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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】食品製品の販売システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20230523BHJP
【FI】
G06Q30/0283
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022206251
(22)【出願日】2022-12-23
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2022087615
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009765
【氏名又は名称】株式会社すなおネット
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】末松 大吉
(72)【発明者】
【氏名】山口 順子
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-146485(JP,A)
【文献】特開2013-30094(JP,A)
【文献】国際公開第2020/226565(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/168320(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111709505(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞味期限を徒過した食品である第2の食品を、賞味期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項2】
出荷期限を徒過した食品である第2の食品を、出荷期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項3】
消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる日である基準日を徒過した食品である第2の食品を、前記基準日が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項4】
賞味期限を徒過した食品である第2の食品を、賞味期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、賞味期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、賞味期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項5】
出荷期限を徒過した食品である第2の食品を、出荷期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、出荷期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、出荷期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項6】
消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる日である基準日を徒過した食品である第2の食品を、前記基準日が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、
前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記基準日を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記基準日を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、
前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、
前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項7】
前記在庫情報通知手段は、前記在庫情報記録手段に記録された前記在庫数の情報が変化したことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の食品製品の販売システム。
【請求項8】
前記価格算出手段は、消費者の端末から、前記第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の食品製品の販売システム。
【請求項9】
前記在庫情報記録手段に記録された消費期限を徒過している場合は、前記第2の食品は在庫切れと判断する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の食品製品の販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製品の販売システムに関する。詳しくは、食品ロス(フードロス)の低減を実現可能な食品製品の販売システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を中心として商品の安全性が消費者に注目されており、消費者が商品を選択する際に、消費者は商品自体や商品の原料がどの様な物であるのかという点にまで関心を示す様になっている。
【0003】
そのため、商品の提供者は、提供する商品や商品の原料の成分や産地、製造年月日等の情報を商品の包装に貼付したラベルに記載したり、ICタグに記録したりして、商品を提供している。
【0004】
しかし、単に情報を記載や記録したものを商品に添付して提供するだけでは、その情報の改竄や偽造等が容易であり、現に情報の改竄や偽造等が行われている事実もあり、消費者に信用度が低く、消費者が安心して商品を選択することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、単に情報を記載や記録したものを食品に添付するのではなく、食品の原料を粉末にした原料粉末見本を食品に添付して食品を提供する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-5656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、食品の品質の「見える化」が実現することで、消費者が安心して食品を選択できるようになるが、近年問題視されている「食品ロス」を減らすことには直結し難い。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、食品ロスの低減を実現可能な食品製品の販売システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の販売システムは、賞味期限を徒過した食品である第2の食品を、賞味期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0010】
また、本発明の食品製品の販売システムは、出荷期限を徒過した食品である第2の食品を、出荷期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0011】
更に、本発明の食品製品の販売システムは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる日である基準日を徒過した食品である第2の食品を、前記基準日が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品の在庫数の情報と、前記第2の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0012】
また、本発明の食品製品の販売システムは、賞味期限を徒過した食品である第2の食品を、賞味期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、賞味期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、賞味期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0013】
また、本発明の食品製品の販売システムは、出荷期限を徒過した食品である第2の食品を、出荷期限が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、出荷期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、出荷期限を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0014】
また、本発明の食品製品の販売システムは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる日である基準日を徒過した食品である第2の食品を、前記基準日が到来していない食品である第1の食品と共に販売するための食品製品の販売システムであって、前記第2の食品と同一の食品である所定の食品の在庫数の情報と、前記所定の食品の出荷期限、賞味期限、若しくは、消費期限のいずれかである所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、前記在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、前記基準日を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも多い場合、若しくは、前記基準日を徒過した前記所定の食品である前記第2の食品の在庫数が所定の数よりも少ない場合に、前記所定の食品の生産者の端末に所定の通知を発する在庫情報通知手段と、前記在庫情報記録手段に記録された前記所定期限の情報に基づいて、前記第2の食品の価格を算出する価格算出手段と、前記価格算出手段が算出した前記第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0015】
ここで、在庫情報通知手段が、在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、第2の食品の在庫数が所定の数(上限値)よりも多い場合、若しくは、第2の食品の在庫数が所定の数(下限値)よりも少ない場合に、第2の食品の生産者の端末に所定の通知を発することによって、第2の食品の生産者に対して第2の食品の在庫の状況を知らしめることができ、第2の食品の生産者が、第2の食品(ここでは、各種期限が徒過する前の状態の第2の食品)の生産量の抑止の必要性を把握することができる。
【0016】
同様に、在庫情報通知手段が、在庫情報記録手段に記録された情報を確認し、各種期限を徒過した所定の食品である第2の食品の在庫数が所定の数(上限値)よりも多い場合、若しくは、各種期限を徒過した所定の食品である第2の食品の在庫数が所定の数(下限値)よりも少ない場合に、所定の食品の生産者に対して第2の食品の在庫の状況を知らしめることができ、所定の食品の生産者が、所定の食品の生産量の抑止の必要性を把握することができる。
【0017】
なお、第2の食品の在庫数が所定の数(上限値)よりも多い場合(例えば、在庫数が100以上の場合)に通知を発することで、在庫数が過剰になっており、各種期限が徒過する前の状態の第2の食品や所定の食品の生産量を抑止する必要があることを生産者に知らしめることができる。
また、第2の食品の在庫数が所定の数(下限値)よりも少ない場合(例えば、在庫数が10未満の場合)に通知を発することで、在庫数が充分に減っており、各種期限が徒過する前の状態の第2の食品や所定の食品の生産量を抑止する必要がないことを生産者に知らしめることができる。
【0018】
また、価格算出手段が、在庫情報記録手段に記録された所定期限の情報に基づいて、第2の食品の価格を算出することによって、第2の食品の所定期限の情報に応じた価格の算出ができる。
【0019】
例えば、価格算出手段が、在庫情報記録手段に記録された「出荷期限(所定期限の一例)」の情報に基づいて、第2の食品の価格を算出する場合には、第2の食品の出荷期限の情報に応じた価格の算出ができる。
なお、ここでの「算出される第2の食品の価格」は、(1)出荷期限を徒過した日数によらずに一定の金額(一律価格)である場合、(2)出荷期限を徒過した日数が多いほど安価となる場合、等が考えられる。
【0020】
また、例えば、価格算出手段が、在庫情報記録手段に記録された「賞味期限(所定期限の一例)」の情報に基づいて、第2の食品の価格を算出する場合には、第2の食品の賞味期限の情報に応じた価格の算出ができる。
なお、ここでの「算出される第2の食品の価格」は、(1)賞味期限を徒過した日数によらずに一定の金額(一律価格)である場合、(2)賞味期限を徒過した日数が多いほど安価となる場合、等が考えられる。
【0021】
更に、例えば、価格算出手段が、在庫情報記録手段に記録された「消費期限(所定期限の一例)」の情報に基づいて、第2の食品の価格を算出する場合には、第2の食品の消費期限の情報に応じた価格の算出ができる。
なお、ここでの「算出される第2の食品の価格」は、(1)消費期限までの日数によらずに一定の金額(一律価格)である場合、(2)賞味期限までの日数が少ないほど安価となる場合、等が考えられる。
【0022】
なお、「所定期限の情報に基づいて」とは、「所定期限の情報のみ」に基づく必要はなく、「所定期限の情報」及び「その他の情報」に基づいて算出しても良い。
例えば、価格算出手段が、在庫情報記録手段に記録された「賞味期限(所定期限の一例)」の情報、及び、第2の食品の「消費期限(在庫情報記録手段に記録されていないその他の情報の一例)」の情報に基づいて、第2の食品の価格を算出するといった具合であり、この倍には、第2の食品の賞味期限の情報及び消費期限の情報に応じた価格の算出ができる。
なお、ここでの「算出される第2の食品の価格」は、(1)賞味期限を徒過した日数や消費期限までの日数によらずに一定の金額(一律価格)である場合、(2)賞味期限を徒過した日数が多く、賞味期限までの日数が少ないほど安価となる場合、等が考えられる。
【0023】
また、出力手段が、価格算出手段が算出した第2の食品の価格の情報を、消費者の端末に出力することによって、消費者に第2の食品の価格を知らしめることができ、第2の食品の購入に結びつくことが期待できる。
【0024】
なお、在庫情報通知手段が、在庫情報記録手段に記録された在庫数の情報が変化したことを条件として、在庫情報記録手段に記録された情報を確認する場合には、在庫情報通知手段が通知を発する可能性があるタイミングで、効率的に在庫情報通知手段を機能させることができる。
【0025】
また、価格算出手段が、消費者の端末から、第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、在庫情報記録手段に記録された情報を確認する場合には、第2の食品の情報の出力を希望していない消費者に対しても、第2の食品の価格を知らしめることができ、より一層、第2の食品の購入に結びつくことが期待できる。
【0026】
ところで、ここでの「食品」とは、「一次産品」及び「二次産品」の双方を含み、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(生鮮食品、動物性食品、植物性食品、加工食品、冷凍食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品をも含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、飼料、養殖用飼料、ドッグフード等、魚や動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0027】
また、ここでの「一次産品」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉そのものが該当する。また、例えば、果物、豆類、貝類、魚類も該当する。
【0028】
また、ここでの「二次産品」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品であり、もち、饅頭、漬物、野菜炒め、ステーキ、ハンバーグ、ラーメン、弁当、パン、牛乳、チーズ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、冷凍食品、缶詰、ペットボトル入りのお茶やジュース、コーヒー、清涼飲料等が該当する。
【0029】
更に、ここでの「二次産品」には、一次産品を原料として加工した二次産品を含むことは勿論のこと、二次産品を原料として加工した二次産品をも含む。例えば、味付け済みの卵を原料として仕入れ、焼成して製造された玉子焼きを含む。更に、ここでの「二次産品」には、二次産品を原料として仕入れた二次産品をも含む。例えば、玉子焼きを原料として仕入れ、仕入れた玉子焼きを詰めた弁当も含む。
【0030】
また、ここでの「第1の食品」は単数であっても複数であっても良く、「第2の食品」も単数であっても複数であっても良い。
即ち、食品製品としては、(1)「単数の第1の食品」と「単数の第2の食品」の組み合わせ、(2)「単数の第1の食品」と「複数の第2の食品」の組み合わせ、(3)「複数の第1の食品」と「単数の第2の食品」の組み合わせ、(4)「複数の第1の食品」と「複数の第2の食品」の組み合わせ、のいずれであっても良い。
【0031】
また、ここでの「賞味期限」とは、「品質が変わらずに美味しく食べることができる期限」を意味しており、賞味期限を過ぎたとしても、直ぐに食べられなくなることを意味するものではない。
【0032】
また、ここでの「消費期限」とは、「安全に食べることができる期限」を意味しており、消費期限を過ぎた場合には、食べられなくなることを意味している。
【0033】
更に、ここでの「出荷期限」とは、「卸売業者やメーカーが小売店に納品できる期限」を意味しており、出荷期限を過ぎた場合には、商慣行上、小売店から卸売業者やメーカーに返品されてしまうことを意味している。
なお、「出荷期限」としては、商慣行上、「食品の賞味期限の1/3」とされることが多い(例えば、製造日から数えて6ヶ月先が賞味期限の食品の場合には、製造日から数えて2ヶ月先が出荷期限となる)が、ここでの「出荷期限」は「食品の賞味期限の1/4」であっても良い。更には、「食品の賞味期限の2か月前」や「食品の消費期限の1年前」であっても良い。
【発明の効果】
【0034】
本発明の食品製品の販売システムでは、第2の食品の売れ残りの低減を通じて、食品ロスの低減を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1(a)】販売する食品製品の一例を説明する模式図(1)である。
図1(b)】販売する食品製品の一例を説明する模式図(2)である。
図1(c)】販売する食品製品の変形例を説明するための模式図である。
図2】シールの記載内容を説明するための模式図である。
図3】本発明の構成例の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。
ここで、本実施の形態では、2022年4月21日時点を基準として、説明を行う。そのため、賞味期限が2022年4月20日以前の場合には、賞味期限が徒過しており、賞味期限が2022年4月21日以降の場合には、賞味期限が到来していないことになる。
【0037】
[販売する食品製品の説明]
図1(a)、図1(b)は本発明を適用した食品製品の販売システムで販売する食品製品の一例を説明するための模式図であり、ここで示す食品製品Aは、食品1A及び食品1Bを含んで構成されている。食品製品Aは、食品1Aと食品1Bをビニール2で包装しており、ビニール2にはシール3が貼り付けられている。
【0038】
ここで、食品1Aと食品1Bとは、共に二次産品であり、同一の食品である。但し、食品1Aよりも食品1Bの製造日が早い(換言すると、食品1Bは、食品1Aよりも前に製造されている)。
【0039】
ここで、食品1Aは、単体としても取引されている食品であり、その価格(定価)は1,080円(税抜:1,000円)で流通している。即ち、本実施の形態では、食品1Bと共に提供される場合を例に挙げているが、食品1Aのみでも市場に提供されている食品である。
また、食品1Aは、その賞味期限が到来していない(賞味期限が到来していないために、消費期限も到来していない)食品である。具体的には、食品1Aは、その賞味期限が2022年8月31日の食品である。
【0040】
また、食品1Bは、その価格は108円(税抜:100円)の食品である。
更に、食品1Bは、その賞味期限を徒過しているものの、その消費期限が到来していない食品である。具体的には、食品1Bは、その賞味期限が2022年4月20日の食品である。
なお、食品1Bは、その賞味期限が到来していない場合においては、単体としても取引されていた食品であり、その際の価格(定価)は食品1Aと同じ1,080円(税抜:1,000円)で流通していた食品である。
【0041】
本実施の形態における食品1Bは、賞味期限が到来していないときには、単体として販売を行っていたが、売れ残ってしまったものにつき、食品1Aと共に提供している。
【0042】
また、シール3には、図2で示す様に、食品製品Aの価格(具体的には、「価格:1,188円(税抜:1,100円)」という表示)が記載されると共に、「食品1Aの詳細」、及び、「食品1Bの詳細」が記載されている。
【0043】
ここで、「食品1Aの詳細」としては、食品1Aの価格(具体的には、「価格:1,000円」という表示)、食品1Aの生産日の情報(具体的には、「生産日:2021年11月30日」という表示)、食品1Aの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限2022年8月31日」という表示)が記載されている。
【0044】
なお、本実施の形態では、食品1Aの賞味期限として日付までしか記載していない場合を例に挙げて説明を行っているが、必要に応じて時間を記載しても良い(例えば、「賞味期限:2022年8月31日 午前10時」といった表示である)。
【0045】
また、「食品1Bの詳細」としては、食品1Bの価格(具体的には、「価格:100円」という表示)、食品1Bの定価(具体的には、「定価:1,000円」という表示)、食品1Bの生産日の情報(具体的には、「生産日:2021年7月20日」という表示)、食品1Bの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限:2022年4月20日」という表示)が記載されている。
【0046】
なお、本実施の形態では、食品1Bの賞味期限として日付までしか記載していない場合を例に挙げて説明を行っているが、必要に応じて時間を記載しても良い(例えば、「賞味期限:2022年4月20日 午前10時」といった表示である)。
【0047】
[本発明の構成]
図3は、本発明を適用した食品製品の販売システムの構成例の一例を説明するための模式図である、図1(a)や図1(b)で示す食品製品Aを提供する(販売する)ためのシステム構成例である。
【0048】
図3で示す食品製品の販売システム11は、インターネット12を介して、食品製品の購入希望者(消費者)が利用する消費者端末13A、及び、食品1Bの生産者が利用する生産者端末13Bと、各種情報をやり取り可能に構成されている。
【0049】
また、食品製品の販売システム11は、在庫情報記録手段14A,14Bと、在庫情報確認手段15と、価格算出手段16と、情報出力手段17を有する。
【0050】
ここで、在庫情報記録手段14Aは、少なくとも、食品1Aの名称の情報14Aaと、食品1Aの在庫数の情報14Abと、食品1Aの賞味期限の情報14Acと、食品1Aの消費期限の情報14Adと、食品1Aの価格の情報14Aeと、を記録可能に構成されている。
具体的には、賞味期限が到来していない(賞味期限が到来していないために、消費期限も到来していない)食品1Aについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格が記録される。
【0051】
また、在庫情報記録手段14Bは、少なくとも、食品1Bの名称の情報14Baと、食品1Bの在庫数の情報14Bbと、食品1Bの賞味期限の情報14Bcと、食品1Bの消費期限の情報14Bdと、食品1Bの価格(定価)の情報14Beと、を記録可能に構成されている。
具体的には、賞味期限を徒過しているものの、消費期限が到来していない食品1Bについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格(定価)が記録される。
【0052】
また、在庫情報確認手段15は、消費者が食品1Aの情報を求めた場合に、若しくは、食品1Bの情報を求めた場合に、若しくは、食品製品Aの情報を求めた場合に、在庫情報記録手段14A,14Bに記録された在庫数を確認可能に構成されている。
具体的には、消費者端末13Aから、食品1A、食品1B、若しくは食品製品Aの情報出力希望の旨の情報を受信した場合に、食品1Aの在庫数の情報14Ab及び食品1Bの在庫数の情報14Bbにアクセスして在庫数の確認を行う。
【0053】
なお、在庫情報確認手段15は、「食品1Aの在庫数の情報14Ab」や「食品1Bの在庫数の情報14Bb」に加えて、「食品1Aの消費期限の情報14Ad」や「食品1Bの消費期限の情報14Bd」の確認を行う。そして、食品1Aの消費期限14Adを徒過している場合には食品1Aは在庫切れ、食品1Bの消費期限14Bdを徒過している場合には食品1Bは在庫切れと判断する。
【0054】
また、価格算出手段16は、消費者が食品1Aの情報を求めた場合に、若しくは、食品1Bの情報を求めた場合に、若しくは、食品製品Aの情報を求めた場合に、在庫情報記録手段14Aに記録された価格を確認可能に構成されている。
具体的には、消費者端末13Aから、食品1A、食品1B、若しくは食品製品Aの情報出力希望の旨の情報を受信した場合に、食品1Aの価格の情報14Aeにアクセスして価格の確認を行う。
【0055】
更に、価格算出手段16は、「食品1Bの賞味期限の情報14Bcからの経過日数」と「食品1Bの価格(定価)の情報14Be」に応じて、食品1Bの価格を算出する。
例えば、食品1Bの価格(定価)が1,000円であるとした場合に、賞味期限を1日過ぎた場合には200円(定価の80%引き)、賞味期限を2日過ぎた場合には100円(定価の90%引き)、賞味期限を3日過ぎた場合には50円(定価の95%引き)、賞味期限を4日以上過ぎた場合には10円(定価の99%引き)といった具合である。
【0056】
なお、「食品1Bの賞味期限の情報14Bcからの経過日数」とは、消費者が情報を求めた日を基準として(換言すると、価格算出手段16が価格を算出する日を基準として)、食品1Bの賞味期限の情報14Bcとの比較において算出する。本実施の形態の場合では、2022年4月21日時点を基準として、食品1Bについては、「賞味期限から1日が経過している」という判断を行うことになる。
【0057】
また、情報出力手段17は、在庫情報確認手段15及び価格算出手段16の確認結果や算出結果に基づいて、消費者端末13Aに情報を出力可能に構成されている。
なお、本実施の形態における情報出力手段17の出力情報は、以下の通りである。
【0058】
(食品1A及び食品1Bの在庫がある場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1A及び食品1Bの在庫がある場合には、「食品1A、食品1B、及び、食品製品Aのいずれも販売が可能である旨」と「食品1A、食品1B、及び、食品製品Aの価格の情報」を出力する。
【0059】
(食品1Aが在庫切れの場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Aのみが在庫切れの場合(換言すると、食品1Bのみ在庫がある場合)には、「食品1Aが在庫切れのため、食品1Aや食品製品Aの販売ができず、食品1Bの販売のみが可能である旨」「食品1Bの価格の情報」を出力する。
【0060】
(食品1Bが在庫切れの場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Bのみが在庫切れの場合(換言すると、食品1Aのみ在庫がある場合)には、「食品1Bが在庫切れのため、食品1Bや食品製品Aの販売ができず、食品1Aの販売のみが可能である旨」「食品1Aの価格の情報」を出力する。
【0061】
(食品1A及び食品1Bが在庫切れの場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1A及び食品1Bが在庫切れの場合には、「食品1A及び食品1Bが在庫切れのため、食品1A、食品1B、及び、食品製品Aの販売ができない旨」を出力する。
【0062】
なお、本実施の形態では、2022年4月21日時点を基準として、説明を行っている。即ち、在庫情報記録手段14Aに賞味期限が到来していない食品1Aの情報が記録され、在庫情報記録手段14Bに賞味期限を徒過した食品1Bの情報が記録されている場合を例に挙げて説明を行っている。
しかし、賞味期限が到来しているか否か(賞味期限を徒過したか否か)は、判断基準日によって変わることになるため、判断基準日を考慮の上、在庫情報記録手段に記録された食品につき、賞味期限を徒過した食品であるか否かを判断することになる。
【0063】
具体的には、その賞味期限が2022年8月31日である食品を食品Aとし、その賞味期限が2022年4月20日である食品を食品Bとすると、(1)2022年4月20日以前は、食品A及び食品Bのいずれも食品1A(換言すると、その賞味期限が到来していない食品)に該当し、(2)2022年4月21日~2022年8月31日は、食品Aが食品1A(換言すると、その賞味期限が到来していない食品)に該当し、食品Bが食品1B(換言すると、その賞味期限を徒過した食品)に該当し、(3)2022年9月1日以降は、食品A及び食品Bのいずれもが食品1B(換言すると、その賞味期限を徒過した食品)に該当することになる。
【0064】
より詳しくは、在庫情報確認手段15は、消費者が情報を求めた日を基準として(換言すると、在庫情報確認手段15が在庫数を確認する日を基準として)、在庫情報記録手段14A,14Bに記録されている食品A,食品Bにつき、それぞれ、食品1A,食品1Bのいずれに該当するかを判断した上で、食品1A及び食品1Bの在庫情報を確認するといった具合である。
【0065】
そのため、在庫情報記録手段14A,14Bに記録されている情報が変わらない場合(具体的には、食品A及び食品Bの賞味期限の情報が変わらない場合)であっても、(1)(2)(3)といった判断基準日の違いによって、情報出力手段17が出力する情報が変化することになる。
【0066】
更に、在庫情報確認手段15は、在庫情報記録手段14Bに記録された食品1Bの在庫数の情報14Bbが変化した場合に、在庫情報記録手段14Bに記録された食品1Bの在庫数の情報14Bbを確認する。
具体的には、(1)食品1Bや食品製品Aの販売により、食品1Bの在庫数14Bbが減った場合、(2)食品1Bの仕入れにより、食品1Bの在庫数14Bbが増えた場合、(3)時間の経過に伴って、在庫の食品1Aが賞味期限を徒過して食品1Bとなることにより、食品1Bの在庫数14Bbが増えた場合、などに確認を行う。
【0067】
こうした確認作業の結果、食品1Bの在庫数が所定の上限値を上回っている場合(例えば、在庫数14Bbが100以上である場合)には、情報出力手段17が、生産者端末13Bに情報を出力可能に構成されている。具体的には、「食品1Bの在庫の上限値を上回ったために、生産を控えて欲しい旨」を出力する。
また、食品1Bの在庫数が所定の下限値を下回っている場合(例えば、在庫数14Bbが10未満である場合)には、情報出力手段17が、生産者端末13Bに情報を出力可能に構成されている。具体的には、「食品1Bの在庫の下限値を下回ったために、生産を再開して欲しい旨」を出力する。
【0068】
なお、「食品1Bの在庫の上限値を上回ったために、生産を控えて欲しい旨」や「食品1Bの在庫の下限値を下回ったために、生産を再開して欲しい旨」に代えて、食品1Bの在庫数の情報14Bbを出力しても良いし、「食品1Bの在庫の上限値を上回ったために、生産を控えて欲しい旨」や「食品1Bの在庫の下限値を下回ったために、生産を再開して欲しい旨」に加えて、食品1Bの在庫数の情報14Bbを出力しても良い。
【0069】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の販売システム11では、消費者が食品1Aの情報を希望する場合(換言すると、食品1Bの情報を希望していない場合)であっても、食品1Bの在庫があることを条件として、食品1Bや食品製品Aについての情報を出力することによって、食品1Bの販売促進が実現し、食品1Bの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0070】
また、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、食品1Bの価格の情報を出力し、食品1Bの価格が安価に設定されていることを消費者に伝えることもでき、消費者の購買意欲を喚起することができる。
【0071】
更に、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、食品1Bの在庫数が適正範囲(実施の形態の例では、10以上99以下の在庫数)となるように、生産者に通知を行うことにより、過剰生産を抑止することができ、結果として、食品ロスの低減を実現することができる。
【0072】
[変形例1]
上記した実施の形態では、価格算出手段16が「食品1Bの賞味期限14Bcからの経過日数」に基づいて算出する場合を例に挙げて説明を行っているが、「食品1Bの消費期限の情報14Bdまでの日数」に基づいて算出を行っても良いし、「食品1Bの賞味期限14Bcからの経過日数」と「食品1Bの消費期限14Bdまでの日数」の双方に基づいて算出を行っても良い。
【0073】
[変形例2]
また、上記した実施の形態では、食品1Bが有料(100円)である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1Aと共に食品1Bを提供することを通じて、食品ロスの低減を実現することができれば充分であって、食品1Bは必ずしも有料である必要は無く、無料(0円)で提供しても良い。
【0074】
[変形例3]
更に、上記した実施の形態では、シール3に「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されている場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした情報(シール3に記載した情報)が消費者に伝われば充分であり、必ずしもシール3に情報自体を記載する必要は無く、図1(c)で示すように、情報にアクセス可能な識別情報4(例えば、二次元バーコード等)を表示しても良い。
なお、識別情報(二次元バーコード等)にはURLが記録されており、携帯端末等で識別情報を読み取ることで、インターネットを通じて、「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されたウェブサイトにアクセスすることが可能となる。
【0075】
[変形例4]
また、上記した実施の形態では、シール3に「食品製品Aの価格」「食品1Aの詳細」「食品1Bの詳細」が記載されている場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした情報(シール3に記載した情報)が消費者に伝われば充分であり、必ずしもシール3に記載する必要は無く、各種方法で消費者に情報を伝えた上で、シール3を貼付していない食品製品Aを提供しても良い。
【0076】
[変形例5]
また、上記した実施の形態では、食品1Aと食品1Bが同一食品である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1Aを購入しようとする消費者が、お得感を感じることで、消費者の購買意欲を喚起することができる食品であれば充分であって、食品1Bは必ずしも食品1Aと同一食品である必要は無く、「同種同類の食品」や「異なる食品」であっても良い。
【0077】
ここでの「同種同類の食品」とは、食品同士が「食品として同一視できる」といった関係を意味している。例えば、クリームパンとジャムパンとでは、菓子パンという点で共通しているものの、菓子パンの種類が異なるために同種同類の食品ではない。なお、クリームパン同士でも、クリームの色彩が異なる場合には、同種同類の食品ではない。即ち、外観の色違いは同種同類の食品ではない。また、赤ワインと白ワインとは、たとえ同一農法、同一農場であったとしても、食品として同一視できる関係には無いため、同種同類とは言えない。
【0078】
[変形例6]
また、上記した実施の形態では、食品1A及び食品1Bが二次産品である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1A及び食品1Bは必ずしも二次産品である必要はなく、一次産品であっても良い。
【0079】
[変形例7]
また、上記した実施の形態では、「食品1Bの詳細」として、食品1Bの価格(「価格:100円」という表示)、食品1Bの定価(「定価:1,000円」という表示)を記載して、販売価格が1/10であることを消費者に知らしめる場合を例に挙げているが、実質的な販売価格が1/10であることを表示しても良い。
例えば、「食品1Bの詳細」として、食品1Bの価格(「実質:100円(900円相当のポイントを付与)」という表示)、食品1Bの定価(「定価:1,000円」という表示)を記載して、実質的な販売価格が1/10であることを表示しても良い。この場合には、消費者は食品1Bの購入費用として1,000円を支払うことになるが、900円相当のポイントが付与されることになる。
【符号の説明】
【0080】
1A 食品
1B 食品
2 ビニール
3 シール
4 識別情報(二次元バーコード)
11 食品製品の販売システム
12 インターネット
13A 消費者端末
13B 生産者端末
14A 在庫情報記録手段
14B 在庫情報記録手段
15 在庫情報確認手段
16 価格算出手段
17 情報出力手段
【要約】
【課題】賞味期限を徒過した食品の販売促進を通じて、食品ロスの低減を実現する。
【解決手段】第1の食品1Aと、第2の食品1Bとを備える食品製品Aの販売システムであって、第2の食品1Bの在庫数が所定の上限値よりも多い場合や、第2の食品1Bの在庫数が所定の下限値よりも少ない場合に、生産者端末13Bに通知を行う。
【選択図】図3
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2
図3