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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】故障診断装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/68 20060101AFI20230523BHJP
   G01F 1/684 20060101ALI20230523BHJP
   G01F 1/696 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
G01F1/68 B
G01F1/684 A
G01F1/696 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019170074
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021047095
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 有紀
(72)【発明者】
【氏名】片桐 宗和
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-122651(JP,A)
【文献】特開2018-136138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/68-1/699
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の流体を輸送する配管の外壁に、接着剤で接着固定され、前記流体を加熱するヒータと、
前記ヒータより上流側の前記配管の外壁に、接着剤で接着固定され、前記流体の温度を測定する温度センサと、
前記ヒータの温度と前記ヒータの熱影響を受けない位置における前記流体の温度との差が設定されている設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータに加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と
を備える熱式流量計の故障を診断する故障診断装置において、
前記流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、
前記ヒータの温度を前記ヒータの周辺の温度より高い温度に制御するように構成された温度制御部と、
前記流体停止部が前記流体の流れを停止し、前記温度制御部が前記ヒータの温度を制御した状態で、前記温度制御部が前記ヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、前記温度センサで測定された温度の変化を計測するように構成された温度変化計測部と、
前記温度変化計測部が計測した温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合に、前記ヒータおよび前記温度センサの少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定するように構成された判定部と
を備える故障診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の故障診断装置において、
前記流体停止部が前記流体の流れを停止し、前記温度制御部が前記ヒータの温度を制御した状態で、前記温度制御部が前記ヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、前記ヒータの電力の変化を計測するように構成された電力変化計測部と、
前記電力変化計測部が計測した電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合に、前記ヒータの接着状態に異常がある故障の状態と判定するように構成されたヒータ異常判定部と
をさらに備えることを特徴とする故障診断装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の故障診断装置において、
前記接着剤は、熱伝導性接着剤であることを特徴とする故障診断装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の故障診断装置において、
前記熱式流量計は、前記流体の流量を前記センサ値から算出するように構成された流量算出部をさらに備えることを特徴とする故障診断装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の故障診断装置において、
前記温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受けない位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と前記温度センサが測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータの電力を前記センサ値として出力する
ことを特徴とする故障診断装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の故障診断装置において、
前記温度センサは、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサから構成され、
前記第1温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受けない位置の前記流体の温度を測定し、
前記第2温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記第3温度センサは、前記ヒータより下流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と、前記第1温度センサが測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記第2温度センサが測定した前記流体の温度と前記第3温度センサが測定した前記流体の温度との温度差を前記センサ値として出力する
ことを特徴とする故障診断装置。
【請求項7】
測定対象の流体を輸送する配管の外壁に、接着剤で接着固定され、前記流体を加熱するヒータと、
前記ヒータより上流側の前記配管の外壁に、接着剤で接着固定され、前記流体の温度を測定する温度センサと、
前記ヒータの温度と前記ヒータの熱影響を受けない位置における前記流体の温度との差が設定されている設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータに加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と
を備える熱式流量計の故障診断方法であって、
前記流体の流れを停止する第1ステップと、
前記第1ステップに続いて、前記ヒータの温度を前記ヒータの周辺の温度より高い温度に制御する第2ステップと、
前記第1ステップで前記流体の流れが停止され、前記第2ステップで前記ヒータの温度が制御された状態で、前記第2ステップで前記ヒータの温度の制御が開始された第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、前記温度センサで測定された温度の変化を計測する第3ステップと、
前記第3ステップで計測された温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合に、前記ヒータおよび前記温度センサの少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定する第4ステップと
を備える故障診断方法。
【請求項8】
請求項7記載の故障診断方法において、
前記流体停止部が前記流体の流れを停止し、前記温度制御部が前記ヒータの温度を制御した状態で、前記温度制御部が前記ヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、前記ヒータの電力の変化を計測する第5ステップと、
前記第5ステップで計測された電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合に、前記ヒータの接着状態に異常がある故障の状態と判定する第6ステップと
をさらに備えることを特徴とする故障診断方法。
【請求項9】
請求項7または8記載の故障診断方法において、
前記熱式流量計の設置直後に、前記流体の流れを停止する第7ステップと、
前記第7ステップに続いて、前記ヒータの温度を前記ヒータの周辺の温度より高い温度に制御する第8ステップと、
前記第7ステップで前記流体の流れが停止され、前記第8ステップで前記ヒータの温度が制御された状態で、前記第8ステップで前記ヒータの温度の制御が開始された第3時点から、設定されている時間経過した第4時点までに、前記温度センサで測定された温度の変化、または前記ヒータの電力の変化を計測し、計測した値を前記温度基準値または電力基準値とする第9ステップと
をさらに備えることを特徴とする故障診断方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の故障診断方法において、
前記接着剤は、熱伝導性接着剤であることを特徴とする故障診断方法。
【請求項11】
請求項7~10のいずれか1項に記載の故障診断方法において、
前記温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受けない位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と前記温度センサが測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータの電力を前記センサ値として出力する
ことを特徴とする故障診断方法。
【請求項12】
請求項7~10のいずれか1項に記載の故障診断方法において、
前記温度センサは、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサから構成され、
前記第1温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受けない位置の前記流体の温度を測定し、
前記第2温度センサは、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記第3温度センサは、前記ヒータより下流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と、前記第1温度センサが測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記第2温度センサが測定した前記流体の温度と前記第3温度センサが測定した前記流体の温度との温度差を前記センサ値として出力する
ことを特徴とする故障診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量計の故障を診断する故障診断装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配管を流れる流体の流量や流速を測定する技術が、工業・医療分野などで幅広く利用されている。流量や流速を測定する装置としては、電磁流量計、渦流量計、コリオリ式流量計、熱式流量計など様々な種類があり、用途に応じて使い分けられている。熱式流量計は、 気体の検出が可能であり、圧力損失が基本的にはなく、質量流量が測定できるなどの利点がある。また、配管をガラスから構成することで、有機溶媒が用いられた液体や、腐食性の液体の流量を測定可能とした熱式流量計も用いられている(特許文献1参照)。このような液体の流量を測定する熱式流量計は、微量な流量の測定に適している。
【0003】
熱式流量計は、例えば、ヒータの消費電力により流量を測定する。配管の上流から下流に向かって温度センサ、ヒータを順次設け、ヒータの温度と、温度センサで測定されるヒータの熱影響を受けない上流における流体の温度との差が、予め設定されている設定温度差となるように、ヒータを制御する。この状態で、ヒータの電力を計測してセンサ値とし、このセンサ値より流体の流量を算出する。温度センサおよびヒータは、配管の外壁の他の部位より薄く形成した箇所に、接着剤で接着固定されている。
【0004】
このように薄い箇所に温度センサを配置することで、配管を流れる流体の温度を好感度に測定できる。また、このように薄い箇所にヒータを配置することで、配管を流れる流体を効率良く短時間で加熱することができる。また、配管と温度センサおよびヒータとの間の熱伝達をよくするために、熱伝導性接着剤が用いられている。
【0005】
よく知られているように、上述したヒータの消費電力と、流体の流量との間には相関がある。また、この相関関係は、同じ流体/流量/温度において再現性がある。従って、上述したように計測されるヒータの消費電力より、所定の相関係数(定数)を用いることで流量が算出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】2017-101955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した熱式流量計では、温度センサやヒータが、配管の外壁に確実に接着固定され、密着していることが重要となる。接着剤の劣化などにより、例えば、温度センサやヒータが、配管の外壁に密着せず、部分的に隙間が発生すると、効率のよい流体の加熱ができず、また、流体の温度を正確に測定することができなくなり、正確な流量計測ができなくなる。熱式流量計による計測を実施していると、雰囲気の湿度の影響、温度の影響、およびヒートサイクルの影響などにより、接着剤が劣化する場合がある。このように使用環境の影響により接着剤が劣化するような場合、熱式流量計を設置した初期には上述した問題はないが、経時とともに問題が発生することになる。
【0008】
しかしながら、一度、取り付けた熱式流量計を取り外すことは容易でないため、流量計を取り外し、また分解することによって、上述した異常の有無を確認(故障診断)することは容易ではない。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、設置した状態で熱式流量計の故障が診断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る故障診断装置は、測定対象の流体を輸送する配管の外壁に、接着剤で接着固定され、流体を加熱するヒータと、ヒータより上流側の配管の外壁に、接着剤で接着固定され、流体の温度を測定する温度センサと、ヒータの温度とヒータの熱影響を受けない位置における流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータに加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路とを備える熱式流量計の故障を診断する故障診断装置において、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、ヒータの温度をヒータの周辺の温度より高い温度に制御するように構成された温度制御部と、流体停止部が流体の流れを停止し、温度制御部がヒータの温度を制御した状態で、温度制御部がヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサで測定された温度の変化を計測するように構成された温度変化計測部と、温度変化計測部が計測した温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合に、ヒータおよび温度センサの少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定するように構成された判定部とを備える。
【0011】
上記故障診断装置の一構成例において、流体停止部が流体の流れを停止し、温度制御部がヒータの温度を制御した状態で、温度制御部がヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、ヒータの電力の変化を計測するように構成された電力変化計測部と、電力変化計測部が計測した電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合に、ヒータの接着状態に異常がある故障の状態と判定するように構成されたヒータ異常判定部とをさらに備える。
【0012】
上記故障診断装置の一構成例において、接着剤は、熱伝導性接着剤である。
【0013】
上記故障診断装置の一構成例において、熱式流量計は、流体の流量をセンサ値から算出するように構成された流量算出部をさらに備える。
【0014】
上記故障診断装置の一構成例において、温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受けない位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と温度センサが測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータの電力をセンサ値として出力する。
【0015】
上記故障診断装置の一構成例において、温度センサは、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサから構成され、第1温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受けない位置の流体の温度を測定し、第2温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、第3温度センサは、ヒータより下流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と、第1温度センサが測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、第2温度センサが測定した流体の温度と第3温度センサが測定した流体の温度との温度差をセンサ値として出力する。
【0016】
本発明に係る故障診断方法は、測定対象の流体を輸送する配管の外壁に、接着剤で接着固定され、流体を加熱するヒータと、ヒータより上流側の配管の外壁に、接着剤で接着固定され、流体の温度を測定する温度センサと、ヒータの温度と温度センサが測定した流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータの電力をセンサ値として出力するセンサ回路とを備える熱式流量計の故障診断方法であって、流体の流れを停止する第1ステップと、第1ステップに続いて、ヒータの温度をヒータの周辺の温度より高い温度に制御する第2ステップと、第1ステップで流体の流れが停止され、第2ステップでヒータの温度が制御された状態で、第2ステップでヒータの温度の制御が開始された第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサで測定された温度の変化を計測する第3ステップと、第3ステップで計測された温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合に、ヒータおよび温度センサの少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定する第4ステップとを備える。
【0017】
上記故障診断方法の一構成例において、流体停止部が流体の流れを停止し、温度制御部がヒータの温度を制御した状態で、温度制御部がヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、ヒータの電力の変化を計測する第5ステップと、第5ステップで計測された電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合に、ヒータの接着状態に異常がある故障の状態と判定する第6ステップとをさらに備える。
【0018】
上記故障診断方法の一構成例において、熱式流量計の設置直後に、流体の流れを停止する第7ステップと、第7ステップに続いて、ヒータの温度をヒータの周辺の温度より高い温度に制御する第8ステップと、第7ステップで流体の流れが停止され、第8ステップでヒータの温度が制御された状態で、第8ステップでヒータの温度の制御が開始された第3時点から、設定されている時間経過した第4時点までに、温度センサで測定された温度の変化、またはヒータの電力の変化を計測し、計測した値を温度基準値または電力基準値とする第9ステップとをさらに備える。
【0019】
上記故障診断方法の一構成例において、接着剤は、熱伝導性接着剤である。
【0020】
上記故障診断方法の一構成例において、温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受けない位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と温度センサが測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータの電力をセンサ値として出力する。
【0021】
上記故障診断方法の一構成例において、温度センサは、第1温度センサ、第2温度センサ、第3温度センサから構成され、第1温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受けない位置の流体の温度を測定し、第2温度センサは、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、第3温度センサは、ヒータより下流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と、第1温度センサが測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、第2温度センサが測定した流体の温度と第3温度センサが測定した流体の温度との温度差をセンサ値として出力する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、流体の流れを停止した状態で、ヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサで測定された温度の変化を計測するので、設置した状態で熱式流量計の故障が診断できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る故障診断装置100の構成を示す構成図である。
図2図2は、熱式流量計120の構成を示す構成図である。
図3図3は、他の熱式流量計120の構成を示す構成図である。
図4図4は、温度変化計測部103により計測される温度の変化について示す特性図である。
図5図5は、本発明の実施の形態1に係る故障診断方法を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施の形態2に係る故障診断装置200の構成を示す構成図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2に係る故障診断方法を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、実施の形態に係る故障診断装置のハードウエア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る故障診断装置について説明する。
【0025】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る故障診断装置100について図1を参照して説明する。故障診断装置100は、流体停止部101、温度制御部102、温度変化計測部103、判定部104を備え、熱式流量計120の故障を診断する。
【0026】
ここで、熱式流量計120は、ヒータ121、温度センサ122、センサ回路123を備える。ヒータ121は、測定対象の流体を輸送する配管151の外壁に、接着剤で接着固定され、流体を加熱する。
【0027】
例えば、ヒータ121は、配管151の外壁に形成されて一部が部分的にへこむ形状とされて他の部位より薄く形成された座ぐり部151aに、接着剤で接着固定されている。温度センサ122は、ヒータ121より上流側の配管151の外壁に、接着剤で接着固定され、流体の温度を測定する。温度センサ122は、配管151の外壁に形成されて一部が部分的にへこむ形状とされて他の部位より薄く形成された座ぐり部151bに、接着剤で接着固定されている。配管151は、例えば、ガラス、サファイアなどから構成することができる。座ぐり部を設けることで、ヒータや温度センサと流体との間の熱伝導をより向上させることができる。なお、配管151の管壁が十分に薄い場合、座ぐり部を設ける必要はない。
【0028】
接着剤は、例えば、伝導性フィラーとバインダー樹脂との混合物であるペーストから構成された熱伝導性接着剤を用いることができる。伝導性フィラーには、例えば、銀、銅、金、鉄、ニッケル、およびアルミニウムなどの金属微粉末やカーボンブラックを用いることができる。また、バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびイミド樹脂などの樹脂とすることができる。
【0029】
センサ回路123は、ヒータ121の温度とヒータ121の熱影響を受けない位置における流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータ121を駆動しているときの、ヒータ121に加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力する。
【0030】
図2に示す例では、温度センサ122は、ヒータ121より上流側でヒータ121の熱影響を受けない位置の流体の温度を測定し、センサ回路123は、ヒータ121の温度と温度センサ122が測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータ121を駆動しているときの、ヒータ121の電力をセンサ値として出力する。センサ回路123は、制御部124、電力計測部125を備える。
【0031】
制御部124は、ヒータ121の温度と、温度センサ122で測定されるヒータ121の熱影響を受けない位置、例えばヒータ121より上流における流体の温度との差が、予め設定されている設定温度差となるように、ヒータ121を制御して駆動する。電力計測部125は、制御部124により制御されているヒータ121の電力を計測して出力する。センサ回路123を構成する電力計測部125から出力される電力がセンサ値となる。
【0032】
また、熱式流量計120は、流量算出部126を備える。流量算出部126は、電力計測部125が計測して出力したヒータ121の電力(センサ値)より、流体の流量を算出する。よく知られているように、ヒータ121の温度とヒータ121の熱影響を受けない位置における流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータ121を駆動しているときの、ヒータ121が消費している電力と、流体の流量との間には相関がある。また、この相関関係は、同じ流体/流量/温度において再現性がある。従って、上述したように、ヒータ121が制御部124に制御されている状態で、電力計測部125が計測した電力より、流量算出部126において、所定の相関係数(定数)を用いることで流量が算出できる。
【0033】
また、熱式流量計120は、図3に示す構成とすることもできる。図3に示す例では、温度センサは、温度センサ(第1温度センサ)122、温度センサ(第2温度センサ)127、温度センサ(第3温度センサ)128から構成される。この例では、温度センサ127は、配管151の外壁に形成されて一部が部分的にへこむ形状とされて他の部位より薄く形成された座ぐり部151cに、接着剤で接着固定されている。また、温度センサ128は、配管151の外壁に形成されて一部が部分的にへこむ形状とされて他の部位より薄く形成された座ぐり部151dに、接着剤で接着固定されている。
【0034】
温度センサ122は、ヒータ121より上流側でヒータ121の熱影響を受けない位置の流体の温度を測定する。温度センサ127は、ヒータ121より上流側でヒータ121の熱影響を受ける位置の流体の温度を測定する。温度センサ128は、ヒータ121より下流側でヒータ121の熱影響を受ける位置の流体の温度を測定する。
【0035】
センサ回路123’は、ヒータ121の温度と、温度センサ122が測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータ121を駆動しているときの、温度センサ127が測定した流体の温度と温度センサ128が測定した流体の温度との温度差をセンサ値として出力する。センサ回路123’は、制御部124’を備える。制御部124’は、ヒータ121の温度と、温度センサ122で測定されるヒータ121の熱影響を受けない位置、例えばヒータ121より上流における流体の温度との差が、予め設定されている設定温度差となるように、ヒータ121を制御して駆動する。
【0036】
また、この例では、流量算出部126’を備える。流量算出部126’は、上述した温度センサ127が測定した流体の温度と温度センサ128が測定した流体の温度との温度差より、流体の流量を算出する。
【0037】
よく知られているように、ヒータ121の温度とヒータ121の熱影響を受けない位置における流体の温度との差が、予め設定されている設定温度差となるようにヒータ121を駆動しているときの、ヒータ121より上流の流体の温度とヒータ121より下流の流体の温度との温度差と、流体の流量との間には相関がある。また、この相関関係は、同じ流体/流量/温度において再現性がある。従って、上述したように、ヒータ121が制御部113に制御されている状態で、温度測定部127が測定した温度と温度測定部128が測定した温度との差(温度差)より、所定の相関係数(定数)を用いることで流量が算出できる。
【0038】
流体停止部101は、流体の流れを停止する。例えば、流体停止部101は、図2図3)に示す配管151の図示しない上流側に設けられているバルブを全閉状態とすることで、配管151を流れる流体の流れを停止する。
【0039】
温度制御部102は、ヒータ121の温度をヒータ121の周辺(周囲)の温度より高い温度に制御する。温度変化計測部103は、流体停止部101が流体の流れを停止し、温度制御部102がヒータ121の温度を制御した状態で、温度制御部102がヒータ121の温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサ122で測定された温度の変化を計測する。
【0040】
判定部104は、温度変化計測部103が計測した温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合に、ヒータ121および温度センサ122の少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定する。
【0041】
ヒータ121による加熱が開始されると、この熱はヒータ121から、接着剤の層を介して配管151へ伝達する。配管151で伝達した熱は、配管151から流体へ伝達するが、一部は、配管151を介して、温度センサ122の箇所に到達する。この熱は、接着剤の層を介して温度センサ122に伝達する。この熱伝達の変化により、温度センサ122の測定結果に変化が生じる。
【0042】
ヒータ121の接着剤、または、温度センサ122の接着剤、または、これらの両方に剥離などの欠陥が生じると、ヒータ121と配管151の外壁との間、温度センサ122と配管151の外壁との間のいずれかに、隙間が形成されることになる。この隙間における熱伝導率は、接着剤の熱伝導率よりも小さい。このため、隙間が形成されている状態では、上述したヒータ121から温度センサ122への熱伝達が小さくなるものと考えられる。
【0043】
上述した熱伝達の変化が、温度変化計測部103により計測される温度の変化に現れる。上述したように、熱伝達が小さくなれば、温度変化計測部103により計測される温度の変化が小さくなる。例えば、図3に示すように、実線で示す異常の無い場合に温度変化計測部103により計測される温度の変化ΔT0に対し、点線で示す異常のある場合に温度変化計測部103により計測される温度の変化ΔT1は、小さくなる。ΔT0を温度基準値とし、ΔT1を温度基準値ΔT0と比較することで判定すれば、接着剤の欠陥などによる故障の診断が可能となる。
【0044】
ここで、上述した温度基準値は、接着剤に異常が発生していないものと判断できる故障診断装置100の製造直後に実施した、上述した流体停止部101、温度制御部102、および温度変化計測部103による温度変化の計測値を用いることができる。なお、接着剤に異常が無く、ヒータ121および温度センサ122が、配管151の外壁に密着している正常な状態で計測される上述の温度変化により、測定対象の液種の診断が実施できる。
【0045】
次に、本発明の実施の形態に係る故障診断装置の動作(故障診断方法)について、図2を参照して説明する。
【0046】
まず、ステップS101で、流体停止部101が、配管151を流れる流体の流れを停止する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、温度制御部102が、ヒータ121の温度をヒータ121の周辺の温度より高い温度に制御する(第2ステップ)。
【0047】
上述したように、流体の流れが停止され、ヒータ121の温度が制御されると、ステップS103で、温度変化計測部103が、温度制御部102によりヒータ121の温度の制御が開始された第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサ122で測定された温度の変化を計測する(第3ステップ)。
【0048】
次に、ステップS104で、判定部104が、第3ステップで計測された温度の変化が、設定されている温度基準値より小さいか否かを判定する(第4ステップ)。計測された温度の変化が、設定されている温度基準値より小さい場合(ステップS104のyes)、ステップS105で、判定部104は、ヒータ121および温度センサ122の少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定する。また、判定部104は、故障を判定すると、この旨を、例えば、図示しない表示部に表示することでユーザに通知する。一方、計測された温度の変化が、設定されている温度基準値より大きい場合(ステップS104のno)、診断動作を終了する。
【0049】
ここで、上述した温度基準値は、次に示すことにより予め求めておくことができる。まず、熱式流量計120の設置直後に、流体停止部101により流体の流れを停止する(第7ステップ)。続いて、温度制御部102により、ヒータ121の温度をヒータ121の周辺の温度より高い温度に制御する(第8ステップ)。このように、流体の流れを停止し、ヒータ121の温度を制御している状態で、ヒータ121の温度の制御が開始された第3時点から、設定されている時間経過した第4時点までに、温度センサ122で測定された温度の変化を計測し、計測した値を温度基準値とする(第9ステップ)。
【0050】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る故障診断装置200について図6を参照して説明する。故障診断装置200は、流体停止部101、温度制御部102、温度変化計測部103、判定部104、電力変化計測部203、ヒータ異常判定部204を備え、熱式流量計120の故障を診断する。流体停止部101、温度制御部102、温度変化計測部103、判定部104、熱式流量計120は、前述した実施の形態1と同様であり、以下では説明を省略する。
【0051】
電力変化計測部203は、流体停止部101が流体の流れを停止し、温度制御部102がヒータ121の温度を制御した状態で、温度制御部102がヒータ121の温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、ヒータ121の電力(消費電力)の変化を計測する。例えば、図2を用いて例示した熱式流量計120において、電力計測部125で計測されて出力されたヒータ121の電力の変化が、電力変化計測部203で計測される。
【0052】
ヒータ異常判定部204は、電力変化計測部203が計測した電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合に、ヒータ121の接着状態に異常がある故障の状態と判定する。実施の形態2の故障診断装置200は、温度変化計測部103および判定部104により、ヒータ121および温度センサ122の少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定されると、電力変化計測部203、ヒータ異常判定部204によるヒータ121の接着状態の異常判定により、発生している異常が、ヒータ121および温度センサ122の両方か、それともいずれか一方かを判定する。
【0053】
ヒータ121による加熱が開始されると、この熱はヒータ121から、接着剤の層を介して配管151へ伝達する。配管151で伝達した熱は、配管151から流体へ伝達するが、一部は、配管151を介して、温度センサ122の箇所に到達する。この熱は、接着剤の層を介して温度センサ122に伝達する。この熱伝達の変化により、ヒータ121の消費電力に変化が生じる。
【0054】
ヒータ121の接着剤に剥離などの欠陥が生じると、ヒータ121と配管151の外壁との間に、隙間が形成されることになる。間隙が存在すると、ヒータ121で発生した熱が配管151の方向へ伝わりにくくなり、ヒータ121が容易に昇温する状態となり、ヒータ121の消費電力が、隙間がない場合に比較して小さくなる。ここで、ヒータ121の接着剤には欠陥がなく、温度センサ122の接着剤には欠陥が生じている場合、上述したヒータ121の消費電力の変化は生じない。従って、ヒータ121の消費電力の変化を判定することで、ヒータ121の接着剤における異常と、温度センサ122の接着剤における異常とを切り分けることができる。
【0055】
上述したヒータ121の動作状態の変化は、電力変化計測部203により計測される電力の変化に現れる。上述したように、隙間の存在により消音しやすい状態では、電力変化計測部203により計測される電力の変化が、電力基準値より小さくなる。例えば、異常の無い場合に電力変化計測部203により計測される電力の変化ΔT0に対し、異常のある場合に電力変化計測部203により計測される電力の変化ΔT1は、小さくなる。ΔT0を電力基準値とし、ΔT1を電力基準値ΔT0と比較することで判定すれば、ヒータ121の接着剤の欠陥などによる故障の診断が可能となる。
【0056】
ここで、上述した電力基準値は、ヒータ121の接着剤に異常が発生していないものと判断できる故障診断装置200の製造直後に実施した、上述した流体停止部101、温度制御部102、および電力変化計測部203による電力変化の計測値を用いることができる。
【0057】
次に、本発明の実施の形態2に係る故障診断装置の動作(故障診断方法)について、図7を参照して説明する。ここで、以下に示す動作(故障診断方法)は、前述した実施の形態1における故障診断を実施した後に実施することができる。
【0058】
まず、ステップS101で、流体停止部101が、配管151を流れる流体の流れを停止する(第1ステップ)。次に、ステップS102で、温度制御部102が、ヒータ121の温度をヒータ121の周辺の温度より高い温度に制御する(第2ステップ)。
【0059】
上述したように、流体の流れが停止され、ヒータ121の温度が制御されると、ステップS203で、電力変化計測部203が、温度制御部102によりヒータ121の温度の制御が開始された第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、電力計測部125で計測されたヒータ121の電力の変化を計測する(第5ステップ)。
【0060】
次に、ステップS204で、ヒータ異常判定部204が、第3ステップで計測された電力の変化が、設定されている電力基準値より小さいか否かを判定する(第6ステップ)。計測された電力の変化が、設定されている電力基準値より小さい場合(ステップS204のyes)、ステップS205で、ヒータ異常判定部204は、ヒータ121および温度センサ122の少なくとも一方の接着状態に異常がある故障の状態と判定する。また、ヒータ異常判定部204は、故障を判定すると、この旨を、例えば、図示しない表示部に表示することでユーザに通知する。一方、計測された電力の変化が、設定されている電力基準値より大きい場合(ステップS204のno)、診断動作を終了する。
【0061】
ここで、上述した電力基準値は、次に示すことにより予め求めておくことができる。まず、熱式流量計120の設置直後に、流体停止部101により流体の流れを停止する(第7ステップ)。続いて、温度制御部102により、ヒータ121の温度をヒータ121の周辺の温度より高い温度に制御する(第8ステップ)。このように、流体の流れを停止し、ヒータ121の温度を制御している状態で、ヒータ121の温度の制御が開始された第3時点から、設定されている時間経過した第4時点までに、電力計測部125で計測されたヒータ121の電力の変化を計測し、計測した値を電力基準値とする(第9ステップ)。
【0062】
なお、上述した実施の形態に係る故障診断装置は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)301と主記憶装置302と外部記憶装置303とネットワーク接続装置304となどを備えたコンピュータ機器とし、主記憶装置302に展開されたプログラムによりCPU301が動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能(故障診断方法)が実現されるようにすることもできる。上記プログラムは、上述した実施の形態で示した故障診断方法をコンピュータが実行するためのプログラムである。ネットワーク接続装置304は、ネットワーク305に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0063】
また、上述した実施の形態における故障診断装置は、FPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)により構成することも可能である。例えば、FPGAのロジックエレメントに、記憶部、流体停止部、温度制御部、温度変化計測部、判定部(電力変化計測部、ヒータ異常判定部)の各々を回路として備えることで、故障診断装置として機能させることができる。記憶回路、流体停止回路、温度制御回路、温度計測回路、判定回路(電力変化計測回路、ヒータ異常判定回路)の各々は、所定の書き込み装置を接続してFPGAに書き込むことができる。また、FPGAに書き込まれた上記の各回路は、FPGAに接続した書き込み装置により確認することができる。
【0064】
以上に説明したように、本発明によれば、流体の流れを停止した状態で、ヒータの温度の制御を開始した第1時点から、設定されている時間経過した第2時点までに、温度センサで測定された温度の変化を計測するので、設置した状態で熱式流量計の故障が診断できるようになる。
【0065】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0066】
100…故障診断装置、101…流体停止部、102…温度制御部、103…温度変化計測部、104…判定部、120…熱式流量計、121…ヒータ、122…温度センサ、123…センサ回路、124…制御部、125…電力計測部、126…流量算出部、151…配管、151a,151b…座ぐり部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8