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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】端末保持具及び端末収納ケース
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/11 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018147299
(22)【出願日】2018-08-05
(65)【公開番号】P2020022149
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-08-02
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518205760
【氏名又は名称】あけび動作の学校株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】海谷 重利
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3071421(JP,U)
【文献】国際公開第2017/111422(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/095427(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0007184(US,A1)
【文献】特表2017-524313(JP,A)
【文献】特表2014-517584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C1/00-15/08
A45F3/00
3/02
3/04
3/12
G06F1/00
1/16-1/18
H04M1/02-1/23
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を保持するための端末保持具であって、
前記携帯端末又は前記携帯端末を覆う端末収納ケースに固定される固定面を有する固定部と、
両端が前記固定部に接続され、指が挿入される指挿入空間が規定され、前記指挿入空間に指を挿入することにより前記携帯端末又は前記端末収納ケースを保持する保持部と、を有し、
前記指挿入空間は前記固定面に直交する方向から見て前記固定部とは重複しておらず、
前記保持部は略平板形状をなし、前記固定部に接続される一端部と、前記固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入された前記指を支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末保持具。
【請求項2】
前記指挿入空間は、前記固定部と前記保持部との間に規定され、
前記指挿入空間に挿入される指は小指であって、
前記指挿入空間と、前記固定面と、は略平行であることを特徴とする請求項1に記載の端末保持具。
【請求項3】
前記保持部は、前記一端部から前記指支持部にかけて所定方向に捻れるとともに、前記指支持部から前記他端部にかけて前記所定方向に捻れていることを特徴とする請求項1または2に記載の端末保持具。
【請求項4】
前記固定部は、前記保持部が接続される接続部分に切込が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の端末保持具。
【請求項5】
前記指挿入空間は、前記一端部と、前記他端部と、前記指支持部と、によって囲まれた空間であって、
前記指挿入空間に指を挿入する挿入方向は、前記固定面と略平行な方向であることを特徴とする請求項1に記載の端末保持具。
【請求項6】
前記固定部は、前記一端部が接続される第1固定部と、前記他端部が接続される第2固定部と、を有し、
前記第2固定部には、前記第1固定部が嵌合される嵌合孔が形成され、
前記第2固定部が前記嵌合孔に嵌合されることにより、前記一端部と、前記他端部と、前記指支持部と、によって前記前記指挿入空間が形成されることを特徴とする請求項5に記載の端末保持具。
【請求項7】
携帯端末を保護するための端末収納ケースであって、
本体部と、
前記本体部に固定される固定面を有する固定部と、両端が前記固定部に接続され、前記固定部との間に指が挿入される指挿入空間が規定され、前記指挿入空間に指を挿入することにより前記本体部を保持する保持部と、を有する端末保持具と、を有し、
前記指挿入空間は前記固定面に直交する方向から見て前記固定部及び前記本体部とは重複しておらず、
前記固定部は、前記携帯端末と前記本体部との間に挟持され、
前記保持部は、前記本体部の下端部から下方に向けて突出し、
前記保持部は略平板形状をなし、前記固定部に接続される一端部と、前記固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入された前記指を支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末収納ケース。
【請求項8】
前記指挿入空間に挿入される指は小指であって、
前記小指を前記指挿入空間に挿入して前記本体部を手で把持したとき、前記本体部の前記下端部が支点となって前記本体部を支えていることを特徴とする請求項7に記載の端末収納ケース。
【請求項9】
携帯端末又は前記携帯端末を覆う端末収納ケースに固定される第1固定部と、
前記携帯端末又は前記端末収納ケースに固定される第2固定部と、
前記第1固定部と、前記第2固定部と、を接続方向に繋ぎ、前記第1固定部及び前記第2固定部よりも前記接続方向と直交する方向における幅が狭い保持部と、を有し、
前記第1固定部と、前記第2固定部と、前記保持部と、は同一平面上に位置し、
前記第1固定部と前記第2固定部とを前記携帯端末に固定したとき、前記保持部によって指挿入空間が規定されるとともに、前記指挿入空間は前記第1固定部に直交する方向から見て前記第1固定部及び前記第2固定部とは重複しておらず、
前記保持部は略平板形状をなし、前記第1固定部に接続される一端部と、第2固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入されたを支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末保持具。
【請求項10】
前記一端部と前記第1固定部との接続部分は、前記第1固定部における前記接続方向と平行な中心線からずれた位置に配置され、
前記他端部と前記第2固定部との接続部分は、前記第2固定部における前記接続方向と平行な中心線からずれた位置に配置され、
前記一端部と前記第1固定部との前記接続部分、及び前記他端部と前記第2固定部との前記接続部分は、前記接続方向において同一線上に位置していることを特徴とする請求項9に記載の端末保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末保持具及び端末収納ケースに関し、特に携帯端末を保持する端末保持具及び携帯端末を収納する端末収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが指を挿入するための2つのリングが設けられた携帯端末装置用保持具が知られている(例えば、特許文献1)。携帯端末装置用保持具は、携帯端末の背面中央付近に固定され、指用保持部に指を挿入して携帯端末を保持するとともに、指用保持部を支えとして携帯端末を斜めに立てることができる。
【0003】
他の携帯情報機器用ケースは、必要なときにスタンドとして使用することができる(例えば、特許文献2)。携帯情報機器用ケースは、背面にリング状の支脚と、支脚が収納可能な凹部と、を有している。支脚及び凹部は、携帯情報機器用ケースの背面の中央部分に設けられていて、支脚を凹部から露出させて地面と当接させることにより携帯情報機器用ケースを地面の上に斜めに載置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-69791号
【文献】特開2010-368237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の携帯端末装置保持具は、携帯端末の表示面と直交する方向から見て指支持部と基体とが重複しているため、携帯端末の周縁に取り付けることができなかった。つまり、携帯端末の周縁に携帯端末装置保持具を取り付けると基体が携帯端末からはみ出てしまった。これにより、携帯端末の端部に指支持部を配置することができないため、携帯端末を保持する自由度に欠けていた。
【0006】
また、携帯端末装置保持具及び携帯情報機器用ケースでは、指を通すリング部が背面の中央付近に設けられているため、中指又は人差し指をリング部に通すことにより当該ケースを保持していた。中指又は人差し指でケースを保持すると、他の作業を行うために携帯情報端末ケースから手を離したとしても中指又は人差し指がリング部に挿入されているため、掌の上に携帯端末が存在している状態であった。これにより、携帯情報端末ケースが邪魔になって手を使う他の作業、例えば、鞄の中から物を取出す作業などがやり難かった。
【0007】
また、携帯端末の背面中央付近にリング部が設けられており、携帯端末の重心位置近傍で携帯端末を支持することとなるため、掌の上での安定性に欠けていた。つまり、携帯端末を略水平に把持していた場合には、携帯端末の重心近傍で支えているため携帯情報端末を操作した際に掌の上でぐらつくことがあった。
【0008】
そこで、本発明は、携帯端末を保持したまま他の作業を行うことができるとともに、携帯端末を安定的に保持することができる端末保持具及び端末収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために第1の発明は、携帯端末を保持するための端末保持具であって、前記携帯端末又は前記携帯端末を覆う端末収納ケースに固定される固定面を有する固定部と、両端が前記固定部に接続され、指が挿入される指挿入空間が規定され、前記指挿入空間に指を挿入することにより前記携帯端末又は前記端末収納ケースを保持する保持部と、を有し、前記指挿入空間は前記固定面に直交する方向から見て前記固定部とは重複しておらず、前記保持部は略平板形状をなし、前記固定部に接続される一端部と、前記固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入された前記指を支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末保持具提供している。
【0010】
第2の発明では、第1の発明に記載された端末保持具であって、前記指挿入空間は、前記固定部と前記保持部との間に規定され、前記指挿入空間に挿入される指は小指であって、前記指挿入空間と、前記固定面と、は略平行であることを特徴としている。
【0011】
第3の発明では、第1の発明又は第2の発明に記載された端末保持具であって、前記保持部は、前記一端部から前記指支持部にかけて所定方向に捻れるとともに、前記指支持部から前記他端部にかけて前記所定方向に捻れていることを特徴としている。
【0012】
第4の発明では、第3の発明に記載された端末保持具であって、前記固定部は、前記保持部が接続される接続部分に切込が形成されていることを特徴としている。
【0013】
第5の発明では、第1の発明に記載された端末保持具であって、前記指挿入空間は、前記一端部と、前記他端部と、前記指支持部と、によって囲まれた空間であって、前記挿入空間に小指を挿入する挿入方向は、前記固定面と略平行な方向であることを特徴としている。
【0014】
第6の発明は、第5の発明に記載された端末保持具であって、前記固定部は、前記一端部が接続される第1固定部と、前記他端部が接続される第2固定部と、を有し、前記第2固定部には、前記第1固定部が嵌合される嵌合孔が形成され、前記第2固定部が前記嵌合孔に嵌合されることにより、前記一端部と、前記他端部と、前記指支持部と、によって前記指挿入空間が形成されることを特徴としている。
【0015】
第7の発明は、携帯端末を保護するための端末収納ケースであって、本体部と、前記本体部に固定される固定面を有する固定部と、両端が前記固定部に接続され、前記固定部との間に指が挿入される指挿入空間が規定され、前記指挿入空間に指を挿入することにより前記本体部を保持する保持部と、を有する端末保持具と、を有し、前記指挿入空間は前記固定面に直交する方向から見て前記固定部及び前記本体部とは重複しておらず、前記固定部は、前記携帯端末と前記本体部との間に挟持され、前記保持部は、前記本体部の下端部から下方に向けて突出し、前記保持部は略平板形状をなし、前記固定部に接続される一端部と、前記固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入された前記指を支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末収納ケースを提供している。
【0016】
第8の発明は、第7の発明に記載された端末収納ケースであって、前記指挿入空間に挿入される指は小指であって、前記小指を前記指挿入空間に挿入して前記本体部を手で把持したとき、前記本体部の前記下端部が支点となって前記本体部を支えていることを特徴としている。
【0017】
第9の発明は、携帯端末又は前記携帯端末を覆う端末収納ケースに固定される第1固定部と、前記携帯端末又は前記端末収納ケースに固定される第2固定部と、前記第1固定部と、前記第2固定部と、を接続方向に繋ぎ、前記第1固定部及び前記第2固定部よりも前記接続方向と直交する方向における幅が狭い保持部と、を有し、前記第1固定部と、前記第2固定部と、前記保持部と、は同一平面上に位置し、前記第1固定部と前記第2固定部とを前記携帯端末に固定したとき、前記保持部によって指挿入空間が規定されるとともに、前記指挿入空間は前記第1固定部に直交する方向から見て前記第1固定部及び前記第2固定部とは重複しておらず、前記保持部は略平板形状をなし、前記第1固定部に接続される一端部と、前記第2固定部に接続される他端部と、前記一端部と前記他端部とを繋ぎ、前記指挿入空間に挿入されたを支え、前記一端部及び前記他端部よりも幅が太い指支持部と、を有することを特徴とする端末保持具を提供している。
【0018】
ここでいう同一平面上に位置するとは、第1固定部と第2固定部と保持部とが、図4(a)、図11(a)、及び図12(a)に示すように、平滑な平面の上に凹凸なくフラットな状態で存在することをいう。
【0019】
第10の発明では、第9発明に記載された端末保持具であって、前記一端部と前記第1固定部との接続部分は、前記第1固定部における前記接続方向と平行な中心線からずれた位置に配置され、前記他端部と前記第2固定部との接続部分は、前記第2固定部における前記接続方向と平行な中心線からずれた位置に配置され、前記一端部と前記第1固定部との前記接続部分、及び前記他端部と前記第2固定部との前記接続部分は、前記接続方向において同一線上に位置していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明によると、指挿入空間は固定面に直交する方向から見て固定部とは重複していないため、固定部が障害とならず携帯端末の周縁端部に保持部を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して任意の位置に端末保持具を配置することができ、保持の自由度が高くなる。つまり、端末保持具を携帯端末の周縁端部に配置することができ、例えば、保持部を固定面に直交する方向から見て携帯端末とは重複しない位置であって、携帯端末から突出するように配置することができる。また、指挿入空間に指を挿入する際に、固定部と干渉することなく簡単に指を挿入することができる。
【0021】
第2の発明によると、指挿入空間と固定面とは略平行であるため、固定部が障害とならず携帯端末の周縁端部に保持部を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して保持の自由度が高くなる。また、指挿入空間に挿入される指は小指であるため、ユーザは小指のみを指挿入空間に挿入することにより携帯端末を保持することができる。携帯端末を保持した状態のまま他の作業を行いたい場合には、携帯端末の把持を解除して保持部を中心に携帯端末を回転させることで掌から携帯端末を離間させつつ保持することができる。これにより、掌に携帯端末が存在しなくなるため、小指で携帯端末を保持しつつ自由に他の作業、例えば、鞄の中から必要な物を取出すなどの作業を行うことができる。また、携帯端末を保持するのは小指のみを使用しているため、他の指は比較的自由に使用することができる。これにより、携帯端末に設けられたカメラで自撮りをする際に、携帯端末を安定的に保持するとともに小指以外の他の指を使用してブレることなく撮影することができる。さらに、指挿入空間に挿入される指は小指であるため、携帯端末を斜めにした状態で下領域を小指で支えつつ他の指で本体部を支えることとなり、携帯端末が自重によって掌及び他の指で安定的に支持される。従来の携帯情報端末ケースでは、略重心位置に指を通すためのリング部が設けられていたためリング部を中心にぐらつくことがあったが、本件発明によると、指挿入空間に小指を通すことにより、携帯端末の下部を小指で支持しつつ携帯端末の自重を他の指で受け止めるようにして携帯端末を保持することで、安定的に保持することができる。
【0022】
人の手の指は、親指及び人差し指で操作を行うとお腹側に意識が向くこととなり、薬指及び小指によって操作を行うと背中側に意識が向くこととなる。中指は、中心的な指であり、中指での操作はお腹及び背中の両方に意識が向く。これは発明者が発見した理論であり、親指及び人差し指の筋肉はお腹側の筋肉と連動し、薬指及び小指の筋肉は背中側の筋肉と連動し、中指の筋肉はお腹側の筋肉及び背中側の筋肉と連動していることが原因と考えられる。従来の携帯情報端末ケースを使用すると、人差し指又は中指で当該ケースを保持するため、お腹側に意識が向くことによって背中への意識が薄くなり、背筋が曲がり意識も内向きの思想に陥りがちである。本件発明では、小指によって携帯端末を保持するため、携帯端末の移動動作についても自然と小指を中心に行うこととなる。そうすると、肩から背中に意識が向くこととなり、携帯端末を移動させる際に手首のみを使用するのではなく、腕から肩及び背中を使って移動させることとなる。これによって、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のまま携帯端末操作を行うことができる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想が可能となる。ここで、内向きの思想とは外部からの情報を遮断して脳内で過去のことなどを振り返るなど自省的になることをいい、外向きの思想とは視線を上げることによって外部の情報を取り込み前向きに将来のことを考えることをいう。本件発明の携帯端末を使用することで外向きの思想が優位になり、ポジティブな思考となる。
【0023】
第3の発明によると、一端部から指支持部にかけて所定方向に捻れるとともに指支持部から他端部にかけて再び所定方向に捻れているため、指挿入空間に挿入された小指が平板形状の平面によって支持される。これにより、指挿入空間に小指を挿入した状態で携帯端末を小指にぶら下げた状態(図6)においても、小指に当該平面が当接することにより小指にかかる負荷を低減することができる。また、保持部は略平板形状であって1回所定方向に捻られるとともに再び1回所定方向に捻られているため、同一平面上に2つに分割した固定部と保持部とを配置し分割した固定部を結合することにより端末保持具を作製することができる(図4)。これにより、簡易な方法で端末保持具を作製することができる。
【0024】
第4の発明によると、指支持部は一端部及び他端部よりも幅が太いため、指挿入空間に小指を挿入した状態で携帯端末を小指にぶら下げた状態(図6)においても、小指に当該平面が当接することにより小指にかかる負荷を低減することができる。また、保持部と固定部との接続部分に切込が形成されているため、固定部が携帯端末に固定された状態で保持部に強い負荷がかかったとしても固定部が携帯端末から剥がれることを抑制することができる。つまり、切込が形成されていることによって固定部と保持部との接続部分に負荷が集中しなくなるため、固定部が携帯端末から剥がれ難くなる。
【0025】
第5の発明によると、指挿入空間に指を挿入する方向が固定面と略平行な方向であるため、携帯端末を把持した際に小指が指向する方向と同一となる。これにより、保持部を捻ることなく自然に小指を指挿入空間に挿入することができ、携帯端末又は端末収納ケースを安定的に保持することができる。
【0026】
第6の発明によると、第1固定部が第2固定部の嵌合孔に嵌合されるため、第1固定部と第2固定部とを重ねるようにして端末保持具を形成したとき、凹凸なく平滑となる。これにより、外観上見栄えの良い端末保持具を実現することができる。
【0027】
第7の発明によると、指挿入空間は固定面に直交する方向から見て固定部とは重複していないため、固定部が障害とならず端末収納ケースの周縁の端部に保持部を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して保持の自由度が高くなる。また、指挿入空間に指を挿入する際に、固定部が障害とならずに簡単に指を挿入することができる。また、固定部は携帯端末と端末収納ケースとの間に挟持されているため、保持部に負荷がかかったとしても固定部が端末収納ケースから外れ難い。また、保持部が端末収納ケースの下端部から下方に向けて突出しているため、指挿入空間に小指を挿入して端末収納ケースを保持することができる。端末収納ケースを保持した状態のまま他の作業を行いたい場合には、端末収納ケースの把持を解除して保持部を中心に端末収納ケースを回転させることで掌から端末収納ケースを離間させつつ保持することができる。これにより、掌に携帯端末が存在しなくなるため、小指で携帯端末を保持しつつ自由に他の作業、例えば、鞄の中から必要な物を取出すなどの作業を行うことができる。また、端末収納ケースを保持するのは小指のみを使用しているため、他の指は比較的自由に使用することができる。
【0028】
第8の発明によると、小指を指挿入空間に挿入して本体部を把持したとき下端部が支点となるため、端末収納ケースを安定的に保持することができる。例えば、支点が端末収納ケースの下端部よりも上方に位置している場合には、携帯端末の重心位置から近い距離が支点となるため、端末収納ケースの安定性に欠ける。しかし、支点が下端部にあることにより、携帯端末の重心位置から最も離間した部分が支点となるため、安定して端末収納ケースを保持することができる。
【0029】
第9の発明によると、第1固定部と第2固定部と保持部とが同一平面上に位置しているため、簡易な方法で端末保持具を作製することができる。具体的には、ユーザは、図4(a)に示す端末保持具において第1固定部と第2固定部とを両者が近接するように携帯端末に固定することにより、図4(b)に示すような端末保持具となる。
【0030】
第10の発明によると、一端部と第1固定部との接続部分は第1固定部の中心線からずれた位置に配置されるとともに他端部と第2固定部との接続部分は第2固定部の中心線からずれた位置に配置されているため、端末保持具を携帯端末に固定したときに指挿入空間の断面積を変更することができる。具体的には、図4(a)に示す矢印Eの方向に第1固定部及び第2固定部を回転させるようにして図4(b)に示す端末保持具を制作すると、一端部と第1固定部との接続部分及び他端部と第2固定部との接続部分は下側にずれているため、指挿入空間の断面積が大きくなる。逆に、図4(a)に示す矢印Fの方向に第1固定部及び第2固定部を回転させるようにして端末保持具を制作すると、指挿入空間の断面積が小さくなる。これにより、1つの端末保持具で指挿入空間の断面積を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施の形態による端末保持具の斜視図。
図2】本発明の第1の実施の形態による端末保持具を携帯端末に固定したときの背面斜視図。
図3】本発明の第1の実施の形態による端末保持具を携帯端末に固定したときの背面図。
図4】本発明の第1の実施の形態による端末保持具の製造方法を説明するための概略図であって、図4(a)は端末保持具の展開図、図4(b)は端末保持具を仮組み立てしたときの平面図、図4(c)は端末保持具が完成したときの平面図。
図5】本発明の第1の実施の形態による端末保持具の保持部に小指を挿入して携帯端末を保持したときの斜視図。
図6】本発明の第1の実施の形態による端末保持具の保持部に小指を挿入したまま端末収納ケースから手を離したときの斜視図。
図7】本発明の第2の実施の形態による端末収納ケースの正面斜視図。
図8】本発明の第2の実施の形態による端末収納ケースの端末保持具近傍の部分断面図。
図9】本発明の第3の実施の形態による端末保持具の斜視図。
図10】本発明の第3の実施の形態による端末保持具を携帯端末に固定したときの背面斜視図。
図11】本発明の第3の実施の形態による端末保持具の製造方法を説明するための概略図であって、図11(a)は端末保持具の展開図、図11(b)は端末保持具を仮組み立てしたときの平面図、図11(c)は端末保持具が完成したときの平面図。
図12】本発明の第4の実施の形態による端末保持具の製造方法を説明するための概略図であって、図12(a)は端末保持具の展開図、図12(b)は端末保持具を仮組み立てしたときの平面図、図12(c)は端末保持具が完成したときの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の第1の実施の形態による端末保持具1を図1乃至図6に基づき説明する。図中に示すように、前後上下左右方向を定義する。
【0033】
端末保持具1は、各種情報を表示する表示部10A(図5)を有する携帯端末10に装着され、固定部2と、保持部3と、から構成される。携帯端末10は、スマートフォンやタブレットであるが、情報を表示することができる端末であればこれに限定されない。固定部2と保持部3とは、ゴム層とガラス繊維層とシリコン層の3層で構成される平滑な素材で一体的に構成されている。
【0034】
固定部2は、図4(a)に示すように、第1固定部21と、第2固定部22と、表面部材23(図1)と、を有している。固定部2と保持部3との接続部分には、保持部3が固定部2から延出している延出方向と平行に切込2aが形成されている。切込2aは左右方向に並んで4か所形成されていて、保持部3が固定部2に対して激しく動いた場合であっても固定部2の携帯端末10に対する固定が外れないために設けられている。本実施の形態では、切込2aは深さ2mmであるが、これに限定されず端末保持具1の形状に応じて任意に設定することができる。また、固定部2に切込2aを設けなくてもよい。
【0035】
第1固定部21と第2固定部22とは略同一形状であって、角が面取りされた略矩形を成している。第1固定部21及び第2固定部22の底面には接着剤が塗布されていて、端末保持具1を携帯端末10の背面に固定することができる。本実施の形態では、第1固定部21及び第2固定部22は、図4(a)における上下方向の高さが29mmであって左右方向の長さが40mmであるが、これに限定されず携帯端末10のサイズに応じて任意の形状を選択することができる。第1固定部21及び第2固定部22の底面は、本発明の固定面に相当する。表面部材23は、第1固定部21と第2固定部22との上面を覆う部材であって表面に図示せぬイラスト等が描かれている。表面部材23に企業の広告等を描画することにより、端末保持具1を販促品として使用することもできる。
【0036】
保持部3は、一端であって第1固定部21に接続される一端部31と、一端部31に接続される指支持部32と、他端であって第2固定部22に接続されるとともに指支持部32にも接続される他端部33と、を有している。換言すると、指支持部32は、図4(a)に示す展開図において、一端部31と他端部33とを左右方向に繋いでいる。保持部3は左右方向中央部の中央線Bに対して線対称の形状をなし、一端部31及び他端部33は略同一形状である。一端部31と第1固定部21との接続部分及び指支持部32と第2固定部22との接続部分は、上下方向に僅かに広がっている。一端部31から指支持部32にかけて段階的に上下方向に広がり、指支持部32では上下方向に所定の幅を有し、指支持部32から他端部33にかけて段階的に上下方向に狭まっている。固定部2の切込2aは、一端部31の第1固定部21との接続部分の上下方向両端部に形成されるとともに、他端部33の第2固定部22との接続部分の上下方向両端部に形成されている。左右方向は、本発明の接続方向に相当する。
【0037】
図4(a)に示すように、保持部3は、第1固定部21及び第2固定部22に対して上下方向の中央部から下方に寄った位置に設けられている。換言すると、保持部3の左右方向に延びる中心線Cは、第1固定部21及び第2固定部22の左右方向に延びる中心線Dよりも下方に位置している。つまり、一端部31と第1固定部21との接続部分及び他端部33と第2固定部22との接続部分は、固定部2における左右方向に延びる中心線から下方にずれた位置に配置されている。
【0038】
指支持部32は、端末保持具1を携帯端末10に固定したときに指を支持する部分であるため、上下方向の幅が一端部31及び指支持部32よりも広く構成されている。保持部3と固定部2とで囲まれた空間には、図1乃至図3に斜線で示すように、端末保持具1を携帯端末10に固定したときにユーザの小指15が挿入される指挿入空間3aが規定される。詳細には、図3に示すように、指挿入空間3aは、固定部2と直交する方向である前後方向から見て固定部2と重複しない位置に形成されている。換言すると、保持部3の内側辺3Aと、固定部2と、によって区画される平面が指挿入空間3aとなり、指挿入空間3aは固定部2の底面(携帯端末10の表示部10A)と略平行である。固定部2から突出するように形成されることにより、指挿入空間3aが固定部2からずれた位置に形成される。さらに、固定部2の底面と、固定部2及び保持部3によって区画された面(指挿入空間3a)とは略平行な面となる。
【0039】
指挿入空間3aは、小指15が挿入可能な程度の面積を有し、略楕円形状である。本実施の形態では、図4(a)に示す状態において、一端部31及び他端部33の上下方向の幅が4.5mmであって、指支持部32における上下方向の幅が9mmであって、保持部3の左右方向の長さが65mmであるが、これに限定されず携帯端末10のサイズに応じて任意の形状を選択することができる。
【0040】
次に、端末保持具1の携帯端末10への取り付けについて、図2及び図3を参照して説明する。端末保持具1は、保持部3が下方に突出するように固定部2を携帯端末10の下端部の左右方向中央に取り付ける。このとき、図3に示すように、固定部2の底面に直交する方向(前後方向)から見て、指挿入空間3aと携帯端末10とが重複しない位置に取り付けることが望ましい。
【0041】
次に、図4を参照して端末保持具1の製造方法について説明する。図4(a)に示すように、端末保持具1の組み立て前の状態では、第1固定部21、第2固定部22、及び保持部3はフラットな平面形状を成している。この状態から、矢印Eで示すように、内側辺3Aが内側に位置するように第1固定部21の上端面と第2固定部22の上端面とを接合すると、図4(b)に示す状態となる。このとき、保持部3は一端部31と指支持部32との接続部分で所定方向に略90°捻れ、指支持部32と他端部33との接続部分で所定方向に略90°捻れる。ここでいう所定方向とは、下から見た時計回り方向をいう。詳細には、図4(a)における保持部3の紙面手前側の平面は、図4(b)に示す状態では、一端部31では紙面手前側を向き、指支持部32では上方向を向き、他端部33では再び紙面手前側を向いている。
【0042】
図4(b)に示す状態から、第1固定部21及び第2固定部22の上面に表面部材23を貼り付けることにより第1固定部21と第2固定部22との接続部分を目立ちにくくする。このとき、表面部材23に広告等を印刷してもよい。これにより、図4(c)に示すような端末保持具1となる。なお、図4(a)の矢印Fで示す方向に回転させて端末保持具1を作製してもよい。この場合には、保持部3の下側の辺が内側辺3Bとなる。保持部3の中心線Cは固定部2の中心線Dよりも下方に位置しているため、矢印Fの方向に回転させると一端部31と他端部33との左右方向の距離が短くなり指挿入空間3aの面積が図4(b)と比べて小さくなる。つまり、保持部3の中心線Cと固定部2の中心線Dとが上下にずれていることにより、指挿入空間3aの面積を調整することができる。本実施の形態では、第1固定部21及び第2固定部22の上端部と中心線Cとの上下方向の距離は17mmであって、第1固定部21及び第2固定部22の下端部と中心線Cとの距離は12mmであるが、これに限定されず、指挿入空間3aの面積に応じて任意に設定することができる。
【0043】
次に、端末保持具1を用いた携帯端末10の保持方法について、図5及び図6を参照して説明する。ユーザは、親指11と、人差し指12と、中指13と、薬指14と、で端末保持具1を把持し、小指15のみを指挿入空間3aに挿入する。図5に示すように、ユーザは、人差し指12と、中指13と、薬指14と、で携帯端末10の背面を支え、小指15を指挿入空間3aに挿入し、親指11で携帯端末10の表示部10Aを操作する。携帯端末10の重心Gは略中央から下方に向けて働くため、人差し指12、中指13、及び薬指14で携帯端末10を安定的に保持することができる。つまり、携帯端末10は重心Gから離間した支点Sで小指15によって保持されているため、重心G近傍を複数の指で支持することで携帯端末10の自重を利用して安定的に保持することができる。ここで、支点Sは端末保持具1が携帯端末10を支持する支点であり、携帯端末10の下端部に位置することとなる。
【0044】
ユーザは、携帯端末10を把持したまま他の作業を行いたい場合には、携帯端末10の背面を支持している人差し指12、中指13、及び薬指14を携帯端末10から離すことで、図6に示すように、携帯端末10が自重で小指15(支点S)を中心に反時計回り方向に回転する。これにより、ユーザは携帯端末10を手から離すことなく小指15以外の指で他の作業を行うことができる。再び携帯端末10を操作するときは、反動を使い、又はもう一方の手で携帯端末10を小指15(支点S)を中心に時計回り方向に回転させて再び図5に示す状態とする。
【0045】
このような構成によると、指挿入空間3aは固定面に直交する方向である前後方向から見て固定部2とは重複していないため、固定部2が障害とならず携帯端末10の周縁端部に保持部3を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して任意の位置に端末保持具1を配置することができ、保持の自由度が高くなる。つまり、端末保持具1を携帯端末10の周縁端部に配置することができ、例えば、保持部3を固定面に直交する方向である前後方向から見て携帯端末10とは重複しない位置であって、携帯端末10から突出するように配置することができる。また、指挿入空間3aに指を挿入する際に、固定部2と干渉することなく簡単に指を挿入することができる。
【0046】
このような構成によると、指挿入空間3aと固定面とは略平行であるため、固定部2が障害とならず携帯端末10の周縁端部に保持部3を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して保持の自由度が高くなる。また、指挿入空間3aに挿入される指は小指15であるため、ユーザは小指15のみを指挿入空間3aに挿入することにより携帯端末10を保持することができる。携帯端末10を保持した状態のまま他の作業を行いたい場合には、携帯端末10の把持を解除して保持部3を中心に携帯端末10を回転させることで掌から携帯端末を離間させつつ保持することができる(図6)。これにより、掌に携帯端末が存在しなくなるため、小指15で携帯端末10を保持しつつ自由に他の作業、例えば、鞄の中から必要な物を取出すなどの作業を行うことができる。また、携帯端末10を保持するのは小指15のみを使用しているため、他の指は比較的自由に使用することができる。これにより、携帯端末10に設けられたカメラで自撮りをする際に、携帯端末10を安定的に保持するとともに小指15以外の他の指を使用してブレることなく撮影することができる。さらに、指挿入空間3aに挿入される指は小指15であるため、携帯端末10を斜めにした状態で下領域を小指15で支えつつ他の指で本体部分を支えることとなり、携帯端末10が自重によって掌及び他の指で安定的に支持される。従来の携帯情報端末ケースでは、略重心位置に指を通すためのリング部が設けられていたためリング部を中心にぐらつくことがあったが、本件発明によると、指挿入空間3aに小指15を通すことにより、携帯端末10の下部を小指15で支持しつつ携帯端末10の自重を他の指で受け止めるようにして携帯端末10を保持することで、安定的に保持することができる。
【0047】
人の手の指は、親指11及び人差し指12で操作を行うとお腹側に意識が向くこととなり、薬指14及び小指15によって操作を行うと背中側に意識が向くこととなる。中指13は、中心的な指であり、中指13での操作はお腹及び背中の両方に意識が向く。これは発明者が発見した理論であり、親指11及び人差し指12の筋肉はお腹側の筋肉と連動し、薬指14及び小指15の筋肉は背中側の筋肉と連動し、中指13の筋肉はお腹側の筋肉及び背中側の筋肉と連動していることが原因と考えられる。従来の携帯情報端末ケースを使用すると、人差し指12又は中指13で当該ケースを保持するため、お腹側に意識が向くことによって背中への意識が薄くなり、背筋が曲がり意識も内向きの思想に陥りがちである。本件発明では、小指15によって携帯端末10を保持するため、携帯端末10の移動動作についても自然と小指15を中心に行うこととなる。そうすると、肩から背中に意識が向くこととなり、携帯端末10を移動させる際に手首のみを使用するのではなく、腕から肩及び背中を使って移動させることとなる。これによって、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のまま携帯端末10の操作を行うことができる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想が可能となる。ここで、内向きの思想とは外部からの情報を遮断して脳内で過去のことなどを振り返るなど自省的になることをいい、外向きの思想とは視線を上げることによって外部の情報を取り込み前向きに将来のことを考えることをいう。本件発明の携帯端末10を使用することで外向きの思想が優位になり、ポジティブな思考となる。
【0048】
このような構成によると、一端部31から指支持部32にかけて所定方向に捻れるとともに指支持部32から他端部33にかけて再び所定方向に捻れているため、指挿入空間3aに挿入された小指15が平板形状の平面によって支持される。ここでいう捻れる方向は、保持部3から見た方向をいう。これにより、指挿入空間3aに小指15を挿入した状態で携帯端末10を小指15にぶら下げた状態(図6)においても、小指15に当該平面が当接することにより小指15にかかる負荷を低減することができる。また、保持部3は略平板形状であって1回所定方向に捻られるとともに再び1回所定方向に捻られているため、同一平面上に第1固定部21と第2固定部22と保持部3とを配置し第1固定部21と第2固定部22とを結合することにより端末保持具1を作製することができる(図4)。これにより、簡易な方法で端末保持具1を作製することができる。
【0049】
このような構成によると、指支持部32は一端部31及び他端部33よりも幅が太いため、指挿入空間3aに小指15を挿入した状態で携帯端末10を小指15にぶら下げた状態(図6)においても、小指15に当該平面が当接することにより小指15にかかる負荷を低減することができる。また、保持部3と固定部2との接続部分に切込2aが形成されているため、固定部2が携帯端末10に固定された状態で保持部3に強い負荷がかかったとしても固定部2が携帯端末10から剥がれることを抑制することができる。つまり、切込2aが形成されていることによって固定部2と保持部3との接続部分に負荷が集中しなくなるため、固定部2が携帯端末10から剥がれ難くなる。
【0050】
このような構成によると、第1固定部21と第2固定部22と保持部3とが同一平面上に位置しているため、簡易な方法で端末保持具1を作製することができる。具体的には、ユーザは、図4(a)に示す端末保持具1において第1固定部21と第2固定部22とを両者が近接するように携帯端末10に固定することにより、図4(b)に示すような端末保持具1となる。
【0051】
このような構成によると、一端部31と第1固定部21との接続部分は第1固定部の中心線からずれた位置に配置されるとともに他端部と第2固定部との接続部分は第2固定部の中心線からずれた位置に配置されているため、端末保持具1を携帯端末10に固定したときに指挿入空間3aの断面積を変更することができる。具体的には、図4(a)に示す矢印Eの方向に第1固定部21及び第2固定部22を回転させるようにして図4(b)に示す端末保持具1を制作すると、一端部31と第1固定部21との接続部分及び他端部33と第2固定部22との接続部分は中心線Dに対して下側にずれているため、指挿入空間3aの断面積が大きくなる。逆に、図4(a)に示す矢印Fの方向に第1固定部21及び第2固定部22を回転させるようにして端末保持具を制作すると、指挿入空間3aの断面積が小さくなる。これにより、1つの端末保持具1で指挿入空間3aの断面積を調整することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。第1の実施の形態と略同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態の端末保持具1を、携帯端末10を収納するケースである端末収納ケース110に一体的に設けている。端末収納ケース110は、本体部111と、端末保持具1と、から構成される。
【0053】
本体部111の下端部には、端末保持具1が固定されていて、カメラ孔111aと、ボタン孔111bと、段差111cと、が形成されている。
【0054】
カメラ孔111aは略楕円形状であって、携帯端末10のカメラに相当する位置に形成されている。ボタン孔111bは、本体部111の左側側面の上部であって、携帯端末10のボタンに相当する位置に形成されている。段差111cは、本体部111の下部であって、携帯端末10のスピーカ又は端子接続部に相当する位置に形成されている。
【0055】
図8に示すように、端末収納ケース110の本体部111に携帯端末10を収納すると、固定部2が携帯端末10と本体部111との間に挟持された状態となる。これにより、端末保持具1をより強固に端末収納ケース110に固定することができる。
【0056】
このような構成によると、指挿入空間3aは固定面に直交する方向から見て固定部2とは重複していないため、固定部2が障害とならず端末収納ケース110の周縁の端部に保持部3を配置することができる。これにより、従来の携帯端末装置保持具と比較して保持の自由度が高くなる。また、指挿入空間3aに指を挿入する際に、固定部2が障害とならずに簡単に指を挿入することができる。また、固定部2は携帯端末10と端末収納ケース110との間に挟持されているため、保持部3に負荷がかかったとしても固定部2が端末収納ケース110から外れ難い。また、保持部3が端末収納ケース110の下端部から下方に向けて突出しているため、指挿入空間3aに小指15を挿入して携帯端末10を保持することができる。携帯端末10を保持した状態のまま他の作業を行いたい場合には、端末収納ケース110の把持を解除して保持部を中心に端末収納ケース110を回転させることで掌から端末収納ケース110を離間させつつ保持することができる。これにより、掌に携帯端末10が存在しなくなるため、小指15で携帯端末10を保持しつつ自由に他の作業、例えば、鞄の中から必要な物を取出すなどの作業を行うことができる。また、端末収納ケース110を保持するのは小指15のみを使用しているため、他の指は比較的自由に使用することができる。
【0057】
このような構成によると、小指15を指挿入空間3aに挿入して本体部111を把持したとき下端部が支点Sとなるため、端末収納ケース110を安定的に保持することができる。例えば、支点Sが端末収納ケース110の下端部よりも上方に位置している場合には、携帯端末10の重心位置から近い距離が支点となるため、端末収納ケース110の安定が良くない。しかし、支点Sが下端部にあることにより、携帯端末10の重心位置から最も離間した部分が支点となるため、安定して端末収納ケース110を保持することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図9乃至図11を参照して説明する。第1の実施の形態と略同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0059】
端末保持具101は、固定部102と、保持部103と、から構成される。固定部102と保持部103とは、ゴム層とガラス繊維層とシリコン層の3層で構成される平滑な素材で一体的に構成されている。
【0060】
固定部102は、図11(a)に示すように、第1固定部121と、第2固定部122と、表面部材123(図9)と、を有している。第1固定部121は上下方向に長い略矩形であって、第2固定部122は第1固定部121と略同一の上下方向の長さを有する略矩形である。第1固定部121及び第2固定部122の底面には接着剤が塗布されていて、端末保持具101を携帯端末10の背面に固定することができる。第1固定部121及び第2固定部122の底面は、本発明の固定面に相当する。表面部材123は、第1固定部121と第2固定部122との上面を覆う部材であって表面に図示せぬイラスト等が描かれている。表面部材123に企業の広告等を描画することにより、端末保持具101を販促品として使用することもできる。
【0061】
保持部103は、一端であって第1固定部121に接続される一端部131と、一端部131に接続される指支持部132と、他端であって第2固定部122に接続されるとともに指支持部132にも接続される他端部133と、を有している。換言すると、指支持部132は、図11(a)に示す展開図において、一端部131と他端部133とを左右方向に繋いでいる。保持部103は左右方向中央部の中央線Bに対して線対称の形状をなし、一端部131及び他端部133は略同一形状である。一端部131と第1固定部121との接続部分及び指支持部132と第2固定部122との接続部分は、上下方向に僅かに広がっている。一端部131から指支持部132にかけて段階的に上下方向に広がり、指支持部132では上下方向に所定の幅を有し、指支持部132から他端部133にかけて段階的に上下方向に狭まっている。左右方向は、本発明の接続方向に相当する。
【0062】
指支持部132は、端末保持具101を携帯端末10に固定したときに指を支持する部分であるため、上下方向の幅が一端部131及び指支持部132よりも広く構成されている。一端部131と、指支持部132と、他端部133と、で囲まれた空間には、図9及び図10に斜線で示すように、端末保持具101を携帯端末10に固定したときにユーザの小指15が挿入される指挿入空間103aが規定される。詳細には、図10に示すように、指挿入空間103aは、固定部2の底面と略平行な方向である左右方向に小指15を挿入するように形成されている。換言すると、小指15が挿入される面は保持部103の辺103Aによって区画される平面であり、指挿入空間103aは固定部102の底面(携帯端末10の表示部10A)と交差する面である。
【0063】
指挿入空間103aは、小指15が挿入可能な程度の面積を有し、略滴形状である。小指15を指挿入空間103aに挿入する方向は、左右方向であって固定部102の底面と略平行な方向である。つまり、ユーザが指挿入空間103aに小指15を挿入するときは、固定部102の長手方向である左右方向と略同一の方向に小指15を挿入する。本実施の形態では、図11(a)に示す状態において、一端部131及び他端部133の上下方向の幅が5.5mmであって、指支持部132における上下方向の幅が10mmであって、保持部103の左右方向の長さが65mmであるが、これに限定されず携帯端末10のサイズに応じて任意の形状を選択することができる。
【0064】
次に、端末保持具101の携帯端末10への取り付けについて、図10を参照して説明する。端末保持具101は、保持部103が下方に突出するように固定部102を携帯端末10の下端部の左右方向中央に取り付ける。このとき、固定部102の底面に直交する方向(前後方向)から見て、指挿入空間103aと携帯端末10とが重複しない位置に取り付けることが望ましい。
【0065】
次に、図11を参照して端末保持具101の製造方法について説明する。図11(a)に示すように、端末保持具101の組み立て前の状態では、第1固定部121、第2固定部122、及び保持部103はフラットな平面形状を成している。この状態から、矢印Hで示すように、第1固定部121が第2固定部122の左端部と一致するように接合すると、図11(b)に示す状態となる。これにより、保持部103で囲まれた空間である指挿入空間103aが規定される。
【0066】
図11(b)に示す状態から、第1固定部121及び第2固定部122の上面に表面部材123を貼り付けることにより第1固定部121と第2固定部122との接続段差を目立ちにくくする。このとき、表面部材123に広告等を印刷してもよい。これにより、図11(c)に示すような端末保持具101となる。
【0067】
このような構成により、指挿入空間103aに小指15を挿入する方向が固定部102の底面と平行な方向であるため、携帯端末10を把持した際に小指15が指向する方向と同一となる。これにより、保持部103を捻ることなく自然に小指15を指挿入空間103aに挿入することができ、携帯端末10又は端末収納ケース110を安定的に保持することができる。
【0068】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図12を参照して説明する。上述の実施の形態と略同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
端末保持具201は、固定部202と、保持部203と、から構成される。固定部202と保持部203とは、ゴム層とガラス繊維層とシリコン層の3層で構成される平滑な素材で一体的に構成されている。
【0070】
固定部202は、図12に示すように、第1固定部221と、第2固定部222と、表面部材223と、を有している。第1固定部221は上下方向に長い略矩形であって、第2固定部222は第1固定部221よりも上下方向及び左右方向に長い略矩形である。第2固定部222には、第1固定部221と略同一形状の嵌合孔222aが形成されている。第1固定部221の表面及び第2固定部222の底面には接着剤が塗布されていて、端末保持具201を携帯端末10の背面に固定することができる。第1固定部221の表面及び第2固定部222の底面は、本発明の固定面に相当する。表面部材223は、第1固定部221と第2固定部222との上面を覆う部材であって表面に図示せぬイラスト等が描かれている。表面部材223に企業の広告等を描画することにより、端末保持具201を販促品として使用することもできる。
【0071】
保持部203は、一端であって第1固定部221に接続される一端部231と、一端部231に接続される指支持部232と、他端であって第2固定部222に接続されるとともに指支持部232にも接続される他端部233と、を有している。換言すると、指支持部232は、図12(a)に示す展開図において、一端部231と他端部233とを左右方向に繋いでいる。一端部231は他端部233よりも上下方向の幅が細くなるように構成されている。一端部231と第1固定部221との接続部分は、上下方向に僅かに広がっている。一端部231から指支持部232にかけて段階的に上下方向に広がり、指支持部232では上下方向に所定の幅を有し、指支持部232から他端部233にかけてはほぼ同一の上下方向の幅を有している。左右方向は、本発明の接続方向に相当する。
【0072】
指支持部232は、端末保持具201を携帯端末10に固定したときに指を支持する部分であるため、上下方向の幅が一端部231よりも広く構成されている。一端部231と、指支持部232と、他端部233と、で囲まれた空間には、端末保持具201を携帯端末10に固定したときにユーザの小指15が挿入される指挿入空間が規定される。詳細には、第3の実施の形態と同様に、指挿入空間は、固定部202の底面と平行な方向である左右方向に小指15を挿入するように形成されている。
【0073】
次に、端末保持具201の製造方法について説明する。図12(a)に示すように、端末保持具201の組み立て前の状態では、第1固定部221、第2固定部222、及び保持部203はフラットな平面形状を成している。この状態から、矢印Hで示すように、第1固定部221が第2固定部222の嵌合孔222aと嵌合するように接合すると、図12(b)に示す状態となる。これにより、保持部203で囲まれた空間である指挿入空間が規定される。このとき、第1固定部221と第2固定部222とは同一の厚みであるため、第1固定部221と第2固定部222との境界には段差がない。
【0074】
図12(b)に示す状態から、第1固定部221及び第2固定部222の上面に表面部材223を貼り付けることにより第1固定部221と第2固定部222との接続境界を目立ちにくくする。このとき、表面部材223に広告等を印刷してもよい。これにより、図12(c)に示すような端末保持具201となる。
【0075】
このような構成によると、第1固定部221が第2固定部222の嵌合孔222aに嵌合されるため、第1固定部221と第2固定部222とを重ねるようにして端末保持具201を形成したとき、凹凸なく平滑となる。これにより、外観上見栄えの良い端末保持具201を実現することができる。
【0076】
本発明による端末保持具及び端末収納ケースは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0077】
上述の実施の形態では、保持部は複数の層により構成されたが、素材及び形状はこれに限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂であってもよく、シリコンのように柔軟性を備えていてもよい。また、リング状、ヒモ状、円筒状、平板形状であってもよく、ゴム、皮、シリコン等であってもよい。
【0078】
上述の実施の形態では、端末保持具1は固定部2を携帯端末10に固定することにより携帯端末10を保持したがこれに限定されない。例えば、端末収納ケース110の背面に端末保持具1を固定してもよい。
【0079】
上述の実施の形態では、端末保持具1は固定部2を携帯端末10に固定していたが、これに限定されない。固定部2に加えて挟持部を設け、挟持部を端末収納ケースの段差から端末収納ケースの内部空間に挿入し、端末収納ケースと携帯端末との間に挟持させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1、101、201 端末保持具
2、102、202 固定部
2a 切込
3、103、203 保持部
3a、103a 指挿入空間
10 携帯端末
21、121、221 第1固定部
22、122、222 第2固定部
23、123、223 表面部材
31、131、231 一端部
32、132、232 指支持部
33、133、233 他端部
110 端末収納ケース
111 本体部
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