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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】花器
(51)【国際特許分類】
   A47G 7/02 20060101AFI20230523BHJP
   A01G 9/00 20180101ALI20230523BHJP
【FI】
A47G7/02 G
A01G9/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022002587
(22)【出願日】2022-01-11
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】517023851
【氏名又は名称】主興金屬有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 冠權
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0276530(US,A1)
【文献】特開平10-4796(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210039(JP,U)
【文献】特開平1-196231(JP,A)
【文献】実開平5-37046(JP,U)
【文献】実開平3-31842(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 7/02
A01G 9/00
A01G 9/12
A47H 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
花器本体と、
植物体位置決め棒と、
組み合わせ体と、を備え、
前記組み合わせ体は前記花器本体頂部の先端口に嵌着可能であり、前記組み合わせ体のサイズは前記花器本体頂部の前記先端口より小さく、前記組み合わせ体の周囲には複数の係止片が延設され、
前記組み合わせ体の内部には、形状およびサイズの異なる複数の分離体によって複数の凹んだ収容溝エリアが区画作製され、各前記収容溝エリアは深さが異なり、
各前記収容溝エリアの底部にはそれぞれ、下に向けて外へ突出する、複数の密集した錐形柱が設置され、複数の各前記錐形柱は錐孔が形成され、盆栽に花茎を固定するように使用される前記植物体位置決め棒が、何れかの前記錐形柱の前記錐状孔に直接挿入されることを特徴とする花器。
【請求項2】
複数の前記収容溝エリアを区画するように形成された複数の前記分離体における複数の特定部位には、下へ延出する複数の穿孔柱が設けられており、各前記穿孔柱の穿孔の入口端は、下に向かうにつれて内径が小さくなる、テーパー状に形成され、複数の前記穿孔柱に前記植物体位置決め棒を選択的に挿入することができることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【請求項3】
前記組み合わせ体は周囲に複数の前記係止片が延設され、各前記係止片には、弾性変形によって下方へ曲がる抵抗用歯止め片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【請求項4】
前記組み合わせ体は、他の前記収容溝エリアより深さが浅い複数の前記収容溝エリアの側縁に、当接片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の花器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花器に関し、特に花卉の組み合わせおよび組み付け固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冠婚葬祭、新居入居、会社設立など各種の場合には、よく新鮮な花卉盆栽で会場を飾る。このような花卉盆栽の場合には蘭花を飾るのが一般的である。蘭花の栽培は、大抵の場合には柔らかい鉢を使って植栽し、花卉盆栽の組み合わせおよび組み立てをしようとする時、必要な盆栽の規模を見て所定の鉢数の蘭花を選択する。それを適切な花器に整合および組み立てすると同時に、花卉の生長形態に合わせて必要な調整と組み合わせをし、さらにそれに相応しい花卉盆栽を組み立てる。
【0003】
このような花卉盆栽の組み合わせおよび組み立て作業において、一般的に適切なサイズの植木鉢を選択しそれを花器とする。また、質感と勢い全体を築き上げるために、通常、大きいサイズの床置きタイプの植木鉢または花瓶を選択的に使用することがメインである。ただし、花器のサイズと蘭の鉢植えとの差が大きすぎて、蘭の鉢植えを花器に直接入れることができないので、発泡スチロール、廃棄布などの雑貨または廃棄物を先に花器に一定の高さまで充填した後、配置しようとする蘭の鉢植えをその中に入れなければならない。ただし、花器は適切な位置決め構造が欠如しているため、配置および組み立ての過程において、時宜にかなって各種の材料を充填して蘭の鉢植えを固定しなければならない。それと同時に蘭の鉢植えの高さと位置と花卉の方向を調整し、それによりもっと理想的な態様を示す。このような組み立ておよび調整は、通常、経験のある専門業者でなければ担当することができない。
【0004】
現在、このような蘭花などの新鮮な花卉盆栽の組み合せおよび組み立ての面において、経験のある専門業者に担当してもらう必要があることや、それにより労働コストが高いこと以外に、花器内部に各種の材料を充填する方法によっても材料コストと環境保全の問題が派生している。これらの問題は何とかして改善し解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の花卉盆栽における組み合わせおよび組み立てにおいて、花器に固定構造が欠如しているため、各種の材料を充填しなければならない。材料を充填することによって初めて蘭の鉢植えを高めにし、蘭の鉢植えを固定することができる。それにより、経験のある専門業者でなければ施工できないこととなっている。それに鑑みて、発明者は研究開発に着手し、もっと迅速で便利な花卉の組み合わせおよび組み立ての位置決め構造を提供することを期待している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
蘭の植木鉢における組み合わせおよび組み立て時の位置決めのニーズに応えるため、本発明は構造設計において、主に花器本体頂部に組み合わせ体を嵌め込むようにセットする設計による。組み合わせ体内部に区画作製される複数の収容溝エリアを利用することにより、蘭花などの花卉盆栽を載置することができる。さらに、集積タイプの花卉盆栽を設置すると同時に、各収容溝エリアの底部において下に向けて外へ突出する複数の密集した錐形柱、および、各収容溝エリアの間の分離体において下に潜るように延出する穿孔柱に、植物体位置決め棒が選択的に挿入される。それにより、さらに盆栽の載置の際に安定した位置決め効果が得られ、従来の、発泡スチロール、廃棄布などの廃棄物を一定の高さまで充填する作業方法に取って代わる。
【0007】
本発明の花器すなわち花卉の組み合わせおよび組み付け固定構造として、本発明の花器は花器本体と、植物体位置決め棒と、組み合わせ体と、を備える。組み合わせ体は花器本体頂部の先端口に嵌着可能であり、組み合わせ体のサイズは花器本体頂部の先端口より小さい。組み合わせ体の周囲には複数の係止片が延設されている。組み合わせ体の内部には、形状およびサイズの異なる複数の分離体によって複数の凹んだ収容溝エリアが区画作製されており、各収容溝エリアは深さが異なる。各収容溝エリアの底部にはそれぞれ、下に向けて外へ突出する、複数の密集した錐形柱が設置され、複数の各錐形柱は錐孔が形成されている。盆栽に花茎を固定するように使用される植物体位置決め棒が何れかの錐形柱の錐状孔に直接挿入される。
【0008】
本発明の花器すなわち花卉の組み合わせおよび組み付け固定構造は、花器本体頂部に嵌め込むようにセットされた組み合わせ体の設計による。組み合わせ体内部に区画作製された複数の収容溝エリアおよび深さの異なる収容溝エリアを配置することにより、盆栽鉢の集積配置および組み立て作業を行なうことにおいて、各種の廃棄材料を充填することを必要とせず、配置および組み立てがもっと簡単となる。また植物体位置決め棒による穿孔の役割により、経験のある専門業者でなくても花卉の組み合わせおよび組み付けを行なうことができ、それによりもっと多くの材料および労働コストを節約することができる。それと同時に、繰り返し使用できるように組み合わせ体を回収することができ、従来の作業パターンに存在し、派生した問題を有効に解決する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好適な実施例の組み合わせ体の構造模式図である。
図2】本発明の好適な実施例の組み合わせ体の部分構造の断面模式図である。
図3】本発明の好適な実施例の組み合わせ体を反転させた状態の部分構造関係模式図である。
図4】本発明の好適な実施例の組み合わせ体構造の関係模式図である。
図5】本発明における、組み合わせ体が単独で使用される実施状態を示す参考図である。
図6】本発明の組み合わせ体が花器本体に合わせて使用される際の構造関係模式図である。
図7】本発明の好適な実施例の植物体位置決め棒が、位置決めされるように挿設されている状態の構造関係模式図(一)である。
図8】本発明の好適な実施例の植物体位置決め棒が、位置決めされるように挿設されている状態の構造関係模式図(二)である。
図9】本発明の組み合わせ体と花器本体の部分構造の位置決め関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の構造組成、技術手段および効果の達成に関して、図式と合わせながらさらに下記のように具体的に説明する。
【0011】
図1~9を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図に示すように、本発明は構造設計において、主に花器本体(20)頂部の先端口に嵌着可能な組み合わせ体(10)が設置されている。花器本体は大きい花瓶または植木鉢であってよい。組み合わせ体(10)のサイズは、花器本体(20)頂部の先端口よりやや小さく、それにより花器本体(20)頂部の先端口に嵌着することができる。また組み合わせ体(10)の周囲に延設された複数の係止片(11)により位置決めされ、各係止片(11)にはまた、下へ曲げることができる抵抗用歯止め片(12)が設置されている。抵抗用歯止め片(12)が下へ曲げられ、その回復弾力性により花器本体(20)内壁に抵抗することができ、それにより組み合わせ体(10)が花器本体(20)頂部の先端口を塞いでいる関係を維持する。組み合わせ体(10)内部には、複数の形状およびサイズの異なる分離体(13)により複数の凹んだ収容溝エリア(14)が区画構成され、各収容溝エリア(14)は異なる深さで配置されている。また複数の比較的浅い収容溝エリア(14)の外側縁に当接片(15)が増設され、それにより盆栽鉢(1)の設置時の安定性が向上する。また収容溝エリア(14)は異なる深さで配置され、かつ盆栽鉢(1)がその中に配置されることにより、視覚的に高低差を形成することができる。また各収容溝エリア(14)の底部には、複数の密集した、下に向けて外へ突出する錐形柱(16)が設置されている。複数の錐形柱(16)には錐状孔(17)が形成され、錐状孔(17)の末端は平らである。収容溝エリア(14)を区画作製するための複数の分離体(13)の幾つかの特定位置に、下に向けて、また下へ潜るように延出する穿孔柱(18)が凹設される。また各穿孔柱(18)の穿孔(19)の入口端は、下に向かうにつれて内径が小さくなる、テーパー状を呈する。それにより、盆栽鉢(1)においては、花茎を固定するために使用される植物体位置決め棒(2)が、選択的に直接何れかの錐形柱(16)の錐状孔(17)、または、特定部位の穿孔柱(18)の穿孔(19)に穿孔する。それにより、盆栽鉢(1)が移動するのを防止する効果を達成し、また花穂の形を造形する効果を兼ねている。これにより花卉の組み合わせおよび組み付け固定構造を構成する。
【0012】
前記構造組成によると、花卉の組み合わせおよび組み立て作業を行おうとするときには、需要に応じて複数の蘭花などの花卉の盆栽鉢(1)を選択的に組み合わせ体(10)に設けられた適切な収容溝エリア(14)に設置する。また、花茎を固定するための植物体位置決め棒(2)が直接盆栽鉢(1)を穿貫して、収容溝エリア(14)の何れかの錐形柱(16)の錐状孔(17)に挿入される。それにより盆栽鉢(1)は安定した位置決め効果を獲得し、滑って移動するおそれがない。盆栽鉢(1)の花穂の形を調整する必要がある場合には、さらに植物体位置決め棒(2)を、選択的に複数の特定部位の分離体(13)に設置された穿孔柱(18)の穿孔(19)に挿入するように設置することができる。そして花穂を植物体位置決め棒(2)の近くに引っ張り、また固定具(3)でそれを挟むように固定する。それにより、必要に応じた態様の組み合わせタイプの大型の花卉盆栽を構成し、迅速な組み立ての利便性を達成する。それに加えて、各収容溝エリア(14)底部において、下へかつ外へ突出する錐形柱(16)および分離体(13)の穿孔柱(18)を通って、植物体位置決め棒(2)が穿孔され、さらに全体の安定性を維持する。そのため、既存の大型花卉盆栽の組み立て方法に存在している問題と欠点を解決すると同時に、組み合わせ体(10)を花器本体に合わせなくても単独で使用することができる。
【0013】
以上の説明でわかるように、本発明は別途製造した組み合わせ体を、花器本体頂部の先端口に嵌着する設計による。組み合わせ体に区画作製された収容溝エリアに蘭花などの花卉盆栽が載置され、それにより迅速に組み合わせ花卉盆栽の組み立てを完成させることができる。それと同時に、各収容溝エリア底部において下に向けて外へ突出する、複数の密集した円錐形の錐形柱、および、各収容溝エリアの間の分離体において、下へ潜るように延出するように設けられた穿孔柱を通って、植物体位置決め棒が選択的に穿孔され、さらに盆栽を載置した際の安定した位置決め効果を得ることができる。それにより、従来の発泡スチロール、廃棄布など材料の充填をしなくても済むと同時に、専門業者がいなくても作業することができる。従来の大型花卉盆栽の組み立て方法に比べて言えば、産業上の利用可能性と実用価値の向上に合致する。組み合わせ体は繰り返し使用することができ、さらに環境保全と経済的な効果を兼ねる。
【0014】
以上説明したように、本発明の花器すなわち花卉の組み合わせおよび組み付け固定構造は、組み合わせ体を花器本体頂部の先端口に嵌着する設計による。組み合わせ体内に区画作製された収容溝エリアに合わせて、専門業者がいなくても操作することができる。また、選択的に蘭花などの盆栽を、選定した収容溝エリアに設置し、植物体位置決め棒を穿孔して位置決めすることで、さらに迅速に花卉盆栽の組み合わせおよび組み立てと固定を完成させることができる。これは、徹底的に従来の構造に存在していた問題と欠点を解決することができる。全体的に言えば、本発明は、確実に産業上の利用可能性と実用価値を有し、誠に優れていて突出した革新的な設計であり、ここで法により特許出願を提出する。
【符号の説明】
【0015】
(1)盆栽鉢
(2)植物体位置決め棒
(3)固定具
(10)組み合わせ体
(11)係止片
(12)抵抗用歯止め片
(13)分離体
(14)収容溝エリア
(15)当接片
(16)錐形柱
(17)錐状
(18)穿孔柱
(19)穿孔
(20)花器本体
【要約】
【課題】迅速で便利な花卉の組み合わせおよび組み立ての位置決め構造を提供する。
【解決手段】花器は組み合わせ体10を備える。組み合わせ体10は花器本体頂部の先端口に嵌着可能であり、組み合わせ体10のサイズは花器本体頂部の先端口より小さい。組み合わせ体10の周囲には複数の係止片11が延設されている。組み合わせ体10の内部には、形状およびサイズの異なる複数の分離体13によって複数の凹んだ収容溝エリア14が区画作製されており、各収容溝エリア14は深さが異なる。各収容溝エリア14の底部にはそれぞれ、下に向けて外へ突出する、複数の密集した錐形溝柱16が設置され、複数の各錐形溝柱16には末端が平らな錐状孔溝が形成されている。盆栽に花茎を固定するように使用される植物体位置決め棒が何れかの錐形溝柱16の錐状孔溝に直接挿入される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9