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特許7284878ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20230524BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20230524BHJP
   G01S 17/66 20060101ALI20230524BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20230524BHJP
【FI】
A63B69/00 A
A63B71/06 M
G01S17/66
G01S17/87
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022559913
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 KR2020014925
(87)【国際公開番号】W WO2022080548
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0131501
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522385083
【氏名又は名称】トゥハンズインタラクティブ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TWOHANDSINTERACTIVE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Jaesong-dong) 3rd floor, 19, Jaeban-ro, Haeundae-gu, Busan 48056 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ワンユン
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-224729(JP,A)
【文献】特開2015-109937(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0092389(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2088333(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00、71/06
G01S 17/66、17/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)であって、
本体(110)と、
前記本体(100)の前面に備えられ、床面に、スポーツコンテンツのための映像を投影するプロジェクター部(120)と、
前記プロジェクター部(120)の投影方向に向けて設置されるライダーセンサー部(130)と、
前記ライダーセンサー部(130)を用いて、前記スポーツコンテンツに応じたユーザーの位置を認識して、ユーザーのモーションをトラッキングするモーショントラッキング部(140)と、
一方の末端は前記本体(110)の下端の側面に連結され、他方の末端は前記ライダーセンサー部(130)に連結されることにより、前記ライダーセンサー部(130)が前記本体(110)から、予め定められた距離だけ離間するように連結するセンサー連結部(150)と、
前記プロジェクター部(120)を通じて前記スポーツコンテンツを出力して、拡張現実に基づいて前記スポーツコンテンツをユーザーに提供し、前記モーショントラッキング部(140)でトラッキングされるユーザーのモーションを用いて、前記スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御する制御部(160)と、を備え
前記ライダーセンサー部(130)は、
前記センサー連結部(150)を通じて前記本体(110)の下端の両側面に、それぞれ連結される、2つ以上のライダーセンサーを含み、複数のユーザーの相対位置によるレーザースキャニングシェード領域でのトラッキングエラーを回避して、それぞれのユーザーの位置を把握し、
前記モーショントラッキング部(140)は、
前記ライダーセンサー部(130)を用いて、地面からの予め定められた高さの平面をレーザースキャニングすることでユーザーの足の位置を認識し、ユーザーの足の位置の変化をトラッキングすることで、ユーザーのモーションをトラッキングし、
複数のユーザーが同時に前記スポーツコンテンツを利用して団体スポーツを行うことができることを特徴とする、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【請求項2】
前記ライダーセンサー部(130)は、
レーザーを生成及び照射する光送信モジュール(131)と、
前記ユーザーの身体によって散乱した光信号を集束させる光受信モジュール(132)と、
前記光受信モジュール(132)によって集束された光信号を感知する光感知モジュール(133)と、を含み、
前記モーショントラッキング部(140)は、
前記感知された光信号を用いて、ユーザーのモーションをトラッキングすることを特徴とする、請求項1に記載のライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【請求項3】
前記センサー連結部(150)は、
前記本体(110)の下端の側面にヒンジ構造でもって連結されることを特徴とする、請求項1に記載のライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【請求項4】
前記本体(110)の下端に設置される、移動補助のための補助輪(111)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【請求項5】
トレーナー端末との通信を行い、前記トレーナー端末にユーザーのスポーツコンテンツ利用情報を提供し、前記トレーナー端末から制御信号を受信して、前記制御部(160)へ伝達することにより、前記ユーザーに非接触方式のトレーニングを提供する通信部(170)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【請求項6】
前記本体(110)の前面に備えられ、前記スポーツコンテンツの選択信号の入力を受け、前記スポーツコンテンツに関連するプレー情報を出力するディスプレー部(180)と、
前記スポーツコンテンツに関連する音響を出力するスピーカー部(190)と、をさらに含み、
前記ディスプレー部(180)及びスピーカー部(190)は、
前記通信部(170)が前記トレーナー端末から受信したリアルタイムトレーナー映像を出力することを特徴とする、請求項に記載のライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張現実インタラクティブスポーツ装置に関し、より具体的には、ライダー(LiDAR: Light Detection and Ranging)センサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学の発達に伴って現代人の身体活動が減少し、大多数の現代人に運動不足の現象が発生している。特に、肥満などの生活習慣病に該当する人口が持続的に増加している。また、急激な天候変化や環境汚染、粒子状物質、伝染性疾患などで野外活動が制限される中で、屋内にて十分な身体活動を行える運動に関する関心が高まっている。
【0003】
屋内にて行える最も一般的な運動としてフィットネス(Fitness)があるが、フィットネスは、バランスのとれた健康な体を作り出すこと、又はそのための運動をいう。このようなフィットネスは、専門装備を備えたフィットネスセンターで専門トレーナーのパーソナルトレーニング(Personal Training)を通じて行われる。ところが、現代人は、忙しい日常のため、フィットネスセンターに訪れて定期的に専門トレーナーの指導を受けるのが難しく、高価な講習料によりフィットネスを持続することが非常に難しい。
【0004】
一方、通常のフィットネスは、装備を用いて運動するので、誤った運動による怪我の危険があり、専門装備を用いて行える運動が限られているので飽き・嫌気が来易いという問題点がある。さらに、有酸素運動のためのトレッドミルなどの装備は、運動の過程が単調であり、所定のコースのみが繰り返されるので、ユーザーが運動を途中で止めてしまうことが多いという問題点がある。
【0005】
かかる問題点を解決するために、仮想現実又は拡張現実を用いてスポーツを楽しめる技術が開発されたりもした。関連した先行技術として、韓国公開特許第10-2020-0082990号(発明の名称:VRスポーツによるフィットネス管理方法)等が開示されている。
【0006】
しかし、従来の仮想現実を用いてスポーツを楽しめる技術は、VR装置を頭に着用しなければならないので、動作が不便であって十分な運動効果を得ることが難しいという限界がある。それだけでなく、フィットネスやVRスポーツは、子供と青少年の体力増進及び教育の目的で使用するには限界があり、一般に一人で運動するので、子供と青少年の協同心を養うのには適していない。
【0007】
また、従来技術では、カメラセンシングを用いてユーザーのモーションを認識するが、カメラセンシングを用いれば、複数のユーザーのモーションを同時に認識することができないので、一人ずつ用いるしかなく、複数のユーザーが一緒にスポーツを楽しむことは困難であるという問題点があった。或いは、別途のオブジェクトを利用しなければならないので、スポーツの種類が限定されるという問題点があった。
【0008】
したがって、屋内で、複数のユーザーが一緒に様々なスポーツを楽しめる技術の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、既に提案された方法の上述した問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、床面(床面または地面)にスポーツコンテンツのための映像を投影し、スポーツコンテンツを利用するユーザーのモーションについて、ライダーセンサーを用いてトラッキングして、スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御することにより、別個のオブジェクトや装置を着用することなく、身体だけで屋内でスポーツを楽しむことができ、モーショントラッキングが可能な範囲が広いために床面を効率よく利用することができ、2つのライダーセンサーを用いてユーザーのモーションをトラッキングすることにより、複数のユーザーが同時にスポーツコンテンツを利用する場合でも、迅速かつ正確にそれぞれのユーザーのモーションをトラッキングすることができる、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の特徴によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置は、拡張現実インタラクティブスポーツ装置であって、(1)本体と、(2)前記本体の前面に備えられ、床面にスポーツコンテンツのための映像を投影するプロジェクター部と、(3)プロジェクター部の投影方向に向けて設置されるライダーセンサー部と、(4)前記ライダーセンサー部を用いて前記スポーツコンテンツに応じたユーザー位置を認識してユーザーのモーションをトラッキングするモーショントラッキング部と、(5)一端は前記本体の下端の側面に連結され、他端は前記ライダーセンサー部に連結されることにより、前記ライダーセンサー部が前記本体から所定の距離だけ離間するように連結するセンサー連結部と、(6)前記プロジェクター部を通じて前記スポーツコンテンツを出力して拡張現実に基づいて前記スポーツコンテンツをユーザーに提供し、前記モーショントラッキング部でもってトラッキングされるユーザーのモーションを用いて、前記スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御する制御部と、を備えることをその構成上の特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記ライダーセンサー部は、前記センサー連結部を通じて前記本体の下端の両側面にそれぞれ連結される、2つのライダーセンサーを含むことができる。
【0012】
好ましくは、前記ライダーセンサー部は、レーザーを生成及び照射する光送信モジュールと、前記ユーザーの身体によって散乱した光信号を集束させる光受信モジュールと、前記光受信モジュールによって集束された光信号を感知する光感知モジュールと、を含み、
前記モーショントラッキング部は、前記感知された光信号を用いて、ユーザーのモーションをトラッキングすることができる。
【0013】
好ましくは、前記モーショントラッキング部は、前記ライダーセンサー部を用いて、地面からの予め定められた地点におけるユーザーの足の位置を認識し、ユーザーの足の位置の変化をトラッキングして、ユーザーのモーションをトラッキングすることができる。
【0014】
好ましくは、前記センサー連結部は、前記本体の下端の側面に、ヒンジ構造でもって連結されうる。
【0015】
好ましくは、前記本体の下端に設置された、移動補助のための補助輪をさらに含むことができる。
【0016】
好ましくは、トレーナー端末との通信を行い、前記トレーナー端末にユーザーのスポーツコンテンツ利用情報を提供し、前記トレーナー端末から制御信号を受信して前記制御部へ伝達することにより、前記ユーザーに非接触方式のトレーニングを提供する通信部をさらに備えることができる。
【0017】
さらに好ましくは、前記本体の前面に備えられ、前記スポーツコンテンツの選択信号の入力を受け、前記スポーツコンテンツに関連するプレー情報を出力するディスプレー部と、前記スポーツコンテンツに関連する音響を出力するスピーカー部と、をさらに含み、
前記ディスプレー部及びスピーカー部は、前記通信部が前記トレーナー端末から受信したリアルタイムトレーナー映像を出力することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明で提案している、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置によれば、床面にスポーツコンテンツのための映像を投影し、スポーツコンテンツを利用するユーザーのモーションについて、ライダーセンサーを用いてトラッキングして、スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御することにより、別途のオブジェクトや装置を着用することなく、身一つ(身体だけ)で屋内にてスポーツを楽しむことができ、モーショントラッキングが可能な範囲が広いために床面を効率よく利用することができるのであり、2つのライダーセンサーを用いてユーザーのモーションをトラッキングすることにより、複数のユーザーが同時にスポーツコンテンツを利用する場合でも、迅速かつ正確にそれぞれのユーザーのモーションをトラッキングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置の構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置の様子を示す図(1)である。
図3】本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置の様子を示す図(2)である。
図4】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置のプロジェクター部の投影領域を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置における、ライダーセンサー部の詳細な構成を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置における、シングルライダーセンサー構造を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置における、デュアルライダーセンサー構造を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置がトレーナー端末と通信する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施し得るように、好適な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施形態を詳細に説明するにあたり、関連する公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼやけさせるおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用をする部分については、図面の全体にわたって同一の符号を使用する。
【0021】
また、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に別の素子を介して「間接的に連結」されている場合も含む。さらに、ある構成要素を「含む」というのは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100の構成を示す図であり、図2及び図3は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100の様子を示す図である。図1図3に示すように、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100は、本体110、プロジェクター部120、ライダーセンサー部130、モーショントラッキング部140、センサー連結部150、及び制御部160を含み、通信部170、ディスプレー部180及びスピーカー部190をさらに含んで構成されうる。
【0023】
本体110は、拡張現実インタラクティブスポーツ装置100の胴体を構成するフレームであってもよく、内面に制御部160を含むコンピュータ装置などを備えうる。本体110は、図2に示す直方体の形状であってもよいが、図3に示すような形状であってもよく、具体的な形態や形状は多様に具現されうる。特に、図3に示すように、本体110の下端に設置された、移動補助のための補助輪111をさらに、少なくとも1つ含むことで、拡張現実インタラクティブスポーツ装置100を移動式に実現することにより、必要に応じて場所を自由に移してスポーツコンテンツをプレーすることができる。
【0024】
プロジェクター部120は、本体110の前面に備えられ、床面に、スポーツコンテンツのための映像を投影することができる。図2に示すように、本体110の前面にプロジェクターが設置され、本体110の前でユーザーがスポーツコンテンツの提供を受けることができ、プロジェクターは、壁面ではなく、床面に映像を投影するように方向を調整して設置されうる。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100におけるプロジェクター部120の投影領域10を示す図である。図4に示すように、本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100におけるプロジェクター部120は、床面に長方形の投影領域10をプロジェクション(投影)することができる。このようにプロジェクター部120を用いて床面を十分に活用することにより、モニタや携帯端末、TVなどのディスプレー装置を用いる場合よりも遥かに広い投影領域10を活用して多様なスポーツコンテンツを提供することができる。例えば、投影領域10は、4.5m×2.6mの大きさであり得る。一方、プロジェクター部120は、投影領域10の形状が菱形などに歪まずに長方形となるように、歪みを補正して映像を投影することができる。
【0026】
ライダーセンサー部130は、プロジェクター部120の投影方向に向けて設置されうる。すなわち、投影領域10においてスポーツコンテンツを利用するユーザーのモーションを認識するために、ライダーセンサー部130は、投影領域10をカバーするように配置されうる。ここで、ライダーセンサー部130が含むライダーセンサーはRP Lidar A3であってもよく、レーザースキャニングの範囲は20m程度であってもよい。特に、ライダーセンサー部130は、2つのライダーセンサー130b、130bを含んで構成されうる。ライダーセンサー部130の詳細な構成については、図5を参照して詳細に説明するようにする。
【0027】
モーショントラッキング部140は、ライダーセンサー部130を用いて、スポーツコンテンツに応じたユーザー位置を認識してユーザーのモーションをトラッキングすることができる。より具体的には、モーショントラッキング部140は、ライダーセンサー部130を用いて、地面からの予め定められた地点でのユーザーの足の位置を認識し、ユーザーの足の位置の変化をトラッキングすることで、ユーザーのモーションをトラッキングすることができる。すなわち、ライダーセンサー部130は、地面から5cm程度の高さの平面をレーザースキャニングすることで、ユーザーの足の存否(存在如何)及び位置を検出することができるのであるが、モーショントラッキング部140は、ユーザーの足の位置の変化を、ユーザーのモーションとしてトラッキングすることができる。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100における、ライダーセンサー部130の詳細な構成を示す図である。図5に示すように、本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100のライダーセンサー部130は、レーザーを生成及び照射する光送信モジュール131、ユーザーの身体によって散乱した光信号を集束させる光受信モジュール132、及び光受信モジュール132によって集束された光信号を感知する光感知モジュール133を含んで構成されうるのであり、モーショントラッキング部140は、感知された光信号を用いてユーザーのモーションをトラッキングすることができる。
【0029】
従来のユーザーモーショントラッキング方式としては、カメラを用いたセンシングが多用されている。例えば、超高速カメラセンサー、3Dデプスカメラセンサー、キネクトカメラセンサー(Kinetic camera sensor)などを使用することができる。超高速カメラセンサーは、仮想現実運動などに使用できるが、データ処理を行うためには連続的なトラッキングが不可能であり、定められた位置にて1人ずつ使用しなければならず、別個のオブジェクトが必要であるという限界がある。3Dデプスカメラセンサーは、特定の深度(depth)での変化値を検出して使用するため、特定の深度でイベントを発生させなければならず、1~10人程度の少数のみが同時に利用することができ、別個のオブジェクトが必要であるという限界がある。キネクトカメラセンサーは、被写体のモーションを検出するが、カメラの画角のためにセンシング範囲が狭くなって所定の位置で運動しなければならないので活動範囲が狭く、一度に1人だけ使用することができるという限界がある。
【0030】
上述した従来技術の問題を解決することができる、本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100は、ライダーセンサー部130及びモーショントラッキング部140を含むことにより、別途のオブジェクトや装置を着用することなく、身体(身一つ)だけでも拡張現実スポーツを楽しむことができ、モーショントラッキングが可能な範囲が広いため、投影領域10を含む床面を十分に利用して、あちこち移動して運動することができる。また、ライダーセンサー部130が1~30人の位置を同時にトラッキングすることができるので、団体スポーツにも適用することができ、これにより一緒に運動する楽しみを与え、協同心を養うのに役立つことができる。
【0031】
センサー連結部150は、一端が本体110の下端の側面に連結され、他端はライダーセンサー部130に連結されることにより、ライダーセンサー部130が本体110から所定の距離だけ離間するように連結することができる。より具体的には、図2及び図3に示すように、センサー連結部150は、バー状をなし、本体110の両側面に連結されうる。センサー連結部150の長さは、80~120cm程度、より具体的には100cmとすることができる。また、図3に示すように、センサー連結部150は、本体110の下端の側面とヒンジ構造で連結されることにより、使用しない時や移動時に、センサー連結部150を折り畳んで便利に保管又は移動することができる。
【0032】
一方、ライダーセンサー部130は、センサー連結部150を介して本体110の下端の両側面にそれぞれ連結される2つのライダーセンサーを含むことができる。特に、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100では、2つのライダーセンサーを用いてユーザーのモーションをトラッキングすることにより、迅速かつ正確に複数のユーザーをトラッキングすることができる。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100における、シングルライダーセンサー構造を示す図であり、図7は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100における、デュアルライダーセンサー構造を示す図である。本発明の一実施形態による、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100は、図6に示すように、1つのライダーセンサーを用いてユーザーのモーショントラッキングを行うこともできるが、図7に示すように、2つのライダーセンサーを用いると、ユーザーの相対位置によるトラッキングエラーを回避し、複数のユーザーの位置を干渉なく正確に把握することができる。
【0034】
つまり、ライダーセンサーを用いる場合、レーザースキャニングシェード領域が発生し、シェード領域に位置したオブジェクトは探知することができない。シングルライダーセンサー構造で、2人のユーザーの位置が重複しなければ、それぞれのユーザーのモーショントラッキングに問題がないが、図6に示すように、プレーヤーBがプレーヤーAのレーザースキャニングシェード領域に位置すると、プレーヤーBは、トラッキングが不可能になる。
【0035】
反面、2つのライダーセンサーを用いる場合(デュアルライダーセンサー構造)、第1ライダーセンサー130aによるレーザースキャニングシェード領域は、第2ライダーセンサー130bによってスキャニングされるので、干渉なく複数のユーザーのモーショントラッキングを同時に行うことができる。すなわち、図7に示すように、プレーヤーBがプレーヤーAの第1ライダーセンサー130aのレーザースキャニングシェード領域に位置しても、プレーヤーBのモーションは、第2ライダーセンサー130bによってトラッキングされうる。
【0036】
制御部160は、プロジェクター部120を通じてスポーツコンテンツを出力して拡張現実に基づいてスポーツコンテンツをユーザーに提供するが、モーショントラッキング部140でトラッキングされるユーザーのモーションを用いて、スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御することができる。すなわち、制御部160は、ユーザーとスポーツコンテンツとがインタラクションすることができるように、モーショントラッキング部140でトラッキングされるユーザーのモーションを、スポーツコンテンツの入力信号に変換して伝達することができる。
【0037】
通信部170は、トレーナー端末との通信を行い、トレーナー端末に、ユーザーのスポーツコンテンツ利用情報を提供し、トレーナー端末から制御信号を受信して、制御部160に伝達することにより、ユーザーに非接触方式のトレーニングを提供することができる。ここで、通信部170は、インターネット連結が可能なWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、 Wibro(Wireless Broadband Internet)、3G/4G/5G(3/4/5th Generation Mobile Telecommunication)及びLTE(Long Term Evolution)を含む、様々な無線通信方式が適用されるものと理解できる。
【0038】
ディスプレー部180は、本体110の前面に備えられ、スポーツコンテンツの選択信号の入力を受け、スポーツコンテンツに関連するプレー情報を出力することができる。すなわち、図2に示すように、ディスプレー部180は、本体110の前面に位置することができ、ユーザーがユーザーの情報を入力又は閲覧し、スポーツコンテンツを選択するなど、各種入出力ができるようにタッチスクリーンとして具現されうる。
【0039】
スピーカー部190は、スポーツコンテンツに関連する音響を出力することができる。スピーカーは、本体110の前面や側面などに設置されうるのであり、ディスプレー部180を通じてボリュームが調節されうる。
【0040】
特に、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100は、プロジェクター部120、ライダーセンサー部130、モーショントラッキング部140、制御部160、通信部170、ディスプレー部180、スピーカー部190などが、全て一体に構成されるので、本体110を移動させて特定の場所に置くだけで、容易に所望の場所でスポーツコンテンツを楽しむことができる。
【0041】
図8は、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100がトレーナー端末と通信する様子を示す図である。図8に示すように、本発明の一実施形態によるライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100は、通信部170を通じてトレーナー端末から制御信号を受信して、遠隔でトレーニングサービスを提供することができる。トレーナーは、端末にアプリケーションをインストールし、拡張現実インタラクティブスポーツ装置100からユーザーの運動データの提供を受けて確認することができるのであり、各ユーザーに、適切なスポーツコンテンツを推薦したり、運動姿勢や運動時間などをコーチングしたりするなど、トレーニングデータを提供することができる。
【0042】
ここで、トレーナー端末は、電子装置として実現できる。電子装置は、スマートフォン、タブレット(tablet)PC(personal computer)、携帯電話、ビデオ電話、電子書籍リーダー、デスクトップ(desktop)PC、ラップトップ(laptop)PC、ネットブック(netbook)コンピュータ、ワークステーション(workstation)、サーバー(server)、PDA(personal digital assistant)、メディアボックス、ゲームコンソール、電子辞書又はウェアラブル機器(wearable device)のうちの少なくとも1つを含むことができ、ウェアラブル機器は、アクセサリ型(例えば、時計、指輪、ブレスレット、アンクレット、ネックレス、メガネ、コンタクトレンズ、又はヘッド(頭部)着用型装置(HMD、head-mounted-device)、ファブリック又は衣類との一体型(例えば、電子衣服)、身体付着・取付型(例えば、スキンパッド(skin pad)又は、入れ墨(tattoo seal))、又は生体埋め込み型回路(implantalbe circuit)のうちの少なくとも1つを含むことができる。様々な実施形態において、電子装置は、前述した機器に限定されず、前述した様々な装置のうちの2つ以上の組み合わせであり得る。
【0043】
一方、ディスプレー部180及びスピーカー部190は、通信部170がトレーナー端末から受信したリアルタイムトレーナー映像を出力することができる。すなわち、図8に示すように、リアルタイムトレーナー映像をディスプレー部180及びスピーカー部190へ出力することにより、直接の対面接触なしにも、ユーザーとトレーナーとが遠隔で顔を見てトレーニングサービスを提供したり受けたりすることができる。このために、本体110の前面にカメラを備えて、スポーツコンテンツを利用するユーザーの様子を撮影し、撮影された映像を、通信部170を用いてトレーナー端末へ伝送することができる。
【0044】
上述したように、本発明で提案している、ライダーセンサーを用いた拡張現実インタラクティブスポーツ装置100によれば、床面にスポーツコンテンツのための映像を投影し、ライダーセンサーを用いて、スポーツコンテンツを利用するユーザーのモーションをトラッキングして、スポーツコンテンツとユーザーとの相互作用を制御することにより、別途のオブジェクトや装置を着用することなく、身体だけで屋内にてスポーツを楽しむことができるのであり、モーショントラッキングが可能な範囲が広いために、床面を効率よく利用することができ、2つのライダーセンサーを用いてユーザーのモーションをトラッキングすることにより、複数のユーザーが同時にスポーツコンテンツを利用する場合でも、迅速かつ正確に、それぞれのユーザーのモーションをトラッキングすることができる。
【0045】
以上説明した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々な変形や応用が可能であり、本発明による技術的思想の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0046】
10 投影領域
100 拡張現実インタラクティブスポーツ装置
110 本体
111 補助輪
120 プロジェクター部
130 ライダーセンサー部
130a 第1ライダーセンサー
130b 第2ライダーセンサー
131 光送信モジュール
132 光受信モジュール
133 光感知モジュール
140 モーショントラッキング部
150 センサー連結部
160 制御部
170 通信部
180 ディスプレー部
190 スピーカー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8