(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】検針装置及び検針方法
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
G08C19/00 301D
(21)【出願番号】P 2019228033
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 正也
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-146979(JP,A)
【文献】特開2005-216037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検針メータのメータ読み値を取得する取得部と、
前記取得部により取得された今回のメータ読み値の、当該取得部により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部と、
前記生涯値算出部により算出された今回の生涯値と当該生涯値算出部により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する増分値算出部と、
前記増分値算出部により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する使用量算出部と
を備えた検針装置。
【請求項2】
前記取得部により取得されたメータ読み値を検針値として取得する検針値取得部と、
前記使用量算出部により算出された対象期間における使用量が、当該対象期間に対応する、前記検針値取得部により取得された今回の検針値と当該検針値取得部により取得された前回の検針値との差分値に対し、差があるかを判定する差分判定部と、
前記差分判定部により差があると判定された場合に、警報を出力する警報部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の検針装置。
【請求項3】
自機でのプリセットの有無を検出するプリセット検出部を備え、
前記生涯値算出部は、前記プリセット検出部によりプリセットがあったことが検出された場合に、当該プリセットがあった際の前記検針メータのメータ読み値を取得し、当該メータ読み値とプリセット後のメータ読み値との差分値を、現在の生涯値に加算する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の検針装置。
【請求項4】
取得部が、検針メータのメータ読み値を取得するステップと、
生涯値算出部が、前記取得部により取得された今回のメータ読み値の、当該取得部により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出するステップと、
増分値算出部が、前記生涯値算出部により算出された今回の生涯値と当該生涯値算出部により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出するステップと、
使用量算出部が、前記増分値算出部により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出するステップと
を有する検針方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使用量を算出する検針装置及び検針方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パルス方式又は通信方式の流量計である検針メータを、中央の監視装置にて集中して検針する検針システムがある。通信メータの検針を行う検針装置では、次のように検針が行われる(例えば特許文献1,2参照)。通信メータは、通信方式の流量計である。この通信メータは、対象とする流体の流量に応じてメータ読み値を更新し、当該メータ読み値を示すデータを外部に送信する。そして、検針装置は、通信メータからのデータを受信して、当該データが示すメータ読み値を取得し、現在のメータ読み値の更新を行う。
また、検針装置が、前月の検針日の翌日から今月の検針日までの使用量を算出する場合には、メータ読み値の差分により算出を行う。なおここでは、対象物体が流体である場合を想定して説明を行ったが、対象物体が電気である場合についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-278762号公報
【文献】国際公開第2019/107161号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検針装置では、対象期間(検針期間)の間に、通信メータでのローテート又は検針装置でのプリセットがあった場合に、使用量を正確に算出することができない。使用量は課金請求の元データとなるため正しく算出される必要がある。従来の検針装置では、ローテート又はプリセットがあった場合に、ユーザが検針装置により表示された画面上で値を補正する必要があり、誤った値で課金請求を行ってしまう可能性がある。なお、ローテートは、通信メータにおいて、メータ読み値が、レンジの最大値を上回って最小値に戻り、更に増えることを指す。プリセットは、検針装置において、ユーザ操作に応じてメータ読み値の値が0にリセットされることを指す。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、対象期間の間にローテート又はプリセットがあった場合でも使用量を正確に算出可能となる検針装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る検針装置は、検針メータのメータ読み値を取得する取得部と、取得部により取得された今回のメータ読み値の、当該取得部により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部と、生涯値算出部により算出された今回の生涯値と当該生涯値算出部により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する増分値算出部と、増分値算出部により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する使用量算出部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、対象期間の間にローテート又はプリセットがあった場合でも使用量を正確に算出可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る検針システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る検針装置の構成例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る検針装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係る検針装置の動作例を説明する図である。
【
図5】実施の形態1における生涯値算出部及び増分値算出部の動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る検針システムの構成例を示す図である。
検針システムは、
図1に示すように、1つ以上の通信メータ(検針メータ)1、1つ以上のコントローラ2、及び検針装置3を備えている。通信メータ1は、通信線を介してコントローラ2に接続されている。また、コントローラ2は、通信線を介して検針装置3に接続されている。
図1では、1つの通信メータ1及び1つのコントローラ2を示している。なお以下では、検針メータとして、通信メータ1が用いられた場合を示すが、これに限らず、その他の検針メータが用いられてもよい。
【0010】
通信メータ1は、対象物体の使用量に応じてメータ読み値を更新し、当該メータ読み値を示すデータを外部に送信する通信方式のメータである。対象物体としては、水又はガス等の流体或いは電気等が挙げられる。
【0011】
通信メータ1は、例えば、対象物体が一定量使用されるとメータ読み値を1つ増やすようにして、メータ読み値を更新する。ここで、メータ読み値のレンジ幅は有限であり、メータ読み値がレンジの最大値を上回ると最小値に戻る。なお、メータ読み値が、レンジの最大値を上回って最小値に戻り、更に増えることを、ローテートという。そして、通信メータ1は、Modbus又はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等の通信により、例えばコントローラ2からの取得要求に応じ、現在のメータ読み値を示すデータを当該コントローラ2に送信する。
【0012】
コントローラ2は、対象とする通信メータ1の管理を行う。
コントローラ2は、例えば通信メータ1に対して所定周期(例えば10秒周期)でメータ読み値の取得要求(通信メータ1が複数の場合にはスキャン等)を行うことにより通信メータ1からのデータを受信し、当該データが示すメータ読み値を取得する。そして、コントローラ2は、取得したメータ読み値で、現在のメータ読み値を更新する。そして、コントローラ2は、BACnet(Building Automation and Control Network)等の通信により、例えば検針装置3からの取得要求に応じ、現在のメータ読み値を示すデータを当該検針装置3に送信する。
【0013】
なお、通信メータ1及びコントローラ2としては、既存の通信メータ(通信方式の流量計)及びコントローラを用いることができる。
【0014】
検針装置3は、コントローラ2を介して、対象とする通信メータ1の管理を行う。検針装置3は、
図2に示すように、保持部301、取得部302、プリセット検出部303、生涯値算出部304、増分値算出部305、使用量算出部306、検針値取得部307、差分判定部308、警報部309及び表示部310を備えている。
【0015】
なお、取得部302、プリセット検出部303、生涯値算出部304、増分値算出部305、使用量算出部306、検針値取得部307、差分判定部308及び警報部309は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0016】
保持部301は、検針装置3で扱う各種のデータを保持する。保持部301は、SSD(Solid State Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)又はメモリ等によって構成される。
保持部301は、取得部302により取得されたメータ読み値を示すデータ、及び、生涯値算出部304により算出された生涯値を示すデータを、計量ポイントデータとして時系列に保持する。また、保持部301は、取得部302により取得されたメータ読み値を示すデータ、及び、増分値算出部305により算出された増分値を示すデータを、日報データとして時系列に保持する。日報データには、前回の検針から今回の検針までの期間の、検針値を取得するためのメータ読み値を示すデータと、使用量を算出するための増分値を示すデータとが記録される。また、保持部301は、検針値取得部307により算出された検針値を示すデータ、及び、使用量算出部306により算出された使用量を示すデータを、検針データとして時系列に保持する。
【0017】
図2では、保持部301が検針装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、保持部301は検針装置3の外部に設けられていてもよい。
【0018】
取得部302は、例えばコントローラ2に対して所定周期(例えば60秒周期)でメータ読み値の取得要求(コントローラ2が複数の場合にはスキャン等)を行うことによりコントローラ2からデータを受信し、当該データが示すメータ読み値を取得する。すなわち、取得部302は、通信メータ1のメータ読み値を取得する。
【0019】
プリセット検出部303は、自機でのプリセットの有無を検出する。
【0020】
生涯値算出部304は、取得部302による取得結果に基づいて、生涯値を算出する。この際、生涯値算出部304は、取得部302により取得された今回のメータ読み値の、取得部302により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出(更新)する。より具体的には、生涯値算出部304は、取得部302により取得された今回のメータ読み値と取得部302により取得された前回のメータ読み値とを比較する。そして、生涯値算出部304は、今回のメータ読み値が前回のメータ読み値より大きいと判定した場合には、今回のメータ読み値から前回のメータ読み値を差し引いた値を、増加量として算出する。一方、生涯値算出部304は、今回のメータ読み値が前回のメータ読み値より小さいと判定した場合には、レンジの最大値から前回のメータ読み値を差し引いた値に、今回のメータ読み値を加算した値を、増加量として算出する。その後、生涯値算出部304は、算出した増加量を現在の生涯値に加算することで、生涯値を算出する。なお、生涯値の初期値は0である。
【0021】
なお、メータ読み値については、6桁程度のレンジが用意されることが一般的である。一方、生涯値については、数十年間の通算のメータ読み値を記録可能なように、十分大きなレンジが用意される。
【0022】
なお、生涯値算出部304は、プリセット検出部303によりプリセットがあったことが検出された場合には、当該プリセットがあった際の通信メータ1のメータ読み値をコントローラ2から取得し、当該メータ読み値とプリセット後のメータ読み値との差分値を、現在の生涯値に加算する。
【0023】
増分値算出部305は、生涯値算出部304による算出結果に基づいて、増分値を算出する。この際、増分値算出部305は、生涯値算出部304により算出された今回の生涯値と生涯値算出部304により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する。なお、増分値算出部305は、生涯値を保持部301に保持されている計量ポイントデータから取得する。
【0024】
使用量算出部306は、増分値算出部305による算出結果に基づいて、対象期間(検針期間)における使用量を算出する。この際、使用量算出部306は、増分値算出部305により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する。なお、使用量算出部306は、増分値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0025】
検針値取得部307は、取得部302による取得結果に基づいて、検針値を取得する。この際、検針値取得部307は、取得部302により取得された所定タイミングでのメータ読み値を、検針値として取得する。なお、検針値取得部307は、メータ読み値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0026】
差分判定部308は、使用量算出部306により算出された対象期間における使用量が、当該対象期間に対応する、検針値取得部307により取得された今回の検針値と検針値取得部307により取得された前回の検針値との差分値に対し、差があるかを判定する。なお、上記対象期間の最初のタイミングが上記前回のタイミングに相当し、上記対象期間の最後のタイミングが上記今回のタイミングに相当する。また、差分判定部308は、今回の検針値、前回の検針値及び使用量を保持部301に保持されている検針データから取得する。
【0027】
警報部309は、差分判定部308により差があると判定された場合に、警報を出力する。
【0028】
表示部310は、差分判定部308で用いられた今回の検針値、前回の検針値及び使用量を示すデータを表示するディスプレイである。
図2では、表示部310が検針装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、表示部310は検針装置3の外部に設けられていてもよい。
【0029】
なお
図2では、検針装置3に、検針値取得部307、差分判定部308及び警報部309を備えた場合を示した。しかしながら、これらの構成は検針装置3に必須の構成ではない。
【0030】
なお
図1では、検針システムにコントローラ2が設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、検針システムにコントローラ2が設けられていなくてもよい。この場合、通信メータ1は、通信線を介して検針装置3に直接接続される。そして、通信メータ1は、Modbus又はPLC等の通信により、例えば検針装置3からの取得要求に応じ、現在のメータ読み値を示すデータを当該検針装置3に
送信する。また、取得部302は、例えば通信メータ1に対してメータ読み値の取得要求(通信メータ1が複数の場合にはスキャン等)を行うことにより通信メータ1からデータを受信し、当該データが示すメータ読み値を取得する。
【0031】
次に、
図1,2に示す検針装置3による1つの通信メータ1に対する動作例について、
図3,4を参照しながら説明する。なお、メータ読み値の初期値及び生涯値の初期値は0である。
図1,2に示す検針装置3の動作例では、
図3に示すように、まず、取得部302は、通信メータ1のメータ読み値を取得する(ステップST301)。この際、取得部302は、例えばコントローラ2に対して所定周期(例えば1時間周期)でメータ読み値の取得要求を行うことによりコントローラ2からデータを受信し、当該データが示すメータ読み値を取得する。
【0032】
次いで、生涯値算出部304は、取得部302による取得結果に基づいて、生涯値を算出する(ステップST302)。この際、生涯値算出部304は、取得部302により取得された今回のメータ読み値の、取得部302により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する。より具体的には、生涯値算出部304は、取得部302により取得された今回のメータ読み値と取得部302により取得された前回のメータ読み値とを比較する。そして、生涯値算出部304は、今回のメータ読み値が前回のメータ読み値より大きいと判定した場合には、今回のメータ読み値から前回のメータ読み値を差し引いた値を、増加量として算出する。一方、生涯値算出部304は、今回のメータ読み値が前回のメータ読み値より小さいと判定した場合には、レンジの最大値から前回のメータ読み値を差し引いた値に、今回のメータ読み値を加算した値を、増加量として算出する。その後、生涯値算出部304は、算出した増加量を現在の生涯値に加算することで、生涯値を算出する。なお、生涯値算出部304は、例えば1時間毎に生涯値を算出する。
【0033】
なお、プリセット検出部303は、自機でのプリセットの有無を判定している。そして、生涯値算出部304は、プリセット検出部303によりプリセットがあったことが検出された場合には、当該プリセットがあった際の通信メータ1のメータ読み値をコントローラ2から取得し、当該メータ読み値とプリセット後のメータ読み値との差分値を、現在の生涯値に加算する。
【0034】
また、保持部301は、取得部302により取得されたメータ読み値を示すデータ、及び、生涯値算出部304により算出された生涯値を示すデータを、計量ポイントデータとして時系列に保持する。
【0035】
図5では、10:00及び11:00での計量ポイントデータを示している。
図5では、10:00の場合に、メータ読み値が9990であり、生涯値が9990であり、同値となっている。一方、11:00の場合には、メータ読み値が10となっており、ローテートが生じている。この場合、生涯値としては、9990から10への増加量である20が現在の生涯値(9990)に加算され、10010となる。また、増分値は20である。
【0036】
次いで、増分値算出部305は、生涯値算出部304による算出結果に基づいて、増分値を算出する(ステップST303)。この際、増分値算出部305は、生涯値算出部304により算出された今回の生涯値と生涯値算出部304により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する。なお、増分値算出部305は、生涯値を保持部301に保持されている計量ポイントデータから取得する。また、増分値算出部305は、例えば1時間毎に増分値を算出する。
図5では、増分値は、11:00での生涯値である10010から10:00での生涯値である9990を差し引いた値である20となる。
【0037】
なお、保持部301は、取得部302により取得されたメータ読み値を示すデータ、及び、増分値算出部305により算出された増分値を示すデータを、日報データとして時系列に保持する。
【0038】
次いで、使用量算出部306は、増分値算出部305による算出結果に基づいて、対象期間における使用量を算出する(ステップST304)。この際、使用量算出部306は、増分値算出部305により算出された増分値のうち、対象期間(例えば1か月間)における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する。なお、使用量算出部306は、増分値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0039】
次いで、検針値取得部307は、取得部302による取得結果に基づいて、検針値を取得する(ステップST305)。この際、検針値取得部307は、取得部302により取得された所定タイミング(例えば1か月周期)でのメータ読み値を、検針値として取得する。なお、検針値取得部307は、メータ読み値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0040】
なお、保持部301は、検針値取得部307により取得された検針値を示すデータ、及び、使用量算出部306により算出された使用量を示すデータを、検針データとして時系列に保持する。
【0041】
次いで、差分判定部308は、使用量算出部306により算出された対象期間における使用量が、当該対象期間に対応する、検針値取得部307により取得された今回の検針値と検針値取得部307により取得された前回の検針値との差分値に対し、差があるかを判定する(ステップST306)。例えば、差分判定部308は、1か月間での使用量が、今月の検針値と前月の検針値との差分値に対し、差があるかを判定する。なお、差分判定部308は、今回の検針値、前回の検針値及び使用量を保持部301に保持されている検針データから取得する。
【0042】
このステップST307において差分判定部308により差があると判定された場合には、警報部309は警報を出力する(ステップST307)。
一方、ステップST307において差分判定部308により差がないと判定された場合には、シーケンスは終了する。
【0043】
なお、表示部310は、差分判定部308で用いられた今回の検針値、前回の検針値及び使用量を示すデータを表示する。
【0044】
ここで、実施の形態1に係る検針装置3では、計量ポイントデータとして、メータ読み値を示すデータとは別に、生涯値を示すデータを保持する。また、この検針装置3では、ローテート又はプリセットがあった場合にも、生涯値には本来の増加量のみを加算する。また、この検針装置3では、例えば1時間毎に、メータ読み値を示すデータと、生涯値の差分から算出した増分値を示すデータとを、日報データとして保持する。なお、この検針装置3では、日報データを長期間保持する。
そして、この検針装置3では、今回の使用量を算出する場合、前回の検針のタイミングから今回の検針のタイミングまでの増分値を日報データから取得し、当該増分値の合計を今回の使用量とする。これにより、この検針装置3では、検針期間の間にローテート又はプリセットがあった場合でも正確な使用量を算出できる。
【0045】
また、この検針装置3では、日報データから今回の検針値及び前回の検針値を取得し、今回の検針値から前回の検針値を差し引いた値と今回の使用量とを比較して差があった場合に警報を出力する。これにより、この検針装置3は、検針期間の間にローテート又はプリセットがあった場合にその旨を外部に報知できる。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、検針装置3は、通信メータ1のメータ読み値を取得する取得部302と、取得部302により取得された今回のメータ読み値の、当該取得部302により取得された前回のメータ読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部304と、生涯値算出部304により算出された今回の生涯値と当該生涯値算出部304により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する増分値算出部305と、増分値算出部305により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、対象期間における使用量を算出する使用量算出部306とを備えた。これにより、実施の形態1に係る検針装置3は、対象期間の間にローテート又はプリセットがあった場合でも使用量を正確に算出可能となる。
【0047】
また、実施の形態1に係る検針装置3では、日報データを用いてメータ読み値及び増分値を取得している。これにより、この検針装置3では、従来のような月単位での使用量の算出に限らず、より細かい単位(例えば時間単位)での使用量の算出が可能となる。これにより、例えば昼と夜とで異なる顧客にテナントを貸すといった場合にも、それぞれの顧客に対して使用量を算出して課金請求を行うことが可能となる。また、この検針装置3では、日報データを用いてメータ読み値及び増分値を取得しているため、使用量の算出を事後に行うことが可能である。
また、この検針装置3では、日報データの保持期間に応じて、使用量を算出する対象期間を延ばすことができる。すなわち、検針装置3は、通常、1か月に1回の周期又は2か月に1回の周期で使用量を算出するが、例えば1年に1回の周期で使用量を算出することも可能である。
【0048】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 通信メータ
2 コントローラ
3 検針装置
301 保持部
302 取得部
303 プリセット検出部
304 生涯値算出部
305 増分値算出部
306 使用量算出部
307 検針値取得部
308 差分判定部
309 警報部
310 表示部