IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ベンの特許一覧

<>
  • 特許-流体制御弁装置 図1
  • 特許-流体制御弁装置 図2
  • 特許-流体制御弁装置 図3
  • 特許-流体制御弁装置 図4
  • 特許-流体制御弁装置 図5
  • 特許-流体制御弁装置 図6
  • 特許-流体制御弁装置 図7
  • 特許-流体制御弁装置 図8
  • 特許-流体制御弁装置 図9
  • 特許-流体制御弁装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】流体制御弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 5/06 20060101AFI20230523BHJP
   F16K 27/06 20060101ALI20230523BHJP
   F16K 11/22 20060101ALI20230523BHJP
   F16K 11/087 20060101ALI20230523BHJP
   F16T 1/00 20060101ALI20230523BHJP
   F16T 1/14 20060101ALN20230523BHJP
【FI】
F16K5/06 E
F16K27/06 C
F16K11/22 Z
F16K5/06 K
F16K11/087 Z
F16T1/00 Z
F16T1/14 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019075640
(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2020172991
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000137018
【氏名又は名称】株式会社ベン
(74)【復代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】米倉 勇生
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-322268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0094735(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0263180(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0003448(KR,A)
【文献】特開2015-224711(JP,A)
【文献】実開昭58-96169(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F16K 5/00- 5/22
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の入口及び出口を有した本体を備えるとともに該本体にその入口から出口に至る流体を制御弁の開閉により制御する制御弁部を備えた流体制御弁装置において、
上記本体に、上記入口側の入口側通路,上記出口側の出口側通路,上記入口側通路に中空の接続部を介して接続され上記出口側通路に至るとともに上記制御弁部の制御弁により開閉される第1通路,上記入口側通路に上記接続部を介して接続される第2通路を備え、
上記接続部に開口する上記入口側通路の入口接続口,上記第1通路の第1接続口及び第2通路の第2接続口を、これらの中心線X0,X1,X2が所定断面上でT字状に交叉するように上記接続部に接続し、上記接続部に、上記中心線X0,X1,X2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Yを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記入口側通路と第1通路とを連通し第2通路を遮断する第1位置,上記入口側通路と第2通路とを連通し第1通路を遮断する第2位置,上記入口側通路と第1通路及び第2通路の両者とを遮断する第3位置に位置させられる切換ボール弁を備え、
上記入口側通路の入口接続口の中心線X0に対して上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を直交させ、且つ、上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を同軸に連続させて上記入口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記切換ボール弁に、該切換ボール弁の表面に一方開口及び他方開口の一対の開口を有し上記中心線X0,X1,X2の交点を通るとともに上記第1位置で上記入口接続口と第1接続口とを連通し上記第2位置で上記入口接続口と第2接続口とを連通する連通路を形成し、該連通路を、上記第3位置で上記連通路の一対の開口が形成されない該切換ボール弁の一般表面によって上記第1接続口及び第2接続口を塞ぐようにV字状に折曲形成し、
上記第1接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第1シールリングを設け、上記第2接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第2シールリングを設け、上記入口接続口の開口縁には上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けない構成とし、
上記入口接続口の直径をD0,上記第1接続口の直径をD1,上記第2接続口の直径をD2,上記連通路の一方開口及び他方開口の直径をDmとしたとき、Dm<D0,Dm<D1,Dm<D2,D1<D0,D2<D0に設定し、上記第1位置で上記連通路の一方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の他方開口が上記第1接続口内に開口し、上記第2位置で上記連通路の他方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の一方開口が上記第2接続口内に開口するように、上記連通路の中心線の折曲角度θを定め、
110°≦θ≦140°にしたことを特徴とする制御弁装置。
【請求項2】
上記本体は、上記出口を含む出口側通路の一部を構成するとともに上記第1接続口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体を備え、該主体は、上記接続部に連通するとともに上記第2通路の第2接続口の中心線X2を軸線とし上記切換ボール弁を該接続部内に外部から装着可能にした切換ボール弁装着口を備え、該切換ボール弁装着口に取付け取外し可能に設けられ取付け時に該切換ボール弁装着口を塞ぐとともに上記第2接続口を含み第2通路の全部もしくは一部を構成する閉塞体を備えたことを特徴とする請求項1記載の制御弁装置。
【請求項3】
上記第2通路は、上記出口側通路に至るバイパス通路として構成されることを特徴とする請求項1または2記載の制御弁装置。
【請求項4】
流体としての蒸気の復水を上記制御弁部の制御弁の開閉制御により自動的に排出するスチームトラップとして構成されることを特徴とする請求項3記載の制御弁装置。
【請求項5】
上記出口側の流体の圧力を上記制御弁部の制御弁の開閉制御により減圧する減圧弁として構成されることを特徴とする請求項3記載の制御弁装置。
【請求項6】
上記第1通路及び上記第2通路を中空の合流部を介して上記出口側通路へ接続し、上記合流部に開口する上記出口側通路の出口合流口,上記第1通路の第1合流口及び第2通路の第2合流口を、これらの中心線M0,M1,M2が所定断面上でT字状に交叉するように上記合流部に接続し、上記合流部に、上記中心線M0,M1,M2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Nを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記切換ボール弁の第1位置において上記第1通路及び第2通路と上記出口側通路とを連通する1番位置,上記切換ボール弁の第2位置において上記第2通路と出口側通路とを連通し第1通路を遮断する2番位置に位置させられ上記切換ボール弁に合わせて回動させられる付随ボール弁を備え、
上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に対して上記第2通路の第2合流口の中心線M2を直交させ、且つ、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1を同軸に連続させて上記出口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記付随ボール弁に、該付随ボール弁の表面に3つの開口を有し上記中心線M0,M1,M2の交点を通るT字状の連続路を形成し、該連続路を、第1開口及び第2開口を有し互いに同一軸上にある直状路と第3開口を有し上記直状路に直交する交差路とを備えて構成し、
上記1番位置で、上記出口合流口と第1開口とを連通し、上記第1合流口と第2開口とを連通し、上記第2合流口と第3開口とを連通し、上記2番位置で、上記出口合流口と第3開口とを連通し、該第3開口とは反対側の該付随ボール弁の一般表面で上記第1合流口を遮断するようにしたことを特徴とする請求項5記載の制御弁装置。
【請求項7】
上記本体の上記合流部及び出口側通路を含む出口側を、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に直交し該合流部を通る平面で切断し、上記第1合流口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体と、上記出口側通路を含む出口体とに分割し、該出口体を上記主体に対して取付け取外し可能にし、該出口体を取外した状態で、上記付随ボール弁を上記合流部内に外部から装着可能にし、
上記第1合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の内側シールリングを設け、上記出口合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の外側シールリングを設け、上記第2合流口の開口縁には上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないことを特徴とする請求項6記載の制御弁装置。
【請求項8】
上記出口合流口の直径をE0,上記第1合流口の直径をE1,上記第2合流口の直径をE2,上記連続路の第1開口,第2開口及び第3開口の直径をEmとしたとき、Em<E0,Em<E1,Em<E2に設定し、上記1番位置で、上記連続路の第1開口が上記出口合流口内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第1合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記第2合流口内に開口し、上記2番位置で、上記連続路の第1開口が合流部内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第2合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記出口合流口内に開口するようにしたことを特徴とする請求項7記載の制御弁装置。
【請求項9】
流体の入口及び出口を有した本体を備えるとともに該本体にその入口から出口に至る流体を制御弁の開閉により制御する制御弁部を備え、上記出口側の流体の圧力を上記制御弁部の制御弁の開閉制御により減圧する減圧弁として構成された流体制御弁装置において、
上記本体に、上記入口側の入口側通路,上記出口側の出口側通路,上記入口側通路に中空の接続部を介して接続され上記出口側通路に至るとともに上記制御弁部の制御弁により開閉される第1通路,上記入口側通路に上記接続部を介して接続される第2通路を備え、
上記接続部に開口する上記入口側通路の入口接続口,上記第1通路の第1接続口及び第2通路の第2接続口を、これらの中心線X0,X1,X2が所定断面上でT字状に交叉するように上記接続部に接続し、上記接続部に、上記中心線X0,X1,X2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Yを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記入口側通路と第1通路とを連通し第2通路を遮断する第1位置,上記入口側通路と第2通路とを連通し第1通路を遮断する第2位置,上記入口側通路と第1通路及び第2通路の両者とを遮断する第3位置に位置させられる切換ボール弁を備え、
上記入口側通路の入口接続口の中心線X0に対して上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を直交させ、且つ、上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を同軸に連続させて上記入口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記切換ボール弁に、該切換ボール弁の表面に一方開口及び他方開口の一対の開口を有し上記中心線X0,X1,X2の交点を通るとともに上記第1位置で上記入口接続口と第1接続口とを連通し上記第2位置で上記入口接続口と第2接続口とを連通する連通路を形成し、該連通路を、上記第3位置で上記連通路の一対の開口が形成されない該切換ボール弁の一般表面によって上記第1接続口及び第2接続口を塞ぐようにV字状に折曲形成し、
上記第2通路は、上記出口側通路に至るバイパス通路として構成され、
上記第1通路及び上記第2通路を中空の合流部を介して上記出口側通路へ接続し、上記合流部に開口する上記出口側通路の出口合流口,上記第1通路の第1合流口及び第2通路の第2合流口を、これらの中心線M0,M1,M2が所定断面上でT字状に交叉するように上記合流部に接続し、上記合流部に、上記中心線M0,M1,M2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Nを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記切換ボール弁の第1位置において上記第1通路及び第2通路と上記出口側通路とを連通する1番位置,上記切換ボール弁の第2位置において上記第2通路と出口側通路とを連通し第1通路を遮断する2番位置に位置させられ上記切換ボール弁に合わせて回動させられる付随ボール弁を備え、
上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に対して上記第2通路の第2合流口の中心線M2を直交させ、且つ、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1を同軸に連続させて上記出口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記付随ボール弁に、該付随ボール弁の表面に3つの開口を有し上記中心線M0,M1,M2の交点を通るT字状の連続路を形成し、該連続路を、第1開口及び第2開口を有し互いに同一軸上にある直状路と第3開口を有し上記直状路に直交する交差路とを備えて構成し、
上記1番位置で、上記出口合流口と第1開口とを連通し、上記第1合流口と第2開口とを連通し、上記第2合流口と第3開口とを連通し、上記2番位置で、上記出口合流口と第3開口とを連通し、該第3開口とは反対側の該付随ボール弁の一般表面で上記第1合流口を遮断するようにし、
上記本体の上記合流部及び出口側通路を含む出口側を、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に直交し該合流部を通る平面で切断し、上記第1合流口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体と、上記出口側通路を含む出口体とに分割し、該出口体を上記主体に対して取付け取外し可能にし、該出口体を取外した状態で、上記付随ボール弁を上記合流部内に外部から装着可能にし、
上記第1合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の内側シールリングを設け、上記出口合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の外側シールリングを設け、上記第2合流口の開口縁には上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないことを特徴とする制御弁装置。
【請求項10】
上記第1接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第1シールリングを設け、上記第2接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第2シールリングを設け、上記入口接続口の開口縁には上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないことを特徴とする請求項9記載の制御弁装置。
【請求項11】
上記本体は、上記出口を含む出口側通路の一部を構成するとともに上記第1接続口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体を備え、該主体は、上記接続部に連通するとともに上記第2通路の第2接続口の中心線X2を軸線とし上記切換ボール弁を該接続部内に外部から装着可能にした切換ボール弁装着口を備え、該切換ボール弁装着口に取付け取外し可能に設けられ取付け時に該切換ボール弁装着口を塞ぐとともに上記第2接続口を含み第2通路の全部もしくは一部を構成する閉塞体を備えたことを特徴とする請求項10記載の制御弁装置。
【請求項12】
上記入口接続口の直径をD0,上記第1接続口の直径をD1,上記第2接続口の直径をD2,上記連通路の一方開口及び他方開口の直径をDmとしたとき、Dm<D0,Dm<D1,Dm<D2,D1<D0,D2<D0に設定し、上記第1位置で上記連通路の一方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の他方開口が上記第1接続口内に開口し、上記第2位置で上記連通路の他方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の一方開口が上記第2接続口内に開口するように、上記連通路の中心線の折曲角度θを定めたことを特徴とする請求項9乃至11何れかに記載の制御弁装置。
【請求項13】
上記出口合流口の直径をE0,上記第1合流口の直径をE1,上記第2合流口の直径をE2,上記連続路の第1開口,第2開口及び第3開口の直径をEmとしたとき、Em<E0,Em<E1,Em<E2に設定し、上記1番位置で、上記連続路の第1開口が上記出口合流口内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第1合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記第2合流口内に開口し、上記2番位置で、上記連続路の第1開口が合流部内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第2合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記出口合流口内に開口するようにしたことを特徴とする請求項9乃至12何れかに記載の制御弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水,スチームやオイル等の各種流体を制御弁の開閉により制御する流体制御弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体制御弁装置として、例えば、本願出願人が提案し、特開2003-322268号公報(特許文献1)に掲載された減圧弁の技術が知られている。図10に示すように、この流体制御弁装置Saは、流体の入口101及び出口102を有した本体100を備えるとともに、この本体100にその入口101から出口102に至る流体を制御弁103の開閉により制御する制御弁部104が備えられている。本体100には、入口101側の入口側通路105,出口102側の出口側通路106,入口側通路105に中空の接続部107を解して接続され出口側通路106に至るとともに制御弁部104の制御弁103により開閉される第1通路108,入口側通路105に接続部107を介して接続され出口側通路106に至る所謂バイパス通路としての第2通路109が備えられている。
【0003】
接続部107には、切換ボール弁110が設けられている。切換ボール弁110は、所定断面(図10に示す断面)に直交する直交軸を軸線として回動可能に設けられ回動させられて入口側通路105と第1通路108とを連通し第2通路109を遮断する第1位置A1(図10(a)),入口側通路105と第2通路109とを連通し第1通路108を遮断する第2位置A2(図10(b)),入口側通路105と第1通路108及び第2通路109の両者とを遮断する第3位置A3(図10(c))に位置させられる。切換ボール弁110には、第1開口a及び第2開口bを有した直状路と第3開口cを有した直状路に直角な直角路からなるT字状の連通路111が形成されている。また、本体100は、切換ボール弁110を装着する切換ボール弁装着口112を備えている。この切換ボール弁装着口112にはねじ手段により取付け取外し可能な閉塞体113が設けられている。更に、本体100は、入口側通路105が形成された筒状の入口側分体114をねじ手段を介して着脱可能に備えている。そして、接続部107に対する入口側通路105,第1通路108及び第2通路109の開口縁には、夫々、切換ボール弁110の表面が摺接する3つのリング状のシールリング115,116,117が設けられている。
【0004】
また、第1通路108及び第2通路109は中空の合流部118を介して出口側通路106へ接続されている。合流部118には、付随ボール弁120が備えられている。付随ボール弁120は、所定断面(図10の断面)に直交する直交軸を軸線として回動可能に設けられ回動させられて切換ボール弁110の第1位置A1において第1通路108と出口側通路106とを連通し第2通路109と出口側通路106を遮断する1番位置B1(図10(a)),切換ボール弁110の第2位置A2において第2通路109と出口側通路106を連通し第1通路108を遮断する2番位置B2(図10(b)),切換ボール弁110の第3位置A3において第1通路108及び第2通路109と出口側通路106とを遮断する3番位置B3(図10(c))に位置させられる。付随ボール弁120には、T字状の連続路121が形成されている。また、本体100は、付随ボール弁120を装着する付随ボール弁装着口122を備えている。この付随ボール弁装着口122にはねじ手段により取付け取外し可能な閉塞体123が設けられている。更に、本体100は、出口側通路106が形成された筒状の出口側分体124をねじ手段を介して着脱可能に備えている。そして、合流部118に対する出口側通路106,第1通路108及び第2通路109の開口縁には、夫々、付随ボール弁120の表面が摺接する3つのリング状のシールリング125,126,127が設けられている。
【0005】
制御弁部104は、制御弁103を進退動可能なロッド130の先端に取付け、ロッド130をダイヤフラム131に取付け、このダイヤフラム131をコイルスプリング132で付勢して制御弁103で第1通路108を常開し、ダイヤフラム131の下部に出口102側の流体が連絡路133を介して入り込む圧力室134を形成し、出口102側の流体の圧力が所定の圧力以上になったとき、コイルスプリング132の付勢力に抗してロッド130を後退させ、第1通路108を閉にするものである。
【0006】
そして、減圧制御時においては、図10(a)に示すように、切換ボール弁110を第1位置A1にし、付随ボール弁120を1番位置B1にする。この状態では、常時は制御弁103が開になって流体を流し、圧力室134の圧力が高まったとき制御弁103が閉になって流体の流れを止め出口102側を減圧する。
また、バイパス制御時においては、図10(b)に示すように、切換ボール弁110を第2位置A2にし、付随ボール弁120を2番位置B2にする。この場合、第1通路108が閉止され第2通路109が有効になるので、入口101側の流体は第2通路108を通って出口102側へ排出されて行く。
更に、停止制御時においては、図10(c)に示すように、切換ボール弁110を第3位置A1にし、付随ボール弁120を3番位置B3にする。この場合、入口側通路105及び出口側通路106が両方閉止されるので、入口101側の流体の流れは停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-322268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この従来の流体制御弁装置Saにおいては、切換ボール弁110の連通路111をT字状に形成しているので、それだけ加工が煩雑になっており、また、各通路105,108,109の接続口を閉止する面が、連通路111の第3開口cと第1開口aの間の切換ボール弁110の一般面や第3開口cと第2開口bの間の切換ボール弁110の一般面では、その面積が狭いので、第3開口cの反対側の切換ボール弁110の一般面に限られてしまい、そのため、接続口の閉止も一箇所になることからシールリング115,116,117も入口側通路15の開口縁、第1通路108の開口縁及び第2通路109の開口縁の3箇所に設けなければならず、それだけ、装置の加工が煩雑で、部品点数も多くなっているという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、装置をできるだけ単純化して、加工の煩雑さの低減を図った流体制御弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するため、本発明の流体制御弁装置は、流体の入口及び出口を有した本体を備えるとともに該本体にその入口から出口に至る流体を制御弁の開閉により制御する制御弁部を備えた流体制御弁装置において、
上記本体に、上記入口側の入口側通路,上記出口側の出口側通路,上記入口側通路に中空の接続部を介して接続され上記出口側通路に至るとともに上記制御弁部の制御弁により開閉される第1通路,上記入口側通路に上記接続部を介して接続される第2通路を備え、
上記接続部に開口する上記入口側通路の入口接続口,上記第1通路の第1接続口及び第2通路の第2接続口を、これらの中心線X0,X1,X2が所定断面上でT字状に交叉するように上記接続部に接続し、上記接続部に、上記中心線X0,X1,X2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Yを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記入口側通路と第1通路とを連通し第2通路を遮断する第1位置,上記入口側通路と第2通路とを連通し第1通路を遮断する第2位置,上記入口側通路と第1通路及び第2通路の両者とを遮断する第3位置に位置させられる切換ボール弁を備え、
上記入口側通路の入口接続口の中心線X0に対して上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を直交させ、且つ、上記第1通路の第1接続口の中心線X1及び第2通路の第2接続口の中心線X2を同軸に連続させて上記入口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記切換ボール弁に、該切換ボール弁の表面に一方開口及び他方開口の一対の開口を有し上記中心線X0,X1,X2の交点を通るとともに上記第1位置で上記入口接続口と第1接続口とを連通し上記第2位置で上記入口接続口と第2接続口とを連通する連通路を形成し、該連通路を、上記第3位置で上記連通路の一対の開口が形成されない該切換ボール弁の一般表面によって上記第1接続口及び第2接続口を塞ぐようにV字状に折曲形成した構成としている。
【0011】
これにより、切換ボール弁の連通路をV字状に形成したので、従来のように、3つの開口のあるT字状の連通路のものを加工する場合に比較して、加工を容易にすることができる。また、切換ボール弁の第1位置,第2位置,第3位置における接続が、連通路の一方開口及び他方開口の一対の開口を対応する接続口に合わせるだけで良いので、それだけ単純化される。更に、連通路の一対の開口が形成されない切換ボール弁の一般表面は、一対の開口間が遠い側の面からなる一方一般面と、一対の開口間が近い側の面からなる他方一般面とからなるが、一方一般面は、従来のT字の第3開口と反対側の一般面より広くなっており、他方一般面は、従来のT字の第3開口と第1開口の間の一般面や第3開口と第2開口の間の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができ、その分、部品や構造を単純化することができる。このことは、接続口の口径を同じにして、切換ボール弁を小さくして小型化を図ることができることも意味する。即ち、切換ボール弁の一般面を広く取ることができるので、切換ボール弁を小さくしても、一般面の広さを実質的に狭めることがないことから、小型化を図ることができるのである。
【0012】
そして、必要に応じ、上記第1接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第1シールリングを設け、上記第2接続口の開口縁に上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状の第2シールリングを設け、上記入口接続口の開口縁には上記切換ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けない構成としている。
【0013】
これにより、入口接続口の開口縁には切換ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来に比較して、シールリングが1つ少なくなり、そのため、部品点数を低減させることができるとともに、シールリングを設ける部位の加工も少なくすることができ、それだけ、構造を単純化することができる。また、第1シールリングと第2シールリングは、中心線X1,X2の一直線上に位置することになるので、切換ボール弁の支持が、180°対面したシールリングで保持することになり、それだけ支持を安定化することができる。
【0014】
この場合、必要に応じ、上記本体は、上記出口を含む出口側通路の一部を構成するとともに上記第1接続口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体を備え、該主体は、上記接続部に連通するとともに上記第2通路の第2接続口の中心線X2を軸線とし上記切換ボール弁を該接続部内に外部から装着可能にした切換ボール弁装着口を備え、該切換ボール弁装着口に取付け取外し可能に設けられ取付け時に該切換ボール弁装着口を塞ぐとともに上記第2接続口を含み第2通路の全部もしくは一部を構成する閉塞体を備えた構成としている。
これにより、第2シールリングは、閉塞体の第2接続口の開口縁に装着される。第1シールリングと第2シールリングの装着を容易にすることができる。また、従来のように、入口側通路が形成された筒状の入口側分体をねじ手段を介して着脱可能に備える必要もなくなり、そのため、本体の加工を少なくすることができ、本体のケース構造も簡略化することができる。
【0015】
また、必要に応じ、上記入口接続口の直径をD0,上記第1接続口の直径をD1,上記第2接続口の直径をD2,上記連通路の一方開口及び他方開口の直径をDmとしたとき、Dm<D0,Dm<D1,Dm<D2,D1<D0,D2<D0に設定し、上記第1位置で上記連通路の一方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の他方開口が上記第1接続口内に開口し、上記第2位置で上記連通路の他方開口が上記入口接続口内に開口し上記連通路の一方開口が上記第2接続口内に開口するように、上記連通路の中心線の折曲角度θを定め、110°≦θ≦140°にした構成としている。これにより、連通路の一方開口及び他方開口が、接続口内に開口するので、一方開口及び他方開口が接続口の周囲に塞がれて狭められることがなく、そのため、流路を確実に確保することができ、流体の流れを円滑にすることができる。
【0016】
更にまた、必要に応じ、上記第2通路は、上記出口側通路に至るバイパス通路として構成される。バイパス通路のある制御弁装置に適用することができる。
【0017】
また、必要に応じ、流体としての蒸気の復水を上記制御弁部の制御弁の開閉制御により自動的に排出するスチームトラップとして構成することができる。
更に、上記出口側の流体の圧力を上記制御弁部の制御弁の開閉制御により減圧する減圧弁として構成することができる。
【0018】
この減圧弁として構成する場合、必要に応じ、上記第1通路及び上記第2通路を中空の合流部を介して上記出口側通路へ接続し、上記合流部に開口する上記出口側通路の出口合流口,上記第1通路の第1合流口及び第2通路の第2合流口を、これらの中心線M0,M1,M2が所定断面上でT字状に交叉するように上記合流部に接続し、上記合流部に、上記中心線M0,M1,M2の交点を通り上記所定断面に直交する直交軸Nを軸線として回動可能に設けられ回動させられて上記切換ボール弁の第1位置において上記第1通路及び第2通路と上記出口側通路とを連通する1番位置,上記切換ボール弁の第2位置において上記第2通路と出口側通路とを連通し第1通路を遮断する2番位置に位置させられ上記切換ボール弁に合わせて回動させられる付随ボール弁を備え、
上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に対して上記第2通路の第2合流口の中心線M2を直交させ、且つ、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1を同軸に連続させて上記出口側通路,第1通路及び第2通路を形成し、
上記付随ボール弁に、該付随ボール弁の表面に3つの開口を有し上記中心線M0,M1,M2の交点を通るT字状の連続路を形成し、該連続路を、第1開口及び第2開口を有し互いに同一軸上にある直状路と第3開口を有し上記直状路に直交する交差路とを備えて構成し、
上記1番位置で、上記出口合流口と第1開口とを連通し、上記第1合流口と第2開口とを連通し、上記第2合流口と第3開口とを連通し、上記2番位置で、上記出口合流口と第3開口とを連通し、該第3開口とは反対側の該付随ボール弁の一般表面で上記第1合流口を遮断するようにした構成とすることができる。
【0019】
この場合、上記本体の上記合流部及び出口側通路を含む出口側を、上記出口側通路の出口合流口の中心線M0及び上記第1通路の第1合流口の中心線M1に直交し該合流部を通る平面で切断し、上記第1合流口を含み上記第1通路の全部もしくは一部を構成する主体と、上記出口側通路を含む出口体とに分割し、該出口体を上記主体に対して取付け取外し可能にし、該出口体を取外した状態で、上記付随ボール弁を上記合流部内に外部から装着可能にし、
上記第1合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の内側シールリングを設け、上記出口合流口の開口縁に上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状の外側シールリングを設け、上記第2合流口の開口縁には上記付随ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けない構成としている。
【0020】
これにより、第2合流口の開口縁には付随ボール弁の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来に比較して、シールリングが1つ少なくなり、そのため、部品点数を低減させることができるとともに、シールリングを設ける部位の加工も少なくすることができ、それだけ、構造を単純化することができる。また、内側シールリングと外側シールリングは、中心線M0,M1の一直線上に位置することになるので、付随ボール弁の支持が、180°対面したシールリングで保持することになり、それだけ支持を安定化することができる。更に、出口体を取外した状態で、付随ボール弁を合流部内に外部から装着可能にしたので、従来のように、付随ボール弁装着口を設けて閉塞体で閉塞する構造が不要になり、しかも、出口側通路が形成された筒状の出口側分体をねじ手段を介して装着する構造が不要になり、そのため、本体の加工を少なくすることができ、本体のケース構造を大幅に簡略化することができる。
【0021】
この場合、上記出口合流口の直径をE0,上記第1合流口の直径をE1,上記第2合流口の直径をE2,上記連続路の第1開口,第2開口及び第3開口の直径をEmとしたとき、Em<E0,Em<E1,Em<E2に設定し、上記1番位置で、上記連続路の第1開口が上記出口合流口内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第1合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記第2合流口内に開口し、上記2番位置で、上記連続路の第1開口が合流部内に開口し、上記連続路の第2開口が上記第2合流口内に開口し、上記連続路の第3開口が上記出口合流口内に開口するようにしたことが有効である。これにより、連続路の3つの各開口が、合流口内に開口するので、各開口が合流口の周囲に塞がれて狭められることがなく、そのため、流路を確実に確保することができ、流体の流れを円滑にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明の流体制御弁装置によれば、切換ボール弁の連通路をV字状に形成したので、従来のように、3つの開口のあるT字状の連通路のものを加工する場合に比較して、加工を容易にすることができる。また、切換ボール弁の第1位置,第2位置,第3位置における接続が、連通路の一方開口及び他方開口の一対の開口を対応する接続口に合わせるだけで良いので、それだけ単純化される。更に、連通路の一対の開口が形成されない切換ボール弁の一般表面において、一対の開口が近い側の面の一般面は、従来のT字の第3開口と第1開口の間の一般面や第3開口と第2開口の間の一般面より広く、一対の開口が遠い側の面の一般面は、従来のT字の第3開口と反対側の一般面より広くなるので、それだけ、閉止箇所のシール性を確実にすることができ、その分、部品や構造を単純化することができる。このことは、接続口の口径を同じにして、切換ボール弁を小さくして小型化を図ることができることも意味する。即ち、切換ボール弁の一般面を広く取ることができるので、切換ボール弁を小さくしても、一般面の広さを実質的に狭めることがないことから、小型化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(減圧弁)を示し、(a)は上から見た斜視図、(b)は下から見た斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(減圧弁)を減圧制御時の状態で示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(減圧弁)をバイパス制御時の状態で示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(減圧弁)を停止制御時の状態で示す断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置に用いる切換ボール弁を示し、(a)は斜視図、(b)は横断面斜視図である。
図6】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(スチームトラップ)を示し、(a)は上から見た斜視図、(b)は下から見た斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(スチームトラップ)をトラップ制御時の状態で示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(スチームトラップ)をバイパス制御時の状態で示す断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置(スチームトラップ)を停止制御時の状態で示す断面図である。
図10】従来の流体制御弁装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置について詳細に説明する。
図1乃至図4に示すように、本発明の実施の形態に係る流体制御弁装置Sは、流体の減圧制御を行なう機能を備えた減圧弁である。本流体制御弁装置Sは、流体の入口2及び出口3を有した本体1を備えるとともに、本体1にその入口2から出口3に至る流体を制御弁61の開閉により制御する制御弁部60を備えて構成されている。
【0025】
本体1には、入口2側の入口側通路4,出口3側の出口側通路5,入口側通路4に中空の接続部6を介して接続され出口側通路5に至るとともに制御弁部60の制御弁61により開閉される第1通路7,入口側通路4に接続部6を介して接続される第2通路8が備えられている。
接続部6に開口する入口側通路4の入口接続口10,第1通路7の第1接続口11及び第2通路8の第2接続口12は、これらの中心線X0,X1,X2が所定断面(2図乃至図4に示す断面)上でT字状に交叉するように接続部6に接続されている。詳しくは、入口側通路4,第1通路7及び第2通路8は、入口側通路4の入口接続口10の中心線X0に対して第1通路7の第1接続口11の中心線X1及び第2通路8の第2接続口12の中心線X2を直交させ、且つ、第1通路7の第1接続口11の中心線X1及び第2通路8の第2接続口12の中心線X2を同軸に連続させて形成されている。
【0026】
この接続部6には、図5にも示す切換ボール弁20が備えられている。この切換ボール弁20は、中心線X0,X1,X2の交点を通り所定断面に直交する直交軸Yを軸線として回動可能に設けられ回動させられて入口側通路4と第1通路7とを連通し第2通路8を遮断する第1位置A1(図2),入口側通路4と第2通路8とを連通し第1通路7を遮断する第2位置A2(図3),入口側通路4と第1通路7及び第2通路8の両者とを遮断する第3位置A3(図4)に位置させられる。図1に示すように、本体1には、切換ボール弁20を回動させるための直交軸Yを軸線とした回動軸21が回動可能に取り付けられており、図5に示すように、切換ボール弁20には、この回動軸21の内端に係合して連結される係合凹部22が設けられている。
【0027】
切換ボール弁20には、この切換ボール弁20の表面に一方開口23及び他方開口24の一対の開口を有し中心線X0,X1,X2の交点を通るとともに第1位置A1で入口接続口10と第1接続口11とを連通し、第2位置A2で入口接続口10と第2接続口12とを連通する連通路25が形成されている。この、連通路25は、第3位置A3で連通路25の一対の開口23,24が形成されないこの切換ボール弁20の一般表面によって第1接続口11及び第2接続口12を塞ぐようにV字状に折曲形成されている。一般表面は、一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26と、一対の開口23,24間が近い側の面からなる他方一般面27とからなる。実施の形態では、図4に示すように、第1接続口11を一方一般面26で塞ぎ、第2接続口12を他方一般面27で塞ぐようにしている。しかし、これとは逆に、第1接続口11を他方一般面27で塞ぎ、第2接続口12を一方一般面26で塞ぐようにして良い。
【0028】
より詳しくは、入口接続口10の直径をD0,第1接続口11の直径をD1,第2接続口12の直径をD2,連通路25の一方開口23及び他方開口24の直径をDmとしたとき、Dm<D0,Dm<D1,Dm<D2,D1<D0,D2<D0に設定し、第1位置A1で連通路25の一方開口23が入口接続口10内に開口し連通路25の他方開口24が第1接続口11内に開口し、第2位置A2で連通路25の他方開口24が入口接続口10内に開口し連通路25の一方開口23が第2接続口12内に開口するように、連通路25の中心線の折曲角度θを定めている。実施の形態では、110°≦θ≦140°、例えば、θ=120°に定めている。
【0029】
また、本体1は、出口3を含む出口側通路5の一部を構成するとともに第1接続口11を含み第1通路7の全部もしくは一部(実施の形態では全部)を構成する主体30を備えて構成されている。この主体30は、接続部6に連通するとともに第2通路8の第2接続口12の中心線X2を軸線とし切換ボール弁20を接続部6内に外部から装着可能にした切換ボール弁装着口31を備え、切換ボール弁装着口31に取付け取外し可能に設けられ取付け時に切換ボール弁装着口31を塞ぐとともに第2接続口12を含み第2通路8の全部もしくは一部(実施の形態では一部)を構成する閉塞体32を備えて構成されている。切換ボール弁装着口31は、第2通路8を横断しており、内側口31aと外側口31bとを備えている。閉塞体32も、内側口31aを塞ぐ内側体32aと、外側口31bを塞ぐ外側体32bとを備えている。内側体32aと外側体32bとは一体形成されており、外側口31bに設けた雌ネジに外側体32bに設けた雄ネジを螺合することにより閉塞体32は取付けられる。尚、内側体32aと外側体32bとを別体に形成し、個々に取付けるよう構成して良い。
【0030】
また、第1接続口11の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状の第1シールリング33が設けられ、閉塞体32の内側体32aに形成される第2接続口12の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状の第2シールリング34が設けられる。入口接続口10の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けられない。
【0031】
一方、第1通路7及び第2通路8は、出口3側に設けた中空の合流部36を介して出口側通路5へ接続されている。この合流部36に開口する出口側通路5の出口合流口40,第1通路7の第1合流口41及び第2通路8の第2合流口42は、これらの中心線M0,M1,M2が所定断面(図2乃至図4に示す断面)上でT字状に交叉するように合流部36に接続しされている。詳しくは、出口側通路5,第1通路7及び第2通路8は、出口側通路5の出口合流口40の中心線M0及び第1通路7の第1合流口41の中心線M1に対して第2通路8の第2合流口42の中心線M2を直交させ、且つ、出口側通路5の出口合流口40の中心線M0及び第1通路7の第1合流口41の中心線M1を同軸に連続させて形成されている。また、中心線X0と中心線M0は同軸上に位置させている。
【0032】
この合流部36には、付随ボール弁50が備えられる。付随ボール弁50は、中心線M0,M1,M2の交点を通り所定断面に直交する直交軸Nを軸線として回動可能に設けられ回動させられて切換ボール弁20の第1位置A1において第1通路7及び第2通路8と出口側通路5とを連通する1番位置B1(図2),切換ボール弁20の第2位置A2において第2通路8と出口側通路5とを連通し第1通路7を遮断する2番位置B2(図3),切換ボール弁20の第3位置A3において第1通路7と第2通路8とを連通し出口側通路5を遮断する3番位置B3(図4)に位置させられる。図1に示すように、本体1には、付随ボール弁50を回動させるための直交軸Nを軸線とした回動軸51が回動可能に取り付けられている。
【0033】
付随ボール弁50には、この付随ボール弁50の表面に3つの開口を有し中心線M0,M1,M2の交点を通るT字状の連続路52が形成されている。連続路52は、第1開口53及び第2開口54を有し互いに同一軸上にある直状路と第3開口55を有し直状路に直交する交差路とを備えて構成されている。そして、1番位置B1で、出口合流口40と第1開口53とを連通し、第1合流口41と第2開口54とを連通し、第2合流口42と第3開口55とを連通する。2番位置B2で、出口合流口40と第3開口55とを連通し、第3開口55とは反対側の付随ボール弁50の一般表面で第1合流口41を遮断する。3番位置B3では、第3開口55とは反対側の付随ボール弁50の一般表面で出口合流口40を遮断する。
【0034】
より詳しくは、出口合流口40の直径をE0,第1合流口41の直径をE1,第2合流口42の直径をE2,連続路52の第1開口53,第2開口54及び第3開口55の直径をEmとしたとき、Em<E0,Em<E1,Em<E2に設定し、1番位置B1で、連続路52の第1開口53が出口合流口40内に開口し、連続路52の第2開口54が第1合流口41内に開口し、連続路52の第3開口55が第2合流口42内に開口し、2番位置B2で、連続路52の第1開口53が合流部36内に開口し、連続路52の第2開口54が第2合流口42内に開口し、連続路52の第3開口55が出口合流口40内に開口するようにしている。
【0035】
また、本体1においては、合流部36及び出口側通路5を含む出口3側が、出口側通路5の出口合流口40の中心線M0及び第1通路7の第1合流口41の中心線M1に直交し合流部36を通る平面で切断されており、第1合流口41を含み第1通路7の全部もしくは一部(実施の形態では全部)を構成する上記の主体30と、出口側通路5を含む出口体56とに分割されている。この出口体56は、主体30に対してボルト56a,ナット56bによって取付け取外し可能になっており、出口体56を取外した状態で、付随ボール弁50を合流部36内に外部から装着可能にしている。
【0036】
更に、第1合流口41の開口縁には、付随ボール弁50の表面が摺接するリング状の内側シールリング57が設けられ、出口合流口40の開口縁には、付随ボール弁50の表面が摺接するリング状の外側シールリング58が設けられている。第2合流口42の開口縁には付随ボール弁50の表面が摺接するリング状のシールリングは設けられない。
【0037】
更にまた、制御弁部60は、円盤状の制御弁61と、一端部が本体1の主体30の下壁に摺動可能に支持されるとともに一端部側の途中に制御弁61を支持したロッド62と、主体30の第1通路7の途中に設けられるとともにロッド62の制御弁61より他端部側が遊挿され第1接続口11側からの流体が中間から流入して一端開口から第1合流口41側へ流出させる筒状体63と、筒状体63の他端開口に設けられロッド62を支持する軸受64とを備えている。筒状体63の一端開口は、制御弁61が当接し当接時に第1通路7を塞ぐ弁座65として構成されている。また、制御弁部60は、ロッド62の他端部を支持するダイヤフラム66を備えている、ダイヤフラム66は筒状体63の他端外側の主体30の仕切壁との間に出口3側の流体が連通路67を介して入り込む圧力室68を形成している。ダイヤフラム66の上側には主体30にボルトで着脱可能に設けられダイヤフラム66を覆うカップ状の蓋69が設けられ、この蓋69内には、ロッド62と同軸に圧縮状態で収納されダイヤフラム66を押えるコイルスプリング70が収納されている。符号71は、蓋69にコイルスプリング70と同軸に進退可能に設けられコイルスプリング70の圧縮強さを調整する調整ボルト、符号72は、調整ボルト71を適宜位置に位置決めするロックナットである。
【0038】
従って、この実施の形態に係る制御弁装置によれば、以下のように流体を制御する。
<減圧制御時>
図2に示すように、切換ボール弁20を第1位置A1にし、付随ボール弁50を1番位置B1にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26が第2接続口12を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、常時は制御弁61が開になって流体を流し、出口3側の圧力が高くなり、圧力室68の圧力が高まったとき制御弁61が閉になって流体の流れを止め出口3側を減圧する。
【0039】
<バイパス制御時>
図3に示すように、切換ボール弁20を第2位置A2にし、付随ボール弁50を2番位置B2にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口間が遠い側の面からなる一方一般面26が第1接続口11を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。また、付随ボール弁50においては、第3開口55と反対側の一般面により、第1合流口41を閉止するので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、第1通路7が閉止され第2通路8が有効になるので、入口2側の流体は第2通路8を通って出口3側へ排出されて行く。
【0040】
<停止制御時>
図4に示すように、切換ボール弁20を第3位置A3にし、付随ボール弁50を3番位置B3にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26が第1接続口11を閉止し、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が近い側の面からなる他方一般面27が第2接続口12を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっており、また、他方一般面27も、従来のT字の第3開口cと第1開口aの間の一般面や第3開口cと第2開口bの間の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。また、付随ボール弁50においては、第3開口55と反対側の一般面により、出口合流口40を閉止するので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、第1接続口11,第2接続口12が閉止されるとともに、出口合流口40が閉止されるので、流体の流れは停止する。
【0041】
これらの各制御時においては、切換ボール弁20の第1位置A1,第2位置A2,第3位置A3における接続が、連通路25の一方開口23及び他方開口24の一対の開口を対応する接続口10,11,12に合わせるだけで良いので、それだけ単純化される。また、切換ボール弁20において、連通路25の一方開口23及び他方開口24が、接続口10,11,12内に開口するので、一方開口23及び他方開口24が接続口10,11,12の周囲に塞がれて狭められることがなく、そのため、流路を確実に確保することができ、流体の流れを円滑にすることができる。一方、付随ボール弁50においても、連続路52の3つの各開口53,54,55が、合流口40,41,42内に開口するので、各開口53,54,55が合流口40,41,42の周囲に塞がれて狭められることがなく、そのため、流路を確実に確保することができ、流体の流れを円滑にすることができる。
【0042】
また、接続部6において、入口接続口10の開口縁には切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来(図10)に比較して、シールリングが1つ少なくなり、そのため、部品点数を低減させることができるとともに、シールリングを設ける部位の加工も少なくすることができ、それだけ、構造を単純化することができる。また、第1シールリング33と第2シールリング34は、中心線X1,X2の一直線上に位置することになるので、切換ボール弁20の支持が、180°対面したシールリングで保持することになり、それだけ支持を安定化することができる。
【0043】
一方、合流部36においても、第2合流口42の開口縁には付随ボール弁50の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来(図10)に比較して、シールリングが1つ少なくなり、そのため、部品点数を低減させることができるとともに、シールリングを設ける部位の加工も少なくすることができ、それだけ、構造を単純化することができる。また、内側シールリング57と外側シールリング58は、中心線M0,M1の一直線上に位置することになるので、付随ボール弁50の支持が、180°対面したシールリングで保持することになり、それだけ支持を安定化することができる。
【0044】
そしてまた、本実施の形態に係る制御弁装置Sにおいては、切換ボール弁20の連通路25をV字状に形成したので、従来(図10)のように、3つの開口のあるT字状の連通路111のものを加工する場合に比較して、加工を容易にすることができる。また、上述したように、一方一般面26は、従来のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっており、他方一般面27は、従来のT字の第3開口cと第1開口aの間の一般面や第3開口cと第2開口bの間の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができ、その分、部品や構造を単純化することができる。このことは、接続口10,11,12の口径を同じにして、切換ボール弁20を小さくして小型化を図ることができることも意味する。即ち、切換ボール弁20の一般面を広く取ることができるので、切換ボール弁20を小さくしても、一般面の広さを実質的に狭めることがないことから、小型化を図ることができるのである。
【0045】
また、本体1において、主体30を出口3を含む出口側通路5の一部を構成するようにして、入口接続口10の開口縁には切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来(図10)のように、入口側通路4が形成された筒状の入口側分体114をねじ手段を介して着脱可能に備える必要もなくなり、そのため、本体1の加工を少なくすることができ、本体1のケース構造も簡略化することができる。更に、本体1においては、第1合流口41を含む主体30と、出口側通路5を含む出口体56とに分割し、出口体56を取外した状態で、付随ボール弁50を合流部36内に外部から装着可能にしたので、従来のように、付随ボール弁装着口122を設けて閉塞体123で閉塞する構造が不要になり、しかも、出口側通路106が形成された筒状の出口側分体124をねじ手段を介して装着する構造が不要になり、そのため、本体1の加工を少なくすることができ、この点でも本体1のケース構造を大幅に簡略化することができる。
【0046】
次に、本発明の別の実施の形態に係る流体制御弁装置Sについて詳細に説明する。
図6乃至図9に示すように、本発明の別の実施の形態に係る流体制御弁装置Sは、流体としての蒸気の復水を制御弁部90の制御弁91の開閉制御により自動的に排出するスチームトラップとして構成されている。上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
【0047】
本体1には、入口2側の入口側通路4,出口3側の出口側通路5,入口側通路4に中空の接続部6を介して接続され出口側通路5に至るとともに制御弁部90の制御弁91により開閉される第1通路7,入口側通路4に接続部6を介して接続される第2通路8が備えられている。
接続部6に開口する入口側通路4の入口接続口10,第1通路7の第1接続口11及び第2通路8の第2接続口12は、これらの中心線X0,X1,X2が所定断面(7図乃至図9に示す断面)上でT字状に交叉するように接続部6に接続されている。詳しくは、入口側通路4,第1通路7及び第2通路8は、入口側通路4の入口接続口10の中心線X0に対して第1通路7の第1接続口11の中心線X1及び第2通路8の第2接続口12の中心線X2を直交させ、且つ、第1通路7の第1接続口11の中心線X1及び第2通路8の第2接続口12の中心線X2を同軸に連続させて形成されている。
【0048】
この接続部6には、図5にも示す上記と同様の切換ボール弁20が備えられている。この切換ボール弁20は、中心線X0,X1,X2の交点を通り所定断面に直交する直交軸Yを軸線として回動可能に設けられ回動させられて入口側通路4と第1通路7とを連通し第2通路8を遮断する第1位置A1(図7),入口側通路4と第2通路8とを連通し第1通路7を遮断する第2位置A2(図8),入口側通路4と第1通路7及び第2通路8の両者とを遮断する第3位置A3(図9)に位置させられる。図6に示すように、本体1には、切換ボール弁20を回動させるための直交軸Yを軸線とした回動軸21が回動可能に取り付けられており、図5に示すように、切換ボール弁20には、この回動軸21の内端に係合して連結される係合凹部22が設けられている。
【0049】
切換ボール弁20には、この切換ボール弁20の表面に一方開口23及び他方開口24の一対の開口を有し中心線X0,X1,X2の交点を通るとともに第1位置A1で入口接続口10と第1接続口11とを連通し、第2位置A2で入口接続口10と第2接続口12とを連通する連通路25が形成されている。この、連通路25は、第3位置A3で連通路25の一対の開口23,24が形成されないこの切換ボール弁20の一般表面によって第1接続口11及び第2接続口12を塞ぐようにV字状に折曲形成されている。一般表面は、一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26と、一対の開口23,24間が近い側の面からなる他方一般面27とからなる。実施の形態では、図9に示すように、第1接続口11を一方一般面26で塞ぎ、第2接続口12を他方一般面27で塞ぐようにしている。しかし、これとは逆に、第1接続口11を他方一般面27で塞ぎ、第2接続口12を一方一般面26で塞ぐようにして良い。
【0050】
より詳しくは、入口接続口10の直径をD0,第1接続口11の直径をD1,第2接続口12の直径をD2,上記連通路25の一方開口23及び他方開口24の直径をDmとしたとき、Dm<D0,Dm<D1,Dm<D2,D1<D0,D2<D0に設定し、第1位置A1で連通路25の一方開口23が入口接続口10内に開口し連通路25の他方開口24が第1接続口11内に開口し、第2位置A2で連通路25の他方開口24が入口接続口10内に開口し連通路25の一方開口23が第2接続口12内に開口するように、連通路25の中心線の折曲角度θ(図5)を定めている。実施の形態では、110°≦θ≦140°、例えば、θ=120°に定めている。
【0051】
また、本体1は、出口3を含む出口側通路5の全部を構成するとともに第1接続口11を含み第1通路7の全部もしくは一部(実施の形態では一部)を構成する主体30を備えて構成されている。この主体30は、接続部6に連通するとともに第2通路8の第2接続口12の中心線X2を軸線とし切換ボール弁20を接続部6内に外部から装着可能にした切換ボール弁装着口31を備え、切換ボール弁装着口31に取付け取外し可能に設けられ取付け時に切換ボール弁装着口31を塞ぐとともに第2接続口12を含み第2通路8の全部もしくは一部(実施の形態では一部)を構成する閉塞体32を備えて構成されている。切換ボール弁装着口31は、第2通路8を横断しており、内側口31aと外側口31bとを備えている。閉塞体32も、内側口31aを塞ぐ内側体32aと、外側口31bを塞ぐ外側体32bとを備えている。内側体32aと外側体32bとは夫々別体で形成されており、内側体32aは内側口31aに設けた雌ネジに内側体32aに設けた雄ネジを螺合することにより取付けられ、外側体32bは外側口31bに設けた雌ネジに外側体32bに設けた雄ネジを螺合することにより取付けられる。尚、内側体32aと外側体32bとを一体に形成して取付けるよう構成して良い。
【0052】
また、第1接続口11の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状の第1シールリング33が設けられ、閉塞体32の内側体32aに形成される第2接続口12の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状の第2シールリング34が設けられる。入口接続口10の開口縁には、切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けられない。
【0053】
更にまた、本体1は、上記の主体30と、主体30の上部に付設される従体80と、従体80を覆うカップ状の覆体81と、従体80及び覆体81を覆い主体30にボルトで固定される蓋体82とを備えて構成されている。従体80は、円錐台状に形成され、中心には中心軸X1を軸とし第1通路7の一部を構成する中間路83が形成されている。また、従体80の上面側には覆体81に覆われる空間部84が形成されている。また、従体80の中間路83の周囲には、出口側通路5に連通する周囲路85が形成されている。
【0054】
そして、制御弁部90は、周知のバイメタル駆動型のものであり、上記の従体80及び覆体81を構成要素とするとともに、円盤状の制御弁91と、制御弁91を駆動する駆動体92とを備えて構成されている。制御弁91は、空間部84に収納されており、常時は中間路83及び周囲路85を塞ぎ、駆動体92による駆動により中間路83及び周囲路85を開にして第1通路7の流体を出口側通路5へ流入させる。駆動体92は従体80の傾斜した外周面に被冠されるCリング状のバイメタルで形成され、温度が高いときは拡径して従体80の外周面に沿って下降し、温度が低下すると縮径して従体80の外周面に沿って上昇し制御弁91を押し上げる。この駆動体92の制御弁91の押し上げにより、中間路83及び周囲路85が開放し、第1通路7の流体が出口側通路5に流入可能になる。
【0055】
従って、この実施の形態に係る制御弁装置Sによれば、以下のように流体を制御する。
<トラップ制御時>
図7に示すように、切換ボール弁20を第1位置A1にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26が第2接続口12を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、常時は制御弁91が閉になって流体の流れを止め、流体の温度が低くなって制御弁91が開になると、流体が第1通路7を通して出口側通路5に流入し、流体としての蒸気の復水が排出される。
【0056】
<バイパス制御時>
図8に示すように、切換ボール弁20を第2位置A2にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が遠い側の面からなる一方一般面26が第1接続口11を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、第1通路7が閉止され第2通路8が有効になるので、入口2側の流体は第2通路8を通って出口3側へ排出されて行く。
【0057】
<停止制御時>
図9に示すように、切換ボール弁20を第3位置A3にする。この場合、切換ボール弁20の一対の開口間が遠い側の面からなる一方一般面26が第1接続口11を閉止し、切換ボール弁20の一対の開口23,24間が近い側の面からなる他方一般面27が第2接続口12を閉止するが、この一方一般面26は、従来(図10)のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっており、また、他方一般面27も、従来のT字の第3開口cと第1開口aの間の一般面や第3開口cと第2開口bの間の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができる。この状態では、第1接続口11,第2接続口12が閉止されるので、流体の流れは停止する。
【0058】
これらの各制御時においては、切換ボール弁20の第1位置A1,第2位置A2,第3位置A3における接続が、連通路25の一方開口23及び他方開口24の一対の開口23,24を対応する接続口10,11,12に合わせるだけで良いので、それだけ単純化される。また、切換ボール弁20において、連通路25の一方開口23及び他方開口24が、接続口10,11,12内に開口するので、一方開口23及び他方開口24が接続口10,11,12の周囲に塞がれて狭められることがなく、そのため、流路を確実に確保することができ、流体の流れを円滑にすることができる。
【0059】
また、接続部6において、入口接続口10の開口縁には切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来(図10)に比較して、シールリングが1つ少なくなり、そのため、部品点数を低減させることができるとともに、シールリングを設ける部位の加工も少なくすることができ、それだけ、構造を単純化することができる。また、第1シールリング33と第2シールリング34は、中心線X1,X2の一直線上に位置することになるので、切換ボール弁20の支持が、180°対面したシールリングで保持することになり、それだけ支持を安定化することができる。
【0060】
そしてまた、本実施の形態に係る制御弁装置Sにおいては、切換ボール弁20の連通路25をV字状に形成したので、従来(図10)のように、3つの開口のあるT字状の連通路111のものを加工する場合に比較して、加工を容易にすることができる。また、上述したように、一方一般面26は、従来のT字の第3開口cと反対側の一般面より広くなっており、他方一般面27は、従来のT字の第3開口cと第1開口aの間の一般面や第3開口cと第2開口bの間の一般面より広くなっているので、閉止箇所のシール性を確実にすることができ、その分、部品や構造を単純化することができる。このことは、接続口10,11,12の口径を同じにして、切換ボール弁20を小さくして小型化を図ることができることも意味する。即ち、切換ボール弁20の一般面を広く取ることができるので、切換ボール弁20を小さくしても、一般面の広さを実質的に狭めることがないことから、小型化を図ることができるのである。
【0061】
また、本体1において、主体30を、出口3を含む出口側通路5の一部を構成するようにして、入口接続口10の開口縁には切換ボール弁20の表面が摺接するリング状のシールリングは設けないので、従来(図10)のように、入口側通路105が形成された筒状の入口側分体114をねじ手段を介して着脱可能に備える必要もなくなり、そのため、本体1の加工を少なくすることができ、本体1のケース構造も簡略化することができる。
【0062】
尚、上記実施の形態では、本発明を制御弁部60の制御弁61の開閉制御により減圧する減圧弁、あるいは、制御弁部90の制御弁91の開閉制御により流体としての蒸気の復水を自動的に排出するスチームトラップに適用した例を示したが、本発明は、他の流体制御弁装置にも適用できる。また、水や蒸気用に限らず、オイル等の各種流体用に適用できることは勿論である。当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
S 流体制御弁装置
1 本体
2 入口
3 出口
4 入口側通路
5 出口側通路
6 接続部
7 第1通路
8 第2通路
10 入口接続口
11 第1接続口
12 第2接続口
X0,X1,X2 中心線
Y 直交軸
20 切換ボール弁
A1 第1位置
A2 第2位置
A3 第3位置
21 回動軸
23 一方開口
24 他方開口
25 連通路
26 一方一般面
27 他方一般面
30 主体
31 切換ボール弁装着口
32 閉塞体
33 第1シールリング
34 第2シールリング
36 合流部
40 出口合流口
41 第1合流口
42 第2合流口
M0,M1,M2 中心線
N 直交軸
B1 1番位置
B2 2番位置
B3 3番位置
50 付随ボール弁
51 回動軸
52 連続路
53 第1開口
54 第2開口
55 第3開口
56 出口体
57 内側シールリング
58 外側シールリング
60 制御弁部
61 制御弁
80 従体
81 覆体
82 蓋体
83 中間路
84 空間部
85 周囲路
90 制御弁部
91 制御弁
92 駆動体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10