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特許7284900パイナップルの果肉削ぎ取り装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】パイナップルの果肉削ぎ取り装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/26 20060101AFI20230525BHJP
   A23N 7/00 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B26D3/26 605C
B26D3/26 605B
A23N7/00 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019109067
(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公開番号】P2020192663
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391004230
【氏名又は名称】株式会社平野製作所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 寿一
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202127786(CN,U)
【文献】特表2015-527080(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0065275(US,A1)
【文献】特開平08-332066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/26
A23N 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイナップルの上下両端部を切断し、その芯部をくり抜いて果肉を円筒状に切断し、果肉が残った果皮を断面円弧状に切断し、この果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るパイナップルの果肉削ぎ取り装置であって、
前記果肉付き果皮が投入される投入口と、
前記投入口から投入された前記果肉付き果皮を掛止する送り板が無端移動可能に複数設置され、前記果肉付き果皮を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記果肉付き果皮を断面円弧状から平面状に展開する展開部材と、
前記展開部材により展開された前記果肉付き果皮から果肉を削ぎ取る削ぎ取り刃と、を備え
前記搬送部材は、前記果肉付き果皮を搬送する方向に低くなるように傾斜して設置されていることを特徴とするパイナップルの果肉削ぎ取り装置。
【請求項8】
パイナップルの上下両端部を切断し、その芯部をくり抜いて果肉を円筒状に切断し、果肉が残った果皮を断面円弧状に切断し、この果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るパイナップルの果肉削ぎ取り方法であって、
前記果肉付き果皮を投入口から投入する投入工程と、
前記投入された前記果肉付き果皮を送り板で掛止して搬送する搬送工程と、
前記搬送された前記果肉付き果皮を断面円弧状から平面状に展開する展開工程と、
前記展開された前記果肉付き果皮から果肉を削ぎ取り刃により削ぎ取る削ぎ取り工程と、を有し、
前記搬送工程では、前記果肉付き果皮を搬送する方向に対して低くなるように搬送されることを特徴とするパイナップルの果肉削ぎ取り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイナップルの上下両端部を切断し、その芯部をくり抜いて果肉を円筒状に切断(以下、ホール抜きともいう。)した後、果肉が残った果皮を例えば半円筒状に切断した場合、その半円筒状の果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るパイナップルの果肉削ぎ取り装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パイナップルをホール抜きした場合、果皮には可食部である果肉がまだ大分残っている。この果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るには、現在では作業員が包丁等を用いて手作業によって行うことが考えられる。しかしながら、この作業は、コスト的に見合わないことから、果肉付き果皮から果肉を削ぎ取ることなく、そのまま廃棄処分にされているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6223054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るには、作業員の手作業によって行っていることから、作業効率が低くコスト的に見合わないという問題がある。したがって、果肉付き果皮から果肉を削ぎ取ることなく、そのまま廃棄されているため、可食部である果肉が無駄になるとともに、廃棄されるごみの量が多くなるという問題がある。
【0005】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ホール抜きして残った果肉付き果皮から果肉を削ぎ取り、果肉の無駄を極力減少させるとともに、廃棄されるごみの量も削減可能なパイナップルの果肉削ぎ取り装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のパイナップルの果肉削ぎ取り装置は、パイナップルの上下両端部を切断し、その芯部をくり抜いて果肉を円筒状に切断し、果肉が残った果皮を断面円弧状に切断し、この果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るパイナップルの果肉削ぎ取り装置であって、前記果肉付き果皮が投入される投入口と、前記投入口から投入された前記果肉付き果皮を掛止する送り板が無端移動可能に複数設置され、前記果肉付き果皮を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送された前記果肉付き果皮を断面円弧状から平面状に展開する展開部材と、前記展開部材により展開された前記果肉付き果皮から果肉を削ぎ取る削ぎ取り刃と、を備え、前記搬送部材は、前記果肉付き果皮を搬送する方向に低くなるように傾斜して設置されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のパイナップルの果肉削ぎ取り方法は、パイナップルの上下両端部を切断し、その芯部をくり抜いて果肉を円筒状に切断し、果肉が残った果皮を断面円弧状に切断し、この果肉付き果皮から果肉を削ぎ取るパイナップルの果肉削ぎ取り方法であって、前記果肉付き果皮を投入口から投入する投入工程と、前記投入された前記果肉付き果皮を送り板で掛止して搬送する搬送工程と、前記搬送された前記果肉付き果皮を断面円弧状から平面状に展開する展開工程と、前記展開された前記果肉付き果皮から果肉を削ぎ取り刃により削ぎ取る削ぎ取り工程と、を有し、前記搬送工程では、前記果肉付き果皮を搬送する方向に対して低くなるように搬送されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のパイナップルの果肉削ぎ取り装置及び方法によれば、ホール抜きして残った果肉付き果皮から果肉を削ぎ取り、果肉の無駄を極力減少させるとともに、廃棄されるごみの量も削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】 本発明に係るパイナップルの果肉削ぎ取り装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。
図2図1の縦断面である。
図3図2の搬送チェーン、果肉シュータ、及び果肉シュータの昇降機構を示す拡大斜視図である。
図4図3の果肉シュータの昇降機構及び展開部材を取り外し、果肉シュータに取り付けられた削ぎ取り刃を示す拡大斜視図である。
図5図4の平面図である。
図6図2の案内板、果肉シュータに取り付けられた削ぎ取り刃を示す拡大斜視図である。
図7図2において投入口に半円筒状の果肉付き果皮を投入した状態を示す縦断面図である。
図8図2の展開部材により半円筒状の果肉付き果皮が平面状に展開されている状態を示す縦断面図である。
図9図8の展開部材の押え板が果肉付き果皮に食い込んでいる状態を示す拡大正面図である。
図10図8において平面状に展開された果肉付き果皮から果肉を削ぎ取っている状態を示す縦断面図である。
図11図10において平面状に展開された果肉付き果皮から果肉を削ぎ取っている状態を示す拡大斜視図である。
図12図11において果肉付き果皮から削ぎ取った果肉と果皮を排出している状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るパイナップルの果肉削ぎ取り装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1の縦断面である。図3は、図2の搬送チェーン、果肉シュータ、及び果肉シュータの昇降機構を示す拡大斜視図である。図4は、図3の果肉シュータの昇降機構及び展開部材を取り外し、果肉シュータに取り付けられた削ぎ取り刃を示す拡大斜視図である。図5は、図4の平面図である。図6は、図2の案内板、果肉シュータに取り付けられた削ぎ取り刃を示す拡大斜視図である。
【0012】
なお、削ぎ取り装置本体は、設置状態において図2に示すように例えば水平に対して45度の角度で傾斜して使用しているものの、各部の位置関係を分かり易くするため、図3及び図4では、水平状態として示している。
【0013】
また、本実施形態のパイナップルの果肉削ぎ取り装置においては、前面カバーが設置されて作業者が対向する側を前側とし、その背面側を後側とするとともに、作業者が前側に向かって右側を右側とし、左側を左側として説明する。さらに、本実施形態のパイナップルの果肉削ぎ取り装置においては、パイナップルをホール抜きした場合、果肉が残った果皮を半円筒状に切断し、その果肉付き果皮から果肉を削ぎ取る例について説明する。
【0014】
図1及び図2に示すように、本実施形態のパイナップルの果肉削ぎ取り装置(以下、果肉削ぎ取り装置という。)1は、平面視コ字形状に形成されたベースフレーム2を備えている。このベースフレーム2は、四隅に果肉削ぎ取り装置1の設置高さを調整可能とし、果肉削ぎ取り装置1の設置位置を決定するアジャスタ3が設置されている。これらのアジャスタ3の近傍のベースフレーム2には、それぞれ果肉削ぎ取り装置1を移動するための車輪4が取り付けられている。
【0015】
ベースフレーム2上には、支持フレーム5が固定されている。この支持フレーム5には、削ぎ取り装置本体6及び電装ボックス7が設置され、削ぎ取り装置本体6に図示しない駆動用モータを覆うモータカバー8が取り付けられている。電装ボックス7には、削ぎ取り装置本体6の電源をオン、オフする電源スイッチ9a、削ぎ取り装置本体6の駆動をオンにする作動スイッチ9b、削ぎ取り装置本体6の駆動をオフする停止スイッチ9c、非常停止スイッチ10、及び各種電気系統等が取り付けられている。モータカバー8は、削ぎ取り装置本体6を駆動する図示しない駆動用モータを覆うように設置されている。
【0016】
削ぎ取り装置本体6は、前面を覆う前面カバー11、上部を覆う上部カバー12、半円筒状の果肉付き果皮を投入するための投入口13、及び後述する昇降機構14、図2に示す搬送部材15、展開部材16、果肉シュータ17、及び背面を覆う背面カバー18を備える。
【0017】
搬送部材15は、図2乃至図4に示すように一定間隔をおいて無端移動可能な左右の搬送チェーン20,20を備えている。左右の搬送チェーン20,20は、それぞれ上下に配置されたスプロケット21に巻き掛けられている。左右上方に配置されたスプロケット21は、それぞれ従動軸22に固定されている。左右下方に配置されたスプロケット21は、それぞれ駆動軸23に固定され、この駆動軸23がギヤを介して図示しない駆動用モータの回転軸に連結されている。この駆動軸23の回転速度は、適宜変更することができる。従動軸22及び駆動軸23は、それぞれの両端部が互いに対をなす軸受24によって回転可能に支持されている。
【0018】
左右の搬送チェーン20,20は、それぞれ互いに対向する内側に固定片(アタッチメント)が取り付けられ、これらの固定片にそれぞれの送り板25の両端がねじ等の締結部材によって固定されている。これにより、左右の搬送チェーン20,20間には、多数の送り板25が架け渡される。これらの送り板25には、長さ方向に沿って搬送方向先端に鋸歯状の歯25aが複数形成されている。鋸歯状の歯25aは、投入口13から投入された半円筒状の果皮を掛止して搬送する。具体的には、送り板25は、図5に示すように全長250mm、鋸歯状の歯25aの長さが180mm、歯のピッチが10mmである。送り板25の搬送速度は、例えば200mm/secである。鋸歯状の歯25aは、送り板25の長さ方向に沿う直線部と、この直線部から急峻な角度で立ち上がる立ち上がり部と、この立ち上がり部から比較的緩やかな角度で立ち下がる立ち下がり部とから形成されている。
【0019】
昇降機構14は、図3に示すように門型フレーム26を有し、この門型フレーム26に昇降ハンドル27、2本の昇降ガイド28、及び昇降ホルダ29が取り付けられている。昇降ハンドル27には、ねじ軸が設けられており、このねじ軸を正方向又は逆方向に回転させることで、昇降ホルダ29を上下方向に昇降させることが可能である。2つの昇降ガイド28は、昇降ハンドル27の両側に配置され、昇降ホルダ29の鉛直方向の昇降を案内する。
【0020】
昇降ホルダ29には、展開部材16及び果肉シュータ17が固定されている。展開部材16は、搬送部材15により搬送された半円筒状(断面円弧状)の果肉付き果皮を平面状(断面直線状)に展開する。展開部材16は、図3に示すように平板部30を有する。この平板部30の底面には、図6に示すように搬送部材15の搬送方向と同方向に押え板31が一定間隔をおいて複数(本実施形態では5枚)配置されている。これらの押え板31は、果肉付き果皮を案内する搬送方向の上流側の先端下側が円弧状に形成されている。具体的には、押え板31は、搬送部材15の搬送方向と直交する方向に20~25mm間隔で5枚配置されている。
【0021】
果肉シュータ17の果肉を案内する搬送方向の上流側先端には、図4乃至図6に示すように刃物固定板32によって果肉付き果皮から果肉を削ぎ取る削ぎ取り刃33が固定されている。具体的には、この削ぎ取り刃33は、刃の部分の長さが全長200mmであって、果肉付き果皮の搬送方向に対して45~55度の角度に傾斜して配置されている。なお、本実施形態では、53度の角度に設定されている。図5に示すように、本実施形態では、削ぎ取り刃33の傾斜する方向に対して送り板25の鋸歯状の歯25aの急峻な立ち上がり部が対向するように設けられている。
【0022】
本実施形態では、昇降ホルダ29に果肉シュータ17が固定されているため、昇降ハンドル27を正方向又は逆方向に回転させることで、昇降ホルダ29を上下方向に昇降させることができるので、削ぎ取り刃33を上下に昇降させて削ぎ取られる果肉の厚さを調整することが可能となる。
【0023】
同様に、本実施形態では、昇降ホルダ29に展開部材16が固定されているため、昇降ハンドル27を正方向又は逆方向に回転させることで、押え板31が上下に昇降し、果肉付き果皮への食い込み深さを調整することが可能になるとともに、果肉付き果皮への押圧力も調整することができる。
【0024】
次に、上記のように構成された果肉削ぎ取り装置1の作用を図7乃至図12に基づいて説明する。
【0025】
図7は、図2において投入口に半円筒状の果肉付き果皮を投入した状態を示す縦断面図である。図8は、図2の展開部材により半円筒状の果肉付き果皮が平面状に展開されている状態を示す縦断面図である。図9は、図8の展開部材の押え板が果肉付き果皮に食い込んでいる状態を示す拡大正面図である。図10は、図8において平面状に展開された果肉付き果皮から果肉を削ぎ取っている状態を示す縦断面図である。図11は、図10において平面状に展開された果肉付き果皮から果肉を削ぎ取っている状態を示す拡大斜視図である。図12は、図11において果肉付き果皮から削ぎ取った果肉と果皮を排出している状態を示す縦断面図である。
【0026】
まず、設置状態において削ぎ取り装置本体6を例えば水平に対して45度の角度で傾斜させておき、電源スイッチ9aをオンにするとともに、作動スイッチ9bをオンにして削ぎ取り装置本体6を駆動させる。すると、図示しない駆動用モータが駆動し、駆動軸23が回転しスプロケット21を介して左右の搬送チェーン20,20が図7に示すように時計方向に無端移動する。これにより、搬送部材15の複数の送り板25が時計方向に無端移動する。
【0027】
次いで、図7に示すように、半円筒状に切断された果肉付き果皮P1を投入口13から投入する。具体的には、半円筒状の果肉付き果皮P1は、半円筒の左右の開口端部を上下方向とし、かつ果肉側が上面側となるように投入口13に投入される。
【0028】
すると、果肉付き果皮P1の果皮側が搬送部材15の送り板25に突き当たる。果肉付き果皮P1の果皮側は、送り板25の鋸歯状の歯25aに掛止されて時計方向に搬送された後、図8に示すように展開部材16の5枚の押え板31に押し込まれる。この場合、押え板30の搬送方向の上流側の先端下側が円弧状に形成されているので、果肉付き果皮P1が円滑に押し込まれることとなる。そして、展開部材16の押え板31によって半円筒状の果肉付き果皮P1が平面状に展開され、押え板31が図9に示すように果肉付き果皮P1の果肉P2を切断するように食い込む。
【0029】
その後、図10及び図11に示すように果肉付き果皮P1は、削ぎ取り刃33によって果肉P2が削ぎ取られ、削ぎ取られた果肉P2は、図12に示すように果肉シュータ17上に案内される一方、果皮P3は送り板25の鋸歯状の歯25aに掛止されてさらに時計方向に搬送されて下方のスプロケット21の位置に到達したときに削ぎ取り装置本体6外に排出される。
【0030】
なお、削ぎ取られた果肉P2は、展開部材16の5枚の押え板30に押し込まれるため、搬送方向に複数に分断された状態で果肉シュータ17上に案内される。
【0031】
また、果肉付き果皮P1は、削ぎ取り刃33によって果肉P2が削ぎ取られるとき、削ぎ取り刃33の傾斜する方向に対して送り板25の鋸歯状の歯25aの急峻な立ち上がり部が対向するようにしているため、果肉付き果皮P1は、削ぎ取り刃33の傾斜する方向に案内されることなく、鋸歯状の歯25aが果肉付き果皮P1を強固に掛止し、確実に果肉P2を削ぎ取ることができる。
【0032】
このように本実施形態によれば、投入口13から投入された果肉付き果皮P1を掛止する送り板25が無端移動可能に複数設置され、果肉付き果皮P1を搬送する搬送部材15と、この搬送部材15により搬送された果肉付き果皮P1を断面円弧状から平面状に展開する展開部材16と、この展開部材16により展開された果肉付き果皮P1から果肉P2を削ぎ取る削ぎ取り刃33と、を備えたことにより、ホール抜きして残った果肉付き果皮P1を展開してから果肉P2を削ぎ取ることで、果肉P2の無駄を極力減少させるとともに、廃棄されるごみの量も削減することが可能になる。
【0033】
また、本実施形態によれば、削ぎ取り刃33が取り付けられ、この削ぎ取り刃33により削ぎ取られた果肉P2を案内する果肉シュータ17をさらに設置したことにより、削ぎ取られた果肉P2をスムーズに排出することができる。
【0034】
さらに、本実施形態によれば、果肉シュータ17には、削ぎ取り刃33を上下に昇降させて削ぎ取られる果肉P2の厚さを調整可能とする昇降機構14が設けられているため、削ぎ取られる果肉P2の厚さを調整することで、果肉P2の無駄を一段と減少させるとともに、廃棄されるごみの量もさらに削減することができる。
【0035】
本実施形態によれば、削ぎ取り刃33は、搬送部材15の送り板25の移動方向に対して傾斜して配置されているので、果肉付き果皮P1から果肉P2を確実かつ容易に削ぎ取ることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、送り板25は、搬送方向先端に鋸歯状の歯25aが複数形成されているので、鋸歯状の歯25aが果肉付き果皮P1を強固に掛止し、確実に果肉P2を削ぎ取ることができる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、展開部材16は、搬送部材15の搬送方向と同方向に押え板31が一定間隔をおいて複数配置され、これらの押え板31は、果肉付き果皮P1を案内する搬送方向の上流側先端が円弧状に形成されているため、展開部材16に果肉付き果皮P1をスムーズに案内し、断面円弧状の果肉付き果皮P1を平面状に展開することで、果肉付き果皮P1から果肉P2を容易に削ぎ取ることができる。
【0038】
本実施形態によれば、展開部材16は、昇降機構14により上下に昇降可能に構成され、展開部材16の複数の押え板31による果肉付き果皮P1への食い込み深さを調整可能としたことにより、削ぎ取り刃33を上下に昇降させて削ぎ取られる果肉P2の厚さを調整した際に、同時に複数の押え板31による果肉付き果皮P1への食い込み深さを調整することができる。これにより、削ぎ取られる果肉P2の厚さを調整した場合でも、果肉付き果皮P1から果肉P2を確実かつ容易に削ぎ取ることができる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、パイナップルをホール抜きした場合、果皮を半円筒状に切断し、その果皮から果肉を削ぎ取る例について説明したが、これに限定することなく、例えば半円筒状の果皮をさらに横断面において半分に切断したものでも果肉を削ぎ取ることが可能である。要するに、横断面円弧状に切断された果皮であれば、果肉を削ぎ取ることが可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、削ぎ取り装置本体6を設置状態で水平に対して45度の角度で傾斜して使用した例について説明したが、これに限定することなく、使用状況に応じて角度及び高さは、適宜変更可能である。さらに、搬送部材15による果肉付き果皮P1の搬送速度も使用状況に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…果肉削ぎ取り装置、2…ベースフレーム、3…アジャスタ、4…車輪、5…支持フレーム、6…削ぎ取り装置本体、7…電装ボックス、8…モータカバー、9a…電源スイッチ、9b…作動スイッチ、9c…停止スイッチ、10…非常停止スイッチ、11…前面カバー、12…上部カバー、13…投入口、14…昇降機構、15…搬送部材、16…展開部材、17…果肉シュータ、18…背面カバー、20…搬送チェーン、21…スプロケット、22…従動軸、23…駆動軸、24…軸受、25…送り板、25a…鋸歯状の歯、26…門型フレーム、27…昇降ハンドル、28…昇降ガイド、29…昇降ホルダ、30…平板部、31…押え板、32…刃物固定板、33…削ぎ取り刃、P1…果肉付き果皮、P2…果肉、P3…果皮。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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