(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2019032478
(22)【出願日】2019-02-26
【審査請求日】2021-11-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 史郎
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-182072(JP,A)
【文献】特開2015-152754(JP,A)
【文献】特開2016-188899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10H 1/00、 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置を利用する利用者の数である利用者人数を取得する取得部と、
取得した前記利用者人数が所定条件を満たす場合には、楽曲毎に予め設定されている演奏時間を短縮する短縮演奏モードを選択し、取得した前記利用者人数が前記所定条件を満たさない場合には、楽曲毎に予め設定されている演奏時間でカラオケ演奏を行う通常演奏モードを選択する選択部と、
前記短縮演奏モード及び前記通常演奏モードを備え、選択された前記短縮演奏モードまたは前記通常演奏モードに基づいてカラオケ演奏を行う演奏制御部と、
を有し、
前記所定条件は、歌唱待ち時間を短くすることができるよう利用者人数に基づいて
決定さ
れ、
前記演奏制御部は、短縮する前記演奏時間が異なる複数の前記短縮演奏モードを有し、
前記選択部は、取得した前記利用者人数が所定条件を満たす場合に、前記利用者人数に応じて前記複数の短縮演奏モードから一の短縮演奏モードを選択することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記カラオケ装置に対する前記利用者のログインを行うログイン処理部を有し、
前記取得部は、ログインしている利用者の数を前記利用者人数として取得することを特徴とする請求
項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記取得部は、楽曲を予約中の利用者を示す利用者識別情報と当該楽曲を示す楽曲識別情報とを紐づけた予約待ち行列に含まれる当該利用者識別情報に基づいて、前記利用者人数を取得することを特徴とする請求
項2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記取得部は、撮影手段により前記利用者を撮影して得られた画像を解析することにより、前記利用者人数を取得することを特徴とする請求
項1記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一のカラオケ装置を複数の利用者で利用する場合、一般的には利用者の数が増えるにつれて予約される楽曲の数も多くなる。その結果、各利用者がカラオケ歌唱を開始するまでの待ち時間(以下、「歌唱待ち時間」)が増えることとなる。
【0003】
そこで、特許文献1には、カラオケ装置で予約された曲数がある一定の曲数を超えた場合に、予約曲について演奏時間を短縮するように演奏データを加工する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、予約される楽曲の数は必ずしも利用者の人数によって決まるものではない。たとえば、予めカラオケ歌唱したい楽曲が決まっている場合、少人数の利用者であっても予約される楽曲の数は多くなる。一方で、少人数の場合には歌唱待ち時間はそれほど長くはならない。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術によれば、予約される楽曲の数が一定の曲数を超えた場合には、実際の歌唱待ち時間によらず、楽曲の演奏時間が短縮されることになる。
【0007】
本発明の目的は、利用者の人数に応じて歌唱待ち時間を短くすることが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、カラオケ装置を利用する利用者の数である利用者人数を取得する取得部と、取得した前記利用者人数が所定条件を満たす場合には、楽曲毎に予め設定されているカラオケ演奏の演奏時間を短縮する短縮演奏モードを選択し、取得した前記利用者人数が前記所定条件を満たさない場合には、楽曲毎に予め設定されている演奏時間でカラオケ演奏を行う通常演奏モードを選択する選択部と、前記短縮演奏モード及び前記通常演奏モードを備え、選択された前記短縮演奏モードまたは前記通常演奏モードに基づいてカラオケ演奏を行う演奏制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者の人数に応じて歌唱待ち時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る利用者人数と短縮演奏モードとの関係を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1~
図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0012】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0013】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0014】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、及び制御手段10dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0015】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、カラオケ装置Kによりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。
【0016】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるMIDI形式のデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点する際の基準として用いられるデータである。各楽曲には、カラオケ演奏の演奏時間が予め設定されている。
【0017】
また、本実施形態に係る記憶手段10aは、短縮演奏モードに関するテーブルデータを記憶している(詳細は後述)。
【0018】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0019】
[制御手段]
制御手段10dは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0020】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10dは、ログイン処理部100、取得部200、選択部300、及び演奏制御部400として機能する。
【0021】
(ログイン処理部)
ログイン処理部100は、カラオケ装置Kに対する利用者のログインを行う。
【0022】
たとえば、利用者は、カラオケ装置Kのリモコン装置50を介し、利用者識別情報を入力する。利用者識別情報は、利用者ID等、利用者を識別するための固有の識別子である。利用者からの操作入力に基づき、ログイン処理部100は、利用者識別情報を記憶手段10aに記憶させることでカラオケ装置Kに対する利用者のログインを完了する。本実施形態では複数の利用者がカラオケ装置Kにログインしているとする。
【0023】
ここで、ログイン済みの利用者は、リモコン装置50を介し、カラオケ歌唱を行いたい楽曲の予約を行う。記憶手段10aは、楽曲を予約した利用者の利用者IDと当該楽曲の楽曲IDとを紐付けて予約待ち行列に記憶する。
【0024】
一方、ログイン済みの利用者がカラオケ装置Kの利用を止める場合、リモコン装置50を介し、自己の利用者識別情報を削除する旨の操作入力(ログアウトの操作入力)を行う。利用者からの操作入力に基づき、ログイン処理部100は、記憶手段10aに記憶している当該利用者の利用者識別情報を削除することでカラオケ装置Kに対する利用者のログアウトを完了する。
【0025】
(取得部)
取得部200は、カラオケ装置Kを利用する利用者の数である利用者人数を取得する。利用者人数の取得は様々な方法で行うことができる。
【0026】
一例として、取得部200は、ログインしている利用者の数を利用者人数として取得する。この場合、取得部200は、ログインまたはログアウトがある都度、利用者人数を取得することができる。
【0027】
たとえば、利用者U1~利用者U4がカラオケ装置Kにログインしている状態で、利用者U5からカラオケ装置Kに対するログインの操作入力があったとする。この場合、ログイン処理部100は、カラオケ装置Kに対する利用者U5のログインを完了する。
【0028】
この際、取得部200は、記憶手段10aに記憶されている利用者識別情報の数をカウントし、利用者人数として「5人」を取得する。
【0029】
一方、利用者U1~利用者U5がカラオケ装置Kにログインしている状態で、利用者U1からカラオケ装置Kに対するログアウトの操作入力があったとする。この場合、ログイン処理部100は、カラオケ装置Kに対する利用者U1のログアウトを完了する。
【0030】
この際、取得部200は、記憶手段10aに記憶されている利用者識別情報の数をカウントし、利用者人数として「4人」を取得する。
【0031】
或いは、取得部200は、最初に予約された楽曲のカラオケ演奏が開始される直前、或いは当該楽曲のカラオケ演奏を開始する指示が利用者からあった場合に、その時点でログインしている利用者の数を利用者人数として取得してもよい。カラオケ演奏を開始する指示は、利用者がリモコン装置50を操作することにより行う。
【0032】
また、別の例として、取得部200は、楽曲を予約中の利用者を示す利用者識別情報と当該楽曲を示す楽曲識別情報とを紐づけた予約待ち行列に含まれる利用者識別情報に基づいて、利用者人数を取得することができる。
【0033】
たとえば、利用者U1~利用者U5の5人がカラオケ装置Kにログインしているとする。一方、記憶手段10aの予約待ち行列には、利用者U1~利用者U3が予約中の楽曲、及び利用者U5が予約中の楽曲のみが含まれているとする。すなわち、利用者U4は、カラオケ装置Kにログインしているが、楽曲の予約中ではない。従って、利用者U4については歌唱待ち時間を考慮する必要がない。
【0034】
そこで、取得部200は、予約待ち行列に含まれる利用者U1~U3、及び利用者U5の利用者IDに基づいて、利用者人数として「4人」を取得する。
【0035】
(選択部)
選択部300は、取得した利用者人数が所定条件を満たす場合には、短縮演奏モードを選択し、取得した利用者人数が所定条件を満たさない場合には、通常演奏モードを選択する。
【0036】
短縮演奏モードは、楽曲毎に予め設定されているカラオケ演奏の演奏時間を短縮するモードである。演奏時間をどのように短縮するかは、たとえば「2コーラス後、フェードアウト」、「間奏カット」等、予め設定されている。また、演奏短縮モードは、一のモードが設定されていてもよいし、短縮する演奏時間が異なる複数のモードが設定されていてもよい。複数の短縮演奏モードを有する場合、各短縮演奏モードは利用者人数に応じて設定される。
【0037】
通常演奏モードは、楽曲毎に予め設定されている演奏時間でカラオケ演奏を行うモードである。
【0038】
所定条件は、短縮演奏モードと通常演奏モードのいずれを選択するかの基準となる条件である。所定条件は利用者人数に基づいて決定される。たとえば「利用者人数が3人以上」という所定条件の場合、選択部300は、取得された利用者人数が4人の場合には短縮演奏モードを選択し、取得された利用者人数が2人の場合には通常演奏モードを選択する。
【0039】
また、複数の短縮演奏モードが設定されている場合、選択部300は、取得した利用者人数が所定条件を満たす場合に、利用者人数に応じて複数の短縮演奏モードから一の短縮演奏モードを選択する。
【0040】
たとえば、記憶手段10aが
図3に示すテーブルデータを記憶しているとする。
図3に示すテーブルデータは、カラオケ装置Kが実行可能な短縮演奏モードと利用者人数との関係を規定している。
図3の例によれば利用者人数が多くなるにつれて、一曲の演奏時間が短くなる。また所定条件として「利用者人数が3人以上」が設定されているとする。なお、この例における「2コーラスフェードアウト」は、前奏、1番、間奏、2番を演奏してフェードアウトを行うため演奏時間が通常演奏モードより短く、「2コーラスフェードアウト及び間奏カット」は前奏、1番を演奏した後に間奏を演奏せず2番を演奏してフェードアウトを行うため演奏時間が「2コーラスフェードアウト」よりさらに短い。そして、「1コーラスフェードアウト」は前奏、1番を演奏してフェードアウトを行うため演奏時間が「2コーラスフェードアウト及び間奏カット」よりさらに短い。
【0041】
ここで、取得した利用者人数が「5人」の場合、選択部300は、
図3のテーブルデータを参照し、短縮演奏モードとして「2コーラスフェードアウト及び間奏カット」を選択する。一方、取得した利用者人数が「8人」の場合、選択部300は、
図3のテーブルデータを参照し、短縮演奏モードとして「1コーラスフェードアウト」を選択する。なお、この例において、取得した利用者人数が2人以下の場合、選択部300は、通常演奏モードを選択する。
【0042】
(演奏制御部)
演奏制御部400は、楽曲の伴奏データに基づいてカラオケ演奏を行う。具体的に、演奏制御部400は、記憶手段10aから伴奏データを読み出し、当該伴奏データに基づいて演奏音を生成し、スピーカ20から放音させる。
【0043】
本実施形態に係る演奏制御部400は、異なる演奏モード(短縮演奏モード及び通常演奏モード)を備え、選択された短縮演奏モードまたは通常演奏モードに基づいてカラオケ演奏を行う。
【0044】
また、上述のように短縮演奏モードが複数ある場合、演奏制御部400は、短縮する演奏時間が異なる複数の短縮演奏モードでカラオケ演奏を行うことができる。
【0045】
たとえば選択部300により短縮演奏モードが選択されたとする。この場合、演奏制御部400は、利用者の予約した楽曲のカラオケ演奏全てについて演奏時間を短縮してカラオケ演奏を行う。
【0046】
==カラオケ装置における処理について==
次に、
図4を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。
図4は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。この例では、カラオケ店舗に入店した利用者のグループがカラオケルームにおいて一のカラオケ装置Kを利用するものとする。
【0047】
ログイン処理部100は、カラオケ装置Kに対する各利用者のログインまたはログアウトを行う(各利用者のログインまたはログアウト。ステップ10)。各利用者はログインした後、自らがカラオケ歌唱を行う楽曲の予約を行う。また、各利用者は、カラオケ装置Kの利用を止める場合にはログアウトの指示入力を行う。
【0048】
取得部200は、利用者のログインまたはログアウトに応じて、カラオケ装置Kを利用する利用者人数を取得する(利用者人数の取得。ステップ11)。
【0049】
選択部300は、ステップ11で取得した利用者人数が所定条件を満たすかどうかを判断する。
【0050】
取得した利用者人数が所定条件を満たす場合(ステップ12でYの場合)、選択部300は、楽曲毎のカラオケ演奏の演奏時間を短縮する短縮演奏モードを選択する(短縮演奏モードの選択。ステップ13)。一方、取得した利用者人数が所定条件を満たさない場合(ステップ12でNの場合)、選択部300は、楽曲毎の演奏時間でカラオケ演奏を行う通常演奏モードを選択する(通常演奏モードの選択。ステップ14)。
【0051】
その後、一の利用者がリモコン装置50を介してカラオケ演奏開始の指示入力を行ったとする(カラオケ演奏開始の指示。ステップ15)。
【0052】
演奏制御部400は、ステップ13またはステップ14で選択された演奏モードに基づいてカラオケ演奏を行う(選択された演奏モードに基づくカラオケ演奏。ステップ16)。
【0053】
カラオケ装置Kは、全ての利用者がログアウトするまで(ステップ17でYの場合)、ステップ10~ステップ16の処理を繰り返す。
【0054】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ装置Kを利用する利用者の数である利用者人数を取得する取得部200と、取得した利用者人数が所定条件を満たす場合には、楽曲毎に予め設定されているカラオケ演奏の演奏時間を短縮する短縮演奏モードを選択し、取得した利用者人数が所定条件を満たさない場合には、楽曲毎に予め設定されている演奏時間でカラオケ演奏を行う通常演奏モードを選択する選択部300と、短縮演奏モード及び通常演奏モードを備え、選択された短縮演奏モードまたは通常演奏モードに基づいてカラオケ演奏を行う演奏制御部400と、を有する。
【0055】
このようなカラオケ装置Kによれば、利用者の人数が多い場合には楽曲毎の演奏時間を短縮することができる。よって、利用者の人数が多い場合であっても歌唱待ち時間が長くなることは無い。一方、利用者の人数が少ない場合には予め設定されている演奏時間でカラオケ演奏が行われるため、楽曲の予約が多くなった場合であっても演奏時間が短縮されることがない。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、利用者の人数に応じて歌唱待ち時間を短くすることができる。
【0056】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける演奏制御部400は、短縮する演奏時間が異なる複数の短縮演奏モードを有し、選択部300は、取得した利用者人数が所定条件を満たす場合に、利用者人数に応じて複数の短縮演奏モードから一の短縮演奏モードを選択することができる。このように利用者人数に応じて短縮演奏モードを選択することにより、カラオケ装置Kは、歌唱待ち時間をより細かく設定することができる。
【0057】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ装置Kに対する利用者のログインを行うログイン処理部100を有し、取得部200は、ログインしている利用者の数を利用者人数として取得する。このように利用者によるログインの情報を利用することにより、カラオケ装置Kは、利用者人数を容易に把握することができる。
【0058】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける取得部200は、楽曲を予約中の利用者を示す利用者識別情報と当該楽曲を示す楽曲識別情報とを紐づけた予約待ち行列に含まれる利用者識別情報に基づいて、利用者人数を取得することができる。このように予約待ち行列に含まれる利用者識別情報を利用することにより、実際に歌唱待ち時間が生じる利用者の人数に応じて演奏モードを選択できる。
【0059】
<第2実施形態>
次に、
図5を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、利用者を撮影して得られた画像に基づいて利用者人数を取得する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0060】
==カラオケ装置==
図5に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及びカメラ60を備える。
【0061】
カメラ60は、カラオケ装置Kを利用する利用者を撮影するための構成である。カメラ60は、たとえば、カラオケ喫茶に設置されているカラオケ装置Kの場合、カラオケ喫茶の店内にいる利用者全てが撮影できる位置に設置されている。なお、
図5では、カメラ60はカラオケ装置Kの構成の一部として記載しているが、カラオケ装置Kとカメラ60は別の構成であってもよい。カメラ60は「撮影手段」の一例である。
【0062】
本実施形態に係る取得部200は、カメラ60により利用者を撮影して得られた画像を解析することにより、利用者人数を取得する。
【0063】
具体的に、取得部200は、画像に含まれる利用者の顔を顔認識処理により抽出し、抽出した顔の数をカウントすることで利用者人数を取得する。なお、顔認識処理は、公知の手法を用いることができる。
【0064】
選択部300は、取得部200の取得した利用者人数に応じて演奏モードを選択する。なお、カラオケ喫茶のような場所では利用者の数が流動的である。よって、本実施形態のように画像から利用者人数を取得する場合、カラオケ演奏の開始直前に利用者人数を取得することにより、カラオケ演奏開始時点での利用者人数に応じて適切な演奏モードを選択できる。
【0065】
このように、本実施形態に係る取得部200は、カメラ60により利用者を撮影して得られた画像を解析することにより、利用者人数を取得することができる。画像を利用することにより、各利用者がログインしていない状態であってもカラオケ装置Kを利用する利用者人数を正確に取得することができる。
【0066】
<その他>
利用者人数の取得は上記実施形態の例に限られない。たとえば、カラオケ喫茶等に設置されているカラオケ装置Kであれば、利用者の人数を店主がリモコン装置50を介して直接入力することができる。この場合、取得部200は、入力された値に基づいて利用者人数を取得することができる。
【0067】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
100 ログイン処理部
200 取得部
300 選択部
400 演奏制御部
K カラオケ装置