(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】冷却塔水の水質管理装置及びその水質管理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20230524BHJP
F28G 9/00 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
C02F1/00 V
C02F1/00 D
C02F1/00 X
F28G9/00 Z
(21)【出願番号】P 2019094892
(22)【出願日】2019-05-20
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000101042
【氏名又は名称】アクアス株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石間 智生
(72)【発明者】
【氏名】船江 晴芳
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-001805(JP,A)
【文献】特開2008-190731(JP,A)
【文献】特開2007-178035(JP,A)
【文献】特開2002-159962(JP,A)
【文献】特開平03-288586(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109240358(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00
F28G1/00-15/10
G01N33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二基以上の複数の冷却塔、前記複数の冷却塔の各々に補給水を補充する複数の補給水ライン、前記複数の冷却塔の下部水槽と上部水槽を循環する循環水を通水する循環水ラインを備える冷却塔設備において、 前記補給水ライン或いは前記循環水ラインの少なくとも何れかの箇所で循環水または補給水を試料水として採取し、前記試料水の水質を測定する冷却塔水の水質管理装置であって 、前記複数の冷却塔の各々の前記循環水ラインまたは補給水ラインの少なくとも何れかの 箇所に接続し、前記試料水を通水する、前記複数の冷却塔の各々毎に設けられた、前記試料水を採取する複数の採取ラインと、前記複数の採取ラインの各々に設けられた複数の電磁弁と、前記複数の採取ラインに接続し、前記試料水が導入される集合配管と、前記集合配管から送られてきた前記試料水の水質を測定する水質測定部と、前記複数の冷却塔の内の測定対象の冷却塔に関する前記採取ラインの前記電磁弁を開き 、前記複数の冷却塔の内の前記測定対象以外の冷却塔における他の電磁弁を閉じるように制御する制御部と、を備え
ており、
当該制御部は、前記測定対象の冷却塔の前記補給水ラインへの前記補給水の通水が検知されると、前記測定対象の冷却塔の前記補給水ラインに接続する前記採取ラインの前記電磁弁を開くように制御することを特徴とする冷却塔水の水質管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記試料水の採取箇所から前記水質測定部までの前記採取ラインの容積分及び前記集合配管の容積分の新たに測定対象となる前記試料水が前記水質測定部を通過するに必要な時間以上の時間を通水した後に、前記水質測定部による前記試料水の測定を行うように制御することを特徴とする
請求項1に記載の冷却塔水の水質管理装置。
【請求項3】
前記水質測定部は、前記集合配管から送られたきた前記試料水の電気伝導率を測定することを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の冷却塔水の水質管理装置 。
【請求項4】
前記制御部は、前記補給水の電気伝導率及び前記循環水に添加される薬品に起因する電気伝導率と、前記水質測定部で測定された前記循環水の前記電気伝導率とを用いて、前記測定対象の冷却塔における前記循環水の濃縮倍数を算出することを特徴とする
請求項3に記載の冷却塔水の水質管理装置。
【請求項5】
請求項1ないし
請求項4のいずれか1項に記載の冷却塔水の水質管理装置を用いた水質管理方法であって、
前記複数の冷却塔の内の前記測定対象の冷却塔に関する前記採取ラインに設けられた電 磁弁を開き、前記複数の冷却塔の内の前記測定対象以外の冷却塔における他の電磁弁を閉 じて、前記測定対象の冷却塔に関する循環水または補給水の一部を、前記採取ライン及び 前記集合配管を介して前記水質測定部に供給し、前記水質測定部により水質を測定することを特徴とする冷却塔水の水質管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔の循環水または補給水の水質管理を簡易かつ適切に実施する、冷却塔水の水質管理装置及びその水質管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却塔の循環水には種々の水処理薬剤が添加され、冷却塔水系の腐食防止、スケールやスライム付着防止等が図られている。そのためには循環水および循環水へ供給する補給水の水質を定期的に測定して、目標範囲に収まっているか否かを確認し、循環水のブロー排水や循環水への補給水の供給、水処理薬剤の添加量を制御する必要がある。
【0003】
冷却塔水の水質管理では、管理者が循環水および補給水を採取した試料水の水質を測定し、その測定値が目標範囲内にあるか否かを確認するという方法が多くとられていた。しかし、同一敷地内に複数の冷却塔があり、冷却塔の運転台数を制御することによって冷却能力を調整している場合では冷却塔の運転と停止が繰り返される。そのため、採取した試料水の測定を実施しようとした時に、測定数が多くなるのに加えて、測定対象の冷却塔が停止している場合には運転時と冷却塔水質が大きく異なる。そのため、停止中に採取した水質で判断を行うと正しい判断ができず、異常に気付くのが遅れることがあった。
【0004】
冷却塔の循環水の一部を採取し、採取した試料水に浸漬した1対の金属電極間のカップリング電流及び電気化学的電流ノイズを測定し、データに基づいて循環水の水質を判定し、ブロー排出装置による循環水の排出量及び/又は水処理薬剤注入装置による薬剤注入量を制御する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、冷却塔等の水処理設備から採取した水について複数の水質パラメータを測定し、複数の水質パラメータの変化と、水処理設備における水処理状況と、水処理設備に施す対策とを組み合わせた対策データを記憶する水質管理装置が、対策データを参照し、測定された水質パラメータに対応する水処理状況及び対策を選択し、表示部が、前記選択された水処理状況及び対策を表示する水質管理方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-142219号公報
【文献】特開2015-205237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
同一敷地内や近接した敷地に複数の冷却塔があり、各冷却塔に水質センサを1個ずつ設置する場合にはコスト増となり、特に高精度のセンサや高価なセンサが必要な場合には更にコストが増加する。その他、各々のセンサの測定結果をまとめてから制御する必要が有ったり、センサの設置場所によっては循環水が滞留して正確な水質が得られなかったりする場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、冷却塔の循環水または補給水の水質管理を簡易かつ適切に実施するものである。すなわち、冷却塔の循環水や補給水の水質が精度良く測定でき、コストを抑え、センサのメンテナンスも容易に行うことができる冷却塔水の水質管理装置及び水質管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)
二基以上の複数の冷却塔、前記複数の冷却塔の各々に補給水を補充する複数の補給水ライン、前記複数の冷却塔の下部水槽と上部水槽を循環する循環水を通水する循環水ラインを備える冷却塔設備において、
前記補給水ライン或いは前記循環水ラインの少なくとも何れかの箇所で循環水または補給水を試料水として採取し、前記試料水の水質を測定する冷却塔水の水質管理装置であって、
前記複数の冷却塔の各々の前記循環水ラインまたは補給水ラインの少なくとも何れかの箇所に接続し、前記試料水を通水する、前記複数の冷却塔の各々毎に設けられた、前記試料水を採取する複数の採取ラインと、
前記複数の採取ラインの各々に設けられた複数の電磁弁と、
前記複数の採取ラインに接続し、前記試料水が導入される集合配管と、
前記集合配管から送られてきた前記試料水の水質を測定する水質測定部と、
前記複数の冷却塔の内の測定対象の冷却塔に関する前記採取ラインの前記電磁弁を開き、前記複数の冷却塔の内の前記測定対象以外の冷却塔における他の電磁弁を閉じるように制御する制御部と、を備えており、
当該制御部は、前記測定対象の冷却塔の前記補給水ラインへの前記補給水の通水が検知されると、前記測定対象の冷却塔の前記補給水ラインに接続する前記採取ラインの前記電磁弁を開くように制御することを特徴とする冷却塔水の水質管理装置。
(2)
前記制御部は、前記試料水の採取箇所から前記水質測定部までの前記採取ラインの容積分及び前記集合配管の容積分の新たに測定対象となる前記試料水が前記水質測定部を通過するに必要な時間以上の時間を通水した後に、前記水質測定部による前記試料水の測定を行うように制御することを特徴とする(1)に記載の冷却塔水の水質管理装置。
(3)
前記水質測定部は、前記集合配管から送られたきた前記試料水の電気伝導率を測定することを特徴とする(1)または(2)のいずれか一つに記載の冷却塔水の水質管理装置。
(4)
前記制御部は、前記補給水の電気伝導率及び前記循環水に添加される薬品に起因する電気伝導率と、前記水質測定部で測定された前記循環水の前記電気伝導率とを用いて、前記測定対象の冷却塔における前記循環水の濃縮倍数を算出することを特徴とする(3)に記載の冷却塔水の水質管理装置。
(5)
(1)ないし(4)のいずれか一つに記載の冷却塔水の水質管理装置を用いた水質管理方法であって、
前記複数の冷却塔の内の前記測定対象の冷却塔に関する前記採取ラインに設けられた電磁弁を開き、前記複数の冷却塔の内の前記測定対象以外の冷却塔における他の電磁弁を閉じて、前記測定対象の冷却塔に関する循環水または補給水の一部を、前記採取ライン及び前記集合配管を介して前記水質測定部に供給し、前記水質測定部により水質を測定することを特徴とする冷却塔水の水質管理方法。
とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の冷却塔の循環水または補給水から試料水を採取するに際し、各々に設けられた採取ラインへの試料水の通水を切り換えることにより、測定対象の冷却塔水に関する循環水または補給水から採取された試料水のみが採取ラインを通って単独の集合配管に導入される。
集合配管は、測定パラメータ毎に対応するセンサを1個有する単独の水質測定部と接続されているため、複数の冷却塔の循環水または補給水の水質測定に対し1つの水質測定部を設ければよく、設置コストが抑えられる。さらに、水質測定部が冷却塔に直接取り付けられておらず、独立して設置されているために冷却塔が稼働中でもセンサ等のメンテナンスも容易となる。
【0011】
特に、水質測定部での測定実施前に測定対象の試料水を一定時間以上通水することにより採取ライン、集合配管、および水質測定部内が洗浄されるので精度良く水質測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷却塔水の水質管理装置の一例を示す概略構成図である。循環水ラインに採取ラインを接続し、循環水を試料水として採取する例である。
【
図2】同実施形態に係る冷却塔水の水質管理装置の水質測定部の概略構成図である。
【
図3】本発明の
図1より他の実施形態に係る冷却塔水の水質管理装置の一例を示す概略構成図である。冷却塔毎に設けた、循環水ライン及び補給水ラインに採取ラインを接続し、循環水または補給水を試料水として採取する例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却塔水の水質管理装置21aの一例を示す概略構成図である。具体的には、循環水ライン6に採取ライン8a、8bを接続し、循環水を試料水として採取する例である。
【0015】
図1の冷却塔設備20aには、補給水ライン7a、補給水ライン7bを接続した2台の冷却塔1a、冷却塔1bが設けられており、冷却塔1a、1bの循環水がそれぞれ採取ライン8a、採取ライン8bを介して採取される冷却塔水の水質管理装置21aを示す。各冷却塔1a、1bから採取ライン8a、8bを介して採取された試料水は、集合配管9に流入する。
【0016】
各採取ライン8a、8bの循環水を採取する一端側には、電磁弁3a、3bが設けられており、他端側には1本の集合配管9が接続されている。電磁弁3a、3bの何れか一方を開くことにより測定される試料水の採取が開始され、開いた電磁弁3aまたは電磁弁3bを閉じると採取が終了する。
図1中の破線は、制御信号を意味する。
【0017】
集合配管9の一端には複数の採取ライン8a、8bが接続され、他端側には水質測定部4が設けられている。各採取ライン8a、8bから導入され、集合配管9を通水した試料水は、水質測定部4を通過し、排水ライン11を介して排水される。
【0018】
水質測定部4では、センサ14により循環水や補給水の少なくとも1種の水質パラメータが分析される。水質パラメータとしては、例えば、電気伝導率、pH、塩化物イオン濃度や硫酸イオン濃度等のイオン濃度、酸消費量、マグネシウム硬度、カルシウム硬度、シリカ濃度、鉄濃度、銅濃度、アンモニウムイオン濃度、残留塩素濃度、全りん酸濃度、亜鉛濃度、ポリマー濃度等の各種成分濃度、酸化還元電位、TOC、COD、及び濁度等が挙げられる。これらの中では電気伝導率のセンサが多く採用されている。
【0019】
図2に水質測定部の好ましい実施形態が例示されている。水質測定部4には、集合配管9を通水する試料水の流量を一定にする定流量弁13が集合配管9に備えられ、センサ14、排水ライン11、及び手動排水用弁12が設けられている。
定流量弁13により一定流量となった試料水は、集合配管9に介在するセンサ14を通過して、集合配管9に連通する排水ライン11から排水される。センサ14及び排水ライン11に連通する配管に設置された手動排水用弁12によりセンサ14の清掃時等に水を抜くことができる。
【0020】
センサ14では、試料水の各種水質パラメータが測定され、測定値は制御部5に入力される。制御部5は、センサ14の測定値を用いて各種データ処理を行い、各冷却塔1a、1bの循環水の水質状況を判断し、冷却塔1a、1bの水質異常を検知した場合は警報を発したり、管理用のディスプレイに異常を出力したりすることもできる。
【0021】
制御部5は、水質測定対象の冷却塔の循環水のみが水質測定部4を通過するように、水質測定対象の冷却塔の循環水に対応する採取ラインの電磁弁を開き、他の冷却塔に対応する電磁弁は開かないように制御する。
【0022】
例えば、水質測定対象が冷却塔1aの場合、制御部5は、電磁弁3aを開き、電磁弁3bは開かないように制御する。これにより、採取ライン8aから採取された冷却塔1aの循環水が水質測定部4に通水され、採取ライン8bを流れる冷却塔1bの循環水が水質測定部4に混入することを防止できる。
【0023】
本発明で、好ましくは、制御部5により水質測定対象の冷却塔に対応する循環水の電磁弁を開いて循環水の採取を開始し、測定対象の冷却塔に対応する循環水の電磁弁が開いてから、試料水の採取点からセンサ14までの採取ライン8a、或いは採取ライン8b及び集合配管9の容積分の試料水が水質測定部4を通過するに必要な時間以上の時間である待ち時間が経過した後に、試料水の水質パラメータの測定を開始する。
【0024】
このように試料水の採取から測定開始までに待ち時間を置くことで直前に測定した試料水を採取ライン8a、或いは採取ライン8b、集合配管9、および水質測定部4から十分に追い出すことになり、精度よく次の測定対象の冷却塔の循環水の測定を行うことができる。
【0025】
各センサによる測定時間および測定間隔は任意に決められ、特に各センサの種類、冷却塔の台数や各冷却塔の負荷、稼働時間により決定される。
【0026】
制御部5は、例えば冷却塔1a、1b毎に、センサ14による測定値の平均値を算出し、水質パラメータ毎に設定された目標範囲に入っているか否かの評価を行う。制御部5は測定値の目標範囲外が1回または所定回数検知された場合に警報発信または管理用ディスプレイに表示して管理者に知らせるように設定することも可能である。
【0027】
制御部5では、水質パラメータとして電気伝導率を測定する場合、冷却塔の補給水の電気伝導率、循環水に薬品を添加する場合の薬品に起因する電気伝導率、及び水質測定部で測定した稼動中の循環水の電気伝導率とを用いて、測定対象の冷却塔における循環水の濃縮倍数を算出する機能を持たせることができる。濃縮倍率は、稼働中の循環水の電気伝導率を添加薬品による電気伝導率上昇分と補給水の電気伝導率との加算値で除した値として算出できる。
【0028】
また、複数の冷却塔へ供給する補給水の水源が異なる際に各補給水の水質を評価する場合も上記の循環水の水質評価の場合と同様であり、
図3に冷却塔水の水質管理装置21bを備える冷却塔設備20bの例を示した。
図3の冷却塔設備20bには、循環水ライン6と、補給水ライン7cに接続した採取ライン8c、補給水ライン7dに接続した採取ライン8dを備える。
【0029】
各冷却塔1c、1dへの補給水ライン7c、7dに接続した採取ライン8c、8dに電磁弁3c、3dを設置し、この電磁弁3c、3dの開閉制御により測定対象の冷却塔の補給水から採取した試料水のみが採取ライン8c、8d、集合配管9を通って水質測定部4に通水される。
【0030】
したがって、測定対象外の冷却塔の補給水が水質測定部4に混入しないようになっているため、各冷却塔の補給水ラインに接続した採取ラインの電磁弁の開閉により各冷却塔の補給水の水質を精度良く測定できる。
【0031】
本発明では、直前に測定した試料水が、次に測定される試料水の測定結果に影響しないよう、測定する試料水の採取地点から集合配管までの採取ラインの容積分と集合配管容積分が水質測定部を通過するに必要な通過時間以上の待ち時間を通水した後で測定を開始することが好ましい。
【0032】
特に循環水と補給水を交互に測定する場合、例えば前の測定が循環水で次の測定が補給水の場合には補給水の試料水の採取地点からセンサまでの採取ラインの容積分と集合配管容積分が水質測定部を通過するに必要な通過時間を求めておく。次いで、前の循環水の試料水測定が終了した後、次に測定する補給水の試料水の採取ラインへの通水を始めてから水質測定部での測定を開始するまでの通水時間を通過時間以上の待ち時間とすることで測定する補給水の試料水により採取ライン、集合配管、水質測定部内の洗浄を行うことができるので好ましい。
【0033】
本発明の水質管理装置には、各冷却塔の水処理状況の判断及び水処理設備や冷却塔へ施すべき対策の選定を行う外部サーバにセンサの分析結果や制御部の分析データ処理結果を有線または無線ネットワークにより送信する通信装置を設けてもよい。
【0034】
本発明により、複数の冷却塔の各循環水および補給水の少なくとも何れかの水質パラメータを測定するセンサはパラメータ毎に1つを備えればよいため、コストが低減され、測定やメンテナンスに要する作業も減らすことができる。
【符号の説明】
【0035】
1a 冷却塔
1b 冷却塔
1c 冷却塔
1d 冷却塔
2 冷凍機
3a 電磁弁
3b 電磁弁
4 水質測定部
5 制御部
6 循環水ライン
7a 補給水ライン
7b 補給水ライン
7c 補給水ライン
7d 補給水ライン
8a 採取ライン
8b 採取ライン
8c 採取ライン
8d 採取ライン
9 集合配管
10 ポンプ
11 排水ライン
12 手動排水用弁
13 定流量弁
14 センサ
20a 冷却塔設備
20b 冷却塔設備
21a 冷却塔水の水質管理装置
21b 冷却塔水の水質管理装置