから、演出表示装置EHに表示された対応キャラアイコンK3と、実行表示領域h0に移動表示された最先の変動ゲームを示すゲームアイコンi(つまり、ゲームアイコンD)との組合せにより大当り期待度を遊技者が識別可能になる組合せ識別可能状態を生起可能である。これらの組合せ識別可能状態は、通常有利状態及び特別有利状態では生起されず、特殊有利状態では生起されうる。組合せ識別可能状態は、特定状態の一例である。
【0191】
また、図15(c)及び図15(d)に示すように、画像表示領域Rでは、第2SPリーチ演出が開始してから終了する迄の間、保留表示領域h1~h4におけるゲームアイコンi、及び対応キャラ表示領域A1~A4における対応キャラアイコンK3が非表示とされる。このため、キャラ組合せ演出による大当り期待度の報知や、第2SPリーチ演出そのものに遊技者を注目させ得る。上述のように、第1保留数を特定可能な情報、及び第2保留数を特定可能な情報の一例として、それぞれ所定の数字を表示する場合、当該表示をSPリーチ演出の実行中にも継続するとよい。
【0192】
保留表示領域h1~h4には、選択対象キャラの何れにも対応しないキャラ[ライオンA]~[ライオンD]のゲームアイコンiが表示され得る。この場合、当該ゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームにおいて、第1SPリーチ演出及び第2SPリーチ演出よりも大当り期待度が高い第3SPリーチ演出が行われることから、ゲームアイコンiの種類だけでもリーチ演出の種類を示唆し、遊技者の興趣を向上させ得る。
【0193】
本実施形態では、キャラ変更示唆演出を経て、対応キャラアイコンK3の個数、及び対応キャラアイコンK3の種類の一方又は両方が変更される場合と、何れも変更されない場合(維持される場合)とが創出される。このため、保留表示領域h1~h4にて、大当り期待度が高いゲームアイコンiが表示されている場合には、当該ゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームが開始される迄の過程において、対応キャラ表示領域A1~A4に大当り期待度が高い対応キャラアイコンK3が表示されることに期待させ得る。
【0194】
さらに、第2特別ゲームが開始されるときに、キャラ変更示唆演出を経て大当り期待度が低い対応キャラアイコンK3が表示されてしまう場合であっても、第2SPリーチ演出が開始されるときに、大当り期待度が高い他の対応キャラアイコンK3が特定対応キャラ表示領域A0に表示される可能性もある。このため、本実施形態では、第2SPリーチ演出が開始される迄、遊技者の期待感を持続させ得る。
【0195】
本実施形態では、変動パターンMP4である場合には、その他の変動パターンであるときと比較して、キャラ変更示唆演出を経て対応キャラアイコンK3の個数や種類が高確率で変更される。したがって、キャラ変更示唆演出を経て対応キャラアイコンK3の個数や種類が変更される場合には、第2SPリーチ演出が実行される可能性が高くなり、リーチ演出を経て大当りとなることに期待する遊技者の興趣を向上させ得る。
【0196】
そして、第1特別ゲームに優先して第2特別ゲームを実行するとともに、第2電サポ状態である特殊有利モードMDの設定中には、第2特別ゲームの始動条件を付与する第2始動口13への遊技球の入球率が向上される。このため、特殊有利モードMDでは、主に第2特別ゲームが行われることになる。本実施形態では、このような特殊有利モードMDにおける遊技性に注目し、主に実行され得る第2特別ゲームを対象として、遊技者の注目を集め易い保留表示領域h1~h4にて保留演出を行う。そして、特殊有利状態では、第2保留数が上限数に到達し易くなることから、当該上限数に近い個数のゲームアイコンiを保留表示領域h1~h4に表示させた状態で保留演出を実行させ得る。
【0197】
また逆に、非電サポ状態である通常モードMAでは、主に実行され得る第1変動ゲームを示すゲームアイコンIを保留表示領域H1~H4に表示させる。保留表示領域H1~H4は、保留表示領域h1~h4と、同じ領域である。つまり、同じ表示領域であっても、演出モードに応じてゲームアイコンを表示する特別ゲームを変更している。
【0198】
本実施形態において、キャラ変更示唆演出及びキャラ組合せ演出では、主CPU41の決定結果の一例である特別抽選の結果に基づいて対応キャラアイコンK3が表示され、当該対応キャラアイコンK3の表示態様(一例としてキャラの種類)によって大当り期待度が示される。対応キャラアイコンK3は、特定情報の一例である。そして、画像として表示される対応キャラアイコンK3は、特定画像の一例であり、対応キャラアイコンK3には、大当り期待度が異なる複数種類があるといえる。大当り期待度は、特定期待度の一例となる。つまり、リーチ演出を含む大当りの変動内容(演出内容)は、特定の内容の一例である。
【0199】
また、キャラ変更示唆演出及びキャラ組合せ演出は、特定演出の一例である。一方、変動情報の一例であるゲームアイコンi,Dは、事前判定手段の一例である副CPU51の判定結果に基づいて表示可能であり、ゲームアイコンi,Dの表示態様(一例としてキャラの種類)によって、当該ゲームアイコンi,Dが示す変動ゲームの大当り期待度が示される。そして、画像として表示されるゲームアイコンi,Dは、変動画像の一例であり、ゲームアイコンには、当該ゲームアイコンが示す変動ゲームの大当り期待度が異なる複数種類があるといえる。
【0200】
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態によれば、事前の判定結果に基づいて表示されるゲームアイコンは、大当り期待度を示すものであって、保留中である変動ゲームを示す情報としてだけでなく、開始条件の成立後には実行中である変動ゲームを示す情報としても表示され得る。このため、本実施形態では、変動ゲームが保留中であるときだけでなく、当該変動ゲームの開始後にも、大当り(特定の内容)に対する期待感を遊技者に抱かせ得る。
【0201】
一方、本実施形態では、変動ゲームの開始後、リーチ演出が開始される迄の期間のうち少なくとも一部の期間にかけて、大当り期待度を示す対応キャラアイコンK3が表示される。これにより、本実施形態では、対応キャラアイコンK3と、今回の変動ゲームを示すゲームアイコンDとの組合せにより、複合的に大当り期待度を遊技者が識別可能になる組合せ識別可能状態を生起可能である。このため、変動ゲームが保留中であるときには、ゲームアイコンiから単独で大当り期待度を認識可能であり、変動ゲームが開始されてからは、ゲームアイコンDと対応キャラアイコンK3との組合せから複合的に大当り期待度を認識可能であり、大当りとなるか否かを複数の観点から推測できるようになる。
【0202】
そして、組合せ識別可能状態は、特別抽選の結果が特定の結果となったこととは異なる契機(事象)で移行する特殊有利状態(第2電サポ状態)にて生起可能である。よって、特別抽選の結果が特定の結果となったこととは異なる契機が到来することに対し、単に特殊有利状態へ移行するという観点だけでなく、組合せ識別可能状態が生起可能になるという観点でも期待させ得る。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0203】
(1-2)本実施形態によれば、変動ゲームの実行回数が規定回数に到達すると、特殊有利状態へ移行し、同時に組合せ識別可能状態が生起され得るようになる。このため、特殊有利状態へ移行すること、及び組合せ識別可能状態を生起可能になることの2つの観点から、遊技を継続する意欲を高めることができる。
【0204】
(1-3)本実施形態によれば、保留中の変動ゲームに対応するゲームアイコンiを期待度ランクに対応付けた態様(キャラ)にて表示し、大当り期待度を示す。一方、演出表示装置EHでは、変動パターン(変動内容)に基づき、大当り期待度を示す対応キャラアイコンK3を表示可能である。このため、今回の変動ゲームに対応するゲームアイコンDと、対応キャラアイコンK3との組合せにより、大当り期待度を遊技者に認識させ得る。よって、変動ゲームの展開を予測する要素(予測タイミング)を増やし、変動ゲームに対する遊技者の興趣を向上できる。
【0205】
(1-4)本実施形態によれば、画像として表示される対応キャラアイコンK3、及びゲームアイコンi,Dには、それぞれ大当り期待度を異ならせた複数種類がある。このため、ゲームアイコンi,Dと対応キャラアイコンK3との組合せから認識できる大当り期待度にバリエーションを持たせることができる。したがって、変動ゲームに対する遊技者の興趣を向上できる。
【0206】
(1-5)本実施形態によれば、キャラ変更示唆演出を実行することにより、対応キャラアイコンK3を非表示とした後、対応キャラアイコンK3が再び表示される。このため、対応キャラアイコンK3が非表示とされた後、ゲームアイコンi,Dと組合せを形成したときに、より高い大当り期待度を認識できる対応キャラアイコンK3が表示されることに期待感を抱かせることができる。
【0207】
(1-6)本実施形態によれば、変動ゲームの開始に伴って表示される複数の対応キャラアイコンK3の何れかが、ゲームアイコンDと組合せを形成する対応キャラアイコンK3として特定対応キャラ表示領域A0に表示(報知)される。例えば、変動ゲームの開始時、相対的に大当り期待度が高い対応キャラアイコンK3が表示される場合には、そのまま特定のリーチ演出(対戦リーチ演出)が実行されることに期待感を抱かせ得る。
【0208】
(1-7)本実施形態によれば、特定のリーチ演出(対戦リーチ演出)を含む変動パターンが決定されている場合には、これと異なる変動パターンが決定されている場合と比較して、直前の変動ゲームで表示された対応キャラアイコンK3とは異なる対応キャラアイコンK3が表示され易い。よって、対応キャラアイコンK3が変更される場合には、リーチ演出が行われることに対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0209】
(1-8)本実施形態によれば、保留演出、及び特定演出(キャラ変更示唆演出及びキャラ組合せ演出)に加えて、さらに補助情報Hgを表示させる補助演出を実行可能である。このため、ゲームアイコンi,D、対応キャラアイコンK3、及び補助情報Hgの組合せにより、大当り期待度の報知態様のバリエーションを増やすことができる。
【0210】
(1-9)本実施形態によれば、ゲームアイコンi,Dが[ライオンA]~[ライオンD]の何れかを示すゲームアイコンに変化される状況から、第1SPリーチ演出及び第2SPリーチ演出よりも大当り期待度が高い第3SPリーチ演出を含む変動内容で変動ゲームが実行される可能性があることを遊技者に認識させ得る。したがって、ゲームアイコンの種類だけからもリーチ演出の種類を示唆し、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0211】
(1-10)本実施形態によれば、画像表示領域Rに設定された保留表示領域h1~h4では、主CPU41の判定結果に応じた種類の画像によりゲームアイコンiが表示される。このため、保留表示領域h1~h4に表示されるゲームアイコンiから大当り期待度を遊技者に認識させ、興趣を向上させることができる。また、実行表示領域h0では、保留表示領域h1~h4に表示されたゲームアイコンiのうち、実行が開始される変動ゲームに対応付けられたゲームアイコンDが主CPU41の判定結果に応じた画像により表示され、今回の変動ゲームにおける大当り期待度が示される。一方、特定対応キャラ表示領域A0では、実行表示領域h0に表示されるゲームアイコンDとの組合せにより実行中の変動ゲームにおける大当り期待度を報知する対応キャラアイコンK3が表示される。よって、ゲームアイコンDと、特定対応キャラ表示領域A0に表示された対応キャラアイコンK3との組合せにより、大当り期待度を遊技者に認識させ得る。したがって、変動ゲームの展開を予測する要素(予測タイミング)を増やし、変動ゲームに対する遊技者の興趣を向上できる。また、特定対応キャラ表示領域A0では、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3の何れかが表示される。このため、対応キャラ表示領域A1~A4に表示されている対応キャラアイコンK3と、保留表示領域h1~h4に表示されているゲームアイコンiとの組合せにも注目させ、遊技者の興趣を好適に向上させることができる。
【0212】
(1-11)本実施形態によれば、対応キャラ表示領域A1~A4に表示可能な対応キャラアイコンK3の最大個数は、第2保留数の上限数(保留表示領域h1~h4に表示可能なゲームアイコンiの上限個数)と同数である。このため、対応キャラ表示領域A1~A4に表示され得る対応キャラアイコンK3と、保留表示領域h1~h4に表示され得るゲームアイコンiとの関連性を遊技者に強く想起させ、対応キャラ表示領域A1~A4、及び保留表示領域h1~h4とを組合せた遊技演出の興趣をより向上できる。
【0213】
(1-12)本実施形態によれば、画像表示領域Rにおいて、ゲームアイコンの表示領域h0~h4と、対応キャラ表示領域A0~A4とは、それぞれ反対側の縁部に沿って設定されている。よって、これら各表示領域の組合せを遊技者に理解させ易くし、遊技者の興趣を向上できる。
【0214】
(1-13)本実施形態によれば、ゲームアイコンi,D及び対応キャラアイコンK3は、キャラを模した画像であり、さらに各アイコンi,D,K3に示されるキャラが対戦する様子を模した第2SPリーチ演出(対戦リーチ演出)を実行できる。したがって、ゲームアイコンi,Dと、対応キャラアイコンK3との組合せに対して遊技者に注目させ、より変動ゲームに対する興趣を向上させることができる。
【0215】
(1-14)本実施形態によれば、ゲームアイコンの表示領域h0~h4には、キャラ選択演出によって遊技者が選択する自キャラに対応するキャラにてゲームアイコンiが表示される。したがって、遊技者の好みのキャラによるゲームアイコンで保留演出等を実行させ、遊技者の興趣を向上できる。
【0216】
(1-15)本実施形態によれば、対応キャラ表示領域A1~A4に表示される対応キャラアイコンK3の個数が多いほど、大当り期待度が低くなる一方、対応キャラアイコンK3の個数が少ないほど、大当り期待度が高い。よって、対応キャラアイコンK3の表示個数に注目させ、遊技者の興趣をさらに向上できる。
【0217】
(1-16)本実施形態によれば、対応キャラ表示領域A1~A4における対応キャラアイコンK3の表示個数が少なくなるほど、大当り期待度が低い期待度ランクに対応するキャラの対応キャラアイコンK3が表示され難くなる。したがって、対応キャラ表示領域A1~A4における対応キャラアイコンK3の表示個数に加えて、大当り期待度が高い期待度ランクに対応するキャラの対応キャラアイコンK3が含まれるか否かにより、遊技者が大当り期待度を把握し易くできる。
【0218】
(1-17)本実施形態によれば、自キャラに対応するゲームアイコンi,Dでは、期待度ランク[1]<[2]<[3]<[4]<[5]<[6]の順に大当り期待度が高い。一方、敵キャラに対応する対応キャラアイコンK3では、ランク[6]<[5]<[4]<[3]<[2]<[1]の順に大当り期待度が高い。つまり、期待度ランクの大当り期待度は、対応キャラアイコンK3に適用する場合と、ゲームアイコンi,Dに適用する場合とで逆転する。よって、過去にキャラ選択演出で選択した自キャラが、敵キャラとして設定される場合には、自キャラであるときの大当り期待度と逆の大当り期待度を想起すればよく、遊技者に分かり易い遊技性を提供できる。
【0219】
(1-18)本実施形態によれば、通常有利状態及び特別有利状態と、特殊有利状態とは、移行条件が全く異なる。よって、これらの有利状態を移行条件の観点から異なる有利状態として違いを際立たせることができる。そのうえで、一方の有利状態において組合せ識別可能状態を生起可能とすることで、当該有利状態を特別なものとして遊技者に認識さえ得る。
【0220】
(第2実施形態)
第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御については、同じ符号を付すなどし、その重複する説明を省略、又は簡略化する。
【0221】
第1実施形態では、複数種類の遊技状態のうち特殊有利状態でのみ組合せ識別可能状態を生起可能であったが、第2実施形態では、特殊有利状態に代えて、通常有利状態及び特別有利状態においてのみ組合せ識別可能状態を生起可能に構成されている。換言すれば、第1実施形態では、複数種類の演出モードのうち特殊有利モードでのみ組合せ識別可能状態を生起可能であったが、第2実施形態では、特殊有利モードに代えて、通常有利モード及び特別有利モードにおいてのみ組合せ識別可能状態を生起可能に構成されている。
【0222】
副CPU51は、通常有利状態(通常有利モード)及び特別有利状態(特別有利モード)であるとき、レイアウト[C]にて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、通常有利状態(通常有利モード)及び特別有利状態(特別有利モード)であるとき、上述した第3保留表示処理、第4保留表示処理、対応キャラ表示処理、及び補助演出処理を実行する。副CPU51は、特殊有利状態(特殊有利モード)であるとき、レイアウト[B]にて各種の情報を表示するように演出表示装置EHを制御する。副CPU51は、特殊有利状態(特殊有利モード)であるとき、第2保留表示処理を実行する。
【0223】
このような構成により、本実施形態によれば、通常有利状態(通常有利モード)に滞在中、及び特別有利状態(特別有利モード)に滞在中、組合せ識別可能状態を生起可能である。これに限らず、通常有利状態(通常有利モード)に滞在中、及び特別有利状態(特別有利モード)に滞在中のうち任意に選択できる一方でのみ、組合せ識別可能状態を生起可能であってもよい。
【0224】
本実施形態の効果について説明する。
(2-1)本実施形態によれば、組合せ識別可能状態は、特別抽選の結果が特定の結果(大当り)となったことに基づいて移行する通常有利状態又は特別有利状態にて生起可能である。よって、特別抽選の結果が特定の結果となることに対し、単に通常有利状態や特別有利状態へ移行するという観点だけでなく、組合せ識別可能状態が生起可能になるという観点でも期待させ得る。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0225】
(2-2)本実施形態によれば、組合せ識別可能状態は、特殊有利状態であるときに生起されない。特殊有利状態は、低確状態における特別図柄の作動回数が天井回数に達したことを契機として移行し得る有利状態であるから、所謂「ハマり状態」を乗り越えて到達するといえる。本実施形態では、このような状態であるときに組合せ識別可能状態を生起しないことで、特殊有利状態そのものによる喜びを強く遊技者に感じさせ得る。
【0226】
(第3実施形態)
上記実施形態では、第1電サポ状態と第2電サポ状態とでは、第2始動口13への入球率という観点における有利度合いが同じであったが、第3実施形態では、第2電サポ状態(特殊有利状態)に比して第1電サポ状態(通常有利状態及び特別有利状態)のほうが有利となるように構成されている。具体的に、副CPU51は、上述した普通図柄の変動時間短縮制御、普通図柄の確率変動制御、開放時間延長制御、及び特別図柄の変動時間短縮制御のうち、任意に選択できる1つ又は複数の制御に関して、第1電サポ状態であるとき、第2電サポ状態である場合に比して、有利となるように各種の処理を行う。
【0227】
例えば、第1電サポ状態は、第2電サポ状態に比して、普通図柄の変動時間(平均の変動時間)が短くてもよい。例えば、第1電サポ状態は、第2電サポ状態に比して、普通当り確率が高くてもよい。例えば、第1電サポ状態は、第2電サポ状態に比して、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間が長くてもよい。例えば、第1電サポ状態は、第2電サポ状態に比して、特別図柄の変動時間(平均の変動時間)が短くてもよい。このように、通常有利状態及び特別有利状態は、特殊有利状態に比して、普通当り確率が高い状態と、普通ゲームにおける変動時間が短い状態と、普通当り遊技における開閉片13aの合計開放時間が長い状態と、特別ゲームにおける変動時間が短い状態と、のうち少なくとも1つの状態である。このような構成により、本実施形態において、第1有利状態の一例である通常有利状態及び特別有利状態は、第2有利状態の一例である特殊有利状態に比して、普通当り抽選の結果によって付与される利益の観点で有利であるともいえる。
【0228】
本実施形態の効果について説明する。
(3-1)本実施形態によれば、通常有利状態及び特別有利状態は、特殊有利状態に比して有利な状態である。そして、第1実施形態と組み合わせた構成によれば、組合せ識別可能状態は、通常有利状態及び特別有利状態に比して不利な特殊有利状態にて生起され得る。よって、相対的に不利な遊技状態であっても、組合せ識別可能状態の生起によって、遊技者の興趣を向上できる。
【0229】
(3-2)一方、第2実施形態と組み合わせた構成によれば、組合せ識別可能状態は、特殊有利状態に比して有利な通常有利状態及び特別有利状態にて生起され得る。よって、相対的に有利な遊技状態の価値をさらに高め、遊技者の興趣を向上できる。
【0230】
(第4実施形態)
上記実施形態において、特殊有利状態の移行条件は、低確状態における特別図柄の作動回数が天井回数に到達することであったが、これに限らず、特殊有利状態は、特別抽選の結果が特定の結果とは異なる所定の結果となったことに基づいて移行しうる構成であってもよい。一例として、主CPU41は、はずれ変動処理における第2図柄抽選において、当り図柄(大当り図柄及び小当り図柄)とは異なる図柄のうち、はずれ図柄とは異なる所定の図柄(以下、時短図柄と示す)に当選した場合、特殊有利状態へ移行させるとよい。
【0231】
ここで、小当り図柄は、大当り抽選に当選しなかった場合に行う小当り抽選にて小当りに当選した場合に決定される特別図柄である。小当りに当選した場合、主CPU41は、小当り図柄が停止表示される小当りの変動ゲームの終了後、小当り遊技を付与する処理を行う。小当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として1回を設定して大入賞口14が開放される。なお、複数種類の小当り図柄を備える場合、主CPU41は、小当り抽選に当選した場合の小当り変動処理において、所定の乱数を用いた第3図柄抽選にて小当り図柄を決定する構成であってもよい。
【0232】
本実施形態によれば、特別抽選の結果が所定の結果の一例として、大当り抽選にてはずれとなり、且つ特別図柄として時短図柄に当選したことに基づいて、特殊有利状態へと移行される。本実施形態において、大当り抽選、小当り抽選、第2図柄抽選、及び第3図柄抽選は、特別抽選の一例となる。
【0233】
本実施形態の効果について説明する。
(4-1)本実施形態によれば、第1実施形態と組み合わせた構成であれば、特別抽選の結果が所定の結果となったことに基づいて特殊有利状態へと移行し、同時に組合せ識別可能状態が生起され得るようになる。このため、特殊有利状態へ移行すること、及び組合せ識別可能状態を生起可能になることの2つの観点から、遊技を継続する意欲を高めることができる。なお、さらに第3実施形態と組み合わせた構成であってもよい。
【0234】
(4-2)本実施形態によれば、第2実施形態と組み合わせた構成であれば、特別抽選の結果が所定の結果となったことに基づいて特殊有利状態へと移行しても、同時に組合せ識別可能状態が生起され得るようにはならない。このため、何れの有利状態(電サポ状態)へ移行するか、及び組合せ識別可能状態を生起可能になるか、という2つの観点から、遊技を継続する意欲を高めることができる。なお、さらに第3実施形態と組み合わせた構成であってもよい。
【0235】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組合せて実施することができる。
・本実施形態において、特殊有利状態(第2電サポ状態)の終了条件は、特殊有利状態における変動ゲームの実行回数(第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの合算)が第2電サポ回数に達すること、又は大当りとなることであったが、これに限らず、異なる事象の発生を特殊有利状態の終了条件として定めてもよい。例えば、特殊有利状態の終了条件は、合算ではなく、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームのうち何れかの実行回数が第2電サポ回数に達することであってもよく、小当り遊技の付与回数又は小当りの当選回数が所定回数に達することであってもよい。
【0236】
・本実施形態において、特別図柄の作動回数が天井回数に到達することを移行条件とした第1特殊有利状態、及び、特別抽選の結果が所定の結果(一例として時短図柄に当選)となることを移行条件とした第2特殊有利状態のうち一方を備えたが、これに限らず、両方の特殊有利状態を備えてもよい。この場合、2つの特殊有利状態は、第2始動口13への入球率における有利度合いが同じであってもよく、任意に選択できる一方が有利であってもよい。また、各実施形態及び変更例と組み合わせた構成において、2つの特殊有利状態のうち両方にて組合せ識別可能状態を生起可能としてもよく、相対的に有利な特殊有利状態において組合せ識別可能状態を生起可能としてもよく、相対的に不利な特殊有利状態において組合せ識別可能状態を生起可能としてもよい。
【0237】
・本実施形態において、演出モードの移行条件は、遊技状態の移行条件と一致したが、これに限らず、一致しなくてもよい。例えば、特別図柄の作動回数が天井回数に到達する所定回数前の変動ゲームから、特殊有利状態へ移行することを示唆する演出モード(所謂、天井予兆モード)へ移行する構成であってもよく、特殊有利状態へ移行してから所定回数の変動ゲームが終了してから特殊有利モードへ移行する構成であってもよい。
【0238】
・本実施形態において、レイアウト[A],[B]には、実行表示領域を備えなかったが、これに限らず、実行中の特別ゲームを示す情報の一例であるゲームアイコンDを表示する領域として実行表示領域H0,h0を備えてもよい。
【0239】
・第1実施形態において、特殊有利状態においてのみ組合せ識別可能状態を生起可能に構成したが、これに限らず、特殊有利状態に加えて、通常有利状態及び特別有利状態のうち任意に選択できる一方、又は両方にて組合せ識別可能状態を生起可能な構成であってもよい。また、各実施形態において、通常状態においても組合せ識別可能状態を生起可能であってもよい。
【0240】
・第3実施形態を除く各実施形態において、第1電サポ状態(通常有利状態及び特別有利状態)に比して第2電サポ状態(特殊有利状態)のほうが有利となるように構成してもよい。
【0241】
・本実施形態において、副CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、副RWM53において第2保留数に対応付けて記憶されている先読みコマンドの値を全て参照し、当該参照した結果から特定できる変動内容に応じて保留表示領域h1~h4に表示させるゲームアイコンiの期待度ランクを決定してもよい。
【0242】
・本実施形態において、副CPU51は、先読みコマンドから特定可能な変動内容に基づいてランクパターンPE1~PE12(対応キャラアイコンK3の期待度ランク)を決定してもよい。例えば、副CPU51は、先読みコマンドに基づき決定されるゲームアイコンiの期待度ランクに対応するランクパターンの中から1つを決定する。副CPU51は、決定したランクパターンに示される期待度ランクの対応キャラアイコンK3を、対象ゲームが終了する迄の間、対応キャラ表示領域A1~A4に表示させるとよい。本変更例によれば、ゲームアイコンiと、対応キャラ表示領域A1~A4に表示された対応キャラアイコンK3との組合せからも大当り期待度を推測できる。
【0243】
・本実施形態において、副CPU51は、第2特別ゲームが実行されることを契機として、保留表示領域h1~h4に表示するゲームアイコンiの期待度ランクを変更する制御を実行してもよい。これによれば、第2特別ゲームが実行される毎にゲームアイコンiのキャラ(つまり大当り期待度)が変更され得るため、遊技者の興趣を持続的に向上できる。
【0244】
・本実施形態において、副CPU51は、ゲームアイコンiの種類(キャラ)を遊技者が認識困難、又は認識不能とするフィルタを付加するか否かを抽選により決定し、当該抽選に当選する場合にフィルタをゲームアイコンiに付加してもよい。この場合、副CPU51は、フィルタを付加したゲームアイコンiに対応する第2特別ゲームが開始されるとき、又は第2SPリーチ演出が開始されるときに、フィルタを消去し、ゲームアイコンiの種類(キャラ)を遊技者に認識可能とする制御を実行するとよい。
【0245】
・本実施形態において、保留表示領域h1~h4では、特殊キャラ(一例としてライオン)のゲームアイコンiを表示する保留演出を実行しない構成としてもよい。
・本実施形態において、副CPU51は、変動開始コマンドで指定される変動パターン(変動内容)に応じて期待度ランクを決定し、当該決定した期待度ランクにしたがって、今回の第2特別ゲームに対応付けられたゲームアイコンiをゲームアイコンDとして実行表示領域h0に表示させてもよい。ゲームアイコンDの期待度ランクは、変動ゲームの実行中、1回又は複数回にわたって変更してもよい。つまり、ゲームアイコンDの大当り期待度は、変動ゲームの実行中に段階的に変化する構成であってもよい。
【0246】
・本実施形態において、対応キャラアイコンK3を表示可能な最大個数(対応キャラ表示領域の個数)を2個、3個、又は5個以上にしてもよい。
・本実施形態において、副CPU51は、第2特別ゲームが開始されるときの第2保留数と同数の対応キャラアイコンK3を対応キャラ表示領域A1~A4に表示する制御を行ってもよい。例えば、副CPU51は、第2保留数=3である場合に3個の対応キャラアイコンK3を対応キャラ表示領域A1~A4に表示させる。
【0247】
・本実施形態において、ランクパターンに特定される期待度ランクには、同一の期待度ランクを複数含んでいてもよい。この場合、対応キャラ表示領域A1~A4に同一キャラの対応キャラアイコンK3が複数表示される。後述のように、同一の期待度ランクに複数のキャラを設ける場合には、キャラが重複しないように表示するとよい。
【0248】
・本実施形態において、副CPU51は、第2特別ゲーム毎に常に対応キャラアイコンK3の種類や個数を変更する制御を行ってもよい。
・本実施形態において、キャラ変更示唆演出を経て対応キャラ表示領域A1~A4に対応キャラアイコンK3を表示させるタイミングを変更してもよい。即ち、副CPU51は、変動ゲームが開始されてからリーチ演出が開始される迄の期間のうち少なくとも一部の期間にかけて、対応キャラアイコンK3を表示させればよい。
【0249】
・本実施形態において、対応キャラ表示領域A0に対応キャラアイコンK3を表示するタイミングを変更してもよい。即ち、副CPU51は、対応キャラアイコンK3を対応キャラ表示領域A1~A4に表示させてから、リーチ演出が終了される迄の期間の少なくとも一部の期間にかけて、対応キャラアイコンK3を対応キャラ表示領域A0に表示させればよい。なお、この場合のリーチ演出は、ゲームアイコンi,D及び対応キャラアイコンK3に示されるキャラクタとは関係ない演出内容で行われることが好ましい。
【0250】
・本実施形態において、キャラ変更示唆演出の実行態様を変更してもよい。例えば、キャラ変更示唆演出は、対応キャラアイコンK3を白の単一色に変更(ホワイトアウト)させて対応キャラアイコンK3の種類を認識困難としてから、再び色彩を付与して対応キャラアイコンK3の種類を認識可能とする態様により実行してもよい。
【0251】
・本実施形態において、補助演出を省略してもよい。
・本実施形態において、キャラ選択演出は、大当り遊技中の大当り演出として実行させてもよく、特別ゲームに伴わせる表示演出として実行させてもよい。
【0252】
・本実施形態において、キャラ選択演出にて選択可能なキャラの種類や数は適宜変更してもよい。
・本実施形態において、自キャラに対応するキャラの種類を変更してもよく、期待度ランクの変更にあわせて対応するキャラ数を変更してもよい。また、同一の期待度ランクに対して複数種類のキャラを対応付けてもよい。
【0253】
・本実施形態において、自キャラとして選択可能なキャラと、敵キャラとして決定され得るキャラとは、その一部、又は全部が異なっていてもよい。
・本実施形態において、特定対応キャラ表示領域A0には、第2SPリーチ演出以外のリーチ演出を特定する変動パターンが決定される場合にも対応キャラアイコンK3を表示させてもよい。このように構成しても、実行表示領域h0のゲームアイコンD(ゲームアイコンi)と、対応キャラ表示領域A0の対応キャラアイコンK3との組み合わせにより、大当り期待度を把握させ得る。
【0254】
・本実施形態において、特定対応キャラ表示領域A0には、複数の対応キャラアイコンK3を表示させてもよい。
・本実施形態において、演出モードのレイアウトにおいて、各表示領域の配置位置を変更してもよい。
【0255】
・本実施形態において、演出モードの種類や個数を変更してもよい。例えば、通常有利状態及び特別有利状態の何れであっても滞在可能な演出モード(所謂、潜伏確変モード)を設けてもよい。
【0256】
・本実施形態において、演出表示装置EHは、複数の表示装置(表示部)から構成されていてもよい。例えば、第1演出表示装置に実行表示領域h0を設け、第2演出表示装置に特定対応キャラ表示領域A0を設け、第3演出表示装置にその他の表示領域を設けてもよい。本変更例では、第1演出表示装置及び第2演出表示装置を変位可能な構成とし、組合せ識別可能状態を生起させるとき、生起させていないときに比して、互いに近接した状態に変位させるとよい。
【0257】
・本実施形態において、Nリーチ演出、及び各SPリーチ演出の演出内容(演出態様)を変更してもよい。例えば、第2SPリーチ演出は、自キャラと敵キャラとの短距離走を模した演出内容としてもよい。
【0258】
・本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを、第1始動口12、及び第2始動口13への入賞順に実行してもよい。
・本実施形態において、始動口12,13を区別しないで単一の特別図柄を用いて特別ゲームを行ってもよい。
【0259】
・本実施形態において、特別ゲーム及び演出ゲームを実行可能であったが、これに限らず、特別ゲームのみを実行する構成であってもよい。この場合、演出表示装置EHでは、演出図柄を特別図柄に置き換えた表示を行うとよい。
【0260】
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0261】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確非電サポ状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0262】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
【0263】
・本実施形態において、主CPU41、主ROM42、主RWM43、及び乱数生成回路44は、ワンチップに構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0264】
・本実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLAを専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。実施形態において、単一の基板に主CPU41、及び副CPU51を搭載してもよい。表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組合せて単数又は複数の基板としてもよい。
【0265】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記第1有利状態は、前記第2有利状態に比して有利な状態であるとよい。
(2)遊技球の入球により前記始動条件が成立しうる1又は複数の始動口と、前記始動口のうち少なくとも1つである特定の始動口を開閉する開閉手段と、前記特別抽選とは異なる普通抽選を行う普通抽選手段と、前記普通抽選の結果が当りであるとき、前記変動ゲームとは異なる普通ゲームが終了すると、前記開閉手段を開放状態に制御し、普通当り遊技を生起させる開閉制御手段と、を備え、前記第1有利状態は、前記第2有利状態に比して、前記普通抽選の結果が当りとなる確率が高い状態と、前記普通ゲームにおける変動時間が短い状態と、1回の前記普通当り遊技における前記開閉手段の開放回数が多い状態と、1回の前記普通当り遊技における前記開閉手段の開放時間が長い状態と、のうち少なくとも1つの状態であるとよい。
【符号の説明】
【0266】
10…パチンコ遊技機
12…第1始動口
13…第2始動口
13a…開閉片
40…主基板
41…主CPU
43…主RWM
D…実行アイコン
EH…演出表示装置
ES…演出装置群
I.i…保留アイコン
K1…自キャラアイコン
K2…敵キャラアイコン
K3…対応キャラアイコン
LA…装飾ランプ
SP…スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15