(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230523BHJP
B60S 5/00 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
G06Q10/20
B60S5/00
(21)【出願番号】P 2018184360
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】510084297
【氏名又は名称】株式会社ブロードリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】祖慶 良大
(72)【発明者】
【氏名】岩本 勇
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】間渕 育海
(72)【発明者】
【氏名】平山 恵美
(72)【発明者】
【氏名】中村 仁
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-346754(JP,A)
【文献】特開平10-329664(JP,A)
【文献】特開2018-028733(JP,A)
【文献】特開2014-229091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両整備に関する作業内容
と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補と
を対応
付けた作業/部品対応データ
と、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部と、
ユーザー操作によ
り入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる
作業内容表示部と、
入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する必要部品提示部と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する作業/部品関連度算出部と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、前記必要部品提示部によって提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する関連部品提示部と、
ユーザー操作によ
り選択された前記車両部品
と、前記関連部品提示部によって提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる
車両部品表示部と、を備
える車両整備支援装置。
【請求項2】
車両整備に関する作業内容
と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補と
を対応
付けた作業/部品対応データ
と、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部と、
ユーザー操作によ
り入力された前記
車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる
車両部品表示部と、
入力された前記
車両部品をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記
作業内容の候補を前記表示画面上に提示する必要
作業提示部と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する作業/部品関連度算出部と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、前記必要作業提示部によって提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する関連作業提示部と、
ユーザー操作によ
り選択された前記
作業内容と、前記関連作業提示部によって提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記
車両部品と関連付けて表示させる
作業内容表示部と、を備
える車両整備支援装置。
【請求項3】
前記作業/部品関連度算出部は、前記車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の共起性に基づく前記関連度を算出し、
前記関連部品提示部又は関連作業提示部は、算出された前記共起性に基づく前記関連度の高い順に前記作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する、請求項1又は2に記載の車両整備支援装置。
【請求項4】
車両整備に関する作業内容
と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補と
を対応
付けた作業/部品対応データ
と、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、
ユーザー操作によ
り入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる
工程と、
入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する
工程と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する工程と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する工程と、
ユーザー操作によ
り選択された前記車両部品
と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる
工程と、を実行す
る車両整備支援方法。
【請求項5】
車両整備に関する作業内容
と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補と
を対応
付けた作業/部品対応データ
と、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、
ユーザー操作によ
り入力された前記
車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる
工程と、
入力された前記
車両部品をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記
作業内容の候補を前記表示画面上に提示する
工程と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する工程と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する工程と、
ユーザー操作によ
り選択された前記
作業内容と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記
車両部品と関連付けて表示させる
工程と、を実行す
る車両整備支援方法。
【請求項6】
車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を有する車両整備支援装置としてのコンピュータに、
ユーザー操作によ
り入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる
処理と、
入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する
処理と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する処理と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する処理と、
ユーザー操作によ
り選択された前記車両部品
と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる
処理と、を実行させ
る車両整備支援プログラム。
【請求項7】
車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を有する車両整備支援装置としてのコンピュータに、
ユーザー操作によ
り入力された前記
車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる
処理と、
入力された前記
車両部品をキーとして前記作業/部品対応データを
もとに、
前記
作業内容の候補を前記表示画面上に提示する
処理と、
複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する処理と、
前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する処理と、
ユーザー操作によ
り選択された前記
作業内容と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを
、前記表示画面上に前記
車両部品と関連付けて表示させる
処理と、を実行させ
る車両整備支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の定期的な検査を義務化することで車両の安全な運行を確保するための車検制度がある。車検は、国土交通省が定めた保安基準に基づいて外観、安全面や公害面で問題がないことを検査するものであって、例えば自動車では2年に一度、運輸局や運輸局から認可を受けた車検整備指定工場において自動車の状態を検査する必要がある。そして、検査合格した自動車に対して2年間有効な車検証が発行又は更新されている。
また、車検を受ける前には自動車の定期点検整備が行われるものであって、一般に自動車整備工場や自動車販売店(ディーラー)で実施されている。その中には、車検整備指定工場の認可を受けた整備工場や販売店があり、定期点検整備と車検を一式で実施する場所が多くなっている。
【0003】
近年では、顧客に対して有効なサービスを提供すべく、立会い車検のシステムを取り入れている自動車整備工場や自動車販売店が多くなってきている。
立合い車検では、比較的短い時間で車検が完了する、車検費用が安く納まる、そして実際に目の前で確認しながら説明を受けられる等のメリットがある。
そうした中で、整備事業者(作業者)が車両整備において点検の結果必要となった修理作業や交換作業、交換部品に関する伝票(例えば見積もり書)を作成することを支援する車両整備支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の車両点検システムでは、整備事業者が、ユーザー端末を用いて車両点検の結果必要となる車両部品を選択しながら、見積もり書を作成することができる。具体的には、部品データと作業工賃データが連携された事前準備パターンファイル、候補部品パターンファイル等を備えた部品選択ファイルを有しており、車両点検の結果必要となる車両部品を、点検項目毎に必要な部品名称と、部品単価と、作業内容の工賃とを連携させて選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような従来の車両点検システムでは、整備事業者がユーザー端末に表示された伝票作成画面上で車両点検の結果必要となる作業内容や車両部品を適宜入力又は選択することで、当該作業内容及び車両部品が一覧表示された伝票データが完成するところ、当該伝票データにおいて作業内容と作業内容に伴って必要な車両部品との関係性を把握し易い表示仕様とはなっていなかった。
そのため、整備事業者が伝票作成画面において伝票データを作成するときに、必要な作業内容と車両部品との関係性を把握し易い車両整備支援装置が求められていた。
【0007】
また、従来の車両点検システムでは、整備事業者が、車両点検の結果必要となる作業内容を入力したときに、当該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補が表示され、かつ、当該車両部品の候補の優先順位についてユーザー毎にカスタマイズされているものはなかった。
そのため、伝票作成画面においてユーザー毎にカスタマイズされた機能を有し、整備事業者が伝票データを効率良く作成することが可能な車両整備支援装置が求められていた。
【0008】
上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、車両整備等に必要な作業内容と車両部品との関係性を把握し易い車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、整備事業者等のユーザーが、ユーザー端末の表示画面において伝票データを効率良く作成することが可能な車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の車両整備支援装置によれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部と、ユーザー操作により入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる作業内容表示部と、入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する必要部品提示部と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する作業/部品関連度算出部と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、前記必要部品提示部によって提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する関連部品提示部と、ユーザー操作により選択された前記車両部品と、前記関連部品提示部によって提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる車両部品表示部と、を備えること、により解決される。
上記構成により、車両整備等に必要な作業内容と車両部品との関係性を把握し易い車両整備支援装置を実現することができる。
【0010】
また前記課題は、本発明の車両整備支援装置によれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部と、ユーザー操作により入力された前記車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる車両部品表示部と、入力された前記車両部品をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記作業内容の候補を前記表示画面上に提示する必要作業提示部と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する作業/部品関連度算出部と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、前記必要作業提示部によって提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する関連作業提示部と、ユーザー操作により選択された前記作業内容と、前記関連作業提示部によって提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記車両部品と関連付けて表示させる作業内容表示部を備えること、により解決される。
【0011】
また前記課題は、本発明の車両整備支援方法によれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、ユーザー操作により入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる工程と、入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する工程と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する工程と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する工程と、ユーザー操作により選択された前記車両部品と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる工程と、を実行すること、により解決される。
【0012】
また前記課題は、本発明の車両整備支援方法によれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、ユーザー操作により入力された前記車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる工程と、入力された前記車両部品をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記作業内容の候補を前記表示画面上に提示する工程と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する工程と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する工程と、ユーザー操作により選択された前記作業内容と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記車両部品と関連付けて表示させる工程と、を実行すること、により解決される。
【0013】
また前記課題は、本発明の車両整備支援プログラムによれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を有する車両整備支援装置としてのコンピュータに、ユーザー操作により入力された前記作業内容をユーザー端末の表示画面上に表示させる処理と、入力された前記作業内容をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記車両部品の候補を前記表示画面上に提示する処理と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する処理と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記作業内容と、提示された前記車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記車両部品との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する処理と、ユーザー操作により選択された前記車両部品と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記作業内容と関連付けて表示させる処理と、を実行させること、により解決される。
【0014】
また前記課題は、本発明の車両整備支援プログラムによれば、車両整備に関する作業内容と該作業内容に伴って必要となる車両部品の候補とを対応付けた作業/部品対応データと、前記車両整備の対象となる車両に関する車両情報に前記作業内容及び前記車両部品を対応付けた見積もりデータとを記憶する記憶部を有する車両整備支援装置としてのコンピュータに、ユーザー操作により入力された前記車両部品をユーザー端末の表示画面上に表示させる処理と、入力された前記車両部品をキーとして前記作業/部品対応データをもとに、前記作業内容の候補を前記表示画面上に提示する処理と、複数の前記見積もりデータを参照して、前記作業内容及び前記車両部品それぞれの利用頻度を前記車両情報毎に集計し、該車両情報毎における前記作業内容と前記車両部品の間の関連度を算出する処理と、前記車両情報を属性値とし、算出された前記関連度の高さをもとに、ユーザー操作により入力された前記車両部品と、提示された前記作業内容の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容との組み合わせに関連する作業内容及び/又は車両部品の候補を前記表示画面上に提示する処理と、ユーザー操作により選択された前記作業内容と、提示された前記作業内容及び/又は車両部品の候補からユーザー操作により選択された前記作業内容及び/又は車両部品とを、前記表示画面上に前記車両部品と関連付けて表示させる処理と、を実行させること、により解決される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラムによれば、車両整備等に必要な作業内容と車両部品との関係性を把握し易くなる。
また、整備事業者等のユーザーが、ユーザー端末の表示画面において伝票データを効率良く作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかる車両整備支援システム全体の構成図である。
【
図2】車両整備支援装置及びユーザー端末のソフト構成図である。
【
図3】作業/部品対応データの一例を示す図である。
【
図5】入力作業表示処理の一例を説明する図である。
【
図6】必要部品提示処理、関連部品提示処理の一例を説明する図である。
【
図7】選択部品表示処理の一例を説明する図である。
【
図8】入力サポート表示処理の一例を説明する図である。
【
図9】本発明にかかる車両整備支援プログラムの処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について
図1~
図9を参照して説明する
。
【0019】
本実施形態となる車両整備支援システムS全体の構成を
図1に示す。
車両整備支援システムSは、車両整備に関する伝票(伝票データ)の作成を支援するための車両整備支援装置1と、車両整備支援装置1とネットワークを通じて接続され、整備事業者等のユーザーによって保有されるユーザー端末100と、から主に構成されている。
ここで「伝票」とは、見積もり書や請求書のほか、納品書、領収書、入金伝票、出金伝票等が含まれるものであって、取引内容を記録、計算又は伝達するための各種書類である。
【0020】
車両整備支援装置1は、ネットワークを介して接続されるユーザー端末100に対して、ソフトウェアサービスを提供するクラウドサーバーである。
具体的には、伝票作成業務に関するソフトウェアサービスをユーザー端末100に対して提供するものである。詳しく述べると、ユーザー端末100に対して伝票作成画面を提示し、ユーザー操作の入力又は選択を受け付けて伝票作成画面を更新させて、ユーザーが伝票データを効率良く作成できるように支援する。
また、車両整備支援装置1は、車検依頼者となる顧客から入手した車検証の記載内容を示す車検証登録データを管理しておくための顧客管理用データサーバーとしての機能と、車両整備に関する伝票作成を支援するための各種プログラム及び各種データを一括管理しておくための伝票作成用データサーバーとしての機能と、を有している。
【0021】
ユーザー端末100は、整備事業者等のユーザーによって操作される携帯情報端末であって、具体的には、PC、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータである。
ユーザー端末100は、車両整備支援装置1とネットワークを介して接続され、車両整備支援装置1からソフトウェアサービスの提供を受けるものである。
具体的には、ユーザー操作による車両整備に関する作業内容と、作業内容に伴って必要となる車両部品との入力又は選択を受け付けて、表示画面上で伝票データを作成することができ、完成した伝票データを伝票として出力することができる。
【0022】
<車両整備支援装置のハード構成>
車両整備支援装置1は、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースとを備えたコンピュータである。
また、車両整備支援装置1は、所定の書式で表示される文字又は画像の情報を表示する表示装置と、CPUに所定の指令を入力するときユーザー入力操作される入力装置と、外付けハードディスク等の記憶媒体装置と、文字又は画像の情報を出力する印刷装置と、をさらに備えている。
なお、ユーザー端末100についても同様のハード構成を備えたコンピュータである。
【0023】
車両整備支援装置1のROM、HDD、及び外部記憶装置には、
図2に示すように、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、車両整備支援プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、車両整備支援装置1の機能が発揮されることになる。
【0024】
<車両整備支援装置のソフト構成>
車両整備支援装置1は、
図2に示すように、機能面から説明すると、
図3に示す「作業/部品対応データ」、
図4に示す「伝票データ」、不図示の「検索辞書データ」、「入力作業ログデータ」、「選択部品ログデータ」、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10と、ユーザー操作による所定の作業内容の入力を受け付けて、入力された作業内容をユーザー端末100の表示画面上に表示させる入力作業表示部11と、入力された作業内容をキーとして「作業/部品対応データ」を参照し、必要となる車両部品の候補を表示画面上に提示する必要部品提示部12と、予めユーザー操作によって入力された車両情報を属性値として参照し、共起性に基づく関連度の高さに従って、ユーザー操作によって入力又は選択された作業内容及び車両部品の組み合わせと関連する作業内容及び車両部品の候補を表示画面上に提示する関連部品提示部13と、提示した車両部品の候補から、ユーザー操作による所定の車両部品の選択を受け付けて、選択された車両部品を表示画面上に作業内容と関連付けて表示させる選択部品表示部14と、ユーザー操作による所定のキー入力を受け付けて、表示画面上において入力項目(作業内容、車両部品、コメント)の切り替え操作を実行する入力切替部15と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
【0025】
なお、ユーザー端末100についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種情報データを保持して格納しておく記憶部110と、車両整備支援装置1に向けて各種データを発信するデータ発信部111と、各種データを受信するデータ受信部112と、を主な構成要素として備えている。
【0026】
記憶部10に記憶される「作業/部品対応データ」は、
図3に示すように、車両整備に関する作業内容と、作業内容に伴って必要となる車両部品の候補との対応関係を示すテーブルデータである。
図3の本実施例を見ると、作業内容「エンジン・オイル交換」に対して車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」及び「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」が設定されている。つまり、車両整備において点検の結果必要となった作業内容「エンジン・オイル交換」に対して、当該作業内容の際に必要となる車両部品の候補として車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」及び「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」が設定されていることが分かる。
なお、上記のように作業内容から車両部品の候補を示すことができるほか、車両部品から作業内容の候補を示すことも可能である。具体的には、車両部品「オイルエレメント」に対して、当該車両部品に必要となる作業内容「オイル・エレメント取替」が設定されているということも分かる。
【0027】
記憶部10に記憶される「伝票データ」は、例えば
図4に示すように、車両に関する車両情報と、車両整備に関する作業内容及び車両部品の情報とを含む見積もりデータである。
詳しく述べると、伝票データには、「車両情報」として車種やメーカー、型式、車台番号、類型、走行距離の情報が含まれており、かつ、「作業内容及び車両部品の情報」として、具体的な作業内容・車両部品、作業内容の区分(点検、取替、交換など)、車両部品の区分(部品、オイルなど)、各作業内容及び車両部品の金額(数量、単価含む)の情報が含まれている。
図4の本実施例を見ると、車両情報として車種「普通乗用車」、型式「A-BC123D」等が設定されていることが分かり、かつ、作業内容及び車両部品の情報として作業内容「タイミング・ベルト(チェーン)取替」に対して、区分「取替」、数量「2.00」、単価「¥6500」、金額「¥13000」が設定されていることが分かる。
ここで作業内容における「数量」とは、作業指数(作業点数)を意味し、取替・交換等の作業内容に要する時間を数値化したものである。通常、作業金額は「作業点数」×「工賃単価(レイバーレート)」によって算出される。
車両部品における「数量」とは、数量そのものを意味し、対象となる車両部品によって個、リットル、式などの単位を用いることになる。
【0028】
記憶部10には、「作業/部品対応データ」、「伝票データ」のほか、不図示の「検索辞書データ」、「入力作業ログデータ」及び「選択部品ログデータ」が記憶されている。
「検索辞書データ」は、車両整備に関する作業内容及び車両部品の情報が一元管理されたデータであって、当該検索辞書データを参照することで、例えば、作業内容のキーワードの入力途中で検索の候補となる作業内容を表示する機能を利用することができる。
また、「入力作業ログデータ」は、ユーザー操作によって入力された作業内容の履歴情報を示すログデータであって、「選択部品ログデータ」は、ユーザー操作によって選択された車両部品の履歴情報を示すログデータである。
【0029】
入力作業表示部11は、ユーザー操作による所定の作業内容の入力を受け付けて、入力された作業内容をユーザー端末100の表示画面上に表示させるものである。
具体的には、
図5に示す伝票作成画面上において、まずユーザー操作による項目欄「作業内容・車両部品」の選択を受け付けて、当該項目欄の中の空白セルをアクティブにする。そして、ユーザー操作による作業内容「オイル」の入力を受け付けると、入力された作業内容「オイル」を当該アクティブセルに表示させる。
詳しく述べると、入力作業表示部11は、具体的な機能部として、ユーザー入力頻度算出部11aと、入力候補提示部11bとを有している。
【0030】
ユーザー入力頻度算出部11aは、不図示の「入力作業ログデータ」を参照して、入力された作業内容毎のユーザー入力頻度を算出するものである。
入力候補提示部11bは、ユーザー操作による所定の作業内容の一部の文字の入力を受け付けたときに、不図示の「検索辞書データ」を参照して一部の文字を含む作業内容の候補を表示画面上に提示するものである。また、算出されたユーザー入力頻度の高さに応じた優先順位に従って作業内容の候補を提示する。
具体的には、入力候補提示部11bは、
図5に示す伝票作成画面上において、ユーザー操作による作業内容「オイル」の入力を受け付けると、入力された作業内容「オイル」を含む作業内容の候補を提示する。すなわち、当該作業内容の候補としては、「エンジン・オイル交換」、「オイル・エレメント取替」等が提示されていることが分かる。
また、入力候補提示部11bは、ユーザー入力頻度算出部11aによって算出されたユーザー入力頻度の高さに応じた優先順位に従って作業内容の候補を提示する。例えば、作業内容「オイル」を含む作業内容の候補の中で、ユーザー入力頻度が最も高い作業内容「エンジン・オイル交換」が一番先頭に提示されていることが分かる。
【0031】
上記構成により、入力作業表示部11は、
図5に示す伝票作成画面上においてユーザー操作による作業内容「エンジン・オイル交換」の入力(選択入力)を受け付けると、入力された当該作業内容をアクティブセルに表示させることができる(
図7参照)。
なお、
図7に示すように、作業内容「エンジン・オイル交換」が入力されると、当該作業内容に対応する区分「交換」、数量「0.30」、単価「¥6500」、及び金額「¥1950」についても自動的に表示させることもできる。すなわち、作業内容と、当該作業内容に対する区分、数量、単価、及び金額の内容との対応関係を示す不図示の「作業/区分・金額対応データ」が予め記憶されている。
【0032】
必要部品提示部12は、入力された作業内容をキーとして
図3に示す「作業/部品対応データ」を参照し、必要となる車両部品の候補を表示画面上に提示するものである。
具体的には、
図5に示す伝票作成画面上において、ユーザー操作による作業内容「エンジン・オイル交換」の入力を受け付けると、入力された当該作業内容をキーとして「作業/部品対応データ」を参照し、
図6に示すように、必要となる車両部品の候補として車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」を表示画面上にポップアップ表示させるように提示する。
詳しく述べると、必要部品提示部12は、具体的な機能部として、ユーザー選択頻度算出部12aを有している。
【0033】
ユーザー選択頻度算出部12aは、不図示の「選択部品ログデータ」を参照して、所定の作業内容に対して必要な車両部品として選択された車両部品毎のユーザー選択頻度を算出するものである。
上記構成により、必要部品提示部12は、ユーザー選択頻度算出部12aによって算出されたユーザー選択頻度に応じた優先順位に従って、必要となる車両部品の候補を表示画面上に提示することができる。例えば、
図6に示すように、必要となる車両部品の候補の中で、ユーザー選択頻度に応じた優先順位が最も高い車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」が一番先頭に提示されていることが分かる。
【0034】
上記において「ユーザー選択頻度に応じた優先順位」とは、ユーザー選択頻度の高さに応じた優先順位としても良いが、ユーザー毎に一層精度の高い車両部品の候補を提示したい場合には、以下の学習処理フローによって優先順位を決定すると良い。
ステップ1:不図示の選択部品ログデータを参照して、所定の作業内容に対し必要な車両部品として選択された車両部品毎の「ユーザー選択頻度」を算出する。
ステップ2:「ユーザー選択頻度」及び「ユーザー加算値」を用いたスコアリング評価で優先順位を決定する。
なお、「ユーザー加算値」とは、予めユーザーによって車両部品毎に設定された優先度(優先度指標)を意味する。
「スコアリング評価」とは、評価対象を点数化(数値化)して、複数の条件で加減算を行い、点数の高い順に並べ替えることである。
【0035】
関連部品提示部13は、予めユーザー操作によって入力された車両情報を属性値として参照し、共起性に基づく関連度の高さに従って、ユーザー操作によって入力又は選択された作業内容及び車両部品の組み合わせと関連する作業内容(車両部品)の候補を表示画面上に提示するものである。
具体的には、
図6に示すポップアップ画面上において、ユーザー操作による車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」の選択を受け付けると、先にユーザー操作によって入力された作業内容「エンジン・オイル交換」との組み合わせに対し、関連する作業内容(車両部品)の候補をさらにポップアップ画面上に提示する。例えば、関連する作業内容(車両部品)の候補として、作業内容「オイル・エレメント取替」や車両部品「オイルエレメント」等が提示されている。
詳しく述べると、関連部品提示部13は、具体的な機能部として、作業/部品関連度算出部13aを有している。
【0036】
作業/部品関連度算出部13aは、不図示の「過去の伝票データ」を複数参照して、作業内容及び車両部品それぞれの利用頻度を車両情報毎に集計し、車両情報毎における作業内容と車両部品の間の共起性に基づく関連度を算出するものである。
上記構成により、関連部品提示部13は、予めユーザー操作によって入力された車両情報を属性値として参照し、作業/部品関連度算出部13aによって算出された共起性に基づく関連度の高い順に、ユーザー操作によって入力又は選択された作業内容及び車両部品の組み合わせと関連する作業内容(車両部品)の候補を表示画面上に提示することができる。例えば、
図6に示すように、関連する作業内容(車両部品)の候補として、共起性に基づく関連度が最も高い作業内容「オイル・エレメント取替」が一番先頭に提示されていることが分かる。
なお、属性値(検索条件)となる「車両情報」としては、例えば車両の車種、車両の型式を採用することが望ましい。
【0037】
上記において、ユーザー毎に一層精度の高い順番に、関連する作業内容(車両部品)の候補を提示したい場合には、以下の学習処理フローによって優先順を決定すると良い。
ステップ1:車両情報を属性値とし、伝票データに含まれる作業内容及び車両部品をベクトル化する。
ステップ2:共起ネットワークを用い、作業内容及び車両部品の共起性、関連性を学習する。
ステップ3:指定された車両情報と作業内容及び車両部品とに関連する(共起性が高い)作業内容(車両部品)を関連性の高い順に提示する。
学習モデルの作成には、BL作成シソーラス、Tensorflow(商標)及びword2vecのほか、車両の各種構造データや、車両及び車両整備業務によって得られたビッグデータを用いて学習する特定の学習アルゴリズムを用いる。
なお、「ベクトル化する」とは、文字データを学習するために、数値及び行列式などのベクトル値に変換することである。当該ベクトル化することで、各文字データの距離(関連性)、類似性等を数値で判断することができる。
「共起性、関連性を学習する」とは、統計的に単語間の意味的な階層関係を自動判定する手法によって学習することである。
【0038】
また上記において、関連部品提示部13は、
図6に示すポップアップ画面上において、関連する作業内容や車両部品の候補を提示するほか、関連するセット作業/部品の候補を提示することもできる。
「関連するセット作業/部品」とは、作業内容と車両部品をセットで提示するほか、複数の作業内容をセットで提示したり、複数の車両部品をセットで提示することも含まれる。
【0039】
選択部品表示部14は、提示した車両部品の候補から、ユーザー操作による所定の車両部品の選択を受け付けて、選択された車両部品を表示画面上に作業内容と関連付けて表示させるものである。
具体的には、
図6に示すポップアップ画面上において、ユーザー操作による車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」の選択を受け付けたときに、
図7に示すように、選択されたこれら車両部品を伝票作成画面上に作業内容「エンジン・オイル交換」と関連付けて表示させる。
詳しく述べると、選択部品表示部14は、
図7に示すように、伝票作成画面上の項目欄「作業内容・車両部品」において作業内容と列状に並ぶように車両部品の内容を表示させ、かつ、作業内容に対して車両部品の内容をインデント表示させている。
なお、
図7の本実施例をみると、作業内容「タイミング・ベルト(チェーン)取替」に対して
車両部品「タイミング・ベルト」の内容がインデント表示されていることも分かる。
【0040】
入力切替部15は、ユーザー操作による所定のキー入力を受け付けて、表示画面上において入力項目(作業内容、車両部品、コメント)の切り替え操作を実行するものである。
具体的には、
図8に示す伝票作成表示画面上において、ユーザー操作による所定のショートカットキー入力を受け付けると、入力項目「作業(作業内容)」から、入力項目「部品(車両部品)」又は入力項目「コメント」の切り替え操作を実行する。
例えば、入力項目「作業」から入力項目「部品」に切り替えたときには、
図8に示す入力項目「作業」に設定されたアクティブセルが、入力項目「部品」に設定されたアクティブセルに切り替わる。
なお、入力項目「部品」に設定されると、ユーザー操作による所定の車両部品の入力を受け付けたときに、入力された車両部品を伝票作成表示画面上に表示させることができる。また、車両部品に関する「検索辞書データ」を参照して、車両部品のキーワードを入力すると、当該キーワードを含む車両部品の候補を提示することができる。
【0041】
<車両整備支援プログラム>
次に、車両整備支援装置1で実行される車両整備支援プログラムの処理について、
図9に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた車両整備支援装置1の機能的な構成要素として、上述した入力作業表示部11と、ユーザー入力頻度算出部11aと、入力候補提示部11bと、必要部品提示部12と、ユーザー選択頻度算出部12aと、関連部品提示部13と、作業/部品関連度算出部13aと、選択部品表示部14とを実現させるために各種プログラムを集約させたユーティリティプログラムであって、車両整備支援装置1のCPUがこの車両整備支援プログラムを実行する。
上記プログラムは、ユーザーからの操作指示を受け付けて実行されるものである。
なお、車両整備支援装置1の記憶部10には、
図3に示す「作業/部品対応データ」、
図4に示す「伝票データ」、不図示の「検索辞書データ」、「入力作業ログデータ」、「選択部品ログデータ」が記憶されている。
【0042】
図9に示す車両整備支援処理フローでは、まず、入力作業表示部11が、ユーザー操作による所定の作業内容の入力を受け付けて、入力された作業内容をユーザー端末100の表示画面上に表示させるステップS1から始まる。
具体的には、入力候補提示部11bが、
図5に示す伝票作成画面上において、ユーザー操作による作業内容「オイル」の入力を受け付けると、入力された作業内容「オイル」を含む作業内容の候補を提示する。
このとき、入力候補提示部11bは、ユーザー入力頻度算出部11aによって算出されたユーザー入力頻度の高さに応じた優先順位に従って作業内容の候補を提示している。例えば、作業内容「オイル」を含む作業内容の候補の中で、ユーザー入力頻度が最も高い作業内容「エンジン・オイル交換」を一番先頭に提示している。
上記において、入力作業表示部11は、
図5に示す伝票作成画面上においてユーザー操作による作業内容「エンジン・オイル交換」の入力(選択)を受け付けると、入力された当該作業内容をアクティブセルに表示させる。
【0043】
次に、ステップS2で、必要部品提示部12が、入力された作業内容をキーとして
図3に示す「作業/部品対応データ」を参照し、必要となる車両部品の候補を表示画面上に提示する。
具体的には、
図5に示す伝票作成画面上において、ユーザー操作による作業内容「エンジン・オイル交換」の入力を受け付けると、入力された当該作業内容をキーとして「作業/部品対応データ」を参照し、
図6に示すように、必要となる車両部品の候補として車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」を表示画面上に提示する。
このとき、ユーザー選択頻度算出部12aが、不図示の「選択部品ログデータ」を参照して、所定の作業内容に対し必要な車両部品として選択された車両部品毎のユーザー選択頻度を算出する。
上記において、必要部品提示部12は、ユーザー選択頻度算出部12aによって算出されたユーザー選択頻度に応じた優先順位に従って、必要となる車両部品の候補を表示画面上に提示する。例えば、
図6に示すように、ユーザー選択頻度に応じた優先順位が最も高い車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」を一番先頭に提示する。
【0044】
次に、ステップS3で、関連部品提示部13が、予めユーザー操作によって入力された車両情報を属性値として参照し、共起性に基づく関連度の高さに従って、ユーザー操作によって入力又は選択された作業内容及び車両部品の組み合わせと関連する作業内容(車両部品)の候補を表示画面上に提示する。
具体的には、
図6に示すポップアップ画面上において、ユーザー操作による車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」の選択を受け付けると、先にユーザー操作によって入力された作業内容「エンジン・オイル交換」との組み合わせに対し、関連する作業内容(車両部品)の候補をポップアップ画面上に提示する。例えば、関連する作業内容(車両部品)の候補として、作業内容「オイル・エレメント取替」や車両部品「オイルエレメント」等を提示する。
このとき、作業/部品関連度算出部13aが、不図示の「過去の伝票データ」を複数参照して、作業内容及び車両部品それぞれの利用頻度を車両情報毎に集計し、車両情報毎における作業内容と車両部品の間の共起性に基づく関連度を算出する。
上記において、関連部品提示部13は、予めユーザー操作によって入力された車両情報を属性値として参照し、作業/部品関連度算出部13aによって算出された共起性に基づく関連度の高い順に、ユーザー操作によって入力又は選択された作業内容及び車両部品の組み合わせと関連する作業内容(車両部品)の候補を表示画面上に提示する。
例えば、
図6に示すように、共起性に基づく関連度が最も高い作業内容「オイル・エレメント取替」を一番先頭に提示する。
【0045】
最後に、ステップS4で、選択部品表示部14が、提示した車両部品の候補から、ユーザー操作による所定の車両部品の選択を受け付けて、選択された車両部品を表示画面上に作業内容と関連付けて表示させる。
具体的には、
図6に示すポップアップ画面上において、ユーザー操作による車両部品「エンジン・オイル(ガソリン)」、「エンジン・オイルパン・ドレンコック・ガスケット」の選択を受け付けて、
図7に示すように、選択されたこれら車両部品を伝票作成画面上に作業内容「エンジン・オイル交換」と関連付けて表示させる。
詳しく述べると、選択部品表示部14は、
図7に示すように、伝票作成画面上において作業内容に対して車両部品の内容をインデント表示させている。
なお、
図7の本実施例をみると、必要な作業部品として選択された上記作業部品のほか、関連する作業内容として選択された作業内容「オイル・エレメント取替」についても表示させていることが分かる。
【0046】
上記ステップS1からステップS4を経て
図9のプロセスを終了する。
上記の車両整備支援プログラムの構成により、整備事業者等のユーザーが、ユーザー端末100の表示画面において伝票データを効率良く作成することが可能となる。
また、ユーザーが、表示画面上で伝票データを作成するときに、作業内容と作業内容に伴って必要となる車両部品との関係性を把握し易くなる。
【0047】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、車両整備支援装置1が、ユーザー操作による所定の作業内容の入力を受け付けたときに、入力された作業内容をキーとして必要な車両部品の候補、関連する車両部品(作業内容)の候補をそれぞれ提示する構成となっているが、特に限定されることなく、所定の車両部品から必要な作業内容の候補を提示する構成としても良い。
詳しく述べると、車両整備支援装置1が、ユーザー操作による所定の車両部品の入力を受け付けたときに、入力された車両部品をキーとして必要な作業内容の候補、関連する作業内容(車両部品)の候補をそれぞれ提示する構成としても良い。
【0048】
上記実施形態では、車両整備支援装置1が読み取り可能な記録媒体に車両整備支援プログラムが記憶されており、車両整備支援装置1がこの車両整備支援プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで車両整備支援装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、この車両整備支援プログラムを通信回線によってユーザー端末100に配信し、この配信を受けたユーザー端末100が当該プログラムを実行するように構成しても良い。
【0049】
上記実施形態では、主として本発明に係る車両整備支援装置、車両整備支援方法及び車両整備支援プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
S 車両整備支援システム
1 車両整備支援装置
10 記憶部
11 入力作業表示部(作業内容表示部、車両部品表示部)
11a ユーザー入力頻度算出部
11b 入力候補提示部
12 必要部品提示部(必要作業提示部)
12a ユーザー選択頻度算出部
13 関連部品提示部(関連作業提示部)
13a 作業/部品関連度算出部
14 選択部品表示部(車両部品表示部)
15 入力切替部
100 ユーザー端末
110 記憶部
111 データ発信部
112 データ受信部