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特許7284858カプセル型センサ埋設工法及びその埋設システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】カプセル型センサ埋設工法及びその埋設システム
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/00 20060101AFI20230524BHJP
   G01V 15/00 20060101ALN20230524BHJP
【FI】
E02D1/00
G01V15/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022129044
(22)【出願日】2022-08-12
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】322006892
【氏名又は名称】株式会社アスカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】田邉 君男
(72)【発明者】
【氏名】山本 一生
(72)【発明者】
【氏名】田辺 英夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸一
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-52222(JP,A)
【文献】特開平7-190871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 1/00- 1/08
G01V 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられるカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中にカプセルの設置仕様に基づくカプセル設置位置に埋設するための埋設工法であって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記カプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程と、該削孔ロッド内に該カプセルを該埋設深さに対応するカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程と、該充填材投入後、該カプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該カプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該カプセル設置位置のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該カプセルを該カプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程と、該カプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程とを含んでなることを特徴とするカプセル型センサ埋設工法。
【請求項2】
河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられる複数個のカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中に各カプセルの設置仕様に基づく最下位のカプセル設置位置から最上位のカプセル設置位置へと順次、多段状に埋設するための埋設工法であって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記最下位に設置されるカプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程と、該削孔ロッド内に上記多段状に設置される該各々のカプセルを該各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程と、該充填材投入後、該各々のカプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該各々のカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該各々のカプセル設置位置の各々のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該各々のカプセルを該各々のカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程とを含み、これら上記ガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入工程、上記カプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設工程及び上記カプセル埋設工程が各々のカプセル設置位置への埋設毎に順次繰り返され、該最上位に設置されるカプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程とを含んでなることを特徴とするカプセル型センサ埋設工法。
【請求項3】
上記削孔工程に、上記埋設孔を削孔する円筒状の削孔ロッドの内周面内に地上から泥水を圧送注入し、該圧送した泥水を削孔ロッドの下端部から噴出させ、該泥水及び削孔により生ずる掘削屑を削孔ロッドの外周面と埋設孔の内面との間隙から地上に排出させる泥水循環工程を含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載のカプセル型センサ埋設工法。
【請求項4】
上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面から上記充填材の上面までの深さを計測する深さ計測工程を含んでなることを特徴とする請求項2記載のカプセル型センサ埋設工法。
【請求項5】
河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられるカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中にカプセルの設置仕様に基づくカプセル設置位置に埋設するための埋設システムであって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記カプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔部と、該削孔ロッド内に該カプセルを該埋設深さに対応するカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置部と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入部と、該充填材投入後、該カプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該カプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入部と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該カプセル設置位置のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設部と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該カプセルを該カプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設部と、該カプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻部とを備えてなることを特徴とするカプセル型センサ埋設システム。
【請求項6】
河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられる複数個のカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中に各カプセルの設置仕様に基づく最下位のカプセル設置位置から最上位のカプセル設置位置へと順次、多段状に埋設するための埋設システムであって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記最下位に設置されるカプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔部と、該削孔ロッド内に上記多段状に設置される該各々のカプセルを該各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置部と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入部と、該充填材投入後、該各々のカプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該各々のカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入部と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該各々のカプセル設置位置の各々のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設部と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該各々のカプセルを該各々のカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設部とを備え、これら上記ガイドパイプの挿入配置、上記充填材の投入、上記カプセルの挿入、上記カプセルの仮埋設及び上記カプセルの埋設が各々のカプセル設置位置への埋設毎に順次繰り返され、該最上位に設置されるカプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻部とを備えてなることを特徴とするカプセル型センサ埋設システム。
【請求項7】
上記削孔部に、上記埋設孔を削孔する円筒状の削孔ロッドの内周面内に地上から泥水を圧送注入し、該圧送した泥水を削孔ロッドの下端部から噴出させ、該泥水及び削孔により生ずる掘削屑を削孔ロッドの外周面と埋設孔の内面との間隙から地上に排出させる泥水循環部を備えてなることを特徴とする請求項5又は6記載のカプセル型センサ埋設システム。
【請求項8】
上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面から上記充填材の上面までの深さを計測する深さ計測部を備えてなることを特徴とする請求項6記載のカプセル型センサ埋設システム。
【請求項9】
上記吸引管は軟質な合成樹脂製の管材で形成され、該吸引管に硬質な合成樹脂製の被覆管を挿通して二重管構造としてなることを特徴とする請求項5又は6記載のカプセル型センサ埋設システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、河川護岸、河川高水敷、川床、海岸護岸等の洗掘現象、土砂流出、漏水等の検出に用いられるカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中に埋設するためのカプセル型センサ埋設工法及びその埋設システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のカプセル型センサとしては、例えば、図14の如く、球殻状のカプセル筐体CS内に制御部、ICタグ部、センサ部、アンテナ部等の回路部CS及び電源部としての電池CSを水密状態に内装した構造のものが知られており、しかして、図15の如く、このカプセルCSを予め河川護岸等の地中GNに埋設しておき、河川の氾濫等により河川護岸の洗掘現象等が生じたとき、地中GNに埋設されたカプセルCSは洪水により土砂と共に流出し、流出によりカプセルCSは回転、傾転あるいは反転し、水面Wに浮遊可能な自由状態となり、カプセルCSの回転等が傾斜センサ、加速度センサ、慣性センサ、振動センサ、その他の各種センサを有する上記センサ部により検出され、洗掘現象等がカプセルCSにより検出され、センサ部により洗掘現象等が検出されるとカプセルCSのアンテナ部から無線信号が継続して送出され、無線信号は地上の受信装置のアンテナが受信し、この受信信号は信号処理部により警報情報として利用され、河川護岸の洗掘現象等の監視及び水害発生の予兆を把握捕捉することになる。
【0003】
従来、この種の河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられるカプセルを地中に埋設する工法としては、バックホー、ショベルカー、クラムシェル等の土木建設機械により地中を所定の深さまで掘削し、掘削後、カプセルをカプセルの設置仕様に基づくカプセル設置位置に設置し、バックホー等により覆土を行い、カプセル型センサを埋設するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5654542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記埋設工法の場合、バックホーの使用に伴う掘削深さや掘削場所の制約、大量の土砂仮置き場、土留め材、水替え等の付帯設備が必要となり、このため、カプセルの埋込位置の融通性の低下や埋設コストの低減を図ることができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の工法の発明は、河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられるカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中にカプセルの設置仕様に基づくカプセル設置位置に埋設するための埋設工法であって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記カプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程と、該削孔ロッド内に該カプセルを該埋設深さに対応するカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程と、該充填材投入後、該カプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該カプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該カプセル設置位置のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該カプセルを該カプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程と、該カプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程とを含んでなることを特徴とするカプセル型センサ埋設工法にある。
【0007】
又、請求項2記載の工法の発明は、河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられる複数個のカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中に各カプセルの設置仕様に基づく最下位のカプセル設置位置から最上位のカプセル設置位置へと順次、多段状に埋設するための埋設工法であって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記最下位に設置されるカプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程と、該削孔ロッド内に上記多段状に設置される該各々のカプセルを該各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程と、該充填材投入後、該各々のカプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該各々のカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該各々のカプセル設置位置の各々のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該各々のカプセルを該各々のカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程とを含み、これら上記ガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入工程、上記カプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設工程及び上記カプセル埋設工程が各々のカプセル設置位置への埋設毎に順次繰り返され、該最上位に設置されるカプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程とを含んでなることを特徴とするカプセル型センサ埋設工法にある。
【0008】
又、請求項3記載の工法の発明は、上記削孔工程に、上記埋設孔を削孔する円筒状の削孔ロッドの内周面内に地上から泥水を圧送注入し、該圧送した泥水を削孔ロッドの下端部から噴出させ、該泥水及び削孔により生ずる掘削屑を削孔ロッドの外周面と埋設孔の内面との間隙から地上に排出させる泥水循環工程を含んでなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の工法の発明は、上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面から上記充填材の上面までの深さを計測する深さ計測工程を含んでなることを特徴とするものである。
【0009】
又、請求項5記載のシステムの発明は、河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられるカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中にカプセルの設置仕様に基づくカプセル設置位置に埋設するための埋設システムであって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記カプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔部と、該削孔ロッド内に該カプセルを該埋設深さに対応するカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置部と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入部と、該充填材投入後、該カプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該カプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入部と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該カプセル設置位置のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設部と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該カプセルを該カプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設部と、該カプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻部とを備えてなることを特徴とするカプセル型センサ埋設システムにある。
【0010】
又、請求項6記載のシステムの発明は、河川護岸の洗掘現象等の検出に用いられる複数個のカプセル型センサ(以下、単に「カプセル」ともいう。)を地中に各カプセルの設置仕様に基づく最下位のカプセル設置位置から最上位のカプセル設置位置へと順次、多段状に埋設するための埋設システムであって、上記地中に円筒状の削孔ロッドにより上記最下位に設置されるカプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔部と、該削孔ロッド内に上記多段状に設置される該各々のカプセルを該各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置部と、該削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を該削孔ロッドの内周面と該ガイドパイプの外周面との間隙を介して該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間に投入する充填材投入部と、該充填材投入後、該各々のカプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態で該ガイドパイプの内周面により地盤面から該各々のカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入部と、該ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いて該ガイドパイプの外周面と該埋設孔の内面との間の充填材で該各々のカプセル設置位置の各々のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設部と、該真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて該充填材で該各々のカプセルを該各々のカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設部とを備え、これら上記ガイドパイプの挿入配置、上記充填材の投入、上記カプセルの挿入、上記カプセルの仮埋設及び上記カプセルの埋設が各々のカプセル設置位置への埋設毎に順次繰り返され、該最上位に設置されるカプセル埋設後、該削孔ロッド、該吸引管、該真空パッド及び該ガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻部とを備えてなることを特徴とするカプセル型センサ埋設システムにある。
【0011】
又、請求項7記載のシステムの発明は、上記削孔部に、上記埋設孔を削孔する円筒状の削孔ロッドの内周面内に地上から泥水を圧送注入し、該圧送した泥水を削孔ロッドの下端部から噴出させ、該泥水及び削孔により生ずる掘削屑を削孔ロッドの外周面と埋設孔の内面との間隙から地上に排出させる泥水循環部を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項8記載のシステムの発明は、上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面から上記充填材の上面までの深さを計測する深さ計測部を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項9記載のシステムの発明は、上記吸引管は軟質な合成樹脂製の管材で形成され、該吸引管に硬質な合成樹脂製の被覆管を挿通して二重管構造としてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の如く、請求項1及び請求項5記載の発明にあっては、上記削孔部において、地中に円筒状の削孔ロッドによりカプセルの設置仕様に基づく地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程がなされ、削孔後、上記ガイドパイプ挿入配置部において、削孔ロッド内にカプセルを埋設深さに対応するカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程がなされ、次いで、上記充填材投入部において、削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を削孔ロッドの内周面とガイドパイプの外周面との間隙を介してガイドパイプの外周面と埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程がなされ、次いで、上記カプセル挿入部において、充填材投入後、カプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態でガイドパイプの内周面により地盤面からカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程がなされ、次いで、上記カプセル仮埋設部において、ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いてガイドパイプの外周面と埋設孔の内面との間の充填材でカプセル設置位置のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程がなされ、次いで、上記カプセル埋設部において、真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて充填材でカプセルをカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程がなされ、次いで、上記埋戻部において、カプセル埋設後、削孔ロッド、吸引管、真空パッド及びガイドパイプの抜き去りにより生ずる埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程がなされ、カプセル型センサの地中埋設が完了することになり、したがって、上記削孔部における削孔工程、上記ガイドパイプ挿入配置部におけるガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入部における充填材投入工程、上記カプセル挿入部におけるカプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設部におけるカプセル仮埋設工程、上記カプセル埋設部におけるカプセル埋設工程、上記埋戻部における埋戻工程が順次なされ、これにより、カプセル型センサの地中埋設を行うことができ、土木建設機械による掘削作業に伴う大量の土砂仮置き場、土留め材等の付帯設備が不要となり、さらには、カプセルの設置仕様に基づく掘削深さや掘削場所の制約も緩和され、カプセル型センサの埋設条件の融通性を向上することができ、埋設コストの低減を図ることができ、経済性を向上することができる。
【0013】
又、請求項2及び請求項6記載の発明にあっては、上記削孔部において、地中に円筒状の削孔ロッドにより複数個の各カプセルの設置仕様に基づく最下位に設置されるカプセルの地盤面からの所定の埋設深さに応じた深さの埋設孔を削孔する削孔工程がなされ、削孔後、上記ガイドパイプ挿入配置部において、削孔ロッド内に上記多段状に設置される各々のカプセルを各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置まで挿入案内可能な内周面をもつガイドパイプを挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程がなされ、次いで、上記充填材投入部において、削孔ロッドを所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材を削孔ロッドの内周面とガイドパイプの外周面との間隙を介してガイドパイプの外周面と埋設孔の内面との間に投入する充填材投入工程がなされ、次いで、上記カプセル挿入部において、充填材投入後、各々のカプセルを真空ポンプに接続された吸引管の下端部の真空パッドで負圧吸着した吊下状態でガイドパイプの内周面により地盤面から各々のカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入工程がなされ、次いで、上記カプセル仮埋設部において、ガイドパイプを所定の深さまで引き抜いてガイドパイプの外周面と埋設孔の内面との間の充填材で各々のカプセル設置位置の各々のカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設工程がなされ、次いで、上記カプセル埋設部において、真空ポンプによる真空パッドの負圧吸着を解除して吸引管及び真空パッドを引き抜いて充填材で各々のカプセルを各々のカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設工程がなされ、最下位のカプセルの埋設が完了し、その後、上記ガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入工程、上記カプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設工程及び上記カプセル埋設工程が繰り返され、最下位よりも上方の次位置のカプセルの埋設が完了し、その後、上記埋戻部において、埋設孔内の残部空間に充填材や土等の埋戻材を投入して埋め戻す埋戻工程がなされ、上方位置のカプセルの埋設が完了することになり、このようにして、複数個のカプセルを最下位のカプセル設置位置から最上位のカプセル設置位置へと順次、多段状に埋設することになり、したがって、上記削孔部における削孔工程、上記ガイドパイプ挿入配置部におけるガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入部における充填材投入工程、上記カプセル挿入部におけるカプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設部におけるカプセル仮埋設工程、上記カプセル埋設部におけるカプセル埋設工程がなされ、これら上記ガイドパイプ挿入配置工程、上記充填材投入工程、上記カプセル挿入工程、上記カプセル仮埋設工程及び上記カプセル埋設工程が複数個の各々のカプセル設置位置への埋設毎に順次繰り返され、そして、複数個のカプセルのうち、最上位に設置されるカプセルが埋設された後、上記埋戻部における埋戻工程がなされ、これにより、複数個のカプセル型センサの多段状の地中埋設を行うことができ、大量の土砂仮置き場等の付帯設備が不要となり、さらには、カプセルの設置仕様に基づく掘削深さや掘削場所の制約も緩和され、カプセル型センサの埋設条件の融通性を向上することができ、埋設コストの低減を図ることができ、経済性を向上することができる。
【0014】
又、請求項3及び請求項7記載の発明にあっては、上記削孔部における削孔工程に、上記埋設孔を削孔する円筒状の削孔ロッドの内周面内に地上から泥水を圧送注入し、圧送した泥水を削孔ロッドの下端部から噴出させ、泥水及び削孔により生ずる掘削屑を削孔ロッドの外周面と埋設孔の内面との間隙から地上に排出させる泥水循環工程をなす泥水循環部を含んで構成しているから、泥水の循環により削孔により生ずる掘削屑の除去を行うことができ、削孔ロッドの冷却、削孔抵抗の緩和により埋設孔の削孔作業性を向上することができ、又、請求項4記載及び請求項8記載の発明にあっては、上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面から上記充填材の上面までの深さを計測する深さ計測工程を含んでなるから、複数個の各カプセルの設置仕様に基づく各々のカプセル設置位置を把握することができ、各々のカプセルの設置精度を高めることができ、又、請求項9記載の発明にあっては、上記吸引管は軟質な合成樹脂製の管材で形成され、吸引管に硬質な合成樹脂製の被覆管を挿通して二重管構造としてなるから、ガイドパイプ内に泥水が存在しても、カプセルのガイドパイプ内の案内挿入を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の第一形態例の構成系統図である。
図2】本発明の実施の第一形態例の工程説明図である。
図3】本発明の実施の第一形態例の削孔部及び泥水循環部の説明図である。
図4】本発明の実施の第一形態例の工程説明図である。
図5】本発明の実施の第一形態例の工程説明図及び部分拡大図である。
図6】本発明の実施の第一形態例の工程説明図である。
図7】本発明の実施の第二形態例の構成系統図である。
図8】本発明の実施の第二形態例の工程説明図である。
図9】本発明の実施の第二形態例の工程説明図である。
図10】本発明の実施の第二形態例の工程説明図である。
図11】本発明の実施の第二形態例の工程説明図である。
図12】本発明の実施の第二形態例の工程説明図である。
図13】本発明の他の実施の形態例の説明図である。
図14】カプセル型センサの断面図である。
図15】カプセル型センサの使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1乃至図13は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図6は請求項1及び請求項5記載の発明に対応する第一形態例、図7乃至図13は請求項2及び請求項6記載の記載の発明に対応する第二形態例を示している。
【0017】
図1乃至図6の第一形態例においては、その埋設システムとして、大別すると、地中GNに円筒状の削孔ロッド1によりカプセルCSの設置仕様に基づく地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔部Aと、削孔ロッド1内にカプセルCSを埋設深さに対応するカプセル設置位置Pまで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置部Bと、削孔ロッド1を所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入部Cと、充填材3投入後、カプセルCSを真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLからカプセル設置位置Pまで案内挿入するカプセル挿入部Dと、ガイドパイプ2を所定の深さまで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3でカプセル設置位置PのカプセルCSを仮埋設するカプセル仮埋設部Eと、真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3でカプセルCSをカプセル設置位置Pに埋設固定するカプセル埋設部Fと、カプセル埋設後、削孔ロッド1、吸引管ST、真空パッドVP及びガイドパイプ2の抜き去りにより生ずる埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻部Gとを備えて構成している。
【0018】
又、この場合、上記削孔部Aにおいては、図3図4中(イ)の如く、削孔ロッド1は、複数個の円筒状のケーシング1c・・からなり、ケーシング1c・・は必要に応じて互いに軸方向に螺子構造により連結自在に形成され、最下位のケーシング1cの下端部に複数個の刃体1d・・を有する環状のリングビット1eを固着して形成され、削孔機Aにより円筒状の削孔ロッド1を回転及び推進動作させ、地中GNに削孔ロッド1によりカプセルCSの設置仕様に基づく地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔工程Sがなされることになる。この場合、上記ケーシング1c・・の外径は約170mm、内径は約150mmとされ、上記リングビット1eの外径は約180mm、内径は約130mmとされ、上記埋設孔MHの深さLは約10mとされ、又、この場合、図14の如く、上記カプセル型センサCSは、球殻状のカプセル筐体CS内に制御部、ICタグ部、センサ部、アンテナ部等の回路部CS及び電源部としての電池CSを水密状態に内装した構造とされ、カプセル筐体CSの外径は約60mmとされている。
【0019】
又、この場合、上記ガイドパイプ挿入配置部Bにおいては、図5中(ロ)の如く、削孔ロッド1内にカプセルCSを埋設深さに対応するカプセル設置位置Pまで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程Sがなされることになる。この場合、上記ガイドパイプ2は、内径は約70mm、外径は約80mmの金属製管材が用いられている。又、この場合、上記ガイドパイプ2の挿入及び引き抜き作業はガイドパイプ2を図外のクレーンにより吊下した状態で作業者により行うようにしている。
【0020】
又、この場合、上記充填材投入部Cにおいては、図5中(ハ)の如く、削孔ロッド1を所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入工程Sがなされることになる。この場合、上記充填材3として、例えば、粒径約2.5mm~約5.0mmの7号砕石や砂利等が用いられている。
【0021】
又、この場合、上記カプセル挿入部Dにおいては、図5中(ニ)の如く、充填材3投入後、カプセルCSを真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLからカプセル設置位置Pまで案内挿入するカプセル挿入工程Sがなされることになる。この場合、図5中(ニ)の部分拡大図の如く、上記吸引管STは軟質な合成樹脂製の管材が使用され、吸引管STを硬質な合成樹脂製の被覆管STに挿通して二重管構造としている。この吸引管STを被覆管STに挿通して二重管構造とすることにより、ガイドパイプ2内に泥水MWが存在しても、カプセルCSのガイドパイプ2内の案内挿入を容易に行うようにしており、又、上記真空パッドVPを有する吸引管STの挿入及び引き抜き作業は作業者により行うようにしている。
【0022】
又、この場合、上記カプセル仮埋設部Eにおいては、図6中(ホ)の如く、ガイドパイプ2を所定の深さまで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3でカプセル設置位置PのカプセルCSを仮埋設するカプセル仮埋設工程Sがなされることになる。すなわち、ガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3が流下し、カプセル設置位置PのカプセルCSを覆うことになる。
【0023】
又、この場合、上記カプセル埋設部Fにおいては、図6中(ヘ)の如く、上記真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3でカプセルCSをカプセル設置位置Pに埋設固定するカプセル埋設工程Sがなされることになる。
【0024】
又、この場合、上記埋戻部Gにおいては、図6中(ト)の如く、カプセル埋設後、削孔ロッド1、吸引管ST、真空パッドVP及びガイドパイプ2の抜き去りにより生ずる埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻工程Sがなされることになる。この場合、埋戻材4の投入作業は作業者により行うようにしている。
【0025】
更に、この場合、上記削孔工程S、上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S及び上記埋戻工程Sの各工程に加えて、図4中(イ)の如く、上記削孔部Aにおける削孔工程Sに、上記埋設孔MHを削孔する円筒状の削孔ロッド1の内周面1a内に地上から泥水MWを圧送注入し、圧送した泥水MWを削孔ロッド1の下端部から噴出させ、泥水MW及び削孔により生ずる掘削屑SL(スライムともいう。)を削孔ロッド1の外周面1bと埋設孔MHの内面MHとの間隙GPから地上に排出させる泥水循環工程Sをなす泥水循環部Hを備えて構成している。この場合、泥水循環部Hは、図3図4中(イ)の如く、泥水貯留槽RT、泥水回収ポンプMP、泥水タンクT、篩振動構造の泥水分離機DS、泥水圧送ポンプSPから構成され、削孔ロッド1の外周面1bと埋設孔MHの内面MHとの間隙GPから地上に排出される上記泥水MW及び掘削屑SLを泥水貯留槽RTに貯留し、泥水回収ポンプMPにより泥水貯留槽RT内の上記泥水MW及び掘削屑SLを泥水分離機DSに送り、泥水分離機DSは泥水MWから掘削屑SLを分離し、泥水分離機DSにより泥水MWを泥水タンクT内に貯留し、掘削屑SLは廃棄され、泥水MWは泥水圧送ポンプSPにより上記削孔ロッド1内に上方から再び圧送注入され、削孔ロッド1内における泥水循環が行われることになる。
【0026】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図3図4中(イ)の如く、上記削孔部Aにおいて、地中GNに円筒状の削孔ロッド1によりカプセルCSの設置仕様に基づく地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔工程Sがなされ、削孔後、上記ガイドパイプ挿入配置部Bにおいて、図5中(ロ)の如く、削孔ロッド1内にカプセルCSを埋設深さに対応するカプセル設置位置Pまで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程Sがなされ、次いで、上記充填材投入部Cにおいて、図5中(ハ)の如く、削孔ロッド1を所定の深さ、例えば、カプセル設置位置Pより上方位置まで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入工程Sがなされ、次いで、上記カプセル挿入部Dにおいて、図5中(ニ)の如く、充填材3投入後、カプセルCSを真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLからカプセル設置位置Pまで案内挿入するカプセル挿入工程Sがなされ、次いで、上記カプセル仮埋設部Eにおいて、図6中(ホ)の如く、ガイドパイプ2を所定の深さ、例えば、カプセル設置位置Pより上方位置まで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3でカプセル設置位置PのカプセルCSを仮埋設するカプセル仮埋設工程Sがなされ、次いで、上記カプセル埋設部Fにおいて、図6中(ヘ)の如く、真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3でカプセルCSをカプセル設置位置Pに埋設固定するカプセル埋設工程Sがなされ、次いで、上記埋戻部Gにおいて、図6中(ト)の如く、カプセル埋設後、削孔ロッド1、吸引管ST、真空パッドVP及びガイドパイプ2の抜き去りにより生ずる埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻工程Sがなされ、カプセル型センサCSの地中埋設が完了することになる。
【0027】
したがって、図1図2の如く、上記削孔部Aにおける削孔工程S、上記ガイドパイプ挿入配置部Bにおけるガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入部Cにおける充填材投入工程S、上記カプセル挿入部Dにおけるカプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設部Eにおけるカプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設部Fにおけるカプセル埋設工程S、上記埋戻部Gにおける埋戻工程Sが順次なされ、これにより、カプセル型センサCSの地中埋設を行うことができ、土木建設機械による掘削作業に伴う大量の土砂仮置き場、土留め材等の付帯設備が不要となり、さらには、カプセルCSの設置仕様に基づく掘削深さや掘削場所の制約も緩和され、カプセル型センサCSの埋設条件の融通性を向上することができ、埋設コストの低減を図ることができ、経済性を向上することができる。
【0028】
又、この場合、図3図4中(イ)の如く、上記削孔部Aにおける削孔工程Sに、上記埋設孔MHを削孔する円筒状の削孔ロッド1の内周面1a内に地上から泥水MWを圧送注入し、圧送した泥水MWを削孔ロッド1の下端部から噴出させ、泥水MW及び削孔により生ずる掘削屑SLを削孔ロッド1の外周面1bと埋設孔MHの内面MHとの間隙GPから地上に排出させる泥水循環工程Sをなす泥水循環部Hを含んで構成しているから、泥水MWの循環により削孔により生ずる掘削屑SLの除去を行うことができ、削孔ロッド1の冷却、削孔抵抗の緩和により埋設孔MHの削孔作業性を向上することができ、又、この場合、上記吸引管STは軟質な合成樹脂製の管材で形成され、吸引管STに硬質な合成樹脂製の被覆管STを挿通して二重管構造としてなるから、ガイドパイプ2内に泥水MWが存在しても、カプセルCSのガイドパイプ2内の案内挿入を容易に行うことができる。
【0029】
図7乃至図13の第二形態例においては、上記第一形態例と同一態様部分には符号を付して説明すると、その埋設システムとして、大別すると、地中GNに円筒状の削孔ロッド1により複数個の各カプセルCS・・の設置仕様に基づく最下位に設置されるカプセルCSの地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔部aと、削孔ロッド1内に上記多段状に設置される各々のカプセルCS・・を各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置P・・まで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置部bと、削孔ロッド1を所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入部cと、充填材3投入後、各々のカプセルCS・・を真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLから各々のカプセル設置位置P・・まで案内挿入するカプセル挿入部dと、ガイドパイプ2を所定の深さまで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3で各々のカプセル設置位置P・・の各々のカプセルCS・・を仮埋設するカプセル仮埋設部eと、真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3で各々のカプセルCS・・を各々のカプセル設置位置P・・に埋設固定するカプセル埋設部fとを備え、これら上記ガイドパイプ2の挿入配置、上記充填材3の投入、上記カプセルCSの挿入、上記カプセルCSの仮埋設及び上記カプセルCSの埋設が各々のカプセル設置位置P・・への埋設毎に順次繰り返され、最上位に設置されるカプセル埋設後、削孔ロッド1、吸引管ST、真空パッドVP及びガイドパイプ2の抜き去りにより生ずる埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻部gとを備えて構成している。
【0030】
又、この場合、上記削孔部aにおいては、図3図9中(イ)の如く、削孔ロッド1は、上記第一形態例と同様に形成され、削孔機aにより円筒状の削孔ロッド1を回転及び推進動作させ、地中GNに削孔ロッド1により複数個の各カプセルCS・・の設置仕様に基づく最下位に設置されるカプセルCSの地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔工程Sがなされることになる。この場合、削孔ロッド1の外径等の形状や上記埋設孔MHの深さLは上記第一形態例と同様に形成され、又、上記カプセル型センサCSは、上記第一形態例と同様に形成されている。
【0031】
又、この場合、上記ガイドパイプ挿入配置部bにおいては、図10中(ロ)の如く、削孔ロッド1内に上記多段状に設置される各々のカプセルCS・・を各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置P・・まで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程Sがなされることになる。この場合、上記ガイドパイプ2の内径等の形状は上記第一形態例と同様に形成されている。
【0032】
又、この場合、上記充填材投入部cにおいては、図10中(ハ)の如く、削孔ロッド1を所定の深さまで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入工程Sがなされることになる。この場合、上記充填材3として、上記第一形態例と同様なものが用いられている。
【0033】
又、この場合、上記カプセル挿入部dにおいては、図10中(ニ)の如く、充填材3投入後、各々のカプセルCS・・を真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLから各々のカプセル設置位置P・・まで案内挿入するカプセル挿入工程Sがなされることになる。この場合、上記吸引管STは上記第一形態例と同様に合成樹脂製の被覆管STに挿通して二重管構造とし、ガイドパイプ2内に泥水MWが存在しても、カプセルCSのガイドパイプ2内の案内挿入を容易に行うようにしている。
【0034】
又、この場合、上記カプセル仮埋設部eにおいては、図10中(ホ)の如く、ガイドパイプ2を所定の深さまで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3で各々のカプセル設置位置P・・の各々のカプセルCS・・を仮埋設するカプセル仮埋設工程Sがなされることになる。
【0035】
又、この場合、上記カプセル埋設部fにおいては、図10中(ヘ)の如く、上記真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3で各々のカプセルCS・・を各々のカプセル設置位置P・・に埋設固定するカプセル埋設工程Sがなされることになる。
【0036】
又、この場合、深さ計測部iにおいて、図10中(ト)の如く、上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面GLから上記充填材3の上面までの深さを計測する深さ計測工程Sを備えて構成している。この場合、深さ計測部iは、帯状メジャーiの下端部に重錘iを吊下し、重錘iを充填材3の上面に当接して地盤面GLから充填材3の上面までの深さを計測するようにしている。
【0037】
これら上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S及び上記深さ計測工程Sが、図10中(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)、次いで、図11中(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)、(ヲ)の如く、各々のカプセル設置位置P・・への埋設毎に順次繰り返されることになる。
【0038】
又、この場合、上記埋戻部gにおいては、図12中(ワ)の如く、最上位に設置されるカプセル埋設後、削孔ロッド1、吸引管ST、真空パッドVP及びガイドパイプ2の抜き去りにより生ずる埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻工程Sがなされることになる。
【0039】
更に、この場合、上記第一形態例と同様に、上記削孔工程S、上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S、上記深さ計測工程S、上記埋戻工程Sの各工程に加えて、図9中(イ)の如く、上記削孔部aにおける削孔工程Sに、上記埋設孔MHを削孔する円筒状の削孔ロッド1の内周面1a内に地上から泥水MWを圧送注入し、圧送した泥水MWを削孔ロッド1の下端部から噴出させ、泥水MW及び削孔により生ずる掘削屑SLを削孔ロッド1の外周面1bと埋設孔MHの内面MHとの間隙GPから地上に排出させる泥水循環工程Sをなす泥水循環部hを備えて構成している。この場合、上記泥水循環部hは、上記第一形態例と同様に形成され、削孔ロッド1内における泥水循環が行われることになる。
【0040】
この実施の第二形態例は上記構成であるから、図3図9中(イ)の如く、上記削孔部aにおいて、地中GNに円筒状の削孔ロッド1により複数個の各カプセルCS・・の設置仕様に基づく最下位に設置されるカプセルCSの地盤面GLからの所定の埋設深さに応じた深さLの埋設孔MHを削孔する削孔工程Sがなされ、削孔後、上記ガイドパイプ挿入配置部bにおいて、図10中(ロ)の如く、削孔ロッド1内に上記多段状に設置される各々のカプセルCS・・を各々の埋設深さに対応する各々のカプセル設置位置P・・まで挿入案内可能な内周面2bをもつガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置工程Sがなされ、次いで、上記充填材投入部cにおいて、図10中(ハ)の如く、削孔ロッド1を所定の深さ、例えば、カプセル設置位置Pより上方位置まで引き抜き後、砕石や砂利等の充填材3を削孔ロッド1の内周面1aとガイドパイプ2の外周面2aとの間隙GPを介してガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間に投入する充填材投入工程Sがなされ、次いで、上記カプセル挿入部dにおいて、図10中(ニ)の如く、充填材3投入後、各々のカプセルCS・・を真空ポンプVに接続された吸引管STの下端部の真空パッドVPで負圧K吸着した吊下状態でガイドパイプ2の内周面2bにより地盤面GLから各々のカプセル設置位置P・・まで案内挿入するカプセル挿入工程Sがなされ、次いで、上記カプセル仮埋設部eにおいて、図10中(ホ)の如く、ガイドパイプ2を所定の深さ、例えば、カプセル設置位置Pより上方位置まで引き抜いてガイドパイプ2の外周面2aと埋設孔MHの内面MHとの間の充填材3で各々のカプセル設置位置P・・の各々のカプセルCS・・を仮埋設するカプセル仮埋設工程Sがなされ、次いで、上記カプセル埋設部fにおいて、図10中(ヘ)の如く、真空ポンプVによる真空パッドVPの負圧K吸着を解除して吸引管ST及び真空パッドVPを引き抜いて充填材3で各々のカプセルCS・・を各々のカプセル設置位置P・・に埋設固定するカプセル埋設工程Sがなされ、最下位のカプセルCSの埋設が完了し、次いで、深さ計測部iにおいて、図10中(ト)の如く、上記地盤面GLから上記充填材3の上面までの深さを計測する深さ計測工程Sがなされ、充填材3の上面までの深さがカプセルCSの設置仕様に基づくカプセル設置位置Pが低位置の場合、充填材3を補充投入し、その後、上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S及び上記深さ計測工程Sが繰り返され、最下位よりも上方の次位置のカプセルCSの埋設が完了し、その後、上記埋戻部gにおいて、図12中(ワ)の如く、埋設孔MH内の残部空間に充填材3や土等の埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻工程Sがなされ、これにより二個目のカプセルCSの埋設が完了することになる。
【0041】
又、他の実施の形態例として、更に、上記二個目のカプセルCSの上方位置に複数個のカプセル型センサCS・・を多段状に地中埋設する場合には、図13の如く、上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S及び上記深さ計測工程Sを複数回順次、繰り返し、最上位のカプセルCSを埋設した後、埋設孔MH内の残部空間に埋戻材4を投入して埋め戻す埋戻工程Sがなされ、このようにして、複数個のカプセルCS・・を最下位のカプセル設置位置Pから最上位のカプセル設置位置Pへと順次、多段状に埋設することになる。
【0042】
したがって、図7図8の如く、上記削孔部aにおける削孔工程S、上記ガイドパイプ挿入配置部bにおけるガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入部cにおける充填材投入工程S、上記カプセル挿入部dにおけるカプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設部eにおけるカプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設部fにおけるカプセル埋設工程S、上記深さ計測部iにおける深さ計測工程Sがなされ、これら上記ガイドパイプ挿入配置工程S、上記充填材投入工程S、上記カプセル挿入工程S、上記カプセル仮埋設工程S、上記カプセル埋設工程S及び上記深さ計測工程Sが複数個の各々のカプセル設置位置P・・への埋設毎に順次繰り返され、そして、複数個のカプセルCS・・のうち、最上位に設置されるカプセルCSが埋設された後、上記埋戻部gにおける埋戻工程Sがなされ、これにより、複数個のカプセル型センサCS・・の多段状の地中埋設を行うことができ、上記第一形態例と同様に、大量の土砂仮置き場等の付帯設備が不要となり、さらには、カプセルCSの設置仕様に基づく掘削深さや掘削場所の制約も緩和され、カプセル型センサCSの埋設条件の融通性を向上することができ、埋設コストの低減を図ることができ、経済性を向上することができる。
【0043】
又、この場合、上記第一形態例と同様に、図3図9中(イ)の如く、上記削孔部aにおける削孔工程Sに、上記埋設孔MHを削孔する円筒状の削孔ロッド1の内周面1a内に地上から泥水MWを圧送注入し、圧送した泥水MWを削孔ロッド1の下端部から噴出させ、泥水MW及び削孔により生ずる掘削屑SLを削孔ロッド1の外周面1bと埋設孔MHの内面MHとの間隙GPから地上に排出させる泥水循環工程Sをなす泥水循環部hを含んで構成しているから、泥水MWの循環により削孔により生ずる掘削屑SLの除去を行うことができ、削孔ロッド1の冷却、削孔抵抗の緩和により埋設孔MHの削孔作業性を向上することができ、又、この場合、上記第一形態例と同様に、図5中(ニ)の部分拡大図の如く、上記吸引管STは軟質な合成樹脂製の管材で形成され、吸引管STに硬質な合成樹脂製の被覆管STを挿通して二重管構造としてなるから、ガイドパイプ2内に泥水MWが存在しても、各々のカプセルCS・・のガイドパイプ2内の案内挿入を容易に行うことができる。
【0044】
又、この場合、深さ計測部iにおいて、図10中(ト)の如く、上記各々のカプセル埋設後、上記地盤面GLから上記充填材3の上面までの深さを計測する深さ計測工程Sを備えて構成しているから、複数個の各々のカプセルCS・・の設置仕様に基づく各々のカプセル設置位置P・・を把握することができ、充填材3の上面までの深さがカプセルCSの設置仕様に基づくカプセル設置位置Pが低位置の場合、充填材3を補充投入することにより、各々のカプセルCS・・の設置精度を高めることができる。
【0045】
尚、本発明は上記実施例のものに限られるものではなく、カプセル型センサCS、埋設孔MH、泥水MW、削孔部A、ガイドパイプ挿入配置部B、充填材投入部C、カプセル挿入部D、カプセル仮埋設部E、カプセル埋設部F、埋戻部G、泥水循環部H、削孔工程S、ガイドパイプ挿入配置工程S、充填材投入工程S、カプセル挿入工程S、カプセル仮埋設工程S、カプセル埋設工程S、埋戻工程S、泥水循環工程S、削孔部a、ガイドパイプ挿入配置部b、充填材投入部c、カプセル挿入部d、カプセル仮埋設部e、カプセル埋設部f、埋戻部g、泥水循環部h、深さ計測部i、削孔工程S、ガイドパイプ挿入配置工程S、充填材投入工程S、カプセル挿入工程S、カプセル仮埋設工程S、カプセル埋設工程S、埋戻工程S、泥水循環工程S、深さ計測工程S、削孔ロッド1、ガイドパイプ2、充填材3、埋戻材4の形状や構造は設計仕様に応じ、適宜変更して設計される。
【0046】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0047】
CS カプセル型センサ
MH 埋設孔
MH 内面
MW 泥水
GN 地中
GL 地盤面
GP 間隙
GP 間隙
P カプセル設置位置
L 深さ
V 真空ポンプ
VP 真空パッド
ST 吸引管
SL 掘削屑
K 負圧
A 削孔部
B ガイドパイプ挿入配置部
C 充填材投入部
D カプセル挿入部
E カプセル仮埋設部
F カプセル埋設部
G 埋戻部
H 泥水循環部
削孔工程
ガイドパイプ挿入配置工程
充填材投入工程
カプセル挿入工程
カプセル仮埋設工程
カプセル埋設工程
埋戻工程
泥水循環工程
a 削孔部
b ガイドパイプ挿入配置部
c 充填材投入部
d カプセル挿入部
e カプセル仮埋設部
f カプセル埋設部
g 埋戻部
h 泥水循環部
i 深さ計測部
削孔工程
ガイドパイプ挿入配置工程
充填材投入工程
カプセル挿入工程
カプセル仮埋設工程
カプセル埋設工程
埋戻工程
泥水循環工程
深さ計測工程
1 削孔ロッド
1a 内周面
1b 外周面
2 ガイドパイプ
2a 外周面
2b 内周面
3 充填材
4 埋戻材
【要約】
【課題】埋設孔によりカプセル型センサの地中埋設を容易に行うことができ、土木建設機械や付帯設備が不要となり、カプセル型センサの埋設条件の融通性を向上することができる。
【解決手段】削孔ロッド1により埋設孔MHを削孔する削孔部と、カプセルCSを埋設深さに対応するカプセル設置位置Pまで挿入案内可能なガイドパイプ2を挿入配置するガイドパイプ挿入配置部Bと、砕石や砂利等の充填材3をガイドパイプの外周面2aと埋設孔の内面MHとの間に投入する充填材投入部Cと、ガイドパイプによりカプセル設置位置まで案内挿入するカプセル挿入部Dと、ガイドパイプの外周面と埋設孔の内面との間の充填材でカプセルを仮埋設するカプセル仮埋設部と、真空パッドVPを引き抜いて充填材でカプセルをカプセル設置位置に埋設固定するカプセル埋設部と、埋設孔内の残部空間に埋戻材を埋め戻す埋戻部とを備えてなる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15