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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】研磨ユニット
(51)【国際特許分類】
   B24B 21/00 20060101AFI20230524BHJP
   B24B 21/06 20060101ALI20230524BHJP
   B24B 21/22 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
B24B21/00 A
B24B21/06
B24B21/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022071459
(22)【出願日】2022-04-25
(62)【分割の表示】P 2020186298の分割
【原出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022095979
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391005156
【氏名又は名称】株式会社サンシン
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】細貝 晃司
(72)【発明者】
【氏名】湯本 裕
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-30301(JP,A)
【文献】特開2020-21863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 21/00
B24B 21/06
B24B 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持機体に支持される研磨機体と、被加工物の被研磨面を研磨する研磨テープと、該研磨テープを連続的又は間欠的に移送させるテープ移送機構と、該研磨テープの研磨面を被加工物の被研磨面に圧接させる圧接機構とを備えてなり、上記テープ移送機構として、上記研磨機体に繰出軸及び巻取軸を回転自在に配設し、該繰出軸に該研磨テープが巻回された実巻リールが装着され、該巻取軸に空リールが装着され、該実巻リールから巻き解かれた研磨テープは該空リールに掛回され、該巻取軸及び該空リールを巻取回転させる巻取用モータを配設し、該繰出軸及び該実巻リールは上記巻取軸及び該空リールの巻取回転により上記研磨テープを介して巻解回転されることを特徴とする研磨ユニット。
【請求項2】
上記研磨テープをテープ移送方向と直交するテープ幅方向に揺振動作させる揺振機構を備えてなることを特徴とする請求項1記載の研磨ユニット。
【請求項3】
上記圧接機構に上記研磨テープを折返案内可能な圧接部材を備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨ユニット。
【請求項4】
上記研磨ユニットによる研磨構造は乾式構造又は湿式構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶パネル、ガラス板、レンズ、半導体ウエハー、銅板、プリント基板、フィルター、ステンレス板等の板状部材の表面の研磨加工や角縁の面取加工をする際に用いられる研磨ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス板や半導体ウエハー等の被加工物を研磨する研磨装置の研磨ユニットとして、例えば、ポリエステルフィルムなどの基材に酸化アルミニウムなどの所定粒度の固定砥粒を結合してなる研磨テープが用いられ、研磨機体に繰出軸及び巻取軸を回転自在に配設し、繰出軸に研磨テープが巻回された実巻リールが装着され、巻取軸に空リールが装着され、実巻リールから巻き解かれた研磨テープは空リールに掛回され、巻取軸及び空リールを巻取回転させる巻取用モータを設け、繰出軸及び実巻リールを巻解回転させる巻解用モータを設け、巻取用モータ及び巻解用モータの互いの回転制御により研磨テープを連続的又は間欠的に移送させる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6673965号
【文献】特開平11-99458号
【文献】特開平11-99459号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の研磨ユニットの場合、そのテープ移送機構として、上記巻取用モータ及び巻解用モータの二個のモータの互いの回転制御により研磨テープを連続的又は間欠的に移送させる構造を採用しているため、例えば、二個のサーボモータの回転制御及びそれらモータ間の同期制御が必要となり、全体構造の複雑化、軽量化及び装置コストの低減の隘路となり、各種の被加工物に対する研磨加工の融通性及び用途の拡大化を確保することができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とし、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、支持機体に支持される研磨機体と、被加工物の被研磨面を研磨する研磨テープと、該研磨テープを連続的又は間欠的に移送させるテープ移送機構と、該研磨テープの研磨面を被加工物の被研磨面に圧接させる圧接機構とを備えてなり、上記テープ移送機構として、上記研磨機体に繰出軸及び巻取軸を回転自在に配設し、該繰出軸に該研磨テープが巻回された実巻リールが装着され、該巻取軸に空リールが装着され、該実巻リールから巻き解かれた研磨テープは該空リールに掛回され、該巻取軸及び該空リールを巻取回転させる巻取用モータを配設し、該繰出軸及び該実巻リールは上記巻取軸及び該空リールの巻取回転により上記研磨テープを介して巻解回転されることを特徴とする研磨ユニットにある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記研磨テープをテープ移送方向と直交するテープ幅方向に揺振動作させる揺振機構を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記圧接機構に上記研磨テープを折返案内可能な圧接部材を備えてなることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項4記載の発明は、上記研磨ユニットによる研磨構造は乾式構造又は湿式構造であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、テープ移送機構による研磨テープの移送及び圧接機構による被加工物の被研磨面に対する研磨テープの研磨面の圧接により被加工物を研磨加工することができ、被加工物の表面の研磨にあっては、被加工物の被研磨面に圧接機構により研磨テープの研磨面を圧接し、研磨テープの移送及び研磨テープの圧接並びに支持機体の先端の移動動作の複合動作により被加工物の被研磨面を研磨テープの研磨面で研磨加工することができ、この際、テープ移送機構として、上記研磨機体に繰出軸及び巻取軸を回転自在に配設し、繰出軸に研磨テープが巻回された実巻リールが装着され、巻取軸に空リールが装着され、実巻リールから巻き解かれた研磨テープは空リールに掛回され、巻取軸及び空リールを巻取回転させる巻取用モータを配設し、繰出軸及び実巻リールは上記巻取軸及び空リールの巻取回転により上記研磨テープを介して巻解回転されるから、単一個の巻取用モータの回転制御により研磨テープを連続的又は間欠的に移送させることができ、テープ移送機構の全体構造の簡素化、軽量化及び装置コストの低減を図ることができ、それだけ、各種の被加工物に対する研磨加工の融通性及び用途の拡大化を確保することができ、かつ、圧接機構を備えているから、被加工物の被研磨面に対する研磨テープの研磨面の圧接により被加工物を研磨加工することができ、研磨テープの移送及び研磨テープの圧接の相互作用により研磨精度及び研磨面の表面粗さを向上することができ、良好な研磨加工を行うことができ、各種の被加工物の被研磨面の良好な研磨加工を行うことができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記研磨テープをテープ移送方向と直交するテープ幅方向に揺振動作させる揺振機構を備えているから、上記研磨テープをテープ幅方向に揺振動作させることができ、研磨テープの移送及び研磨テープの圧接並びに揺振動作の相互作用により研磨精度及び研磨面の表面粗さを一層向上することができ、良好な研磨加工を行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記圧接機構に上記研磨テープを折返案内可能な圧接部材を備えてなるから、被加工物の被研磨面に研磨テープの研磨面を確実に圧接させることができ、円滑かつ良好な研磨加工を行うことができる。
【0010】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記研磨ユニットによる研磨構造は乾式構造又は湿式構造であるから、基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープを用いて潤滑剤を用いない乾式研磨構造や基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープを用いて潤滑剤を供給しつつ研磨する湿式研磨構造、あるいは、固定砥粒を固着していない織布、不織布、発泡体フィルム、植毛布を研磨テープとして用いて遊離砥粒を含む研磨剤を供給する湿式研磨構造を被加工物の材質や研磨加工の仕様に応じて選択することができ、研磨加工の融通性を高めることができ、それだけ、良好な研磨加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体正断面図である。
図3】本発明の実施の形態例の全体側断面図である。
図4】本発明の実施の形態例の部分正断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の部分平断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分側断面図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分平断面図である。
図8】本発明の実施の形態例を適用した研磨装置の全体正面図である。
図9】本発明の実施の形態例を適用した研磨装置の全体平面図である。
図10】本発明の実施の形態例を適用した研磨装置の全体側断面図である。
図11】本発明の実施の形態例を適用した研磨装置の部分側断面図である。
図12】本発明の実施の形態例の加工状態の説明側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図12は本発明の研磨ユニットKUの実施の形態例を示し、この場合、図1図2図7図8の如く、大別して、支持機体Aに支持される研磨機体Bと、被加工物Wの被研磨面Wを研磨する研磨テープTと、研磨テープTを連続的又は間欠的に移送Tさせるテープ移送機構Cと、研磨テープTの研磨面Tを被加工物Wの被研磨面Wに圧接Nさせる圧接機構Dとを備えてなり、上記テープ移送機構Cとして、上記研磨機体Bに繰出軸B及び巻取軸Bを回転自在に配設し、繰出軸Bに研磨テープTが巻回された実巻リールRが装着され、巻取軸Bに空リールRが装着され、実巻リールRから巻き解かれた研磨テープTは空リールRに掛回され、巻取軸B及び空リールRを巻取回転させる巻取用モータMを配設し、繰出軸B及び実巻リールRは上記巻取軸B及び空リールRの巻取回転により上記研磨テープTを介して巻解回転され、上記繰出軸Bに回転抵抗を付与する遊転防止機構Eを設けて構成している。
【0013】
この場合、図3の如く、上記研磨テープTをテープ移送T方向と直交するテープ幅方向に揺振動作Hさせる揺振機構Fを備えてなり、又、この場合、図1図2図3の如く、上記圧接機構Dに上記研磨テープTを折返案内可能な圧接部材Dを備えて構成している。
【0014】
この場合、上記研磨ユニットKUを適用した研磨装置にあっては、上記支持機体Aは、図8図9図10の如く、機台1に前後移動台2を摺動部2a及びガイド部2bからなるガイド機構2cにより前後移動自在に設け、前後移動台2を移動用モータ2d及びボールネジ機構2eからなる移動機構2fにより前後移動させ、前後移動台2に上下移動台3を摺動部3a及びガイド部3bからなるガイド機構3cにより上下移動自在に設け、上下移動台3を移動用モータ3d及びボールネジ機構3eからなる移動機構3fにより上下移動させ、上下移動台2に左右移動台4を摺動部4a及びガイド部4bからなるガイド機構4cにより上下移動自在に設け、左右移動台4を移動用モータ4d及びボールネジ機構4eからなる移動機構4fにより上下移動させ、左右移動台4に支持機体Aと上記研磨ユニットKUの研磨機体Bとを連結するための連結部材Aが取り付けられ、研磨ユニットKUを前後方向、上下方向及び左右方向のX・Y・Zの三方向に移動可能な3軸の直交座標型構造が採用されている。なお、支持機体Aとしては、シリアル型、例えば、円筒座標型、極座標型、水平多関節型、垂直多関節型及びパラレルリンク型、その他の構造を備えた支持機体Aで構成されている。
【0015】
この場合、上記研磨テープTは、例えば、ポリエステルフィルム、メタル、クロス、発泡体フィルム、植毛布等の基材に酸化アルミニウム、酸化クロム、シリコンカーバイド、ダイヤモンド等の所定粒度の固定砥粒をコーティング又は結合してなるものが用いられている。尚、このような基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープを用いて潤滑剤を用いない乾式研磨構造や基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープを用いて潤滑剤を供給しつつ研磨する湿式研磨構造、あるいは、固定砥粒を固着していない織布、不織布、発泡体フィルム、植毛布を研磨テープとして用いて遊離砥粒を含む研磨剤を供給する湿式研磨構造を採用することがあり、よって、ここでいう研磨テープTは、固定砥粒を固着した構造の研磨テープや固定砥粒を固着していない構造の研磨テープも含むものである。
【0016】
この場合、上記テープ移送機構Cとして、図1図2図3図6の如く、支持機体Aの連結部材Aに上記研磨機体Bが取り付けられ、研磨機体Bに取付板Bを設け、取付板Bに巻取軸B及び空リールRを巻取回転させる巻取用モータMを配設し、巻取用モータMにより歯車機構5を介して巻取回転され、研磨機体Bに歯車機構5のカバー5aを設け、歯車機構5は互いに歯合する歯車5b及び歯車5cからなり、実巻リールRから巻き解かれた研磨テープTは空リールRに掛回され、繰出軸B及び実巻リールRは上記巻取軸B及び空リールRの巻取回転により上記研磨テープTを介して巻解回転され、上記巻取用モータMの回転により研磨テープTは実巻リールRから空リールRへと図2中の矢印方向のテープ移送T方向に連続的又は間欠的に移送Tされるように構成している。
【0017】
又、この場合、上記遊転防止機構Eとして、図2図7の如く、上記繰出軸Bに摩擦部材Eが取り付けられ、上記研磨機体Bに筒部材6が取り付けられ、筒部材6に球状の摩擦体7、バネ8及び止めねじ9を内装し、バネ8により摩擦体7を摩擦部材Eの表面に弾圧して摩擦部材Eに回転抵抗を付与するように構成され、研磨テープTの不測の繰出回転による弛み現象を防いだり、研磨テープTに適度な緊張力を付与して研磨テープTの移送Tの円滑化及び移送Tの安定性を高めるようにしている。
【0018】
又、この場合、上記揺振機構Fにあっては、図2図3図4図5の如く、上記研磨機体Bに取付部材Bを取付け、取付部材Bに揺振部材10を摺動台11及びガイド12により上記テープ移送T方向と直交するテープ幅方向に揺振動作H自在に設け、取付部材Bの上部に揺振用モータ13を取付けると共に駆動軸14を回転自在に設け、揺振用モータ13の主軸と駆動軸14とを継手15により連結し、駆動軸14と揺振部材10との間に偏心輪機構16を介装し、この場合、駆動軸14に駆動軸14の回転軸線Oに対して偏心量εの回転軸線Oを有する偏心軸部14aを形成し、偏心軸部14aに偏心輪17を回転自在に設け、上記揺振部材10に嵌合凹部10aを形成し、嵌合凹部10aに偏心輪17周面に接する対向一対の接触面10b・10bを形成し、揺振用モータ13による偏心輪17の偏心回転により揺振部材10をテープ幅方向に揺振動作Hさせるように構成している。
【0019】
さらに、この場合、上記圧接機構Dとして、図2図3の如く、上記揺振部材10にシリンダ部18・18を二個並列配設し、シリンダ部18・18の二個のプランジャ18a・18aの下端部に進退部材19を架設し、進退部材19に上記研磨テープTを折返案内可能な圧接部材Dを回転軸線Pを中心として回転自在に設け、進退部材19に研磨テープTの両側端面を案内する前後一対のテープガイド20・20を左右に二組取付け、シリンダ部18・18のプランジャ18a・18aにより圧接部材Dを介して研磨テープTの研磨面Tを被加工物Wの被研磨面Wに圧接Nさせるように構成している。
【0020】
又、この場合、上記被加工物Wを保持する保持機構Gとして、図8図11の如く、上記支持機体Aに対向配置され、被加工物Wを保持可能な保持部材21を備えて構成され、この場合、上記保持機構Gとして負圧吸着機構22が用いられ、上記保持部材21は水平旋回自在に設けられ、保持部材21の上面に上記被加工物Wを載置可能な載置面21aが設けられ、保持部材21を連続的又は間欠的に旋回させる水平旋回機構23を設け、水平旋回機構23として、この場合、図8図9図10図11の如く、機台1に保持取付台24を取付け、保持取付台24に回転軸25を軸受部26により回転自在に設け、回転軸25の下部に従動プーリ27を設け、保持取付台24に旋回用モータ28を取付け、旋回用モータ28の主軸に図示省略の駆動プーリを取付け、駆動プーリと従動プーリ27との間に駆動ベルト29を巻回し、回転軸25に上記保持部材21を取付け、旋回用モータ28により駆動ベルト29を介して保持部材21を連続的又は間欠的に旋回させるように構成されている。
【0021】
さらに、この場合、上記負圧吸着機構22として、図8図9図10図11の如く、保持部材21の外周面に環状部材30を嵌着し、環状部材30に図示省略の負圧源に接続された吸引口部30aを設け、環状部材30の吸引口部30aと保持部材21の吸引路21bとを連通形成し、保持部材21の載置面21aに載置された被加工物Wを吸着又は負圧解除により保持釈放可能に設けて構成している。なお、上記実施の形態例においては、上記保持機構Gとして、負圧を利用した負圧吸着機構22を採用しているが、これに代えて、挟持機構や押圧機構等の所謂、機械的、機構的な保持機構を採用することもある。
【0022】
又、この場合、上記支持機体A、研磨ユニットKU及び保持機構Gを同期制御する構造となっている。この同期制御とは、例えば、上記支持機体Aの移動機構、研磨ユニットKU及び上記保持機構Gの動作制御やフィードバック制御を同期させる制御回路を含み、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力ポートを有するコンピュータや各種の回路から構成され、上記研磨ユニットKUの研磨テープTの連続又は間欠移送Tの時間、研磨テープTの移送T速度を制御し、上記保持機構Gの被加工物Wの移動時間、移動速度、回転及び回転停止の間欠回転の間隔時間、被加工物Wの回転速度等をプログラムをそれぞれ同期させて制御するように構成されている。
【0023】
この実施の形態例は上記構成であるから、図1図2図3の如く、研磨ユニットKUは支持機体Aに支持され、研磨ユニットKUに研磨テープTを連続的又は間欠的に移送Tさせるテープ移送機構C及び研磨テープTの研磨面Tを被加工物Wの被研磨面Wに圧接Nさせる圧接機構Dが備えられ、テープ移送機構Cによる研磨テープTの移送T及び圧接機構Dによる被加工物Wの被研磨面Wに対する研磨テープTの研磨面Tの圧接Nにより被加工物Wを研磨加工することができ、例えば、図12の如く、被加工物Wの表面の研磨にあっては、被加工物Wの被研磨面Wに圧接機構Dにより研磨テープTの研磨面Tを圧接Nし、研磨テープTの移送T及び研磨テープTの圧接N並びに支持機体Aの先端の連結部材Aの移動動作の複合動作により被加工物Wの被研磨面Wを研磨テープTの研磨面Tで研磨加工することができ、この際、テープ移送機構Cとして、上記研磨機体Bに繰出軸B及び巻取軸Bを回転自在に配設し、繰出軸Bに研磨テープTが巻回された実巻リールRが装着され、巻取軸Bに空リールRが装着され、実巻リールRから巻き解かれた研磨テープTは空リールRに掛回され、巻取軸B及び空リールRを巻取回転させる巻取用モータMを配設し、繰出軸B及び実巻リールRは上記巻取軸B及び空リールRの巻取回転により上記研磨テープTを介して巻解回転され、上記繰出軸Bに回転抵抗を付与する遊転防止機構Eを設けて構成しているから、単一個の巻取用モータMの回転制御により研磨テープTを連続的又は間欠的に移送Tさせることができ、テープ移送機構Cの全体構造の簡素化、軽量化及び装置コストの低減を図ることができ、それだけ、各種の被加工物Wに対する研磨加工の融通性及び用途の拡大化を確保することができ、かつ、圧接機構Dを備えているから、被加工物Wの被研磨面Wに対する研磨テープTの研磨面Tの圧接Nにより被加工物Wを研磨加工することができ、研磨テープTの移送T及び研磨テープTの圧接Nの相互作用により研磨精度及び研磨面Tの表面粗さを向上することができ、良好な研磨加工を行うことができ、さらに、上記繰出軸Bに回転抵抗を付与する遊転防止機構Eを設けて構成しているから、研磨テープTに適度な緊張力を付与することができ、研磨テープTの不測の繰出回転による弛み現象を防ぐことができ、研磨テープTの移送Tの円滑化及び移送Tの安定性を高めることができ、各種の被加工物Wの被研磨面Wの良好な研磨加工を行うことができる。
【0024】
この場合、図1図2の如く、上記研磨テープTをテープ移送T方向と直交するテープ幅方向に揺振動作Hさせる揺振機構Fを備えているから、図3図5図12の如く、上記研磨テープTをテープ幅方向に揺振動作Hさせることができ、研磨テープTの移送T2及び研磨テープTの圧接N並びに揺振動作Hの相互作用により研磨精度及び研磨面Tの表面粗さを一層向上することができ、良好な研磨加工を行うことができ、又、この場合、図2の如く、上記圧接機構Dに上記研磨テープTを折返案内可能な圧接部材Dを備えてなるから、被加工物Wの被研磨面Wに研磨テープTの研磨面Tを確実に圧接Nさせることができ、円滑かつ良好な研磨加工を行うことができる。
【0025】
又、この場合、図2図7の如く、上記遊転防止機構Eは、上記繰出軸Bに取り付けられた摩擦部材E及び摩擦部材Eの表面にバネ8により弾圧して摩擦部材Eに回転抵抗を付与する摩擦体7からなるので、遊転防止機構Eの構造を簡素化することができ、研磨テープTの移送Tの円滑化及び移送Tの安定性を高めることができ、又、この場合、上記研磨ユニットKUによる研磨構造は乾式構造又は湿式構造であるから、基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープTを用いて潤滑剤を用いない乾式研磨構造や基材に固定砥粒を固着した構造の研磨テープTを用いて潤滑剤を供給しつつ研磨する湿式研磨構造、あるいは、固定砥粒を固着していない織布、不織布、発泡体フィルム、植毛布を研磨テープTとして用いて遊離砥粒を含む研磨剤を供給する湿式研磨構造を被加工物Wの材質や研磨加工の仕様に応じて選択することができ、研磨加工の融通性を高めることができ、それだけ、良好な研磨加工を行うことができる。
【0026】
又、この場合、上記被加工物Wを保持する研磨装置の保持機構Gとして、図8図11の如く、被加工物Wを保持可能な保持部材21を備えているから、上記保持部材21により上記被加工物Wを確実に保持することができると共に保持機構Gにより被加工物Wを保持部材21に確実に保持釈放することができ、良好な研磨加工を行うことができ、又、この場合、図11の如く、上記保持機構Gとして負圧吸着機構22が用いられているから、被加工物Wを保持部材21に確実に保持させることができると共に保持機構Gの構造を簡素化することができ、又、この場合、図11の如く、上記保持部材21は水平旋回自在に設けられ、保持部材21の上面に上記被加工物Wを載置可能な載置面21aが設けられ、保持部材21を連続的又は間欠的に旋回させる水平旋回機構23を設けているから、水平旋回機構23による保持部材21の連続的又は間欠的な旋回動作により被加工物Wの研磨加工の融通性を高めることができ、各種の被加工物Wの種類や様々な仕様に柔軟に対応することができ、多品種対応で専用機に比べて汎用性が高く、用途の融通性及び拡大化を確保することができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、支持機体A、研磨機体B、テープ移送機構C、圧接機構D、圧接部材D、遊転防止機構E、摩擦部材E、揺振機構F、実巻リールR、空リールR、巻取用モータM、摩擦体7、バネ8等の構造、研磨テープTの材質や構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0028】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
KU 研磨ユニット
W 被加工物
被研磨面
T 研磨テープ
研磨面
テープ移送
A 支持機体
B 研磨機体
繰出軸
巻取軸
C テープ移送機構
D 圧接機構
圧接部材
F 揺振機構
H 揺振動作
N 圧接
実巻リール
空リール
M 巻取用モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12