(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】巻取体
(51)【国際特許分類】
C08J 5/18 20060101AFI20230524BHJP
B65H 18/10 20060101ALI20230524BHJP
B65H 75/02 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
C08J5/18
B65H18/10
B65H75/02 E
(21)【出願番号】P 2019119780
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】川戸 耕佑
(72)【発明者】
【氏名】西岡 亮
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-281401(JP,A)
【文献】特開2010-111881(JP,A)
【文献】特開2019-090843(JP,A)
【文献】特開昭63-205324(JP,A)
【文献】特開平04-062136(JP,A)
【文献】特開2015-214122(JP,A)
【文献】特開2018-134878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-5/02
C08J 5/12-5/22
B65H 18/00-18/28
B65H 75/00-75/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の巻取りコアと、
前記巻取りコアにおいて周方向に巻き付けられており、導電性を有する第1フィルムと、
前記巻取りコアにおいて周方向に巻き付けられており、前記第1フィルムよりもヤング率が高い第2フィルムとを備え、
前記第1フィルムと前記第2フィルムとは接着されておらず、
前記第1フィルムと前記第2フィルムとは、重ねられた状態で前記巻取りコアに巻き付けられて
おり、
前記第2フィルムのガラス転移点は、前記第1フィルムのガラス転移点よりも高い、
巻取体。
【請求項2】
前記第1フィルムは、導電性を有するフィラーを含む、請求項1に記載の巻取体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取体に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-116442号公報(特許文献1)は、たとえば、リチウムイオン電池のセパレータに用いられる積層多孔フィルムの巻取体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性を有するフィルムの厚みのばらつきは、上記特許文献1に開示されている積層多孔フィルムと比較して大きい場合がある。厚みのばらつきが大きい場合に、フィルムを巻取りコアに巻き付けると、厚みのばらつきに起因してフィルムの面内において圧力差が生じる。圧力が高い領域においてはフィルムの収縮が生じにくい一方、圧力が低い領域においてはフィルムの収縮が生じやすい。領域毎の収縮度合いの差に起因して、フィルムにおいては、たるみが生じ得る。
【0005】
図5は、フィルムに生じるたるみの一例の写真を示す図である。
図5に示されるように、たとえば、巻取体からフィルムが繰り出され定盤上に平置き静置されると、フィルムのたるみが目視で容易に観察される。フィルムのたるみは、巻取体形成中にフィルム平面方向において局所的にフィルムが伸縮することによって生じると考えられる。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、導電性を有するフィルムの巻取体において、フィルムにたるみが生じることを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従う巻取体は、筒状の巻取りコアと、第1フィルムと、第2フィルムとを備える。第1フィルムは、巻取りコアにおいて周方向に巻き付けられており、導電性を有する。第2フィルムは、巻取りコアにおいて周方向に巻き付けられており、第1フィルムよりもヤング率が高い。第1フィルムと第2フィルムとは接着されていない。第1フィルムと第2フィルムとは、重ねられた状態で巻取りコアに巻き付けられている。
【0008】
この巻取体においては、導電性を有する第1フィルムと、第1フィルムよりヤング率が高い第2フィルムとが重ねられた状態で巻取りコアに巻き付けられている。したがって、この巻取体によれば、第1フィルムよりもヤング率が高い第2フィルムによって第1フィルムが押さえられているため、第1フィルムにたるみが生じることを抑制することができる。
【0009】
上記巻取体において、第1フィルムは、導電性を有するフィラーを含んでもよい。
【0010】
導電性を有するフィラーが含まれると、第1フィルムの厚みのばらつきが大きくなる。上述のように、厚みのばらつきが大きい場合には、第1フィルムにおいてたるみが生じ得る。本発明に従う巻取体においては、上述のように、導電性を有する第1フィルムと、第1フィルムよりヤング率が高い第2フィルムとが重ねられた状態で巻取りコアに巻き付けられている。したがって、この巻取体によれば、第1フィルムに導電性を有するフィラーが含まれていたとしても、第1フィルムよりもヤング率が高い第2フィルムによって第1フィルムが押さえられているため、第1フィルムにたるみが生じることを抑制することができる。
【0011】
上記巻取体において、第2フィルムのガラス転移点は、第1フィルムのガラス転移点よりも高くてもよい。
【0012】
この巻取体によれば、第2フィルムの状態が第1フィルムよりも変化しにくいため、第2フィルムによって第1フィルムを確実に押さえることができ、結果的に、第1フィルムにたるみが生じることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導電性を有するフィルムの巻取体において、フィルムにたるみが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】
図2のIII-III断面及び該断面の拡大された一部分を示す図である。
【
図4】巻取体の製造装置の概略構成を示す図である。
【
図5】フィルムに生じるたるみの一例の写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
[1.巻取体の構成]
図1は、本実施の形態に従う巻取体10を模式的に示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に従う巻取体10の正面を模式的に示す図である。
図3は、
図2のIII-III断面及び該断面の拡大された一部分を示す図である。
【0017】
図1、
図2及び
図3に示されるように、円筒状の巻取体10においては、円筒状の巻取りコア100に導電性フィルム110及び支持フィルム120が巻き付けられている。より具体的には、導電性フィルム110及び支持フィルム120は、重ねられた状態で、巻取りコア100において周方向に巻き付けられている。すなわち、巻取体10の径方向に沿った断面において、導電性フィルム110及び支持フィルム120は、径方向に交互に位置している(
図3の拡大部分参照)。詳細については後述するが、導電性フィルム110は導電性を有し、支持フィルム120は導電性フィルム110よりも高いヤング率を有する。
【0018】
導電性フィルム110は、たとえば、導電性を有するフィラー(以下、「導電性フィラー」とも称する。)を含んでいる。導電性フィラーが含まれると、導電性フィラーが含まれていない場合と比較して、フィルムの厚みのばらつきが大きくなる。厚みのばらつきが大きい場合に、導電性フィルム110のみを巻取りコア100に巻き付けると、厚みのばらつきに起因して導電性フィルム110の面内において圧力差が生じる。圧力が高い領域においては導電性フィルム110の収縮が生じにくい一方、圧力が低い領域においては導電性フィルム110の収縮が生じやすい。領域毎の収縮度合いの差に起因して、導電性フィルム110においては、たるみが生じ得る。
【0019】
巻取体10においては、導電性フィルム110と、導電性フィルム110よりヤング率が高い(弾性率が高い)支持フィルム120とが重ねられた状態で巻取りコア100に巻き付けられている。したがって、巻取体10によれば、導電性フィルム110よりもヤング率が高い支持フィルム120によって導電性フィルム110が押さえられているため、導電性フィルム110にたるみが生じることを抑制することができる。
【0020】
以下、導電性フィルム110及び支持フィルム120について詳細に説明し、その後、巻取体10の製造工程について説明する。
【0021】
[2.導電性フィルムの素材]
導電性フィルム110は、たとえば、無孔フィルムであり、熱可塑性樹脂素材と導電性素材(導電性フィラー)とを含んでいる。導電性フィルム110は、たとえば、複写機やプリンタ等の帯電フィルムや除電フィルム、その他電気・電子機器や部品用の各種機能性フィルムとして用いられる。なお、導電性フィルム110には、コロナ、プラズマ、コーティング又はスパッタリング等の表面加工が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。熱可塑性樹脂素材としては、熱可塑性を有する樹脂素材であればどのような素材が用いられてもよい。
【0022】
熱可塑性樹脂素材としては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂(ホモポリマー及び共重合体)が用いられてもよい。また、熱可塑性樹脂としては、たとえば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)若しくはテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)等のフッ素系共重合体、ポリエーテルエステル等のポリエステル系共重合体、又はポリエーテルアミド若しくはポリエーテルエステルアミド等のポリアミド系共重合体等が用いられてもよい。また、熱可塑性樹脂としては、たとえば、上記したもののポリマーアロイやポリマーブレンドが用いられてもよい。
【0023】
導電性素材としては、導電性を有する公知の素材が用いられてもよい。導電性素材としては、たとえば、グラファイト若しくはカーボンブラック等の炭素材、イオン導電材、酸化亜鉛若しくは酸化スズ等の金属酸化物、銅若しくは銀等の金属、又は導電性高分子等が用いられてもよい。導電性材料としては、特にこれらのうち粉末状や粒子状のものが好適に用いられる。
【0024】
[3.支持フィルムの素材]
支持フィルム120を構成する樹脂素材としては、支持フィルム120のヤング率が導電性フィルム110よりも高いことを実現可能な樹脂素材が用いられる。このような樹脂素材としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート若しくはポリカーボネート等のポリエステル、ポリアミド12、ポリアミド6若しくはポリアミド66等のポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド若しくはポリイミド等のポリイミド類、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等)又はポリエーテルサルホン等が用いられてもよい。なお、支持フィルム120には、コロナ、プラズマ、コーティング又はスパッタリング等の表面加工が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
【0025】
[4.導電性フィルム及び支持フィルムの物性値]
(4-1.ガラス転移点及び融点)
導電性フィルム110のガラス転移点は、たとえば、40℃以下であればよく、30℃以下であれば好ましく、氷点下以下であればより好ましい。一方、支持フィルム120のガラス転移点は、たとえば、30℃以上であればよく、70℃以上であれば好ましく、100℃以上であればより好ましい。たとえば、支持フィルム120のガラス転移点が30℃以上であれば、巻取体10が室温で保管されていたとしても、支持フィルム120が導電性フィルム110を適切に押さえることによって、導電性フィルム110におけるたるみの発生が抑制される。また、たとえば、支持フィルム120のガラス転移点が70℃以上であれば、巻取体10が高温環境(たとえば、40℃~60℃)で保管されていたとしても、支持フィルム120が導電性フィルム110を適切に押さえることによって、導電性フィルム110におけるたるみの発生が抑制される。たとえば、「導電性フィルム110のガラス転移点<支持フィルム120のガラス転移点」という関係が成立すればよい。この場合には、支持フィルム120の状態が導電性フィルム110よりも変化しにくいため、導電性フィルム110の状態が変化したとしても、支持フィルム120が導電性フィルム110を面方向に適切に押さえることができる。なお、「導電性フィルム110のガラス転移点+10℃<支持フィルム120のガラス転移点」という関係が成立するとより好ましい。
【0026】
また、導電性フィルム110の融点は、たとえば、300℃以下であればよく、250℃以下であれば好ましく、200℃以下であればより好ましい。一方、支持フィルム120の融点は、たとえば、100℃以上であればよく、200℃以上であれば好ましく、250℃以上であればより好ましい。
【0027】
(4-2.厚み)
導電性フィルム110の厚みの平均値は、たとえば、20μm~100μmであり、その開差は、たとえば、3μm~20μmである。一方、支持フィルム120の厚みの平均値は、たとえば、20μm~120μmであり、その開差は、たとえば、20μm以下である。支持フィルム120の厚みの開差が大きい場合にも導電性フィルム110におけるたるみの発生が抑制されることが分かっている。
【0028】
(4-3.フィルム幅)
導電性フィルム110及び支持フィルム120の各々の幅は特に限定されず、支持フィルム120の幅が導電性フィルム110の幅よりも長ければよい。これにより、導電性フィルム110と支持フィルム120との位置関係が多少ずれたとしても、支持フィルム120によって、導電性フィルム110の全体を面方向に押さえることができる。
【0029】
(4-4.巻き厚み)
導電性フィルム110の巻き厚みは特に限定されないが、導電性フィルム110の巻き厚みが1mm以上である場合に支持フィルム120による導電性フィルム110のたるみ抑制効果が顕著である。
【0030】
(4-5.ヤング率)
導電性フィルム110及び支持フィルム120の各々のヤング率は、ASTM D882(Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting)に準拠した方法で測定されている。導電性フィルム110のMD(Machine Direction)及びTD(Traverse Direction)におけるヤング率の平均値は、たとえば、1000MPa~4000MPaである。一方、支持フィルム120のMD及びTDにおけるヤング率の平均値は、たとえば、2000MPa~6000MPaである。「支持フィルム120のMD及びTDにおけるヤング率の平均値/導電性フィルム110のMD及びTDにおけるヤング率の平均値≧1.2」であればよく、「支持フィルム120のMD及びTDにおけるヤング率の平均値/導電性フィルム110のMD及びTDにおけるヤング率の平均値≧1.5」であれば好ましく、「支持フィルム120のMD及びTDにおけるヤング率の平均値/導電性フィルム110のMD及びTDにおけるヤング率の平均値≧2.0」であればより好ましい。また、「導電性フィルム110のヤング率×導電性フィルム110の厚み<支持フィルム120のヤング率×支持フィルム120の厚み」であればさらに好ましい。
【0031】
支持フィルム120が導電性フィルム110よりも曲がりにくいことによって、導電性フィルム110におけるたるみの発生を支持フィルム120がより効果的に抑制することができる。
【0032】
(4-6.表面粗さ)
以下に説明される表面粗さは、JISB601-1982の条件に従うものである。導電性フィルム110の少なくとも一方の面の平均粗さRaは、たとえば、1.5μm以下であればよく、1.0μm以下であれば好ましく、0.5μm以下であればより好ましい。また、導電性フィルム110の少なくとも一方の面の最大粗さRmaxは、たとえば、10.0μm以下であればよく、7.0μm以下であれば好ましく、4.0μm以下であればより好ましい。また、導電性フィルム110の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzは、10.0μm以下であればよく、6.0μm以下であれば好ましく、3.0μm以下であればより好ましい。
【0033】
支持フィルム120の少なくとも一方の面の平均粗さRaは、たとえば、1.5μm以下であればよく、1.0μm以下であれば好ましく、0.5μm以下であればより好ましい、また、支持フィルム120の少なくとも一方の面の最大粗さRmaxは、たとえば、10.0μm以下であればよく、5.0μm以下であれば好ましく、1.2μm以下であればより好ましい。また、支持フィルム120の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzは、10.0μm以下であればよく、5.0μm以下であれば好ましく、1.1μm以下であればより好ましい。
【0034】
導電性フィルム110の少なくとも一方の面、及び、支持フィルム120の少なくとも一方の面がある程度滑らかであると、導電性フィルム110及び支持フィルム120が重ねられた場合に、導電性フィルム110に対して支持フィルム120が滑りにくい。その結果、支持フィルム120が導電性フィルム110を面方向に効果的に押さえるため、導電性フィルム110におけるたるみの発生が効果的に抑制される。
【0035】
[5.製造工程]
図4は、巻取体10の製造装置20の概略構成を示す図である。
図4に示されるように、製造装置20は、Tダイ210と、キャストロール220,230と、繰出しロール240と、巻取りロール250とを含んでいる。
【0036】
Tダイ210は、導電性フィルム110を溶融押し出しするように構成されている。Tダイ210によって押出し成形される導電性フィルム110は、複数の層で形成されていてもよいし、単層で形成されていてもよい。キャストロール220,230は、押し出された導電性フィルム110を冷却するとともに、下流に送るように構成されている。
【0037】
繰出しロール240は、支持フィルム120を繰り出すように構成されている。巻取りロール250は、キャストロール220,230によって冷却された導電性フィルム110と、繰出しロール240によって繰り出された支持フィルム120とを重ねた状態で巻き取るように構成されている。導電性フィルム110と支持フィルム120とは単に重ねられているだけであるため、導電性フィルム110と支持フィルム120とは接着されていない。製造装置20における製造工程を経て巻取体10が生成される。
【0038】
[6.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う巻取体10においては、導電性を有する導電性フィルム110と、導電性フィルム110よりヤング率が高い支持フィルム120とが重ねられた状態で巻取りコア100に巻き付けられている。したがって、巻取体10によれば、導電性フィルム110よりもヤング率が高い支持フィルム120によって導電性フィルム110が押さえられているため、導電性フィルム110にたるみが生じることを抑制することができる。
【0039】
[7.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0040】
(7-1)
上記実施の形態において、導電性フィルム110は、導電性フィラーを含むこととした。しかしながら、導電性フィルム110は、必ずしも導電性フィラーを含んでいなくてもよい。たとえば、導電性フィルム110は、導電性を有する樹脂で形成されていてもよい。
【0041】
(7-2)
上記実施の形態において、支持フィルム120のガラス転移点は、導電性フィルム110のガラス転移点よりも高いこととした。しかしながら、必ずしもこのような関係が成立しなくてもよい。たとえば、支持フィルム120のガラス転移点が導電性フィルム110のガラス転移点よりも低くてもよい。
【0042】
(7-3)
上記実施の形態においては、導電性フィルム110がTダイ210によって溶融押し出しされた。しかしながら、導電性フィルム110は、必ずしもTダイ210によって押出し成形される必要はない。たとえば、導電性フィルム110は、丸ダイによって押出し成形され、その後、チューブ状のフィルムを切り開くことによって成形されてもよい。また、上記実施の形態においては、導電性フィルム110が溶融押し出しされた。しかしながら、導電性フィルム110の製膜方法はこれに限定されない。導電性フィルム110は、たとえば、カレンダー法や溶液流延法によって成形されてもよい。たとえば、導電性フィルム110が溶液流延法によって成形される場合には、導電性フィルム110は熱硬化性樹脂を含んでもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 巻取体、20 製造装置、100 巻取りコア、110 導電性フィルム、120 支持フィルム、210 Tダイ、220,230 キャストロール、240 繰出しロール、250 巻取りロール。