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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】駐車支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20230524BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20230524BHJP
【FI】
B60R99/00 351
B60R99/00 322
B60R1/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019190576
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021066222
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】秋山 卓也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩二
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-87780(JP,A)
【文献】特開2012-166686(JP,A)
【文献】特開2010-72702(JP,A)
【文献】特開2011-151479(JP,A)
【文献】特開2009-265803(JP,A)
【文献】特開2019-137079(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0152387(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0070139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00,99/00
B62D 15/02
G08G 1/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を撮像する撮像手段と、前記車両の後退時に前記撮像手段により撮像された後方映像が表示される表示手段と、を備える駐車支援装置であって、
前記表示手段に表示される前記後方映像に重ねて駐車支援情報を表示する支援情報表示手段と、
テールゲートに対向する高さを有する前記車両の後方に存在する後方障害物を検出する障害物検出手段と、を備え、
前記支援情報表示手段は、
前記駐車支援情報として、前記車両を駐車した状態で当該車両の後方に確保することを推奨する第1領域と、前記テールゲートを開閉するために前記第1領域に加えて当該第1領域の後方に必要な第2領域と、を前記後方映像に重ねて表示すると共に、
前記障害物検出手段によって前記後方障害物が検出されると、前記車両の後退に連動して前記第1領域及び前記第2領域の表示態様を変更する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車支援装置であって、
前記支援情報表示手段は、前記車両と前記後方障害物との相対距離に応じて、前記第1領域及び前記第2領域の表示態様を変更する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駐車支援装置であって、
前記支援情報表示手段は、前記第1領域及び前記第2領域をそれぞれ所定の色で表示した後、前記車両の後退に伴い前記後方障害物が前記第2領域に進入すると少なくとも前記第2領域の色を変更し、さらに前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると少なくとも前記第1領域の色を変更する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駐車支援装置であって、
前記支援情報表示手段は、前記車両の後退に伴い前記後方障害物が前記第2領域に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色を変更し、前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色をさらに変更する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の駐車支援装置であって、
前記支援情報表示手段は、前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色を同一色とする
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の駐車支援装置であって、
前記支援情報表示手段は、前記車両と前記後方障害物との相対距離が予め設定された閾値以下になった時点で、前記第1領域及び前記第2領域の表示を開始する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の駐車支援装置であって、
前記車両の荷室に収容されている荷物の長さを検出する荷物検出手段を備え、
前記支援情報表示手段は、前記荷物検出手段によって検出される前記荷物の長さに応じて前記第2領域の大きさを変更する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者による駐車操作を支援する駐車支援装置に関し、より詳細には、車両を後退させる際、車両の適切な駐車位置を、運転者が比較的容易に認識できるようにした駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を後退させながら駐車する際、車両を適切な位置に駐車できるように、運転者に対する駐車支援を行う駐車支援装置が知られている。駐車支援装置の一例としては、車両を後退させる際、モニタ装置に車両後方の映像を表示すると共に、例えば、車幅や距離の目安線(ガイドライン)等を表示するようにしたものが知られている。
【0003】
ところで、車両には、その後端部よりも後方に張り出して開閉させるバックドア(テールゲート)を備えているものがある。このような車両の駐車支援装置として、車両の後退時に、車両後方の映像と共に、バックドアを開く際の先端に対応する位置をガイドラインで表示するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に係る発明によれば、ガイドラインを参考とすることで、駐車場の後方に障害物(例えば、バックドアに対向する高さを有する壁等)が存在する場合であっても、バックドアを自由に開閉可能な位置にも、車両を容易に駐車させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-260494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、モニタ装置に、テールゲート(バックドア)の先端に対応する位置がガイドラインで示されている場合、車両後端からの距離等もガイドラインによって示されていることが多い。このように複数本の各ガイドラインが表示されている場合、各ガイドラインが、何を示すものであるかを運転者が瞬時に認識できない虞がある。それに伴い、運転者が、所望の駐車位置から外れた位置に車両を駐車してしまう虞もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、テールゲートを備える車両の駐車時に、運転者が所望の駐車位置をより容易に認識することができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、車両の後方を撮像する撮像手段と、前記車両の後退時に前記撮像手段により撮像された後方映像が表示される表示手段と、を備える駐車支援装置であって、前記表示手段に表示される前記後方映像に重ねて駐車支援情報を表示する支援情報表示手段と、テールゲートに対向する高さを有する前記車両の後方に存在する後方障害物を検出する障害物検出手段と、を備え、前記支援情報表示手段は、前記駐車支援情報として、前記車両を駐車した状態で当該車両の後方に確保することを推奨する第1領域と、前記テールゲートを開閉するために前記第1領域に加えて当該第1領域の後方に必要な第2領域と、を前記後方映像に重ねて表示すると共に、前記障害物検出手段によって前記後方障害物が検出されると、前記車両の後退に連動して前記第1領域及び前記第2領域の表示態様を変更することを特徴とする駐車支援装置にある。
【0009】
ここで、前記支援情報表示手段は、前記車両と前記後方障害物との相対距離に応じて、前記第1領域及び前記第2領域の表示態様を変更することが好ましい。
【0010】
その際、前記支援情報表示手段は、前記第1領域及び前記第2領域をそれぞれ所定の色で表示した後、前記車両の後退に伴い前記後方障害物が前記第2領域に進入すると少なくとも前記第2領域の色を変更し、さらに前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると少なくとも前記第1領域の色を変更することが好ましい。
【0011】
また前記支援情報表示手段は、前記車両の後退に伴い前記後方障害物が前記第2領域に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色を変更し、前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色をさらに変更することが好ましい。
【0012】
また前記支援情報表示手段は、前記後方障害物が前記第1領域内に進入すると前記第1領域及び前記第2領域の色を同一色とすることが好ましい。
【0013】
また前記支援情報表示手段は、前記車両と前記後方障害物との相対距離が予め設定された閾値以下になった時点で、前記第1領域及び前記第2領域の表示を開始することが好ましい。
【0014】
また駐車支援装置は、前記車両の荷室に収容されている荷物の長さを検出する荷物検出手段を備え、前記支援情報表示手段は、前記荷物検出手段によって検出される前記荷物の長さに応じて前記第2領域の大きさを変更することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
このような本発明に係る駐車支援装置によれば、テールゲートを備える車両の駐車時に、運転者が所望の駐車位置をより容易に認識することができる。したがって、運転者は、比較的短時間で、車両を適切な位置に駐車させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る駐車支援装置が搭載される車両の一例を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態1に係る駐車支援装置を示すブロック図である。
図3】駐車支援装置のモニタ装置に表示される映像の一例を説明する図である。
図4】モニタ装置に表示される第1領域及び第2領域を説明する図である。
図5】駐車支援装置のモニタ装置に表示される映像の一例を説明する図である。
図6】駐車支援装置のモニタ装置に表示される映像の一例を説明する図である。
図7】本発明の実施形態2に係る駐車支援装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車支援装置ついて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、駐車支援装置が搭載される車両の一例を示す概略図である。まずは図1を参照して、駐車支援装置が搭載される車両の一例について説明する。図1に示すように、車両10は、後方に向かって開口する開口部を開閉する扉であるテールゲート20を備えている。このテールゲート20は、車両10の上方側の端部が図示しないヒンジ部材によって車体に連結され、ヒンジ部材を支点として車両10の後方側に向かって上下方向で回転するように構成されている。
【0018】
このためテールゲート20を開閉させる際には、テールゲート20は車両10の後端部となるリアバンパ11よりも後方まで張り出すことになる。したがって、テールゲート20を開閉させる際には、車両10の後方(リアバンパ11の後方)に所定の大きさのスペースを確保しておく必要がある。
【0019】
本発明に係る駐車支援装置は、このような構成のテールゲート20を備える車両10に搭載されるものであり、車両10を後退させる際、運転者が車両10の適切な駐車位置を比較的容易に認識できるようにしたものである。すなわち本発明に係る駐車支援装置は、駐車後にテールゲート20を開放するか否かに拘わらず、運転者が車両10の適切な駐車位置を比較的容易に認識できるようにしたものである。
【0020】
(実施形態1)
以下、本実施形態に係る駐車支援装置について説明する。
【0021】
図2は、本実施形態に係る駐車支援装置の一例を示すブロック図であり、図3図5及び図6は、駐車支援装置のモニタ装置に表示される映像の一例を示す図であり、図4は、駐車支援情報としてモニタ装置に表示される第1領域及び第2領域を説明する図である。
【0022】
図2に示すように、本実施形態に係る駐車支援装置30は、リアビューカメラ(撮像手段)40と、モニタ装置(表示手段)50と、障害物検出センサ(障害物検出手段)60と、制御部(制御装置)70と、を備えている。
を備えている。
【0023】
リアビューカメラ40は、車両10の後方に向けて設置され、車両10を後退させる際に、車両後方を撮像する。なおリアビューカメラ40の構成は特に限定されないが、例えば、CCDカメラ等の小型カメラが好適に用いられる。
【0024】
モニタ装置50は、例えば、液晶モニタ等で構成され、リアビューカメラ40で撮像された車両10の後方映像等を表示する。このモニタ装置50は、運転者が視認可能に設けられていればよく、その構成や配置は特に限定されるものではない。例えば、車両10にカーナビゲーション装置が搭載されている場合、このカーナビゲーション装置のモニタ装置を、駐車支援装置30のモニタ装置50として利用してもよい。
【0025】
障害物検出センサ60は、例えば、レーダセンサ等で構成され、車両10を後退させる際に、車両10の後方に存在する後方障害物(例えば、テールゲート20に対向する高さを有する壁等)を検出する。なお後方障害物の検出方法は、特に限定されない。例えば、リアビューカメラ40の映像の解析によって後方障害物を検出してもよい。
【0026】
制御部70は、駐車支援装置30の動作を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成されている。
【0027】
この制御部70は、車両10の後退時、リアビューカメラ40で撮像された車両10の後方映像を表示させると共に、この後方映像に重ねて、運転者による駐車操作を支援するための駐車支援情報を表示させる。
【0028】
本実施形態では、制御部70は、映像表示手段71と、支援情報表示手段72と、を備えている。映像表示手段71は、車両10が後退する際に、リアビューカメラ40によって撮像された車両10の後方映像をモニタ装置50に表示させる。例えば、車両10が備えるシフトポジションセンサ15によって、シフトレバーの位置がリバース位置になったことが検出されると、映像表示手段71は、リアビューカメラ40によって撮像される車両10の後方映像をモニタ装置50に表示させる。
【0029】
支援情報表示手段72は、モニタ装置50に表示された車両10の後方映像に重ねて駐車支援情報を表示させる。例えば、図3に示すように、車両10の後方映像がモニタ装置50に表示されている状態で、支援情報表示手段72は、駐車支援情報として、第1領域100及び第2領域200を車両10の後方映像に重ねて表示する。なお図3の例は、車両10の後方映像として、白線L1で囲まれた駐車スペースS1の映像が表示された状態を示している。
【0030】
ここで、第1領域100は、車両10を駐車した状態で車両10の後方に確保することを推奨する領域である。より詳しくは、例えば、図4(a)に示すように、駐車スペースS1の後方に後方障害物である壁300が存在する場合であれば、テールゲート20を開閉しないとしても、車両10と壁300との間に確保することを推奨する領域が第1領域100として設定される。なお図4では、バーB1の長さで駐車スペースS1を示している。
【0031】
この第1領域100の大きさは適宜設定されればよいが、車両10の前後方向における第1領域100の幅W1は、駐車した車両10の後方を人が通過できる程度の幅に設定されていることが好ましい。
【0032】
一方、第2領域200は、テールゲート20を開閉する場合に、第1領域100に加えて、車両10の後方に確保することを推奨する領域である。より詳しくは、例えば、図4(b)に示すように駐車スペースS1の後方に壁300が存在し、駐車後にテールゲート20を開閉する場合に、第1領域100の後方に確保することを推奨する領域が第2領域200として設定される。つまり第2領域200は、テールゲート20を開閉する際の軌跡が、この第2領域200内に位置するように設定される。
【0033】
第2領域200の大きさは適宜設定されればよいが、車両10の前後方向における第2領域200の幅W2は、テールゲート20を余裕を持って開閉できる程度の広さに設定されていることが好ましい。
【0034】
このような第1領域100及び第2領域200が、車両10を駐車する際に、後方画像に重ねて表示されることで、駐車スペースS1の後方に壁300が存在する場合でも、車両10を所望の位置に駐車させることができる。例えば、駐車後にテールゲート20を開閉する場合でも、テールゲート20を自由に開閉できる適切な位置に、車両10を駐車することができる。
【0035】
さらに、支援情報表示手段72は、このように第1領域100及び第2領域200を後方画像に重ねて表示させると共に、障害物検出センサ60によって後方障害物(例えば、壁300等)が検出されると、車両10の後退に連動して、例えば、車両10と後方障害物との相対距離に応じて、これら第1領域100及び第2領域200の表示態様を変更する。
【0036】
支援情報表示手段72は、例えば、第1領域100及び第2領域200の表示態様として、これら第1領域100及び第2領域200の表示色を変更する。
【0037】
具体的には、車両10の後退が開始されると、まず第1領域100内及び第2領域200内にそれぞれ所定の色を付けて表示する(図3参照)。本実施形態では、第1領域100内の表示色を緑色、第2領域200内の表示色を黄色としている。
【0038】
その後、図5に示すように、車両10の後退に伴い壁300が第2領域200内に進入すると、第1領域100内及び第2領域200内の表示色をそれぞれ変更する。本実施形態では、第1領域100内の表示色を緑色から黄色に変更し、第2領域200内の表示色を黄色から赤色に変更する。
【0039】
さらに、図6に示すように、壁(後方障害物)300が第2領域200を超えて第1領域100内に進入すると第1領域100内の表示色を変更する。このとき第1領域100内及び第2領域200内の表示色は異なっていてもよいが、第1領域100内及び第2領域200内の表示色を同一色とすることが好ましい。本実施形態では、第1領域100内の表示色を黄色から第2領域200内の表示色と同じ赤色に変更している。
【0040】
このように本実施形態に係る駐車支援装置30では、車両10を駐車する際、車両の後方に確保することを推奨する第1領域100及び第2領域200を目安線(ガイドライン)で表示するだけでなく、各領域内に色を付して表示するようにした。
【0041】
さらに車両10の後退に連動して、モニタ装置50に表示される第1領域100及び第2領域200の表示態様(本実施形態では、各領域内の表示色)を変更するようにした。
【0042】
これにより、運転者は、第1領域100及び第2領域200を容易に認識することができ、この表示を参照して適切な駐車位置を判断し易くなる。
【0043】
ところで、本実施形態では、第1領域100及び第2領域200を、車両10の後退している間、常時表示させるようにしたが、これら第1領域100及び第2領域200を表示させるタイミングは、特に限定されるものではない。
【0044】
支援情報表示手段72は、例えば、車両10と壁300との相対距離が、予め設定された設定閾値以下になった時点で、第1領域100及び第2領域200の表示を開始するようにしてもよい。すなわち第1領域100及び第2領域200は、車両10を後退させて車両10が壁300にある程度近づいた時点で表示させるようにしてもよい。これにより、運転者が、第1領域100及び第2領域200の表示を煩わしく感じるのを抑制することができる。
【0045】
(実施形態2)
図7は実施形態2に係る駐車支援装置を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係る駐車支援装置30は、車両10の荷室内を撮像するための荷室内カメラ80を備えている。荷室内カメラ80は、荷室内の荷物を撮像するものであればよく、例えば、CCDカメラ等の小型カメラが好適に用いられる。荷室内カメラ80は、一台であっても複数台であってもよい。
【0046】
また制御部70Aは、実施形態1と同様に、映像表示手段71及び支援情報表示手段72を備えると共に、荷物検出手段73を備えている。荷物検出手段73は、荷室内カメラ80によって撮像された画像(映像)に基づいて、車両10の荷室に収容されている荷物の長さを検出する。車両10の荷室内に複数個の荷物が収容されている場合、そのうちで最も長い荷物について、その長さを検出する。
【0047】
そして支援情報表示手段72は、荷物検出手段73によって検出された荷物の長さに応じて、第2領域200の大きさを変更する。具体的には、荷物検出手段73によって検出された荷物の全長が長いほど、車両10の前後方向における第2領域200の幅W2(図4参照)を広げるようにする。
【0048】
これにより、駐車した車両10の後方には、荷室内の荷物が長いほど(大きいほど)、より広いスペースが確保されることになる。したがって、荷室内の荷物の長さ(大きさ)に拘わらず、駐車後にテールゲート20を開放して、車両10の荷室から荷物を良好に運びだすことができる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、車両10の後退に連動する第1領域100及び第2領域200の表示態様の変更の一例として、各領域の表示色を変更した例を説明したが、表示態様の変更の内容は、特に限定されるものではない。例えば、各領域の表示色の透明度等を変更するようにしてもよい。また例えば、第1領域100及び第2領域のそれぞれにイラストを付し、車両10の後退に連動して各イラストを適宜変更するようにしてもよい。
【0051】
何れにしても、車両10の後退に連動して第1領域100及び第2領域200の表示態様を適宜変更することで、運転者は、所望の駐車位置をより容易に認識することができるようになる。
【0052】
さらに、車両10を後退させる際、車両10の駐車位置をガイドするガイド音(例えば、音声等)を発するようにしてもよく、その場合、車両10の後退に連動してこのガイド音の内容を変更するようにしてもよい。これにより、運転者は、車両10を所望の駐車位置をさらに容易に駐車させることができる。
【0053】
また上述の実施形態では、モニタ装置50に車両10の後方映像を表示した例を説明したが、モニタ装置50には、車両10の後方映像だけでなく、車両10を側方から見た映像や、車両10を上方から見た俯瞰映像等を、併せて表示するようにしてもよい。これにより運転者は、所望の駐車位置をさらに容易に認識できるようになる。
【0054】
また上述の実施形態では、車両のテールゲートとして、上下方向に開閉する、いわゆる縦開きの構成を例示したが、テールゲートの構成は特に限定されるものではない。テールゲートは、横方向に開閉するいわゆる横開きの構成や、いわゆる観音開きの構成であってもよい。本発明に係る駐車支援装置は、何れのタイプのテールゲートを備える車両にも搭載することができるものである。
【符号の説明】
【0055】
10 車両
11 リアバンパ
15 シフトポジションセンサ
20 テールゲート
30 駐車支援装置
40 リアビューカメラ(撮像手段)
50 モニタ装置(表示手段)
60 障害物検出センサ(障害物検出手段)
70,70A 制御部
71 映像表示手段
72 支援情報表示手段
73 荷物検出手段
80 荷室内カメラ
100 第1領域
200 第2領域
300 壁(後方障害物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7