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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20230523BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021514704
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2019016389
(87)【国際公開番号】W WO2020213076
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】508157370
【氏名又は名称】バルミューダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 玄
(72)【発明者】
【氏名】直原 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】比嘉 一真
(72)【発明者】
【氏名】池内 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】石井 保幸
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203987873(CN,U)
【文献】特開平8-70709(JP,A)
【文献】特開2002-204767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機において、
清掃面上のゴミを吸い取る吸引ヘッドと、
前記吸引ヘッドにおける第1の回転軸に取り付けられた第1の回転ブラシと、
前記吸引ヘッドにおける前記第1の回転軸に取り付けられ、前記第1の回転ブラシとは独立して駆動する第2の回転ブラシと、
前記吸引ヘッドにおける前記第1の回転軸と平行な第2の回転軸に取り付けられ、前記第1の回転ブラシと同一の側部に配置された第3の回転ブラシと、
前記吸引ヘッドにおける前記第2の回転軸に取り付けられ、前記第2の回転ブラシと同一の側部に配置され、前記第3の回転ブラシとは独立して駆動する第4の回転ブラシと、
前記吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、前記第1の回転ブラシの駆動と、前記第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御する制御部と
を有してなり、
前記制御部は、前記第3の回転ブラシの駆動を前記第1の回転ブラシの駆動と同様に制御し、前記第4の回転ブラシの駆動を前記第2の回転ブラシの駆動と同様に制御する、
ことを特徴とする掃除機。
【請求項2】
前記制御部は、前記吸引ヘッドを移動させるユーザ操作の負荷を軽減するように、前記第1の回転ブラシの回転方向と、前記第2の回転ブラシの回転方向とを制御することを特徴とする請求項1に記載された掃除機。
【請求項3】
前記制御部は、前記吸引ヘッドが前後方向に移動した場合、前記第1の回転ブラシと、前記第2の回転ブラシとを、同一の回転方向に制御することを特徴とする請求項2に記載された掃除機。
【請求項4】
前記制御部は、前記吸引ヘッドが旋回した場合、前記第1の回転ブラシを一方向に回転させ、前記第2の回転ブラシを停止または前記第1の回転ブラシとは逆方向に回転させることを特徴とする請求項2に記載された掃除機。
【請求項5】
前記第1の回転軸および前記第2の回転軸は、前記吸引ヘッドの前後に配置されていることを特徴とする請求項に記載された掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機に係り、特に、吸引ヘッドに搭載された回転ブラシの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掃除機において、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作をアシストする技術が提案されている。例えば、特許文献1には、吸引口体(吸引ヘッド)の左右に走行車輪を設けた電気掃除機が開示されている。これらの走行車輪は、正逆転可能なモータによって回転駆動し、これによって、電気掃除機を操作する人の負担を軽減する。また、特許文献2には、床ノズル(吸引ヘッド)に1本の回転ブラシを設けた電気掃除機が開示されている。この回転ブラシは、床ノズルの前後移動に伴って回転方向が切り替わり、これによって、掃除作業を効率的かつ確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-84174号公報
【文献】特開平5-122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作をアシストする新規な掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決すべく、本発明は、吸引ヘッドと、第1の回転ブラシと、第2の回転ブラシと、制御部とを有する掃除機を提供する。吸引ヘッドは、清掃面上のゴミを吸い取る。第1の回転ブラシは、吸引ヘッドにおける第1の回転軸に取り付けられている。第2の回転ブラシは、吸引ヘッドにおける第1の回転軸に取り付けられ、第1の回転ブラシとは独立して駆動する。制御部は、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、第1の回転ブラシの駆動と、第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御する。
【0006】
ここで、本発明において、上記制御部は、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作の負荷を軽減するように、第1の回転ブラシの回転方向と、第2の回転ブラシの回転方向とを制御することが好ましい。例えば、上記制御部は、吸引ヘッドが前後方向に移動した場合、第1の回転ブラシと、第2の回転ブラシとを、同一の回転方向に制御してもよい。また、上記制御部は、吸引ヘッドが旋回した場合、第1の回転ブラシを一方向に回転させ、第2の回転ブラシを停止または第1の回転ブラシとは逆方向に回転させてもよい。
【0007】
本発明において、第3の回転ブラシと、第4の回転ブラシとを設けてもよい。第3の回転ブラシは、吸引ヘッドにおける第2の回転軸(第1の回転軸と平行である。)に取り付けられ、第1の回転ブラシと同一の側部に配置されている。第4の回転ブラシは、吸引ヘッドにおける第2の回転軸に取り付けられ、第2の回転ブラシと同一の側部に配置され、第3の回転ブラシとは独立して駆動する。この場合、上記制御部は、第3の回転ブラシの駆動を第1の回転ブラシの駆動と同様に制御し、第4の回転ブラシの駆動を第2の回転ブラシの駆動と同様に制御する。また、上記第1および第2の回転軸は、吸引ヘッドの前後に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、第1の回転ブラシの駆動と、第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御することで、ユーザ操作の負荷を軽減するアシスト機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】掃除機の外観斜視図
図2】継手部の展開斜視図
図3】吸引ヘッドの外観斜視図
図4】吸引ヘッドの展開斜視図
図5】掃除機の制御ブロック図
図6】直進検出部による直進検出の説明図
図7】旋回検出部による旋回検出の説明図
図8】前進操作時における回転ブラシの動作説明図
図9】後進操作時における回転ブラシの動作説明図
図10】左旋回操作時における回転ブラシの動作説明図
図11】右旋回操作時における回転ブラシの動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係るスティック型の掃除機の外観斜視図である。この掃除機1は、吸引ヘッド2と、本体部3と、持ち手棒部4とを主体に構成されている。吸引ヘッド2は、清掃面(地面)上のゴミを吸い取る。ここで、吸引ヘッド2の「ヘッド」とは、頭部や先端部といった場所を指す意味で用いており、その形状は、後述するスティック体との大小関係を含めて特段限定されるものではない。また、吸引ヘッド2は、清掃面と対向してゴミを取り込む部材または構造体を指し、それ自体に吸引モータ(吸引源)が搭載されているかは問わない。
【0011】
本体部3および持ち手棒部4は一体化されており、全体として、吸引ヘッド2より上方に向かって棒状に延在するスティック体を構成している。本体部3は、筒状の部材であって、その内部には、吸引モータ、ゴミ収納部、充電式の電池などが収容されている。持ち手棒部4は、本体部4の上端に取り付けられおり、上方に向かって延在している。重量のある本体部3を吸引ヘッド2に近い下方に配置することで、ユーザに与える重量感が軽減される。
【0012】
持ち手棒部4の上端には、ユーザが手で握って掃除機1を移動操作するための取っ手部5が取り付けられている。本実施形態において、取っ手部5は、持ち手棒部4に摺動自在に取り付けられており、バネなどの弾性部材によって中立位置に復帰する機能を備えている。ユーザは取っ手部5を手で握って掃除機1を操作する。その際、ユーザが取っ手部5を回す(捻る)と、持ち手棒部4に対して取っ手部5が回転し、これによって、吸引ヘッド2の旋回(信地旋回、超信地旋回)が行われる。さらに、取っ手部5または持ち手棒部4の上方には、オン/オフスイッチなどの操作ボタン類が設けられている。
【0013】
吸引ヘッド2および本体部3(スティック体)は、継手部6を介して連結されている。具体的には、吸引ヘッド2の略中央には、上下を貫通する吸引口2aが設けられており、この吸引口2aと位置的に対応して、吸引ヘッド2の上部略中央に継手部6が取り付けられている。すなわち、吸引口2aは、吸引ヘッド2によって吸引されたゴミの流路であると共に、継手部6の取付部位としての役割も担っている。なお、同図では省略されているが、ヘッド部2側の吸引口2aから本体部3に至るゴミの流路の外漏れを防止すべく、継手部6の外周は、樹脂材などの可撓性素材によって覆われている。
【0014】
図2は、継手部6の展開斜視図である。この継手部6は、下継手部材6aと、筒状部材6bと、上継手部材6cとを有し、これらは、2つの回転軸を介して、前後方向に屈曲自在に一体化されている。具体的には、下継手部材6aの上方と、筒状部材6bの下方とは、一方の回転軸を介して、前後方向に回転自在に連結されている。また、筒状部材6bの上方と、上継手部材6cの下方とは、他方の回転軸を介して、前後方向に回転自在に連結されている。下継手部材6aの下端は、吸引ヘッド2に取り付けられ、上継手部材6cの上端は、本体部3に取り付けられる。これにより、本体部3、持ち手棒部4および取っ手部5を一体化したスティック体は、吸引口2aの軸線上に位置すると共に、任意の角度で前後に自由に傾けることができる。
【0015】
図3は、吸引ヘッド2の外観斜視図である。この吸引ヘッド2は、カバー体7の内部において、同軸上に取り付けられた一対の回転ブラシを2組、すなわち、合計4つの回転ブラシ8a~9bを備えている。カバー体7は、後述するように、複数のカバー部材を組み立てることによって構成されている。また、回転ブラシ8a~9bは、清掃面と部分的に接地・接触して、清掃面に入り込んだゴミを掻き出す機能を有する。一対の回転ブラシ8a,8bは、吸引ヘッド2(吸引口2a)の前方に配置されている。これらの回転ブラシ8a,8bは、左右に並んでおり、前方の回転軸A1に回転自在に取り付けられている。回転軸A1は、吸引ヘッド2の幅方向に向かって清掃面と平行に延在している。また、一対の回転ブラシ9a,9bは、吸引ヘッド2(吸引口2a)の後方に配置されている。これらの回転ブラシ9a,9bは左右に並んでおり、前方の回転軸A1と平行な後方の回転軸A2に回転自在に取り付けられている。これにより、左後方の回転ブラシ9aは、左前方の回転ブラシ8aと同一の側部(左側)に位置し、右後方の回転ブラシ9bは、右前方の回転ブラシ8bと同一の側部(右側)に位置することになる。
【0016】
前方の回転軸A1に取り付けられた回転ブラシ8a,8bは、それぞれに内蔵された、あるいは、カバー体7の側部に収納された駆動機構10(後述するモータ10a~10などの駆動源を含む。)によって、互いに独立して回転駆動する。同様に、後方の回転軸A2に取り付けられた回転ブラシ9a,9bは、それぞれに内蔵された、あるいは、カバー体7の側部に収納された駆動機構10(モータなどの駆動源を含む。)によって、互いに独立して回転駆動する。回転ブラシ8a~9bの回転駆動は、単一の駆動源が発生した動力を複数の動力伝達機構で分配することによって行ってもよいし、複数の駆動源のそれぞれを回転ブラシ8a~9bに個別に割り当ててもよい。
【0017】
図4は、吸引ヘッド2の展開斜視図である。上述したカバー体7は、上部カバー7aと、一対のサイドカバー7b,7cとによって構成されている。上部カバー7aは、吸引ヘッド2の幅方向に延在するプレート形状を有し、その略中央には吸引口2aが設けられている。上部カバー7aの両端(左右端)には、サイドカバー7b,7cがそれぞれ取り付けられる。左前方の回転ブラシ8aは、左側のサイドカバー7bと、上部カバー7aに一体形成された突出部7d’(図示した7dと鉛直線に対して線対称なもの)とによって回転自在に保持され、右前方の回転ブラシ8bは、右側のサイドカバー7cと、突出部7d’とによって回転自在に保持される。また、左後方の回転ブラシ9aは、左側のサイドカバー7bと、上部カバー7aに一体形成された突出部7dとによって回転自在に保持され、右後方の回転ブラシ9bは、右側のサイドカバー7cと、突出部7dとによって回転自在に保持される。また、上部カバー7aの下部には、吸引モータの吸引力によって、清掃面上のゴミを吸い取るための空間を区画する吸引部11が取り付けられている。
【0018】
図5は、掃除機1の制御ブロック図である。本実施形態では、吸引ヘッド2を移動させるユーザ操作方向を検知する手段として、直進検出部12と、旋回検出部13とを有する。直進検出部12は、吸引ヘッド2の前後方向への移動(前進、後進)を検出する。直進検出部12としては、例えば、継手部6の状態を検出するセンサまたはスイッチを用いることができる。具体的には、前者の場合、継手部6の2か所のいずれかの回転軸にロータリエンコーダなどの角度センサが取り付けられる。また、後者の場合、上部カバー7aの上部または継手部6に設けられたスイッチで、継手部6を構成する部材の接触を検知する。さらに、取っ手部5または持ち手棒部5のいずれかの加速度を加速度センサによって検出してもよい。この場合、直進検出部12および旋回検出部13を1つの加速度センサで共用することも可能である。
【0019】
図6は、直進検出部12による直進検出の説明図である。まず、吸引ヘッド2を移動させるユーザ操作が行われていない状態(直立状態)では、継手部6を構成する下継手部材6a、筒状部材6bおよび上継手部材6cが一直線(鉛直線)上に並ぶ。よって、直進検出部12によって直立状態を検出することで、吸引ヘッド2を移動させるユーザ操作が行われていないことを識別できる。
【0020】
つぎに、ユーザが取っ手部5を押し出した場合(前進操作)、本体部3のみが前進し、吸引ヘッド2は清掃面との摩擦で前進しないため、継手部6が前方に傾いて、下継手部材6aに対して上継手部材6cが前方に先行した状態となる。よって、直進検出部12によって本先行状態を検出することで、ユーザの前進操作を識別できる。
【0021】
一方、ユーザが取っ手部5を引き戻した場合(後進操作)、本体部3のみが後進し、吸引ヘッド2は清掃面との摩擦で後進しないため、継手部6が後方に傾いて、下継手部材6aに対して上継手部材6cが後方に先行した状態となる。よって、直進検出部12によって本先行状態を検出することで、ユーザの後進操作を識別できる。
【0022】
旋回検出部13は、吸引ヘッド2の旋回(右回し、左回し)を検出する。旋回検出部13としては、例えば、取っ手部5と持ち手棒部4との間に設けられ、取っ手部5の回転を検出するセンサまたはスイッチを用いることができる。また、持ち手棒部4に歪みセンサを取り付け、取っ手部5の回転に伴う歪みを検出することによって、取っ手部5の回転を検出してもよい。また、取っ手部5に圧力センサを取り付け、取っ手部5の回転に伴う圧力分布を検出することによって、取っ手部5の回転を検出してもよい。さらに、吸引ヘッド2側の接合部(部材同士の接合部位)、あるいは、持ち手棒部4のどこかの接合部に前述のセンサ類を取り付け、当該接合部における部材同士の捻れを歪みなどとして検出することも可能である。
【0023】
図7は、旋回検出部13による旋回検出の説明図である。ユーザが取っ手部5を回す(捻る)と取っ手部5が回転するが、吸引ヘッド2は清掃面との摩擦で回転しない。よって、旋回検出部12によってこの状態を検出することで、ユーザの旋回操作を右回し、左回しの別も含めて識別できる。
【0024】
制御部14は、直進検出部12および旋回検出部13によって検出されたユーザ操作方向、具体的には、前後の直進操作および左右の旋回操作に応じて、それぞれの回転ブラシ8a~9bに割り当てられた駆動用のモータ10a~10dを個別に制御する。具体的には、吸引ヘッド2を移動させるユーザ操作の負荷を軽減するように、回転ブラシ8a~9bの回転方向が制御される。
【0025】
図8は、前進操作時における回転ブラシ8a~9bの動作説明図である。前進操作時には、4つの回転ブラシ8a~9bのすべてを一方の方向(例えば、時計回り)に同一の回転速度で回転させる。これにより、すべての回転ブラシ8a~9bが前方へのアシスト力を一様に発生するので、吸引ヘッド2を前方に移動させるユーザ操作の負荷が軽減され、ユーザはスムーズに吸引ヘッド2を前進させることができる。
【0026】
図9は、後進操作時における回転ブラシ8a~9bの動作説明図である。後進操作時には、前進操作時とは逆に、4つの回転ブラシ8a~9bのすべてを他方の方向(例えば、反時計回り)に同一の回転速度で回転させる。これにより、すべての回転ブラシ8a~9bが後方へのアシスト力を一様に発生するので、吸引ヘッド2を後方に移動させるユーザ操作の負荷が軽減され、ユーザはスムーズに吸引ヘッド2を後進させることができる。
【0027】
図10は、左旋回操作時における回転ブラシ8a~9bの動作説明図である。左旋回操作時には、左側の回転ブラシ8a,9aを一方の方向に同一の回転速度で回転させると共に、右側の回転ブラシ8b,9bを他方の方向に同一の回転速度で回転させる。これにより、吸引ヘッド2を左回りに超信地旋回させるようなアシスト力が発生するので、吸引ヘッド2を左旋回させるユーザ操作の負荷が軽減され、ユーザはスムーズに吸引ヘッド2を左旋回させることができる。
【0028】
図11は、右旋回操作時における回転ブラシ8a~9bの動作説明図である。右旋回操作時には、左側の回転ブラシ8a,9aを他方の方向に同一の回転速度で回転させると共に、右側の回転ブラシ8b,9bを一方の方向に同一の回転速度で回転させる。これにより、吸引ヘッド2を右回りに超信地旋回させるようなアシスト力が発生するので、吸引ヘッド2を右旋回させるユーザ操作の負荷が軽減され、ユーザはスムーズに吸引ヘッド2を右旋回させることができる。
【0029】
なお、旋回検出部13によって検出された取っ手部5の回転の強度(角速度、回転量)に応じて、超信地旋回と信地旋回とを切り替えてもよい。回転の強度が大きい場合には、超信地旋回を行い、回転の強度が弱い場合には、超信地旋回よりもアシスト力が小さい信地旋回を行うといった如くである。この信地旋回において、左回り時には、右側の回転ブラシ8b,9bのみを他方の方向に同一の回転速度で回転させ、左側の回転ブラシ8a,9aを停止させる。一方、右回り時には、左側の回転ブラシ8a,9aのみを他方の方向に同一の回転速度で回転させ、右側の回転ブラシ8b,9bを停止させる。
【0030】
このように、本実施形態によれば、吸引ヘッド2を移動させるユーザ操作方向に応じて、回転ブラシ8a~9bの駆動を個別に制御することで、ユーザ操作の負荷を軽減するアシスト機能を実現できる。
【0031】
なお、上述した実施形態では、吸引ヘッド2に一対の回転ブラシを2組搭載した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも、一対の回転ブラシを1組(例えば、8a,8bまたは9a,9b)を備えていればよく、また、吸引ヘッド2の搭載スペースが許す限り、より多くの組の回転ブラシを搭載してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 掃除機
2 吸引ヘッド
2a 吸引口
3 本体部
4 持ち手棒部
5 取っ手部
6 継手部
6a 下継手部材
6b 筒状部材
6c 上継手部材
7 カバー体
7a 上部カバー
7b、7c サイドカバー
7d,7d’ 突出部
8a,8b,9a,9b 回転ブラシ
10 駆動機構
10a~10d モータ
11 吸引部
12 直進検出部
13 旋回検出部
14 制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11