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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ペダル操作検知装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/02 20060101AFI20230525BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20230525BHJP
   B60K 26/02 20060101ALI20230525BHJP
   G05G 1/38 20080401ALI20230525BHJP
   B60T 7/04 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
B60T7/02 D
G05G1/30 E
B60K26/02
G05G1/38
B60T7/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022206255
(22)【出願日】2022-12-23
【審査請求日】2022-12-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301052560
【氏名又は名称】金田 松四郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金田 松四郎
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/017041(WO,A1)
【文献】特開2004-196276(JP,A)
【文献】特開2007-112438(JP,A)
【文献】特開2020-086993(JP,A)
【文献】特許第6572858(JP,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0005864(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第111469822(CN,A)
【文献】中国実用新案第204210454(CN,U)
【文献】特開2022-117118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/38
B60T 7/02
G05G 1/30
B60K 26/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のペダルに配置され、運転者のペダル操作による荷重の変化に応じて大きさが変化する電気信号を発生する足検知部と、
少なくとも2種類のペダルを区別可能な音声を切り替えて出力する音声発生部と、
前記音声発生部から出力される前記音声を切り替える切替スイッチと、
前記電気信号に基づいて前記ペダルに対する前記運転者の足の接触の有無、踏み込みの強さ、及び踏み込みの速度のうちの少なくとも1つを判定し、判定結果に応じて前記音声発生部による前記音声の出力を制御するコントローラと、を備え
前記足検知部は、1つ設けられ、
前記切替スイッチは、前記足検知部の配置に応じた切り替え操作に応じて前記音声発生部から出力される音声を切り替える
ペダル操作検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載のペダル操作検知装置であって、
前記コントローラは、
前記ペダルに対する前記運転者の足の接触があったと判定した場合、前記音声発生部を制御して前記声を出力させ、
前記ペダルに対する前記運転者の足の接触が解除された場合、前記電気信号に基づく前記ペダルに対する前記運転者の足の接触の有無の判定を再開する
ペダル操作検知装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のペダル操作検知装置であって、
前記コントローラは、
前記電気信号の大きさに基づいて、前記ペダルに対する踏み込みの強さを判定する
ペダル操作検知装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のペダル操作検知装置であって、
前記コントローラは、
所定のサンプリング時間における前記電気信号の大きさの変化量に基づいて、前記ペダルに対する踏む込みの速度を判定する
ペダル操作検知装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載のペダル操作検知装置であって、
前記コントローラによる前記ペダルに対する前記運転者の足の接触の有無の判定結果に応じて振動する振動部、を備える
ペダル操作検知装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載のペダル操作検知装置であって、
外部機器と接続し、前記音声を前記外部機器から出力させる通信部、を備える
ペダル操作検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル操作検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のアクセルペダルとブレーキペダルとを踏み間違えたことに起因する事故が社会問題となっている。
【0003】
当該事故の防止を目的とした技術として、例えば特許文献1には「アクセルペダルの踏み過ぎを検知するリミットスイッチと、エンジン始動スイッチの回路をオンオフさせる切替部と、パーキングブレーキのイコライザーを、左右の一対のブレーキワイヤーの張力が上昇する方向に移動させることが可能な、モータにより作動するイコライザー強制スライド手段と、制御部と、を備え、制御部が、リミットスイッチからのオン信号を受け、切替部にエンジン始動スイッチの回路をオフさせてエンジンを止め、かつ、前記ブレーキワイヤーの張力を上昇させる方向にモータを回転させて後輪に制動力を発生させ、後輪を止める位置まで移動したことを検知する検知センサのオン信号で前記モータの回転を停止させる踏み間違い時の緊急停止装置」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-183430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術によれば、自動車の運転者がブレーキペダルであると思い、誤ってアクセルペダルを踏み込んだ場合、自動車を緊急停止することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術等の既存技術は、その構造が複雑であるため、製造コストが高い、自動車に対して容易に取り付けることができない等の課題がある。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、自動車に対して容易に取り付けることができ、且つ、比較的安価なコストで、ペダルの踏み間違えを予防できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係るペダル操作検知装置は、自動車のペダルに配置され、運転者のペダル操作による荷重の変化に応じて大きさが変化する電気信号を発生する足検知部と、所定の音声を出力する音声発生部と、前記電気信号に基づいて前記ペダル操作の有無を判定し、判定結果に応じて前記音声発生部による前記所定の音声の出力を制御するコントローラと、を備える。
【0010】
前記コントローラは、前記ペダル操作があったと判定した場合、前記音声発生部を制御して前記所定の音声を出力させ、前記ペダル操作が解除された場合、前記電気信号に基づく前記ペダル操作の有無の判定を再開することができる。
【0011】
前記コントローラは、前記電気信号の大きさ、または所定のサンプリング時間における前記電気信号の大きさの変化量に基づいて、通常または急なペダル操作を判定し、判定結果に応じて前記音声発生部が出力する音声を変化させることができる。
【0012】
前記ペダル操作検知装置は、前記コントローラによる前記ペダル操作の有無の判定結果に応じて振動する振動部、を備えることができる。
【0013】
前記ペダル操作検知装置は、外部機器と接続し、前記所定の音声を前記外部機器から出力させる通信部、を備えることができる。
【0014】
前記音声発生部は、少なくとも2種類の音声を切り替えて出力可能とすることができ、前記ペダル操作検知装置は、前記音声発生部から出力される前記音声を切り替える切替スイッチ、を備えることができる。
【0015】
前記足検知部は、前記自動車のアクセルペダルに配置される第1足検知部と、ブレーキペダルに配置される第2足検知部とからなることができ、前記音声発生部は、前記アクセルペダルに対する音声と、前記ブレーキペダルに対応する音声を出力可能とすることができ、前記コントローラは、前記運転者からペダル操作があったペダルに対応する音声を前記音声発生部に出力させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動車に対して容易に取り付けることができ、且つ、比較的安価なコストで、ペダルの踏み間違えを予防することができる。
【0017】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の第1の実施形態に係るペダル操作検知装置の構成例を示す図である。
図2図2はペダル操作検知装置の配置例を示す図である。
図3図3はペダル操作検知装置による通知処理の一例を説明するフローチャートである。
図4図4は本発明の第2の実施形態に係るペダル操作検知装置の構成例を示す図である。
図5図5は本発明の第3の実施形態に係るペダル操作検知装置の構成例を示す図である。
図6図6は本発明の第4の実施形態に係るペダル操作検知装置の構成例を示す図である。
図7図7は本発明の第5の実施形態に係るペダル操作検知装置の構成例を示す図である。
図8図8はペダル操作検知装置による通知処理の第1の変形例を説明するフローチャートである。
図9図9はペダル操作検知装置による通知処理の第2の変形例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須ではない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除しない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合、及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含む。
【0020】
<本発明の第1の実施形態に係るペダル操作検知装置10
図1は、本発明の第1の実施形態に係るペダル操作検知装置10の構成例を示している。
【0021】
ペダル操作検知装置10は、足検知部11、及び本体部12を備える。
【0022】
足検知部11は、例えば、ひずみゲージ式圧力センサ、圧電効果式圧力センサ、機械式圧力センサ、抵抗膜式圧力センサ、静電容量式圧力センサ等のように、荷重に応じた電気信号を出力する感圧センサからなる。足検知部11は、自動車のペダル(例えば、アクセルペダル)に配置される。足検知部11は、運転者が足をペダルに載せた程度の荷重(足の接触)を検知し、荷重に応じて変化する電気信号を本体部12のコントローラ13に出力する。
【0023】
なお、足検知部11に、例えば、赤外線センサ等の距離センサを採用し、運転者の足がペダルに接触する前に、足とペダルとの距離が閾値以下(例えば、1cm以下)となったことを検出し、検知結果として足の接近、または足の離脱を本体部12のコントローラ13に出力するようにしてもよい。ペダル操作検知装置10は、感圧センサと距離センサの両方を備えるようにしてもよい。
【0024】
本体部12は、コントローラ13、音声発生部14、スピーカ15、及びバッテリ16を有し、これらが1つの筐体に収められている。
【0025】
コントローラ13は、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がペダルに触れているか否か、触れていた状態から離脱したか否かを判定する。コントローラ13は、例えば、マイクロコンピュータや制御回路である。
【0026】
音声発生部14は、コントローラ13からの制御に従い、足検知部11が配置されているペダルを表す音声(例えば「アクセル」)に対応するオーディオ信号をスピーカ15に出力し、スピーカ15からオーディオ信号に対応する音声を出力させる。なお、音声「アクセル」等に対応するオーディオ信号は、人が発声して録音したものでもよいし、合成音声であってもよい。また、男性の声、女性の声、運転者自身で録音した声等を選択できるようにしてもよい。さらに、音声「アクセル」等に対応するオーディオ信号の代わりに、ビープ音、アラーム音、メロディー等のオーディオ信号を選択できるようにしてもよい。
【0027】
バッテリ16は、本体部12に対して着脱交換可能なボタン型電池、コイン型電池、リチウム電池等である。バッテリ16は、ペダル操作検知装置10の各部に駆動電力を供給する。なお、バッテリ16を設ける代わりに、例えば、自動車のシガーソケット(アクセサリ電源)等から給電を受けるようにしてもよい。ただし、バッテリ16を設けた方がシガーソケット等から給電線を配線する手間を省くことができる。
【0028】
上述したように、ペダル操作検知装置10は、比較的安価な部品で構成できるので、低コストで製造し、安価で販売することができる。
【0029】
<ペダル操作検知装置10の取り付けについて>
次に、図2は、音声発生部14が音声「アクセル」に対応するオーディオ信号を出力する仕様である場合に対応するペダル操作検知装置10の配置例を示している。
【0030】
当該仕様の場合、ペダル操作検知装置10を自動車に取り付ける作業者(例えば、自動車のユーザ、運転者等)は、足検知部11を自動車のアクセルペダル201に配置するようにする。
【0031】
また、作業者は、本体部12を、運転者によるペダル操作の妨げとならない位置、例えば、アクセルペダル201やブレーキペダル202の背面や側方壁面等に配置するようにする。ただし、足検知部11と本体部12とを接続するケーブルの長さに余裕があれば、本体部12を、例えば自動車のダッシュボードやセンタコンソール等に配置するようにしてもよい。
【0032】
なお、音声発生部14は、音声信号「ブレーキ」に対応するオーディオ信号を出力する仕様であってもよい。その場合、作業者は、足検知部11を自動車のブレーキペダル202に配置するようにする。
【0033】
上述したように、ペダル操作検知装置10は、自動車に関する専門的な技術を有さない一般的な自動車のユーザや運転者であっても、自動車に対して容易に取り付けることができる。
【0034】
<ペダル操作検知装置10による通知処理>
次に、図3は、ペダル操作検知装置10による通知処理の一例を説明するフローチャートである。
【0035】
当該通知処理の前提として、音声発生部14は音声信号「アクセル」に対応するオーディオ信号を出力する仕様であり、図2に示されたように、足検知部11は、アクセルペダル201に配置されているものとする。当該通知処理は、ペダル操作検知装置10が自動車に取り付けられ、バッテリ16が取り付けられたときに開始され、バッテリ16による電力供給が尽きるまで繰り返し実行される。
【0036】
はじめに、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201に接触したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、運転者の足がアクセルペダル201に接触していないと判定した場合(ステップS1でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返す。
【0037】
その後、運転者の足がアクセルペダル201に接触したと判定した場合(ステップS1でYES)、次に、コントローラ13が、音声発生部14を制御して、音声「アクセル」に対するオーディオ信号の出力を、例えば1回だけ出力させる。なお、音声「アクセル」に対するオーディオ信号の出力は1回に限らず、数回繰り返してもよい。また、オーディオ信号の出力回数を制御する代わりに、出力時間を制御してもよい。これにより、スピーカ15から音声「アクセル」が出力される(ステップS2)。
【0038】
次に、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したか否かを判定する(ステップS3)。ここで、運転者の足がアクセルペダル201から離脱していないと判定した場合(ステップS3でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返す。
【0039】
そして、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したと判定した場合(ステップS3でYES)、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。
【0040】
ペダル操作検知装置10による当該通知処理によれば、運転者がアクセルペダル201を操作したことに応じ、スピーカ15から音声「アクセル」を出力できる。よって、例えば、運転者がブレーキペダル202を操作しようして誤ってアクセルペダル201を操作してしまった場合等、運転者に対してペダル操作の誤りを自覚させることができる。
【0041】
また、当該ペダル操作検知装置10を、例えば、自動車学校の教習車に取り付ければ、運転操作に不慣れな教習中の運転者に対してアクセルペダル201やブレーキペダル202の位置を習熟させることができる。
【0042】
なお、音声「アクセル」の出力は、運転者の誤操作に限らず、正常な操作として意図的にアクセルペダル201を操作した場合にも行われる。ただし、その出力は1回(0.5秒間程度)で停止するので、運転者に煩わしさを与えてしまうことを抑止できる。
【0043】
<本発明の第2の実施形態に係るペダル操作検知装置10
次に、図4は、本発明の第2の実施形態に係るペダル操作検知装置10の構成例を示している。
【0044】
ペダル操作検知装置10は、ペダル操作検知装置10図1)に対して振動部21を追加したものである。ペダル操作検知装置10の振動部21以外の構成要素については、ペダル操作検知装置10の構成要素と同様であって同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
【0045】
振動部21は、例えば、振動モータ等を有するバイブレータからなり、音声発生部14が出力するオーディオ信号を振動に変換する。ただし、コントローラ13が直接的に振動部21の振動を制御するようにしてもよい。振動部21は、例えば、足検知部11と重畳してアクセルペダル201に配置するようにする。ただし、振動部21の配置については、その振動を運転者が認識でき、運転者による運転の妨げとならない位置であればどこでもよい。
【0046】
ペダル操作検知装置10の場合、運転者がアクセルペダル201を操作したことに応じ、音声「アクセル」を出力できることに加えて、例えば、運転者の足に振動を与えることができる。よって、ペダル操作検知装置10と同様の効果に加えて、運転者に対して、アクセルペダル201を操作していることをより強く認識させることができる。
【0047】
<本発明の第3の実施形態に係るペダル操作検知装置10
次に、図5は、本発明の第3の実施形態に係るペダル操作検知装置10の構成例を示している。
【0048】
ペダル操作検知装置10は、ペダル操作検知装置10図1)におけるスピーカ15を通信部31に置換したものである。ペダル操作検知装置10の通信部31以外の構成要素については、ペダル操作検知装置10の構成要素と同様であって同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
【0049】
通信部31は、例えば、Bluetooth(商標)やWi-Fi(商標)等の無線回線、又は有線回線を介して本体部12のコントローラ13と、運転者のスマートホンや車載オーディオ機器等の外部機器と接続し、音声発生部14からのオーディオ信号を外部機器に送信する。
【0050】
ペダル操作検知装置10の場合、ペダル操作検知装置10と同様の効果に加えて、運転者がアクセルペダル201を操作したことに応じ、運転者のスマートホンや車載オーディオ機器から音声「アクセル」を出力できる。また、音声「アクセル」の出力に合わせてスマートホンが内蔵するバイブレータを振動させるようにしてもよい。
【0051】
<本発明の第4の実施形態に係るペダル操作検知装置10
次に、図6は、本発明の第4の実施形態に係るペダル操作検知装置10の構成例を示している。
【0052】
ペダル操作検知装置10は、ペダル操作検知装置10図1)の音声発生部14を音声発生部41に置換し、音声切替スイッチ42を追加したものである。ペダル操作検知装置10の音声発生部41、及び音声切替スイッチ42以外の構成要素については、ペダル操作検知装置10の構成要素と同様であって同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
【0053】
音声発生部41は、コントローラ13からの制御に従い、少なくとも2種類の音声(例えば「アクセル」、「ブレーキ」等)のいずれかに対応するオーディオ信号をスピーカ15に出力し、スピーカ15からオーディオ信号に対応する音声を出力させる。音声切替スイッチ42は、音声発生部41が出力する音声を、足検知部11の配置に応じて、取り付けの作業者が選択するためのものである。
【0054】
例えば、図2に示されたように、足検知部11をアクセルペダル201に配置した場合、音声切替スイッチ42により、音声発生部41が音声「アクセル」を出力するように選択する。また、例えば、足検知部11をブレーキペダル202に配置した場合、音声発生部41が音声「ブレーキ」を出力するように選択する。
【0055】
ペダル操作検知装置10の場合、音声発生部41が出力する音声を選択できる。よって、ペダル操作検知装置10と同様の効果に加えて、足検知部11をアクセルペダル201に限らず、ブレーキペダル202に配置することができる。
【0056】
<本発明の第5の実施形態に係るペダル操作検知装置10
次に、図7は、本発明の第5の実施形態に係るペダル操作検知装置10の構成例を示している。
【0057】
ペダル操作検知装置10は、ペダル操作検知装置10図1)の音声発生部14を音声発生部51に置換し、足検知部52を追加したものである。ペダル操作検知装置10の音声発生部51、及び足検知部52以外の構成要素については、ペダル操作検知装置10の構成要素と同様であって同一の符号を付しているので、その説明は省略する。
【0058】
音声発生部51は、コントローラ13からの制御に従い、少なくとも2種類の音声(例えば「アクセル」、「ブレーキ」等)のそれぞれに対応するオーディオ信号をスピーカ15に出力する。
【0059】
足検知部52は、足検知部11と同様、荷重に応じた電気信号を出力する感圧センサからなる。足検知部52は、自動車のブレーキペダル202に配置される。いまの場合、足検知部11は、自動車のアクセルペダル201に配置される。足検知部52は、運転者が足をブレーキペダル202に載せた程度の荷重(足の接触)を検知し、検知結果として足の接触、または足の離脱を本体部12のコントローラ13に出力する。
【0060】
ペダル操作検知装置10におけるコントローラ13は、足検知部11,52から入力される電気信号の有無に基づいて音声発生部14を制御し、ユーザの足がアクセルペダル201に接触した場合には音声「アクセル」を出力させ、ユーザの足がブレーキペダル202に接触した場合には音声「ブレーキ」を出力させるようになされている。
【0061】
ペダル操作検知装置10の場合、ペダル操作検知装置10と同様の効果を得ることができる。特に、アクセルペダル201、及びブレーキペダル202それぞれに対する操作に応じて、操作されたペダルを表す音声が出力されるので、自動車学校等で運転を学ぶ運転に不慣れな運転者に対してアクセルペダル201やブレーキペダル202の位置を習熟させることができる。
【0062】
<コントローラ13の変形例>
コントローラ13は、足検知部11からの電気信号の有無に基づいてペダル操作の有無を判定するだけに限らない。コントローラ13は、電気信号に関する特徴量、例えば、電気信号の有無、電気信号の大きさ、電気信号の大きさの平均値、電気信号の大きさの積分値、電気信号の波形パターン、電気信号のオン時間/オフ時間等に基づき、ペダル操作の有無だけでなく、ペダル操作に対する通常の操作、異常で急な操作等を判定するようにしてもよい。
【0063】
<通知処理の第1の変形例>
コントローラ13において、足検知部11から入力される電気信号の大きさに基づき、運転者の踏み込みが弱いか強いかを判定し、判定結果に応じて音声発生部14が出力する音声を変化させて運転者に注意を促すようにしてもよい。
【0064】
図8は、通知処理の第1の変形例を説明するフローチャートである。当該第1の変形例は、上述した通知処理(図3)にステップS11,S12,S13を追加したものである。
【0065】
当該第1の変形例の前提として、音声発生部14は通常の弱い踏み込み操作に対応して出力する第1の音声信号「アクセル」と、異常な強い踏む込み操作に対応して第2の音声信号、例えば「急発進です。注意してください。」それぞれに対応するオーディオ信号を出力する仕様であり、図2に示されたように、足検知部11は、アクセルペダル201に配置されているものとする。
【0066】
はじめに、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201に接触したか否かを判定し(ステップS1)、接触していないと判定した場合(ステップS1でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返す。
【0067】
その後、運転者の足がアクセルペダル201に接触したと判定した場合(ステップS1でYES)、次に、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の大きさと、第1の閾値とを比較し、アクセルペダル201に対する踏み込みは弱いか否か(電気信号の大きさは第1の閾値未満であるか否か)を判定する(ステップS11)。
【0068】
ここで、アクセルペダル201に対する踏み込みは弱い(電気信号の大きさは第1の閾値未満である)と判定した場合(ステップS11でYES)、コントローラ13が、音声発生部14を制御して、第1の音声「アクセル」に対するオーディオ信号の出力を、例えば1回だけ出力させる。なお、第1の音声に対するオーディオ信号の出力は1回に限らず、数回繰り返してもよい。また、オーディオ信号の出力の回数の代わりに、出力時間を制御するようにしてもよい。これにより、スピーカ15から第1の音声が出力される(ステップS2)。
【0069】
反対に、アクセルペダル201に対する踏み込みは弱くない(電気信号の大きさは第1の閾値以上である)と判定した場合(ステップS11でNO)、次に、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の大きさと、第1の閾値よりも大きい第2の閾値とを比較し、アクセルペダル201に対する踏み込みは強い否か(電気信号の大きさは第2の閾値以上であるか否か)を判定する(ステップS12)。なお、第2の閾値は、第1の閾値以上の値とする。
【0070】
ここで、アクセルペダル201に対する踏み込みは強い(電気信号の大きさは第2の閾値以上である)と判定した場合(ステップS12でYES)、コントローラ13が、音声発生部14を制御して、第2の音声「急発進です。注意してください。」を、例えば1回だけ出力させる。なお、第2の音声に対するオーディオ信号の出力は1回に限らず、数回繰り返してもよい。また、オーディオ信号の出力の回数の代わりに、出力時間を制御するようにしてもよい。これにより、スピーカ15から第2の音声が出力される(ステップS13)。
【0071】
反対に、コントローラ13が、アクセルペダル201に対する踏み込みは強くない(電気信号の大きさは第2の閾値未満である)と判定した場合(ステップS12でNO)、ステップS13はスキップされる。
【0072】
次に、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したか否かを判定する(ステップS3)。ここで、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱していないと判定した場合(ステップS3でNO)、処理はステップS12に戻されて、ステップS12以降が繰り返される。なお、変形例として、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱していないと判定した場合(ステップS3でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返すようにしてもよい。
【0073】
そして、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したと判定した場合(ステップS3でYES)、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。
【0074】
以上説明した通知処理の第1の変形例によれば、図3の通知処理と同様の作用、効果を得られることに加えて、運転者がアクセルペダル201に対して異常な強い踏み込み操作を行った場合、スピーカ15から第2の音声「急発進です。注意してください。」を強い踏む込みが行われている期間継続して出力できる。よって、例えば、運転者に対して危険な運転であることを警告できる。
【0075】
<通知処理の第2の変形例>
コントローラ13において、足検知部11から入力される電気信号の大きさと踏み込み時間とに基づき、換言すれば、所定のサンプリング時間における電気信号の変化量に基づき、運転者の操作が通常の踏み込み操作か、異常で急な踏み込み操作かを判定し、判定結果に応じて音声発生部14が出力する音声を変化させて運転者に注意を促すようにしてもよい。
【0076】
図9は、通知処理の第2の変形例を説明するフローチャートである。当該第2の変形例は、上述した第1の変形例(図8)のステップS11,S12を、ステップS21,S22に置換したものである。
【0077】
当該第2の変形例の前提は、上述した第1の変形例(図8)と同様であるので、その説明は省略する。
【0078】
はじめに、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201に接触したか否かを判定し(ステップS1)、接触していないと判定した場合(ステップS1でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返す。
【0079】
その後、運転者の足がアクセルペダル201に接触したと判定した場合(ステップS1でYES)、次に、コントローラ13が、所定のサンプリング期間(例えば、1秒間以下)における足検知部11から入力される電気信号の変化量と、第3の閾値とを比較し、アクセルペダル201に対する操作は通常の踏み込み操作であるか否か(電気信号の変化量は第3の閾値未満であるか否か)を判定する(ステップS21)。
【0080】
ここで、アクセルペダル201に対する操作は通常の踏み込み操作である(電気信号の変化量は第3の閾値未満である)と判定した場合(ステップS21でYES)、コントローラ13が、音声発生部14を制御して、第1の音声「アクセル」に対するオーディオ信号の出力を、例えば1回だけ出力させる。なお、第1の音声に対するオーディオ信号の出力は1回に限らず、数回繰り返してもよい。また、オーディオ信号の出力の回数の代わりに、出力時間を制御するようにしてもよい。これにより、スピーカ15から第1の音声が出力される(ステップS2)。
【0081】
反対に、アクセルペダル201に対する操作は通常の踏み込み操作ではない(電気信号の変化量は第3の閾値以上である)と判定した場合(ステップS21でNO)、次に、コントローラ13が、所定のサンプリング期間における足検知部11から入力される電気信号の変化量と、第4の閾値とを比較し、アクセルペダル201に対する操作は異常で急な踏み込み操作であるか否か(電気信号の変化量は第4の閾値以上であるか否か)を判定する(ステップS22)。なお、第4の閾値は、第3の閾値以上の値とする。
【0082】
ここで、アクセルペダル201に対する操作は異常で急な踏み込み操作である(電気信号の変化量は第4の閾値以上である)と判定した場合(ステップS22でYES)、コントローラ13が、音声発生部14を制御して、第2の音声「急発進です。注意してください。」を、例えば1回だけ出力させる。なお、第2の音声に対するオーディオ信号の出力は1回に限らず、数回繰り返してもよい。また、オーディオ信号の出力の回数の代わりに、出力時間を制御するようにしてもよい。これにより、スピーカ15から第2の音声が出力される(ステップS13)。
【0083】
反対に、コントローラ13が、アクセルペダル201に対する操作は異常で急な踏み込み操作ではない(電気信号の変化量は第4の閾値未満である)と判定した場合(ステップS22でNO)、ステップS13はスキップされる。
【0084】
次に、コントローラ13が、足検知部11から入力される電気信号の有無に基づき、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したか否かを判定する(ステップS3)。ここで、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱していないと判定した場合(ステップS3でNO)、処理はステップS22に戻されて、ステップS22以降が繰り返される。なお、変形例として、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱していないと判定した場合(ステップS3でNO)、コントローラ13が、当該判定を繰り返すようにしてもよい。
【0085】
そして、コントローラ13が、運転者の足がアクセルペダル201から離脱したと判定した場合(ステップS3でYES)、処理はステップS1に戻されて、ステップS1以降が繰り返される。
【0086】
以上説明した通知処理の第2の変形例によれば、図3の通知処理と同様の作用、効果を得られることに加えて、運転者がごく短い時間でアクセルペダル201を大きく踏み込んだ場合、異常で急な踏み込み操作を行ったと判定され、異常で急な踏み込み操作を行っている期間、スピーカ15から第2の音声「急発進です。注意してください。」を継続して出力できる。よって、例えば、運転者に対して危険な運転であることを警告できる。なお、仮に、運転者がアクセルペダル201を大きく踏み込んだとしても、その操作がゆっくりと行われた場合には、所定のサンプリング期間における電気信号の変化量は小さくなり、異常で急な踏み込み操作を行ったと判定されないので、スピーカ15から第1の音声「アクセス」が1回だけ出力される。
【0087】
なお、上述した第1及び第2の変形例の応用として、例えば、コントローラ13は、急ブレーキや急発進の回数や頻度等の統計データを記録し、統計データを運転者のスマートホン等の外部機器に送信できるようにしてもよい。外部機器は、統計データを表示したり、統計データに基づいて運転者の運転の技量や傾向を評価して評価結果を表示したりすることができる。コントローラ13が、統計データを表示したり、統計データに基づいて運転者の運転の技量や傾向を評価して評価結果を表示したりしてもよい。また、コントローラ13が、評価結果を外部機器に送信できるようにしてもよい。
【0088】
本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態や変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある変形例の一部を他の変形例に置き換えたり、変形例を組み合わせたりすることが可能である。
【0089】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0090】
本発明は、システムや装置に限らず、方法、コンピュータ読み取り可能なプログラムなど、様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
10~10・・・ペダル操作検知装置、11・・・足検知部、12・・・本体部、13・・・コントローラ、14・・・音声発生部、15・・・スピーカ、16・・・バッテリ、21・・・振動部、31・・・通信部、41・・・音声発生部、42・・・音声切替スイッチ、51・・・音声発生部、52・・・足検知部、201・・・アクセルペダル、202・・・ブレーキペダル
【要約】
【課題】 自動車に対して容易に取り付けることができ、且つ、比較的安価なペダル操作検知装置を実現する。
【解決手段】 ペダル操作検知装置は、自動車のペダルに配置され、運転者のペダル操作による荷重の変化に応じて大きさが変化する電気信号を発生する足検知部と、所定の音声を出力する音声発生部と、前記電気信号に基づいて前記ペダル操作の有無を判定し、判定結果に応じて前記音声発生部による前記所定の音声の出力を制御するコントローラと、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9