(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】接合ウェーブの推移を求めるための測定装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
H01L21/02 B
(21)【出願番号】P 2021539930
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2019051244
(87)【国際公開番号】W WO2020147964
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ツィナー
(72)【発明者】
【氏名】ユアゲン マリンガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス プラッハ
(72)【発明者】
【氏名】ボリス ポヴァザイ
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ローリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ユアゲン マークス ズュース
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03382744(EP,A1)
【文献】特表2016-521849(JP,A)
【文献】特開2008-300394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板(2)と第2の基板(4)との間の間隙(3)内の接合ウェーブの推移を求めるための測定装置(1)であって、
- 前記間隙(3)を通って延びる信号区間に沿って電磁波の形態の信号(9)を送信するための、前記間隙(3)の周縁部(3u)に配置された少なくとも1つの送信器(7)と、
- 前記信号区間の、前記少なくとも1つの送信器(7)から前記間隙(3)を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な前記信号(9)を受信するための、前記周縁部(3u)に配置された少なくとも1つの受信器(8,8’)と
を有
し、
前記少なくとも1つの送信器(7)によって、前記信号(9)として電磁放射線を、前記第1の基板(2)と前記第2の基板(4)とのうちの少なくとも一方の基板表面に対して平行に、前記間隙(3)内に入射し、前記少なくとも1つの受信器(8,8’)によって、前記第1の基板(2)の基板表面と前記第2の基板(4)の基板表面とに沿った透過と、前記間隙(3)における透過とを計測することによって、接合面の横方向境界を測定する、測定装置(1)。
【請求項2】
前記測定装置(1)は、接合装置内で、特にその場で使用可能である、請求項1記載の測定装置(1)。
【請求項3】
前記送信器(7)および/または前記受信器(8,8’)は、前記周縁部(3u)に沿って可動である、請求項1から2までの少なくとも1項記載の測定装置(1)。
【請求項4】
前記測定装置(1)は、前記周縁部(3u)に分配された複数の送信器(7)、および/または前記周縁部(3u)に分配されていて、特に互いに向かい合うように配置されたそれぞれ1つの送信器(7)に割り当てられた複数の受信器(8,8’)を有し、特に各送信器(7)ごとに少なくとも2つの受信器(8,8’)を有する、請求項1から3までの少なくとも1項記載の測定装置(1)。
【請求項5】
各送信器(7)は、複数の信号区間を、特に同時に送信し、かつ/または各受信器(8,8’)は、それぞれただ1つの信号区間に割り当てられている、請求項1から4までの少なくとも1項記載の測定装置(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの受信器(8,8’)により受信された前記信号(9)の、信号区間に沿った測定値を、特に変換、好ましくはラドン変換によって特定するための評価ユニットを備える、請求項1から5までの少なくとも1項記載の測定装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの受信器(8,8’)は、前記信号(9)の光学特性、特に以下の光学特性、つまり、
- 複屈折
- 屈折率
- 横電磁波として際立った信号のモード
- 伝搬時間
- スペクトルコーディング
のうちの1つまたは複数の光学特性を検出するように構成されている、請求項1から6までの少なくとも1項記載の測定装置(1)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の測定装置(1)を有する接合装置。
【請求項9】
接合ウェーブの推移に応じて接合ウェーブに影響を与える作用手段を有する、請求項8記載の接合装置。
【請求項10】
特に請求項1から7までに記載の測定装置(1)によって、第1の基板(2)と第2の基板(4)との間の間隙(3)内の接合ウェーブの推移を求めるための方法であって、
- 前記間隙(3)の周縁部(3u)に少なくとも1つの送信器(7)を配置するステップと、
- 前記間隙(3)の前記周縁部(3u)に少なくとも1つの受信器(8,8’)を配置するステップと、
- 前記周縁部(3u)に配置された1つまたは複数の前記送信器(7)によって、前記間隙(3)を通って延びる信号区間に沿って電磁波の形態の信号(9)を送信するステップと、
- 前記信号区間の、1つまたは複数の前記送信器(9)から前記間隙(3)を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な前記信号(9)を受信するための、前記周縁部(3u)に配置された1つまたは複数の前記受信器(8,8’)によって、前記信号(9)を受信するステップと
を、特に上記順序で含む、方法。
【請求項11】
2つの基板(2,4)を接合するための方法であって、請求項10記載の方法によって接合ウェーブの推移を求める、方法。
【請求項12】
前記接合ウェーブの推移に応じて前記接合ウェーブに影響を与える、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項に記載の測定装置および方法に関する。
【0002】
半導体産業では、通常、互いに異なる大きさ、形状、および材料の基板が互いに結合される。この結合工程は接合と呼ばれる。接合は、大まかに、永久接合と仮接合とに分けられる。永久接合では、両基板の間にもはや解離不能な結合が生じる。この永久接合は、金属の相互拡散によって、陽極接合時における陽イオン・陰イオン輸送によって、またはフュージョン接合時における酸化物および/または半導体材料の間の共有結合部の形成によって行われる。
【0003】
仮接合では、主にいわゆる接合接着剤が使用される。この接着剤は、被覆法によって一方または両方の基板の表面に塗布される接着剤であり、これによって、接着促進剤として両基板の間で作用することができる。
【0004】
フュージョン接合では、2つの基板が、まず解離可能な結合、つまり、前接合で互いに接合される。この前接合は、主として、ファン・デル・ワールスのブリッジ接続に基づいて、高純度で平らな、可能な限り欠陥および粒子のない2つの基板表面の間で発生し、両基板表面は、互いに緊密に接触させられている。
【0005】
ハイブリッド接合は、フュージョン接合の亜種である。ハイブリッド接合は、それぞれ電気的な基板領域と誘電的な基板領域とから成る2つの基板表面の結合である。相応の関連している基板領域は、フュージョン接合(前接合)を用いて互いに結合される。前接合から永久接合への変換時に、基板の電気的な基板領域の間における永久的な電気接触が生じる。
【0006】
すべての接合方法で、互いに結合すべき基板を互いに接合するためにボンドが使用される。接合すべき2つの基板には、本来の前接合ステップが行われるまでに、表面アクティベート、クリーニングステップ、位置合わせステップのような前処理を施すことができる。
【0007】
前接合ステップ時に、基板表面は相互に、極めて小さな面で互いに接触させられる。言い換えれば、接合反応が開始され、その後で接合反応、つまり、ブリッジ接続の形成を、外的なエネルギ供給なしに実施することができる。接合工程は、連続的に接合ウェーブの伝播によって行われる。理論的な背景は、米国特許第7479441号明細書、米国特許第8475612号明細書、米国特許第6881596号明細書、および国際公開第2014/191033号に記載されている。
【0008】
接合ウェーブが、構造化されていない2つの同一の基板において中心で開始されると、接合ウェーブは、理想的には、同心的に成長する円形フロントとして、基板半径に沿って伝搬する。構造化された基板、故障箇所等は、接合ウェーブの伝搬を変化させる。
【0009】
最適でない条件下では、接合されない領域(英語:voids)が、両基板の間で、例えばガス含有、粒子含有等によって発生することがある。
【0010】
さらに接合誤差が、位置合わせ誤差(特に、欠陥コンポーネント、スケーリング誤差、英語でRun-out誤差に基づく)、回転誤差、並進誤差、残留誤差、温度補償誤差の結果として発生することがある。個別基板の発見されなかった誤差もしくは臨界的でない誤差、または特に薄膜技術で製造された機能ユニットは、誤差の伝播で加算され、前接合後に初めて検知可能であり、かつ定量化可能である可能性がある。
【0011】
基板は、位置合わせ設備によって、極めて正確に互いに位置合わせすることができるにもかかわらず、接合工程自体の間に、基板の歪みが発生することがある。このようにして発生する歪みによって、機能ユニットは、必ずしもすべての位置で互いに正確に位置合わせされない。基板の特定の点における位置合わせ不精度は、歪み、スケーリング誤差、レンズ欠陥(拡大誤差もしくは縮小誤差)等の結果であり得る。
【0012】
半導体産業では、このような問題に関与するすべてのテーマ分野は、「オーバレイ」という概念に含まれる。このテーマへの相応の導入は、例えばMack, Chris著の「Fundamental Principles of Optical Lithography - The Science of Microfabrication」、出版社WILEY、2007年出版、2012年再版に見られる。
【0013】
各機能ユニットは、本来の製造プロセスの前にコンピュータで構築される。例えば導体路、マイクロチップ、MEMS、またはマイクロシステム技術を用いて製造可能な各別の構造体が、CAD(英語:computer aided design)プログラムで構築される。しかしながら、機能ユニットの製造中には、コンピュータで構築された理想の機能ユニットと、クリーンルームで製造された実際の機能ユニットとの間には常に差異が存在していることが判っている。この差異は、主として、ハードウェアの制限、つまり、テクニカルエンジニアリング的な問題に起因し得るが、しかしながら、極めてしばしば物理的な限界に起因し得る。
【0014】
つまり、フォトリソグラフィのプロセスによって製造される構造体の解像精度は、フォトマスクのアパーチャの大きさと、使用される光(電磁放射線)の波長とによって制限されている。マスク歪みは、フォトレジストに、ひいては製造された構造体に直接転写される。駆動システムが連結されているガイドのような運動装置は、設定された許容誤差内で再現可能な位置にしか到達し得ない等。したがって、基板の機能ユニットがコンピュータで構築された構造体に正確に等しくなり得ないということは、不思議ではない。したがって、すべての基板は、既に接合プロセス前に、理想状態からの無視できない差異を有している。
【0015】
そこで2つの基板の互いに向かい合っている2つの機能ユニットの位置および/または形状を、両基板のいずれもが結合工程によって歪められないと仮定して、比較すると、一般的に既に、機能ユニットの完全でない整合が存在しているということが確認される。それというのは、これらの機能ユニットは、上述した誤差によって理想的なコンピュータモデルから差異を有しているからである。最も頻繁な誤差は、https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AOverlay_-_typical_model_terms_DE.svg. 24.05.2013およびMack, Chris. Fundamental Principles of Optical Lithography - the Science of Microfabrication. Chichester:出版社WILEY, 312頁, 2007年出版、2012年再版に記載されている。図面に示されているように、オーバレイ誤差は、大まかには、全域的なオーバレイ誤差と局所的なオーバレイ誤差とに、もしくは対称のオーバレイ誤差と非対称のオーバレイ誤差とに区別することができる。全域的なオーバレイ誤差は均一であり、ゆえに場所とは無関係である。全域的なオーバレイ誤差は、向かい合っている2つの機能ユニットの間に、位置とは無関係に、同じ偏差を生じさせる。クラシカルな全域的なオーバレイ誤差は、両基板相互の並進もしくは回転によって生じる誤差I.および誤差II.である。両基板の並進もしくは回転は、基板上におけるそれぞれ向かい合っているすべての機能ユニットに対して、相応の並進誤差もしくは回転誤差を生じさせる。局所的なオーバレイ誤差は、場所に関連して発生し、主として弾性問題および/または塑性問題によって発生し、この場合には特に、連続的に伝播する接合ウェーブによって引き起こされる弾性問題および/または塑性問題によって発生する。図示のオーバレイ誤差のうち、特に誤差III.および誤差IV.は「ランアウト(run-out)」誤差と呼ばれる。この誤差は、特に接合工程中での少なくとも1つの基板の歪みによって生じる。少なくとも1つの基板の歪みによって、第1の基板の機能ユニットもまた、第2の基板の機能ユニットに関して歪められる。しかしながら、誤差I.および誤差II.は、同様に接合プロセスによって生じ得るが、しかしながら、多くの場合誤差III.およびIV.と強く重畳されるので、誤差I.および誤差II.は、困難を伴ってしか認識できない、もしくは測定できない。
【0016】
従来技術では、既に、局所的な歪みを少なくとも部分的に減少させることができる設備が存在している。これは、アクティブな制御要素の使用による局所的な歪み補正である(欧州特許第2656378号明細書)。
【0017】
従来技術では、既に、「ランアウト」誤差を補正するための別の解決手段が存在する。米国特許出願公開第20120077329号明細書には、接合中および接合後に2つの基板の機能ユニットの間の所望の位置合わせ精度を得るための方法が記載されている。
【0018】
発生している「ランアウト」誤差は、多くの場合、コンタクト個所を中心として半径方向で対称に増幅しており、ゆえにコンタクト個所から周囲に向かって増大している。これは、多くの場合、「ランアウト」誤差の線形に増大する増幅である。特殊な条件下では、「ランアウト」誤差は非線形に増大することもある。
【0019】
特に良好な条件下では、「ランアウト」誤差は、単に相応の測定器(欧州特許第2463892号明細書)によって求めることができるだけでなく、数学的関数によっても記載できる、少なくとも近似値が得られる。オーバレイ誤差は、明確に規定された点の間での並進および/または回転および/またはスケーリングであるので、オーバレイ誤差は、好ましくはベクトル関数によって記載される。一般に、このようなベクトル関数は、関数f:R2_>R2であり、ゆえに位置座標の二次元の定義範囲を「ランアウト」ベクトルの二次元の値範囲へマッピングするマッピングルールである。相応のベクトル場の正確な数学的解析はまだ行うことができないにもかかわらず、関数特性に関する推測は行われる。ベクトル関数は大きな確率をもって、少なくともC^n n≧1の関数であり、ゆえに少なくとも1回、連続的に微分可能である。「ランアウト」誤差はコンタクティング点から縁部へ向かって増大するので、ベクトル関数の発散は、おそらくゼロとは異なることになる。ゆえに、ベクトル場は、大きな確率でソースフィールドである。
【0020】
ガス含有またはスケーリング誤差のような多くの誤差は、特に、前接合ステップに、特に接合ウェーブの推移(形状若しくは形状の変化)、もしくは各試料ホルダ(英語:chuck)の特性および/または構成および/または機能に起因し得る。従来技術では、接合ウェーブの推移に関する量的な言明を提供する方法が公知である。
【0021】
最も頻繁に使用される方法は、接合ウェーブの推移を、光学手段、特にカメラシステムによって、殊に、特に赤外線分光における透過光方法を用いて観察する方法であり、この方法では基板は、接合ウェーブの観察のために十分な透明性を有していなくてはならない。この方法は、一般的なプラクティスであるにもかかわらず、この方法には欠点がある。すべての基板が透過光方法に適しているわけではない、特に金属被覆は、接合すべき両基板表面の結合時に発生している接合インタフェースの観察を阻止する。さらに、半導体基板におけるドーピングは、電磁放射線の透過率に影響を与えることがある。さらにまた、透過光方法は、すべての試料ホルダに対して特殊な要求を課す。それというのは、試料ホルダは光線のために同様に透明であることが望ましく、このことは、製品の再現可能性における問題の原因になり得る。
【0022】
接合ウェーブの推移(形状若しくは形状の変化)を測定する従来公知のすべての技術は、直接基板を通して前接合工程を観察する、もしくは基板が接合される引付け力の作用を測定する。時として、商業的に使用可能な直接的な測定法もしくは接合ウェーブの推移をすべての基板における接合インタフェースで基板の材料特性に左右されずに直接観察することができる測定法は存在しない。
【0023】
したがって、本発明の課題は、従来技術の欠点を排除し、特に接合ウェーブの推移および/または特に形状を求めるため、上述した欠点を少なくとも実質的に排除する測定装置および方法を提供することである。
【0024】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。本発明の枠内には、明細書の記載、請求項および/または図面に記載された特徴のうちの少なくとも2つの特徴から成るすべての組合せも含まれる。値範囲では、挙げられた範囲内にある値自体も、限界値として開示されたものと見なされ、かつ任意の組合せの形で請求可能であることが望ましい。
【0025】
本発明は、第1の基板と第2の基板との間の間隙内の接合ウェーブの推移を求めるための測定装置であって、
- 間隙を通って延びる信号区間に沿って電磁波の形態の信号を送信するための、間隙の周縁部に配置可能な少なくとも1つの送信器と、
- 第1の信号区間の、送信器から間隙を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な信号を受信するための、周縁部に配置可能な少なくとも1つの受信器と
を有する、測定装置に関する。
【0026】
本発明は、特殊な本発明に係る実施形態では、第1の基板と第2の基板との間の間隙内の接合ウェーブの推移を求めるための測定装置であって、
- 間隙を通って延びる第1の信号区間と、間隙を通って延びる少なくとも1つの別の信号区間とに沿って電磁波の形態の信号を送信するための、間隙の周縁部に配置可能な少なくとも1つの送信器と、
- 第1の信号区間および別の信号区間の、送信器から間隙を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な信号を受信するための、周縁部に配置可能な少なくとも1つの受信器と
を有する、測定装置に関する。
【0027】
好ましくは、測定装置は、接合装置で、特にその場で使用可能であることが特定されている。
【0028】
好ましくは、さらに、送信器および/または受信器は、周縁部に沿って可動である。
【0029】
好ましくは、さらに、送信器および/または受信器は、周縁部に沿って回転可能、特に後調整するように回転可能であり、これによって、送信器および/または受信器は、自動調節する値の最大値を有する最適な信号区間を互いに形成することができる。
【0030】
好ましくは、さらに、第1の基板と第2の基板との間の間隙内の接合ウェーブの推移を求めるための測定装置は、
- 間隙を通って延びる第1の信号区間に沿って電磁波の形態の信号を送信するための、間隙の周縁部に配置可能な少なくとも1つの送信器と、
- 第1の信号区間の、送信器から間隙を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な信号を受信するための、周縁部に配置可能な少なくとも1つの受信器と
を有する。
【0031】
好ましくは、さらに、測定装置は、周縁部に分配された複数の送信器、および/または周縁部に分配されていて、特に互いに向かい合うように配置されたそれぞれ1つの送信器に割り当てられた複数の受信器を有し、特に送信器ごとに少なくとも2つの受信器を有する。
【0032】
好ましくは、さらに、各送信器が、複数の信号区間を、特に同時に送信し、かつ/または各受信器が、それぞれただ1つの信号区間に割り当てられている。
【0033】
好ましくは、測定装置は、さらに、少なくとも1つの受信器により受信された信号の、信号区間に沿った測定値を、特に変換、好ましくは積分変換、好適にはラドン変換によって特定するための評価ユニットを備える。
【0034】
好ましくは、さらに、少なくとも1つの受信器は、信号の光学特性、特に以下の光学特性、つまり、
- 屈折率
- 横電磁波としての際立った信号のモード
- 伝搬時間
- 強度
- スペクトルコーディング
のうちの1つまたは複数の光学特性を検出するように構成されていることが特定されている。
【0035】
本発明の別の対象は、上述した実施形態のうちの1つの実施形態による測定装置を有する接合装置に関する。
【0036】
好ましくは、接合装置は、接合ウェーブの推移に応じて接合ウェーブに影響を与えるための作用手段を有することが特定されている。
【0037】
本発明の別の対象は、本発明に係る方法によって、間隙、つまり、互いに接触していない基板表面同士の間の間隔を接合前にかつ/または接合時に検査する測定装置を有する装置に関する。この装置の使用は、特に接着剤でコーティングされた2つの基板の配置形態を接着接合工程前に検査することができ、かつ/または配置形態に影響を与えることができる。
【0038】
別の対象は、特に上述した実施形態による測定装置によって、第1の基板と第2の基板との間の間隙内の接合ウェーブを求めるための方法であって、
- 間隙の周縁部に少なくとも1つの送信器を配置するステップと、
- 間隙の周縁部に少なくとも1つの受信器を配置するステップと、
- 周縁部に配置された1つまたは複数の送信器によって、間隙を通って延びる少なくとも1つの第1の信号区間に沿って、場合によっては間隙を通って延びる別の信号区間に沿って電磁波の形態の信号を送信するステップと、
- 第1の信号区間および場合によっては別の信号区間の、1つまたは複数の送信器から間隙を通して送信された、接合前にかつ/または接合時に可変な信号を受信するための、周縁部に配置された1つまたは複数の受信器によって、信号を受信するステップと
を、特に上記順序で含む、方法に関する。
【0039】
別の対象は、2つの基板を接合するための方法であって、上述した実施形態による方法によって接合ウェーブの推移を求める方法に関する。
【0040】
好ましくは、接合ウェーブの推移に応じて接合ウェーブに影響を与えることが特定されている。
【0041】
本発明の基本的な思想は、電磁波を、接合すべき基板の間の間隙を通して送信し、基板の間の通過後における電磁波の変化を、前接合前にかつ/または前接合時に、つまり、接合ウェーブの推移(形状の変化)時に、特に接合ウェーブの位置の変化中に測定するということである。電磁波の変化というのは、強度および/または極性および/または位相等の変化を意味している。本発明によれば、測定は、電磁波の多数の信号区間、つまり、測定区間を含むことができる。間隙内の、特に互いに交差する異なる信号区間から、位置特定された接合ウェーブを測定結果に基づいて求めることができる。これによって、さらに、特に接合ウェーブに影響を与えるための、トリガ可能な作用が実施可能である。トリガ可能な作用は自動化可能であり、これによって、接合すべき各基板対のために、特にリアルタイムで最適なパラメータを求めることができる。
【0042】
本発明は、電磁波の代わりに、原則的に、粒子光線、特にイオン光線、少なくとも好ましくは1つの中性子光線の変化を、測定信号として使用することができる。
【0043】
本発明は、間隙の変化する特性を、接合ウェーブの推移を求めるために使用するという別の思想に基づいている。
【0044】
本発明の、特に独立したもしくは別の態様は、接合ウェーブは、直接間隙内で、特にリアルタイムで観察されるということである。したがって、つまり、基板の特性または透明性は、接合ウェーブの観察のために重要ではない。
【0045】
本発明の、特に独立した別の態様は、本発明に係る測定装置が組み込まれている接合装置、特にフュージョン接合装置に関する。簡単に言うと、フュージョン接合装置は、本発明に係る測定装置の測定値を、基板の接合ウェーブの推移に影響を与えるために使用する。
【0046】
閉ループと記載すると、フュージョン接合装置は調節部材、測定装置はフィードバック部材、かつ製品の接合する基板対は製品である。しかしながら、同時に、接合ウェーブが貫通しかつ影響を与えることができる製品、つまり、基板対は、測定値を求めることができる測定対象を体現している。
【0047】
つまり、特に独立した本発明に係る装置は、特に、接合工程にアクティブに、調整された影響を与えるフュージョン接合装置である。
【0048】
したがって、別の、特に独立した本発明に係る装置は、すべての送信器および受信器、ならびにデータ処理手段および表示手段を備えた測定装置であって、接合ウェーブの推移を求め、測定結果を記憶し、変形し、評価し、さらに伝達して、示す測定装置である。
【0049】
別の、特に独立した本発明に係る態様は、特に横方向観察によって接合ウェーブの推移を求めるための測定法を記載する。
【0050】
別の、特に独立した本発明に係る方法は、調整された接合方法であって、接合ウェーブの推移に、本発明に係る測定法を用いて影響を与え、かつフュージョン接合装置を調整する接合方法を記載する。
【0051】
別の、特に独立した本発明に係る態様としては、本発明に係る接合方法の成果物、つまり、接合された基板スタックとしての製品が見なされる。
【0052】
本発明の根底を成す別の思想は、接合ウェーブを、両基板の間の間隙の1つまたは複数の光学特性の変化として、少なくとも1つの送信器および少なくとも1つの検知器/受信器によって、空間分解式に、特に横方向で測定すること、または累積測定信号を、ラドン変換のような数学的分析を用いて、場所に関連させて求め、特に計算することにあり、これによって、接着の動的に変化する位置マップが生じる。
【0053】
言い換えれば、特に本発明の根底を成す思想は、本発明に係る方法は、電磁放射線を、特に基板平面に対して平行に、基板の間の開放した間隙内に入射し、基板面の間の透過(間隔が比較的小さい場合には、第1に導波特性によって条件付けられる)と、広げられた間隙を通る、基板面の面での透過とを、計測することによって、多くの場合凸面状の接合面の横方向境界(laterale Grenze)を測定することにある。横方向観察によって、全接合ウェーブを、基板材料の透過とは無関係に、任意の時点で問うことが可能である。これによって、接合ウェーブの伝播を測定することができる。
【0054】
言い換えれば、本発明の根底を成す別の思想は、例えば少なくとも1つの基板ホルダの、相前後して配置された複数の真空ゾーンを不活性にできることによって、接合ウェーブを、アクチュエータまたは静的な周囲条件を介して極めて正確に制御する(開ループ制御する)もしくは調整する(閉ループ制御する)ことができる点にある。基板は、(少なくとも部分的に)各基板ホルダから解離し、両基板のコンタクティングが開始され、伝播を、基板の間隔に対する影響によって加速させることまたは遅延させることができる。
【0055】
したがって、本発明は、以下の解決手段/利点を含んでいる:つまり、
・基板の接合インタフェースに沿った前接合工程の直接的なその場測定が、可能になり、これによって、基板相互の接近の評価、および/または特に接合装置の内部における、フュージョン接合プロセス前のかつ/または好ましくはフュージョン接合プロセス中の接合ウェーブの推移の評価が実施可能であり、
・特に測定器を基板の間に装入することなしに、または基板の透明性を必要とすることなしに、接合インタフェースにおける接合ウェーブを、特に直接的に特定することが可能にあり、
・接合インタフェースの推移の、場所を特定された、特に絶対的な動的な位置値を、高い精度をもって、かつ大きな温度範囲にわたって高い位置解像度で、基板材料とは無関係に、求めることができ、
・接合ウェーブに、特にリアルタイムで影響を与え、これによって、基板を可能な限り歪みなしに、もしくは要求に応じて、歪めて互いに接合することができる。
【0056】
本発明は、2つの基板の間の接合ウェーブのその場測定を可能にする。相応に構成されたセンサは、再利用可能であり、如何なる形式のフュージョン接合装置にも迅速に取付け可能であり、長い時間で見ると、従来技術によるセンサおよび装置よりも安価であり、僅かしか集中的に働かず、これにより迅速かつ目的に適ったプロセス最適化を可能にする。センサは、無接触式に作業し、基板の外側に配置されるので、測定(測定器具および測定法自体)は、接合インタフェースを汚染するおそれがある粒子を生じさせない。言い換えれば、この測定原理は、接触式でない、粒子フリーの原理である。
【0057】
(間隙内での)基板表面に沿った透過は、少なくとも部分的に、材料複合体の導波体特性を利用する。この場合電磁放射線は、間隙における媒体よりも高い屈折率を有している基板表面の間で、往復動させられる。どのような複素数値の屈折率(現実部分:屈折、想像部分:吸収)を基板表面が有しているかに応じて、間隙を通る透過に影響が与えられる。基板表面が互いに接近すると、つまり、前接合工程時には、反射の数は、反比例して大きくなり、吸収が増大する。したがって、基板表面の間の最小測定可能間隔は、条件付きの減速で、0nmよりも大きくてよい。間隙内でのエミッタとセンサとの間の透過が保証されていて、基板表面に沿った伝播方向が邪魔されない限り、このことは、単に測定精度の制限を意味している。基板が接合されていること、ひいては間隙が0nmの高さに完全に減じられていることなしに、透過が中断する間隔は、確かに特定することができるが、しかしながら、研磨された面では、通常大きな意味がない。
【0058】
透過が中断し、基板表面の接合が開始する間隔、つまり、間隙の高さが0nmであるということは、エンジニアリングの観点からは、ほぼ次のように見なされる。つまり、ここでは当業者は、間隙内での間隔が、好ましくは10nm未満、特に好ましくは5nm未満、極めて特に好ましくは2nm未満に接近して、次いで信号が中断されると、基板は特定箇所で、最終的な僅かな間隔を維持しているのではなく、接合されているということを、容易に想定することができる。
【0059】
特に、電磁放射線の波長は、調節可能な放射線源によって、間隙内における最高の透過が得られるように選択することができる。言い換えれば、放射線源の波長の調節可能性によって高いスペクトル吸収を回避することができる。これによって、測定装置を、スペースを節減して小型にかつ高いエネルギ効率で構成することができる。特に送信器、放射線源の波長は、0.5nm~10000nmの間、好ましくは250nm~5000nmの間、特に好ましくは300nm~2000nmの間、極めて特に好ましくは300nm~1500nmの間の範囲にある。最適な場合、放射線源は、特に単色の赤外線源である。
【0060】
波が光学的に比較的密な媒体から光学的に希薄な媒体に衝突する場合に発生する、内部のトータル反射とは異なり、導波体では(接合すべき基板表面の間の間隙が、全体として把握され得るように)、反射は単に極めてフラットな角度でしか効果的でない。電磁放射線のポインティングベクトルと基板表面との間の角度は、90°未満、好ましくは75°未満、さらに好ましくは30°未満、最も好ましくは10°未満、最高に好ましくは1°未満である。
【0061】
放射線のこの角度は、(平行な放射線の)入射角度と散乱角度(拡大もしくは非平行性)とに関連している。散乱角度は、同様に、入射の開口数(短縮してNA)によって記載することができ、さらに(小さな入口間隙への)焦点合わせ可能性と関連している。間隔d≒4・λ/π*(NA*2/n)、式中、λ=波長、n=屈折率であり、特に空気ではn=1である。
【0062】
散乱角度は、開口数のための原因として把握することができる。したがって、散乱角度を角度記載として記載することが可能である。
【0063】
波長の間隔における、2つの平行な面、特に基板表面による寸法設定時の伝達関数によって、回折効果および量子化効果が生じる。間隔が500μmよりも大きい場合には、伝達関数は、間隙幅とは極めて僅かしか関係せず、したがって、伝達関数は、準線形に比較的小さくなる。(300nm~1500nmの間の波長範囲における波長を備えた放射線の使用を想定して)間隔が10μmよりも小さく、かつ3μmよりも大きい場合には、透過はもはや完全に直線的に間隔に関連しない。なぜならば、横断モードが導波体内に(つまり、狭い間隙内に)ますます僅かしか通らないからである。面の、最小に測定可能な間隔は、d<λ/1.7の「カットオフ」間隔によって定義されており、この「カットオフ」間隔では、最後に留まっているモードは、間隙から押し退けられる。
【0064】
光学的な伝達関数は、間隙内における電磁放射線の特性の変化を記載する。
【0065】
外側の間隙の最小の大きさは、相応に正確な焦点合わせ(10マイクロメートルより良好、好ましくは5マイクロメートルより良好、特に好ましくは2マイクロメートルより良好)によって、かつ/または調整によって調節することができ、ウェーハのコンタクティング前に定義された間隔で位置決めすることができる。極めて僅かな間隙によって、入射損失の割合は比較的高く、この結果本発明に係る測定法は、困難を伴ってしか可能でない。
【0066】
回折損失および「放射線の屈曲」は、基板に対して平行に、しかしながら、「接合フロント」を擦過する放射線のために、問題になることがある。放射線推移は、変化することがあり、これによって、測定精度は制限される。
【0067】
2つの基板の間の接合ウェーブの推移を求めるために、送信器もしくは受信器(両者は、センサという上位概念に含まれる)としての測定装置は、装置内に、特に僅かな間隔をおいて、特に、特に下側の基板の外縁部に対して無接触に、接合すべき下側の基板表面の高さで配置される。
【0068】
代替的に、センサ、つまり、送信器および受信器は、特に僅かな間隔をおいて、特に、基板ホルダの、好ましくは下側の基板ホルダの外縁部に対して無接触に、接合ウェーブの平面の高さで配置されてよい。
【0069】
代替的に、送信器および/または受信器は、基板ホルダ、特に下側の基板ホルダ内に、取り付けられ、相応に機能的に組み込まれてよい。基板のハンドリングのための空間的な接近可能性の条件は、相応に送信器および/または受信器の取付け時に考慮される。これによって、力結合式の結合部および/または素材結合式の結合部が、送信器もしくは受信器と基板ホルダとの間に存在することができる。
【0070】
以下に、送信器および/または受信器が基板縁部に配置される実施形態について詳説する。これは、単に比較的簡単に読めるようにするために述べる。基板ホルダに対する送信器および/または受信器の代替的な配置形態も、類似の形態で可能である。
【0071】
代替的に、送信器および受信器を、基板対の外縁部に対する接合ウェーブの平面に配置することができる。経験によれば、位置、特に接合された基板スタックの高さと、接合後の接合インタフェースの位置とは、特に下側の基板ホルダからの高さとして測定されて求めることができる。将来の接合インタフェースの認識によって、スタートしていない接合ウェーブの数学的平面を計算することができる。信号区間を可能な限り長く使用できるようにするために、本発明によれば、送信器および受信器を接合ウェーブの平面の高さに、基板対の外縁部に対して配置することが有利である。
【0072】
測定装置の第1実施形態では、本発明に係る測定装置は、測定センサ(Messaufnehmer)として働き、接合ウェーブのパラメータは、単に検出され、前接合工程に対する影響のために使用されない。言い換えれば、この実施形態ではフュージョン接合装置と測定装置との間の情報技術的な接続は存在していない。
【0073】
互いに位置合わせされた基板は、前接合工程において互いに接合される:つまり、
- 基板は、位置合わせマークを用いて互いに位置合わせされる。
- 少なくとも1つの基板が、予め曲げられる。
- 基板は、互いに接近させられ、これにより基板の間に、特に連続的な間隙が生じる。
- 前接合は、コンタクト点における接合開始によって導入される。
- 測定装置は、基板の間で発生する接合ウェーブを検出し、この接合ウェーブは、基板の間の間隙の光学特性を変化させ、ひいては基板表面の、接合ウェーブの伝播に関連した光学特性、および/または間隙の、接合ウェーブに関連した光学特性を特定させる。
【0074】
接合ウェーブの推移を、場所に関連して特定するために、時間に関連した位置マップが形成される。そのために送信器の、少なくとも1つの光信号および/または電磁信号が、互いに接触していない基板対の縁部で入射され、つまり、間隙内に送信される。信号は、間隙を測定区間または面セグメントに沿って貫通し、送信器とは反対側の、好ましくは正確に向かい合っている側で、検知器として形成された少なくとも1つの受信器によってピックアップされて測定される。このように間隙を通して送信された信号には、1つまたは複数の信号区間に沿って、接合ウェーブの衝突時に、その光学特性のうちの少なくとも1つの光学特性の少なくとも1つの(蓄積されて検出された)変化が加えられる。
【0075】
特に互いに交差する複数の信号区間のピックアップによって、特に動的に変化する位置マップを求めることが好適に可能である。
【0076】
本発明によれば、受信器によって検出することができる特性としては、特に、以下の特性、つまり、
- 強度(の変化)
- 極性(の変化)
- 複屈折(の変化)
- 伝搬時間(の変化)
- 色変化としても検知可能な/挙げられる、可視の波長における波長または周波数(の変化)
- スペクトルコーディング(の変化)
- 屈折率(の変化)
- 横電磁波として際立った信号のモード(の変化)
- キャストシャドウ(の変化)
といった特性の、個々の特性または組み合わせられた特性が考えられる。
【0077】
1つまたは複数の受信器によってピックアップされた信号は、各信号区間に沿ったすべての信号変化の蓄積の結果であるので、好ましくは、間隙の光学特性の変化を場所の関数として得るために、数学的変換が適用される。そのために好ましくは、基板スタックの周縁部または測定装置に沿った異なる送信器位置および/または受信器位置による複数の測定がピックアップされる。特に各信号区間は、少なくとも1つの他の信号区間と交差している。
【0078】
蓄積された出力信号は、好ましくはそれぞれ、送信器および/または検知器の角度位置の関数として示される。蓄積された信号を、位置マップを形成するための間隙内部の位置の関数としての光学信号の変化へと換算するための、好適な数学的変換は、ラドン変換である。ラドン変換の使用によって、光路の検出された信号区間のそれぞれ任意の場所、特に互いに交差する信号区間の交点における光学特性の変化が、接合ウェーブの位置の関数として得られる。
【0079】
間隙の光学特性の変化は、接合ウェーブの位置と相関させることができるので、これによって、基板の間の接合ウェーブの位置分布のピックアップが可能になる。
【0080】
言い換えれば、本発明に係る方法は、好ましくはフュージョン接合のための装置において2つの基板の間で実施される。
【0081】
接合ウェーブの伝播の測定のために、測定対象としての基板は、測定区間の一部である。基板対なしに、本発明に係る接合のための、特に調整された装置は、機能することができない。測定対象としての基板なしに、本発明に係る測定法は実施することができない。
【0082】
さらに、接合ウェーブの位置を本発明のように求めることができる、例としての本発明に係る実施形態が記載される。
【0083】
以下における、例としての本発明に係るすべての実施形態のために、電磁信号が、第1の基板の周縁部の外側における少なくとも1つの箇所に設けられた送信器によって、両基板の間の間隙内に入射される。両基板は、1つの信号区間に沿って、または好ましくは面状に、つまり、複数の信号区間を備えて延びている。信号区間に沿って、少なくとも1つのその物理特性が、接合ウェーブの求められた位置もしくは速度に基づいて変化する。
【0084】
したがって、間隙からの信号の出口(つまり、各信号区間の端部)における検知器(受信器)は、測定区間に沿って積算された(蓄積された)測定信号、または少なくとも連続的に変化する測定信号を得る。つまり、数学的に見ると、本発明によれば、特に、各信号区間に沿ってピックアップされた特性の蓄積された変化が、マッピングルールによって、測定信号においてマッピングされる、もしくは値として検出される。
【0085】
接合ウェーブの本発明に係る位置推移(変化)を特定するために、送信器および/または検知器/受信器は、測定装置の例としての本発明に係る実施形態では、基板の外輪郭または周縁部に沿って運動させられ、複数の信号区間の複数の測定信号が求められ、これらの測定信号は、数学的変換によって局所的測定信号に換算される。このようにして局所的測定信号は、接合ウェーブの局所的位置に一義的に関連している。
【0086】
換算のための好適な変換は、ラドン変換である。物理特性および/または光学特性の求められた測定値と、接合ウェーブの挙動との間の数学的関係は、特に経験に基づいて求められる。
【0087】
本発明の好適な実施形態では、基板うちの少なくとも1つの基板に、構造群のために機能的に設けられた金属被覆が、本来の目的から外れて、補足的に、少なくとも局所的に被着された反射層として使用することができ、これによって、間隙の光学特性もしくは測定値に、可能な限り僅かしか散乱による影響が与えられないようにすることができ、再現可能な結果を提供することができる。言い換えれば、金属被覆された基板は、平らな、反射する金属鏡であると理解することができ、金属鏡に比べて僅かな反射能しか有していない半導体鏡ではない。
【0088】
基板(これらの基板は、測定装置の一部として、かつ同時に接合装置における接合すべき基板としても理解すべきである)は、方形、円形、または任意の他の形状に成形されていてよい。好ましくは、基板は真円形状を有している。真円形の基板では、基板の直径は、好ましくは、1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチ、18インチ、または18インチを超える値を有している。特に好ましくは、基板は半導体産業で使用され、データはウェーハに関係している。
【0089】
基板の厚さは、使用に関連している。多くの場合では、厚さは10μmよりも大きく、好ましくは100μmよりも大きく、さらに好ましくは1000μmよりも大きく、最も好ましくは2000μmよりも大きく、最高に好ましくは5000μmよりも大きい。一般的に両基板の厚さは、互いに異なっていてよい。
【0090】
本発明に係る測定法では、2つの基板の接合が、好ましくは直接、接合インタフェースにおいて観察されるので、高い表面品質を備えた任意の材料を、その透明度とは無関係に、互いに接合することができる。永久結合が、前接合後に接合された基板から発生し得るか否かは、測定法のために重要ではない。
【0091】
一時的なフュージョン接合によって本発明のように接合された基板対は、特に、集積回路のテストのために、品質チェックのために、またはその他の目的のために、製造されてよい。これによって、機能的な基板表面の偶然の接触または汚染を回避することができる。
【0092】
本発明に係る方法のためには、特に、基板の屈折率、もしくは反射能のような表面特性が重要である。好ましくは、基板は、送信器の放射線を、間隙内における複数回の反射後に、受信器への透過率として、理想的には損失なしに、つまり、100%の範囲で送信する。放射線が接合ウェーブに衝突すると、間隙内における放射線は、受信器に達することができない。これによって、少なくとも局所的には、0%の透過率が存在していることになる。接合前における基板の本来の状態、つまり、基板が接近しているが接触する前では、放射線の少なくとも0.01%、好ましくは少なくとも40%、特に好ましくは少なくとも50%、極めて特に好ましくは少なくとも65%、最適な場合には99.9%、理想的には100%が、透過率として測定される。
【0093】
表面の平滑性のための尺度は、平均粗さによって数量化することができる。平均粗さ、特に平均粗さ値は、10000nm未満、好ましくは100nm未満、さらに好ましくは10nm未満、最も好ましくは1nm未満、最高に好ましくは0.1nm未満である。
【0094】
本発明に係る方法によって、
- 金属(また酸化されたまたは部分的に酸化された)、
- 半導体材料(また酸化されたまたは部分的に酸化された)、
- セラミックス材料、
- 非晶質構造を備えた材料ミックスまたは材料混合物、
- ポリマ(エラストマ、熱可塑性樹脂等)、
- 有機材料(グラファイト、ダイヤモンド、グラフェン等)、
- 構造化されたまたは構造化されていない基板
から成る基板を、すべての可能な組合せで互いに接合することができる。
【0095】
結晶格子の配向は、各表面の屈折率への影響を有しており、ゆえに、当業者にとって公知のある一定の意味がある。
【0096】
測定装置の、本発明において重要な部分は、送信器、少なくとも部分的に反射する両基板表面の間の間隙、および検知器/受信器である。接合すべきスタックの間隙の光学特性を利用することによって、本来の接合工程中における接合ウェーブの1回の完全に新規の測定が可能になる。本発明に係る測定装置は、本発明にとって必要な位置に関連した少なくとも1つの光学特性を検出する必要がある。
【0097】
測定信号の評価は、好ましくは以下のように行われる。
【0098】
つまり、本発明に係る第1実施形態では、間隙内の接合ウェーブの、時間分解された局所的位置を得るために、強度変化の光学特性が使用される。強度変化というのは、散乱および損失を伴う複数回反射ならびに放射線路におけるブロックもしくは邪魔物、つまり、フィルタリングに基づく、入射する光線の弱化の過程を意味している。
【0099】
したがって、光学間隙は、強度変化の所望の効果を引き起こすために、接合ウェーブの推移に関連した光学的に有効な少なくとも1つの間隙幅および/または間隙高さを有する必要がある。
【0100】
間隙内を延びる光線は、信号区間に沿って間隙の端部に至るまで貫通作業するために、好ましくは、反射の物理的な雰囲気を利用する。つまり、検知器に到着する信号は、信号区間に沿って、特に少なくとも主として、接合ウェーブによって測定区間に沿って変化させられた強度である。別の強度損失は、間隙内における複数回反射もしくは散乱に基づいて生じる。強度の局所的変化を求めることは、好ましくは、複数の測定区間のピックアップによって、特に送信器および/または検知器の運動、およびラドン変換の使用によって行われる。
【0101】
間隙内を延びる光線は、延びる接合ウェーブとの交番作用で強度の弱化を被る。変化させられた強度は、損失が反射、吸収または散乱によって発生したか否かとは無関係に、接合ウェーブの推移を計算するための測定値を生じさせる。効果の上がる測定のためには、強度の再現可能な弱化が必要である。
【0102】
好適な実施形態では、送信器と受信器との間では、間隙の高さの限界値に至るまでの接近時に直接的な「ビジュアルコンタクト」が発生する。言い換えれば、間隙の高さに至るまでは、信号区間に沿った反射は、部分的なブロックによる散乱もしくはフィルタリングに比べて、無視できるほど僅かしか、接合ウェーブによって発生しない。
【0103】
例としての別の本発明に係る実施形態では、間隙内の接合ウェーブの位置を求めるために、伝搬時間の光学特性が使用される。間隙内における測定光線の伝搬時間は、接近させられていない状態で最小に制限されている。間隙を画定している基板表面(さらに基板材料とも呼ばれる)の屈折率は、接近させられていない状態で、特に間隙内における空気または真空の屈折率よりも大きく(空気における屈折率は1)、好ましくは3.5未満、好ましくは3.0未満、最も好ましくは2.5未満、最高に好ましくは2.0未満、さらに最高に好ましくは1.5未満である。好ましくは、画定材料の屈折率は、予荷重および変形によってまったくまたは極めて僅かしか変化しない。間隙と画定材料との間の異なる屈折率によって、入射された信号は、反射によって好ましくは大部分が間隙内に保たれる。
【0104】
本発明に係る思想は、特に、間隙の局所的な狭窄によって光学材料が、局所的に複数の反射を被り、これによって、進められた光路の局所的な変化、特に高まりが、間隙内における伝搬時間の変化の原因となるということにある。
【0105】
間隙の高さの変化によって、一般的に、間隙から周囲への、つまり、画定材料もしくは基板への電磁放射線の通過特性は、変化する。この変化は、特に強度もしくは伝搬時間の局所的変化であると理解することができる。
【0106】
電磁放射線の反射挙動および透過挙動は、好ましくは、フレネルの式によって記載される。つまり、検知器に到着する信号は、信号区間に沿って、特に主として、好ましくはもっぱら、電磁放射線の、接合ウェーブによって信号区間に沿って変化させられた強度である。局所的強度もしくは局所的伝搬時間を求めることは、好ましくは複数の測定区間のピックアップによって、特に周縁部に沿った送信器および/または検知器の運動とラドン変換の使用とによって行われる。
【0107】
間隙内における光学的な複数回反射の変化によって、接合ウェーブの推移を、光線の色変化を介して相関させることも、本発明によれば好適に同様に可能である。直接通過する光線では、送信された信号の公知のスペクトル組成が公知である。画定する基板表面は、放射線のスペクトルを様々に吸収するもしくは反射するので、間隙間隔が比較的僅かな場合、およびこれに伴って反射数が増加した場合には、色変化として知覚もしくは測定される、スペクトルの変化を測定することができる。
【0108】
第3の本発明に係る実施形態では、光学特性として、横電磁波(TEM波)が使用される。TEM波というのは、電場成分および磁気成分が伝播方向において消滅する電磁波を意味している。TEM波は、本発明に係る境界条件下でしか形成されない。境界条件というのは、制限する幾何学的な条件であって、どの関数値が考慮された関数を、特殊な場合には電場および/または磁場を有しているかを規定する条件を意味している。本発明に係る境界条件によって、特に、定在の横電磁波が形成される。空間における電磁場密度の分布は、好ましくは厳格に対称的である。定在波の種々様々な実施形態は、モードと呼ばれる。TEM波のモードは、音響の定在波、または張設されたケーブルにおいて形成することができる定在波と同等である。
【0109】
別の本発明に係る思想は、特に、単色の電磁波を、ある一定の入射角で間隙内に入射させることにある。幾何学的な境界条件によって、可能なモードのうちの1つのモードが形成される。つまり、間隙内には、定在の横電磁波が発生している。間隙の1つの横断面で横断面に沿った強度を分析すると、対称的な強度分布が得られる。対称的な強度分布は、簡単な幾何学的な境界条件のために、広げられた細い間隙の境界条件のように、数学的関数によって示すことができる。この数学的関数は、いわゆる秩序パラメータを含んでおり、この秩序パラメータを用いて最大の数を推し量ることができる。
【0110】
つまり、この本発明に係る実施形態の本発明に係る思想は、強度分布を受信器側で記録することにある。測定区間に沿った接合ウェーブの作用によって、幾何学形状は、間隙が特に狭くなるように変化する。これによって、TEM波のための境界条件が変化する。したがって、境界条件の局所的変化は、測定区間の端部における測定された強度信号に影響を与える。基板相互の接近時に全基板表面に沿った測定結果を得るために、信号が、異なる複数の検知器位置によって、異なる送信器位置でピックアップされる。信号は、具体的な例では、積分信号ではなく、面信号である。つまり、強度分布は、面検知器の垂線を中心とした空間角度に沿ってピックアップされる。このようにして求められた間隙内における局所的強度分布は、再び接合ウェーブの時間的に変化する形状と、かつこれによって、条件付けられた間隙の狭窄とに関係づけることができ、このようにして接合ウェーブの全位置推移(変化)を位置マップとして特定することが可能になる。
【0111】
送信器の数は、本発明によれば、1よりも多いかまたは等しく、好ましくは5よりも多く、さらに好ましくは12よりも多く、最も好ましくは30よりも多い。検知器の数は、本発明によれば、1よりも多いかまたは等しく、好ましくは5よりも多く、さらに好ましくは12よりも多く、最も好ましくは30よりも多い。特に送信器と受信器/検知器とは、一体に形成されるか、または送信器および/または受信器は、特に均一にかつ/または対称的に、測定すべき基板の周縁部に、特に好ましくは平面的に延びる接合ウェーブの平面に配置されているか、または基板の周縁部を中心とした一定の半径では回転運動させられる。送信器は、点放射器、線放射器、または好ましくは面放射器として形成されていてよい。検知器は、点検知器、線検知器、または面検知器として形成されていてよい。この測定工程は、トモグラフィとも呼ぶことができる。
【0112】
別の本発明に係る実施形態では、リフレクタが、基板の外縁部の外側に設けられている。リフレクタは、好ましくは球体および/または円筒体のような物体であり、このような物体の軸線は、間隙の垂線に対して平行に、もしくは基板の表面垂線に対して平行に位置しており、リフレクタは、入射された測定信号の波長において高い反射性を有している。代替的に、リフレクタは、平面鏡として、または凸面鏡または凹面鏡として形成されていてよい。
【0113】
送信器は、設定された周波数を備えた電磁放射線を間隙内に入射する。検知器は、設定された時間後に、入射された信号に対するシステムの応答を測定する。送信器と検知器とは、基板の周囲の異なる位置に位置していてよい。送信器と検知器とは、好ましくは同期化されており、これによって、検知器は、送信器が信号を間隙内に入射するや否や、時間測定を開始する。ある一定の時間後に、検知器は、リフレクタで変向された信号を測定する。電磁信号の強度は、間隙を通り抜け時に変化させられている。強度損失は、信号区間に沿った吸収の尺度であり、間隙の間隔変化によって接合ウェーブの推移(形状変化)として惹起されている。
【0114】
リフレクタの位置における、接合ウェーブの推移(形状変化)としての間隔変化の測定は、入力信号からの出力信号の変化の測定によって行われる。好ましくは、強度の低減が測定値として利用される。
【0115】
基板の間の間隔変化の測定は、0nmよりも大きな間隔、好ましくは1nmよりも大きな、好ましくは50nmよりも大きな、さらに好ましくは100nmよりも大きな、さらに好ましくは100マイクロメートルよりも大きな、最も好ましくは150マイクロメートルよりも大きな、最適な例では200マイクロメートルよりも大きな、理想的な例では5000マイクロメートルよりも大きな間隔で行われる。
【0116】
繰り返される測定時における基板の間の接合ウェーブの、時間に関連した位置値の精度(測定装置の再現性として公知)は、それぞれ等しいピックアップ時間および/またはそれぞれ等しいピックアップ箇所に関して、20%よりも良好であり、好ましくは15%より、さらに好ましくは10%より、最も好ましくは5%より、最大に好ましくは1%よりも良好である。
【0117】
測定は、高められた温度で行うことができる。測定は、500℃未満で、好ましくは200℃未満で、さらに好ましくは100℃未満で、さらにより好ましくは50℃未満で、最も好ましくは室温で行われる。
【0118】
本発明によれば、特に、基板のうちの少なくとも1つの基板は冷却することが可能である。好ましくは、基板は、10℃未満に、特に好ましくは0℃未満に、極めて特に好ましくは-30℃未満に冷却されることが可能である。しかしながら、基板の冷却または加熱によって、結果として発生する接合内に、不所望の熱応力が発生し得ることを観察することができる。したがって、好ましい測定温度は、測定装置のためにも基板のためにも、20℃のスタンダード基準温度である。
【0119】
測定装置が、ウェーハ加工装置で、殊にウェーハ接合装置で、特にフュージョン接合装置で、特にインラインで使用可能である限りでは、接合ウェーブの、グラフィカルに示すことができる再現可能な推移を求めることができる。さらに本発明によれば、接合ウェーブを基板の間で、接合ウェーブ推移(形状の時間的および場所的な変化)に基づいて相応に操作することが可能であり、これによって、接合ウェーブの推移(形状若しくは形状の変化)を最適化してランアウト誤差を最小にすることができる。
【0120】
接合ウェーブに影響を与えるために、以下の手段、つまり、
- 基板の間隔が、アクティブなクランプ作用および固定作用を備えた調整された位置決め装置を用いて、アクティブに変化させられる手段、
- 基板のうちの少なくとも1つの基板の湾曲が、押圧要素、特にいわゆるピンの、可変にもたらされる力を用いて、アクティブに変化させられる手段、
- 基板のうちの少なくとも1つの基板の撓みが、局所的に作用する固定、特に局所的に接続された個々に調整可能な真空路、および/または特にピエゾアクチュエータを用いて、所望のように個々の真空点を少なくとも解除し、好ましくは正圧および/または機械的な力を加えることによって、接合ウェーブの現在の位置に関連して、数学的なモデルによって設定された形状に変形させられる手段、
- 基板のうちの少なくとも1つの基板の撓みに、少なくとも部分的に局所的に作用するプレートであって、補強プレートとして理解することができるプレートを用いて、アクティブに影響が与えられる。特にプレートの強度は、局所的に、通路系における非圧縮性の流体のような可撓性の機構を用いて、数学的なモデルによって設定された形状にもたらされ、変形させることができる。補強プレートは、少なくとも2つの軸に沿って、互いに無関係に膨出させることができる手段、
- 基板のうちの少なくとも1つの基板に、少なくとも部分的に局所的に作用するプレートであって、補強プレートとして理解することができるプレートを用いて、アクティブに影響が与えられる。特にプレートの撓みは、補強プレートに固定された基板によってアクティブに、ピエゾリニアアクチュエータのような調節要素によって、数学的なモデルによって設定された形状に変形させられる手段、
という手段を個々にまたは組み合わせて使用することができる。
【0121】
実施されるすべての変形は、ランアウト誤差を少なくとも部分的に、好ましくは完全に消去させるために、接合ウェーブに、閉ループ制御で影響を与えるために働く。
【0122】
本発明の1つの有利な好適な実施形態では、1つまたは複数の送信器および/または1つまたは複数の受信器が、周縁部に沿って可動である。好ましくは、この運動は、制御装置によって制御されて、特に制御装置によって制御されたステップモータを用いて行われる。
【0123】
代替的に、すべての送信器および/または受信器の同期化された運動を、調整して行うことができる。
【0124】
好ましくは、運動は、周縁部に対して形が合同の軌道に沿って、特に環軌道に沿って、好ましくは、特に周囲が閉鎖された円環軌道に沿って行われる。
【0125】
別の本発明に係る実施形態としては、多数の送信器および/または受信器が位置固定に、基板縁部に不動に配置される。個々の送信器および/または受信器の相応の電子回路および/または調整によって、測定信号の回転を生じさせることができる。このようにして検出されかつ計算された結果は、回転させられた送信器および受信器による測定の結果と比較して、ほぼ同一の結果を提供することができる。
【0126】
好ましくは、本発明によれば、測定装置は、周縁部に分配された複数の送信器、および/または周縁部に分配されていて、特に向かい合うように配置されたそれぞれ1つの送信器に割り当てられた複数の受信器を有しており、特に少なくとも2つの受信器を送信器ごとに有していることが、好適に特定されている。
【0127】
各送信器が、複数の信号区間を、特に同時に送信し、かつ/または各受信器が、それぞれ1つの個々の信号区間に割り当てられている、本発明に係る好適な処理によって、周縁部に、送信器よりも多くの受信器を配置することができ、これによって、検出をより効果的に行うことができる。
【0128】
さらに本発明によれば、測定装置が、信号区間に沿った接合ウェーブの位置決めされた位置を、特に、少なくとも1つの受信器によって受信された信号の変換、好ましくはラドン変換によって特定するための評価ユニットを有していることが、好適に有利である。
【0129】
2つの基板表面の接合時における接合ウェーブの推移を、特に横方向観察によって求めるための本発明に係る第1の方法は、その最も一般的な形態で、以下のステップを、特に以下の順序で、つまり、
- 側部の外周部に、特に測定すべき接合ウェーブの平面の高さで、接合すべき第1の基板と接合すべき第2の基板との間隙に対して、測定装置を配置するステップと、
- 電磁波の形態の信号を、周縁部に配置された1つまたは複数の送信器によって、間隙を通って延びる第1の信号区間と間隙を通って延びる少なくとも1つの別の信号区間とに沿って、送信するステップと、
- 代替的に、電磁波の形態の信号の送信は、周縁部に配置された1つまたは複数の送信器によって、間隙を通って延びる第1の信号区間に沿って行うことができるステップと、
- 信号を、1つまたは複数の送信器から間隙を通して送信され、かつ第1の信号区間および別の信号区間の、接合ウェーブの推移に基づく間隔変化時に可変な信号を受信するための、周縁部に配置された1つまたは複数の受信器によって、受信するステップと
を含んでいる。
【0130】
2つの基板表面の接合時における接合ウェーブの推移に影響を与えるための本発明に係る第2の方法は、接合ウェーブの観察、特に横方向での観察と、接合ウェーブに影響を与えるためのアクチュエータの調整とを含んでいる。本発明に係る方法は、その最も一般的な形態で、以下のステップを、特に以下の順序で、つまり、
- 側部の外周部に、特に測定すべき接合ウェーブの平面の高さで、接合すべき第1の基板と接合すべき第2の基板との間隙に対して、測定装置を配置するステップと、
- 電磁波の形態の信号を、周縁部に配置された1つまたは複数の送信器によって、間隙を通って延びる第1の信号区間と間隙を通って延びる少なくとも1つの別の信号区間とに沿って、送信するステップと、
- 接合すべき2つの基板のコンタクト箇所における前接合を開始し、特に同時に、間隙を通って延びる第1の信号区間と間隙を通って延びる少なくとも1つの別の信号区間とに沿って、間隙を観察し、かつ特に連続的に測定するステップと、
- 測定結果を処理し、結果を、アクチュエータのための調節値としてフィードバックするステップと、
- 横方向観察された測定と、アクチュエータ、特に真空、および/または湾曲、および/または静電気による保持力、および/または基板ホルダ相互の間隔、および/または基板ホルダの形状(自由形状面、等)の調整状態の変化とから成る繰返しによって、接合ウェーブの推移を調整するステップと、
- 現在の前接合の、個々に測定されかつ相関されたパラメータを記憶するステップと、
- 過去の測定から成る測定結果からの知識メモリを用いて、接合された基板スタックをチェックするステップと、
- 基板スタックの接合品質に関して、特に自動的に判定するステップと、
- 品質が特定された限界値を上回っている場合に、さらなる加工のために基板スタックを解放し、
品質が粗悪な場合には、基板スタックを再調製および/またはオペレータの介入のために戻すステップと
を含んでいる。
【0131】
本発明に係る装置および本発明に係る方法に対しては、測定装置に対して上述した特徴が相応に通用し、またその逆も言える。
【0132】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、好適な実施例の説明および図面から判る。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【
図1a】本発明に係る測定装置を備えた本発明に係るフュージョン接合装置を示す横断面図である。
【
図1b】本発明に係る測定装置を備えた本発明に係るフュージョン接合装置と、接合のために予荷重が加えられた基板を備えた測定アレンジメントとを示す横断面図である。
【
図2a】本発明に係る測定装置の第1実施形態を概略的に示す平面図である。
【
図2b】本発明に係る測定装置の第2実施形態を概略的に示す平面図である。
【
図2c】本発明に係る測定装置の第3実施形態を概略的に示す平面図である。
【
図3】本発明に係る測定装置の第4実施形態を概略的に示す平面図である。
【
図4】本発明に係る測定装置の第5実施形態を概略的に示す平面図である。
【
図5a】本発明に係る装置の好適な実施形態の光学特性の測定形態を概略的に示す図である。
【
図5b】本発明に係る装置の好適な実施形態の光学特性の測定形態を概略的に示す図である。
【
図6】本発明に係る装置の特に好適な実施形態の光学特性の測定形態を概略的に示す図である。
【0134】
図面において、等しい部材または等しい作用を有する部材には、等しい符号が付されている。
【0135】
図1aには、接合装置10、特にフュージョン接合装置10が概略的に示してある。この図では、単に第1の、特に上側の基板ホルダ11、および第2の、特に下側の基板ホルダ12だけが示してある。
【0136】
両基板ホルダ11,12の間には、第1の基板2および第2の基板4が配置されており、両基板2,4は、測定間隙3として形成された間隔を備えて示される。
【0137】
基板2,4は、個々に調整可能な固定手段5,5’によって各基板ホルダ11,12に固定されている。
【0138】
個々に調整可能な固定手段5,5’というのは、真空/圧力通路、および/または磁気式、および/または静電気式、および/または粘着性の固定要素が、個々に適用・調整可能であり、かつ/またはグループで適用・調整することができるということを意味している。これによって、特に隣接した固定要素が、作用方向で逆向きの力をもたらすことができる。
【0139】
測定間隙3に位置する平面もしくは接合ウェーブの部分が位置する平面には、測定装置1が配置されており、個々の位置決め手段および運動手段ならびに測定手段は、図示されていない。測定装置1は、少なくとも、図示しない送信器7と図示しない受信器8とから成っている。
【0140】
測定間隙3は、測定間隙3を通して送信された信号の光学特性を測定するための測定装置1の一部であり、測定装置1は、測定のために接合装置内に取り付けられた測定装置としてのセンサであっても、または接合装置内に固定に設置されていてもよい。
【0141】
両基板2,4は、予荷重が加えられていない位置で示してある。基板の予荷重は、基板2への力作用による予荷重要素6の作用として理解することができる。
【0142】
図1bには、
図1aに記載した接合装置10が概略的に示してある。測定装置1は、測定信号を、下側の基板4と上側の基板2との間の測定間隙3において検出することができ、予荷重要素6、特にピンが、上側の基板2に予荷重を加え、これによって、基板2,4を互いに結合させることができる。
【0143】
測定装置1において、間隙の高さが測定値またはシステム値(Anlagenwert)として存在している場合には、測定信号の光学特性と間隙の高さとの間の相関(Korrelation)が発生するので、測定結果は、間隙の計算された若しくは予測された高さの関数として接合ウェーブの推移(形状変化)時に出力され、かつ/または記憶することができる。
【0144】
図2aには、測定装置1の第1実施形態が概略的に平面図で示してある。
【0145】
電磁波を測定するためおよび伝送(Durchleiten)するために、
図1の実施形態によれば、送信器7が測定間隙3の周縁部3uに配置されており、この送信器7は、信号9を測定間隙3を通して信号区間に沿って送信する。
【0146】
全測定間隙3の本発明による検出のために、送信器7および/または検知器(受信器)8は、特に同期化されて、周縁部3uに沿って可動であり、特に環状の、好ましくは真円状の循環軌道に沿って可動である(矢印によって図示)。循環軌道は、特に測定間隙3に直接接続している。
【0147】
本発明に係る部材および方法ステップを制御もしくは調整するために、制御装置もしくは調整装置(図示せず)が設けられている。
【0148】
本発明によれば特に、複数の送信器7および/または複数の受信器8を周縁部3uに分配することが考えられ、これらの送信器7および/または受信器8は、比較的大きな部分区分の運動によってまたはカバーによって、それぞれ周縁部3uの一区分をカバーしている。
【0149】
図2bには、測定装置の第1実施形態の発展形態としての、測定装置1の第2実施形態が概略的に平面図で示してある。この実施形態は、測定装置の第1実施形態と同じように
図2aで検討されている。
図2bには、複数の送信器7、複数の受信器8、および信号9が概略的に示してある。信号9は、好ましくは中心を通らない(円の)弦として測定間隙3内で、好ましくは互いに交差するように各送信器7から各受信器8へと延びている。
【0150】
図2cには、測定装置の第1実施形態または第2実施形態の発展形態としての、測定装置1の第3実施形態が概略的に平面図で示してある。
【0151】
例として形成された送信器7は、信号9を、例として形成された受信器8に測定間隙3内で送信する。リフレクタ13は、信号を測定間隙3内で送信器7から受信器8に変向する。送信器7、リフレクタ13、および受信器8は、特に周縁部3uに配置されている。代替的な図示しない実施形態では、周縁部3uは、少なくとも1つの基板を固定することができる保持装置の周縁部に関係している。
【0152】
図示しない本発明に係る実施形態では、送信器から送信された光線が、間隙内で、接合ウェーブの瞬間的なある時点での箇所から散乱され、かつ/または反射され、かつ/または回折させられる。この変化させられた光線は、少なくとも1つの受信器によって検出することができ、接合ウェーブの推移(形状若しくは形状の変化)を特定するために本発明のように使用することができる。
【0153】
図3に示した第4実施形態では、複数の受信器8が、ただ1つの送信器7に向かい合うように割り当てられている。この送信器7は、
図2a~
図2cに示した上述した実施形態と同様に、信号光線9を送信し、この信号光線9は、測定間隙3の比較的大きな区分を検出し、かつ多数の信号区間を有しており、これらの信号区間はそれぞれ受信器8のうちの1つの受信器に通じ、その受信器によってピックアップされる。したがって、この実施形態の利点は、同時に複数の信号を、測定間隙3の比較的大きな角度区分に沿って同時に検出できるということである。必要な測定時間は、受信器8の数の係数だけ、受信器8の数に関連して短くなる。
【0154】
1つの別の実施形態では、送信器7の信号9は、脈動させてタイミング制御して送信することができる。受信器8は、相応に、連続的なモードまたは同期化されてタイミング制御されたモードで、特に電子的に切り替えて作動させることができる。この実施形態によって、電子式の切替動作を、周縁部3uにおける測定装置1の運動の代わりに相応に利用することができる。
【0155】
周縁部3uに沿った、送信器7の運動と、送信器7に割り当てられた受信器8の運動とによって、全測定間隙3が検出可能である。代替的に、周囲に分配された複数の送信器7と、それぞれに割り当てられた受信器8とが配置されていてよく、これによって、送信器7と受信器8との運動なしに、全測定間隙3が検出可能である。
【0156】
図4には、測定間隙3を検出するための第5実施形態が示してある。この第5実施形態では、送信器7と受信器8’とが設けられており、この受信器8’は、線検知器または面検知器として、特にCCD検知器として、好ましくはCMOS検知器として構成されている。線検知器もしくは面検知器は、信号を線もしくは面に沿ってピックアップすることができ、かつ直接さらに処理することができる。受信器8’の位置分解能に応じて、受信器8’は、信号9の多数の信号区間を検出するように構成されている。
図3に示した実施形態と同様に、送信器7および受信器8’を、周縁部3uに沿って運動させること、またはそれぞれ向かい合った受信器8’と共に、複数の、特に3つの送信器7を周囲に分配させることができる。
【0157】
上述した実施形態に共通なことは、事実上、測定間隙3を通って延びる任意の多数の信号区間が、送信器7および受信器8,8’の相応に小さな運動ステップによって検出できるということである。運動は、特に、制御装置によって制御されるステップモータによって行うことができる。調整および調整装置も、相応に同等である。本発明によれば特に、相応に同期化された、特にブラシレスの直流モータであって、後置された大きな伝達比を有する直流モータを、送信器7および受信器8,8’の精密な位置決めを実現するために使用することが考えられる。
【0158】
検出されたデータは、評価ユニット(図示せず)によって評価される。可能な評価は、接合ウェーブの、評価ユニットによって評価された、特に時間に関連した局所的位置であり、この局所的位置は、所定の位置に決められている。これによって、接合ウェーブの推移(形状若しくは形状の変化)を、場所および時間の関数として認識することができる。
【0159】
図5aには、測定間隙3の光学材料の別の光学特性、つまり、強度損失を求めることが示されている。基板の間の間隔が減じられるに連れて、信号は測定間隙3内で、等しい区間に対して高められた反射数をもって反射され、間隔が小さくなるに連れて、光学的な強度損失が高まる。間隔の変化によって、信号9の反射特性、ひいては信号9の強度が変化する。信号9の伝播(Ausbreitung)は、信号9の電磁波の伝播方向によって、幾何学的な光学系のルール(Regeln)に従って図示される。矢印の異なる太さは、測定間隙3内への信号9の入口で高い強度であることを概略的に再現している。継続する経路と共に間隔が変化することによって、電磁波の光子がますます多く測定間隙3から散乱され、ブロックされ、反射され、または吸収される。このことはますます細くなる矢印によって示してある。測定間隙3から進出する光子の矢印は、間隔の減少に連れてより太くなる。損失として、エバネッセント波が発生し得る。
【0160】
図5aで注意すべきことは、信号9は平行にもしくは実質的に平行に間隙3内に導入されるのではないということである。
【0161】
図5bには、幾分異なる平行に入射される信号9による、測定間隙3の光学材料の別の光学特性を求める態様が示してある。
図5bでは、単に2つの周辺光線だけが概略的に示してある。信号9の入口矢印によって示された、送信器の散乱角度は、10°未満であり、好ましくは5°未満、特に好ましくは3°未満、極めて特に好ましくは1°未満である。
【0162】
図5bでは、放射線は、好ましくは基板表面に対して平行に間隙内に入射される。
【0163】
図5bに示した実施形態については、さらに
図5aに記載した特徴も通用する。
【0164】
図6には、経路Lに沿った間隔の変化による、TEM波の変化が概略的に示してある。測定間隙3は、経路Lに沿ってtからt’に変化し、これによって、不変の電磁波も測定間隙3の内部で変化する。電磁波のこの変化によって、電磁波のモードおよび強度分布も変化する。モードおよび/または強度分布の変化から、接合ウェーブの、位置に関連した検出が可能であり、多数の信号区間が評価される。周縁部3uに沿ったモードの強度分布を測定することによって、変換を用いて、好ましくはラドン変換を用いて、測定間隙3の特定箇所におけるモードの強度分布を推測することができる。これによって、接合ウェーブもしくは障害の局所的位置を求めることができる。
【符号の説明】
【0165】
1 測定装置
2 第1の基板
3 測定間隙、間隙
3u 周縁部
4 第2の基板
5,5’ 個々に調整可能な基板保持手段
6 予荷重手段、特にピン
7 送信器
8,8’ 受信器
9 信号
10 フュージョン接合装置
11 第1の基板ホルダ
12 第2の基板ホルダ
13 リフレクタ
D 直径
t,t’ 間隙厚さ