(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】太陽電池パネル
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20230523BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20230523BHJP
H01L 31/0747 20120101ALI20230523BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
H01L31/06 455
(21)【出願番号】P 2018153791
(22)【出願日】2018-08-20
【審査請求日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2017-0105559
(32)【優先日】2017-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522401774
【氏名又は名称】シャンラオ ジンコ ソーラー テクノロジー デベロップメント シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】デソン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョヤン ヤン
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-036029(JP,A)
【文献】特開2016-086169(JP,A)
【文献】特開2011-171722(JP,A)
【文献】特開2017-028292(JP,A)
【文献】特開2010-141206(JP,A)
【文献】特開2007-123848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0060615(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106784051(CN,A)
【文献】特開2012-119602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 31/18-31/20
H10K 30/50-30/57
H10K 39/00-39/18
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/40
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルであって、
第1太陽電池及び第2太陽電池を備える複数の太陽電池と、
前記複数の太陽電池のそれぞれは、第1方向に延長される、複数の第1電極及び複数の第2電極を備え、
前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記複数の太陽電池を電気的に接続する配線部と、を備えてなり、
前記配線部は、前記第1太陽電池の前記複数の第1電極に接続される第1配線を備え、
前記第1配線は、前記第1太陽電池の前記第2方向に、複数の第1部分の配線を備え、
前記複数の第1部分の配線は、互いに別の構造であり、前記第1太陽電池の上で第1接続部により互いに電気的に接続され、
前記第1接続部は、前記第1太陽電池の上に形成された第1パッド電極を備え、
前記複数の第1部分の配線は、前記第1パッド電極に
それぞれ接続され
ることで前記複数の第1部分が電気的に接続し、
前記第1方向で、前記第1パッド電極の幅は、前記第1電極内の前記複数の第1部分の配線それぞれの幅より大き
く、
前記複数の第1部分の配線は、前記第1パッド電極上で、前記第2方向で互いに離隔されて位置する、太陽電池パネル。
【請求項2】
前記複数の第1部分の配線は前記第1方向で互いに同じ位置に位置し、
前記第1太陽電池と前記第2太陽電池とは、前記第1配線と交差する方向に形成される配線を備えずに、互いに電気的に接続される、請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項3】
前記複数の第1部分の配線は、
前記第1太陽電池内に位置する第1内部配線と、
前記第1太陽電池の外部に延長される第1延長配線と、を備え、
前記第1太陽電池の前記第1配線は、前記第1太陽電池内に位置する一つの第1内部配線と、前記第1太陽電池の外部に延長される一つの第1延長配線と、を備え、
前記第1接続部は、前記第2方向で前記第1太陽電池の中央部分に位置する、請求項1又は2に記載の太陽電池パネル。
【請求項4】
前記複数の第1部分の配線は、
前記第1太陽電池内に位置する第1内部配線と、
前記第1太陽電池の外部に延長される第1延長配線と、を備え、
前記第2太陽電池は、前記第1方向で、前記第1太陽電池の前記第1配線と同じ位置に位置する第1配線を備え、
前記第2太陽電池の前記第1配線は、前記第2太陽電池の前記第2電極に電気的に接続される、請求項1~3の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【請求項5】
前記第1太陽電池の前記第1延長配線は、前記第2方向に長く延長され、前記第2太陽電池の前記第2電極に接続され、
前記第2太陽電池の前記第1配線は、
前記第2太陽電池内に位置する第1内部配線と、
前記第2太陽電池の外部に延長される第1延長配線と、を備え、
前記第1太陽電池の前記第1延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線は、前記第2方向に長く延長される単一の第1共通配線で構成される、請求項4に記載の太陽電池パネル。
【請求項6】
太陽電池パネルであって、
第1太陽電池及び第2太陽電池を備える複数の太陽電池と、
前記複数の太陽電池のそれぞれは、第1方向に延長される、複数の第1電極及び複数の第2電極を備え、
前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記複数の太陽電池を電気的に接続する配線部と、を備えてなり、
前記配線部は、前記第1太陽電池の前記複数の第1電極に接続される第1配線を備え、
前記第1配線は、前記第1太陽電池の前記第2方向に、複数の第1部分の配線を備え、
前記複数の第1部分の配線は、互いに別の構造であり、
前記複数の第1部分の配線の端部が前記第1太陽電池の上
で、かつ前記第2方向で前記第1太陽電池の中央部分に位置し、および、
前記複数の第1部分の配線が、前記中央部分に位置する第1接続部により互いに電気的に接続され、
前記複数の第1部分の配線は、
前記第1太陽電池内に位置する第1内部配線と、
前記第1太陽電池の外部に延長される第1延長配線と、を備え、
前記第1太陽電池の前記第1配線は、
前記第1太陽電池内に位置する一つの第1内部配線と、
前記第1太陽電池の外部に延長される一つの第1延長配線と、を備え
、
前記第1太陽電池の前記第1延長配線は、前記第2方向に長く延長され、前記第2太陽電池の前記第2電極に接続され、
前記第2太陽電池の前記第1配線は、
前記第2太陽電池内に位置する第1内部配線と、
前記第2太陽電池の外部に延長される第1延長配線と、を備え、
前記第1太陽電池の前記第1延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線は、前記第2方向に延長される単一の第1共通配線で構成され、
前記第1太陽電池及び前記第2太陽電池のそれぞれは、アライメントマークを備え、
前記第1太陽電池の前記アライメントマークは、前記第2太陽電池の前記アライメントマークと同じ形状を有し、
前記第1太陽電池及び前記第2太陽電池における同じ形状を有する前記アライメントマークは、前記第1太陽電池及び前記第2太陽電池と別の位置に位置し、
前記第1太陽電池と前記第2太陽電池とは原点対称で配置される、太陽電池パネル。
【請求項7】
前記第1接続部から前記複数の第1部分の配線を固定する固定部材を更に備え、
前記固定部材が絶縁性テープで構成される、請求項1~
6の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【請求項8】
前記配線部は、前記第1太陽電池の前記複数の第2電極に接続される第2配線を備え、
前記第2配線は、前記第1太陽電池の前記第2方向で、複数の第2部分の配線を備え、
前記複数の第2部分の配線は、互いに別の構造であり、前記第1太陽電池の上で第2接続部によって互いに電気的に接続され、
前記複数の第2部分の配線は、前記第1太陽電池において、
前記第1太陽電池内に位置する第2内部配線と、
前記第1太陽電池の外部に延長される第2延長配線と、を備え、
前記第1延長配線と前記第2内部配線とは、前記第1方向で交互に位置し、又は、
前記第2延長配線と前記第1内部配線とは、前記第1方向で交互に位置する、請求項3に記載の太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルに関し、さらに詳細には、構造を改善した太陽電池パネルに関する。
〔関連技術〕
本発明は、韓国特許出願第10-2017-0105559号(出願日:2017年8月21日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0002】
最近石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予測されながらこれらを取り替える代替エネルギーに対する関心が高くなり続いている。その中でも、太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換させる次世代電池として脚光を浴びている。
【0003】
このような太陽電池は、複数個が配線によって直列または並列に接続され、複数の太陽電池を保護するためのパッケージング(packaging)工程によって太陽電池パネルの形態で製造される。太陽電池パネルは、様々な環境で長期間発展をしなければならなので、長期信頼性が大きく要求される。ところで、温度の変化等により、複数の太陽電池を接続する配線の膨張と収縮が繰り返されると、付着力が弱い部分で配線が分離される問題が発生することができる。これにより、太陽電池パネルの出力が低下して不良率が高く、長期信頼性に優れないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高出力、低不良率及び優れた長期信頼性を有する太陽電池パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、その一の態様として以下の〔発明〕を提案する。
〔1〕
太陽電池パネルであって、
第1方向に延長される複数の第1電極及び第2電極をそれぞれ備えた第1太陽電池及び第2太陽電池を備える複数の太陽電池と、
前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記複数の太陽電池を電気的に接続する配線部を備えてなり、
前記配線部が前記第1太陽電池の前記複数の第1電極に接続される第1配線を備えてなり、
前記第1太陽電池の前記第2方向から前記第1配線が互いに別の構造を有してなり、前記第1太陽電池の上で第1接続部により、互いに電気的に接続される複数の第1部分の配線を備えてなる、太陽電池パネル。
〔2〕
前記複数の第1部分の配線が前記第1方向で互いに同じ位置に位置し、
前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池に前記第1配線と交差する方向に形成される配線を備えない、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔3〕
前記複数の第1部分の配線は、前記第1太陽電池内に位置する第1内部配線と、前記第1太陽電池の外部に延長される第1延長配線を備えてなり、
前記第1太陽電池の前記第1配線には、前記第1内部配線が一つ備えられ、前記第1延長配線が一つ備えられ、
前記第1接続部が前記第2方向から前記第1太陽電池の中央部分に位置する、〔1〕又は〔2〕に記載の太陽電池パネル。
〔4〕
前記複数の第1部分の配線は、前記第1太陽電池内に位置する第1内部配線と、前記第1太陽電池の外部に延長される第1延長配線を備えてなり、
前記第1方向に見るとき、前記第1太陽電池の前記第1配線と同じ位置に、前記第2太陽電池が、第1配線を備えてなり、
前記第2太陽電池の前記第1配線が前記第2太陽電池の前記第2電極に電気的に接続される、〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔5〕
前記第1太陽電池の前記第1延長配線が前記第2方向に長く延長され前記第2太陽電池の前記第2電極に接続され、
前記第2太陽電池の前記第1配線は、前記第2太陽電池内に位置する第1内部配線と、前記第2太陽電池の外部に延長される第1延長配線を備えてなり、
前記第2太陽電池の前記第1延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線が前記第2方向に長く延長される単一の第1共通配線で構成される、〔4〕に記載の太陽電池パネル。
〔6〕
前記第1太陽電池の前記第1延長配線が前記第2方向に長く延長され前記第2太陽電池の前記第2電極に接続され、
前記第2太陽電池の前記第1配線は、前記第2太陽電池内に位置する第1内部配線と、前記第2太陽電池の外部に延長される第1延長配線とを備えてなり、
前記第2太陽電池の前記第1延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線が前記第2方向に長く延長される単一の第1共通配線で構成されてなり、
前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池は、同じ形状を有するアライメントマークを備えてなり、
前記同じ形状を有するアライメントマークは、前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池が互いに別の位置に位置し、又は、前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池が原点対称された状態で配置される、〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔7〕
前記第1接続部が前記第1太陽電池に形成され前記複数の第1部分の配線が接続された第1パッド電極で構成されてなり、又は、
前記複数の第1部分の配線が、前記第1接続部で互いに重畳されて電気的に接続される、〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔8〕
前記第1方向で前記第1パッド電極の幅が前記第1配線部分の幅より大きく、前記複数の第1部分の配線が前記第1パッド電極上で互いに離隔して位置し、又は、
前記第1太陽電池が、半導体基板と、前記半導体基板に形成される前記第1電極と前記第2電極を備えてなり、
前記第1パッド電極が前記半導体基板と離隔されるフローティング電極で構成される、〔7〕に記載の太陽電池パネル。
〔9〕
前記第1接続部から前記複数の第1部分の配線を固定する固定部材を更に備えてなり、
前記固定部材が絶縁性テープで構成される、〔1〕~〔8〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔10〕
前記配線部が前記第1太陽電池の前記複数の第2電極に接続される第2配線を備えてなり、
前記第1太陽電池の前記第2方向で前記第2配線が互いに別の構造を有してなり、前記第1太陽電池の上で第2接続部によって互いに電気的に接続される複数の第2部分の配線を備えてなり、
前記第1太陽電池において、前記複数の第2部分の配線は、前記第1太陽電池内に位置する第2内部配線と、前記第1太陽電池の外部に延長される第2延長配線を備えてなり、
前記第1方向で前記第1延長配線と前記第2内部配線が互いに交互して位置し、又は、前記第2延長配線と前記第1内部配線が互いに交互して位置する、〔1〕~〔9〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔本発明の一の態様〕
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルは、第1方向に延長される複数の第1及び第2電極をそれぞれ含む第1及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池と、前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記複数の太陽電池を電気的に接続する配線部を含む。前記配線部が前記第1太陽電池の前記複数の第1電極に接続される第1配線を含む。前記第1太陽電池の前記第2方向で前記第1配線が互いに別の構造を有するが、前記第1太陽電池の上で第1接続部により、互いに電気的に接続される複数の第1部分の配線を含む。
【発明の効果】
【0006】
本実施の形態に係ると、相対的に短い長さを有する複数の部分配線で構成された配線材を使用して、太陽電池パネルの出力の低下及び不良を防止することができ、長期信頼性を向上することができる。そして隣接した第1及び第2太陽電池の電極及び接続部の配置を互いに異なるようにすることにより、互いに異なる極性の電極を接続する配線材の構造を単純化することができる。特に、隣接する第1及び第2太陽電池において、互いに異なる電極を共通配線で一緒に接続すると、接続構造を単純化し、第1及び第2太陽電池との間の間隔を短くすることができる。これによれば、太陽電池パネルの効率を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図である。
【
図2】
図1に示した太陽電池パネルに含まれた太陽電池の一例を示す断面図である。
【
図3】
図1に示した太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池、配線材、絶縁部材及びの接続部材を概略的に示した後面平面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿った太陽電池パネルの断面図である。
【
図5】本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルの概略的な部分後面平面図である。
【
図6】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルの部分断面図である。
【
図7】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を概略的に示した後面平面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線に沿った太陽電池パネルの断面図である。
【
図9】本発明の一変形例に係る太陽電池パネルの断面図である。
【
図10】本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を概略的に示した後面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下においては、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0009】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0010】
そして、明細書全体においてどのような部分が他の部分を“含む(備える)”とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あるとする時、これは他の部分“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分“真上に”あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。そして「第1」、「第2」などの表現は、互いの間の区別をするために使用したものだけであり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0011】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図であり、
図2は、
図1に示した太陽電池パネルに含まれた太陽電池の一例を示す断面図である。参照として、
図2は
図3のII-II線に沿った太陽電池の断面図である。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池10と、複数の太陽電池10を電気的に接続する配線部20を含む。そして、太陽電池パネル100は、太陽電池10と配線部20を囲んで密封するシール材44と、シール材44の上で太陽電池10の前面に位置する前面部材42aと、シール材44の上で太陽電池10の後面に位置する後面部材42bを含む。これをさらに詳細に説明する。このとき、太陽電池10は、半導体基板110と、半導体基板110の一面(一例として、後面)に位置する第1及び第2電極(142、144)を含むことができる。これについては今後
図2を参照して、詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態において、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池10を備え、複数の太陽電池10は、配線部20によって電気的に直列、並列または直並列に接続ことができる。
【0015】
具体的に、配線部20は、少なくとも一部が各太陽電池10の第1及び第2電極(142、144)と重畳されて、第1及び第2電極(142、144)に接続される配線材22を含むことができる。配線材22によって、複数の太陽電池10が一方向(図のx軸方向)に接続されて一つの列(つまり、太陽電池ストリング)を形成することができる。そして、配線部20は、太陽電池ストリングの両端に位置し、これをまた他の太陽電池ストリングまたはジャンクションボックス(図示せず)に接続するバスバー配線26をさらに含むことができる。
【0016】
配線材22またはバスバー配線26は、それぞれ導電性物質(一例として、金属物質)を含むことができる。一例として、配線材22またはバスバー配線26が、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)の内、いずれか一つを含む導電性コアと、コアの表面上に位置し、スズ(Sn)またはスズ(Sn)を含む合金を含む導電性コーティング層を含むことができる。一例として、コアは、銅(Cu)で形成されることができ、導電性コーティング層は、スズ(Sn)を含む合金であるSnBiAgで形成されることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、配線材22またはバスバー配線26の物質、形状、接続構造などは多様に変形することができる。
【0017】
シール材44は、配線部20によって接続された太陽電池10の前面に位置する第1シール材44aと、太陽電池10の後面に位置する第2シール材44bを含むことができる。第1シール材44aと第2シール材44bは、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材44a、44bは、透光性及び接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材44aと第2シール材44bでエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などが使用されることができる。第1及び第2シール材44a、44bを用いたラミネート工程等により、後面部材42b、第2シール材44b、太陽電池10、配線部20、第1シール材44a、前面部材42aが一体化されて、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0018】
前面部材42aは、第1シール材44a上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、後面部材42bは、第2シール材44b上に位置して太陽電池パネル100の後面を構成する。前面部材42aと後面部材42bは、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池10を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。そして、前面部材42aは、光が透過することができる透光性物質で構成され、後面部材42bは、透光性物質、非透光性物質、または反射物質などで構成されるシートで構成されることができる。一例として、前面部材42aが、ガラス基板などで構成することができ、後面部材42bがフィルムまたはシートなどで構成されることができる。後面部材42bは、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有するか、またはベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride;PVDF)樹脂層を含むことができる。
【0019】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2シール材(44a、44b)、前面部材42a、または後面部材42bが、前述した説明以外の様々な物質を含むことがあり、様々な形態を有することができる。例えば、前面部材42aまたは後面部材42bが、様々な形態(例えば、基板、フィルム、シートなど)または物質を有することができる。
【0020】
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100に含まれる太陽電池10の一例をさらに詳細に説明する。
【0021】
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池10は、半導体基板110を含む光電変換部と、光電変換部に接続される第1及び第2電極(142、144)を含む。ここで、第1及び第2電極(142、144)は、互いに平行に形成された部分を含むことができるが、本実施の形態においては、互いに反対の極性のキャリアを収集する第1電極142及び第2電極144が光電変換部の一面(一例として、後面)に一緒に位置しながら互いに平行に形成されることができる。このように、太陽電池10が後面電極構造を有することができる。
【0022】
本実施の形態において光電変換部は、半導体基板110と、半導体基板110に、または半導体基板110上に位置する導電型領域(132、134)を含むことができる。本実施の形態においては、互いに反対の極性のキャリアに関与する第1導電型領域132と第2導電型領域134が、半導体基板110の一面(一例として、後面)側に一緒に位置することができる。このとき、第1及び第2導電型領域(132、134)が制御パッシベーション膜120を間に置いて、半導体基板110とは別に位置したことを例示した。
【0023】
一例として、半導体基板110は、第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体(例えば、単結晶または多結晶半導体、一例として、単結晶または多結晶シリコンウェハ、特に単結晶シリコンウエハ)で構成されたベース領域112を含むことができる。このように結晶性が高く、欠陥の少ないベース領域112または半導体基板110をベースとした太陽電池10は、電気的特性が優れる。半導体基板110の前面には、ベース領域112と同じ導電型を有し、ベース領域112より高いドーピング濃度を有する前面電界領域114が位置することができる。そして、半導体基板110の前面には、反射を防止するための反射防止構造(一例として、半導体基板110の111面で構成されたピラミッド形状のテクスチャリング構造)を備えることができ、半導体基板110の後面は、鏡面研磨された面で構成されて、前面より表面粗さが小さいことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0024】
制御パッシベーション膜120は、酸化膜、シリコンを含む誘電膜または絶縁膜、窒化酸化膜、炭化酸化膜などで成り得る。一例として、制御パッシベーション膜120がシリコン酸化膜で有り得る。
【0025】
第1及び第2導電型領域(132、134)は、非晶質半導体、微結晶半導体、または多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微結晶シリコン、または多結晶シリコン)などに第1または第2導電型ドーパントがドーピングされて形成されることができる。特に、第1及び第2導電型領域(132、134)が多結晶半導体を有すると、高いキャリア移動度を有することができる。例えば、第1または第2導電型ドーパントがp型である場合には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。第1または第2導電型ドーパントがn型である場合には、りん(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。一例として、第1及び第2導電型ドーパントの内、一つがボロン(B)であり、他の一つは、りん(P)で有り得る。
【0026】
このとき、第1導電型領域132の面積(一例として、幅)が第2導電型領域134の面積(一例として、幅)より大きくなることができる。これによれば、エミッタ領域で機能する第1導電型領域132が後面電界領域で機能する第2導電型領域134より広い面積を有してて光電変換に有利で有り得る。本実施の形態では、第1及び第2導電型領域(132、134)が同じ平面に位置する半導体層130に一緒に位置し、第1及び第2導電型領域(132、134)の間にドーピングされない真性半導体で構成されたバリア領域136が備えられることができる。
【0027】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって制御パッシベーション膜120を備えないことがある。または、第1及び第2導電型領域(132、134)の内、少なくとも一つが、半導体基板110の一部にドーパントがドーピングされて形成され半導体基板110の一部を構成するドーピング領域で構成することもできる。そしてバリア領域136を備えないか、バリア領域136が、半導体物質意外の他の物質または空の空間で構成されることができる。その他の様々な変形が可能である。
【0028】
そして、半導体基板110の前面上(さらに正確には、半導体基板110の前面に形成された前面電界領域114の上)に、前面パッシベーション膜124及び/又は反射防止膜126が全体的に位置することができる。後面パッシベーション膜140が、コンタクトホール140aを除外し、半導体層130の後面の上に全体的に位置することができる。一例として、前面パッシベーション膜124、反射防止膜126または後面パッシベーション膜140は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、シリコン炭化膜、MgF2、ZnS、TiO2とCeO2からなる群から選択されたいずれか1つの単一膜または2つ以上の膜を組み合わせた多層膜構造を有することができる。
【0029】
そして、第1電極142は、コンタクトホール140aを介して第1導電型領域132に電気的に接続(一例として、接触)され、第2電極144がコンタクトホール140aを介して第2導電型領域134に電気的に接続(一例として、接触)することができる。第1電極142及び第2電極144は、伝導性物質(一例として、金属)で構成されることができる。本実施の形態において、太陽電池10は、パッド電極(224a、
図3の参照符号224b)をさらに含むことができるが、これについては今後の
図3及び
図4を参照してさらに詳細に説明する。
【0030】
このような太陽電池10は、配線材22を含む配線部20によって、他の太陽電池10と電気的に接続される。以下においては、
図3及び
図4を参照して、太陽電池10と配線部20の構造をさらに詳細に説明する。
【0031】
図3は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれる2つの太陽電池10、配線材22、絶縁部材34及び接続部材32を概略的に示した後面平面図であり、
図4は、
図3のIV-IV線に沿った太陽電池パネル100の断面図である。明確な区別のために以下では、互いに隣接する二つの太陽電池10を第1太陽電池10a及び第2太陽電池10bと称する。
【0032】
図1~
図4を参照すると、第1太陽電池10aの第1電極142と第2太陽電池10bの第2電極144は、複数個の配線材22によって接続することができる。
【0033】
さらに具体的に、第1及び第2太陽電池(10a、10b)のそれぞれにおいて、第1電極142は、第1方向(図面のy軸方向)に長く続く複数の第1電極142を含み、第2電極144は、第1方向に長く続く複数の第2電極144を含む。そして、第1方向と交差する第2方向(図面のx軸方向)で、第1電極142と第2電極144が互いに交互して位置することができる。
【0034】
このとき、第1及び第2導電型領域(132、134)は、それぞれ、第1電極142及び第2電極144に対応する形状を有することができる。これにより、第1導電型領域132が、複数の第1電極142に対応するように、第1方向に長く続く複数の部分を備えることができる。そして第2導電型領域134が、複数の第2電極144に対応するように、第1方向に長く続く複数の部分を備えることができる。ただし、第1及び第2導電型領域(132、134)が、第1及び第2電極(142、144)より大きい幅を有することができる。そして、第1導電型領域132と第2導電型領域134との間には、バリア領域136が位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2導電型領域(132、134)が、第1及び第2電極(142、144)と、他の形状を有することもできる。
【0035】
このとき、各配線材22は、第1及び第2太陽電池(10a、10b)のそれぞれにおいて、第1及び第2電極(142、144)の内、いずれか一つに接続される第1配線22aと第1及び第2電極(142、144)の内、いずれか一つに接続される第2配線22bを含むことができる。
【0036】
本明細書においては、第1及び第2太陽電池(10a、10b)において第1方向で同じ位置(一例として、第1位置(P1))に位置する配線材22を第1配線22aとし、第1方向で第1位置(P1)と、別の位置(一例として、第2位置(P2))に位置する配線材22を第2配線22bに称することができる。各太陽電池10からの第1及び第2配線(22a、22b)の内、いずれか一つが、各太陽電池10に備えられた第1電極142に接続部材32を介して電気的に接続され、第2電極144に絶縁部材34を介して絶縁され、第1及び第2配線(22a、22b)の内、他の一つが第2電極144と接続部材32を介して電気的に接続され、第1電極142に絶縁部材34によって絶縁されることができる。そして、各太陽電池10において第1方向で見るとき、複数の第1配線22aと、複数の第2配線22bが互いに交互して位置することができる。それでは、複数の第1及び第2配線(22a、22b)が均一な間隔を有しながら、第1及び第2電極(142、144)に接続され、キャリアを効果的に伝達することができる。
【0037】
接続部材32は、様々な導電性物質を含み、絶縁部材34は、様々な絶縁物質を含むことができる。例えば、接続部材32は、第1及び第2電極(142、144)、及び/または配線材22に含まれる物質を含む物質、またはこれらの混合物で形成することができる。一例として、接続部材32は、配線材22を第1または第2電極(142、144)の上に置いて熱を加える工程等により第1及び第2電極(142、144)、及び/又は配線材22の物質を含むことができる。または、接続部材32がソルダーペースト層、エポキシソルダーペースト層などを含むことができる。一例として、接続部材32が低温ソルダーペースト層と高温ソルダーペースト層を一緒に含むことができる。そして絶縁部材34は、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンなどを含むことができる。
【0038】
本実施の形態において、第1太陽電池10aから第1配線22aが複数の第1電極142に重畳されて、これらと接続されるように第2方向に長く続きながら形成することができる。そして、第1太陽電池10aから第2配線22bが複数の第2電極144に重畳されて、これらと接続されるように第2方向に長く続きながら形成することができる。このとき、第1太陽電池10aから第1配線22aは、第2方向での第1太陽電池10aの一側(
図3及び
図4の右側)に延長され、第1太陽電池10aの一側(
図3及び
図4の右側)に位置した第2太陽電池10bに電気的に接続され、第2配線22bは、第2方向での第1太陽電池10aの他側(
図3及び
図4の左側)に延長され、第1太陽電池10aの他側(
図3及び
図4の左側)に位置した太陽電池10(すなわち、第3太陽電池)に電気的に接続することができる。
【0039】
これにより、第1太陽電池10aにおいて、第1配線22aと、複数の第1電極142が重畳された部分で、これらの間に接続部材32が位置し、第1配線22aと、複数の第2電極144が、重畳される部分で、これらの間に絶縁部材34が位置することができる。そして、第1太陽電池10aにおいて、第2配線22bと、複数の第2電極144が重畳された部分において、これらの間に接続部材32が位置し、第2配線22bと、複数の第1電極142が、重畳される部分で、これらの間に絶縁部材34が位置することができる。
【0040】
このとき、第1太陽電池10aの第2方向で第1配線22aが互いに別の構造を有すが、第1太陽電池10a上で第1接続部(CP1)によって互いに電気的に接続される複数の第1部分配線(221a、222a)を含むことができる。各第1配線22aに含まれる複数の第1部分配線(221a、222a)は、第1方向で同じ位置に位置して第2方向に延長される形状を有することができる。それでは、第1配線22aを構成する第1部分配線(221a、222a)それぞれの長さを減らすことができ、第1配線22a又はこれらの構成する第1部分配線(221a、222a)の長さが大きいときに発生することができる問題を防止することができる。
【0041】
これをさらに具体的に説明すると、太陽電池パネル100が位置した環境で温度が変化すると、配線材22(すなわち、第1及び第2配線(22a、22b))の膨張及び収縮が繰り返さされる。このとき、配線材22の膨張と収縮により配線材22が、太陽電池10から分離されたり、配線材22が損傷したり、破れるなどの問題が発生することができる。このような問題は、配線材22の長さが大きくなるほどさらに深刻に示されることがある。このような問題が発生すると、太陽電池パネル100が不良で判別することができ、出力が低下することができる。特に、本実施の形態のように、第1及び第2電極(142、144)と配線材22が、太陽電池10の一面のみに位置する構造では、配線材22の膨張と収縮による問題がさらに深刻に示されることができる。
【0042】
これを考慮して、本実施の形態においては、相対的に短い長さを有する複数の第1部分配線(221a、222a)で構成された第1配線22aを使用して配線材22の膨張及び収縮による問題を防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の出力の低下及び不良を防止することができ、長期的な信頼性を向上することができる。
【0043】
ここで、複数の第1部分配線(221a、222a)は、第1太陽電池10a内でのみ位置する少なくとも一つの第1内部配線221aと、第1内部配線221aと電気的接続されながら、これから第1太陽電池10aの一側(
図3及び
図4の右側)の外部に延長される第1延長配線222aを含むことができる。
【0044】
一例として、第1太陽電池10aにおいて一つの第1配線22aに基づいて見ると、第1内部配線221aが一つ備えられ、第1延長配線222aが一つ備えられ、第1太陽電池10a内に第1内部配線221aと第2延長配線222aが接続される一つの第1接続部(CP1)が一つ位置することができる。それでは、複数の第1部分配線(221a、222a)の数を最小化することができ、第1配線22aの付着工程を単純化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。第1太陽電池10aにおいて第1内部配線221aが二つ以上備えることができ、この場合に、第1接続部(CP1)の数は、第1内部配線221aの数と同じで有り得る。この場合に、第1内部配線221aの長さ及び第1接続部(CP1)の間隔は、互いに均一することもあり、互いに異なることもある。
【0045】
このとき、第1接続部(CP1)が第2方向で第1太陽電池10aの中央部分に位置することができる。それでは、第1太陽電池10a内で第1内部配線221aと第1延長配線222aが対称的に位置して熱的ストレスによる問題を最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1接続部(CP1)が第1太陽電池10aの中央部分ではなく、他の部分に位置することもできる。
【0046】
図では、複数の第1配線22aがそれぞれ複数の第1部分配線(221a、222a)を備えることを例示した。これによれば、複数の第1部分配線(221a、222a)による効果を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、複数の第1配線22aの内、少なくとも一つだけ複数の第1部分配線(221a、222a)を備えることもできる。そして、複数の第1配線22aの第1接続部(CP1)が同じ位置に位置することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1接続部(CP1)の位置が互いに異なる少なくとも2つ以上の第1配線22aが備えられることができる。
【0047】
本実施の形態においては、第1接続部(CP1)が第1太陽電池10aに形成された第1パッド電極224aで有リ得る。すなわち、第1パッド電極224aに複数の第1部分配線(221a、222a)がそれぞれ電気的に接続されることにより、複数の第1部分配線(221a、222a)が互いに電気的に接続することがある。
図3及び
図4においては、複数の第1部分配線(221a、222a)の一部が、第1パッド電極224aと重畳されることを例示した。このとき、
図4に示すように、複数の第1部分配線(221a、222a)の一部と第1パッド電極224aとの間に接続部材32が位置して、これらが互いに電気的及び物理的に接続することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、別の接続部材32なくてはんだ付け工程を用いて、第1部分配線(221a、222a)及び/または第1パッド電極224aを溶融して、これらを互に接続することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0048】
このとき、第1パッド電極224aは、絶縁膜(つまり、後面パッシベーション膜140)の上に位置して半導体基板110と、第1及び第2導電型領域(132、134)と離隔されて複数の第1部分配線(221a、222a)だけを接続するフローティング電極(floating electrode)で有り得る。これにより、第1及び第2導電型領域(132、134)の設計を変形することなく、所望しないシャントなどの問題を効果的に防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1パッド電極224aが絶縁膜を貫通して第1導電型領域132に接続することもできる。それでは、第1パッド電極224aを第1電極142と一緒に形成して工程を単純化することができる。または、第1パッド電極224aが第1電極142から延長されて形成された電極で有り得る。その他の様々な変形が可能である。
【0049】
第1パッド電極224aは、伝導性を有する様々な物質(一例として、金属)で構成されることができる。第1パッド電極224aは、第1及び/または第2電極(142、144)と同一の物質で構成されることもあり、互いに異なる物質で構成することもできる。
【0050】
図では、安定した接続をするために、第1方向での第1パッド電極224aの幅が第1配線22a(すなわち、複数の第1部分配線(221a、222a))の幅より大きいことを例示した。そして、第1パッド電極224aの上で複数の第1部分配線(221a、222a)が互いに離隔して位置して、複数の第1部分配線(221a、222a)の長さを最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1方向での第1パッド電極224aの幅が第1配線22a(すなわち、複数の第1部分配線(221a、222a))の幅と同じか、それより小さいことができる。そして、第1パッド電極224aの上で複数の第1部分配線(221a、222a)が互いに接続されたり、互いに重畳することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0051】
これと類似に、第1太陽電池10aの第2方向で第2配線(22a)が互いに別の構造を有するが、第1太陽電池10a上で第2接続部(CP2)によって互いに電気的に接続される複数の第2部分配線(221b、222b)を含むことができる。各第2配線22bに含まれる複数の第2部分配線(221b、222b)は、第1方向で同じ位置に位置して第2方向に延長される形状を有することができる。それでは、第2配線22bを構成する第2部分配線(221b、222b)の長さを減らすことができ、第2配線22bまたはこれを構成する第2部分配線(221b、222b)の長さが大きいとき発生することができる問題を防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の出力の低下及び不良を防止することができ、長期的な信頼性を向上することができる。
【0052】
ここで、複数の第2部分配線(221b、222b)は、第1太陽電池10a内でのみ位置する少なくとも一つの第2内部配線221bと、第2内部配線221bと電気的に接続されながら、これから第1太陽電池10aの他側(
図3及び
図4の左側)の外部に延長される第2延長配線222bを含むことができる。
【0053】
一例として、第1太陽電池10aで一つの第2配線22bに基づいて見ると、第2内部配線221bが一つ備えられ、第2延長配線222bが一つ備えられ、第1太陽電池10a内に第2内部配線221bと第2延長配線222aが接続される一つの第2接続部(CP2)が一つ位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。第1太陽電池10aで第2内部配線221bが二つ以上備えることができ、この場合に、第2接続部(CP2)の数は、第2内部配線221bの数と同じであることがある。この場合に、第2内部配線221bの長さ及び第2接続部(CP2)の間隔は、互いに均一することもあり、互いに異なることもある。
【0054】
このとき、第2接続部(CP2)が、第2方向で太陽電池10aの中央部分に位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2接続部(CP2)が、第1太陽電池10aの中央部分ではなく、他の部分に位置することもできる。
【0055】
図においては、複数の第2配線22bがそれぞれ複数の第2部分配線(221b、222b)を備えることを例示した。これによれば、複数の第2部分配線(221b、222b)による効果を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、複数の第2配線22bの内、少なくとも一つだけ複数の第2部分配線(221b、222b)を備えることもできる。そして、複数の第2配線22bの第2接続部(CP2)が同じ位置に位置することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2接続部(CP2)の位置が互いに異なる少なくとも2つ以上の第2配線22bが備えられることができる。
【0056】
本実施の形態においては、第2接続部(CP2)が、第1太陽電池10aに形成された第2パッド電極224bで有り得る。つまり、第2パッド電極224bに複数の第2部分配線(221b、222b)がそれぞれ電気的に接続されることにより、複数の第2部分配線(221b、222b)が互いに電気的に接続することができる。
図3及び
図4においては、複数の第2部分配線(221b、222b)の一部が、第2パッド電極224bと重畳されることを例示した。これらの間に接続部材32が位置して、これらが互いに電気的及び物理的に接続することもでき、または別の接続部材32なくてはんだ付け工程を用いて、第2部分配線(221b、222b)及び/または第2パッド電極224bを溶融して、これらを互に接続することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0057】
このとき、第2パッド電極224bは、絶縁膜(つまり、後面パッシベーション膜140)の上に位置して、第1及び第2導電型領域(132、134)と離隔され、複数の第2部分配線(221b、222b)だけを接続するフローティング電極で有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2パッド電極224bが絶縁膜を貫通して第2導電型領域134に接続することもできる。それでは、第2パッド電極224bを第2電極144と一緒に形成して工程を単純化することができる。
【0058】
第2パッド電極224bは、伝導性を有する様々な物質(一例として、金属)で構成されることができる。第2パッド電極224bは、第1及び/または第2電極(142、144)、それと第1パッド電極224aと同一の物質で構成されることもあり、互いに異なる物質で構成することもできる。
【0059】
図3においては安定した接続のために、第1方向での第2パッド電極224bの幅が第2配線22b(すなわち、複数の第2部分配線(221b、222b))の幅より大きいことを例示した。そして第2パッド電極224bの上で、複数の第2部分配線(221b、222b)が互いに離隔して位置して、複数の第2部分配線(221b、222b)の長さを最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1方向での第2パッド電極224bの幅が第2配線22b(すなわち、複数の第2部分配線(221b、222b))の幅と同じか、それより小さいことができる。そして第2パッド電極224bの上で、複数の第2部分配線(221b、222b)が互いに接続されたり、互いに重畳することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0060】
前述したように、第1方向で第1配線22aと第2配線22bが交互して位置することができる。さらに具体的には、第2方向での第1太陽電池10aの一側(一例として、
図3の右側)付近では、第1方向に見るとき、第1延長配線222aと第2内部配線221bが交互して配置することができ、この他の付近では、第1方向に見るときに、第1内部配線221aと第2延長配線222bが交互して配置することができる。そして、第1パッド電極424aと第2パッド電極424bが第1方向に見るとき、互いに交互して位置することができる。これにより、第2方向に見るとき、第1太陽電池10aの両側に位置する第2太陽電池10b及び第3太陽電池を電気的に直列接続することができる。
図3では、第1パッド電極424aと第2パッド電極424bが第2方向から見るとき、互いに同じ位置に位置したことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0061】
本実施の形態において、第1太陽電池10aの一側に隣接して位置する第2太陽電池10bは、第1及び第2配線(22a、22b)、第1及び第2電極(142、144)と、第1及び第2接続部(CP1、CP2)の接続構造が第1太陽電池10aとは異なることがある。接続構造以外には第1及び第2配線(22a、22b)、第1及び第2電極(142、144)、及び第1及び第2接続部(CP1、CP2)の前述した説明がそのまま適用されることができる。
【0062】
さらに具体的に、第2太陽電池10bでは、第1配線22aが第2電極144に電気的に接続され、第2配線22bが第1電極142に電気的に接続される。そして、第1太陽電池10aとは逆に、第2太陽電池10bでは、第1内部配線221aが第2太陽電池10bの一側(
図3及び
図4の右側)に位置し、第1延長配線222aが第2太陽電池10bの他側(
図3及び
図4の左側)に延長されることができる。第1太陽電池10aとは逆に、第2太陽電池10bでは、第2内部配線221bが第2太陽電池10bの他側に位置し、第2延長配線222bが第2太陽電池10bの一側に延長されることができる。これにより、第2太陽電池10bの一側(一例として、
図3の右側)付近では、第1方向に見るとき、第1内部配線221aと第2延長配線222bが交互して位置することができ、 これと他の部分では、第1方向に見うとき、第1延長配線222aと第2内部配線221bが交互して位置することができる。そして第2太陽電池10bの第1方向で第1配線22aと第2配線22bが交互して位置するが、第1太陽電池10aと反対されるように交互することができる。すなわち、第1方向に見るとき、第1太陽電池10aでは、第1接続部(CP1)、第2接続部(CP2)の順に繰り返して交互すると、第2太陽電池10bでは、第2接続部(CP2)、第1接続部(CP1)の順序が繰り返して交互する。
【0063】
このように、第1及び第2配線(22a、22b)のそれぞれが、第1及び第2太陽電池(10a、10b)で互いに異なる極性の電極(142、144)を接続すれば、第1太陽電池10aの第1配線22aと第2太陽電池10bの第1配線22aを接続することにより、第1太陽電池10aの第1電極142と第2太陽電池10bの第2電極144を電気的に接続することができる。そして第2太陽電池10aの第2配線22bとその他側(
図3の左側)に位置する他の太陽電池10(第3太陽電池)に位置する第2配線22bを接続することにより、第1太陽電池10aの第2電極144と第3太陽電池10bの第1電極を電気的に接続することができる。そして第2太陽電池10aの第2配線22bとその一側(
図3の右側)に位置する他の太陽電池10(第4太陽電池)に位置する第2配線22bを接続することにより、第2太陽電池10bの第1電極142と第4太陽電池の第2電極を電気的に接続することができる。つまり、隣接した二つの太陽電池10から第1方向に同じ第1位置(P1)に位置する第1配線22aを互いに接続し、第1方向に同じ第2位置(P2)に位置する第2配線22bを互に接続することにより、易しく簡単な構造で、複数の太陽電池10を電気的に接続することができる。
【0064】
一例として、第1方向で同じ位置に位置した第1太陽電池10aの第1延長配線222aと第2太陽電池10bの第1延長配線222aは、第2方向に長く延長される単一の構造を有する単一の第1共通配線(CW1)で構成されることができる。このような第1共通配線(CW1)は、第1太陽電池10aの第1接続部(CP1)から第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの間を通って第2太陽電池10bの第2接続部(CP2)まで延長されて形成されることができる。このとき、第1共通配線(CW1)は、第1太陽電池10aでにおいては、第1電極142に接続されて第2太陽電池10bにおいては、第2電極144に接続される。これによれば、第1及び第2太陽電池(10a、10b)から見るとき、複数の第1部分配線(221a、222a)で構成される第1配線22aの総個数を減らすことができ、付着工程を単純化することができる。
【0065】
これと類似に、第1方向で同じ位置に位置した第1太陽電池10aの第2延長配線222bとこれの他側(
図3の左側)に位置する第3太陽電池の第2延長配線222bは、第2方向に長く延長される単一の構造を有する単一の第2共通配線(CW2)で構成されることができる。このような第2共通配線(CW2)は、第1太陽電池10aの第2接続部(CP2)から第1太陽電池10aと第3太陽電池の間を通って第3太陽電池の第2接続部まで延長されて形成されることができる。このとき、第2共通配線(CW2)は、第1太陽電池10bにおいてはは、第2電極144に接続され、第3太陽電池では、第1電極に接続される。
【0066】
これと同様に、第1方向で同じ位置に位置する第2太陽電池10bの第2延長配線222bとこれの一側(
図3の右側)に位置する第4太陽電池の第2延長配線222bは、第2方向に長く延長される単一の構造を有する単一の第2共通配線(CW2)で構成されることができる。このような第2共通配線(CW2)は、第2太陽電池10bの第1接続部(CP1)から第2太陽電池10aと第4太陽電池の間を通って第4太陽電池の第2接続部まで延長されて形成されることができる。このとき、第2共通配線(CW2)は、第2太陽電池10bにおいては、第1電極142に接続され、第4太陽電池では、第2電極に接続される。
【0067】
反面、太陽電池10から第1配線がそれぞれ第1電極142にのみ接続され第2配線がそれぞれ第2電極144のみ接続される場合には、第1方向から別の位置に位置する第1太陽電池10aの第1配線と第2太陽電池10bの第2配線を接続するための別途の配線、または構造などが必要である。例えば、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの間に第1及び第2配線(22a、22b)と交差する方向に形成される配線(例えば、
図10の接続配線24)などが必要である。
【0068】
実施の形態においては、前述した別の配線、または構造または第1及び第2配線(22a、22b)と交差する方向に形成される配線等を除去することができ、配線部20の付着工程、材料コストなどを削減することができる。また、第1太陽電池10aと第2太陽電池10b間の間隔を短くすることができ、太陽電池パネル100の効率を向上することができる。そして、複数の第1及び第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)の端部が太陽電池10の端から離れて離隔された部分(例えば、中央部分に位置し)、これらが細かく位置した接続部材32によって固定されるので、複数の第1及び第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)の固定安定性が増加することができる。
【0069】
このとき、本実施の形態においては、同一の太陽電池10を複数に製造した後、一つはそのまま位置させて、第1太陽電池10aとして使用し、それに隣接した他の一つは、180度回転させて第2太陽電池10bで使用することができる。すなわち、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが原点対称された状態で位置することができる。このような一対の第1及び第2太陽電池(10a、10b)が繰り返し位置して、複数の太陽電池10で構成された太陽電池ストリングが形成されることができる。
【0070】
これにより、同一の形状を有するアラインマーク(50a、50b)が第1太陽電池10aと第2太陽電池10bで互いに別の場所に位置することができる。例えば、第1太陽電池10aにおいては、第1アラインマーク50aが
図3の上部左側に位置し、第2アラインマーク50bが、
図3の下部右側に位置するものの、第2太陽電池10bにおいては、第1アラインマーク50aが
図3の下部右側に位置し、第2アラインマーク10aが
図3の上部左側に位置することができる。アラインマーク(50a、50b)によって第1及び第2太陽電池(10a、10b)の内、いずれか一つはそのまま位置させ、他の一つは、180度回転させて配置したことが分かる。それでは、複数の太陽電池10を同じ工程で製造して適用することができ、第1または第2共通配線(CW1、CW2)を適用することができるので、製造工程を単純化することができる。
【0071】
本実施の形態に係ると、相対的に短い長さを有する複数の部分配線(221a、222a)(221b、222b)で構成された配線材22を使用して配線材22の膨張及び収縮による問題を防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の出力の低下や不良を防止することができ、長期的な信頼性を向上することができる。そして隣接した第1及び第2太陽電池(10a、10b)の電極(142、144)と接続部(CP1、CP2)の配置を互いに異なるようにすることにより、互いに異なる極性の電極(142、144)を接続する配線材22の構造を単純化することができる。特に、隣接する第1及び第2太陽電池(10a、10b)で互いに別の電極(142、144)を共通配線(CW1、CW2)で一緒に接続すると、接続構造を単純化し、第1及び第2太陽電池(10a、10b)との間の間隔を短くすることができる。これによれば、太陽電池パネル100の効率を大きく向上することができる。
【0072】
前述した実施の形態においては、第1及び第2配線(22a、22b)がそれぞれ複数の部分配線(221a、222a)(221b、222b)を備えることを例示したが、第1及び第2配線(22a、22b)の内、いずれか一つだけ複数の部分配線(221a、222a)(221b、222b)を備えることもある。
【0073】
以下においては、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施の形態またはこれを変形した例と下の実施の形態またはこれを変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。
【0074】
図5は本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルの概略的な部分後面平面図である。参照として
図5には、
図3の拡大部分に対応する部分を示した。
【0075】
図5を参照すると、本実施の形態においては、第1パッド電極224aと、隣接する第1内部配線221aの端部付近で、第1パッド電極224aと離隔された部分に補助接続部材32aがさらに備えられて第1内部配線221aの付着力をさらに向上させることができる。補助接続部材32aは、第1及び第2電極(142、144)が形成されていない部分で絶縁膜(つまり、後面パッシベーション膜140)の上に位置する接続部材として、接続部材32と同一の物質で構成されることもあり、互いに異なる物質で構成することもできる。
【0076】
そして、第1延長配線222aの端部付近に位置する第1電極142の上に位置する接続部材32によって、第1延長配線222aの端部付近で、第1パッド電極224aと離隔された部分が接続され、第1延長配線222aの付着力をさらに向上することができる。このとき、第1電極142の上に位置する接続部材32をそのまま利用して、第1延長配線222aのための別の補助接続部材32aを形成しないため、材料コストを削減し、工程を単純化することができている。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1延長配線222aの端部に補助接続部材32aがさらに位置することができる。または、第1内部配線221aの端部に接続部材32が位置し、第1延長配線222aの端部に補助接続部材32aが位置することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0077】
このように、第1パッド電極224aと離隔されながら、これに隣接する複数の第1部分配線(221a、222a)の端部に接続部材32または補助接続部材32aがそれぞれ位置して、複数の第1部分配線(221a、222a)の付着力を向上させることができる。
【0078】
これと類似に、第2パッド電極224bと離隔されながら、これに隣接する複数の第2部分配線(221b、222b)の端部に接続部材32または補助接続部材32aがそれぞれ位置して、複数の第2部分配線(221b、222b)の付着力を向上することができる。図では、第2方向での第1パッド電極224aの位置と第2パッド電極224bの位置を互いに異なるようにし、複数の第1部分配線(221a、222a)または複数の第1部分配線(221b、222b)の内、少なくとも一つの端部を接続部材32に接続して、補助接続部材32aの数を最小化したことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0079】
図6は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルの部分断面図である。参照として、
図6には、
図4に対応する部分を示した。
【0080】
図6を参照すると、本実施の形態においては、第1配線22aを構成する複数の第1部分配線(221a、222a)が第1接続部(CP1)で互いに重畳される第1重畳部分226aを備え、互いに電気的に接続することができる。例えば、複数の第1部分配線(221a、222a)が第1接続部(CP1)を構成する第1重畳部分226aから、互いに接触して電気的及び物理的に接続することができる。図示しなかったが、これと類似に、第2配線を構成する複数の第2部分配線が第2接続部を構成する第2重畳部分で互いに重畳(一例として、互いに接触)して、互いに電気的に接続することができる。このように、複数の第1部分配線(221a、222a)または複数の第2部分の配線を互いに重畳させることによって接続すると、これらを接続するための別の構造、部材などが不要なため、構造及び工程を単純化することができる。
【0081】
または、第1重畳部分226a又は第2重畳部分で複数の第1部分配線(221a、222a)または複数の第2部分配線の間にこれらを接着する別の接着層、接着物質などが位置することもある。
【0082】
図7は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる2つの太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を概略的に示す後面平面図であり、
図8は、
図7のVIII-VIII線に沿った太陽電池パネルの断面図である。
【0083】
図7及び
図8を参照すると、本実施の形態においては、第1接続部(CP1)で複数の第1部分配線(221a、222a)を固定し、及び/または第2接続部(CP2)で複数の第2部分配線(221b、222b)を固定する固定部材28をさらに含むことができる。これにより、複数の第1または第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)を安定的に固定する。
【0084】
一例として、固定部材28が、第1接続部(CP1)に位置する複数の第1部分配線(221a、222a)が部分を覆いながら形成されることができる。つまり、固定部材28が、少なくとも複数の第1部分配線(221a、222a)を太陽電池10に固定または付着することができる。
【0085】
本実施の形態においては、固定部材28によって、複数の第1または第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)の固定安定性が増加し、強度を補強することができる。これにより、反復的な配線材22の膨張及び収縮によって、複数の第1または第2部分の配線(221a、222a)(221b、222b)が互いに分離されたり損傷されるなどの問題を防止することができる。また、複数の第1または第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)を固定部材28で包み込むことにより固定部材28が位置した面でシール材44と、第1及び第2接続部(CP1、CP2)が固定部材28を間に置いて離隔して位置することができる。それでは、シール材44が、第1及び第2接続部(CP1、CP2)での太陽電池10と、複数の第1または第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)の間に浸透しなくて、第1及び第2配線(22a、22b)の固定安定性をさらに向上することができる。これにより、太陽電池パネル100の出力の低下及び不良を防止することができ、長期的な信頼性を向上することができる。
【0086】
ここで、第2方向に見るとき固定部材28の幅は、第1及び第2接続部(CP1、CP2)の幅と同じか、それより大きいことがある。それでは、固定部材28が接続される第1または第2接続部(CP1、CP2)で複数の第1又は第2部分の配線(221a、222a)(221b、222b)の全体に安定的に重畳されるように形成ことができる。このような形状によって固定部材28による効果を最大化することができる。
【0087】
このとき、固定部材28は、第1及び第2配線(22a、22b)を固定することができる様々な物質を含むことができる。一例として、固定部材28は、ベース部材28aと、ベース部材28aの一面に位置し、配線部20に接続される付着層28bを含む、絶縁性テープで構成されることができる。このように固定部材28がテープで構成されると、テープを付着する単純な工程によって固定部材28を所望する位置に固定することができる。
【0088】
ベース部材28aは、固定部材28の強度を高める役割をすることができる。一例として、ベース部材28aは樹脂を主成分とすることができ、例えば、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)などを含むことができる。
【0089】
そして、付着層28bは、接着物質または粘着物質を含みから配線材22に接着または粘着によって固定されることができる。ここで、接着(adhesion)とは、二つの層が物理的に完璧に付着され、2つの層を分離するとき、少なくとも一つの層が損傷されることを意味することができ、粘着(cohesion)とは、常温で一定の物理的力によって二つの層が互いに損傷することなく、互いに付着し、分離されるように固定されたことを意味する。付着層28bが接着物質を含むと、さらに優れた固定特性を有することができる。付着層28bが粘着物質を含むと、固定部材28が間違って付着した場合、または太陽電池10の交換、修理の際に用意に固定部材28を分離することができる。例えば、付着層28bは、エポキシ(epoxy)系、アクリル(acryl)系またはシリコン(silicone)系の接着物質または粘着物質を含むことができる。そして固定部材28が絶縁性テープで構成されなく、接着物質または粘着物質を塗布して形成することもできる。
【0090】
図では、固定部材28が、第1及び第2接続部(CP1、CP2)が位置した第2方向での中央部分に部分的に位置しながら、第1方向に沿って長く続く形状を有し、第1及び第2接続部(CP1、CP2)のすべてを覆うことを例示した。これによれば、単純な構造及び工程によって、第1または第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)の固定安定性を一緒に向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2接続部(CP1、CP2)に対応する固定部材28が別に形成されることもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0091】
図7及び
図8においては、第1及び第2接続部(CP1、CP2)が、
図3に示すように、第1及び第2パッド電極(224a、224b)で構成された場合を例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、
図9に示すように、第1及び第2接続部(CP1、CP2)が互いに重畳される複数の第1及び第2部分配線(221a、222a)(221b、222b)で構成された場合にも、固定部材28を適用することができる。
【0092】
図10は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれた2つの太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を概略的に示した後面平面図である。
【0093】
図10を参照すると、本実施の形態において、第1及び第2太陽電池(10a、10b)から第1及び第2配線(22a、22b)、第1及び第2電極(142、144)、そして、第1及び第2接続部(CP1、CP2)の接続構造が互いに同一で有り得る。これにより、第1及び第2太陽電池(10a、10b)で第1配線22aは、第1電極142に電気的に接続され、第2電極144と絶縁され、第2配線22bは、第2電極144に電気的に第1電極142に絶縁することができる。
【0094】
そして、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの間には、配線材22と交差する方向(第1方向)に位置して配線材22に接続される接続配線24を含むことができる。配線材22と接続配線24によって、複数の太陽電池10が第2方向(図のx軸方向)に接続されて一つの列(列)(つまり、太陽電池ストリング)を形成することができる。
【0095】
さらに具体的に、第1太陽電池10aの第1電極142に接続された第1配線22aと第2太陽電池10bの第2電極144に接続された第2配線22bは、この交差する第1方向に長く延長される接続配線24に重畳と接続される。これにより、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが第2方向に直列に接続することができる。図では、第1及び第2配線(22a、22b)と接続配線24が互いに別に形成されて互いに電気的に接続されたことを例示した。このとき、第1及び第2配線(22a、22b)と接続配線24は、導電性物質層(図示せず)によって互いに接続することができる。導電性物質層は、接続部材32と同一の物質であることもあり、互いに異なる物質で有り得る。そして接続配線24は、配線材22及び/またはバスバー配線(
図1の参照符号26)と同一の物質または構造を有することもあり、これと他の物質または構造を有することもできる。
【0096】
これによれば、各太陽電池10において配線(22a、22b)が同じ配置を有するので、配線(22a、22b)を備える太陽電池10をそれぞれ個別に製造した後、接続配線24にこれらを接続することにより、容易に太陽電池ストリングを製造することができる。また、複数の第1部分配線(221a、222a)及び複数の第2部分配線(221b、222b)(すなわち、第1及び第2内部配線(221a、221b)及び、第1及び第2延長配線(222a、222b)のすべて第2方向で、各太陽電池10の長さより小さい長さを有するので配線材22の各部分の長さを最小化することができる。
【0097】
前述したところに従った特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれ、必ずしも一つの実施の形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施の形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施の形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施の形態に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。