(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】折り畳み可能なパーソナル車両
(51)【国際特許分類】
B62K 15/00 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
B62K15/00
(21)【出願番号】P 2022092413
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2017235725の分割
【原出願日】2017-12-08
【審査請求日】2022-06-07
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】511246142
【氏名又は名称】ドーナ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヨアフ シャブタイ,マザール
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06530589(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0277901(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 15/00
B62K 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作状態及び収納状態を有する折り畳み可能なパーソナル車両であって、前記車両は、前記車両の垂直対称面内に位置する縦軸を有し、前記車両は、
- ボディ部材であって、前記ボディ部材は、座席を保持する上面と、前記縦軸に沿って互いから離間された前端及び後端と、両方とも前記ボディ部材の後端に隣接して配置され、前記垂直対称面に垂直な方向に互いから離間された後部右側面及び後部左側面とを有する、ボディ部材と、
- その動作配向と収納配向との間でピボットされるように、前ピボット軸を介して前記ボディ部材の前部に少なくとも間接的にピボット式に連接され、前記車両の前輪を保持するフロントバーと、
- それぞれ、動作配向及び収納配向をとるべく後ピボット軸を介して前記ボディ部材の後部にピボット式に連接され、前記車両の後輪を保持する2つの後脚と、
- 前記車両がその動作状態にあるときに、リア操縦ハンドルを用いるために前記リア操縦ハンドルをその中に固定して受け入れるように構成された回転可能なリア操縦ポートと、
- 前記車両を操縦するために、その動作状態にあるときに、前記リア操縦ハンドルによる前記回転可能なリア操縦ポートの回転が少なくとも前記フロントバーの下部を回転させるように前記回転可能なリア操縦ポートを前記フロントバーと接続する操縦機構であって、前記操縦機構は、前記ボディ部材内に少なくとも部分的に延び、前記フロントバーがその動作配向からその収納配向にピボットされるときに、前記前ピボット軸の近傍で屈曲されるように構成された少なくとも1つの操縦要素を備える、操縦機構と、
- 前記フロントバーと、それにより前記フロントバーが前記前ピボット軸を中心として前記ボディ部材の前端にピボット式に連接される連接部材とを備えるフロント組立体と、
を備え
、
前記車両の動作状態における前記フロントバーの動作配向においては、前記フロントバーが前記ボディ部材の前方に配置され、前記車両の収納状態における前記フロントバーの収納配向においては、前記フロントバーが前記フロントバーの長さの少なくとも大部分に沿って前記ボディ部材の上面よりも上に配置され且つ前記ボディ部材の上面に沿って延びるように、前記前ピボット軸は前記フロントバーの軸から離間される、車両。
【請求項2】
前記操縦機構は、前記フロントバーに固定して設置されたフロント回転部材と、それぞれ、前記フロント回転部材と前記回転可能なリア操縦ポートとの間に延び、前記回転可能なリア操縦ポートの時計回り又は反時計回りの回転がそれぞれの右区域又は左区域を引っぱり、このような引っぱりが前記フロント回転部材の、続いて前記フロントバーの回転運動をもたらすように、前記フロント回転部材及び前記回転可能なリア操縦ポートに接続される、前記操縦要素を構成する一対の屈曲可能な右ケーブル区域及び左ケーブル区域とをさらに備える、請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、特に、子供の玩具及び車両製品の分野における、折り畳み可能なパーソナル車両に関する。
【背景技術】
【0002】
成人と子供との両方のためのスクーター、車両、及び自転車などの折り畳み可能なパーソナル車両がよく知られている。子供用には、コンパクトな収納及び持ち運びのために車両を折り畳むことができることが時々有益であり得る。
【0003】
分解と折り畳みとの2つの基本原理を中心とした公知の多様なこのような折り畳み可能な車両が存在する。第1のグループの下で、車両は基本部品に分解され、これらは一緒にコンパクトに嵌めることができる。第2のグループの下で、車両のほとんどの部品は、それらの相互接続を維持するが、それらが車両として機能する動作状態と、部品の互いに対する配向及び/又は位置が変化する折り畳まれた収納状態とをとることができる。
【0004】
上記の第2のグループの車両は、例えば、米国特許第6152473号、米国特許第6530589号、及びhttp://www.iimo-life.com/vehicle2_01.htmで説明され、後者は、IIMO Folding Tricycleとして販売される製品である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書で開示される主題は、前述の第2のグループの車両を指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の主題は、動作状態と、極めてコンパクトな形態をとることができる収納状態とを有する、折り畳み可能なパーソナル車両を指す。車両は、その垂直対称面内にあり且つ対称面に垂直な水平基準面を有する、縦軸を有し、収納状態において、対称面と対称面に垂直な垂直面との両方に沿って、その縦軸に沿った方向とこの軸に垂直な方向との両方にそのコンパクトな形態をとる。
【0007】
本明細書で開示される主題の第1の態様によれば、上記の車両は、
- 座席を保持する上面と、縦軸に沿って互いから離間された前端及び後端と、後端に隣接して配置され、対称面に垂直な方向に互いから離間される後部右側面及び後部左側面とを有する、ボディ部材と、
- フロントバー及びフロントバーに設置された前輪であって、フロントバーは、動作配向及び収納配向をとるべくボディ部材にその前端に隣接して少なくとも間接的にピボット式に連接される、フロントバー及び前輪と、
- それぞれ、後輪を備える脚遠位端と、動作配向及び収納配向をとるべく脚がボディ部材の各後部側面にピボット式に連接される脚近位端とを有する、右後脚及び左後脚であって、脚のうちの少なくとも一方は、脚近位端と脚遠位端との間に接続領域を有する右後脚及び左後脚と、
- フロントバーのその動作配向と収納配向との間のピボットが少なくとも1つの接続部材に後脚をボディ部材の各後部側面に沿ってそれらのそれぞれの動作配向と収納配向との間でピボットさせるようにフロントバーを脚のうちの少なくとも一方の接続領域と少なくとも間接的に接続する、少なくとも1つの接続部材と、
を備えることができる。
【0008】
ボディ部材の後部の左右の側面への後脚の近位端のピボット連接と、このような連接のための上記の接続領域(単数又は複数)及び接続部材(単数又は複数)の使用に起因して、車両の後脚は、脚をボディ部材にピボット式に接続するために脚の近位端から離間された位置でそれらの間に延びるどの共通の要素からも自由とすることができる。これは、後脚のピボット角度が、車両の収納状態において、車両の側面図で見られるように各脚の領域の少なくとも大部分がボディ部材の領域の少なくとも大部分と重なる位置を後脚がとることができるほど大きくなることを可能にし、これにより、車両の縦軸に沿った方向とその対称面に沿ったこの軸に垂直な方向との両方におけるこの状態での車両の寸法を本質的に減少させることを可能にする。これは、車両の収納状態において各後脚が少なくともそれらの縦方向の寸法の大部分に沿ってボディ部材と十分に又はほぼ十分に同延とすることができることを意味し、例えば、各後脚は、この端(関連する後輪を含まない)がボディ部材の前端から前方に本質的に突き出ない程度にボディ部材の前端に近いその遠位端を有することができる。この場合、フロントバーは、その収納配向において前輪がボディ部材の前方に配置される種類のものであり、関連する後輪を備える各後脚の少なくとも大部分は、車両の側面図で見られるようにその収納状態においてボディ部材の後端と前輪との間に収容することができ、これにより、この状態でのその縦軸に沿った車両の長さを本質的に減少させることを可能にする。
【0009】
上記の観点から、各脚は、ボディ部材の形状及び幅に対して、車両の収納状態においてその側面図で見られるようにそれらが前述のようにそれらの長さの大部分に沿ってだけでなくそれらの高さの大部分に沿っても、すなわち縦軸に垂直な方向に及び対称面に沿って、重なることができるような形状及び幅を有することができ、収納状態でのこの方向の車両の全高を本質的に減少させることを可能にする。
【0010】
ボディ部材の対応する後部側面に対する車両の右後脚及び左後脚のそれぞれのピボット連接は、ボディ部材の関連する後部側面から突き出る外側部分を有し、後脚の近位端に形成された貫通チャネル内に自由に受け入れられる、対応する連接軸によって提供することができ、貫通チャネルは後脚の内側側面と外側側面との間に延びる。連接軸は、それぞれ、ボディ部材と一体型に形成する又は連接軸の内側部分によってボディ部材に固定的に設置することができる。いずれにしても、各連接軸の外側部分、すなわちボディ部材の関連する後部側面から突き出る部分は、その近位端で脚の内側側面からチャネルに入り、その連接軸自由端で、脚が連接軸から外れることを防止しながら脚の連接軸を中心としたピボットを可能にするべく脚の外側側面に隣接して配置されるストッパと固定的に係合するように構成することができる。これは、例えば、ストッパを構成しその近位端で脚の外側側面のポケット内に受け入れられる対応するナットにねじ込まれるように構成される連接軸係合端によって行うことができる。
【0011】
代替的に、各連接軸は、後脚と一体型に形成され又はそれに固定的に設置されている状態で、その近位端で対応する後脚の内側側面から突き出ることができ、その対応する後部側面でボディ部材内にピボット式に受け入れることができる。
【0012】
右連接軸及び左連接軸は、車両の対称面から離間する又は車両の対称面で出会うことができる。後者の場合、2つの連接軸は、ボディ部材内に配置される中央内側部分と前述のようにその後部側面から突き出る2つの横方向外側部分とを有する単一の軸体として形成することができる。
【0013】
連接軸のそれぞれの内側部分及び外側部分は、共線とすることができ、単一の後ピボット軸に沿って延びることができ、又はそれらは互いに関して角度をなすことができる。
【0014】
2つの後脚の連接軸又は少なくともそれらの外側部分は、それらのそれぞれの後ピボット軸に沿ってそれらの間にゼロでない角度をなして延びることができ、各軸は、それぞれの後部右及び左連接点でボディ部材の後部側面と交差する。
【0015】
2つの脚の後ピボット軸は、それぞれ、車両の背面図で見られるときに基準面と鋭角をなすことができる。これは、ピボット軸が基準面に平行な平面内に位置する状態で後脚が有することになる間隔に対して、それらの動作配向において後脚の遠位端間の増加した間隔を得ることを可能にし得る。
【0016】
加えて又は代替的に、右後ピボット軸及び左後ピボット軸のそれぞれは、車両の対称面に関して鋭角に配向することができる。この場合、後脚の動作配向から収納配向への後ピボット軸を中心としたピボットは、それらの遠位端が対称面により近くなること、例えば、対称面からそれらの近位端と同じ又はほぼ同じ程度に離間されることを可能にし、これにより、対称面に垂直な方向の車両の「収納状態」でのコンパクトさを向上させる。
【0017】
ピボット軸が対称面及び対称面に垂直な平面と鋭角をなす場合、車両の動作状態では後脚の遠位端間の間隔が増加するにもかかわらず、上述の「収納状態」でのコンパクト性が達成される。
【0018】
ボディ部材は、その前部左側面及び前部右側面を備えるボディ前部と、その後部右側面及び後部左側面を備えるボディ後部とを有することができる。前部の左右の側面は、後部の左右の側面よりも対称面の近くに配置することができ、これは対称面に垂直な方向にボディ後部をボディ前部よりも広くすることができることを意味する。
【0019】
加えて、ボディ部材の後部は、ボディ後部の左右の側面の対応する配向によって提供される、その平面図及び背面図のうちの少なくとも1つで見られるように集束する構成を有することができる。この場合、その近位端に隣接する各後脚の内側側面は、ボディ部材の対応する後部側面と同様に同延となるように配向することができ、これらの表面は車両の収納状態と動作状態との両方において互いに密接に接触することができる。例えば、その近位端での接触するボディ部材の後部側面と後脚の内側側面との左右の対のそれぞれの配向は、左右のピボット軸の上記の鋭角のうちの一方又は両方を提供するような配向とすることができ、この場合、これらの軸は、対応する接触面に垂直とすることができる。
【0020】
ボディ部材は、一体型の形態とすることができ、又はいくつかの要素から組み立てることができる。例えば、これらの要素は、それらのリムが車両の対称面で出会い、且つそれらの間に少なくとも部分的に中空の内部を画定するように組み立てられるボディ右部及びボディ左部を含むことができる。
【0021】
フロントバーは、前輪に関連したフロントバーの前輪端とハンドルバーに関連したハンドルバー端との間でフロントバー軸に沿って延びることができる。フロントバー軸は、車両の収納状態においてとられるフロントバーの収納配向にあるときよりも、車両の動作状態においてとられるバーの動作配向にあるときに、車両の縦軸と本質的により大きい角度をなすことができる。具体的には、この構成は、フロントバーの収納配向において、フロントバー軸が縦軸と25度を超えない、より具体的には20度を超えない、さらにより具体的には15度を超えない角度をなすようなものとすることができる。随意的に、フロントバー軸は、車両の収納状態において縦軸に平行又はほぼ平行とすることができる。
【0022】
フロントバーは、それによりフロントバーが前ピボット軸を中心としてボディ部材の前端にピボット式に連接される連接部材をさらに備える、フロント組立体の一部を構成することができ、連接部材は接続部材(単数又は複数)に接続される。車両の動作状態におけるフロントバーの動作配向においてフロントバーがボディ部材の前方に配置され、車両の収納状態におけるその収納配向においてフロントバーがフロントバーの長さの少なくとも大部分に沿ってボディ部材の上面よりも上に配置され且つボディ部材の上面に沿って延びるように、前ピボット軸をフロントバー軸から間隔をおいて配置することができる。
【0023】
上記の構成により、フロントバーは、車両の収納状態において、縦軸から上方に、フロントバー自体の任意の点以外の車両の最高点の距離よりも短い距離に離間されるように配向することができる。この最高点は、例えば、車両の収納状態における前輪及び/又は座席の最高点とすることができる。
【0024】
連接部材は、フロントバーがフロントバー軸を中心として旋回することを可能にする様態でフロントバーを取り囲むフロントバー関連部分と、後脚(単数又は複数)の接続領域(単数又は複数)に取り付けられる端とは反対の端に少なくとも1つの接続部材が取り付けられる後脚関連部分と、連接部材がボディ部材の前端にピボット式に連接されるボディ部材関連部分とを有することができる。
【0025】
少なくとも1つの接続部材は、その長さが車両の動作中及び車両の状態が変化されるときに一定に維持されるように、剛性の材料で作製することができる。より具体的には、接続部材は、連接部材によって押されるときに、対応して後脚をそれらの収納配向からそれらの動作配向に押すことができるのに十分な剛性とすることができる。車両は、連接部材をそれぞれの右及び左後脚の接続領域とそれぞれ接続する、右及び左の2つの接続部材を備えることができる。
【0026】
車両は、前輪に取り外し可能に設置可能な又はこれと一体に組み立てられるペダルをさらに備えることができる。
【0027】
車両は、ボディ部材に沿った座席の位置を調節するようにさらに構成することができる。
【0028】
車両は、座席にいるそのユーザが自分で車両を操縦することを可能にする、又は別の人によって操作される操縦ハンドルを介して車両がその後方から操縦されることを可能にしながらユーザによる操縦を防ぐことを可能にするように構成することができる。この場合、車両は、以下の特徴:
- ハンドルバーの操作によって操縦可能な単一の一体のユニットとして機能するようにその上部と下部を互いに係止すること、及び下部を、上部を含まない別個の操縦機構によって操縦することを可能にし、且つ下部の操縦へのどのような影響も有さずに上部の所望の機能を可能にするように互いから係止解除することができる、フロントバーの一体でない設計と、
- ハンドルバーの操作によってフロントバー又はその上部がフロントバー軸を中心として回転する可能性をなくすべく、少なくともフロントバーの少なくとも上部を車両の動作状態にあるときに移動可能ではない例えばその安全フレームなどの車両の要素に係止するための、フロントバー係止クランプと、
- ボディ部材の後端に設置されたときに回転可能なリア操縦ハンドルと共に用いるための、折り畳み可能なリア操縦機構であって、該機構は、車両を操縦するためにハンドルの操作がフロントバー又はその下部を、フロントバー軸を中心として回転させるようにハンドルをフロントバー又は少なくともその下部と接続するリア操縦機構と、
- 前輪よりも座席により近い場所でボディ部材に少なくとも間接的に固定的に設置可能な、フットレストであって、この場所は、連接部材とすることができ、より具体的には、そのボディ部材関連部分又はその後脚関連部分とすることができ、又はこれらの2つの部分間とすることができ、フットレストは、前輪から取り外されるときに上記のペダルによって構成することができるフットレストと、
のうちの1つ又は複数を有することができる。
【0029】
車両は、フロントバー下部がその動作配向と収納配向との間でピボットされることを可能にする任意の設計の操縦機構を有することができる。このような設計の一例によれば、操縦機構は、以下の要素:
- フロントバーに固定的に設置された、フロント回転部材と、
- ボディ部材の後端に存在し、ハンドル軸を中心としたハンドルの回転が対応してポートを回転させるようにリア操縦ハンドルを固定的に受け入れるように構成された、リア回転可能ポートと、
- それぞれフロント回転部材とポートとの間に延びる右ケーブル区域及び左ケーブル区域を含み、ポートの異なる方向の回転が左区域又は右区域を引っぱり、このような引っぱりがフロント回転部材、続いて、少なくともフロントバーの下部の回転運動をもたらすようにフロント回転部材及びポートに接続される、少なくとも一対のケーブル区域であって、右ケーブル区域及び左ケーブル区域は、前ピボット軸の近傍の位置で屈曲するように構成される少なくとも一対のケーブル区域と、
を備えることができる。
【0030】
右ケーブル区域及び左ケーブル区域は、それらの長さの大部分に沿って車両のボディ部材に沿って及び内部に延びることができる。右ケーブル区域及び左ケーブル区域は、フロント回転部材に及び回転ポートに固定的に取り付けられる1つのケーブルの部品とすることができる。
【0031】
本出願の主題の別の態様によれば、概要の項目の第1のパラグラフで概して説明される車両は、
- 座席を保持する上面と、縦軸に沿って互いから離間された前端及び後端と、後端に隣接して配置され、対称面に垂直な方向に互いから離間される後部右側面及び後部左側面とを有する、ボディ部材と、
- フロントバー及びフロントバーに設置された前輪であって、フロントバーは、動作配向及び収納配向をとるべくボディ部材にその前端に隣接して少なくとも間接的にピボット式に連接される、フロントバー及び前輪と、
- それぞれ脚近位端と後輪が設置される脚遠位端とを有する、右後脚及び左後脚と、
- 対応する右後脚又は左後脚が動作配向及び収納配向をとるべくボディ部材の各後部側面にそれを中心としてピボット式に連接される、右後ピボット軸及び左後ピボット軸であって、後ピボット軸のそれぞれは、後脚の動作配向から収納配向への後ピボット軸を中心としたピボットが、それらの遠位端が対称面により近くなること、例えば、それらの動作配向にあるときよりもそれらの収納配向において対称面からより小さい程度に離間されること、随意的に、対称面からそれらの近位端と同じ又はほぼ同じ程度に離間されることを可能にするように、その平面図において車両の対称面に鋭角に配向される右後ピボット軸及び左後ピボット軸と、
を備えることができる。
【0032】
本明細書で開示される主題のこの態様に係る車両は、本明細書で開示される主題の前述した態様に関して上記で特定される特徴のいずれかをその任意の組み合わせで有することができる。
【0033】
本出願の主題のさらなる態様によれば、概要の項目の第1のパラグラフで概して説明される車両は、
- 座席を保持する上面と、縦軸に沿って互いから離間された前端及び後端と、両方とも後端に隣接して配置され、対称面に垂直な方向に互いから離間される後部右側面及び後部左側面とを備えるボディ部材と、
- フロントバー及びフロントバーに設置された前輪であって、フロントバーは、動作配向及び収納配向をとるべくボディ部材にその前端に隣接して少なくとも間接的にピボット式に連接される、フロントバー及び前輪と、
- それぞれ脚近位端と後輪が設置される脚遠位端とを有する、右後脚及び左後脚と、
- 対応する右後脚又は左後脚が動作配向及び収納配向をとるべくボディ部材の各後部側面にそれを中心としてピボット式に連接される、右後ピボット軸及び左後ピボット軸であって、後ピボット軸のそれぞれは、ピボット軸が基準面に平行な平面内に位置する状態で脚が有することになる間隔に対して、それらの動作配向において後脚の遠位端間の増加した間隔を得るべく、車両の背面図において基準面に対して鋭角に配向される、右後ピボット軸及び左後ピボット軸と、
を備えることができる。
【0034】
本明細書で開示される主題のこの態様に係る車両は、本明細書で開示される主題の前述した態様に関して上記で特定される特徴のいずれかをその任意の組み合わせで有することができる。
【0035】
本出願の主題のさらに別の態様によれば、概要の項目の第1のパラグラフで概して説明される車両は、
- 前部及び後部を有するボディ部材と、
- その動作配向と収納配向との間でピボットされるように、前ピボット軸を介してボディの前部に少なくとも間接的にピボット式に連接され、車両の前輪を保持する、フロントバーと、
- 動作配向及び収納配向をとるべく後ピボット軸を介してそれぞれボディの後部にピボット式に連接され、車両の後輪を保持する、2つの後脚と、
- 車両がその動作状態にあるときにハンドルを用いるためにリア操縦ハンドルを固定的に受け入れるように構成された、回転可能なリア操縦ポートと、
- 車両を操縦するためにその動作状態にあるときにハンドルによるポートの回転が少なくともフロントバーの下部を回転させるように前記ポートをフロントバーと接続する、操縦機構であって、ボディ部材内に少なくとも部分的に延び、フロントバーがその動作配向からその収納配向にピボットされるときに前ピボット軸の近傍で屈曲されるように構成された、少なくとも1つの操縦要素を備える操縦機構と、
を備えることができる。
【0036】
操縦機構は、フロントバーに固定的に設置されたフロント回転部材と、それぞれフロント回転部材とポートとの間に延び、ポートの時計回り又は反時計回りの回転がそれぞれの右区域又は左区域を引っぱり、このような引っぱりがフロント回転部材、続いて、フロントバーの回転運動をもたらすようにフロント回転部材及びポートに接続される、操縦要素を構成する一対の屈曲可能な右ケーブル区域及び左ケーブル区域とをさらに備えることができる。右ケーブル区域及び左ケーブル区域は、ボディ部材内にそれらの長さの大部分に沿って延びることができ、それぞれ前ピボット軸の近傍で屈曲されるように構成される。
【0037】
本明細書で開示される主題のこの態様に係る車両は、本明細書で開示される主題の前述した態様に関して上記で特定される特徴のいずれかをその任意の組み合わせで有することができる。
【0038】
本明細書で開示される主題のまたさらなる態様によれば、概要の項目の第1のパラグラフで概して説明される車両は、望まれるときに子供が車両を操縦できないように構成された乳母車へ変換可能とすることができ、車両は、
- 前部及び後部を有するボディ部材と、
- その動作配向と収納配向との間でピボットされるように、前ピボット軸を介してボディの前部に少なくとも間接的にピボット式に連接され、一対のペダルを設置することができる又は一対のペダルが設置される車両の前輪を保持する、フロントバーと、
- 動作配向及び収納配向をとるべく後ピボット軸を介してそれぞれボディの後部にピボット式に連接され、車両の後輪を保持する、2つの後脚と、
を備え、車両は、以下の特徴:
- ハンドルバーの操作によって操縦可能な単一の一体のユニットとして機能するようにその上部と下部を互いに係止すること、及び下部を、上部を含まない別個の操縦機構によって操縦することを可能にし、且つ下部の操縦へのどのような影響も有さずに上部の所望の機能を可能にするように互いから係止解除することができる、フロントバーの一体でない設計と、
- ハンドルバーの操作によってフロントバー又はその上部がフロントバー軸を中心として回転する可能性をなくすべく、少なくともフロントバーの上部を車両の動作状態にあるときに移動可能ではない、例えばその安全フレームなどの車両の要素に係止するための、フロントバー係止クランプと、
- ボディ部材の後端に設置されたときに回転可能なリア操縦ハンドルと共に用いるための、折り畳み可能なリア操縦機構であって、車両を操縦するためにハンドルの操作がフロントバーの下部を、フロントバー軸を中心として回転させるようにハンドルをフロントバーと接続するリア操縦機構と、
- 前輪よりも座席により近い場所でボディ部材に少なくとも間接的に固定的に設置可能なフットレストであって、この場所は、連接部材とすることができ、より具体的には、そのボディ部材関連部分又はその後脚関連部分とすることができ、又はこれらの2つの部分間とすることができ、フットレストは、前輪から取り外されるときにペダルによって構成することができる、フットレストと、
のいずれか1つ、いずれか2つ、いずれか3つ、又はすべてをさらに有する。
【0039】
本明細書で開示される主題のこの態様に係る車両は、本明細書で開示される主題の前述した態様に関して上記で特定される特徴のいずれかをその任意の組み合わせで有することができる。
【0040】
本明細書で開示される主題をよりよく理解するため及びこれが実際にどのように実施され得るかを例示するために、ここで実施形態を限定ではない単なる例として添付図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1A】その動作状態で示される、本出願の主題の一実施形態に係る折り畳み可能な三輪車の概略的な斜視図である。
【
図1B】その座席部が取り外されている状態の、
図1Aに示された三輪車の別の概略的な斜視図である。
【
図1G】
図1Eと同じであるがその座席及び安全フレームがない状態の三輪車の平面図である。
【
図1H】その後脚が分解されている状態の、
図1Bと同じ三輪車の斜視図である。
【
図3B】
図3Aに示された三輪車のボディ部材及び後脚の概略的な平面図である。
【
図3D】
図3Cに示された三輪車と同じであるがその右後脚及び車輪がない状態の図である。
【
図3E】
図3Cに示された三輪車と同じであるがそのフロント組立体及びその後輪がない状態の図である。
【
図4A】本明細書で開示される主題の別の実施形態に係る折り畳み可能な三輪車の斜視図である。
【
図4B】本明細書で開示される主題の別の実施形態に係る折り畳み可能な三輪車の側面図である。
【
図5A】本明細書で開示される主題のさらなる実施形態に係る折り畳み可能な三輪車の斜視図である。
【
図5B】本明細書で開示される主題のさらなる実施形態に係る折り畳み可能な三輪車の部分的に分解された概略図である。
【
図5C】フットレストを構成するペダルを備えた状態の、
図5Aに示された三輪車の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上記に挙げた図面は、それぞれ本明細書の全体を通して、
図1A~
図3Eに例示された車両1、
図4A及び
図4Bに例示された車両100、及び
図5A~
図5Cに例示された車両200を含む「車両」として言及される、子供用のいくつかの三輪車を例示する。車両1、100、及び200のそれぞれは、車両の対称面SP内に位置する縦軸Lを有し、且つ、
- 対称面に垂直な本明細書では基準面RPとして言及される平面に沿った車両に乗ることができる、その動作状態と、
- その縦軸Lが基準面と車両の動作状態においてそれらの間に形成される角度を超えない又は少なくとも本質的に超えない角度LRをなすように車両を基準面RP上に自由に置くことができるその収納状態と、
の間で折り畳み可能である。
【0043】
車両の縦軸、対称面、基準面、及び収納状態は、車両1に関する図面にのみ示され、車両1の説明は、車両100及び200に十分に適用することができる。
【0044】
図1Aを参照すると、車両1は、剛性のボディ部材10と、座席部30と、ペダルPを有する前輪W
F付きのフロント組立体50と、それぞれ後輪W
RR及びW
RL付きの右後脚70
R及び左後脚70
Lと、接続機構90とを備える。これらの後脚及びその後輪は同一の設計を有するので、これらの後脚は
図1A以外の図面に単一の参照番号70で表され、その後輪は、以下、W
Rとして表される。
【0045】
図1B及び
図1Gを参照すると、ボディ部材10は、ボディ前端12
Fを含むボディ前部11
Fと、ボディ後端12
Rを含むボディ後部11
Rとを備え、前部及び後部は、車両の動作状態と収納状態との両方において一定の相互配置を有する。ボディ部材は、一体型の形態とすることができ、或いは、いくつかの要素で組み立てることができる。
【0046】
図1Bで見られるように、ボディ部材10は、上方に又は基準面RPから離れる方に面する上面13と、下方に又は基準面RPの方に面する下面14と、ボディ部材の前部の上面と下面との間に延び、ボディ前部11
Fを画定する、前部の左右の側面15
Fと、ボディ部材の後部の上面と下面との間に延び、後脚70がピボット式に連接されるボディ後部11
Rを画定する、後部の左右の側面15
Rとを備える。
図1Gで最も良く見られるように、ボディ部材10の前部の左右の側面15
Fは、後部の左右の側面15
Rよりも対称面SPにより近く、これは、ボディ後部11
Rがボディ前部11
Fよりも対称面SPに垂直な方向により広いことを意味する。
【0047】
図1A及び
図1Cで最も良く見られるように、座席部30は、ボディ後部11
Rによって少なくとも部分的に支持されるようにボディ部材10の上面13に設置される座席32を備える。座席部は、ボディ後部11
Rの上面が座席の領域によって異なる程度に覆われる状態で、ボディ部材に沿った少なくとも2つの異なる位置のうちの1つに設置されるように構成することができる。
【0048】
座席部30は、座席32と一体に組み立てられる又は一体型に形成される固定の背もたれ部35と、折り畳み可能な背もたれ部37とを有する、背もたれ34をさらに備える。背もたれ部37は、車両1の動作状態における背もたれ部37の概して直立した配向と車両の収納状態における背もたれ部37の概して水平な配向との間で、基準面RPに平行な軸XBRを中心としてピボット運動可能であり、固定の座席部分35によって座席32から離間される。加えて、背もたれ部は、車両の動作状態において乗る人/ユーザの背中へのより具合の良い支持を選ぶことを可能にするべく、少なくとも2つの異なる直立位置をとるように構成することができる。
【0049】
座席部30は、この例では、座席32に座っている子供が車両1から落下するのを防ぐことができるその概して水平な動作配向と車両を折り畳むプロセスで用いられる概して垂直な非動作配向との間でピボットする背もたれ部37と同じ軸XBRを中心としてピボットすることができる、随意的な安全フレーム36をさらに備える。安全フレームは、車両に取り外し可能に取り付けることができるように構成することができる。
【0050】
座席は、固定の部分及び/又は安全フレームなしに形成することができ、折り畳み可能な背もたれ部は、それを中心としてピボットすることができる異なる軸を有することができ、この場合、背もたれのピボット軸は、車両の動作状態において安全フレームのピボット軸よりも座席により近く配置される。背もたれは、座席に恒久的にピボット式に設置することができる、剛性の材料で作製することができ、又は背もたれフレーム(図示せず)上に装着されるように構成されたファブリックケーシングの形態とすることができ、又は車両をその動作状態にするべく必要なときに座席に取り外し可能に取り付けることができる。
【0051】
ボディ後部11
Rの形状と、これに後脚70がピボット式に連接される様態を、ここで
図1B、
図1F、
図1G、及び
図1Hを参照してより詳細に説明する。
【0052】
ボディ後部11
Rは、後部の左右の側面15
Rの対応する配向に起因して、その平面図(
図1G)及び背面図(
図1F)で見られるように、集束する構成を有する。より具体的には、これらの側面15
Rは、ボディ後端12
R(
図1G)から離れる方向に且つ基準面RP(
図1F)から離れる方向に互いにより近づいていくように傾斜される。
【0053】
図1Hを参照すると、ボディ部材10の後部側面15
Rは、それぞれ、対応する後脚70をその上に保持するためにその外側部分18がその自由端19と共に後部側面から突き出るようにボディ後部11
R(右の軸だけが見られる)に固定的に設置される連接軸16を備える。連接軸16の各外側部分18は、対応するピボット軸X
RPに沿って延び、ピボット軸X
RPは、関連する後部側面15
Rに垂直に配向され、この後部側面15
Rと後部連接点P
RA(このような点の1つだけが見られる)で交差する。2つの後部の左右の側面15
Rの後部連接点P
RAは、それらを接続する想像線が車両の縦軸Lと交差するように存在することができる(図示せず)。
【0054】
後部側面15
Rは、これに垂直な後軸X
RPが基準面RPと所望の角度をなすように配向される。より具体的には、
図1Fで見られるように、後ピボット軸X
RPは、それぞれ基準面RPと鋭角αをなす。これにより、それらのピボット軸X
RPが基準面RPに平行な平面内に位置する状態で同じ脚が有することになる間隔に対して、それらの動作配向において後脚の遠位端間の増加した間隔Sを得ることができる。加えて、
図1Gで見られるように、各ピボット軸X
RPは、車両の対称面SPに関して鋭角βに配向される。これにより、後脚の後ピボット軸X
RPを中心とした動作配向から収納配向へのピボットが、結果的に、上記の増加した間隔にもかかわらず、対称面からそれらの近位端と同じ又はほぼ同じ程度に離間されるように、それらの遠位端を対称面に確実により近くする。さらに、実際には、上記の角度βに起因して、脚の収納配向にあるときの後脚の遠位端は、それらの近位端よりも互いにより一層近くすることができ、これにより、
図3A及び
図3Bを参照してより詳細に後述するように、対称面に垂直な方向の車両の「収納状態」でのコンパクトさを向上させる。
【0055】
図1B、
図1G、及び
図1Hを参照すると、後脚70のそれぞれは、近位端74、後輪W
Rを支える遠位端76、及び接続機構90(
図1Aでより良く見られる)に関連した脚近位端と脚遠位端との間の接続領域78(
図1B及び
図1Hでは1つだけ見られる)を備える、細長い本体72を有する。各後脚70は、ボディ部材から離れる方に面する後脚外面75と、ボディ部材の方向に面し、接続領域78を備える後脚内面77とをさらに備える。
【0056】
後脚70のそれぞれには、その近位端に隣接して貫通チャネル79が形成され、貫通チャネル79は、後脚の内側側面77と外側側面75との間に延び、脚が連接軸から外れることを防止しながら脚の連接軸を中心としたピボットを可能にするべく、脚の内側側面から連接軸16の外側部分18を受け入れ、且つ外側側面から連接軸16の自由端19と固定的に係合するように構成されたストッパ(図示せず)を受け入れるように構成される。
【0057】
脚の近位端にある各後脚内面77は、車両の収納状態と動作状態との両方においてこれらの表面が互いに密接に接触することができるように、ボディ部材10の対応する後部側面15Rと同様に配向され、これと同延である。
【0058】
車両の動作状態において、脚70は、後輪WRが平面RPに沿って前輪WFから最大距離に配置される動作配向を有する。後輪WRは、後脚70の動作配向において互いに共線の車輪軸XWRを有し、2つの後輪WRが車両1の動作状態において互いに平行に機能的に一緒に走行することを可能にする。
【0059】
図1Dを参照すると、フロント組立体50は、対称面SP内に位置するフロントバー軸X
FBに沿って延び、前輪W
Fに関連したホイール端52A及びハンドルバー57に関連したハンドルバー端52Bを有する、フロントバー52を備える。フロントバー52は、そのハンドルバー57と共に、車両1を操縦するためにフロントバー軸X
FBを中心として旋回するように構成することができる。フロントバー52の動作配向において、そのハンドルバー端52Bは、基準面RPから最大距離に配置される。
【0060】
図1Eを参照すると、ハンドルバー57は、それらの動作配向において、それらの端がフロントバー52及び対称面SPから最大限に離間され、且つそれらがハンドルバー軸X
HBを中心としてそれぞれ回転可能であるように、車両の対称面SPに対して概して横方向に延びるハンドル部58を有し、ハンドルバー軸X
HBは、ハンドル部58の収納配向において、それらの端を対称面SPから最小限に離間することができるように、平面SPに概して平行に延びる。
【0061】
フロントバー52のホイール端52Aに、前輪WFを回転可能に保持するフォーク54が形成される。フォーク54の開口部を通して前輪に設置された対応するペダル軸53によってペダルPがそれぞれ保持され、フォークの開口部をペダル軸は自由に通る。各ペダルは、その軸53に対して横方向に配向される動作配向と、この軸と整列される収納配向との間で旋回するように構成することができる。ペダルは、それらの軸と共に、前輪から取り外し可能とすることができる。
【0062】
図1Cを参照すると、フロント組立体50は、前ピボット軸X
FPを中心としてフロントバー52をボディ部材10の前端12
Fにピボット連接するための連接部材60をさらに備え、前ピボット軸X
FPは、対称面SPに垂直(且つ基準面RPに平行)であり、且つ前連接点P
Fでボディ部材10の前部の各側部15と出会う。前ピボット軸X
FPは車両の縦軸Lと交差する。
【0063】
連接部材60は、前ピボット軸XFPを中心としてボディ部材の前部にピボット運動可能に接続されるボディ部材関連部分62と、フロントバーの2つの端間に位置する区域に沿ってフロントバー52に接続されるフロントバー関連部分64と、接続機構90の一部をなす後脚関連部分66とを備える。フロントバー関連部分64及び後脚関連部分66は、連接部材60の動作配向において、フロントバー関連部分64がボディ部材関連部分62の前方に配置され、且つ後脚関連部分66がボディ部材関連部分62よりも基準面RPにより近く配置されるように形成される。フロントバー52がフロントバー軸XFBを中心として旋回するように構成される説明される例では、フロントバー関連部分64は、スリーブの形態であり、フロントバー52をスリーブ内で旋回可能な様態で受け入れる。
【0064】
連接部材60は、ボタン61を含む係止部を備えることができ、これは、少なくとも車両の動作状態において連接部材60がボディ部材10に係止され、車両の状態を変化させることが望まれるときにだけボタン61を押すことでボディ部材10から係止解除され、前ピボット軸XFPを中心として連接部材60がピボットすることを保証する。
【0065】
図1A、
図1F、及び
図1Hを参照すると、連接部材60は、2つの縦方向の接続要素又はバー92によりフロントバー52を脚70の接続領域78と接続し、各接続要素92は、接続要素92の前接続軸X
FCを中心とした後脚関連部分66に関するピボットを可能にするべく連接部材60の後脚関連部分66の一方の側部に取り付けられる前接続端92Aと、接続要素92の後接続軸X
RCを中心とした後脚70に関するピボットを可能にするべく脚70の一方の接続領域78に取り付けられる後接続端92Bとを有する。接続要素92は、それらの動作中にそれらの寸法が変化なく維持されるように剛性の材料で作製される。
【0066】
ここで、車両1を
図1A~
図1F並びに
図2Aに示されたその動作状態から
図2E、
図3A、及び
図3Cに示されたその収納状態にするために車両1を折り畳むプロセスを例示する、
図2A~
図2Eへの参照を行う。車両は、
図1A~
図1F及び
図2Aでは、平面、すなわち基準面RP(
図1Fに示される)に沿った乗ることができるその動作状態で示され、
図2E、
図3A、及び
図3Bでは、その縦軸が該平面と動作状態においてそれらの間に形成される角度を超えない角度をなすようにこのような平面上に自由に置くことができるその収納状態で示される。このプロセスは、車両1をそれらの動作配向からそれらの収納配向にするときに車両1の要素がそれを中心としてピボット/旋回されることになる軸に関連して以下で説明され、
図2Aを参照すると、これらの軸は以下の通りである:
- ハンドルバー軸X
HB:これを中心として、ハンドルバー57が、ハンドルバーのハンドル部58がフロントバー52及び対称面SPからそれらの最大距離に配置される
図2Aに示されたそれらの動作配向から、ハンドルバーのハンドル部58がフロントバー52及び対称面SPからそれらの最小距離に配置される
図2Bに示されたそれらの収納配向へ回転される;
- 背もたれ軸X
BR:これを中心として、
(a)安全フレーム36が、基準面RPと最小角度をなす
図2Aに示されたその動作配向及び同じ構成をとる
図2Eに示されたその収納配向と、基準面RPと最大角度をなす
図2Bに示されたその直立配向との間で回転され、
(b)背もたれ部37が、基準面と最大角度をなす
図2Aに示されたその概して垂直な動作配向から、基準面と最小角度をなす
図2Eに示されたその概して水平な収納配向へ回転される;
- 前ピボット軸X
FP:これを中心として、フロントバー52が連接部材60によって、縦軸L及び基準面RPと最大角度をなす
図2Aに示されたその動作配向と、縦軸L及び基準面RPと最小角度をなす
図2Dに示されたその収納配向との間で時計回り(CW)にピボットされる;
図2Cは、フロントバー52が収納配向に達する前に上記のピボット運動中にとる中間配向を示す;
- 後ピボット軸X
RP(このような軸のうちの1つだけが見られる):これを中心として、後脚70が、対応する接続要素92を介して連接部材60によって引っぱられるときに、後輪が前輪W
Fから最大限に離間される
図2Aに示された後脚の動作配向から、後輪W
Rが前輪W
Fから最小限に離間される
図2Eに示された脚の収納配向へピボットされる;フロントバー52と後脚70が接続機構90によって互いに接続されるので、フロントバーの前ピボット軸X
FPを中心としたCW旋回が、後脚の各軸X
RPを中心とした同様のCW旋回をもたらす;
- 前接続軸X
FC:これを中心として、各接続要素92が連接部材60に対してピボットされる;
- 後接続軸X
RC(
図2A~
図2Eでは見られない):これを中心として、前述のようにフロントバー及び後脚がピボットされるときに、各接続要素92が後脚70に対してピボットされる。
【0067】
したがって、車両1がその動作状態からその収納状態へ折り畳まれるときに、
図2Bに示すように、最初にそのハンドルバーがそれらの収納配向にされ、安全フレームがその直立配向にされ、次いで、
図2C及び
図2Dに示すように、フロントバー及び後脚がそれらの収納配向へピボットされ、次いで、
図2Eに示すように、背もたれがその収納配向へピボットされ、同時に又はその後、安全フレームがその水平配向へピボットされる。加えて、ペダルPが、車両の折り畳まれた状態でのスペースを節約するべく折り畳まれる。車両は、上記のステップを逆の順序で行うことによってその動作状態に戻すことができる。
【0068】
図3Bを参照すると、後ピボット軸X
RP間の角度2βにより、これらの軸を中心として脚70を旋回させたときに、それらの遠位端76がそれらの近位端よりも対称面SPにより近くなり、ボディ部材の前端の領域でのその横方向の長さT
Fがボディ部材の後端の領域でのその横方向の長さT
Rを超えることができない又は少なくとも本質的に超えることができないように車両1の収納状態におけるコンパクトな構成が可能となる(
図3A)。車両1の収納状態において、後輪軸X
WRは、
図3Aで明瞭に見られるように互いに或る角度をなすことになることも分かる。
【0069】
図3A及び
図3Eを参照すると、各後脚がボディ部材の後部の対応する側部に個々に連接されることにより、脚の動作配向から収納配向へのピボット角度は、その収納配向において各後脚がボディ部材の前端の近くにその遠位端を有し、この端から前方に本質的に突き出ないようにするだけ大きい。その結果、
図3Cで見られるように、その側面図で見られる車両の収納状態において、各後脚及び関連する後輪は、ボディ部材の後端と前輪との間に主に収まり、これにより、この状態での基準面に沿った車両の長さを減少させることが可能となる。
【0070】
さらに、
図3Eを参照すると、各後脚70は、ボディ部材10の形状及び幅に対して、車両の収納状態において、それらが車両の側面図において前述のようにそれらの長さの大部分に沿ってだけでなくそれらの高さの大部分に沿っても重なることができるような形状及び幅を有し、脚70が車両の収納状態においてボディ部材から下方に突き出ないようにする。
【0071】
図3Dを参照すると、フロントバー軸X
FBは前ピボット軸X
FPと一致しない、すなわち、バー52は連接部材60により前ピボット軸X
FPに関してオフセットOSされているので、バー52によって行われる回転運動は、車両の収納状態において、その軸X
FBが縦軸Lと極めて小さい角度γをなすように、且つそのハンドルバー端52Bが、基準面RPから、基準面RPと前輪W
Fの最高点との間の距離を少なくとも超えない距離に離間されるだけ低く配置されている状態で座席32よりも上に存在するように、バー52を配置することを可能にすることに注目される。この例では、上記の設計は、折り畳み可能な背もたれ部37を上方からハンドルバー端52B上に閉じることを可能にする。
【0072】
さらに、
図3Dで見られるように、車両の収納状態において、前輪W
F及び後輪W
R(左の後輪だけが示されている)は、ボディ部材10の底面14から下方に突き出ない。
【0073】
ここで
図4A及び
図4Bに移ると、子供が一人で乗ることができる車両と、そのフロントバー52全体を車両の後方から別の人、例えば大人が操縦可能な乳母車と、の両方として用いられるように構成される、概して100で表される車両が示される。前述した車両1の構成要素と同じ車両100の構成要素は同じ参照番号で表される。加えて、車両100は、リア操縦ハンドル80と、ハンドル80の回転運動をフロントバー52の回転運動に変換するためのリア操縦機構を有する。
【0074】
特に、操縦機構は、フロントバー52に固定的に取り付けられ、それと共に旋回するように構成された、フロント回転部材86(
図4Bに点線で概略的に示される)と、ボディ部材後部内に配置され、操縦ハンドル80によって旋回されるように構成された、リアポート87と、同じく
図4Bに点線で概略的に示されるようにボディ部材10内でフロント部材とリアポートとの間に延び、右及び左の側部において、それぞれ、それらの一方の端がフロント部材86にその直径方向反対側2個所で固定的に取り付けられ且つそれらの他方の端がリアポート87にその直径方向反対側それぞれで固定的に取り付けられる、一対の右及び左操縦ケーブル区域84と、を備える。
【0075】
この構成は、ケーブル区域84をフロント部材86及びリアポート87に固定的に取り付けているので、ケーブル区域84のうちの1つを引っぱると、フロント部分86がフロントバー52のフロントバー軸XFBを中心として旋回し、これにより、フロントバー52が旋回して車両の操縦が可能となるような構成である。
【0076】
ケーブル区域は、車両100がその動作状態からその収納状態へ折り畳まれるときにそれらが前ピボット軸XFPの付近で屈曲することを可能にする、自転車ブレーキケーブルに用いられるのと同じ種類のものとすることができる、屈曲可能な材料で作製される。
【0077】
図5Aは、子供が単独で乗るように構成された車両として、又は別の人によって操作されるリア操縦ハンドル(図示せず)により操縦されることになる乳母車としても用いることができる車両200を例示する。車両200は、前述した車両1及び100の構成要素と概して同じ構成要素を有し、その違いは、車両200のこれらの構成要素の一部に関して、それらを実装することができる1つの特定の様態に関するさらなる詳細が
図5Bで提供されることである。しかしながら、これらの構成要素は、概して他の様態で実装することができることを理解されたい。さらに、
図5Bは、これらの構成要素のすべての詳細を提示するものではなく、200をつけた車両1及び100の説明で用いられた参照番号に対応する参照番号によって以下に記載され表されるものだけを提示するものと考えられるべきである。
図5Bは、標準の又は自明の構造要素は示さないことにも留意されたい。分解された状態でこの図に示されるほとんどの要素は、車両200の右側(
図5A及び
図5Bで最もよく見られる)に関係しており、これは車両200の左側の鏡像であり、ゆえに、他に特に示されない限り、車両の右側に関して示されたのと同じ要素がその左側にも存在することも理解されたい。
【0078】
したがって、車両200は、右及び左ハウジング部品210を有する中空のハウジングを備え、右及び左ハウジング部品210は、それぞれ、前部外面215
F及び後部外面215
R(右ハウジング部品210のものだけが見られる)と、前部内面215
F’及び後部内面215
R’(
図5Bでは左ハウジング部品210のものだけが見られる)を備える。ハウジング部品210は、
図5Aに示すようにそれらのリムに沿って組み立てられるときにボディ部材210を構成し、この場合、2つのハウジング部品の前部側面215
Fがそれらの間にボディ部材の前部211
Fを画定し、2つのハウジング部品の後部側面215
Rがそれらの間にボディ部材の後部211
Rを画定する。この例では、ボディの前部と後部は、ボディ部材の中間部211
Intによって互いから離間され、ボディ部材の中間部211
Intの外面及び内面(図に符号なし)は、それぞれ、前部側面215
Fと後部側面215
Rとの間及び前部内面215
F’と後部内面215
R’との間に配置される。
【0079】
図5Bで見られる右ハウジング部品210及び左後脚270を参照すると、2つのハウジング部品の後部外面215
Rは、それぞれ、この表面が車両1の後部表面15
Rに関連して前述したのと同様に配向されるように形成された、ボディ部材の後部211
Rの一部をなす突出部217に属する。各突出部217は、その後部外面215
Rに対して垂直に配向された外側部分218を有し、且つ自由端219を有する、連接軸216を固定的に保持する。
【0080】
図5Bの右脚及び左脚270を参照すると、これらはそれぞれ、後脚外面275及び後脚内面277と、それらの間に延びる貫通チャネル279とを有し、貫通チャネル279は、脚の内側側面277から連接軸216の外側部分218を、及び脚の外側側面275からストッパ310を受け入れるように構成され、ストッパ310は、そこでチャネル279が終端するポケット312内に受け入れられ、脚が連接軸から外れることを防止しながら脚の連接軸を中心としたピボットを可能にするべく連接軸216の自由端219と固定的に係合するように構成される。
【0081】
図5Bの左後脚270をさらに参照すると、各後脚は、その内側側面277に接続領域278を備え、接続領域278は、この例では、内側側面277から突き出るピンの形態であり、それに2つの縦方向の接続バー292のうちの1つとその後接続端292Bで接続して、接続バー292の後脚270に関するピボットを可能にするように構成される。各接続バー292は、フロント組立体250の一部をなす連接部材260に取り付けられる前接続端292Aをさらに有する。
【0082】
図5Bに示すように、連接部材260は、
- 接続機構290(図に符号なし)の一部をなす、2つの接続バー292がそれらの前接続端292Aでピボット運動可能に接続される2つの側部を有する、後脚関連部分266と、
- ボディ前部211
F(
図5Aで見られる)にピボット運動可能に接続される、ボディ部材関連部分262と、
- フロントバー252の上部252Bが連接部材に直接接続されないようにフロントバー252の下部252Aを回転可能に受け入れる、フロントバー関連部分264と、
を備える。
【0083】
フロントバー252の上部252A及び下部252Bは、係止体320(
図5Aと
図5Bとの両方で見られる)によって互いに係止されたときに互いに固定的に接続されて単一の一体のフロントバーユニットを構成し、互いから係止解除されたときに機能的に接続解除されることにより詳細に後述するリア操縦機構によって下部を操縦することが可能となり且つ上部が固定的な配向を有するか又は下部から独立して回転可能となるように、互いに組み立てられる。
【0084】
図5Bにさらに示されるように、車両200は、その動作配向において連接部材260を係止するための右係止機構及び左係止機構を備え、両方の係止機構は、前ピボット軸X
FPに沿って動作し、それぞれ、
- その円周に沿った突起のパターンを有する、ばね付き係止要素265(ばねは267で別に表される)と、
- 対応するハウジング部品210(
図5Bでは左ハウジング部品で見られる)の前部内面215
F’に形成され、その動作配向においてばね付き係止要素265を内部に嵌め込むことができるように係止要素の突起のパターンに対応する凹部の周方向パターンを有する、係止キャビティ268と、
- 連接部材260のボディ部材関連部分262の対応するハウジング部品に面する側部に形成され、係止要素265の突起のパターンに対応する凹部の周方向パターンを有する、連接キャビティ271であって、ばね267及び係止要素265を恒久的に受け入れ、係止要素に軸方向の押し込み力が及ぼされる、したがってばねが押されるときに、係止要素が連接キャビティへより深く入ることを可能にするように構成された、連接キャビティ271と、
- プロング281を有する、ボタン261と、これに対応する形状に設定され、ハウジング部品210の前部内面215
F’と前部外面215
Fとの間に延びるように形成され、車両200の動作状態及び収納状態においてボタンがその最も外側の位置にあるときと、ボタンがそのプロング281によってばね付き係止要素265上に軸方向に押す力を及ぼすためにその最も内側の位置へ押されるときとの両方においてボタンのプロング281を受け入れるように構成された、貫通通路283と、
- 連接部材260のボディ部材関連部分262及びフロントバー関連部分264を覆い、必要なときにボタンを押すためにユーザがボタンにアクセスできるようにボタン261を収容するための開口部285を有する、カバー299と、
を備える。
【0085】
したがって、車両200の動作状態において、ばね付き係止要素265は、それらの係止位置にあり、それぞれ係止キャビティ268内に収容されており、連接キャビティ271内へ最小限に突き出る。車両200の状態を動作状態から収納状態に変化させるときに、右及び左の係止機構が連接部材260を係止解除するべく同時に操作され、これにより、連接部材260が車両1に関連して前述したように前ピボット軸XFPを中心としてその動作配向からその収納配向にピボットすることが可能となる。
【0086】
係止解除は、右及び左のボタン261を押すことによって開始され、これにより、プロング282が係止要素265上に軸方向に押す力を及ぼして、係止要素265を係止キャビティ268から連接キャビティ271へ最大限に移動させる。この係止解除位置において、係止要素265は、もはや連接部材260がボディ部材210に関してピボットすることを防ぐことができず、係止要素265は、連接部材260と一緒にピボットし、連接部材260が係止要素265と共にその動作配向に戻るようにピボットされて係止要素が係止キャビティ268と位置合わせされるまで、そのように係合されたままである。この位置合わせが達成されるときに、各係止要素265が、その対応するばね267によって係止キャビティ268内のその係止位置に押し戻される。
【0087】
車両200は、
図4A及び
図4Bに示された車両100に関して説明したようにハンドル80(
図5A及び
図5Bには図示せず)と共に用いるための、ハンドルのピボット運動をフロントバー252のピボット運動に変換する、リア操縦機構をさらに備える。操縦機構は、
- 連接部材260のフロントバー関連部分264の内部に配置され、フロントバー252に固定的に取り付けられ、フロントバー252と共に旋回するように構成された、フロント回転部材286と、
- 一対の右及び左操縦ケーブル区域284を有し、ケーブル区域284のうちの1つを引っぱるとフロント回転部材286がフロントバー252と共に旋回することにより車両の操縦が可能となるように、ケーブル区域284の一方の端がそれに固定的に取り付けられ、ケーブル区域284の他方の端がフロント回転部材286に固定的に取り付けられる、リアポート287と、
- その内部がケーブル通路(図に符号なし)と合流し、ケーブル区域284がケーブル通路、ボディ部材210の内部、及びフロントピース286を通っている状態でリアポート287をハンドル80によって回転されることが可能な様態で受け入れるべくボディ部材の後部211
R内に固定される、リアポートカップ289(ハウジング左部分と組み立てられた状態で示される)と、
を備える。
【0088】
連接部材260をフロントバー252及びフロント部材286と一緒にピボットさせることによって車両が動作状態から収納状態へ折り畳まれるときに右及び左ケーブル区域284が望みどおりに確実に屈曲されるようにするために、ケーブル区域は、それぞれ右又は左のボタン261のプロング281の間を通り、プロングをケーブル区域が屈曲されるべきケーブル区域の位置に固定することができるように、ボディ部材210内に延びる。
【0089】
車両200は、フロントバー252の上部252Bを安全フレーム236に係止するためにその安全フレーム236に取り付けられたフロントバー係止クランプ300をさらに備え、これは、その動作配向にあるときに(
図5Bで見られるように)、フロントバーの下部が操縦されるときにこの部分が固定の配向を有するようにする。
【0090】
最後に、車両のペダルPは、前述のように及び
図5Aに示されるように両方とも前輪W
Fに設置可能であり、収容された子供が動かすことと、連接部材260が
図5Cに示すようにその後脚関連部分266で前輪W
Fよりも座席部30により近く配置されたフットレストを構成し、したがって車両200の乳母車としての使用を容易にすることを可能にする。座席部30は、少なくとも2つの位置に設置するように構成することができ、その位置のうちの1つは
図5A及び
図5Cに示され、もう1つ(図示せず)はフロントバー252により近い。