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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】経腸栄養デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
A61J15/00 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021518992
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019065383
(87)【国際公開番号】W WO2019238773
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】18177719.4
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520491920
【氏名又は名称】ロックフィールド・メディカル・ディバイセス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】メイン,ドナル
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン,トーマス・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ダミアン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/140731(WO,A1)
【文献】特開平08-182742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経腸流体のための貯留槽を定める小袋であって、前記小袋から経腸流体を送達するための出口を有する小袋と、
前記小袋出口に接続される小袋栓、およびコネクタシャフトを取り付けるようになされているコネクタ栓を有する出口噴出口と、
前記噴出口に取り付けられる弁と
を備え、
前記コネクタ栓は、コネクタシャフトが前記弁を通じて延ばされるときに、PEGフィードシステムのコネクタシャフトを前記コネクタ栓に取り付ける取り付け手段を有する、携帯用経腸栄養装置であって、
コネクタシャフトが前記弁を通じて延ばされていない場合に、コネクタシャフトを前記コネクタ栓に固定するのを防ぐインターロックを備え、
前記コネクタ栓は、4つの溝を備え、各溝は隣接した溝から周方向に90°離間しており、前記コネクタシャフトは、4つのリブを備え、各リブは、隣接したリブから周方向に90°離間し、180°だけ離間しているリブのうちの2つは長いリブであり、残りの2つは短いリブであり、
前記インターロックは、コネクタシャフト構成の通過を防ぐために、180°だけ離間している前記溝のうちの2つに、前記短いリブが係合する端止めを備える、
携帯用経腸栄養装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経腸栄養装置であって、前記コネクタ栓は、コネクタキャップと係合するようになされているねじのねじ山を備える、経腸栄養装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経腸栄養装置であって、コネクタシャフトが前記弁を通じて延びるときだけ、前記ねじのねじ山は、コネクタキャップに係合するようになされている、経腸栄養装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記噴出口は、前記弁のための受けを備える、経腸栄養装置。
【請求項5】
請求項4に記載の経腸栄養装置であって、前記弁受けは、前記弁と係合するためのリッジを備える、経腸栄養装置。
【請求項6】
請求項5に記載の経腸栄養装置であって、前記弁を前記噴出口内の所定の位置に保持するリテーナ要素をさらに備える、経腸栄養装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記弁は、スリット弁などのゼロシール弁である、経腸栄養装置。
【請求項8】
請求項7に記載の経腸栄養装置であって、前記弁は、シリコーンなどのエラストマー材料を含む、経腸栄養装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋栓は、前記小袋を前記小袋栓へ取り付けるための側翼を備える、経腸栄養装置。
【請求項10】
請求項9に記載の経腸栄養装置であって、前記翼の少なくとも1つは、前記小袋の充填中に空気を逃すための空気孔を備える、経腸栄養装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋栓は、前記小袋の前記出口を前記小袋栓に取り付けるようになされており、
前記小袋栓は、前記小袋が取り付けられる溝などの取り付け機構を備え、
前記装置は、前記小袋前記取り付け機構に取り付けるためのロック要素をさらに備える、
経腸栄養装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、遠位シャフトと栄養チューブに接続するための近位取り付け機構とを有するコネクタをさらに備え、前記遠位シャフトは、前記コネクタ栓と係合するようになされているコネクタ構成を有し、前記遠位シャフトは、クロスコネクタシャフトである、
経腸栄養装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋出口は、前記経腸流体を前記小袋の中に充填するための入口も提供する、経腸栄養装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋は、膨張した充填済み構成と萎んだ構成とを有する膨張性要素から形成され、前記膨張性要素の膨張が、経腸流体を前記小袋から送達する唯一の力を与える、経腸栄養装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋を囲むほぼガス不透過性の障壁をさらに備え、
前記小袋が経腸流体で充填されるとき、前記小袋は、囲んでいる前記障壁の内面の形状にほぼ適合する、経腸栄養装置。
【請求項16】
請求項15に記載の経腸栄養装置であって、流体が前記小袋から送達されるとき、前記小袋と前記障壁の間に空間が形成される、経腸栄養装置。
【請求項17】
請求項15または16に記載の経腸栄養装置であって、前記障壁は、膜を備える、経腸栄養装置。
【請求項18】
請求項17に記載の経腸栄養装置であって、前記膜は、金属層を含む積層体を備える、経腸栄養装置。
【請求項19】
請求項17または18に記載の経腸栄養装置であって、前記膜は、PET層を含む、経腸栄養装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
経腸栄養法または経管栄養法は、自発的に食べ物を食べるまたは飲み込むことができない人々によって世界中で使用されている。経腸栄養法は、主電源または電池から電気的に駆動されるポンプを用いてこれらの人々に必要な栄養物を送達する。ポンプは、外科的に挿入されるチューブを通じて処方箋の処方を胃または鼻の系統の中に直接投与する。
【0002】
PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)は、患者の胃に挿入される固定具であり、これは、栄養投与が始められるようにポンプからくる栄養チューブが取り付けられることを可能にする。患者がPEGを必要とする理由のいくつかは、頭部外傷、卒中、膠原血管障害、および頭部、のど、または食道などの癌である。経腸栄養法を必要とする背後にある他の理由は、普通の食事から必要なカロリーをとることができない人々によって使用されるプレポートオプションを介して体重を得る必要があること、運動ニューロン病、脳腫瘍、パーキンソン病、または脳損傷の結果などの神経学的状態から生じ得る。術前または術後の手術、火傷、または膵炎などの外科的状態、神経性食欲不振症などの精神医学的問題、あるいは嚢胞性線維症などの障害も、経腸栄養法を必要とし得る。
【0003】
経腸栄養法に使用される現在の技術に関する問題のいくつかは、液体処方を送達するために使用されるポンプの騒音および振動、ポンプをセットアップするときに使用者が受け得る困難、および最も重要なことには、人の移動性の制限を含む。従来の栄養システムは、電池で電力供給されるまたは電子的に電力供給されるポンプを含む。特に夜寝ようとするときにとても騒々しいものであり得る騒音および振動が発生する。家で栄養投与されるとき、患者は、横になるまたは座らせる必要があり、次いで、ポンプがIV型スタンドの上に配置され、このポンプよりも高くにバッグが保持される。約500mlから1000mlの1回の注入が、投与されるまで4から24時間かかり得るが、これは、栄養の注入が速すぎると胃痛または嘔吐をもたらす可能性があり、処方の放出が遅すぎると効果が少なくなり、患者に疲労およびエネルギー不足を残すので、患者に完全に依存する。
【0004】
夜間の栄養投与のために、これを患者のベッドのそばにセットアップする必要もある。一般に、夜は、患者により長く食品を放出するために、より遅い栄養投与速度が使用される。患者は、しばしば、眠ろうとするとき、一定の騒音、振動、およびさらにポンプの視覚的影響(点灯)で、それが難しく、いらいらしていると感じる。
【0005】
患者が家にいないとき、患者は、必要なポンプ、処方、管類、および全ての他の装備のための特別なキャリーバッグを使用する必要がある。従来のキャリーバッグは、平均的なバックパックとほぼ同じサイズである。これにより、使用者は、いくらかの作業を行いつつ、栄養投与することが可能になるが、それは制限的である。経腸流体用の容器からポンプへ流れることを可能にするために、重力が必要になる。ポンプは、電力供給および/または電池パックも必要とする。ユニットは、複雑なインタフェースを用いてプログラムされなければならない。現在の携帯用システムは、重くて嵩張り、このことは、それらにあまり可搬性がなく、また個々に分離できないことを意味する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、PEG栄養法のための携帯用経腸栄養装置を提供する。この装置は、経腸流体のための貯留槽を定める小袋であって、小袋から経腸流体を送達するための出口を有する小袋を備える。出口噴出口は、小袋出口に接続される小袋栓、およびコネクタシャフト、一実例では、ENFitコネクタのクロスフィットシャフトを取り付けるようになされているコネクタ栓を有する。弁は、噴出口に取り付けられる。コネクタ栓は、コネクタシャフトが弁を通じて延ばされるときにだけ、PEGフィードシステムのコネクタシャフトをコネクタ栓に取り付ける取り付け手段を有する。インターロックは、コネクタシャフトが弁を通じて延ばされていない場合に、コネクタシャフトをコネクタ栓に固定するのを防ぐように設けられる。
【0007】
本発明は、
経腸流体のための貯留槽を定める小袋であって、小袋から経腸流体を送達するための出口を有する小袋と、
小袋出口に接続される小袋栓、およびコネクタシャフトを取り付けるようになされているコネクタ栓を有する出口噴出口と、
噴出口に取り付けられる弁と
を備え、
コネクタ栓は、コネクタシャフトが弁を通じて延ばされるときに、PEGフィードシステムのコネクタシャフトをコネクタ栓に取り付ける取り付け手段を有する、携帯用経腸栄養装置であって、
コネクタシャフトが弁を通じて延ばされていない場合に、コネクタシャフトをコネクタ栓に固定するのを防ぐインターロックを備える、携帯用経腸栄養装置を提供する。
【0008】
一実例では、コネクタ栓は、複数の溝を備え、インターロックは、コネクタシャフト構成の通過を防ぐために、溝の少なくとも1つに端止めを備える。コネクタ栓は、4つの溝を備えてもよい。各溝は、隣接した溝から周方向に90°離間していてもよい。180°だけ離間している溝のうちの2つは端止めを有してもよい。
【0009】
一実例では、コネクタ栓は、コネクタキャップと係合するようになされているねじのねじ山を備える。コネクタシャフトが弁を通じて延びるときだけ、ねじのねじ山は、コネクタキャップに係合するようになされていてもよい。
【0010】
一実例では、噴出口は、弁のための受けを備える。弁受けは、弁と係合するためのリッジを備えてもよい。弁を噴出口内の所定の位置に保持するリテーナ要素があってもよい。
【0011】
一実例では、弁は、スリット弁などのゼロシール弁である。弁は、シリコーンなどのエラストマー材料を含んでもよい。
【0012】
一実例では、第1の栓は、小袋を第1の栓へ取り付けるための側翼を備える。翼の少なくとも1つは、小袋の充填中に空気を逃すための空気孔を備えてもよい。
【0013】
一実例では、第1の栓は、膨張性要素の出口を第1の栓に取り付けるようになされている。第1の栓は、膨張性要素が取り付けられる溝などの取り付け特徴、機能又は機構(feature)を備えてもよい。一実例では、膨張性要素をハウジングの取り付け機能又は機構に取り付けるためのロック要素がある。
【0014】
一実例では、装置は、遠位シャフトと栄養チューブに接続するための近位(基端)取り付け機能又は機構とを有するコネクタをさらに備え、遠位シャフトは、コネクタ栓と係合するようになされているコネクタ構成を有する。遠位シャフトは、クロスコネクタシャフトであってもよい。
【0015】
一実例では、小袋出口は、経腸流体を小袋の中に充填するための入口も提供する。
【0016】
小袋は、膨張した充填済み構成と萎んだ構成とを有する膨張性要素から形成されてもよい。膨張性要素の膨張により唯一の力を与え、これによって経腸流体が小袋から送達されてもよい。
【0017】
一実例では、ほぼガス不透過性の障壁が、小袋を囲む。小袋が経腸流体で充填されるとき、小袋は、囲んでいる障壁の内面の形状にほぼ適合することができる。
【0018】
一実例では、流体が小袋から送達されるとき、小袋と障壁の間に空間が形成される。
【0019】
障壁は、膜を備えてもよい。この膜は、金属層を含む積層体を備えてもよい。膜は、PET層を備えてもよい。
【0020】
本発明によれば、経腸流体のための貯留槽を定める小袋であって、小袋から経腸流体を送達するための出口を有する小袋と、出口ポートとを備える携帯用経腸栄養装置であって、小袋は、膨張した充填済み構成と萎んだ構成とを有する膨張性要素によって形成され、出口ポートは、弁と、この弁のためのハウジングとを備える携帯用経腸栄養装置が提供される。
【0021】
一実例では、弁ハウジングは、膨張性要素をハウジングに取り付けるようになされている。
【0022】
ハウジングは、膨張性要素が取り付けられる溝などの取り付け機能又は機構を備えてもよい。
【0023】
装置は、膨張性要素をハウジングの取り付け機能又は機構に取り付けるためのロック要素をさらに備えてもよい。
【0024】
一実例では、弁ハウジングは、弁のための受けを備える。弁受けは、弁と係合するためのリッジを備えてもよい。装置は、弁をハウジング内の所定の位置に保持するリテーナ要素をさらに備えてもよい。
【0025】
いくつかの事例では、弁は、スリット弁などのゼロシール弁である。弁は、シリコーンなどのエラストマー材料を含んでもよい。
【0026】
いくつかの事例では、装置は、弁ハウジングのための外側キャップをさらに備える。
【0027】
一実施形態では、装置は、弁を貫通するために遠位端にスパイクを有するチューブ状コネクタと、チューブ先導部をPEGに接続するためのルアーまたはENFitなどの近位取り付け機能又は機構とをさらに備える。
【0028】
一実施形態では、弁ハウジングは、スパイクのためのチューブ状受け入れセクションを備えており、スパイクは、チューブ状受け入れセクションにおける締まり嵌めである。
【0029】
いくつかの事例では、出口は、経腸流体を膨張性要素に充填するための入口も提供する。
【0030】
膨張性要素の膨張により唯一の力を与え、これによって経腸流体が小袋から送達されてもよい。
【0031】
経腸栄養装置は、小袋を囲むほぼガス不透過性の障壁をさらに備えてもよい。
【0032】
一実例では、内側障壁は、経腸流体と接触するようになされている内面と、膨張した充填済み構成における膨張性要素の内面にほぼ適合する外面とを有する。
【0033】
一実施形態では、内側障壁は、膜を備える。膜は、PETを含んでもよい。
【0034】
外側障壁は、積層体などの膜から形成されてもよい。最終的な形状は、隣接する縁部に沿ってシールされるブランクから製造されてもよい。障壁は、前面パネルおよび後面パネルと、折り畳み可能な側面パネルとを備えてもよい。
【0035】
一実例では、装置は、自立型である。装置は、底部ガセットを備えてもよい。
【0036】
一実施形態では、経腸栄養装置は、小袋からの経腸流体の流れを調整する調整器をさらに備える。
【0037】
一実例では、調整器は、流れチャンネルと、流れチャンネルの穴を調節する手段とを備える。
【0038】
代替としてまたは加えて、調整器は、摩擦調整器を含む。
【0039】
一実施形態では、調整器は、コイル管を備える。複数のコイル管があってもよい。コイル管は、調整器の長さを調節するために互いに係合するように構成されてもよい。
【0040】
一実例では、コイルは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を有する入口ポートを備える。
【0041】
一実例では、コイルは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を有する出口ポートを備える。
【0042】
一実例では、コイルは、流線に直接送達するために側面ポートを有してもよい。これは、例えば、医薬を押し流すまたは送達するために使用され得る。
【0043】
一実施形態では、膨張した構成における膨張性要素によって加えられる圧力は、0.05から900psi(0.000345から6.2053MPa)、0.05から90psi(0.000345から0.62053)、0.5から3.0psi(0.003447から0.0206843MPa)、1.0から2.5psi(0.006895から0.017237MPa)、または1.0から2.0psi(0.006895から0.0137895MPa)である。
【0044】
いくつかの実施形態では、膨張した充填済み構成における膨張性要素の容積は、50mlから1000ml、250から750ml、400から600ml、または約500mlである。
【0045】
いくつかの実施形態では、膨張した充填済み構成における膨張性要素の壁厚は、0.01から1.0mm、0.05から1.0mm、0.1から0.5mm、または約0.2mmである。
【0046】
一実施形態では、100%から1000%の周方向延長における膨張した充填済み構成における膨張性要素のセカント弾性係数は、0.1から4.5MPaである。
【0047】
一実例では、300%から500%の周方向延長における膨張した充填済み構成における膨張性要素のセカント弾性係数は、0.1から1.6MPa、0.1から1.0MPa、または約0.5MPaである。
【0048】
いくつかの実施形態では、装置は、1から1500ml/時、50から1000ml/時、250から750ml/時、または約500ml/時の流量を送達するように構成されている。
【0049】
一実例では、膨張性要素は、シリコーンエラストマーを備える。
【0050】
膨張性要素は、室温で加硫する2成分型シリコーンゴムを含み得る。
【0051】
経腸栄養装置は、スマートラベルまたは近距離無線通信タグなどの標識をさらに備えてもよい。
【0052】
いくつかの事例では、経腸栄養装置は、経腸食品に関連した特性を検出するセンサをさらに備える。
【0053】
いくつかの事例では、センサは、例えば、重量センサ、容積センサ、圧力センサ、および/またはフローセンサであり得る。
【0054】
一実施形態では、出口ポートは、シールを備える。シールは、箔などの突き刺し可能な材料であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、送達ポートは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を備える。
【0056】
出口ポートのための取り外し可能なキャップがあってもよい。
【0057】
一実例では、携帯用経腸栄養装置は、経腸流体を小袋の中に送達するための入口ポートを備える。入口ポートは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を備えてもよい。入口ポートは、シールを備えてもよい。
【0058】
いくつかの事例では、入口ポートは、弁を備える。
【0059】
一実例では、入口ポートは、逆止弁を備える。
【0060】
一実施形態では、携帯用経腸栄養装置は、装置をスタンドに取り付ける取り付け手段を備える。
【0061】
一実例では、装置は、エラストマー要素内に位置するスペーサを備える。このスペーサは、細長い棒を含み得る。
【0062】
本発明は、本発明の経腸栄養装置と、小袋出口に接続するための第1の端部におけるルアーまたはENFitコネクタとPEG固定具に接続するための第2の端部におけるルアーまたはENFitコネクタとを有する栄養チューブとを備える経腸栄養システムも提供する。
【0063】
システムは、小袋からの経腸流体の流れを調整するための調整器を備えてもよい。
【0064】
本発明は、本発明の経腸栄養装置と、小袋からの経腸流体の流れを調整するための調整器とを備える経腸栄養システムも提供する。
【0065】
一実例では、調整器は、流れチャンネルと、流れチャンネルの穴を調節する手段とを備える。
【0066】
代替としてまたは加えて、調整器は、摩擦調整器を含む。
【0067】
一実施形態では、調整器は、コイル管を備える。
【0068】
経腸栄養システムは、複数のコイル管を備えてもよい。
【0069】
一実例では、コイル管は、調整器の長さを調節するために互いに係合するように構成される。
【0070】
いくつかの事例では、コイルは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を有する入口ポートを備える。
【0071】
いくつかの事例では、コイルは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を有する出口ポートを備える。
【0072】
本発明によれば、経腸流体のための貯留槽を定める小袋と、小袋から経腸流体を送達するための出口ポートとを備える携帯用経腸栄養装置であって、経腸流体を小袋から出口ポートを通じて送達する力を与えるようになされている膨張性要素を有する、携帯用経腸栄養装置が本明細書で提供される。
【0073】
一実施形態では、小袋は、膨張性要素を備え、小袋は、膨張した充填済み構成と、萎んだ構成とを有する。
【0074】
膨張性要素は、膨張性の高分子材料を含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、経腸栄養装置は、小袋を囲むほぼガス不透過性の障壁をさらに備える。
【0076】
一実例では、小袋が経腸流体で充填されるとき、小袋は、囲んでいる障壁の内面の形状にほぼ適合する。
【0077】
流体が小袋から送達されるとき、小袋と障壁の間に空間が形成され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、障壁は、ガス不透過性膜、例えば、金属箔などの膜を含む。
【0079】
一実施形態では、装置は、自立型である。
【0080】
装置は、基部支持体を有してもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、経腸栄養装置は、近距離無線通信タグなどの標識をさらに備える。
【0082】
一実施形態では、経腸栄養装置は、経腸食品に関連した特性を検出するセンサをさらに備える。
【0083】
センサは、重量センサ、容積センサ、および/または圧力センサであり得る。
【0084】
一実例では、出口ポートは、シールを備える。シールは、箔などの突き刺し可能な材料であり得る。
【0085】
一実施形態では、送達ポートは、経腸チューブ栄養投与固定具に接続するためのルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を備える。
【0086】
一実例では、携帯用経腸栄養装置は、出口ポートのための取り外し可能なキャップを備える。
【0087】
いくつかの実施形態では、携帯用経腸栄養装置は、経腸流体を小袋の中に送達するための入口ポートを備える。
【0088】
入口ポートは、ルアーまたはENFitコネクタと係合するための係合機能又は機構を備えてもよい。
【0089】
一実例では、入口ポートは、シールを備える。
【0090】
携帯用経腸栄養装置は、装置をスタンドに取り付ける取り付け手段を備えてもよい。
【0091】
本発明は、本発明の経腸栄養装置と、小袋出口に接続するための第1の端部におけるルアーまたはENFitコネクタとPEG固定具に接続するための第2の端部におけるルアーまたはENFitコネクタとを有する栄養チューブとを備える経腸栄養システムも提供する。
【0092】
一実施形態では、経腸栄養システムは、PEGへの経腸流体の流れを調整するための調整器をさらに備える。
【0093】
以下に例のみによって与えられる本発明の以下の説明から、本発明は、より明確に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1】本発明による経腸栄養装置の出口ポートの断面図である。
図2】スパイクが弁を通じて延びている、図1の出口ポートの断面図である。
図3】出口ポートの分解組立図である。
図4図1から図3の出口ポートを有する経腸栄養小袋の図である。
図5図1から図3の出口ポートを有する経腸栄養小袋の図である。
図6図1から図3の出口ポートを有する経腸栄養小袋の図である。
図7】本発明による代替の出口ポートの断面図である。
図8】本発明による代替の出口ポートの断面図である。
図9】本発明による代替の出口ポートの断面図である。
図10】膨張性の小袋を経腸流体で充填するための1つのシステムを示す図である。
図11】膨張性の小袋を経腸流体で充填するための1つのシステムを示す図である。
図12】充填用スパイクの断面図である。
図13】シリンジに取り付けられた充填用スパイクを示す図である。
図14】使用時に膨張性の小袋を充填する充填用スパイクシステムを示す図である。
図15】使用時に膨張性の小袋を充填する充填用スパイクシステムを示す図である。
図16】異なるスパイクと共に使用するための従来のコネクタを示す図である。
図17】異なるスパイクと共に使用するための従来のコネクタを示す図である。
図18】様々な弁を示す図である。
図19】様々な弁を示す図である。
図20】様々な弁を示す図である。
図21】様々な弁を示す図である。
図22】様々な弁を示す図である。
図23】様々な弁を示す図である。
図24】様々な弁を示す図である。
図25】様々な弁を示す図である。
図26】本発明による別の噴出口の断面図である。
図27図26の噴出口の分解組立図である。
図28】噴出口の分解組立切断面図である。
図29】コネクタシャフトを備えた噴出口の断面図である。
図30】噴出口およびコネクタシャフトの等角図である。
図31】噴出口と正しく位置合わせされたコネクタシャフトの側面断面図である。
図32】コネクタシャフト先端および噴出口の細部の拡大図である。
図33】噴出口と正しく位置合わせされていないコネクタシャフトの断面図である。
図34図33の構成におけるコネクタシャフト先端および噴出口の細部の拡大図である。
図35】コネクタシャフトおよび噴出口の位置合わせ不良を示す等角図である。
図36】噴出口の部分破断図である。
図37】コネクタシャフトが弁と正しく位置合わせされている、図36の噴出口の図である。
図38】コネクタシャフトが正しく位置合わせされている噴出口の部分破断図である。
図39】コネクタシャフトが正しく位置合わせされている噴出口の部分破断図である。
図40図38と同様の図であるが、コネクタシャフトが正しく位置合わせされず、弁を通過するのが阻まれている図である。
図41図39と同様の図であるが、コネクタシャフトが正しく位置合わせされず、弁を通過するのが阻まれている図である。
図42】噴出口の等角図である。
図43図42の噴出口の上平面図である。
図44図42の噴出口の下平面図である。
図45】小袋に取り付けられた噴出口の図である。
図46】噴出口の一部の拡大断面図である。
図47】代替の噴出口の断面図である。
図48図47の噴出口の等角図である。
図49】小袋に取り付けられた図47および図48の噴出口の断面図である。
図50】噴出口および小袋の分解組立図である。
図51】付与セットの図である。
図52】小袋を充填するための充填用セットの図である。
図53】典型的なシリンジの図である。
図54】フィードボトルを正すためのアダプタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
図面を参照すると、携帯用経腸栄養装置のための出口ポートが示されている。出口ポートは、弁6と、この弁6のためのハウジングまたは噴出口2とを備える。この場合には、栄養装置は、膨張性の小袋10を備え、小袋10は、膨張した充填済み構成と、萎んだ構成とを有する。この場合には、小袋から経腸栄養を送達するためのポンプなどの機械的手段が存在しない。充填時、膨張性要素の膨張により唯一の力を与え、これによって経腸流体が小袋から送達される。
【0096】
溶接可能な噴出口は、エラストマーの小袋から経腸栄養を充填および分配するのに使用されるセルフシール機構を有する。弁シール機構は、弁シールを通じてスパイクを押すことによって作動させられる。噴出口は、
- 噴出口主本体2、
- エラストマー弁6、
- 弁リテーナリング7、
- オプショナルキャップ5
を備える。
【0097】
材料
噴出口主本体2は、任意の溶接可能な熱可塑性物質から作製することができるが、主にポリオレフィン、ポリエチレン、またはポリプロピレンから作製される。
エラストマー弁6は、任意のエラストマー材料から作製することができるが、主に、20から60Aの範囲のデュロメータのシリコーンから作製される。
弁リテーナリング7は、任意の熱可塑性物質から作製することができるが、主にポリオレフィン、ポリエチレン、またはポリプロピレンから作製される。
【0098】
図1は、互いに接続される工程における弁ハウジングまたは噴出口2とスパイクコネクタ1との切断面図を示す。スパイク部材1は、この図における噴出口主本体の高耐性領域50に入る。スパイクおよび本体が結合するときに締まり嵌めがある。スパイクと本体の間のこの締まり嵌めは、0.1mm程度であり、食品がシステムから出て行くことをシールおよび防止するために使用され、一方、噴出口/スパイクコネクタねじ山は係合状態にあり、スパイクは、弁を通じて突き刺されている。弁スリットがスパイクのまわりで十分にはシールしない場合、噴出口の首部内径とスパイク外径との間の締まり嵌めにより小袋の食品をシールする。
【0099】
噴出口主本体のスパイクと内径との間の締まり嵌めは、噴出口をフィードセットまたは所与のセットに接続する不可欠な部分である。これは、クロスフィットと丸くなったスパイクコネクタの両方に当てはまる。締まり嵌めは、≦0.1mm程度であるべきである。言い換えれば、噴出口主本体の内径は、-0.1mm<コネクタスパイクの直径であるべきである。これは、両方が一緒に嵌められるときに、締まり嵌めとワイパーシール効果の両方をもたらす。
【0100】
図2は、互いに完全に接続されている噴出口2およびスパイクコネクタ1の切断面図を示す。スパイクコネクタは、キャップが噴出口にねじ止めされることを可能にするようにキャップ5にスナップ嵌めされるスパイク3を備える。噴出口に接続されるとき、ワッシャ4が、噴出口2の頂部とスパイク3の間に配置される。噴出口は、噴出口本体2、シリコーン弁6、および弁リテーナリング7といった3つの構成要素で構成されている。弁6は、(図面では見えていない)噴出口本体の内径からのわずかなリッジ、または突出部によって保持される弁リテーナリング7によって所定の位置に保持される。
【0101】
図3は、分解組立図で噴出口2およびスパイクコネクタ1の切断面図を示す。イメージは、スパイク1、キャップ5、ポリフォームワッシャ4、噴出口2、シリコーン弁6、および弁リテーナリング7を示す。
【0102】
図4は、使用されているときのフードポッドの全体を示す。フードポッドは、箔9の囲んでいる膜を有し、エラストマー膜10は、結束バンド8を介して噴出口2に接続されている。矢印12は、流体11の方向を示しており、この流体11は、次いで、噴出口2およびスパイクコネクタ1を通過し、管類13の中に入り、患者へ放出されるようになっている。
弁は、≧1psiの圧力に耐えるべきである。
【0103】
図5は、経腸食品が送達されるときに放出されて収縮するエラストマー小袋10の圧力を示す。
図6は、完全に放出された小袋10の圧力を示し、エラストマー小袋10は、その元の形状に戻っている。
【0104】
図7は、結束バンド8によって噴出口2の基部に接続されている小袋10を示す。
図8は、プラスチックフィルメントリング14によって噴出口2に接続されている小袋10を示す。
図9は、Oリング15によって噴出口2に接続されている小袋10を示す。
噴出口主本体は、エラストマーの小袋を噴出口主本体に取り付けおよび固着するのを助ける固定機能又は機構を有する。
【0105】
図10は、小袋10を密閉充填するためのセットアップの1つを示す。栄養食パッケージング16は、クロスフィットスパイク23を介して充填用セット18に接続されている。ENFitシリンジ20は、止めコック19に接続されている。このイメージでは、栄養食は、矢印22によって示されるようにシリンジによって力が引かれるときに、シリンジ20を介して栄養パッケージング16から引き出されることが示されている。止めコック10は、この流れだけがシリンジ20に入ることができるように設定されている。
【0106】
図11は、密閉充填工程における第2のステップを示す。シリンジ20は、矢印31によって示される使用者によって前方に押し込まれる。次いで、栄養食は、止めコック19を通じて小袋10の中に直接押し込まれ、次いで、小袋10は膨張する。止めコック19は、使用者の介在により方向を切り換え、流れを小袋10の方へ向ける。
【0107】
図12は、充填用スパイク23を示す。充填用スパイク23は、シリンジ20先端の先端に適合する。図13は、シリンジ20に接続される充填用スパイク23を示す。
【0108】
図14は、充填用スパイク23を用いた充填工程を示す。使用者は、充填用スパイク23が接続された状態でシリンジ20を充填する。次いで、充填用スパイク23は、(より広いチャンネル/内径を有するようにわずかに修正されている)噴出口33の中に挿入される。接続されるとき、次いで、圧力24がシリンジ20内に及ぼされ、これにより栄養食を小袋10に押し込み、小袋10を膨張させる。図15は、一部充填された小袋10を示す。
【0109】
図16は、スパイク29の切断面図と共に使用されることが意図される別のコネクタ55を示す図である。
図17は、スパイク30の切断面図と共に使用されることが意図される別のコネクタ56をやはり示す図である。
【0110】
弁は、入る際に弁を助けるように切り込みを有しても有さなくてもよい。切り込みは、単一または多くの切り込みで作製されてもよく、切り込みは、部分的または完全に切りこまれてもよい。切り込みは、直線の切り込みに限定されず、半月形であってもよい。
図18は、単一のスリットを示す。
図19は、より短い長さを有する単一のスリットを示す。
図20は、3方向のスリットを示す。
図21は、4方向のスリットを示す。
図22は、単一のドットポンチを示す。
図23は、6方向のスリットを示す。
図24は、5方向のスリットを示す。
図25は、8方向のスリットを示す。
【0111】
図27から図41を参照すると、本発明による携帯用経腸栄養装置100が示されている。PEG栄養法のための装置100は、経腸栄養のために貯留槽を定める小袋101を含む。小袋101は、小袋から経腸栄養を送達するために出口102を有する。出口噴出口105は、小袋出口102に接続するための小袋栓106、およびコネクタシャフトを取り付けるようになされているコネクタ栓107を有する。弁109は、噴出口に取り付けられる。コネクタ栓107は、PEGフィードシステムのコネクタシャフト110を取り付ける取り付け手段を有する。噴出口は、コネクタシャフト110が弁109を通じて延びるときに、コネクタシャフト110が噴出口に固着できるように構成されている。しかしながら、コネクタシャフトが弁109を通じて延ばされていない場合に、コネクタシャフト110がコネクタ栓107に固定するのを防ぐインターロックがある。これは、コネクタが噴出口に正確に接続されない限り、小袋からの流れが存在し得ないことを確実にする。
【0112】
この場合には、コネクタ栓は複数の溝を備え、インターロックは溝の少なくとも1つに端止めを備える。
【0113】
特に図36から図41を参照すると、コネクタ栓107は、4つの溝を備え、各溝は、隣接した溝から周方向に90°離間し、180°だけ離間している溝のうちの2つは端止めを有する。2つのより長い溝は120、121であり、2つのより短い溝は122、123である。より短い溝122、123は、それぞれ端止め124、125を有する。
【0114】
コネクタシャフト110は、この場合には、2つの長いリブ130、131および2つのより短いリブ132、133を有するENFitクロスコネクタシャフトである。2つのより長いリブ130、131は、弁109におけるスリット108を貫通する前縁を有する。より短いリブ132、133は、図38および図39に特に示されるようにこの構成で端止め124、125に対して係合する。コネクタシャフト110は、チャンネル140を有し、これを通じて経腸流体は、コネクタシャフトが正しく位置合わせされた構成にあるときに流れることができる。
【0115】
コネクタシャフト110が90°回転された場合でも、より長いリブ130、131は、短い溝122、123と位置合わせされ、図40および図41に特に示されるように、長いリブ130、131の前縁は、端止め124、125によってこれ以上前進するのが防がれる。このインターロックは、コネクタシャフト110がコネクタ栓107に固定するのを防ぎ、それによってこの不正確な構成に流れが存在し得ないことを確実にする。
【0116】
噴出口105のコネクタ栓107は、ねじのねじ山145を有し、ねじのねじ山145は、コネクタのキャップ146上の対応するねじのねじ山に係合する。キャップ146は、スナップ嵌めによってコネクタシャフト110に取り付けられる。キャップ146は、コネクタ栓107上へねじ止めするようになされている。しかしながら、ねじのねじ山145は、コネクタシャフト110が弁109を通じて延びているときにキャップ146が単に係合するように配置される。このように、さらなるインターロックが、コネクタシャフトが正確に挿入されていない場合、デバイスの動作を防ぐように設けられる。
【0117】
噴出口105は、受け、この場合には、リッジ150を備え、これに対して弁109は、係合される。リテーニングリング151は、弁109の位置を保持するように噴出口にスナップ嵌めされる。
【0118】
この場合には、弁109は、単一のスリットゼロシール弁であり、単一のスリットゼロシール弁は、デュロメータを用いて20から60Aの範囲内のシリコーンなどの適切なエラストマー材料とすることができる。
【0119】
弁109を取り付けることにより、クロスフィットスパイクの貫通および除去中に弁が曲がることを可能にする。これは、シールが維持され、漏れが起こらないことを確実にする。
【0120】
図26から図28は、キャップ108、溶接された噴出口105、シリコーン弁109、およびリテーニングリング151を示す噴出口105の切断面図である。
【0121】
図29は、ISO18250-3クロスフィットスパイク110に接続される噴出口105の切断面図である。この図は、弁109が開かれ、流体が管類セットを通過することを可能にすることを示す。
【0122】
図30および図31は、図29に従って正しく位置合わせされた組み立てられた噴出口およびクロスフィットスパイク110の図である。
【0123】
図32は、図31の部分の拡大図である。これは、端止め/ブロッカ124、125のまわりの細部を示す。端止め116は、クロスフィットスパイク110が弁109を通過することを防ぐ。
【0124】
また、図33は、正しくない位置に挿入されているクロスフィットスパイク110も示す。端止め124、125は、スパイクが深入りし、弁109に損傷を及ぼすのを防ぐ。端止め124、125は、クロスフィットスパイク110のねじ山が噴出口のねじ山と接続することを可能にしない距離で配置される。これは、端止め124、125を突き破るようなトルクが発生しないことを確実にする。
【0125】
図34は、スパイク110、および端止め124、125との相互作用に関する図33の詳細図である。
【0126】
図35は、不正確に位置合わせされている組み立てられた噴出口105およびスパイク110の等角図を示す。
【0127】
図42は、組み立てられた噴出口105の等角図を示す。
【0128】
図43および図44は、組み立てられた噴出口105の上方および下方からの平面図である。
【0129】
図45は、小袋積層体にシールされた噴出口105を示す。噴出口は、小袋積層体が溶接される側翼155を有する。空気孔156は、充填中に膨張性の小袋と箔の間の空間を排気するように設けられている。
【0130】
図46は、噴出口105のスナップ嵌めと相互作用するリテーニングリング151の切断面詳細図である。小袋を保持するための結束バンド161などの固着機構を配置するためのガイド160も示されている。
【0131】
インターロック構成は、スパイクおよび弁が正確に位置合わせされるときに、クロスフィットスパイクが弁を唯一貫通することができることを確実にする。これは、クロスフィットスパイクが単一のスリット弁を通じて挿入されるときにシールが維持されることをそれが確実にするので重要である。逆流が防がれる。弁シールは、それが取り外されるときにスパイクから栄養を拭きもする。
【0132】
経腸栄養小袋は、WO2018/108337Aに記載されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。経腸栄養装置と共に使用するためのドッキングステーションは、WO2017/140731Aに記載されており、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
図47は、翼171の下方により短い突出を有する組み立てられた噴出口170の切断面図を示す。この噴出口は、固着機構のための配置を有さず、結果としてより短い突出になる。
【0134】
図48は、等角図で図7に図示されたのと同じ噴出口を示す。空気孔は、この特定の噴出口に使用されない。
【0135】
図49は、積層体パッケージング1にシールされる噴出口の切断面図を示す。これは、噴出口170が従来のパッケージング172と共に使用できることを示す。
【0136】
図50は、組み立てられた噴出口、リテーニングリング151、シリコーン弁109、結束バンド161(×2)、エラストマー101、および箔小袋の分解組立図を示す。
【0137】
図51は、ISO18250-3のクロスフィットコネクタ110を有する付与セット(送達チューブ)の正面図を示す。
【0138】
図52は、いずれかの端部にISO18250-3クロスフィットスパイク110を有する充填用セットを示す。
【0139】
図53は、ISO80369-3シリンジ180を示す。
【0140】
図54は、いくつかのフィードボトル型をISO18250-3システムに接続するために使用されるユニバーサルアダプタ181のイメージを示す。
【0141】
本発明は、以上に記載された実施形態に限定されず、これは、構成および細部が変更されてもよい。
<付記>
[形態1]
経腸流体のための貯留槽を定める小袋であって、前記小袋から経腸流体を送達するための出口を有する小袋と、
前記小袋出口に接続される小袋栓、およびコネクタシャフトを取り付けるようになされているコネクタ栓を有する出口噴出口と、
前記噴出口に取り付けられる弁と
を備え、
前記コネクタ栓は、コネクタシャフトが前記弁を通じて延ばされるときに、PEGフィードシステムのコネクタシャフトを前記コネクタ栓に取り付ける取り付け手段を有する、携帯用経腸栄養装置であって、
コネクタシャフトが前記弁を通じて延ばされていない場合に、コネクタシャフトを前記コネクタ栓に固定するのを防ぐインターロックを備える、携帯用経腸栄養装置。
[形態2]
形態1に記載の経腸栄養装置であって、前記コネクタ栓は、複数の溝を備え、前記インターロックは、コネクタシャフト構成の通過を防ぐために、前記溝の少なくとも1つに端止めを備える、経腸栄養装置。
[形態3]
形態2に記載の経腸栄養装置であって、前記コネクタ栓は4つの溝を備え、各溝は隣接した溝から周方向に90°離間しており、180°だけ離間している前記溝のうちの2つは端止めを有する、経腸栄養装置。
[形態4]
形態1から3のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記コネクタ栓は、コネクタキャップと係合するようになされているねじのねじ山を備える、経腸栄養装置。
[形態5]
形態4に記載の経腸栄養装置であって、コネクタシャフトが前記弁を通じて延びるときだけ、前記ねじのねじ山は、コネクタキャップに係合するようになされている、経腸栄養装置。
[形態6]
形態1から5のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記噴出口は、前記弁のための受けを備える、経腸栄養装置。
[形態7]
形態6に記載の経腸栄養装置であって、前記弁受けは、前記弁と係合するためのリッジを備える、経腸栄養装置。
[形態8]
形態7に記載の経腸栄養装置であって、前記弁を前記噴出口内の所定の位置に保持するリテーナ要素をさらに備える、経腸栄養装置。
[形態9]
形態1から8のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記弁は、スリット弁などのゼロシール弁である、経腸栄養装置。
[形態10]
形態9に記載の経腸栄養装置であって、前記弁は、シリコーンなどのエラストマー材料を含む、経腸栄養装置。
[形態11]
形態1から10のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記第1の栓は、前記小袋を前記第1の栓へ取り付けるための側翼を備える、経腸栄養装置。
[形態12]
形態11に記載の経腸栄養装置であって、前記翼の少なくとも1つは、前記小袋の充填中に空気を逃すための空気孔を備える、経腸栄養装置。
[形態13]
形態1から12のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記第1の栓は、前記膨張性要素の前記出口を前記第1の栓に取り付けるようになされている、経腸栄養装置。
[形態14]
形態13に記載の経腸栄養装置であって、前記第1の栓は、前記膨張性要素が取り付けられる溝などの取り付け機構を備える、経腸栄養装置。
[形態15]
形態14に記載の経腸栄養装置であって、前記膨張性要素を前記ハウジングの取り付け機構に取り付けるためのロック要素をさらに備える、経腸栄養装置。
[形態16]
形態1から15のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、遠位シャフトと栄養チューブに接続するための近位取り付け機構とを有するコネクタをさらに備え、前記遠位シャフトは、前記コネクタ栓と係合するようになされているコネクタ構成を有する、経腸栄養装置。
[形態17]
形態16に記載の経腸栄養装置であって、前記遠位シャフトは、クロスコネクタシャフトである、経腸栄養装置。
[形態18]
形態1から17のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋出口は、前記経腸流体を前記小袋の中に充填するための入口も提供する、経腸栄養装置。
[形態19]
形態1から18のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋は、膨張した充填済み構成と萎んだ構成とを有する膨張性要素から形成される、経腸栄養装置。
[形態20]
形態19に記載の経腸栄養装置であって、前記膨張性要素の膨張により唯一の力を与え、これによって経腸流体が前記小袋から送達される、経腸栄養装置。
[形態21]
形態1から20のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記小袋を囲むほぼガス不透過性の障壁をさらに備える、経腸栄養装置。
[形態22]
形態21に記載の経腸栄養装置であって、前記小袋が経腸流体で充填されるとき、前記小袋は、囲んでいる前記障壁の内面の形状にほぼ適合する、経腸栄養装置。
[形態23]
形態21または22に記載の経腸栄養装置であって、流体が前記小袋から送達されるとき、前記小袋と前記障壁の間に空間が形成される、経腸栄養装置。
[形態24]
形態21から23のいずれかに記載の経腸栄養装置であって、前記障壁は、膜を備える、経腸栄養装置。
[形態25]
形態24に記載の経腸栄養装置であって、前記膜は、金属層を含む積層体を備える、経腸栄養装置。
[形態26]
形態24または25に記載の経腸栄養装置であって、前記膜は、PET層を含む、経腸栄養装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54