(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ケース支持装置およびケース支持方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2019013499
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 祐太
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-174067(JP,A)
【文献】特開2014-241333(JP,A)
【文献】特開2002-280445(JP,A)
【文献】特開2006-313789(JP,A)
【文献】特開2005-347576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1施錠手段によって開口部に第1蓋が係止された第1ケースと、第2施錠手段によって開口部に第2蓋が係止された第2ケースとを選択的に支持可能なケース支持手段と、
前記第1施錠手段または前記第2施錠手段の施錠と開錠とを行う鍵の宛がい位置を直接的または間接的に検知する検知手段と、
前記ケース支持手段に支持された前記第1ケースまたは第2ケースから、前記第1蓋または第2蓋を取り外す蓋取外し手段とを備え、
前記蓋取外し手段は、複数の鍵を備え、前記検知手段の検知結果を基にして、前記第1蓋、第2蓋または、前記第1ケース、第2ケースに設けられた前記宛がい位置に対応する鍵を選定
し、選定した鍵で前記第1施錠手段または前記第2施錠手段の施錠と開錠を行うことを特徴とするケース支持装置。
【請求項2】
前記ケース支持手段に支持された前記第1ケースの開口部または前記第2ケースの開口部に対応する給排出開口部を有するゲート手段を備え、当該ゲート手段は、第1ケースおよび第2ケースの開口部の大きさの違いによって、前記給排出開口部との間に形成される隙間を塞ぐ隙間塞ぎ手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のケース支持装置。
【請求項3】
第1施錠手段によって開口部に第1蓋が係止された第1ケースと、第2施錠手段によって開口部に第2蓋が係止された第2ケースとを選択的に支持するケース支持工程と、
前記第1施錠手段または前記第2施錠手段の施錠と開錠とを行う鍵の宛がい位置を直接的または間接的に検知する検知工程と、
前記ケース支持工程で支持された前記第1ケースまたは第2ケースから、前記第1蓋または第2蓋を取り外す蓋取外し工程とを実施し、
前記蓋取外し工程では、複数の鍵を用意しておき、前記検知工程での検知結果を基にして、前記第1蓋、第2蓋または、前記第1ケース、第2ケースに設けられた前記宛がい位置に対応する鍵を選定
し、選定した鍵で前記第1施錠手段または前記第2施錠手段の施錠と開錠を行う工程を実施することを特徴とするケース支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース支持装置およびケース支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種類の異なるケースに対応可能なケース支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のロードポート1(ケース支持装置)は、遮蔽部材RW3(第1蓋)のロック機構(第1施錠手段)と、遮蔽部材RR3(第2蓋)のロック機構(第2施錠手段)とでロック開閉手段(鍵)の宛がい位置が異なっていると、第1収納手段RW(第1ケース)と第2収納手段RR(第2ケース)との両方に対応するという機能が損なわれてしまうという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、鍵の宛がい位置がケースの種類によって異なっていても対応することができるケース支持装置およびケース支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鍵の宛がい位置を検知し、その位置に対応する鍵を選定するので、鍵の宛がい位置がケースの種類によって異なっていても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1の手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、
図2は、
図1(A)と同じ方向から観た図なので、方向を示す矢印は省略。
【0010】
図1において、本発明のケース支持装置EAは、第1施錠手段LS1(
図2(A)参照)によって開口部CA1Aに第1蓋CA1Bが係止された第1ケースCA1と、第2施錠手段LS2(
図2(C)参照)によって開口部CA2Aに第2蓋CA2Bが係止された第2ケースCA2とを選択的に支持可能なケース支持手段10と、第1施錠手段LS1または第2施錠手段LS2の施錠と開錠とを行う鍵34の宛がい位置としての鍵穴LHの位置を間接的に検知する検知手段20と、ケース支持手段10に支持された第1ケースCA1または第2ケースCA2から、第1蓋CA1Bまたは第2蓋CA2Bを取り外す蓋取外し手段30と、ケース支持手段10に支持された第1ケースCA1の開口部CA1Aまたは第2ケースCA2の開口部CA2Aに対応する給排出開口部41Aを有するゲート手段40とを備え、第1ケースCA1または第2ケースCA2に収納された処理対象物WK1またはWK2(
図2参照)を他の装置EA1の搬入位置EA11に搬送する処理対象物搬送手段50の近傍に配置されている。
【0011】
ケース支持手段10は、本体フレーム11と、本体フレーム11の支持台11A上に支持された駆動機器としてのリニアモータ12と、リニアモータ12のスライダ12Aに支持され、第1ケースCA1と第2ケースCA2とを選択的に支持面13Aで支持するケース支持テーブル13とを備えている。
ケース支持テーブル13は、支持面13Aに形成された穴13Bの側壁に支持された駆動機器であってケース保持手段としての直動モータ13Cを備え、第1ケースCA1および第2ケースCA2の下面に設けられた保持プレートCA1D、CA2Dを、その出力軸13Dで穴13Bの側壁に押し付けることで、支持した第1ケースCA1または第2ケースCA2を当該ケース支持テーブル13で保持する構成となっている。
【0012】
検知手段20は、ケース支持テーブル13の支持面13Aに形成された穴13Eの側壁に支持され、第1ケースCA1の下面に設けられたピンCA1Cを検知する光学センサ21と、ケース支持テーブル13の支持面13Aに形成された穴13Fの側壁に支持され、第2ケースCA2の下面に設けられたピンCA2Cを検知する光学センサ22とを備えている。
【0013】
蓋取外し手段30は、ゲート手段40の給排出開口部41Aを塞ぐことが可能な開閉蓋31と、開閉蓋31に形成された複数の凹部31A内にそれぞれ支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段で吸着保持が可能な蓋保持手段としての吸着パッド32と、開閉蓋31を移動させる開閉蓋移動手段33と、複数(本実施形態では4個)の鍵34を備え、検知手段20の検知結果を基にして、第1蓋CA1B、第2蓋CA2Bに設けられた鍵穴LHの位置に対応する鍵34を選定可能に設けられている。
開閉蓋移動手段33は、本体フレーム11に支持された駆動機器としてのリニアモータ33Aと、リニアモータ33Aのスライダ33Bに支持され、そのスライダ33Dで開閉蓋31を支持する駆動機器としてのリニアモータ33Cとを備えている。
鍵34は、開閉蓋31に形成された複数の凹部31B内にそれぞれ支持された駆動機器としての直動モータ34Aと、直動モータ34Aの出力軸34Bに支持された駆動機器としての回動モータ34Cとを備え、回動モータ34Cの出力軸34Dに支持されている。
なお、第1施錠手段LS1および第2施錠手段LS2は、鍵穴LHに挿入された鍵34を所定の方向に回転させることで、第1ケースCA1または第2ケースCA2に対する施錠と開錠が可能になっている。また、
図1(A)中矢印MAで示す開閉蓋31の中央部に位置する2つの鍵34を、以降まとめて「中央鍵34」といい、同図中矢印MBで示す開閉蓋31の上部に位置する2つの鍵34を、以降まとめて「上方鍵34」という。そして、ケース支持装置EAは、ケース支持手段10に支持された状態で、第1ケースCA1に係止された第1蓋CA1Bの2つの鍵穴LHが中央鍵34に対応し、同状態で、第2ケースCA2に係止された第2蓋CA2Bの2つの鍵穴LHが上方鍵34に対応していることを図示しない記憶手段で記憶している。
【0014】
ゲート手段40は、給排出開口部41Aを有するゲートフレーム41と、第1ケースおよび第2ケースの開口部の大きさの違いによって、給排出開口部41Aとの間に形成される隙間を塞ぐ隙間塞ぎ手段42とを備えている。
隙間塞ぎ手段42は、ゲートフレーム41に支持された駆動機器としての回動モータ42Aと、その出力軸42Bにブラケット42Cを介して支持された開閉ボード42Dとを備え、給排出開口部41Aの上側と手前側と奥側との3箇所に設けられている。
【0015】
処理対象物搬送手段50は、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム51Aで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット51と、先端アーム51Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)で吸着保持が可能な吸着保持面52Aを備えた搬送アーム52とを備えている。
【0016】
以上のケース支持装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたケース支持装置EAに対し、当該ケース支持装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図2(A)中二点鎖線で示すように、処理対象物WK1が収納された第1ケースCA1をケース支持テーブル13上に載置する。すると、ケース支持手段10が直動モータ13Cを駆動し、第1ケースCA1の保持プレートCA1Dを出力軸13Dで穴13Bの側壁に押し付け、ケース支持テーブル13で第1ケースCA1を保持する。次いで、検知手段20が光学センサ21、22を駆動し、第1ケースCA1のピンCA1Cを光学センサ21が検知することで、ケース支持テーブル13上に載置されたケースが第1ケースCA1であることを当該検知手段20が検知し、第1蓋CA1Bに設けられた鍵穴LHの位置を間接的に検知する。その後、ケース支持手段10がリニアモータ12を駆動し、ケース支持テーブル13を右方へ移動させ、第1ケースCA1の開口部CA1Aの周辺部を開閉ボード42Dに所定の押圧力で押圧する。すると、
図2(A)に示すように、第1蓋CA1Bが吸着パッド32に当接するとともに、第1蓋CA1Bの2つの鍵穴LHが中央鍵34に対向配置する。
【0017】
次に、以下の第1ケースCA1を対象とした「蓋取外し手段30による蓋外し動作」が行われる。
すなわち、蓋取外し手段30が検知手段20の検知結果を基にして、中央鍵34を支持する各直動モータ34Aおよび各回動モータ34Cを駆動し、中央鍵34を第1蓋CA1Bの各鍵穴LHに挿入して当該中央鍵34を所定の方向に回転させ、第1ケースCA1に対する第1施錠手段LS1の開錠を行う。そして、蓋取外し手段30が図示しない減圧手段を駆動し、吸着パッド32での第1蓋CA1Bの吸着保持を開始した後、リニアモータ33A、33Cを駆動し、開閉蓋31を右方に移動させた後、下方へ移動させ、
図2(B)に示すように、第1ケースCA1の開口部CA1Aから第1蓋CA1Bを取り外す(以上が第1ケースCA1を対象とした「蓋取外し手段30による蓋外し動作」)。
【0018】
次いで、以下の処理対象物WK1を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」が所定回行われる。
すなわち、処理対象物搬送手段50が多関節ロボット51を駆動し、搬送アーム52の吸着保持面52Aを処理対象物WK1に当接させた後、図示しない減圧手段を駆動し、当該吸着保持面52Aでの処理対象物WK1の吸着保持を開始する。その後、処理対象物搬送手段50が多関節ロボット51を駆動し、搬送アーム52で吸着保持した処理対象物WK1を第1ケースCA1から取り出し、当該処理対象物WK1を他の装置EA1の搬入位置EA11に載置する。次に、処理対象物搬送手段50が図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着保持面52Aでの処理対象物WK1の吸着保持を解除した後、多関節ロボット51を駆動し、搬送アーム52を初期位置に復帰させる(以上が処理対象物WK1を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」)。
【0019】
そして、処理対象物WK1を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」が所定回行われると、蓋取外し手段30がリニアモータ33A、33Cを駆動し、開閉蓋31を初期位置に復帰させ、第1蓋CA1Bを第1ケースCA1の開口部CA1Aに嵌め込んだ後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド32での第1蓋CA1Bの吸着保持を解除する。次いで、蓋取外し手段30が中央鍵34を支持する各回動モータ34Cを駆動し、当該中央鍵34を所定の方向に回転させ、第1ケースCA1に対する第1施錠手段LS1の施錠を行った後、各直動モータ34Aを駆動し、鍵34を初期位置に復帰させる。その後、ケース支持手段10がリニアモータ12および直動モータ13Cを駆動し、ケース支持テーブル13および出力軸13Dを初期位置に復帰させ、ケース支持テーブル13での第1ケースCA1の保持を解除すると、使用者または、図示しない搬送手段が、第1ケースCA1をケース支持テーブル13上から取り去り、以降上記と同様の動作が繰り返される。
【0020】
一方、使用者または図示しない搬送手段が、
図2(C)中二点鎖線で示すように、処理対象物WK2が収納された第2ケースCA2をケース支持テーブル13上に載置すると、ケース支持手段10が直動モータ13Cを駆動し、第2ケースCA2の保持プレートCA2Dを出力軸13Dで穴13Bの側壁に押し付け、ケース支持テーブル13で第2ケースCA2を保持する。次に、検知手段20が光学センサ21、22を駆動し、第2ケースCA2のピンCA2Cを光学センサ22が検知することで、ケース支持テーブル13上に載置されたケースが第2ケースCA2であることを当該検知手段20が検知し、第2蓋CA2Bに設けられた鍵穴LHの位置を間接的に検知する。そして、ケース支持手段10がリニアモータ12を駆動し、ケース支持テーブル13を右方へ移動させ、第2ケースCA2の開口部CA2Aの周辺部をゲートフレーム41に所定の押圧力で押圧すると、蓋取外し手段30がリニアモータ33Cを駆動し、開閉蓋31を右方に移動させる。次いで、ゲート手段40が回動モータ42Aを駆動し、
図2(C)に示すように、給排出開口部41Aの上側と手前側と奥側に位置する3つの開閉ボード42Dを当該給排出開口部41Aから退避させた後、蓋取外し手段30がリニアモータ33Cを駆動し、開閉蓋31を初期位置に復帰させる。すると、
図2(C)に示すように、第2蓋CA2Bが吸着パッド32に当接するとともに、第2蓋CA2Bの2つの鍵穴LHが上方鍵34に対向配置する。
【0021】
その後、第2ケースCA2を対象とした「蓋取外し手段30による蓋外し動作」が行われた後(
図2(D)参照)、処理対象物WK2を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」が行われる。なお、第2ケースCA2を対象とした「蓋取外し手段30による蓋外し動作」および、処理対象物WK2を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」は、第1ケースCA1または処理対象物WK1を対象とした上記の各動作に対し、対象とするものが第2ケースCA2または処理対象物WK2に変わるだけで、基本的な動作はそれらと同じなので、詳細な動作説明は省略する。
次に、処理対象物WK2を対象とした「処理対象物搬送手段50による搬送動作」が所定回行われると、蓋取外し手段30がリニアモータ33A、33Cを駆動し、開閉蓋31を初期位置に復帰させ、第2蓋CA2Bを第2ケースCA2の開口部CA2Aに嵌め込んだ後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド32での第2蓋CA2Bの吸着保持を解除する。そして、蓋取外し手段30が上方鍵34を支持する各回動モータ34Cを駆動し、当該上方鍵34を所定の方向に回転させ、第2ケースCA2に対する第2施錠手段LS2の施錠を行った後、各直動モータ34Aを駆動し、鍵34を初期位置に復帰させる。
【0022】
次いで、蓋取外し手段30がリニアモータ33Cを駆動し、開閉蓋31を右方に移動させた後、ゲート手段40が回動モータ42Aを駆動し、3つの開閉ボード42Dを初期位置に復帰させると、蓋取外し手段30がリニアモータ33Cを駆動し、開閉蓋31を初期位置に復帰させる。その後、ケース支持手段10がリニアモータ12および直動モータ13Cを駆動し、ケース支持テーブル13および出力軸13Dを初期位置に復帰させてケース支持テーブル13での第2ケースCA2の保持を解除すると、使用者または、図示しない搬送手段が、第2ケースCA2をケース支持テーブル13上から取り去り、以降上記と同様の動作が繰り返される。
【0023】
以上のような実施形態によれば、鍵穴LHの位置を検知し、その位置に対応する鍵34を選定するので、鍵穴LHの位置がケースの種類によって異なっていても対応することができる。
【0024】
本発明における手段及び工程は、それら手段及び工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる1実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、ケース支持手段は、第1施錠手段によって開口部に第1蓋が係止された第1ケースと、第2施錠手段によって開口部に第2蓋が係止された第2ケースとを選択的に支持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0025】
ケース支持手段10は、リニアモータ12が備わっていなくてもよいし、ケース保持手段の備わっていないケース支持テーブル13が採用されてもよい。
ケース保持手段は、例えば、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等により、ケース支持テーブル13で第1ケースCA1または第2ケースCA2を保持する構成でもよい。
【0026】
検知手段20は、第1施錠手段LS1または第2施錠手段LS2の施錠と開錠とを行う鍵34の宛がい位置としての鍵穴LHを直接的に検知する構成でもよい。この場合、カメラや投影機等の撮像手段や、圧力センサや超音波センサ等の各種センサ等を検知手段として採用し、第1蓋CA1Bまたは第2蓋CA2Bを直接撮像したりセンシングしたりして、鍵穴LHの位置を直接的に検知すればよい。
検知手段20は、光学センサ21、22に代えてまたは併用して、カメラや投影機等の撮像手段や、圧力センサや超音波センサ等の各種センサ等が採用されてもよいし、第1ケースCA1のピンCA1Cや、第2ケースCA2のピンCA2C以外の別のものを検知してもよいし、ケース支持テーブル13に支持されていなくてもよく、鍵穴LHを直接的または間接的に検知できれば、どのようなものでもよいし、どこに設けられていてもよく、例えば、ケース支持手段10に支持される前段で鍵穴LHの位置を直接的または間接的に検知してもよい。
【0027】
蓋取外し手段30は、検知手段20の検知結果を基にして、第1ケースCA1、第2ケースCA2に設けられた鍵穴LHの位置に対応する鍵34を選定可能に設けられていてもよい。
蓋取外し手段30は、2個または3個以上の鍵34を備えていてもよいし、第1、第2ケースCA1、CA2を対象とした「蓋取外し手段30による蓋外し動作」において、第1、第2ケースCA1、CA2に対する第1、第2施錠手段LS1、LS2の開錠を行った後、鍵34を一旦初期位置に復帰させてもよいし、蓋保持手段が1個でもよいし、2個以上でもよいし、蓋保持手段として、例えば、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等により、第1蓋CA1Bまたは第2蓋CA2Bを保持するものが採用されてもよい。
鍵34は、直動モータ34Aや回動モータ34Cに支持されていなくてもよいし、開閉蓋31以外のもの(例えば多関節ロボット等)に支持されていてもよい。
【0028】
ゲート手段40は、開閉ボード42Dが前後方向や上下方向に平行移動する隙間塞ぎ手段42が採用されてもよいし、隙間塞ぎ手段42が給排出開口部41Aの上側と下側と手前側と奥側との少なくとも1箇所に設けられていてもよいし、本発明のケース支持装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0029】
処理対象物搬送手段50は、「処理対象物搬送手段50による搬送動作」を1回だけ行ってもよいし、2回以上行ってもよいし、第1、第2ケースCA1、CA2内に収納された処理対象物WK1、WK2全てを搬送してもよいし、それらうち一部を搬送してもよいし、他の装置EA1で所定の処理が施された処理対象物WK1、WK2を第1、第2ケースCA1、CA2に戻してもよいし、本発明のケース支持装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
第1、第2蓋CA1B、CA2Bは、第1、第2ケースCA1、CA2に対して蝶番を介して開閉可能に設けられていてもよいし、どの位置に鍵34の鍵穴LHが設けられていてもよいし、1個または2個以上の第1、第2施錠手段LS1、LS2に対応して、1個または2個以上の鍵穴LHが設けられていてもよい。
第1、第2施錠手段LS1、LS2は、ラッチ機構、掛けがね、かんぬき機構等、どのような機構でもよい。
第1施錠手段LS1と第2施錠手段LS2とは、同じものでもよいし、異なるものでもよいし、一部が同じでその他の部分が異なるものでもよいし、電気、電波やまたは磁誘導等によって第1ケースCA1または第2ケースCA2に対する施錠と開錠が可能な電子ロック機構、電磁ロック機構、電磁誘導ロック機構等、どのような施錠機構でもよい。
第1施錠手段LS1に対応する鍵34と、第2施錠手段LS2に対応する鍵34とは、同じものでもよいし、異なるものでもよいし、一部が同じでその他の部分が異なるものでもよい。
鍵34は、第1ケースCA1に対応するものが1体で、第2ケースCA2に対応するものも1体でもよいし、第1ケースCA1に対応するものが2体以上で、第2ケースCA2に対応するものも2体以上でもよいし、第1ケースCA1または第2ケースCA2に対して施錠を行う回転方向と、開錠を行う回転方向とが同じ回転方向でもよいし、異なる回転方向でもよいし、所定の方向に回転させることなく、例えば、所定の直線方向に移動させたり、第1、第2施錠手段LS1、LS2に近付けたりすることで、第1ケースCA1または第2ケースCA2に対する施錠と開錠が可能な電子ロック機構、電磁ロック機構、電磁誘導ロック機構等、どのような施錠機構に対応したものでもよいし、例えば、第1、第2施錠手段LS1、LS2が電気によって第1ケースCA1または第2ケースCA2に対する施錠と開錠が可能なものの場合、それら第1、第2施錠手段LS1、LS2に電気を供給するものでもよく、そのような第1、第2施錠手段LS1、LS2の場合、鍵の宛がい位置は、当該鍵を近付けたり、電気を供給したりする位置となる。
前記実施形態では、第1、第2施錠手段LS1、LS2および鍵穴LHが、第1、第2蓋CA1B、CA2Bのみに設けられた例を挙げたが、第1、第2施錠手段LS1、LS2および鍵穴LHは、第1、第2ケースCA1、CA2のみに設けられていてもよいし、それらのうちの一方が第1、第2ケースCA1、CA2に設けられ、且つ、それらのうちの他方が第1、第2蓋CA1B、CA2Bに設けられていてもよく、鍵穴LHが、第1、第2ケースCA1、CA2に設けられている場合、鍵34は、ゲートフレーム41や開閉ボード42D等、開閉蓋31以外のものに支持されていてもよいし、他のものに支持されていてもよい。
他の装置EA1は、例えば、処理対象物WK1、WK2に接着シートを貼付するシート貼付装置や、処理対象物WK1、WK2に印字または塗装等を施す印刷装置等、どのようなものでもよいし、処理対象物WK1、WK2を載置する単なる台でもよい。
本発明のケース支持装置EAは、所謂ロードポート、所謂オープナ、所謂フープ等であってもよいし、第1ケースCA1に係止されている第1蓋CA1Bにおける鍵穴LHの位置と、第2ケースCA2に係止されている第2蓋CA2Bにおける鍵穴LHの位置とが、使用者によって図示しない記憶手段に記憶される構成でもよいし、鍵穴LHの位置が異なる3種類以上のケースを支持するものでもよく、この場合、蓋取外し手段30は、3種類以上のケースに応じた鍵穴LHの位置に対応する鍵34を備えていればよい。
【0031】
本発明における処理対象物WK1およびWK2の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、処理対象物WK1およびWK2は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよい。また、処理対象物WK1およびWK2としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の印記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA ケース支持装置
10 ケース支持手段
20 検知手段
30 蓋取外し手段
34 鍵
40 ゲート手段
42 隙間塞ぎ手段
CA1 第1ケース
CA1A 開口部
CA1B 第1蓋
CA2 第2ケース
CA2A 開口部
CA2B 第2蓋
LH 鍵穴(宛がい位置)
LS1 第1施錠手段
LS2 第2施錠手段