(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】光安定性を向上させた固形状組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5415 20060101AFI20230525BHJP
A61K 31/485 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/32 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230525BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230525BHJP
B65D 81/30 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K31/5415
A61K31/485
A61K31/192
A61K31/522
A61K31/167
A61K9/32
A61K47/02
A61K47/38
A61P29/00
A61P43/00 121
B65D81/30
(21)【出願番号】P 2019107421
(22)【出願日】2019-06-07
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2018110042
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316008352
【氏名又は名称】シオノギヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113789
【氏名又は名称】杉田 健一
(72)【発明者】
【氏名】和泉 光人
(72)【発明者】
【氏名】村里 博志
(72)【発明者】
【氏名】吉本 悟
(72)【発明者】
【氏名】六車 嘉貢
(72)【発明者】
【氏名】豊田 智淳
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】中井 優美
(72)【発明者】
【氏名】純浦 文枝
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-302578(JP,A)
【文献】特開2008-100924(JP,A)
【文献】特表2013-506642(JP,A)
【文献】特開2004-300138(JP,A)
【文献】特開2001-253826(JP,A)
【文献】特表2005-519923(JP,A)
【文献】Acta Poloniae Parmaceutica-Drug Research,2002年,Vol.59, No.1,pp.45-51
【文献】Langmuir,2014年,Vol.30,pp.14612-14620
【文献】第十六改正日本薬局方,p.1220,2011年
【文献】第十六改正日本薬局方,2011年,pp.705-706
【文献】Japanese Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences,2009年,Vol.35, No.6,pp.395-402
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 25/00
A61P 29/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
B65D 81/18-81/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物。
【請求項2】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩を含有する、請求項1記載の固形状組成物。
【請求項3】
120万lux・hrの光を固形状組成物に照射した場合の固形状組成物の色差ΔEが12以下である、請求項1
または2記載の固形状組成物。
【請求項4】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物。
【請求項5】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩を含有する、請求項4記載の固形状組成物。
【請求項6】
120万lux・hrの光を遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物に照射した場合の固形状組成物の色差ΔEが12以下である、請求項
4または5記載の遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物。
【請求項7】
さらに、サリチルアミド、無水カフェインおよびアセトアミノフェンからなる群から選択される一以上を含有する、請求項1~
6のいずれかに記載の固形状組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物に関する。また、本発明は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
総合感冒薬は、頭痛、発熱、のどの痛み、筋肉の痛み、咳、くしゃみ、鼻水および鼻づまりなどといった、いわゆるかぜ症候群の諸症状の緩和に効果を出すように解熱剤(解熱鎮痛剤)と鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤などを複合した医薬品であり、一般用医薬品(OTC)として広く発売されている。
一般用医薬品に使用される解熱鎮痛剤としては、サリチルアミドやアセトアミノフェンが挙げられる。サリチルアミドは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種であり、痛みを抑え、熱を下げる働きがある。また、アセトアミノフェンは、サリチルアミドと同様、痛みを抑え、熱を下げる働きがあり、その効果は、アスピリンに比べて、強力で、胃腸障害などは少ないといわれている。このサリチルアミドとアセトアミノフェンを適切な割合で配合することにより、鎮痛効果は増強され、毒性は拮抗的に弱められる。
また、鼻水、鼻づまり、くしゃみを抑える一般用医薬品としては、抗ヒスタミン作用のほかに、抗コリン作用を有するプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が挙げられる。さらに、痛みを抑える働きを助ける一般用医薬品としては、無水カフェインが挙げられる。サリチルアミド、アセトアミノフェン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインの4成分を配合することにより、「のどの痛み」、「発熱」、「鼻水」などのかぜの諸症状にすぐれた効果を発揮することができる。
【0003】
サリチルアミド、アセトアミノフェン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインは、かぜの諸症状にすぐれた効果を発揮するものの、咳を抑制することは困難である。咳を抑制する成分として、鎮咳薬であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩がある。デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は、鎮静作用および鎮咳作用を有するモルフィナン系薬物であり、上記4成分に、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩を配合すれば、「のどの痛み」、「発熱」、「鼻水」の他、「咳」にも優れた効果を発揮することができる。
【0004】
組成物に光を照射した場合、組成物が着色する場合があり、組成物の製造上、重要な問題である。本発明者らは、かぜの諸症状に効果を示す、上記の有効成分であるサリチルアミド、アセトアミノフェン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェイン、ならびにデキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩について、固形状組成物を検討したところ、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物に光を照射した場合、固形状組成物が着色するという新たな知見を見出した。
【0005】
特許文献1および2において、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩のシロップや液状組成物が開示されているが、固形状組成物は開示されておらず、光を照射したことによって、組成物が着色したことは、開示も示唆もされていない。
特許文献3において、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する錠剤が開示されているが、光を照射したことによって、組成物が着色したことは、開示も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-512081号公報
【文献】特開2005-519923号公報
【文献】特開2007-302578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有した固形状組成物に光を照射しても、ほとんど着色しない固形状組成物を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、1.光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有するデキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、2.デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、遮光容器、または、遮光包装に保存された固形状組成物を見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明で完成するに至った組成物を「本発明組成物」という場合がある。
【0009】
すなわち、
(1)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、
(2)120万lux・hrの光を固形状組成物に照射した場合の固形状組成物の色差ΔEが12以下である、上記(1)記載の固形状組成物、
(3)デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物、
(4)120万lux・hrの光を遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物に照射した場合の固形状組成物の色差ΔEが12以下である、上記(3)記載の遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物、
(5)さらに、サリチルアミド、無水カフェインおよびアセトアミノフェンからなる群から選択される一以上を含有する、上記(1)から(4)のいずれかに記載の固形状組成物、の発明に関する。
【発明の効果】
【0010】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有した固形状組成物に光を照射すると、当該組成物は、著しく着色する。しかし、1)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有するデキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、固形状組成物、2)デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する、遮光容器に充填、または、遮光包装が施された固形状組成物であれば、当該組成物は、ほとんど着色することがない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明組成物中の有効成分として、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、ならびにプロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、無水カフェインおよびアセトアミノフェンが挙げられる。
【0012】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩は、鎮咳薬の一種であるモルフィナン系薬物であり、せき中枢を抑えることにより、せきを鎮める効能を発揮する。
【0013】
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、抗コリン作用を有するフェノチアジン誘導体であり、解熱・鎮痛作用等を示す。
【0014】
サリチルアミドは、非ステロイド性抗炎症薬の一種であり、神経痛、筋肉痛、関節リウマチの痛みや炎症を緩和する効能がある。
【0015】
無水カフェインは、中枢神経を刺激することによって眠気や疲労感をとり、頭の重い感じをやわらげる成分である。薬の効果を高めることを目的として、医薬品に配合される。
【0016】
アセトアミノフェンは、解熱・鎮痛薬成分の一つで、脳の体温調節や痛みを感じる中枢に作用することによって、熱を下げ、痛みを抑制する。
【0017】
本発明組成物中のそれぞれの有効成分の含有量として、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩は、0.1~99重量%、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、0.1~99重量%、サリチルアミドは、0.1~99重量%、無水カフェインは、0.1~99重量%およびアセトアミノフェンは、0.1~99重量%である。
【0018】
本発明組成物中には、上記有効成分以外でも、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛成分、鎮咳成分、去痰成分、気管支拡張成分、消炎酵素成分、鎮咳去痰成分、解熱鎮痛・抗炎症成分、制酸成分、ビタミン、生薬、中枢神経興奮成分、副交感神経遮断成分又は交感神経興奮成分のいずれか1以上をさらに含むことができる。
【0019】
抗ヒスタミン剤とは、血管、平滑筋などに存在するH1受容体との結合において、ヒスタミンと拮抗する作用、すなわち抗ヒスタミン作用を有する薬理学的に許容可能な化合物をいう。さらに、広義には、ヒスタミンを含むケミカルメディエーターの遊離抑制、及び拮抗作用、すなわち、抗アレルギー作用を有する薬理学的に許容可能な化合物を含めてよい。
【0020】
抗ヒスタミン剤として、具体的には、ジフェニルピラリン、メブヒドロリン、メキタジン、dl-クロルフェニラミン、トリプロリジン、トンジルアミン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クレマスチン、プロメタジン、ケトチフェン、イソチペンジル、d-クロルフェニラミン、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、トリペレナミン、シプロヘプタジン、ジフェテロール、ホモクロルシクリジン若しくはフェネタジン、又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0021】
解熱鎮痛成分として、具体的には、アスピリン、エテンザミド、サザピリン、ラクチルフェネチジン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アルミノプロフェン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0022】
鎮咳成分として、具体的には、アロクラミド、クロペラスチン、ペンタトキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピン、メチルエフェドリン、ジメモルファン、デキストロメトルファン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0023】
去痰成分として、具体的には、チペピジン、メチルエフェドリン、グアヤコールスルホン酸、グアイフェネシン、アンブロキソール又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0024】
気管支拡張成分として、具体的には、ブロムヘキシン、メチルエフェドリン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0025】
消炎酵素成分として、具体的には、リゾチーム、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、ブロメライン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0026】
鎮咳去痰成分として、具体的には、クレゾールスルホン酸、ブロメライン、ブロムヘキシン、セミアルカリプロティナーゼ、カルボシステイン、エプラジノン、セラペプターゼ、トラネキサム酸、ジメモルファン、トリメトキノール、メチコシフェナミン、チペピジン、メチルエフェドリン、エチルシステイン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0027】
解熱鎮痛・抗炎症成分として、具体的には、トラネキサム酸又はグリチルリチン酸等が挙げられる。
【0028】
制酸成分として、具体的には、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシルアルミニウムアミノアセテート(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0029】
ビタミンとしてはビタミンB1及びその誘導体、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ヘスペリジン及びその誘導体又はそれらの製薬学的に許容しうる塩類等が挙げられる。
【0030】
生薬としてはマオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯又は麻黄湯等が挙げられる。
【0031】
中枢神経興奮成分としては安息香酸ナトリウムカフェイン又はカフェイン水和物等が挙げられる。
【0032】
副交感神経遮断成分として、具体的には、ベラドンナ総アルカロイド又はヨウ化イソプロパミド等が挙げられる。
【0033】
交感神経興奮成分として、フェニルプロパノールアミン又はそれらの製薬学的に許容しうる塩等が挙げられる。
【0034】
本発明組成物の製剤としては、日本薬局方第17改正の製剤総則に記載の固形製剤であればよい。具体的には、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤(粉末剤)、チュアブル剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、カプレット剤、ゼリー剤、徐放剤、又は速溶剤を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは錠剤、顆粒剤、散剤(粉末剤)、より好ましくは錠剤、顆粒剤である。
【0035】
本発明組成物の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態および疾患の種類によっても異なるが、通常、経口投与の場合、成人1日あたり約1mg~10000mg、好ましくは、約100mg~8000mg、さらに好ましくは、約200mg~6000mgを、要すれば分割して投与すればよい。また、非経口投与の場合、成人1日あたり約0.01mg~1000mg、好ましくは、約0.05mg~500mg、さらに好ましくは、約1mg~80mgを投与する。これを1日1回~数回に分けて投与すればよい。
【0036】
本発明組成物は、光安定化物質を含有してもよい。本明細書中、光安定化物質としては、デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩の混合物を、光に対して、安定化することができ、また、組成物の変色を防止することができる添加物であればよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。
光安定化物質としては、光を遮蔽する遮光効果のある遮光物質や光を吸収する効果のある光吸収物質がある。具体的には、食用タール色素、食用レーキ化したタール色素、食用天然色素、酸化鉄、酸化チタン、タルク等が挙げられる。好ましくは、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、カルミン、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ベンガラ、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタン、タルク等が挙げられる。より好ましくは、遮光物質である酸化チタン、タルク、光吸収物質である三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄であり、特に好ましくは遮光物質である酸化チタン、タルクである。
【0037】
本発明組成物の光安定化物質は、組成物中に配合してもよく、組成物の表面を被覆してもよいが、好ましくは組成物の表面を被覆する、いわゆる被覆層中に光安定化物質を含有するのがよい。組成物の被覆層中に光安定化物質を含有すれば、組成物外からの光を吸収したり、遮蔽したりするので、組成物中に含有しているデキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩の混合物の光安定性を向上し、または組成物の変色を防止することができる。
【0038】
本発明組成物中の光安定化物質の含量は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩の混合物が光に対し、安定化する量であればよい。具体的には、組成物全量に対し、0.01~3重量%、好ましくは0.05~2.5重量%、より好ましくは0.1~2重量%、特に好ましくは0.25~2重量%である。この量よりも多ければ、製剤の製造が煩雑となる恐れがあり、この量よりも少なければ、光安定化物質が十分ではないために、本発明組成物の光安定化を達成することができない恐れがある。
【0039】
本発明組成物は、高分子を含有してもよい。本明細書中、高分子としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。具体的には、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物等のセルロース系高分子、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、2-メチル-5-ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー等のアクリル系高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・メチルメタクリレート・アクリル酸共重合体およびポリビニルアルコールコポリマー等のビニル系高分子、カルナバロウ、ステアリルアルコール、セラック、セタノール等が挙げられるが、好ましくは、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。
【0040】
本発明組成物の高分子は、組成物中に配合してもよく、組成物の表面を被覆してもよいが、好ましくは組成物の表面を被覆し、被覆層を形成する、いわゆるコーティング剤として用いるのがよい。組成物の被覆層中に高分子を含有すれば、光安定化物質とともに、組成物の表面を被覆することができ、組成物中に含有するデキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩の混合物の光安定性を向上し、または組成物の変色を防止することができる。
【0041】
本発明組成物の被覆層中における高分子の含量は、光安定化物質を組成物表面に被覆できる量であればよい。具体的には、組成物全量に対し、0.05~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.2~3重量%である。この量よりも多ければ、製剤の製造が煩雑となる恐れがあり、この量よりも少なければ、光安定化物質を組成物表面に十分被覆することができず、本発明組成物の光安定化を達成することができない恐れがある。
【0042】
本発明組成物は、賦形剤を含有してもよい。賦形剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている賦形剤を使用することができる。具体的には、D-マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール等の糖アルコール類、キシロース、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)ショ糖(シュクロース)、異性化糖、水飴、精製白糖、白糖、精製白糖球状顆粒、無水乳糖、白糖・デンプン球状顆粒等の糖類、半消化体デンプン、ブドウ糖水和物、粉糖、結晶セルロース、微結晶セルロース、プルラン、β-シクロデキストリン、アミノエチルスルホン酸、アメ粉、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、グルコン酸カルシウム、L-グルタミン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、デキストラン40、デキストリン、乳酸カルシウム、ポビドン、マクロゴール(ポリエチレングリコール)1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、無水クエン酸、DL-リンゴ酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、L-アスパラギン酸、アルギン酸、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、クロスポビドン、グリセロリン酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、小麦粉、コムギデンプン、コムギ胚芽粉、小麦胚芽油、米粉、コメデンプン、酢酸フタル酸セルロース、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、第三リン酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トウモロコシデンプン造粒物、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸二水素カルシウム等が挙げられる。
【0043】
本発明組成物中の賦形剤の含量は、組成物全量に対し、1~99重量%、好ましくは5~95重量%、より好ましくは10~90重量%である。
【0044】
本発明組成物は、崩壊剤を含有してもよい。崩壊剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている崩壊剤を使用することができる。具体的には、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0045】
本発明組成物中の崩壊剤の含量は、組成物全量に対し、0.1~30重量%、好ましくは0.25~27.5重量%、より好ましくは0.5~25重量%である。
【0046】
本発明組成物は、結合剤を含有してもよい。結合剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている結合剤を使用することができる。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、アラビアゴム、アラビアゴム末、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース等が挙げられる。
【0047】
本発明組成物中の結合剤の含量は、組成物全量に対し、0.1~30重量%、好ましくは0.25~27.5重量%、より好ましくは0.5~25重量%である。
【0048】
本発明組成物は、滑沢剤を含有してもよい。滑沢剤としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書等に収載されている滑沢剤を使用することができる。具体的には、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム)、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、含水二酸化ケイ素、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
【0049】
本発明組成物中の滑沢剤の含量は、組成物全量に対し、0.05~10重量%、好ましくは0.075~7.5重量%、より好ましくは0.1~5重量%である。
【0050】
組成物表面への高分子のコーティングの作業を効率よく行うために、本発明組成物の被覆層のコーティング剤中に、可塑剤や凝集防止剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されているものを使用することができる。具体的には、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ヒマシ油、トリアセチン,タルク等が挙げられる。一方、マクロゴール(ポリエチレングリコール)を配合した場合、類縁物質が増加する場合もある。
【0051】
本発明組成物は、色素または着色剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格等に収載されている色素を使用することができる。色素は錠剤中にでも、被覆層中にでも含有することができる。色素として、具体的には、酸化鉄、タール色素および天然色素等が挙げられる。酸化鉄としては、三二酸化鉄、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等がある。タール色素としては、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用青色1 号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色102号、食用赤色2号、食用赤色3号等がある。天然色素としては、ウコン抽出液、β-カロチン、カロチン液、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦緑葉青汁乾燥粉末、裸麦緑葉抽出エキス、酸化チタン、タルク等がある。色素は、光安定化物質で使用されるものも含まれる。
【0052】
本発明組成物は、さらに必要であれば、上述以外の添加剤を含有してもよく、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格および食品添加物公定書に収載されている添加剤を使用することができる。また、これらの添加剤の含量は、任意の割合でよい。上述以外の添加剤としては、具体的には、香料、流動化剤、矯味剤、甘味剤等が挙げられる。
【0053】
香料として、具体的には、オレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンフル、ケイヒ油、スペアミント油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ペパーミントエッセンス、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油等が挙げられる。
流動化剤として、具体的には、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、タルク等が挙げられる。
矯味剤として、具体的には、アスパルテーム、スクラロース、グリシン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、希塩酸、クエン酸およびその塩、無水クエン酸、L-グルタミン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、酢酸、酒石酸およびその塩、炭酸水素ナトリウム、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、氷酢酸、イノシン酸二ナトリウム、ハチミツ等が挙げられる。
甘味剤として、具体的には、アスパルテーム、還元麦芽糖水飴、カンゾウ、キシリトール、グリセリン、サッカリン、スクラロース、D-ソルビトール、還元麦芽糖水飴、アセスルファムカリウム、ステビア、タウマチン、アドパンテーム等が挙げられるが、好ましくはスクラロースである。
【0054】
本発明組成物のうち、顆粒剤の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、有効成分、崩壊剤、賦形剤等の添加剤を混合して、混合末を製造後、当該混合末を造粒する方法であり、好ましくは水や結合剤を含有する水や溶媒を添加して造粒する湿式造粒法や圧縮成形して水を使用しない乾式造粒法や溶融造粒法である。有効成分や添加剤等を混合する機械として、V型混合機やコンテナブレンダーを使用することができる。また、造粒する機械としては、湿式押出造粒機、流動層造粒機、撹拌造粒機、乾式破砕造粒機や溶融押出造粒機を使用することができる。
【0055】
本発明組成物のうち、錠剤の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、上記方法によって顆粒を製造し、さらに、この顆粒に対して、崩壊剤および滑沢剤を混合し、当該混合顆粒を打錠機で打錠する打錠法である。有効成分や添加剤等を混合する機械として、V型混合機やコンテナブレンダーを使用することができる。また、打錠機としては、単発打錠機、ロータリー式打錠機等を使用することができる。
【0056】
本発明組成物は、上記の顆粒剤や錠剤を製造後、当該顆粒剤や錠剤を光安定化物質および高分子で被覆し、被覆層を形成することがある。顆粒剤に被覆層を形成する際、流動層造粒コーティング機、流動層転動コーティング機等を用いることができる。錠剤に被覆層を形成する際、パンコーティング機、通気式コーティング機等を用いることができる。光安定化物質および高分子によって製剤表面に被覆層を形成する際、光安定化物質および高分子を水やエタノール等の溶媒中に溶解または懸濁させ、コーティング液を調製する。コーティング機の中で、顆粒剤や錠剤を流動させながら、この顆粒剤や錠剤に当該コーティング液を噴霧、乾燥し、被覆層を形成する。
【0057】
本発明組成物は、遮光容器に充填または遮光包装を施してもよい。デキストロメトルファン臭化水素酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩、およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物を遮光容器に充填、または、遮光包装を施せば、光を遮断するので、当該組成物は、ほとんど着色しない。遮光容器として具体的には、遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等がある。遮光包装として、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等がある。
【0058】
本発明組成物を評価するにあたり、色差測定試験は、分光色差計を用いて本発明組成物に光を照射し、光照射後の色差 (ΔE) を測定する。なお、色差ΔEが12以上ならば、人間の目にも、着色したことは明らかである。
【0059】
着色が生じにくい有効成分の組み合わせの組成物としては、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を同一製剤に含まない態様であればよいが、具体的には、(1)デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(2)デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(3)デキストロメトルファン臭化水素酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(4)サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(5)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェン、(6)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(7)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェイン、(8)サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェン、(9)サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物等であればよい。
【0060】
(1)デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(2)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(3)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(4)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(5)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(6)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(7)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(8)デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物のように、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を同一固形状組成物中に含有しても、以下の(a)または(b)のような態様にすれば、固形状組成物の着色を抑制することができる。すなわち、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施された、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、またはPTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物である。
【0061】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物である。
【0062】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。
【0063】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施したデキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0064】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。
【0065】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填。または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施した、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0066】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装に施された、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施された、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0067】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装に施された、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填。または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施された、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0068】
本発明組成物中のデキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインのそれぞれの量は、成人1日量として、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、0.01~300mg、サリチルアミドは、0.01~1000mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、0.01~200mg、アセトアミノフェンは、0.01~600mg、および無水カフェインは、0.01~500mgであり、好ましくは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、0.1~200mg、サリチルアミドは、0.1~900mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、0.1~150mg、アセトアミノフェンは、0.1~500mg、および無水カフェインは、0.1~400mgであり、より好ましくは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、1~100mg、サリチルアミドは、1~800mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、1~100mg、アセトアミノフェンは、1~400mg、および無水カフェインは、1~300mgであり、特に好ましくは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、5~75mg、サリチルアミドは、5~700mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、5~100mg、アセトアミノフェンは、5~500mg、および無水カフェインは、5~300mgであり、極めて好ましくは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、10~50mg、サリチルアミドは、10~650mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、10~50mg、アセトアミノフェンは、10~400mg、および無水カフェインは、10~200mgである。なお、本発明組成物中のデキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインの好ましい重量比は、1:1:1:1:1~10.0:140.0:10.0:80.0:30.0、より好ましい重量比は、1:1:1:1:1~7.5:105.0:7.5:60.0:20.0、特に好ましくは、1:1:1:1:1~5.0:70.0:5.0:40.0:15.0、極めて好ましくは、1:1:1:1:1~4.8:64.8:3.24:36.0:14.4である。
【0069】
着色が生じにくい有効成分の組み合わせの組成物としては、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を同一製剤に含まない態様であればよいが、具体的には、(1)ジヒドロコデインリン酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(2)ジヒドロコデインリン酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(3)ジヒドロコデインリン酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(4)ジヒドロコデインリン酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェン、(5)ジヒドロコデインリン酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(6)ジヒドロコデインリン酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物等であればよい。
【0070】
(1)ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(2)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(3)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(4)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(5)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(6)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(7)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(8)ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物のように、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を同一固形状組成物中に含有しても、以下の(a)または(b)のような態様にすれば、固形状組成物の着色を抑制することができる。すなわち、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施された、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、またはPTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物である。
【0071】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびサリチルアミドを含有する固形状組成物である。
【0072】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩およびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。
【0073】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施したジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩および無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0074】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、遮光されたPTP包装、SP包装、アルミパウチ、アルミピロー包装等の遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよびアセトアミノフェンを含有する固形状組成物である。
【0075】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装を施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填。または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施した、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミドおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0076】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装に施された、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填、または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施された、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0077】
別の態様としては、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光容器に充填、または、遮光包装に施された、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。具体的には、(a)光安定化物質およびセルロース系高分子、アクリル系高分子およびビニル系高分子からなる群から選択される1以上を含有する被覆層を有し、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物、(b)遮光瓶、プラボトル、遮光された個装箱等のような遮光容器に充填。または、PTP包装、SP包装、アルミパウチ、遮光されたPTP包装、アルミピロー包装等の遮光包装に施された、ジヒドロコデインリン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチルアミド、アセトアミノフェンおよび無水カフェインを含有する固形状組成物である。
【0078】
本発明組成物中のジヒドロコデインリン酸塩、サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインのそれぞれの量は、成人1日量として、ジヒドロコデインリン酸塩は、0.01~300mg、サリチルアミドは、0.01~1000mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、0.01~200mg、アセトアミノフェンは、0.01~600mg、および無水カフェインは、0.01~500mgであり、好ましくは、ジヒドロコデインリン酸塩は、0.1~200mg、サリチルアミドは、0.1~900mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、0.1~150mg、アセトアミノフェンは、0.1~500mg、および無水カフェインは、0.1~400mgであり、より好ましくは、ジヒドロコデインリン酸塩は、1~100mg、サリチルアミドは、1~800mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、1~100mg、アセトアミノフェンは、1~400mg、および無水カフェインは、1~300mgであり、特に好ましくは、ジヒドロコデインリン酸塩は、5~75mg、サリチルアミドは、5~700mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、5~100mg、アセトアミノフェンは、5~500mg、および無水カフェインは、5~300mgであり、極めて好ましくは、ジヒドロコデインリン酸塩は、10~50mg、サリチルアミドは、10~650mg、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は、10~50mg、アセトアミノフェンは、10~400mg、および無水カフェインは、10~200mgである。なお、本発明組成物中のジヒドロコデインリン酸塩、サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェインの好ましい重量比は、1:1:1:1:1~10.0:140.0:10.0:80.0:30.0、より好ましい重量比は、1:1:1:1:1~7.5:105.0:7.5:60.0:20.0、特に好ましくは、1:1:1:1:1~5.0:70.0:5.0:40.0:15.0、極めて好ましくは、1:1:1:1:1~4.8:64.8:3.2:36.0:14.4である。
【実施例】
【0079】
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0080】
(1)固形状組成物の色差測定試験
固形状組成物の色差測定試験を行うために、表1および表2の有効成分を重量比で等量混合して固形状組成物を製造し、当該固形状組成物について、色差測定試験をおこなった。
【表1】
【表2】
(固形状組成物の製造方法)
表1および表2の参考例、実施例、比較例の有効成分を乳鉢内で混合し(2有効成分以上の場合)、当該混合物を水―エタノール溶液で練合した後、当該練合物を10メッシュの篩でほぐし、乾燥した後、固形状組成物を製造した。固形状組成物中の有効成分は、同一重量比で混合した。
(色差測定試験)
本発明組成物を評価するにあたり、色差測定試験は、以下のようにおこなった。上記で製造した固形状組成物500mgを、直径5.5cmのガラスシャーレに量り取り、光安定性試験装置(LTL-200A-15WCD、ナガノサイエンス株式会社製)で、本発明組成物に120万lux・hrの光を照射した。分光色差計(SE6000型、日本電色工業会株式会社製)で、各固形状組成物のイニシャルを基準に,色調 (ΔE) を測定し、以下の式で算出した。ただし、Lは明度、aは色度 (+:赤色度,-:緑色度) 、bは色度 (+:黄色度,-:青色度) を示す。また,表3には、色差計による外観判定基準を示す。
ΔE = {(ΔL)
2 + (Δa)
2 + (Δb)
2}
1/2
【表3】
なお、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、サリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、アセトアミノフェンおよび無水カフェイン、ジヒドロコデインリン酸塩のみの色差も測定した(参考例8~12、19)。
【0081】
(結果)
固形状組成物の分光光度計による色差(ΔE)測定の結果を表4および表5に示す。その結果、参考例8のデキストロメトルファン臭化水素酸塩単体、参考例9のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩単体の色差に比べ、比較例1~4のデキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物の色差、参考例9のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩単体、参考例19のジヒドロコデインリン酸塩単体の色差に比べ、比較例5~11のジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物の色差は高いことが明らかであった。また、参考例1~7のデキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有していない固形状組成物は、比較例1~4のデキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物よりも、また、参考例13~18のジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有していない固形状組成物は、比較例5~11のジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物よりも、明らかに色差は低くなった。
したがって、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物、ジヒドロコデインリン酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する固形状組成物に対して、組成物の変色を防止する手段が必要であることが明らかとなり、(a)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有しない固形状組成物よりも、当該被覆層を有する固形状組成物のほうが、(b)遮光容器に充填されない、または、遮光包装を施さない固形状組成物よりも、遮光容器に充填され、または、遮光包装を施した固形状組成物のほうが、固形状組成物の色差を低減できることが明らかとなった。
【表4】
【表5】
【0082】
(2)光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有する固形状組成物
(打錠前顆粒の製造方法)
デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩をそれぞれ12gずつメノウ乳鉢に加え、混合し、水‐エタノール溶液で練合した。練合物を10メッシュの篩でほぐし、乾燥した。乾燥は、棚式通気式乾燥機を用いて、給気温度60℃で検体の水分が1%以下になるまで行った。乾燥後の顆粒を、分球して、850~300μmの範囲の顆粒のみを打錠前顆粒とした。なお、水‐エタノール溶液は表6に従い、調製した。
【表6】
【0083】
(素錠の製造方法)
表7の打錠条件より、打錠前顆粒をABM100S静的圧縮機によって打錠し、素錠を製造した。
【表7】
【0084】
(コーティング液の調製方法)
表8にコーティング液の組成、表9にコーティング液の調製方法を示す。なおコーティング剤としては、ヒプロメロース:酸化チタン:タルクを3:1:1の割合(重量比)で含有するOPADRY WHITE (03A48081)を用いた。なお、コーティング剤中の光安定化物質としては、酸化チタン、タルクが含まれている。
【表8】
*配合比率 ヒプロメロース:酸化チタン:タルク=3:1:1(重量比)
【表9】
【0085】
(コーティング錠剤の製造方法)
コーティング錠のコーティング・乾燥条件を表10に、コーティング液のスプレー条件を表11にそれぞれ示す。素錠約100錠とプラスチック錠約3000錠を仕込み,目標被覆量まで、コーティング液で被覆を行った。表12のコーティング量が異なるコーティング錠の錠剤を製造するため、コーティング時間を30、45、60、75、90および120分の際に、錠剤の抜き取りを行った。
【表10】
*1:コーティング時間30、45、60、75、90および120分後に錠剤の抜き取りを行った。
【表11】
【0086】
(色差測定試験)
色差測定試験は、以下のようにおこなった。上記製造した錠剤5錠を、直径5.5cmのガラスシャーレに入れ、光安定性試験装置(LTL-200A-15WCD、ナガノサイエンス株式会社製)で、本錠剤に120万lux・hrの光を照射した。分光色差計(SE6000型、日本電色工業会株式会社製)で、各錠剤のイニシャルを基準に,色調 (ΔE) を測定し、以下の式で算出した。ただし、Lは明度、aは色度 (+:赤色度,-:緑色度) 、bは色度 (+:黄色度,-:青色度) を示す。なお、比較例として、コーティング液を被覆しない、すなわち、被覆層を有しない錠剤(素錠)とし、同様に色差を測定した。
ΔE = {(ΔL)2 + (Δa)2 + (Δb)2}1/2
【0087】
(結果)
光安定化物質および高分子を含有する被覆層を有する錠剤の分光光度計による色差(ΔE)測定の結果を表12に示す。その結果、比較例12の被覆層を有しない錠剤(素錠)に比べ、錠剤の表面に被覆層を設けた被覆錠剤の色差(ΔE)は低下した。特に、1錠あたりの被覆層の被覆量が1.6mgを超えた場合、すなわち、色差が12以下となり、人の目でも着色していない程度に色差を抑えることができた。
【表12】
【0088】
(3)遮光した固形状組成物および錠剤の色差測定試験
表12の実施例1~6、比較例12、表2の比較例5~11の固形状組成物、打錠前顆粒を遮光し、色差測定試験をおこなった。以下、遮光した容器に充填した固形状組成物、錠剤、打錠前顆粒については「遮光あり」、遮光した容器に充填していない固形状組成物、錠剤、打錠前顆粒については「遮光なし」という場合がある、
(色差測定試験)
色差測定試験は、以下のようにおこなった。表12の実施例1~6の錠剤5錠、比較例12の錠剤5錠、表2の比較例5~11の固形状組成物 2g、デキストロメトルファン臭化水素酸塩およびプロメタジンメチレンジサリチル酸塩を含有する打錠前顆粒500mgを、それぞれ直径5.5cmのガラスシャーレにいれ、そのガラスシャーレをアルミホイルで覆った後、光安定性試験装置(LTL-200A-15WCD、ナガノサイエンス株式会社製)で、本錠剤に120万lux・hrの光を照射した。分光色差計(SE6000型、日本電色工業会株式会社製)で、各固形状組成物、各錠剤のイニシャルを基準に,色調 (ΔE) を測定し、以下の式で算出した。ただし、Lは明度、aは色度 (+:赤色度,-:緑色度) 、bは色度 (+:黄色度,-:青色度) を示す。
ΔE = {(ΔL)2 + (Δa)2 + (Δb)2}1/2
【0089】
(結果)
遮光した容器に充填した錠剤および固形状組成物の色差測定試験の結果を、表13(錠剤)および表14(固形状組成物)に示す。その結果、遮光なしの錠剤および固形状組成物に比べ、遮光ありの錠剤および固形状組成物のほうが、明らかに色差(ΔE)が低下した。従って、遮光容器に充填せず、または、遮光包装を施さない製剤または固形状組成物よりも、遮光容器に充填され、または、遮光包装を施した製剤または固形状組成物のほうが、製剤または固形状組成物の色差を低減できることが明らかとなった。なお、打錠前顆粒については、遮光なしの色差(ΔE)は、23.62に対し、遮光ありの色差(ΔE)は、2.92であり、遮光ありの打錠前顆粒において、色差(ΔE)が低下した。
【表13】
【表14】
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明者らは、かぜの諸症状に有用な有効成分を複数含有する固形状組成物または製剤であり、光を照射しても、組成物が変色しにくい本発明組成物または製剤を見出した。本発明組成物は、「のどの痛み」、「発熱」、「鼻水」の他に「咳」に有用である。