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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20230523BHJP
   G06F 8/65 20180101ALI20230523BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
E02F9/26 A
G06F8/65
B60R16/02 660U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021565574
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2020046597
(87)【国際公開番号】W WO2021125142
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019229994
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャフリル バンダラ
(72)【発明者】
【氏名】柴森 一浩
(72)【発明者】
【氏名】飯室 聡
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160600(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187392(WO,A1)
【文献】特開2004-297126(JP,A)
【文献】特開2019-152070(JP,A)
【文献】特開2015-101229(JP,A)
【文献】特開2004-199493(JP,A)
【文献】特開2017-014723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
G06F 8/65
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、前記車体に設けられドアを有する運転室と、前記ドアを施錠する施錠装置とを備えた建設機械において、
外部のサーバとの間の通信を制御して前記建設機械の制御のためのソフトウェアの更新情報を受信する通信コントローラと、
前記更新情報に従い、前記ソフトウェアの更新動作を実行する更新マスタコントローラと
を備え、
前記更新マスタコントローラは、
前記施錠装置による施錠の有無と、前記建設機械の位置情報に従い、前記建設機械が前記ソフトウェアの更新動作の間に安全な位置である駐機場にあるか否かを示す安全性について判定する安全性判定部と、
前記ソフトウェアの更新のために前記建設機械の稼働計画に基づいて前記建設機械の使用を停止しても良いか否かを示す可用性について判定する可用性判定部と
を備え、
前記ドアが前記施錠装置により施錠がされたか否かを判定し、前記施錠装置による施錠が少なくとも確認された場合、前記安全性及び前記可用性が肯定されると判定し、前記ソフトウェアの更新動作を開始するよう構成される
ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記更新マスタコントローラは、
前記ソフトウェアの更新の準備が完了したか否かを判定し、前記準備が完了したと判定された場合に、前記施錠がされたか否かの判定を行う、請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記施錠装置は、前記ドアに対する物理鍵の挿入及び回転によって前記ドアを施錠する、請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記施錠装置は、無線鍵から無線信号を受信する無線鍵受信部を備え、前記無線鍵受信部で受信される前記無線信号に従い、前記ドアを施錠するよう構成される、請求項1に記載の建設機械。
【請求項5】
前記更新マスタコントローラは、
前記無線鍵受信部において受信される無線信号の強度が所定のレベル以下である場合に、前記運転室の内部又は前記建設機械の周辺に人がいないと判定する、請求項4に記載の建設機械。
【請求項6】
前記更新マスタコントローラは、
前記建設機械の稼働計画に基づいて、前記可用性を判定する、請求項1に記載の建設機械。
【請求項7】
前記更新マスタコントローラは、前記ソフトウェアの更新動作の開始後、前記ドアの解錠がされたか否かを判定し、前記解錠を含む中断条件が確認された場合、前記ソフトウェアの更新動作を中断するよう構成された、請求項1に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に係り、より詳しくは遠隔でソフトウェア更新を実行する機能を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械のソフトウェアを更新するに当たり、建設機械が長時間停車しても問題がない環境にあるか否か、又は、現在作業を中断してもよい状況か否かを確認してからソフトウェアの更新を開始するための技術が、例えば特許文献1により公開されている。特許文献1では、建設機械でソフトウェア更新の準備ができたら、建設機械を操作するオペレータに対し更新確認画面を表示し、ソフトウェア更新の開始をオペレータに報知する。
【0003】
更新確認画面は、建設機械が安全な場所に停車され、従って作業を中断してソフトウェア更新を行ってよいか否かをオペレータに確認するための画面である。ソフトウェアの更新の実行は、更新確認画面においてオペレータの意向を確認した後に開始される。特許文献1には、更新確認画面を表示する際に、オペレータの作業に支障が生じないように、オペレータが作業を続ける場合、更新確認画面を非表示に設定することも開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1では、ソフトウェア更新を開始するか否かの判断はオペレータに委ねられる。オペレータが作業等に忙しい場合には、非表示にされた更新確認画面に気づかなかったり、気付いていても無視されたりする可能性がある。この場合、いつまで経っても建設機械のソフトウェア更新が実行されないという事態が生じ得る。建設機械のソフトウェア更新には、建設機械の安全性や基本動作に関わる重要な事項が含まれている。この様な重要なソフトウェア更新が実行されないまま作業が継続されると、建設機械の動作に影響を与える可能性がある。このように、建設機械において、作業の効率性を損なうことを回避しつつも、ソフトウェア更新が確実に実行されることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-14722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、作業の効率性を確保しつつも、ソフトウェアの更新が確実に実行されることが可能な建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る建設機械は、車体と、前記車体に設けられドアを有する運転室と、前記ドアを施錠する施錠装置とを備えた建設機械において、外部のサーバとの間の通信を制御して前記建設機械の制御のためのソフトウェアの更新情報を受信する通信コントローラと、前記更新情報に従い、前記ソフトウェアの更新動作を実行する更新マスタコントローラとを備える。前記更新マスタコントローラは、前記ドアが前記施錠装置により施錠がされたか否かを判定し、前記施錠装置による施錠が確認された場合、前記ソフトウェアの更新動作を開始するよう構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建設機械のドアが施錠されるタイミングで建設機械のソフトウェアの更新を実行することで、作業の効率性を確保しつつも、ソフトウェアの更新を確実に実行することができる。なお、上記した以外の目的、構成、効果は、以下の実施形態において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の建設機械10の一例としての油圧ショベルの外観構成を説明する外観構成図である。
図2】第1の実施形態の建設機械10の制御部の構成を説明するブロック図である。
図3】第1の実施形態の通信コントローラ11、更新マスタコントローラ12、ドア13、及びスレーブコントローラ14、15、16内部の機能ブロックのうち、ソフトウェア更新に関係するブロックを詳細に表したブロック図である。
図4】第1の実施形態の更新マスタコントローラ12が実行するソフトウェア更新の処理フローについて説明するフローチャートである。
図5】第2の実施形態におけるステップS102の詳細を説明するフローチャートである。
図6】第2の実施形態のデータ記憶部121で登録され得る指定エリアのデータフォーマットの一例を示す図面である。
図7】第3の実施形態におけるステップS103の詳細を説明するフローチャートである。
図8】第3の実施形態データ記憶部121に記憶される稼働計画情報のデータフォーマットの一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0011】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る建設機械の外観構成の一例を示しており、図2は、当該建設機械の制御部のブロック図である。
【0013】
図1の外観構造図に示すように、第1の実施形態の建設機械10は、一例として、油圧ショベルであり、例えば上部旋回体1110と、下部走行体1120と、作業機1130と、旋回機構1140と、シリンダ1160とを備えている。
【0014】
上部旋回体1110は、下部走行体1120の上部に旋回機構1140を介して旋回可能に取り付けられる車体の一部であり、オペレータが運転を行うための運転室1111が備えられている。運転室1111には運転室1111を外部と仕切り開閉可能とされたドア13が備え付けられている。ドア13は、物理鍵により施錠可能に構成されている。
【0015】
上部旋回体1110は、建設機械10の高さ方向に平行な回転軸を中心に、下部走行体1120に対して旋回する。上部旋回体1110は、例えば、エンジン等を含む油圧装置を収容している。下部走行体1120は、例えば、図示を省略する油圧モータによって駆動される履帯1121を備え、制御装置の制御の下で建設機械10を走行させる。
【0016】
作業機1130は、例えば、上部旋回体1110の前部に設けられ、シリンダ1160によって駆動されて掘削作業などの作業を行う。作業機1130は、例えば、ブーム1131と、アーム1132と、バケット1133とを有する。旋回機構1140は、図示を省略する油圧モータ又は電動モータを有し、制御装置の制御の下、建設機械10の高さ方向に平行な回転軸を中心に、上部旋回体1110を下部走行体1120に対して旋回させる。
【0017】
図2のブロック図を参照して、第1の実施形態の建設機械10の制御部の構成を説明する。制御部による制御対象の1つである油圧装置は、エンジン170等の原動機と、この原動機によって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ171と、油圧ポンプ171から吐出された圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプ171から各油圧アクチュエータへ吐出される圧油の流れをそれぞれ制御する複数のバルブ172とを備える。油圧アクチュエータは、例えば前述のブーム1131、アーム1132、バケット1133をそれぞれ駆動するブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、及びバケット用油圧シリンダ、下部走行体を走行させる走行用油圧モータ、上部旋回体1110を旋回させる旋回用油圧モータ等を含む。
【0018】
建設機械10は、各部の動作の制御や処理するための様々なコントローラを備えている。コントローラは、一例として、エンジン170の回転等を制御するためのスレーブコントローラ14と、バルブ172の油の流れを制御するためのスレーブコントローラ15と、オペレータによって操作された操作レバー173の操作信号を処理するためのスレーブコントローラ16とを含み得る。
【0019】
これらのスレーブコントローラ14~16には、建設機械10の各種構成要素の制御や処理に必要なソフトウェアが、図示しない記憶手段に格納されている。このようなソフトウェアは、不具合の修正や機能の追加等の目的で更新されることがある。
【0020】
建設機械10は、これらのスレーブコントローラ14~16におけるソフトウェアの更新情報を外部のサーバ30から移動体通信網40を介して受信するため、通信コントローラ11を備えている。また、建設機械10は、これらのソフトウェアの更新動作を制御する中央制御装置として、更新マスタコントローラ12を備えている。更新マスタコントローラ12は、通信コントローラ11により受信されたソフトウェアの更新情報に従い、ソフトウェアの更新動作を、対応するスレーブコントローラを選択して実行する。
【0021】
図3は、図2における通信コントローラ11、更新マスタコントローラ12、ドア13、及びスレーブコントローラ14、15、16内部の機能ブロックのうち、ソフトウェア更新に関係するブロックを詳細に表したブロック図である。
【0022】
通信コントローラ11は、一例として、サーバ30との間でソフトウェア更新に必要なデータや指示を送受信する通信部111と、建設機械10の位置情報を保持する位置情報部112を含む。通信部111は、サーバ30とデータの送受信を行うための外部通信機能と、更新マスタコントローラ12とデータの送受信を行うための内部通信機能を備えている。通信部111は、外部通信機能によりサーバ30が送付した更新プログラムを受け取り、内部通信機能で更新マスタコントローラ12に転送する。位置情報部112は、GPS等から取得した建設機械10の位置情報を保持する。
【0023】
更新マスタコントローラ12は、一例として、通信コントローラ11からソフトウェア更新に必要なデータや指示の受信が完了した後、ソフトウェア更新の準備が完了したことが確認され、スレーブコントローラ14~16に対する更新を開始する機能ブロックとして、データ記憶部121、更新準備判定部122、施錠判定部123、安全性判定部124、可用性判定部125、更新実行部126、及び時計127を備えている。
また、ドア13は、物理鍵20を挿入・回転させるか、又は制御信号を受信してドア13を施錠する施錠装置131を備える。施錠装置131は、施錠された状態を物理的に検出するスイッチ(図示せず)を内部に備える。このスイッチがONされることにより施錠装置131が施錠された状態であることを検出する構成となっている。更にドア13は、無線鍵21からの無線信号を受信して、施錠装置131に対し制御信号を出力する無線鍵受信装置(レシーバ)132を備える。
【0024】
データ記憶部121は、通信コントローラ11から転送されたソフトウェア更新に必要なデータや指示を記憶するメモリである。ソフトウェア更新に必要データや指示は、例えば更新対象のコントローラに新しく書き込むプログラム本体と、そのプログラムの種別を表すバージョン情報などを含む識別情報と、更新対象のコントローラの識別情報とを含み得る。更新準備判定部122は、スレーブコントローラ14~16に対するソフトウェア更新の準備が整ったか否かを判定する。
【0025】
更新準備判定部122は、データ記憶部121で記憶されたソフトウェア更新に必要なデータと指示を参照し、ソフトウェアの更新動作の準備が完了したか否かを判定する。施錠判定部123は、建設機械10のオペレータが運転室1111から降り、ドア13が施錠装置131により施錠されたか否かを判定する。
【0026】
施錠判定部123は、施錠装置131、又は無線鍵受信部132の状態を監視して、その結果に従ってドア13が施錠されているか否かの判定を行う。安全性判定部124は、建設機械10におけるソフトウェア更新動作の開始条件として、建設機械10が安全な場所にあるか否か、又は安全な状態にあるか否か(以下、建設機械10の設置位置の安全性、及び建設機械10の状態の安全性とを総称して「安全性」という)を判定する。なお、施錠判定部123は、無線鍵受信部132において無線鍵21から受信される無線信号の強度が所定のレベル以下である場合にも、運転室1111の内部又は建設機械10の周辺に人がいないと判定し、施錠がされているとみなすことができる。すなわち、無線鍵21を所持したオペレータが建設機械10から離れると、無線鍵21から常時又は定期的に発信される無線信号が無線鍵受信部132において所定レベル以下となり、やがて受信されなくなる。これにより、オペレータが運転室1111の内部又は建設機械10の周囲にいないことを検知することができる。
【0027】
可用性判定部125は、建設機械10におけるソフトウェア更新動作の開始条件として、ソフトウェア更新を実行している間にオペレータの作業が中断しても、作業の進捗に影響を与えないか否か(以下、「可用性」という)を判定する。可用性判定部125は、建設機械10の可用性を確認するために、施錠判定部123が出力した情報を利用する。更新実行部126は、安全性判定部124及び可用性判定部125の出力に従い、ソフトウェア更新の条件である安全性と可用性を満たしたことを確認した後、ソフトウェア更新内容に対応するスレーブコントローラ14~16に対し、新たなプログラムを書き換える処理を実行する。時計127は、現在の時刻を提供する。
【0028】
スレーブコントローラ14~16は、それぞれ、自身のソフトウェアを実行する機能ブロックとして、ソフトウェア(SW)実行部141、151、161を有する。SW実行部141、151、161は、それぞれの制御や処理対象におけるソフトウェアを実行する。また、スレーブコントローラ12から更新の指示がある際に、既存のプログラムを維持しながら新たなプログラムを書き込み、書き込んだ新たなプログラムを有効にする。
【0029】
次に、図4のフローチャートを参照して、更新マスタコントローラ12が実行するソフトウェア更新の処理手順について説明する。
【0030】
まずステップS101で、更新準備判定部122は、ソフトウェア更新を実施するための準備が整ったか否かを判定する。更新準備判定部122は、データ記憶部121に記憶された更新プログラムの準備が完了しているかを確認する。データ記憶部121は、サーバ30から、ソフトウェア更新に必要なデータや指示の転送を通信部111を介して受信し、これを記憶・管理する。更新準備判定部122は、データ記憶部121に記憶されているデータが、ダウンロード途中であるか、もしくは、ダウンロードが完了しているかを判定する。
【0031】
更新準備判定部122は、データ記憶部121において記憶されているデータの状態について、データ記憶部121に対し問い合わせを行うためのクエリを送信する。データ記憶部121は、クエリに基づいて、自身が記憶するデータの状態を確認し、更新準備判定部122に対し回答情報を送信する。データ記憶部121は、記憶されているデータの状態がダウンロード途中ならば、更新準備判定部122に対し「NO」の回答情報を送信する。この場合、更新準備判定部122は、データの状態がダウンロード完了になるまで待機する。
【0032】
一方、データ記憶部121は、自身が記憶するデータの状態がダウンロード完了である場合、更新準備判定部122に対し「YES」の回答情報を送信する。更新準備判定部122は、更新準備が完了していると判定し、その旨の情報を更新実行部126に送信する。
【0033】
ステップS102では、安全性判定部124は、ソフトウェア更新の条件である安全性(建設機械10が安全な場所にあるか、又は安全な状態であるか)を判定する。更新実行部126は、更新準備判定部122から更新の準備が整ったという通知を受け取った後に、安全性判定部124に対し、建設機械10の安全性を判定するように要求する。安全性の判定を要求された安全性判定部124は、施錠判定部123に対し、建設機械10のドア13の施錠状態の判定を要求する。
【0034】
一般に、建設機械10のオペレータは、建設機械10における作業を終えた後、建設機械10を安全な場所(例えば駐機場)に移動させ、建設機械10を駐機姿勢にし、その後エンジンを切る。そして、建設機械10のオペレータは、運転室1111から降り、その後ドア13を閉めて物理鍵20を施錠装置131の鍵穴に差し込み、もしくは、無線鍵21を操作して無線鍵受信部132に対し施錠信号(例えば赤外線信号)を送信し、建設機械10のドア13を施錠する。施錠判定部123は、施錠装置131の状態や無線鍵受信部132の状態をチェックし、ドア13が施錠装置131により施錠されていることを確認する。
【0035】
施錠判定部123は、ドア13が施錠装置131により施錠されている場合、その旨を安全性判定部124に対し回答する。安全性判定部124は、ドア13が施錠されていることから建設機械10は安全な状態にあると判定し、判定結果を更新実行部126に送信する。更新実行部126は、安全性判定部124の判定結果がYESであれば、可用性判定部125に対し、可用性を判定するように要求する。安全性判定部124の判定結果がNOの場合は、更新実行部126は安全性判定部124の判定結果がYESになるまで待機する。
【0036】
ステップS103では、可用性判定部125が、ソフトウェア更新の条件である可用性(ソフトウェア更新を実行している間にオペレータの作業が中断しても、作業の進捗に影響を与えないか否か)を判定する。可用性の判定の判断要素は、様々に設定することが可能である。ここでは、安全性判定部124と同様に、ドア13の施錠の状態に従い、可用性の判断を行うものとする。一般に、建設機械10のオペレータが暫くの間建設機械10を使用しない場合、オペレータは建設機械10を安全な場所に移動させ、ドア13を施錠する。そのため、施錠判定部123からドア13の状態を確認することで、建設機械10の可用性を判定することができる。
【0037】
可用性判定部125が、安全性判定部124と同様に施錠判定部123が出力した施錠状態の情報を使う場合、安全性判定部124が行った安全性の判定と同時に可用性を判定することもできる。更新実行部126は、可用性判定部125の判定結果がYESであれば、ソフトウェア更新を実行する。可用性判定部125がNOの場合は、更新実行部126は可用性判定部125の判定結果がYESになるまで待機する。
【0038】
ステップS104では、更新実行部126が、スレーブコントローラ14、15、16のうちの一つ又は複数のSW実行部141、151又は161に書き込まれているプログラムを、データ記憶部121に記憶された更新情報に係る新しいプログラムに書き換える(更新の開始)。更新実行部126は、建設機械10に関し所定の安全性が認定され、且つ所定の可用性が認定された後に、データ記憶部121で記憶されている更新に必要なデータと指示を確認する。更新実行部126が確認する情報は少なくとも2つある。一つ目は、スレーブコントローラの識別情報である。二つ目は、そのスレーブコントローラにおける新しいプログラムが格納されているアドレスである。
【0039】
ソフトウェアを更新すべき更新対象のコントローラが複数ある場合、データ記憶部121は、更新対象のソフトウェアを、異なるコントローラの種類毎に異なるアドレスに格納すると共に、そのアドレスを管理する。
【0040】
更新実行部126は、データ記憶部121に対し、更新対象のコントローラに関する新しいプログラムが格納されているアドレスを要求する。例えば、更新対象のコントローラがエンジン170用のスレーブコントローラ14である場合、データ記憶部121は、更新実行部126に対し、スレーブコントローラ14の識別情報と、スレーブコントローラ14のための更新プログラムが格納されているアドレスを返す。更新実行部126は、スレーブコントローラ14の識別情報に基づいて、スレーブコントローラ14にアクセスする。
【0041】
そして更新実行部126は、スレーブコントローラ14のSW実行部141に対し、新しいプログラムのサイズを通知し、SW実行部141において、新しいプログラムを書き込むための書込み可能領域が確保できるか否かを問い合わせる。SW実行部141は、新しいプログラムの書き込みに用いることができる領域のアドレスを更新実行部126に回答する。アドレスを受信した更新実行部126は、回答されたアドレスを指定して、データ記憶部121に格納されたスレーブコントローラ14向けの新しいソフトウェアを転送する。新しいプログラムの転送が完了した場合、更新実行部126は、SW実行部141に対し、ソフトウェア更新に必要な手続きを実行する。
【0042】
こうして新しいソフトウェアの更新が開始されると、所定時間の経過後、ソフトウェアは更新され、最新のソフトウェアの制御下で建設機械10の制御が開始される。しかし、ソフトウェアの更新の開始後(ステップS104)、その更新の完了前において、オペレータによってドア13の鍵が開けられ、更にエンジンがONとされる場合がある。
【0043】
この場合、第1の実施の形態では、ステップS105において、更新実行部126が施錠判定部123の判定結果に従い、ドア13が解錠されているか否かを確認する。ドア13が解錠されたと判定された場合(YES)、ステップS106に移行する。ドア13が施錠されたままであれば、動作はステップS108に移行する。
【0044】
ステップS106では、更新実行部126は、エンジン170がONとされたか否かを、例えばスレーブコントローラ14からのフィードバック信号に従って判定する。スレーブコントローラ14からのフィードバック信号に代えて、図示しないエンジン170の回転センサを設け、この回転センサの検出信号に従い、エンジン170のON/OFFを判定することも可能である。エンジン170がONであると判定された場合(YES)、動作はステップS107に移行する。エンジン170がOFFであると判定された場合(NO)、動作はステップS108に移行する。
【0045】
ステップS107では、更新実行部126は、SW実行部141に対するソフトウェア更新の処理を中断し、SW実行部141では旧プログラムが実行される。すなわち、この例では、ドア13の解錠と、エンジンのONとが行われたことを中断条件として、ソフトウェアの更新処理を中断する。エンジンのONの確認を省略して、ドア13の解錠のみを中断条件としてソフトウェア更新処理を中断してもよいし、その他の条件の具備を中断として更新処理を中断することも可能である。なお、ドア13が再度施錠された場合には、更新実行部126は、SW実行部141に対するソフトウェア更新の処理を再開してもよい。
【0046】
ステップS105でドア13が施錠されたままであると判定された場合には、ステップS108において、更新実行部126は、ソフトウェア更新に必要な処理の実行が完了したか否かを確認する。ソフトウェア更新に必要な処理が未だ継続中であると判定される場合は、動作はステップS105に移行する。
【0047】
ソフトウェア更新に必要な処理が終了したとステップS108において判定された場合(YES)、SW実行部141は、更新実行部126に対しソフトウェア更新が完了したことを通知し、処理を終了する。更新実行部126は、SW実行部141から更新完了通知を受け取った後、データ記憶部121に対し、スレーブコントローラ14に対するソフトウェア更新の状態を「完了」に変更する。データ記憶部121は、スレーブコントローラ14のソフトウェア更新の状態が「完了」になったことを、通信部111を経由して、サーバ30に通知する。サーバ30は、建設機械10のスレーブコントローラ14に対するソフトウェア更新の状態を「完了」と変更する。
【0048】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、建設機械10のドア13が施錠されたか否かの判定に従い建設機械10のソフトウェアの更新を開始することで、オペレータの判断によらず建設機械が安全な状態、かつ、安全な場所にあることと、オペレータの作業に影響を与えないこととを確認し、ソフトウェアを更新することができる。これにより、オペレータによるソフトウェア更新の先延ばしが防止され、建設機械のソフトウェア更新を確実に実行することができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、安全性の判定と可用性の判定として、それぞれ別々にドア施錠の確認を行う場合を説明したが、これら2つをまとめて一回のドア施錠の確認をもって両者を判定するようにしてもよい。
【0050】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る建設機械10を、図5を参照して説明する。この第2の実施の形態の建設機械10の概略の構成は、第1の実施の形態(図1図3)と同様であってよい。ソフトウェアの更新時における動作も、図4のフローチャートと同一であってよい。ただし、この第2の実施形態は、図4のステップS102の安全性の判定において、ドア施錠以外のパラメータを使用する点で、第1の実施の形態と異なっている。具体的に第2の実施の形態では、ドア施錠以外に、建設機械の位置情報に従い、安全性の有無を判定するようにすることができる。ただし、これは一例であり、これ以外のパラメータや追加のパラメータを用いても良いことは言うまでもない。
【0051】
図5を参照して、第2の実施形態におけるステップS102の詳細の一例を以下に示す。すなわち、第2の実施の形態のステップS102は、図5に示すステップS201~S209を一例として含む。ステップS201において、安全性判定部124は、施錠判定部123からドア13の施錠状態を取得し、ステップS202に移行する。
【0052】
ステップS202では、第1の実施形態と同様に、安全性判定部124は、施錠判定部123の判定結果をもとに安全性を判定する。施錠判定部123は、ドア13が施錠されている状態(YES)を返す場合、ステップS203に移行する。ドア13が施錠されていない状態を返す場合(NO)、ステップS209に移行する。
【0053】
ステップS203において、安全性判定部124は、建設機械10が安全な場所にあるか否かを判定する。具体的には、位置情報部112で取得したGPSデータ等に基づき、建設機械の緯度・経度の情報を座標データとして取得し、この情報に基づいて建設機械10の位置情報を保持する。
【0054】
続くステップS204では、安全性判定部124が、建設機械10がソフトウェア更新を実行しても良いエリア(以下、「指定エリア)という)に関する情報をデータ記憶部121から取得する。例えば、建設機械10がレンタル会社(レンタル元)から顧客企業(レンタル先)に貸し出されている(レンタルされている)ものであり、様々な建設現場に貸し出され、貸し出し中にソフトウェア更新を実施したくない場合がある。この場合、建設機械10が顧客からレンタル会社に返却され、所定の指定エリアに駐機され、さらにドア13に施錠が掛かった状態において、ソフトウェアの更新を開始させることができる。
【0055】
建設機械10におけるソフトウェア更新をレンタル会社の倉庫のみで実施したい場合は、建設機械10のデータ記憶部121に事前に、当該レンタル会社の倉庫の位置情報を登録することができる。図6に、データ記憶部121で登録され得る指定エリアのデータフォーマットの一例を示す。このデータフォーマットは、一例として、指定エリアのID、指定アリアの中心位置の緯度・経度、及び指定エリアの当該中心位置からの半径を示している。これは一例であり、指定エリアは矩形やその他のより複雑な図形により指定してもよいし、緯度・経度に代えて他の位置情報を用いても良い。
【0056】
なお、本実施形態では、ソフトウェア更新を実行しても良いエリアを指定エリアとして指定し、建設機械10がそのエリアにある場合のみソフトウェア更新を実行する方法を説明したが、これに限定するものではない。例えば、更新してはいけないエリア(更新禁止エリア)を指定する方法を採用しても良い。この方法によれば、例えば、建設機械10が主に作業を行う建設現場や、建設現場と駐機場との間の道路、人が頻繁に通過する領域などは、その位置に建設機械10がソフトウェア更新のために長時間駐機してしまうと、他の人や他の機械の邪魔となる。このため、このようなエリアを、指定エリアではなく、更新禁止エリアとして指定し、事前に記憶部121に登録することができる。
【0057】
図5に戻って説明を続ける。ステップS205では、安全性判定部124は、ステップS203で取得した建設機械10の現在の位置情報と、ステップS204で取得した指定エリアの情報を比較する。動作は次にステップS206に移行する。
【0058】
ステップS206において、安全性判定部124は、建設機械10の現在の位置情報は指定エリアの中に含まれるか否かを確認する。換言すれば、現在の建設機械10の位置情報を表す緯度と経度が、指定エリアの圏内にあるか否かを確認する。現在の建設機械10の位置が指定エリア内であれば、動作はステップS208に移行する。一方、現在の建設機械10の位置が指定エリア外であれば、動作はステップS207に移行する。
【0059】
建設機械10の位置が一の指定エリアの外であると判定された場合、続くステップS207では、安全性判定部124が、データ記憶部121に、比較すべき次の指定エリアがあるか否かを確認する。次の指定エリアがあれば、ステップS204に移行し、当該次の指定エリアが比較の対象とさされる(ステップS205、S206)。次に比較する指定エリアがなければ、ステップS209に移行する。
【0060】
ステップS208では、安全性判定部124は、ステップS202~S207の判断により、建設機械10にはオペレータは乗っておらず、ドア13は施錠されており、ステップ建設機械10は指定エリア内にあると判断されるので、ソフトウェア更新を実行しても安全であると判断される。従って、S208において、安全性判定部124は、更新実行部126に対し、安全性の判定結果としてYESを出力する。
【0061】
一方、ステップS209では、安全性判定部124は、ステップS202~S207の判断により、建設機械10にはオペレータは乗っていてドア13が施錠されていないか、又は建設機械10は指定エリア外にあると判断されるので、ソフトウェア更新を実行すると安全性に問題があると判断する。従って、ステップS209では、更新実行部126に安全性の判定結果としてNOを出力する。
【0062】
この第2の実施の形態によれば、安全性の判定において、建設機械が予め登録された指定エリア内にあることもファクターに含めて判定を行うため、より安全にソフトウェア更新を実行することができる。
【0063】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る建設機械10を、図7を参照して説明する。この第3の実施の形態の建設機械10の概略の構成は、第1の実施の形態(図1図3)と同様であってよい。ソフトウェアの更新時における動作も、図4のフローチャートと同一であってよい。ただし、この第3の実施形態は、図4のステップS103の可用性の判定において、ドア施錠以外のパラメータを使用する点で、第1の実施の形態と異なっている。
【0064】
次に、図7のフローチャートを参照して、建設機械10におけるソフトウェアを更新する際に行う可用性を判定する処理(ステップS103)の詳細について説明する。すなわち、第3の実施の形態のステップS103は、図7に示すステップS301~S310を一例として含む。まず、ステップS301において、可用性判定部125は、施錠判定部123から建設機械10のドア13の施錠状態に関する情報を取得する。次に、動作はステップS302に移行する。
【0065】
ステップS302では、施錠判定部123がドア13が施錠されているか否かを判定する。施錠判定部123がドア13が施錠されていると判定する場合(YES)、動作はステップS303に移行する。一方、施錠判定部123がドア13が施錠されていないと判定する場合(NO)、動作はステップS310へ移行する。
【0066】
ステップS303では、可用性判定部125は、時計127から現在の時刻に関するデータを取得する。続くステップS304では、可用性判定部125は、データ記憶部121から、ソフトウェアの更新に必要な時間を取得する。
【0067】
ステップS305では、可用性判定部125は、ステップS303で取得した現在の時刻に、ステップS304で取得した更新に必要な時間を加算して更新期間を計算する。例えば、現在の時刻が12:00で、更新に必要な時間が30分であれば、更新期間は12:00-12:30となる。
【0068】
ステップS306では、可用性判定部125は、データ記憶部121に記憶されている、建設機械10の稼働計画情報を取得する。一般に、建設現場では建設工程を管理するために、稼働する建設機械の日々の稼働計画情報を用意している。稼働計画情報は、例えば、その日の何時から何時までの間にどの建設機械がどのような作業をする予定かを示す。
【0069】
オペレータによって建設機械10が起動された所定のタイミングで、通信コントローラ11は、サーバ30から移動体通信網40を介して稼働計画情報を取得し、データ記憶部121に登録する。図8は、データ記憶部121に記憶される稼働計画情報のデータフォーマットの一例を示す。このデータフォーマットは、一例として、作業ID、開始時刻、稼働時間、及び稼働内容を含む。作業IDは、各作業工程を識別するための識別情報である。開始時刻は、その作業工程において建設機械10が稼働を開始する開始時刻である。稼働時間は、その作業工程において建設機械10が稼働する時間の長さを示す。稼働内容は、その作業工程において建設機械10が行う具体的な作業の内容が記載されている。
【0070】
ステップS307では、可用性判定部125は、ステップS305で計算した更新期間と、S306で取得した稼働計画を比較する。続くステップS308で、可用性判定部125は、建設機械10がソフトウェア更新を実行している間に建設機械10が停止していてもオペレータの作業の進捗に影響を与えないことを確認するため、建設機械10における稼働計画情報を確認する。
【0071】
例えば、ステップS305で計算されたソフトウェア更新期間が12:00-12:30だとする。可用性判定部125は、ソフトウェア更新期間である12:00-12:30は稼働計画情報に含まれているかどうかを確認する。もし、12:00-12:30の間に実行される作業があること(時間的に重複していること)を稼働計画情報が示していれば、ソフトウェア更新を実行してしまうとオペレータの作業の進捗に影響を与えるため、動作はステップS310に移行する。一方、12:00-12:30の間に実行される作業がなければ、ソフトウェア更新を実行してもオペレータの作業の進捗に影響を与えないので、動作はステップS309に移行する。
【0072】
ステップS309では、可用性判定部125は、ステップS302~308において、ドア13は施錠され、且つ建設機械10の稼働計画とソフトウェア更新時間は重複していないと判断された結果、所定の可用性を満たしていると判断されるので、可用性の判定結果としてYESを出力する。
【0073】
一方、ステップS310では、ステップS302でNOの判定がされるか、又はステップS308でYESの判定がされた場合に、可用性判定部125は、更新実行部126に対し、可用性の判定結果としてNOを出力する。
【0074】
この第3の実施形態によれば、さらに可用性の判定のファクターとして、建設機械の稼働計画情報も参照するようにしたので、オペレータの作業へ与える影響をより少なくすることができる。例えば、稼働計画の中継続して作業する時間帯ではあるが、オペレータが一時的に建設機械10から離れるためにドア13を施錠したような場合において、ソフトウェア更新が実行されないようにすることができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、安全性判定と可用性判定として、それぞれ上記の判定条件を例に説明したが、これに限るものではない。例えば、安全性の判定をこのような位置情報によるものだけではなく、例えば超音波やレーザによる障害物検知センサの情報を用いて、周囲に危険な物体の無いことを判定するようにしてもよい。また、可用性の判定では、稼働計画情報を参照するものだけでなく、例えば位置情報部112からの位置情報を利用して、駐機場や倉庫にいるときにだけソフトウェア更新が行われるようにしてもよい。
【0076】
[その他]
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
10…建設機械、 1110…上部旋回体、 1120…下部走行体、 1121…履帯、 1130…作業機、 1131…ブーム、 1132…アーム、 1133…バケット、 1140…旋回機構、 1160…シリンダ、 11…通信コントローラ、 12…更新マスタコントローラ、 13…ドア、 14~16…スレーブコントローラ、 20…物理鍵、 21…無線鍵、 30…サーバ、 111…通信部、 112…位置情報部、 121…データ記憶部、 122…更新準備判定部、 123…施錠判定部、 124…安全性判定部、 125…可用性判定部、 126…更新実行部、 127…時計、 131…施錠装置、 132…無線鍵受信部、 141、151、161…SW実行部、 170…エンジン、 171…ポンプ、 172…バルブ、 173…操作レバー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8