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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】組み立てベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/00 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A47C19/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020218313
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103585
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520477821
【氏名又は名称】株式会社青地ライフクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100185454
【弁理士】
【氏名又は名称】三雲 悟志
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(74)【代理人】
【識別番号】100199831
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100203688
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】青地 善男
(72)【発明者】
【氏名】青地 弘子
(72)【発明者】
【氏名】青木 道世
(72)【発明者】
【氏名】井阪 直子
(72)【発明者】
【氏名】安居 忠司
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-122644(JP,A)
【文献】登録実用新案第3222348(JP,U)
【文献】特開2007-160030(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229660(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0174700(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00-27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木または樹脂で構成された組み立てベッドであって、
前記組み立てベッドの両端部に1枚ずつ配置され、平面が対向した2枚の第1脚板と、
前記2枚の第1脚板の間に配置され、平面が第1脚板の平面と平行であり、かつ平面同士が対向し2枚の第2脚板と、
前記組み立てベッドの側部に配置され、第1脚板と第2脚板とをつなぎ、平面が第1脚板の平面と第2脚板の平面に対して垂直である第1側板と、
前記組み立てベッドの側部に配置され、2枚の第2板をつなぎ、平面が2枚の第2脚板の平面に対して垂直である第2側板と、
前記2枚の第1脚板のに配置され、第2脚板の上辺および第1側板の上辺に載せられる2枚の第1床板と、
前記2枚の第1床板の間に配置され、第2脚板の上辺と第2側板の上辺に載せられる第2床板と、
前記第1脚板において、前記第1側板の平面の方向に複数形成されたホゾ穴と、
前記第1側板に形成されており、前記ホゾ穴に入れられるホゾと、
を含み、
前記第1床板の第1辺に第1凸部と第1凹部が形成されており、
前記第2床板の第1辺と第2辺に第2凸部と第2凹部が形成されており、
前記第1凸部が第2凹部に入り、第2凸部が第1凹部に入り、
前記第1凸部の先端と第2凸部の先端が第2脚板を越えるまたは第2脚板の平面と同じ位置になるように前記第2脚板の上辺に第1凸部と第2凸部が載せられており、
前記第1脚板に貫通穴が形成されており、
前記第1床板における第1辺に対向する第2辺に第3凸部が形成されており、
前記第3凸部が第1脚板の貫通穴に入り、第3凸部の先端が第1床板の貫通穴を通過するか、第1脚板の平面と同じ位置に配置される
組み立てベッド。
【請求項2】
前記第2脚板に形成され、第1側板および第2側板が入る第1スリットと、
前記第1側板に形成され、第2脚板が入る第2スリットと、
前記第2側板に形成され、第2側板が入る第3スリットと、
を含む請求項1の組み立てベッド。
【請求項3】
前記第1側板および第2側板の上辺に形成された第4凸部と、
前記床板に形成されており、第4凸部が入る貫通穴と、
を備えた請求項1または2の組み立てベッド。
【請求項4】
前記第1脚板、第2脚板、第1側板、第2側板、第1床板および第2床板に把持穴が形成された請求項1から3のいずれかの組み立てベッド。
【請求項5】
2本の第1棒状体と、
前記2本の第棒状体の間に配置された遮蔽材と、
前記第1棒状体の下部に形成され、第1脚板が入る第4スリットと、
前記第1脚板の上辺に形成され、第1棒状体が入る第5スリットと、
を含む請求項1から4のいずれかの組み立てベッド。
【請求項6】
第3棒状体と、
第4棒状体と、
前記第3棒状体と第4棒状体の間に配置された遮蔽材と、
前記第3棒状体の下部に形成され、第1脚板が入る第6スリットと、
前記第4棒状体の下部に形成され、第2脚板が入る第7スリットと、
前記第2脚板の上辺に形成され、第4棒状体が入る第8スリットと、
を含み、
前記第5スリットに第3棒状体が入る
請求項5の組み立てベッド。
【請求項7】
複数の縦棒と、
前記複数の縦棒の下部に形成され、第2脚板が入る第9スリットと、
前記縦棒の間に配置された遮蔽材と、
を含み、
前記第8スリットに縦棒が入る
請求項6の組み立てベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立てベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、豪雨または大地震などの自然災害によって被災し、避難生活を強いられる場合がある。避難生活が複数日になる場合、避難所で就寝するためのベッドが必要になる。そのため、種々の段ボールベッドが開発および発売されている(下記特許文献1等参照)。
【0003】
自然災害はいつ発生するかわからず、段ボールベッドを常に備蓄しておく必要がある。段ボールベッドを湿度の高いところで保管すると害虫が発生する場合があり、備蓄が難しい。段ボールベッドは1回の使用で廃棄されるため、環境に負荷がかかる。段ボールベッドは所望の強度を持たせた構造に組み立てるのが難しい。段ボールベッドを組み立てるための研修を行っている自治体もあり、誰でも所望の強度を有する段ボールベッドを組み立てられるわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-106743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、保管しやすく、再利用でき、組み立ても簡易である組み立てベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の組み立てベッドは、対向して配置される2枚の第1脚板と、前記2枚の第1脚板の間に配置される第2脚板と、前記第1脚板と第2脚板との間に配置される側板と、前記第2脚板および側板に載せられる床板と、前記第1脚板において、前記側板の平面の方向に複数形成されたホゾ穴と、前記側板に形成されており、前記ホゾ穴に入れられるホゾとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、複数の部品によって簡単にベッドを組み立てることができる。ホゾが側板の平面方向、すなわち床に対して垂直方向に複数並んでおり、第1脚板に対して第1側板の位置および角度を固定できる。使い終われば部品をバラバラにすればよく、持ち運びが容易で、再利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のベッドを示す斜視図である。
図2】脚板を示す正面図であり、(a)は第1脚板を示し、(b)は第2脚板を示す。
図3】側板を示す正面図であり、(a)は第1側板を示し、(b)は第2側板を示す。
図4】床板を示す正面図であり、(a)は第1床板を示し、(b)は第2床板を示す。
図5】第2脚板の上辺の上に配置された各床板の凸部と凹部を示す図であり、(a)は凸部の先端が第2脚板の上辺を通り越している図であり、(b)は凸部の先端が第2脚板の上辺の途中にある図であり、(c)は各床板に凸部がない場合の第2脚板の上に配置された各床板を示す図である。
図6】第1脚板に第1側板を取り付けた図である。
図7】第1側板に第2脚板を取り付けた図である。
図8】第2脚板に第2側板を取り付けた図である。
図9】第1側板の上辺と第2脚板の上辺に第1床板を配置した図である。
図10】第1遮蔽部材を示す正面図である。
図11】第1遮蔽部材を第1脚板に取り付けた図である。
図12】第2遮蔽部材を示す正面図である。
図13】第2遮蔽部材を第1脚板と第2脚板に取り付けた図である。
図14】棒状体を示す正面図である。
図15】第2脚板に棒状体を取り付けた図である。
図16】横棒を示す図であり、(a)は第1横棒を示し、(b)は第2横棒を示す図である。
図17】棒状体に第1横棒を取り付けた図である。
図18】第1横棒に第2横棒を取り付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の組み立てベッドについて図面を使用して説明する。説明において上辺と下辺は床に対する位置関係を示し、上辺は下辺よりも高い位置にある。説明において床は平面であり、段差などは無いとする。一の図面で示した符号を他の図面で省略する場合がある。
【0010】
[実施形態1]
図1に示す組み立てベッド10は複数の部品を組み立てて構成されている。その組み立てられる部品は、脚板12、14、側板16、18および床板20、22を含む。それらの部品の材料は木製または樹脂製など限定されない。木製の場合、材料は一枚板または合板のいずれであってもよい。樹脂製の場合、内部に補強材が含まれてもよい。部品の色は限定されず、表面に任意の文字、記号または絵図がプリントされてもよい。部品の厚みは適宜変更されてもよい。
【0011】
脚板12、14は床の上に配置される部品である。脚板は第1脚板12と第2脚板14とを含む。図2(a)に示す第1脚板12は板体であり、ベッド10の両端部に1枚ずつ配置される。2枚の第1脚板12は平面を対向させて配置される。第1脚板12の平面はベッド10を載置する床に対して垂直になっている。
【0012】
図2(b)に示す第2脚板14は板体であり、2枚の第1脚板12の間に配置される。第2脚板14の枚数は2枚である。第2脚板14の平面は第1脚板12の平面と平行になるように配置される。
【0013】
第1脚板12と第2脚板14に把持穴24が形成されている。把持穴24に手を入れて第1脚板12と第2脚板14を持つことができ、持ち運びがしやすくなっている。また、把持穴24は第1脚板12と第2脚板14の下辺26から同一位置に形成されている。第1脚板12と第2脚板14を重ね、下辺26の位置をそろえることで、把持穴24の位置がそろう。その状態で把持穴24にロープなどの結束部材を通して第1脚板12と第2脚板14を括ることで、第1脚板12と第2脚板14を一つにまとめることができる。把持穴24はベッド10の通気性を向上させることもできる。
【0014】
側板16、18はベッド10の側部に配置される部品である。側板は第1側板16と第2側板18を備える。図3(a)に示す第1側板16は第1脚板12と第2脚板14の間をつなぎ、図3(b)に示す第2側板18は2枚の第2脚板14の間をつなぐ。各側板16、18の平面は各脚板12、14の平面に対して垂直であり、さらにベッド10を載置する床の平面に対しも垂直である。
【0015】
図3(a)に示すように、第1側板16の一方の側辺に2つのホゾ28が形成されている。ホゾ28は第1側板16の側辺に形成された凸部である。第1脚板12は第1側板16の平面の方向に並んだ2つのホゾ穴30が形成されている(図2(a))。ベッド10を載置する床の平面に対して垂直方向に2つのホゾ穴30が並べられている。第1脚板12の平面と第1側板16の平面を垂直方向にすることで、2つのホゾ28が第1脚板12のホゾ穴30に入れられる。ホゾ28が2つあることで、第1脚板12に対する第1側板16の角度が一定に保たれる。ホゾ28およびホゾ穴30の数は複数であり、2つに限定されない。
【0016】
ホゾ28の付け根に凹部32が形成されており、ホゾ28はフック型(L字型)になっている。ホゾ28をホゾ穴30に入れた後、第1側板16を床に向けて押し込むことで、凹部32に第1脚板12がはめ込まれる。凹部32に第1脚板12が入るため、第1側板16が第1脚板12から外れにくくなる。また、凹部32の幅を第1脚板12の厚みと同じかわずかに広くすることで、第1脚板12に対する第1側板14のがたつきを小さくすることもできる。
【0017】
第2脚板14に第1スリット34が形成されている(図2(b))。第1スリット34は第2脚板14の上辺36から下辺26に向けて形成されている。第2脚板14の平面が床の平面に対して垂直方向を向いたとき、第1スリット34の長さ方向は床の平面に対して垂直方向になるようになっている。また、第1側板16のホゾ28の反対側の側辺付近に第2スリット38が形成されている。第2スリット38は、下辺40から上辺42に向けて形成されている。第1側板16の平面が床の平面に対して垂直方向を向いたとき、第2スリット38の長さ方向は床に対する垂直方向を向いている。
【0018】
第2脚板14の平面と第1側板16の平面は互いに垂直を向いている。第2脚板14の上に第1側板16を配置し、第1スリット34と第2スリット38が一直線になるようにする。第1側板16を床に向けて押し込むことで第1スリット34に第1側板16が入り、第2スリット38に第2脚板14が入り込む。第1側板16が第2脚板14に取り付けられる。この時、第2脚板14の上辺36と第1側板16の上辺42の高さが一致する。
【0019】
第2側板18の両側辺の付近に第3スリット44が形成されている。第3スリット44は下辺46から上辺48に向けて形成されている。第2側板18の平面が床の平面に対して垂直方向を向いたとき、第3スリット44の長さ方向は床に対する垂直方向を向いている。
【0020】
第2脚板18の平面と第2側板14の平面は互いに垂直を向いている。第2脚板14の上に第2側板18を配置し、第1スリット34と第3スリット44が一直線になるようにする。なお、第1スリット34の幅は第1側板16と第2側板18が入る幅であり、第1スリット34の中に第1側板16が入っていても、その横に第2側板18を配置する。第2側板18を床に向けて押し込むことで第1スリット34に第2側板18が入り、第3スリット44に第2脚板14が入り込む。第2側板18が2枚の第2脚板14の間に配置される。第1スリット34には第1側板16と第2側板18が重ねられた状態で配置される。この時、第2脚板14の上辺36と第2側板18の上辺48の高さが一致し、すなわち、第2脚板14の上辺36、第1脚板16の上辺42および第2脚板18の上辺48の高さが一致する。床板20、22が第2脚板14と側板16、18の上に載せられると、床の平面に対して床板20、22の平面が平行になる。
【0021】
図1において各側板16、18の下辺40、46は各脚板12、14の下辺26よりも高い位置にある。各側板16、18の下辺40、46は床に接していない。各側板16、18の下辺40、46と床との間は換気通路になる。
【0022】
側板16、18に把持穴50が形成されている。把持穴50に指を入れて側板16、18を持つことができる。把持穴50は側板16、18の下辺40、46から同一位置に形成されている。側板16、18の下辺40、46をそろえて重ねることで、把持穴50の位置がそろう。この状態で把持穴50にロープなどの結束部材を通してくくることで、側板16、18を一つにまとめることができる。把持穴50はベッド10の通気性を向上させることもできる。
【0023】
第2側板18に複数の通気穴52が形成されている。なお、第1側板16にもこの通気穴52を形成してもよい。
【0024】
床板20、22は、マットレスおよび布団などを敷くための部品である。床板は2枚の第1床板20と1枚の第2床板22で構成される。図4(a)に示す第1床板20は第1脚板12の横に配置され、図4(b)に示す第2床板22は2枚の第1床板20の間に配置される(図1)。
【0025】
第1床板20の第1側辺54に第1凸部56および第1凹部58が形成されている。第1凸部56と第1凹部58が第1側辺54に順番に並んでいる。第2床板22の第1側辺60と第2側辺62に第2凸部64および第2凹部66が形成されている。第1側辺60と第2側辺62は対向する辺である。第2床板22が2枚の第1床板20の間に配置されたとき、第1凸部56が第2凹部66に入り、第2凸部64が第1凹部58に入る。
【0026】
第1床板20は第2脚板14の上辺36と第1側板16の上辺42に載せられ、第2床板22は第2脚板14の上辺36と第2側板18の上辺48に載せられる。第2脚板14の上辺36の上において、その上辺36の長さ方向に第1床板20の第1凸部56と第2床板22の第2凸部64が順番に配置される(図5(a))。また、第2脚板14の上辺36の上において、その上辺36の厚み方向に第1床板20と第2床板22が同時に配置されることはない。各凸部56、64の先端は第2脚板14の上辺36を越えるまたは第2脚板14の平面に合うようになっている。すなわち、凸部56、64の先端が第2脚板14の上辺36の途中に配置されることはない。各床板20、22にかけられた荷重は凸部56、64から第2脚板14にかけられる。図5(b)のように、凸部56、64の先端が第2脚板14の上辺36の途中にあると凸部56、64の先端に荷重が集中しすぎ、凸部56、64が破損するおそれがあるが、本願は凸部56、64の破損を防止し、床板20、22が大きな荷重に耐えられるようになっている。さらに、図5(c)のように、第1床板20と第2床板22に凸部56、64が無いと、第2脚板14の上辺36の上において、その上辺36の厚みに方向に第1床板20と第2床板22が並べられ、第1床板20と第2床板22が不安定になり、各床板20、22の側辺に荷重が集中し、各床板20、22が破損しやすくなる。
【0027】
第1床板20の第2側辺68に第3凸部70が形成されている。第2側辺68は第1側辺54に対向する辺である。第1脚板12に第3凸部70が入る貫通穴72が形成されている。第1床板20の第3凸部70が貫通穴72に入り、第2側辺68が第1脚板12の横に配置される。第3凸部70の先端は貫通穴72を通過するか、第1脚板12の平面と同じ位置に配置されることが好ましい。すなわち、第3凸部70の先端は貫通穴72を形成する内壁の途中に配置されることはない。第1床板20にかけられた荷重は第3凸部70から貫通穴72を形成する内壁の下部にかかる。貫通穴72を形成する内壁の下部で第3凸部70の荷重を受けることができる。第3凸部70が貫通穴72の途中までしか入っていないと、荷重が第3凸部70の先端に集中し、第3凸部70が破損するおそれがある。
【0028】
各側板16、18の上辺42、48に第4凸部74を備え、各床板20、22に第4凸部74が入る貫通穴76を備える。床板20、22を第2脚板14と側板16、18の上に配置したとき、貫通穴76に第4凸部74が入る。床板20、22の位置が第2脚板14と側板16、18からずれないようになっている。
【0029】
床板20、22に複数の通気穴78が形成されている。ベッド10に湿気がたまりにくくなっている。
【0030】
床板20、22に把持穴80が形成されている。把持穴80に指を入れて床板20、22を持つことができる。把持穴80は床板20、22の側辺から同一に形成されている。床板20、22の側辺をそろえて重ねることで、把持穴80の位置がそろう。把持穴80にロープなどの結束部材を通してくくることで、床板20、22を一つにまとめることができる。
【0031】
床板20、22は釘などで第1脚板14および側板16、18に固定されていない。床板20、22は簡単に取り外すことができる。床板20、22と床の間に空間があり、その空間を収納スペースにすることができる。
【0032】
床板20、22の上にマットレスおよび布団などを敷くだけでなく、床板20、22の上に腰掛けて、椅子の代わりに使用してもよい。
【0033】
次に、ベッド10の組み立て方について説明する。(1)第1脚板12の平面と第1側板16の平面を垂直にし、第1脚板12のホゾ穴30に第1側板16のホゾ28を入れる。さらに、第1側板16を第1脚板12に対してスライドさせ、ホゾ28の凹部32に第1脚板12を入れる(図6)。
【0034】
(2)第2脚板14の平面と第1側板16の平面が垂直になるようにし、さらに第2脚板14の第1スリット34と第1側板16の第2スリット38が一直線になるように配置しする。第2脚板14と第1側板16を相対的にスライドさせる。第2脚板14の第1スリット34に第1側板16が入り、第1側板16の第2スリット38に第2脚板14が入る(図7)。第1脚板12、第2脚板14および第1側板16によって2つの部品が形成される。
【0035】
(3)図7に示すように、第1脚板12、第2脚板14および第1側板16によって形成された2つの部品の第2脚板16の平面を対向させて配置する。
【0036】
(4)第2脚板14の平面と第2側板18の平面が垂直になるようにし、さらに第2脚板14の第1スリット34の上に第2側板18の第3スリット44を配置する。第2脚板14と第2側板18を相対的にスライドさせる。第2脚板14の第1スリット34に第2側板18が入り、第2側板18の第3スリット44に第2脚板14が入る(図8)。第1スリット34の中には第1側板16と第2側板18が入る。
【0037】
(5)第1床板20の第3凸部70を第1脚板12の貫通穴72に入れ、第1床板20が第1脚板12に接するようにして第1床板20を第2脚板14と第1側板16に載せる(図9)。その際、第1側板16の第4凸部74が第1床板20の貫通穴76に入る。
【0038】
(6)第1床板20の第1凹部58に第2床板22の第2凸部64が入る(第2床板22の第2凹部66に第1床板20の第1凸部56が入る)ようにして第2床板22を第2脚板14と第2側板18に載せる。その際、第2側板18の第4凸部74が第2床板22の貫通穴76に入る。本工程によって、図1に示すベッド10になる。
【0039】
以上の工程によってベッド10が組み立てられる。以上の工程は一例であり、各工程の順番を変えられる場合は、適宜変更してもよい。
【0040】
なお、図面および説明において各部品同士の取り付け位置および接触位置に隙間が無いようになっているが、必要に応じて適宜隙間を設けてもよい。他の実施形態でも同様である。
【0041】
以上、本願の組み立てベッド10は段ボールベッドとは異なり、簡単に組み立てられ、所望の強度を備える。段ボールベッドとは異なり、再利用が可能な材料で構成されている。材料にスギ、ヒノキなどの天然の木材を用いることで、害虫の発生を抑制し、自然の香りでリラックスすることもできる。使用する木材として間伐材を利用することで、森林保全も可能である。
【0042】
[実施形態2]
本願のベッド10は図10に示す第1遮蔽部材82を備えてもよい。第1遮蔽部材82は2本の第1棒状体84およびその第1棒状体84の間に配置された遮蔽材86を含む。遮蔽材86はシートまたは板などである。2本の第1棒状体84の下部に第4スリット(図示省略)が形成されている。また、第1脚板12の上辺88に第5スリット90が形成されている(図2(a))。第1遮蔽部材82の第4スリットを第1脚板12の第5スリット90の上に配置し、第1遮蔽部材82を床に向けて押し下げる。第1遮蔽部材82の第4スリットに第1脚板12が入り、第1脚板12の第5スリット90に第1遮蔽部材82の棒状体84が入る(図11)。なお、第1遮蔽部材82は2本の第1棒状体84の間をつなげる第2棒状体92を備えてもよい。
【0043】
また、本願のベッド10は図12に示す第2遮蔽部材94を備えてもよい。第2遮蔽部材94は第3棒状体96、第4棒状体98およびそれらの棒状体96、98の間に配置された遮蔽材100で構成される。遮蔽材100はシートまたは板などである。第3棒状体の下部に第6スリット102、第4棒状体98の下部に第7スリット104が形成されている。また、第2脚板14の上辺36に第8スリット106が形成されている(図2(b))。第2遮蔽部材94の第6スリット102を第1脚板12の第5スリット90、第7スリット104を第2脚板14の第8スリット106の上に配置し、第2遮蔽部材94を床に向けて押し下げる。第2遮蔽部材94の第6スリット102に第1脚板12、第7スリット104に第2脚板14、第1脚板12の第5スリット90に第3棒状体96および第2脚板14の第8スリット106に第4棒状体98が入る(図13)。図13では2本の棒状体88、96が同時に第5スリット90に入れられている。なお、第2遮蔽部材94は第3棒状体96と第4棒状体98をつなげる第5棒状体108を備えてもよい。
【0044】
第1遮蔽部材と第2遮蔽部材で第1床板の3方向を囲むことができる。頭部を外部から遮蔽することができる。プライバシーの確保や飛沫の飛散を低減できる。
【0045】
なお、ベッドの両側を第1遮蔽部材と第2遮蔽部材で遮蔽してもよい。また、第1遮蔽部材と第2遮蔽部材のいずれか一方のみを使用してもよい。さらに、2つの第2遮蔽部材のいずれか一方のみを使用してもよい。また、第2脚板14の間に別途遮蔽部材を取り付けてもよい。
【0046】
[実施形態3]
本願は図14に示す縦棒110を備えてもよい。縦棒110の下部に第9スリット112が形成されている。縦棒110の第9スリット112を第2脚板14の第8スリット106の上に配置し、縦棒110を床に向けて押し下げる。縦棒110の第9スリット112に第2脚板14が入り、第2脚板14の第8スリット106に縦棒110が入る(図15)。
【0047】
4本の縦棒110の間にカーテン、シート、タオル、板などの第3遮蔽部材を配置することができる。第2床板14を取り外しておくことで、4本の縦棒110で囲まれた空間を更衣室にすることができる。また、4本の縦棒110で囲まれた空間に簡易のトイレを配置してもよい。
【0048】
また、縦棒110の強度を高めたり、第3遮蔽部材を取り付けたりするために、縦棒110の上部同士をつなぐ第1横棒114と第2横棒116を備えてもよい(図16)。縦棒110の上部に第11スリット118を備え、第1横棒114の両端部にも第12スリット120を備える。第1横棒114は各端部に2つの第12スリット120を備え、第2横棒116は各端部に1つの第13スリット122を備える。縦棒110の第11スリット118の上に第1横棒114の第12スリット120を配置し、第1横棒114を床に向けて押し下げる。縦棒110の第11スリット118に第1横棒114が入り、第1横棒114の第12スリット120に縦棒110が入る(図17)。さらに、第1横棒114の第12スリット120の上に、第2横棒116の第13スリット122を配置し、第2横棒116を床に向けて押し下げる。第1横棒114の第12スリット120に第2横棒116が入り、第2横棒116の第13スリット122に第1横棒114が入る(図18)。第1横棒114と第2横棒116によって4本の縦棒110の上部をつなぐ枠体124が形成される。この枠体に第3遮蔽部材を取り付けることができる。
【0049】
[実施形態4]
第2脚板14の数は限定されず、第2脚板14の数に応じて第2側板18と第2床板22の数を調整してもよい。
【0050】
[実施形態5]
第1脚板12に設けられているホゾ穴30の数は複数であれば限定されない。第1側板16のホゾ28の数はホゾ穴30の数と同数になる。ホゾ28の形状は図3(a)に示すL字形状に限定されず、ホゾ穴30に入る形状であれば限定されない。
【0051】
[実施形態6]
第1脚板12の上辺88の高さを第1側板16の上辺42の高さと同一にしてもよい。貫通穴72を省略し、第1床板12の上辺88に第1床板20の第2側辺68を載せてもよい。
【0052】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0053】
10:組み立てベッド
12、14:脚板
16、18:側板
20、22:床板
24、50、80:把持穴
26、40、46:下辺
28:ホゾ
30:ホゾ穴
34、38、44:スリット
36、42、48:上辺
52、78:通気穴
54、60、62、68:側辺
56、64、70、74:凸部
58、66:凹部
72、76:貫通穴
82、94:遮蔽部材
図1
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図3
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