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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】脱脂乾燥システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/13 20190101AFI20230524BHJP
【FI】
C02F11/13
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023020702
(22)【出願日】2023-02-14
【審査請求日】2023-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391060199
【氏名又は名称】金井 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】金井 正夫
【審査官】松本 要
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-089166(JP,A)
【文献】特開昭59-113873(JP,A)
【文献】特開2007-166989(JP,A)
【文献】特開2000-351685(JP,A)
【文献】特開2011-058745(JP,A)
【文献】特開昭54-023178(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104397141(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106937700(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03009009(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00-11/20
A23L 17/10
A23K 10/26
B09B 3/00
C11B 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類ないし動植物の被乾燥原料から有機物の乾燥品を製造するための脱脂乾燥システムであって、
被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させる乾燥機と、
前記乾燥機から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離する圧搾機と、を備え、
前記圧搾機により脱水した固形分を前記乾燥機に戻す一方、前記圧搾機により分離した煮汁は油脂を取り除いてから前記乾燥機に選択的に戻し、引き続き固形分および戻した煮汁を加熱する処理を連続して繰り返し、固形分に残る水分を蒸発させた有機物の乾燥品を生成可能に構成し、
前記乾燥機は、縦型の円筒形状をなし被乾燥原料が導入される乾燥槽と、該乾燥槽内で略鉛直な中心線に沿って延びる回転軸に設けられた回転巻上羽根と、を備え、
前記乾燥槽の内壁は、該乾燥槽の外周に沿って設けられたジャケット内に導入された蒸気により加熱される伝熱面をなし、
前記回転巻上羽根の回転駆動により、前記乾燥槽内の被乾燥原料は前記伝熱面に遠心力と慣性力により薄膜状に押し付けられながら上昇する構成であることを特徴とする脱脂乾燥システム。
【請求項2】
前記圧搾機は、横型の円筒形状をなし乾燥途中の被乾燥原料が導入される外筒と、該外筒内で略水平な中心線に沿って延びる回転軸に設けられたスクリュー羽根と、を備え、
前記外筒の外周には液体が通過可能なスクリーンが形成され、該スクリーンと前記スクリュー羽根との隙間は搬送方向へ向かって漸次縮小し、
前記スクリュー羽根の回転駆動により、前記外筒内の被乾燥原料は圧搾力と剪断力により脱水されて排出され、分離された煮汁は前記スクリーンより機外に排出される構成であることを特徴とする請求項に記載の脱脂乾燥システム。
【請求項3】
前記乾燥槽の外周の途中に、被乾燥原料を内部に供給する原料供給部が設けられ、
前記乾燥槽の外周のうち前記原料供給部より下方に、乾燥品を排出する製品排出部が設けられたことを特徴とする請求項に記載の脱脂乾燥システム。
【請求項4】
前記乾燥槽の外周のうち前記原料供給部より上方に、乾燥途中の被乾燥原料をいったん導出して前記圧搾機まで移送する排出コンベヤが接続され、
前記乾燥槽の外周のうち前記原料供給部より下方に、前記圧搾機から排出された固形分を移送して導入する戻しコンベヤが接続されたことを特徴とする請求項に記載の脱脂乾燥システム。
【請求項5】
前記圧搾機から排出された煮汁を導入して、該煮汁から油脂を分離可能な油分離機を備え、
前記戻しコンベヤの途中または前記乾燥槽の外周に、前記油分離機により油脂が取り除かれた煮汁を移送して導入する移送管が接続されたことを特徴とする請求項に記載の脱脂乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚介類ないし動植物等の被乾燥原料から有機物の乾燥品を製造するための脱脂乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、魚介類ないし動植物等の残渣(食品廃棄物も含む)等のように、油分を含む有機物系の廃棄物の処理として、例えばフィッシュミール(魚粉)の原料として利用することが知られている。フィッシュミールは、タンパク質等の栄養素を豊富に含んでいるため、昔から飼料や肥料の原料として用いられている他、最近では食品や医薬品としての有効利用も検討されている。
【0003】
このように廃棄物の処理の一例として、フィッシュミールを製造するには、魚介類やその加工残渣等を、例えばクッカーで蒸煮した後、圧搾等の方法によって煮汁や油脂(魚油)を分離して、残った固形分を十分に乾燥して粉状にする製造装置が知られている(例えば特許文献1参照)。かかる製造装置では、固形分から分離した煮汁を濃縮機で濃縮してから再び固形分と共に乾燥させるため、煮汁の濃縮機が構成上必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭58-31965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来のフィッシュミールの製造装置では、主要部をなす乾燥機や圧搾する関連機器とは別に、廃棄物を蒸煮するクッカーおよび煮汁を濃縮して戻すための濃縮機が必要であり、これらクッカーや濃縮機は大がかりな設備であった。従って、濃縮機による処理工程が面倒で時間がかかるだけでなく、装置全体が大型化してコストも嵩むという問題があった。また、製造装置の設置スペースの面でも問題であった。
【0006】
ところで、油分を含む廃棄物が生じる業界は、例えば魚介類や動植物等を原料として扱う加工業界が代表的である。このうち魚介類を扱う加工業界では、地域ごとに市場、漁協、魚加工工場等が存在している。これらの関連各所で生じる魚残渣等の廃棄物が地域ごとに集荷され、まとまって大量になる場合は、例えば魚残渣の処理工場(飼料製造)に集めて処理されていた。
【0007】
このような処理工場による集中処理は、従来より油分を含む廃棄物を処理するプラントが大型のものしか建設できなかったことが主な理由であった。かかるプラントは、最小の規模でも処理能力は最低30t/日くらいであり、大型のものだと処理能力は500~600t/日ほどに達していた。すなわち、比較的少量の廃棄物を処理できる装置はなく、乾燥機、蒸煮機、圧搾機、濃縮機等と大型の機体が多種類あり、これらに付帯する構成機器や付帯設備の数も多い関係上、プラント全体としてかなり大型化せざるを得なかった。
【0008】
従って、例えば1日に数t程度の廃棄物が生じる業者にあっては、前述した処理工場(飼料製造)が近くに存在しない場合(例えば離島等)、廃棄物を有効活用する処理を行うことができなかった。すなわち、廃棄物を単に焼却処理したり廃棄することしかできず、大切な資源の元を無駄にするしかないのが現状である。かかる資源の元は適切な処理を行えば、良質な飼料や肥料、あるいは食品や医薬品としての利用も可能である。
【0009】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、大がかりな設備を必要とせず、比較的小型にすることが可能であり、設備全体および処理工程の両面でコストを大幅に低減することも可能となり、短時間で効率良く高品質なフィッシュミール等の有機物の乾燥品を製造することができる脱脂乾燥システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
魚介類ないし動植物の被乾燥原料から有機物の乾燥品を製造する脱脂乾燥システムであって、
被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させる乾燥機と、
前記乾燥機から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離する圧搾機と、を備え、
前記圧搾機により脱水した固形分を前記乾燥機に戻す一方、前記圧搾機により分離した煮汁は油脂を取り除いてから前記乾燥機に選択的に戻し、引き続き固形分および戻した煮汁を加熱する処理を連続して繰り返し、固形分に残る水分を蒸発させた有機物の乾燥品を生成可能に構成し、
前記乾燥機は、縦型の円筒形状をなし被乾燥原料が導入される乾燥槽と、該乾燥槽内で略鉛直な中心線に沿って延びる回転軸に設けられた回転巻上羽根と、を備え、
前記乾燥槽の内壁は、該乾燥槽の外周に沿って設けられたジャケット内に導入された蒸気により加熱される伝熱面をなし、
前記回転巻上羽根の回転駆動により、前記乾燥槽内の被乾燥原料は前記伝熱面に遠心力と慣性力により薄膜状に押し付けられながら上昇する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る脱脂乾燥システムによれば、大がかりな設備を必要とせず、比較的小型にすることが可能であり、設備全体および処理工程の両面でコストを大幅に低減することも可能となり、短時間で効率良く高品質なフィッシュミール等の有機物の乾燥品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る脱脂乾燥システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
図2】本実施形態に係る脱脂乾燥システムによる処理の流れを示すブロックフロー図である。
図3】本実施形態に係る乾燥機による被乾燥原料の乾燥処理中の様子を示す説明図である。
図4】本実施形態に係る脱脂乾燥システムの主要構成を示す正面図である。
図5】本実施形態に係る脱脂乾燥システムの主要構成を示す平面図である。
図6】本実施形態に係る脱脂乾燥システムの主要構成を示す右側面図である。
図7】本実施形態に係る脱脂乾燥システムの主要構成を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
本実施形態に係る脱脂乾燥システム1は、魚介類ないし動植物等の被乾燥原料から有機物の乾燥品を製造するものである。ここで被乾燥原料は、魚介類ないし動植物等のように水分と油脂を含んだ有機物全般が該当するが、以下、主に魚残渣を被乾燥原料として、乾燥品であるフィッシュミール(魚粉)を製造する場合を例に説明する。
【0014】
<脱脂乾燥システム1の概要>
図1から図7に示すように、本実施形態に係る脱脂乾燥システム1は、基本的な構成として、被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させる乾燥機10と、該乾燥機10から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離する圧搾機40と、を備えている。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、また、既に周知な事項の詳細な説明等は適宜省略する場合がある。
【0015】
<乾燥機10について>
図1に示すように、乾燥機10は、縦型の円筒形状をなし被乾燥原料が導入される乾燥槽11と、該乾燥槽11内で略鉛直な中心線に沿って延びる回転軸20に設けられた回転巻上羽根30と、を備えている。以下、乾燥機10の各構成要素の一例について順に説明するが、乾燥機10は、被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させることができる構成であれば、特に種類は問わず、下記に説明する一例の構成に何ら限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、乾燥槽11は、縦型の円筒形状に金属材により構成されている。乾燥槽11は、その下側に設けられた複数の脚部11a(図4参照)によって、フロア上に中心線が鉛直となる姿勢に設置される。乾燥槽11の内壁は、加熱手段からの熱を被乾燥原料に伝える伝熱面12となっている。ここで加熱手段は、例えば、乾燥槽11の外周を囲むように形成したジャケット13と、このジャケット13に連通するように接続され、ジャケット13内に熱媒体として、例えば蒸気を送り込むボイラー(図示省略)と、を備えてなる。
【0017】
ジャケット13には、図示省略したが熱媒体をジャケット13内に導く流入部と、熱媒体をジャケット13外に排出する排出部と、が設けられている。また、加熱手段の他の例として、蒸気の代わりに熱風をジャケット13内に送り込むように構成したり、あるいは、ジャケット13内に収容した熱媒体と、ジャケット13の外周に配設した電気ヒーターとから構成しても良い。すなわち、電気ヒーターからの熱を熱媒体を介して伝熱面12に伝えるものである。
【0018】
乾燥槽11の内部に被乾燥原料を供給したり、乾燥品を外部に排出する構成は様々であるが、具体的には例えば、乾燥槽11の外周のほぼ中間部位に、被乾燥原料を内部に供給するための原料供給部14が設けられている。ここで原料供給部14は、例えば管状の接続口として形成され、弁あるいはシャッター等で開閉可能に構成すると良い。原料供給部14には、図示省略したが原料ホッパー等に投入され貯留された被乾燥原料が、適宜供給されるように構成されている。
【0019】
一方、乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より下方の底面部付近に、乾燥品を外部へ排出するための製品排出部15が設けられている。ここで製品排出部15は、例えば原料供給部14より大口径の管状の接続口として形成され、ソレノイド等で駆動する電磁弁によって開閉可能に構成されている。製品排出部15から排出された乾燥品は、例えば移送管15aを経て図示省略した製品ホッパー等に投入されて貯留されるように構成すると良い。
【0020】
乾燥槽11の外周において、前述の原料供給部14や製品排出部15が上下に並ぶ側とは中心線を間にした反対側には、排出コンベヤ16と戻しコンベヤ17とが接続されている。排出コンベヤ16は、乾燥槽11の内部で乾燥途中の被乾燥原料を、いったん外部へ導出して圧搾機40へ移送するものである。排出コンベヤ16は、例えば乾燥槽11から後述の圧搾機40まで連通させた導出管の内部に、スクリューを回転可能に挿入して構成されている。ここで排出コンベヤ16の始端側は、乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より上方の上面部付近に接続されている。
【0021】
戻しコンベヤ17は、後述する圧搾機40により被乾燥原料から油脂を含む煮汁が分離され脱水された有機物の固形分を、圧搾機40から外部へ移送して再び乾燥槽11に導入するものである。戻しコンベヤ17も、前記排出コンベヤ16と同様に、例えば圧搾機40から乾燥槽11まで連通させた導入管の内部に、スクリューを回転可能に挿入して構成されている。ここで戻しコンベヤ17の終端側は、乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より下方の底面部付近に接続されている。なお、乾燥槽11の上面部には、廃蒸気を外部へ導出する排気管18が接続されている。
【0022】
図1に示すように、乾燥槽11内には、その鉛直な中心線に沿って延びる回転軸20が配設されている。回転軸20は、乾燥槽11の上面部と底面部の中心を貫通した状態で軸支されている。回転軸20の上端部は、乾燥槽11の上面部の上方に配設された電動モーター21に動力伝達可能に連結されている。一方、回転軸20の下端部は、乾燥槽11の底面部の下方に配設された軸受部22に回転可能に軸支されている。
【0023】
回転軸20には、回転巻上羽根30が設けられている。回転軸20は、電動モーター21の駆動により回転駆動し、回転巻上羽根30は、回転軸20と同期して回転するように構成されている。なお、電動モーター21は、上面部の上方ではなく底面部の下方に配設するように構成しても良い。また、回転軸20は、同軸上で上下に並ぶ複数の回転軸部を繋げるように構成しても良い。
【0024】
本実施形態では、回転巻上羽根30は、回転軸20の下端側と略中央とに上下2段に設けられている。ただし、回転巻上羽根30の具体的な数や配置は、図1に示したものに限定されることはなく、乾燥槽11の高さや寸法に応じて適宜定め得る設計事項である。例えば、回転軸20の下端側に、回転巻上羽根30を1つだけ設けたり、あるいは、3つ以上の回転巻上羽根30,30…を上下複数段に並べて設けても良い。
【0025】
図1に示すように、上下2段の回転巻上羽根30は、それぞれ回転軸20を中心に円周方向に並ぶように配された複数の基羽根31を備え、本実施形態では何れも例えば3枚の基羽根31を備えてなる。図1において、上段の回転巻上羽根30では、各基羽根31を含む構成の一部を省略している。なお、本実施形態では、上下の各回転巻上羽根30は、上段より下段の基羽根31の長さが若干長い程度で、ほぼ同様に構成しているが、例えば各回転巻上羽根30毎に、基羽根31の数や長さを変える等して、それぞれ異なるように構成しても良い。
【0026】
個々の回転巻上羽根30を構成する各基羽根31は、互いに同一形状に形成されており、例えば位相が略120度ずれた状態に配置されている。各基羽根31は、それぞれ回転軸20に基端が取り付けられたアーム32の先端より連続して延びるように支持されている。ここでアーム32は、基羽根31の構成の一部と見做しても良い。各基羽根31は、それぞれ平面視で回転軸20を中心とする円周方向に延び、被乾燥原料をアーム32の先端に連なる始端から載せて終端まで移動させつつ、巻き上げ可能な平坦面31a(図3参照)を備えている。
【0027】
各基羽根31の平坦面31aは、それぞれ回転方向R(図1参照)と逆方向に向かって、始端から終端にかけて斜め上方に延びるように形成されている。すなわち、各基羽根31は、被乾燥原料を平坦面31a上に載せて巻き上げつつ、遠心力P(図3参照)と慣性力によって、乾燥槽11の伝熱面12に薄膜状に押し付けるように構成されている。ここで平坦面31aは、平面視で360度の円周範囲内の長さまで一定幅に延び、平坦面31aの外周端は、前記伝熱面12の円筒形状に沿った弧状に形成されている。なお、平坦面31aの外周端と伝熱面12との間には、各基羽根31の回転を許容するクリアランスUが設けられている。
【0028】
このような乾燥機10によれば、被乾燥原料を乾燥槽11の内部に供給すると、回転羽根30の回転によって、被乾燥原料は前述したように遠心力と慣性力により伝熱面12に薄膜状に押し付けられて接触する。被乾燥原料は、乾燥槽11の底面部側より上面部側へ早い速度で接触循環することで熱効率が良い。そして、被乾燥原料は、煮沸現象を起こして十分に煮込まれた状態となる。従って 被乾燥原料中の細胞が破壊され、細胞内部の水分である油脂を含む煮汁が排出され、有機物を含む固形分と油脂とが伝熱面12に接触循環することになる。
【0029】
<圧搾機40について>
図1に示すように、圧搾機40は、横型の略円筒形状をなし乾燥途中の被乾燥原料が導入される外筒41と、該外筒41内で略水平な中心線に沿って延びる回転軸42に設けられたスクリュー羽根43と、を備えている。以下、圧搾機40の構成の一例について説明するが、基本的に圧搾機40は、前記乾燥機10から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離できる構成であれば何でも良く、下記に説明する一例の構成に何ら限定されるものではない。
【0030】
本実施形態の圧搾機40は、一般にスクリュープレスと称されるものであり、外筒41の外周には、液体が通過可能なスクリーンが形成され、該スクリーンとスクリュー羽根43との隙間は、搬送方向へ向かって漸次縮小している。ここで外筒41は、例えば寸胴であるが、回転軸42は、中空であり基端から先端に亘り外径が漸次拡大している。また、スクリーンは、例えば数多の小孔からなる。そして、圧搾機40には、乾燥機10から前述した排出コンベヤ16のスクリューの正回転によって、乾燥途中の被乾燥原料、すなわち有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁が供給される。
【0031】
このような圧搾機40によれば、スクリュー羽根43の回転駆動により、外筒41内の被乾燥原料は圧搾力と剪断力により脱水された固形分は排出管44から排出され、前述した戻しコンベヤ17によって乾燥槽11に再び導入される。一方、圧搾機40での圧搾によって、固形分内のものと最初に煮沸現象にて抽出された油脂を含む煮汁は、前記スクリーンより機外に押し出された後、移送管45を介して次述する油分離機50まで送られる。
【0032】
<油分離機50について>
図1において、油分離機50は、圧搾機40から排出された油脂を含む煮汁を導入して、該煮汁から油脂を分離可能なものである。油分離機50としては、具体的には例えば、遠心力により比重差のある水分と油脂とを分離する遠心分離機を採用すると良い。ただし、油分離機50は、一般の遠心分離機に限定されることはなく、要は、絞られた煮汁から油分を分離できれば足りるため、例えば、単にタンク内に貯留しておき、上澄みとして浮いた油脂を手動ないし自動ですくい取るような構成であっても良い。
【0033】
このような油分離機50によって、油脂が取り除かれた煮汁(図中の圧搾分離液)は、煮汁移送管51を介して前述した戻しコンベヤ17の下流側に送られ、脱水後の固形分と混合された状態で乾燥槽11に再び導入される。これにより、乾燥槽11に戻す固形分と一緒に乾燥機11に戻す煮汁には油脂が含まれない。ここで乾燥槽11で再び乾燥する固形分に油脂が多く残留していると、固形分は加熱しても粉状に乾燥しにくいため、油脂分は極力分離する必要がある。
【0034】
油分離機50によって、煮汁から分離された油脂は、油脂移送管52を介して移送され回収された後、精製してから例えば食用、配合飼料の添加物、または燃料として利用される。特に、魚油の場合には、不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)等の成分が注目されるにつれ、健康食品や医薬品等にも利用されている。なお、煮汁移送管51や油脂移送管52の途中には、それぞれ移送量を調整できるように電動ポンプが設けられている。また、煮汁移送管51の終端は、油脂移送管52の途中ではなく乾燥槽11の外周に直接接続させても良い。
【0035】
<脱脂乾燥システム1の作用>
次に、図2に示すブロックフローに沿って、本実施形態に係る脱脂乾燥システム1の作用について説明する。先ず最初に、乾燥機10において、図示省略した原料ホッパー等に貯留された被乾燥原料が、乾燥槽11内に原料供給部14から適宜供給される(図2の矢印A)。また、乾燥槽11内では、ジャケット13に送られた蒸気によって伝熱面12が加熱されている。そして、電動モーター21を駆動して、回転軸20を図1中のR方向へ回転させる。
【0036】
乾燥槽11内で被乾燥原料は、乾燥槽11の底面部上で、下段の回転巻上羽根30の回転に伴いアーム32によって掻き取られ、各基羽根31の始端へすくい上げられる。各基羽根31の始端よりすくい上げられた被乾燥原料は、そのまま各基羽根31の終端に向かって、回転巻上羽根30の回転方向Rと逆方向へ巻き上げられて上昇する。このとき、図3に示すように、各基羽根31の平坦面31a上の被乾燥原料は、遠心力Pと慣性力によって伝熱面12に薄膜状に押し付けられる。
【0037】
図3に示すように、伝熱面12に薄膜状に押し付けられた被乾燥原料は、一側で伝熱面12に接触する被加熱面を有すると共に、他側で乾燥槽11内の空間の空気と接触する蒸発面を有する。そして、伝熱面12に接触した被乾燥原料は、伝熱面12からの熱により、その場である程度の水分が蒸発する。次いで、伝熱面12への接触時の水分蒸発によって含水率が低くなった被乾燥原料は、含水率の高い被乾燥原料と入れ換わるようにして蒸発面に移動する。蒸発面に移動した被乾燥原料は、空気に晒されることでさらに水分蒸発が進むことになる。
【0038】
被乾燥原料は、伝熱面12側から蒸発面へ移動すると同時に、各基羽根31による巻き上げ作用により、後から巻き上げる被乾燥原料が先に巻き上げた被乾燥原料を連続的に押し、被乾燥原料は伝熱面12に沿って上昇していく。つまり、被乾燥原料は、伝熱面12から蒸発面へ移動しつつ、伝熱面12に沿って巻き上がり、上昇しつつ効率良く乾燥する。加えて、被乾燥原料は、煮沸現象を起こして完全に煮込まれた状況となるため、被乾燥原料内部の細胞組織が破壊され、細胞内部の水分である油脂を含む煮汁が排出され、固形分と油脂を含んだ煮汁とが伝熱面12に接触循環をする。
【0039】
回転巻上羽根30は上下に複数段あることにより、各段毎に被乾燥原料を巻き上げつつ、薄膜状に伝熱面12に押し付け、後から巻き上げる被乾燥原料で先に巻き上げた被乾燥原料を一段上まで押すように上昇させることになる。これにより、下段の回転巻上羽根30から上段の回転巻上羽根30まで、被乾燥原料を連続して乾燥しつつ順次上昇させることができ、乾燥槽11の縦方向における伝熱面12の全面を有効に活用することになり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
【0040】
そして、乾燥槽11の上部に接続された排出コンベヤ16より、伝熱面12に押し付けられている乾燥途中の被乾燥原料(固形分と油脂を含んだ煮汁)は、排出コンベヤ16におけるスクリューの正回転より、いったん外部へ導出されて圧搾機40まで移送される(図2の矢印B)。なお、乾燥槽11の内部で、被乾燥物の加熱により生じた廃蒸気は、排気管18を介して外部に排出される(図2の矢印H)。ここで外部に排出した廃蒸気は、例えば直接燃焼させる脱臭炉や、白金触媒等を用いた脱臭器により脱臭処理したり、あるいは周囲の環境に問題なければ、そのまま外気に放出することも考えられる。
【0041】
圧搾機40では、スクリュー羽根43の回転駆動により、外筒41内の被乾燥原料は圧搾力と剪断力により脱水される。そして、脱水後の有機物を含む固形分は、排出管44を経て排出された後、戻しコンベヤ17におけるスクリューの正回転により、再び乾燥槽11内に導入される(図2の矢印C)。一方、圧搾機40での圧搾によって、固形分内のものと最初に煮沸現象にて抽出された油脂を含む煮汁は、外筒41のスクリーンより機外に押し出された後、移送管45を介して油分離機50まで送られる(図2の矢印D)。
【0042】
油分離機50では、圧搾機40から排出された煮汁から例えば遠心分離によって油脂が分離される。ここで油分離機50に代わる簡易な構成として、例えばタンク内に貯留しておき、上澄みとして浮いた油脂を手動ないし自動ですくい取るように分離しても良い。このように油分離機50によって、油脂が取り除かれた煮汁(図中の圧搾分離液)は、煮汁移送管51を介して戻しコンベヤ17の下流側に送られ、脱水後の固形分と混合された状態で乾燥槽11に再び導入される(図2の矢印E)。
【0043】
このようにして、乾燥槽11内に戻された乾燥途中の被乾燥原料と油脂が取り除かれた煮汁は、引き続き乾燥機10における乾燥処理と、圧搾機40における脱水処理ないし油分離機50での油脂の分離処理が連続して繰り返される。その後、排出コンベヤ16におけるスクリューを逆回転ないし停止させ、乾燥槽11からの固形分の排出も止められるため、固形分と油脂を含む煮汁とに分離する工程は終了となる。
【0044】
その後、乾燥槽11内に充填された脱水後の固形分は、内部に残った水分が前述したように回転巻上羽根30の回転により、遠心力と慣性力によって伝熱面12に押し付けられ加熱と蒸発が同時に繰り返されて、固形分内の水分が十分に蒸発乾燥する。このように、乾燥槽11の内部で十分に乾燥された有機物の乾燥品は、一定時間の経過後に製品排出部15から移送管15aを経て適宜排出される(図2の矢印F)。
【0045】
そして、乾燥品は、製品ホッパー等に投入されて貯留された後に出荷され、例えば飼料や肥料の原料、あるいは食品や医薬品として有効に活用されることになる。また、油分離機50によって、煮汁から分離された油脂は、油脂移送管52を介して移送され回収された後、精製してから例えば食用、配合飼料の添加物、または燃料として利用される(図2の矢印G)。以上のような脱脂乾燥システム1全体の動作は、システムに装備された制御基板、すなわちCPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピューターによって制御される。
【0046】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の各種実施形態について説明したが、本発明は前述した各種実施形態に限定されるものではない。前述した各種実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0047】
先ず、本発明は、魚介類ないし動植物等の被乾燥原料から有機物の乾燥品を製造するための脱脂乾燥システム1であって、
被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させる乾燥機10と、
前記乾燥機10から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離する圧搾機40と、を備え、
前記圧搾機40により脱水した固形分を前記乾燥機10に戻す一方、前記圧搾機40により分離した煮汁は油脂を取り除いてから前記乾燥機10に選択的に戻し、引き続き固形分および戻した煮汁を加熱する処理を連続して繰り返し、固形分に残る水分を蒸発させた有機物の乾燥品を生成可能としたことを特徴とする。
【0048】
このような脱脂乾燥システム1によれば、その主要な構成は乾燥機10と圧搾機40とで足り、これだけで被乾燥原料を、有機物を含む固形分と油脂を含む液状分とに分離し、固形分に残る液体分を繰り返し蒸発させることで、短時間で効率良く高品質な有機物の乾燥品を得ることができる。よって、従来の魚粉製造装置における大がかりな濃縮機は不要であり、比較的小型にすることが可能で省スペース化の要請に応じることができ、設備全体および処理工程の両面でコストを大幅に低減することもできる。
【0049】
なお、圧搾機40により分離した煮汁から油脂を取り除く作業は、圧搾機40による脱水とは別工程で行えば足りる。また、圧搾機40で分離した煮汁を乾燥機10に「選択的に戻す」とは、乾燥機に戻す場合だけでなく、戻さない場合もあることを意味する。ここで戻さない場合の煮汁は、そのまま利用したり、必要に応じて油脂を取り除いて利用することが考えられる。また、乾燥機10により乾燥する工程と、圧搾機40により固液分離する工程とは、連続して繰り返されるように実行されるが、この繰り返しの回数は、被乾燥原料の種類等に応じて適宜定めれば良い。
【0050】
また、本発明では、前記乾燥機10は、縦型の円筒形状をなし被乾燥原料が導入される乾燥槽11と、該乾燥槽11内で略鉛直な中心線に沿って延びる回転軸20に設けられた回転巻上羽根30と、を備え、
前記乾燥槽11の内壁は、該乾燥槽11の外周に沿って設けられたジャケット13内に導入された蒸気により加熱される伝熱面12をなし、
前記回転巻上羽根30の回転駆動により、前記乾燥槽11内の被乾燥原料は前記伝熱面12に遠心力と慣性力により薄膜状に押し付けられながら上昇する構成であることを特徴とする。
【0051】
このような乾燥機10によれば、一つの機体だけで、蒸煮、濃縮、乾燥の全ての工程を行うことができる。すなわち、乾燥槽11内における被乾燥原料は、回転巻上羽根30で撹拌されながら伝熱面12で加熱され、被乾燥原料は煮沸現象を起こして十分に煮込まれた状態となる。そのため 被乾燥原料中の細胞が破壊され、細胞内部の水分である油脂を含む煮汁が排出され、これらの乾燥効率をいっそう高めることができる。
【0052】
また、本発明では、前記圧搾機40は、横型の円筒形状をなし乾燥途中の被乾燥原料が導入される外筒41と、該外筒41内で略水平な中心線に沿って延びる回転軸42に設けられたスクリュー羽根43と、を備え、
前記外筒41の外周には液体が通過可能なスクリーンが形成され、該スクリーンと前記スクリュー羽根43との隙間は搬送方向へ向かって漸次縮小し、
前記スクリュー羽根43の回転駆動により、前記外筒41内の被乾燥原料は圧搾力と剪断力により脱水されて排出され、分離された煮汁は前記スクリーンより機外に排出される構成であることを特徴とする。
【0053】
このような圧搾機40によれば、被乾燥原料に含まれる油脂分が液状となっている状態で、外筒41内におけるスクリュー羽根43の回転より、乾燥途中の被乾燥原料を十分に脱水することができる。そのため、被乾燥原料から油脂分を含む煮汁を効率良く分離することができる。なお、スクリーンとスクリュー羽根43との隙間については、例えば、外筒を寸胴として回転軸の外径を漸次拡大したり、逆に回転軸を同一径として外筒を漸次縮小しても良い。
【0054】
また、本発明は、前記乾燥槽11の外周の途中に、被乾燥原料を内部に供給する原料供給部14が設けられ、
前記乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より下方に、乾燥品を排出する製品排出部15が設けられたことを特徴とする。
このような構成により、乾燥槽11内に被乾燥原料を確実に導入することができると共に、乾燥が終了して完成した乾燥品を確実に外部に導出することができる。
【0055】
また、本発明は、前記乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より上方に、乾燥途中の被乾燥原料をいったん導出して前記圧搾機40まで移送する排出コンベヤ16が接続され、
前記乾燥槽11の外周のうち前記原料供給部14より下方に、前記圧搾機40から排出された固形分を移送して導入する戻しコンベヤ17が接続されたことを特徴とする。
このような構成により、乾燥槽11内における乾燥途中の被乾燥原料を、圧搾機40まで確実に移送することができると共に、圧搾機40で脱水された被乾燥原料を、再び乾燥槽11まで確実に移送することができる。
【0056】
さらに、本発明は、前記圧搾機40から排出された煮汁を導入して、該煮汁から油脂を分離可能な油分離機50を備え、
前記戻しコンベヤ17の途中または前記乾燥槽11の外周に、前記油分離機50により油脂が取り除かれた煮汁を移送して導入する移送管51が接続されたことを特徴とする。
【0057】
このような構成によれば、圧搾機40から排出された煮汁から油脂を容易に分離することができる。また、油脂が取り除かれた煮汁を、再び乾燥槽11まで確実に戻して再び乾燥させることができる。ここで煮汁を戻す移送管51を、戻しコンベヤ17の途中に接続すれば、乾燥槽11内に戻す前に煮汁と固形分を十分に混合させることができ、煮汁の有効な成分を固形分に含有させることが可能となる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本実施形態の乾燥槽11は、全体的に寸胴の円筒形であるが、他に例えば、乾燥槽11の上面部から底面部に向かって横断面積が漸次縮径する逆円錐台形に構成しても良い。
【0059】
また、本実施形態では、回転巻上羽根30は上下2段に配置されているが、回転巻上羽根30の具体的な数や配置は、乾燥槽11の高さや寸法に応じて、1段のみ、あるいは本実施形態のように2段、さらには3段以上として構成しても良い。また、回転巻上羽根30における基羽根31の数や形状も図示したものに限定されることはない。さらに、圧搾機40はスクリュープレスに限定されるものではなく、油分離機50も遠心分離機に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の脱脂乾燥システムにおいては、様々な種類の被乾燥原料に対応可能であり、特に、固形物や半固形物を含む被乾燥原料や粘性の強い被乾燥原料であっても、有機物の乾燥品を効率良く製造することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…脱脂乾燥システム
10…乾燥機
11…乾燥槽
12…伝熱面
13…ジャケット
14…原料供給部
15…製品排出部
16…排出コンベヤ
17…戻しコンベヤ
20…回転軸
30…回転巻上羽根
40…圧搾機
41…外筒
42…回転軸
43…スクリュー羽根
50…油分離機
51…煮汁移送管
【要約】
【課題】小型化することができ、設備全体と処理工程の両面でのコスト低減も可能となり、短時間で効率良く高品質な有機物の乾燥品を製造する脱脂乾燥システムを提供する。
【解決手段】魚介類ないし動植物等の被乾燥原料を加熱して、蒸煮しながら濃縮し乾燥させる乾燥機10と、乾燥機10から移送された乾燥途中の被乾燥原料を加圧して、有機物を含む固形分と油脂を含む煮汁とに分離する圧搾機40と、を備える。圧搾機40により脱水した固形分を乾燥機10に戻す一方、圧搾機40により分離した煮汁は油脂を取り除いてから乾燥機10に戻し、引き続き固形分および煮汁を加熱する処理を連続して繰り返し、固形分に残る水分を蒸発させた有機物の乾燥品を生成可能とした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7