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特許7284834プロファイルクランプを予め配置するための装置、および接続システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】プロファイルクランプを予め配置するための装置、および接続システム
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/08 20060101AFI20230524BHJP
   F16L 23/02 20060101ALI20230524BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
F16L23/08
F16L23/02 D
F16B2/08 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021568040
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020062922
(87)【国際公開番号】W WO2020229360
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】102019112884.6
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】マテウス ヤロシュ
(72)【発明者】
【氏名】マーク カーター
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー ウィリアムズ
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-508643(JP,A)
【文献】登録実用新案第3184161(JP,U)
【文献】特開2006-329290(JP,A)
【文献】特開2011-052826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0094755(US,A1)
【文献】米国特許第05782499(US,A)
【文献】国際公開第2018/210538(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 23/08
F16L 23/02
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管端部片(14,16)を接続するためのプロファイルクランプ(12)を予め周方向に位置決めするための装置(10)であって、前記プロファイルクランプ(12)のブリッジ部材(18)と、前記配管端部片(14,16)の1つに設けられたフランジ部材(20)とを有し、前記ブリッジ部材(18)が、橋渡し方向(26)に沿って前記プロファイルクランプ(12)の2つのクランプ部分(22,24)を接続するように設計され、前記ブリッジ部材が前記クランプ部分に固定され、前記ブリッジ部材(18)がフィンガ(28)を有し、該フィンガ(28)が、前記橋渡し方向(26)に対して少なくとも部分的に横方向に前記ブリッジ部材(18)から離れて延びるとともに自由端部(30)を有し、前記フランジ部材(20)が、前記自由端部(30)を受け入れるための凹部(32)を備え、該凹部(32)が、前記プロファイルクランプが張力のかかっていない状態で前記フランジ部材の周りに延びるときに、前記フランジ部材(20)の周方向に沿う前記自由端部(30)の移動を阻止し、前記フィンガ(28)が、前記ブリッジ部材(18)と前記自由端部(30)との間に配置されるバネ部(34)を有し、該バネ部(34)は、前記自由端部(30)が前記凹部(32)内に配置されている状態において、張力のかかっている状態よりも、張力のかかっていない状態において、前記自由端部(30)を前記ブリッジ部材(18)からより大きな距離をあけて配置する装置。
【請求項2】
前記フィンガ(28)の一部が、前記プロファイルクランプ(12)の軸方向に前記ブリッジ部材(18)から離れて延びている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記自由端部(30)が、前記プロファイルクランプ(12)の半径方向に前記ブリッジ部材(18)と少なくとも部分的に重なっている請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ブリッジ部材(18)と前記フィンガ(28)とが一体に形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記凹部(32)が前記フランジ部材(20)の窪みであり、該窪みが、前記配管端部片(16)の半径方向に沿って延びている請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記凹部(32)が、前記自由端部(30)の幅に一致するよう設計された距離に配置された2つの対向する壁部材(36,38)によって、前記配管端部片(16)の周方向に画定されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ブリッジ部材(18)が、前記2つのクランプ部分(22,24)の間のジョイント部分である請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
2つのクランプ部分(22,24)を有するプロファイルクランプ(12)と、配管端部片(16)と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置(10)とを備え、
該装置(10)が、前記プロファイルクランプ(12)を前記配管端部片(16)に接続する接続システム。
【請求項9】
前記プロファイルクランプ(12)が、前記フランジ部材(20)の周りに延びるときに、前記自由端部(30)が前記凹部(32)内に配置される請求項8に記載の接続システム。
【請求項10】
前記ブリッジ部材(18)が、前記2つのクランプ部分(22,24)を互いに接続する請求項8または請求項9に記載の接続システム。
【請求項11】
前記ブリッジ部材(18)が、前記プロファイルクランプ(12)の半径方向において、前記プロファイルクランプ(12)の外側に配置されている請求項10に記載の接続システム。
【請求項12】
前記フィンガ(28)が、前記2つのクランプ部分(22,24)の間に少なくとも部分的に延びている請求項8から請求項11のいずれかに記載の接続システム。
【請求項13】
前記プロファイルクランプ(12)の半径方向において、前記自由端部(30)と前記ブリッジ部材(18)との間の距離が、大きさにおいて、少なくとも前記プロファイルクランプ(12)に張力がかかっているときの該プロファイルクランプ(12)の直径の減少に対応する距離に一致する請求項8から請求項12のいずれかに記載の接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロファイルクランプを予め配置するための装置および接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロファイルクランプは、配管を相互に接続するために使用される。この目的のために、プロファイルクランプは、接続されるべき配管の配管端部片のフランジの周りに配置され、張力がかけられる。接続作業を容易にするためには、配管端部片上の張力のかかっていないプロファイルクランプのねじれを回避する必要がある。したがって、プロファイルクランプの張力付与装置は、定められた位置に留まり、それによって、張力付与装置は容易にアクセスできる位置に留まる。さらに、プロファイルクランプが配管端部片から滑り落ちるのを防ぐことができる。
【0003】
この目的のために、ジョイントによって互いに接続される2つのハーフクランプを有するプロファイルクランプについては、ジョイントがピンを備え、このピンが配管端部片に接続されたブラケットに接続可能であることがWO2017/149104
A1から知られている。ブラケットは、プロファイルクランプの位置を固定する。
【0004】
本発明の目的は、より経済的かつ容易に製造することができる、プロファイルクランプを予め配置するための改良された装置を提供することであることが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な特徴は、請求項1および請求項8に特定されている。改良は、請求項2から請求項7および請求項9から請求項13の主題である。
【0006】
本発明は、配管端部片を接続するためのプロファイルクランプを予め周方向に配置する装置において、プロファイルクランプのブリッジ部材と、配管端部片の1つに設けられたフランジ部材とを有し、ブリッジ部材(要素)は、プロファイルクランプの2つのクランプ部分を橋渡し方向に沿って接続するように設計されており、ブリッジ部材は、クランプ部分に固定され、フィンガを有する。フィンガは、橋渡し方向に対して少なくとも部分的に横方向にブリッジ部材から離れて延びるとともに自由端部を有し、フランジ部材が、自由端部を受け入れるための凹部を備え、凹部が、プロファイルクランプが張力のかかっていない状態でフランジ部材の周りに延びるときに、フランジ部材の周方向に沿う自由端部の移動を阻止する。フィンガは、ブリッジ部材と自由端部との間に配置されるバネ部を有し、バネ部は、自由端部が凹部に配置されている状態において、張力のかかっている状態よりも、張力のかかっていない状態において、自由端部を前記ブリッジ部材からより大きな距離をあけて配置する。
【0007】
本発明では、接続される配管端部片に追加の部品がなくても、プロファイルクランプと配管端部片との間の接続が提供され、接続される配管端部片上におけるプロファイルクランプの半径方向のねじれを防ぐ。この目的のために、接続される2つの配管端部片のうちの1つのフランジ部材に、プロファイルクランプのブリッジ部材のフィンガを受け入れることができる凹部が設けられている。自由端部が凹部に配置されている場合には、フィンガの自由端部は、凹部によって周方向に沿う位置に保持される。フィンガは、橋渡し方向に剛性を有するように設計されており、すなわち、フィンガは、橋渡し方向にブリッジ部材に対して相対的に移動することができない。このことは、フィンガ、ひいてはプロファイルクランプが、配管端部片の周方向に沿って移動することができず、つまり、配管端部片に対して回転することができないことを意味する。したがって、配管端部片回りのねじれを防止するために、配管端部片に追加の部材は必要ない。また、自由端部は、バネ要素によってブリッジ部材に対して弾性変形可能に取り付けられている。さらに、自由端部が凹部内に配置されている場合には、バネ部が自由端部を凹部内に押し込む。これにより、自由端部と凹部とが互いに位置合わせされるとすぐに、すなわち、プロファイルクランプがフランジ部材の適切な回転位置に配置されるとすぐに、自由端部が凹部内に押し込まれるという効果を有する。さらに、自由端部が凹部に配置され、プロファイルクランプがフランジ部材に配置されるとすぐに、自由端部が凹部に保持される。そのため、装置の製造時の出費を抑えることができる。さらに、部材の節約は、コストと重量を節約する。
【0008】
フィンガの一部は、プロファイルクランプの軸方向に、ブリッジ部材から離れて延びていてもよい。
【0009】
そのため、プロファイルクランプのクランプ部分の間にフィンガがブリッジ部材から直接突出することはない。したがって、クランプ部分が互いに向かって移動する際に、クランプ部分の間にフィンガが挟まることが回避される。ただし、これは、その後の経過においてフィンガがクランプ部分の間に延びることを否定するものではない。
【0010】
さらに、自由端部は、プロファイルクランプの半径方向において、ブリッジ部材と少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0011】
そのため、自由端部のさらに一部は、ブリッジ部材にまで戻って延び、クランプ部分の周りに係合することができる。したがって、ブリッジ部材とフランジ部材とが重なるように配置されている場合には、フィンガはフランジ部材まで延びることができる。
【0012】
ブリッジ部材とフィンガとは一体で形成されてもよい。
【0013】
そのため、フィンガとブリッジ部材は、少ない製造ステップで簡単かつ経済的に製造することができる。例えば、ブリッジ部材は、フィンガと一緒に金属板から打ち抜くことができ、フィンガはその後、曲げ加工によって最終的な形状になる。
【0014】
さらに、凹部は、フランジ部材に設けられた窪みであってもよく、その窪みは、配管端部片の半径方向に沿って延びている。
【0015】
そのため、自由端部は、配管端部片の半径方向に凹部に導入することができる。これにより、装置の取り扱いが容易になる。
【0016】
凹部は、自由端部の幅に合わせた距離にある2つの対向する壁部材によって、配管端部片の周方向に画定されてもよい。
【0017】
そのため、凹部内の自由端部は、2つの壁部材によって、配管端部片の周方向にぴったりと凹部内に保持される。これにより、配管端部片の周方向に沿うプロファイルクランプの回転を効果的に回避する。
【0018】
ブリッジ部材は、2つのクランプ部分の間のジョイント部分であってもよい。
【0019】
したがって、プロファイルクランプを開くために、ブリッジ部材によって2つのクランプ部分を相対的に回動させることができる。さらに、ブリッジ部材は、フランジ部材の凹部と連動して、プロファイルクランプの配管端部片の周方向への回転を回避するフィンガを備えているため、多機能である。
【0020】
また、本発明は、2つのクランプ部分を有するプロファイルクランプと、配管端部片と、先行する請求項のいずれかに記載の装置とを備えた接続システムであって、装置がプロファイルクランプを配管端部片に接続する。
【0021】
接続システムの利点および効果および発展は、上述した装置の利点および効果および発展から生まれる。そのため、この点に関して、先の記述を参照する。
【0022】
さらに、自由端部は、プロファイルクランプがフランジ部材の周りに延びるときに、凹部に配置されてもよい。
【0023】
したがって、自由端部は、プロファイルクランプが張力のかかっていない状態でフランジ部材の周りに延びるときにも凹部内に配置される。これにより、プロファイルクランプの張力がかかっていない状態でも、予め位置決めを行うことができる。
【0024】
さらに、ブリッジ部材は、2つのクランプ部分を互いに接続することができる。
【0025】
ブリッジ部材は、プロファイルクランプの半径方向において、プロファイルクランプの外側に配置することができる。
【0026】
したがって、ブリッジ部材は、クランプ部分を互いに接続するために、プロファイルクランプの製造中に、大きな労力をかけずにクランプ部分に固定することができる。
【0027】
さらに、フィンガは、2つのクランプ部分の間に少なくとも部分的に延びていてもよい。
【0028】
したがって、ブリッジ部材とフランジ部材が重なるように配置されている場合には、フィンガは、フランジ部材まで延びていてもよい。
【0029】
プロファイルクランプの半径方向において、自由端部とブリッジ部材との間の距離が、大きさにおいて、少なくとも、プロファイルクランプに張力がかけられるときのプロファイルクランプの直径の減少に対応する距離に一致してもよい。
【0030】
したがって、プロファイルクランプが、張力がかかっていない状態で配管端部片に配置されたときに、フィンガは自由端部とともに凹部まで延びる。そのため、プロファイルクランプの直径の減少に対応する距離だけプロファイルクランプを半径方向に変位させても、自由端部を凹部から出すことにはならない。
【0031】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、特許請求の範囲の文言、および図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1a】装置の概略図である。
図1b】装置の概略図である。
図1c】装置の概略図である。
図2a】張力がかかっていない状態の装置の概略図である。
図2b】張力がかかっている状態の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
プロファイルクランプを予め配置するための装置は、以下その全体を符号10によって示す。
【0034】
図1aによる装置10は、配管端部片14,16を接続するためにデサインされたプロファイルクランプ12を予め配置するために使用される。プロファイルクランプ12は、2つのクランプ部分22,24を有する。装置10は、プロファイルクランプ12のブリッジ部材18と、配管端部片14,16の1つに設けられたフランジ部材20とを有する。
【0035】
フランジ部材20は、図1aの配管端部片16に配置され、配管端部片16に接続されている。しかし、あるいは、同様に配管端部片14に配置され、配管端部片14に接続されていてもよい。
【0036】
フランジ部材20は、配管端部片16の半径方向に沿って延びる凹部32を有している。フランジ部材20の周方向において、凹部32は、相互に対向する壁部材36,38によって画定される。凹部32は、フランジ部材20の窪みとすることができる。
【0037】
図1bにより詳細に図示されているブリッジ部材18は、プロファイルクランプ12の2つのクランプ部分22,24を接続している。さらに、ブリッジ部材18は、プロファイルクランプ12の半径方向において、プロファイルクランプ12の外側に配置されている。
【0038】
2つのクランプ部分22,24の接続は、橋渡し方向26に行われる。つまり、ブリッジ部材18は、2つのクランプ部分22,24の間で橋渡し方向26に沿って延びている。
【0039】
ブリッジ部材18は、2つのクランプ部分22,24の間のジョイント部分である。クランプ部分22,24は、ブリッジ部材18によって、関節式に相対的に移動可能である。したがって、図1cにより詳細に図示されているプロファイルクランプ12は、ブリッジ部材18によって開閉することができる。
【0040】
さらに、ブリッジ部材18はフィンガ28を有しており、このフィンガ28は、橋渡し方向26に対して少なくとも横方向にブリッジ部材18から離れて延びている。フィンガ28の経路に沿って、フィンガ28が延びる方向を変えることができ、すなわち、フィンガ28がブリッジ部材18への接続部において直接有する延伸方向を、フィンガ28に沿って変えることができる。
【0041】
図1bによれば、フィンガ28は、その後方向転換をするために、最初にブリッジ部材18から離れて延びる。フィンガ28は、自由端部30を有し、この自由端部30は、フィンガ28がブリッジ部材18へ直接接続している接続部のフィンガ28の延伸方向とは異なる方向を向いている。
【0042】
自由端部30とブリッジ部材18との間に、フィンガ28はまた、バネ部34を有する。バネ部34は、U字型であってもよい。バネ部34と自由端部30との間のフィンガ28の部分33は、自由端部30の延伸方向に直交する位置の変位時に、バネ部34に張力がかかるように、レバーアームとして機能することができる。
【0043】
ブリッジ部材18およびフィンガ28は、一体に形成することができる。これは、ブリッジ部材18の製造中に、フィンガ28も同時に製造されることを意味する。この目的のために、例えば、フィンガ28を有するブリッジ部材18を金属シートから打ち抜くことができる。その後、フィンガ28のバネ部34を形成することができる。これは、フィンガ28を曲げることによって行うことができる。
【0044】
ブリッジ部材18がプロファイルクランプ12に配置され、2つのクランプ部分22,24を互いに接続する場合には、フィンガ28は、プロファイルクランプ12の軸方向に少なくとも部分的にブリッジ部材18から離れて延びる。さらに、自由端部30は、プロファイルクランプ12の半径方向において、ブリッジ部材18と少なくとも部分的に重なり、2つのクランプ部分22,24の間に少なくとも部分的に延びている。
【0045】
自由端部30は、凹部32によって受け入れられてもよい。この目的のために、2つの壁部材36,38は、フランジ部材20の周方向において、自由端部30の幅と一致するように設計された距離を有している。2つの壁部材36,38の間の距離は、自由端部30の幅に対応するか、または自由端部30が凹部32に挿入されて両方の壁部材36,38との接触を確立するほど大きくすることができる。
【0046】
そのため、自由端部30は、凹部32の2つの壁部材36,38によって、フランジ部材20の周方向に固定される。したがって、同時に、ブリッジ部材18およびプロファイルクランプ12は、フランジ部材20の周方向に固定され、したがって、配管端部片16に予め位置決めされる。
【0047】
上述のプロファイルクランプ12および上述の配管端部片16は、装置10がプロファイルクランプ12を配管端部片16に接続する際に、その全体が参照番号40で示される接続システムを装置10と共に形成する。自由端部30は、プロファイルクランプ12がフランジ部材20の周りに延びるときに、凹部32に配置することができる。
【0048】
図2aおよび2bでは、接続システム40の様々な状態が図示されている。2つの図、2aおよび2bは、互いに連結された2つの配管端部片14,16の断面図を構成しており、その間にはシール42が配置されている。さらに、プロファイルクランプ12は、両方の配管端部片14,16の周り、具体的には、フランジ部材20の周りに配置されている。
【0049】
図2aでは、プロファイルクランプ12は、張力がかかっていない状態である。自由端部30と凹部32が互いに整列するように、凹部32とフィンガ28とは互いに整列している。フィンガ28は、プロファイルクランプ12の張力がかかっていない状態では、自由端部30が凹部32に配置されるように設計されている。自由端部30とバネ部34との間の部分33は、プロファイルクランプの軸方向に対して角度を持って配置されている。部分33の角度は、例えば、バネ部34に張力がかかっていないときのプロファイルクランプの軸方向に対して60°から20°の間である。
【0050】
図2aでは、自由端部30は、凹部32内に配置されている。フランジ部材20の周方向に沿って延びる凹部32の壁が、自由端部30に接している。自由端部30には、ブリッジ部材18の方向にわずかに付勢する力が作用し得る。これにより、バネ部34のわずかな張力が発生する。バネ部34は、自由端部30をフランジ部材20に向かってプロファイルクランプ12の半径方向に押圧する。
【0051】
プロファイルクランプ12に張力がかかると、プロファイルクランプ12の直径が小さくなるので、プロファイルクランプ12とフランジ部材20との間の距離が小さくなる。この状態は、図2bに示されている。プロファイルクランプ12の直径が小さくなった結果、ブリッジ部材18のフランジ部材20からの、したがって凹部32からの距離も小さくなる。その結果、フィンガ28の自由端部30は、ブリッジ部材18の方向に、半径方向にさらに変位する。これにより、バネ部34の張力が増加する。図2aに図示されている状態と比較して、図2bのフィンガ28は変形している。図2bでは、バネ部34は、図2aの状態よりも大きな力で、自由端部30をフランジ部材20の方向に凹部32内に押圧する。
【0052】
したがって、自由端部30とブリッジ部材18との間のプロファイルクランプ12の半径方向の距離は、その大きさにおいて、少なくともプロファイルクランプ12に張力が掛けられる際のプロファイルクランプ12の直径の減少に対応する距離に対応している。
【0053】
本発明は、先に説明した実施形態の1つに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0054】
設計の詳細、物理的な配置および方法のステップを含む、特許請求の範囲、明細書および図面から生じるすべての特徴および利点は、個別におよび多種多様な組み合わせでも、本発明に不可欠なものである。
【符号の説明】
【0055】
10 装置
12 プロファイルクランプ
14 配管端部片
16 配管端部片
18 ブリッジ部材
20 フランジ部材
22 クランプ部分
24 クランプ部分
26 橋渡し方向
28 フィンガ
30 自由端部
32 凹部
33 部分
34 バネ部
36 壁部材
38 壁部材
40 接続システム
42 シール
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b