(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】共用備品の管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230525BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
G06Q10/06
E05B49/00 J
(21)【出願番号】P 2019109321
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】吉野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 理央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優憲
(72)【発明者】
【氏名】福島 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】石田 真澄
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-226672(JP,A)
【文献】特開2013-191075(JP,A)
【文献】特許第6522813(JP,B1)
【文献】特開2008-143669(JP,A)
【文献】特開2008-123494(JP,A)
【文献】特開2006-268184(JP,A)
【文献】特開2007-249633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用備品を予約することが許可された利用者を識別するための利用者情報が記憶された記憶部と、
利用者の操作入力により設定された貸出備品名、貸出時刻および返却時刻を含む入力情報に応じて、それぞれの共用備品ごとに利用者と貸出時間帯を特定した予約情報を生成する予約制御部と
を有する管理コンピュータを備えた共用備品の管理システムであって、
前記予約制御部は、
同類である特定の複数の共用備品をグループ化して管理し、前記貸出備品名をグループ名として登録可能とし、
前記特定の複数の共用備品の貸出を希望する利用者が前記グループ名により前記操作入力を行った場合には、前記グループ化された前記複数の共用備品の中のいずれであっても貸出可能と判断する
共用備品の管理システム。
【請求項2】
前記入力情報には、前記特定の複数の共用備品に関する貸出数が含まれており、
前記予約制御部は、
前記入力情報として、前記グループ名および前記貸出数が設定された場合には、前記グループ化された前記複数の共用備品の中から、前記貸出数に相当する台数を貸出可能と判断する
請求項1に記載の共用備品の管理システム。
【請求項3】
前記入力情報には、前記特定の複数の共用備品を実際に利用する複数の利用者を設定するための利用者設定項目が含まれており、
前記予約制御部は、前記利用者設定項目に設定された利用者が、前記特定の複数の共用備品の貸出および返却を実際に行う人物であると判断する
請求項1または2に記載の共用備品の管理システム。
【請求項4】
電気錠により施解錠される開閉扉を有し、前記貸出備品名に対応する共用備品が内部に収納される管理ボックスと、
前記管理ボックス内に設置され、前記共用備品が前記管理ボックス内に収納された状態で、前記共用備品に貼り付けられたタグ情報を読み取るアンテナと、
前記管理ボックスの利用者が所持する識別情報を読み取る識別情報取得器と、
前記アンテナから送信された前記タグ情報に基づいてそれぞれの共用備品が前記管理ボックス内に収納されているか否かを示す貸出情報を生成するとともに、前記予約制御部で生成された前記予約情報と、前記識別情報取得器によって読み取られた前記識別情報との比較結果から前記電気錠の施解錠を行うコントローラと、
をさらに備え、
前記グループ化された前記複数の共用備品に対するタグ情報には、共通のグループであることを識別するためのグループタグ情報が含まれており、
前記コントローラは、
利用者が、事前に予約した共用備品を、前記管理ボックスから取り出す際に、利用者により取り出されたことで、前記アンテナによって読み取ることができなくなったタグ情報に対応する共用備品が、前記予約情報により前記利用者に対して事前に予約されている共用備品と異なる場合には、警報を出力し、
前記グループ化された前記複数の共用備品が前記事前に予約した共用備品として取り出される際には、前記アンテナによって読み取ることができなくなったタグ情報に含まれているグループタグ情報に対応する共用備品が、前記予約情報により前記利用者に対して事前に予約されている共用備品と異なる場合には、警報を出力する
請求項1から3のいずれか1項に記載の共用備品の管理システム。
【請求項5】
前記共用備品が記憶装置の場合には、前記記憶装置が収納されることにより前記記憶装置の記憶情報を消去する記憶情報消去装置が前記管理ボックス内に設置されている
請求項4に記載の共用備品の管理システム。
【請求項6】
前記共用備品がノートパソコンの場合には、前記ノートパソコンは、前記管理コンピュータが有する前記予約制御部を起動することができる機能を有している
請求項1から5のいずれか1項に記載の共用備品の管理システム。
【請求項7】
前記管理コンピュータは、前記共用備品がノートパソコンの場合には、前記ノートパソコンのプログラム更新情報を前記ノートパソコンに送信する機能を有する
請求項1から6のいずれか1項に記載の共用備品の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の予約により、共用備品の貸出/返却の管理を行う共用備品の管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
利用者の予約により、共用備品の貸出/返却の管理を行う共用備品の管理システムに関して、例えば、次のような従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1においては、予約を行った利用者のみに、施錠された管理ボックスから共用備品の貸出/返却を行うことを可能としている。さらに、特許文献1は、貸出/返却状況を外部から見えるようにして、共用備品の管理を強化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来の管理システムにおいて、管理ボックス内に管理される共用備品は、個々に識別番号が登録されており、利用者は、その識別番号を基準として貸出の予約を行う。ここで、貸出を受ける際、共用備品として同類のものが複数ある場合には、予約を行った識別番号の共用備品を複数の中から探すのに手間がかかる。さらに、予約を行った識別番号とは異なる識別番号の共用備品を誤って取り出した場合には、警報が鳴るといった不都合がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、同類の複数の共用備品のいずれかの貸出を受ける際に、同類の複数の共用備品の中の任意の共用備品の貸出を可能とする共用備品の管理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の共用備品の管理システムは、共用備品を予約することが許可された利用者を識別するための利用者情報が記憶された記憶部と、利用者の操作入力により設定された貸出備品名、貸出時刻および返却時刻を含む入力情報に応じて、それぞれの共用備品ごとに利用者と貸出時間帯を特定した予約情報を生成する予約制御部とを有する管理コンピュータを備えた共用備品の管理システムであって、予約制御部は、同類である特定の複数の共用備品をグループ化して管理し、貸出備品名をグループ名として登録可能とし、特定の複数の共用備品の貸出を希望する利用者がグループ名により操作入力を行った場合には、グループ化された複数の共用備品の中のいずれであっても貸出可能と判断するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る共用備品の管理システムは、上記のような構成を備えることで、同類の複数の共用備品のいずれかの貸出を受ける際に、同類の複数の共用備品の中の任意の共用備品の貸出を可能とするシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1における共用備品の管理システムの外形図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における共用備品の管理システムのシステム構成図である。
【
図3】本発明の実施の形態1における管理ボックスの内部状態を示した正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1において、管理コンピュータで管理される予約システムを起動した時の予約状況確認画面を示した図である。
【
図5】本発明の実施の形態1において、予約システムを利用して、新規に共用備品の予約を行う場合の入力画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における共用備品の管理システムの外形図である。
図2は、本発明の実施の形態1における共用備品の管理システムのシステム構成図である。管理ボックス1は、内部に共用備品が保管されるボックスである。管理ボックス1の前面に設けられた開閉扉1aは、内部に設けられた電気錠1bにより、共用備品の貸出/返却時以外は、施錠されている。すなわち、管理ボックス1は、電気錠1bが制御されることで、開閉扉1aの施解錠が可能な構成となっている。
【0011】
また、一例として、管理ボックス1の上側には、共用備品を予約することが許可された利用者が所持するIDカード2から利用者属性を読み取るためのカードリーダー3と、管理ボックス1の利用状態を表示するための表示灯4とが設けられている。
【0012】
管理コンピュータ20は、管理ボックス1に保管される共用備品情報、利用者情報等の管理を行う。さらに、管理コンピュータ20は、予約システム20aを利用して、利用者の入力操作により設定された共用備品に関する予約情報の管理を制御部20bにより行い、通信部20cを介して、管理ボックス1内に備えられたコントローラ5に、予約情報を送信する。
【0013】
制御部20bは、管理に必要な情報を、管理処理に伴って更新し、記憶部20dに記憶させる。なお、コントローラ5の詳細については、後述する。また、予約システム20aおよび制御部20bを合わせた構成が、予約制御部に相当する。
【0014】
図3は、本発明の実施の形態1における管理ボックス1の内部状態を示した正面図である。なお、
図3においては、開閉扉1aの図示を省略している。管理ボックス1内には、共用備品としてのノートパソコン10a、10b、携帯端末11a、11bが棚1cの上に格納されている。
【0015】
さらに、管理ボックス1内には、別の共用備品として、記憶装置であるUSBメモリ12a、12b、12cが格納されている。これらの共用備品には、それぞれ、固有のRFIDタグ6が貼り付けられている。RFIDタグ6に格納されたタグ情報を読み取るために、アンテナ7が、管理ボックス1内の各段の上部にそれぞれ設けられている。
【0016】
また、管理ボックス1の中には、外部の管理コンピュータ20から予約情報を受信するコントローラ5が備えられている。コントローラ5は、カードリーダー3から入力された利用者属性が、受信済みの予約情報と合致した場合には、電気錠1bに対して解錠指令を出す。
【0017】
ここで、コントローラ5は、
図2に示されたように、制御部5b、通信部5c、および記憶部5dを有しているが、以下では、単にコントローラ5として説明する。
【0018】
以上のように構成された、本実施の形態1における共用備品の管理システムの動作について、
図4および
図5を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態1において、管理コンピュータ20で管理される予約システム20aを起動した時の予約状況確認画面を示した図である。
【0019】
この予約システム20aは、管理コンピュータ20から起動することができる。また、予約システム20aは、
図2に示したように、管理コンピュータ20にLAN接続され、利用者情報が登録された利用者パソコン30から起動することもできる。
【0020】
ここで、利用者パソコン30は、
図2に示されたように、制御部30bおよび通信部30cを有しているが、以下では、単に利用者パソコン30として説明する。
【0021】
さらに、共用備品であるノートパソコン10(10a、10b)に、利用者パソコン30と同様の機能を持たせることで、予約システム20aは、ノートパソコン10から起動することもできる。すなわち、共用備品としてのノートパソコン10が貸出中である場合には、このノートパソコン10の利用者が、予約システム20aを起動することで、貸出中のノートパソコン10を用いて、例えば、返却時刻を変更することも可能である。
【0022】
図4に示した予約状況確認画面は、特定の管理ボックス1における特定の日の状況を例示している。この画面は、事前に設定登録された2個の携帯端末11a、11bをグループ化して携帯端末11とし、3個のUSBメモリ12a、12b、12cをグループ化してUSBメモリ12としたものである。
【0023】
換言すると、本実施の形態1に係る共用備品の管理システムは、同類である特定の複数の共用備品をグループ化して管理し、貸出備品名をグループ名として登録可能としている。さらに、本実施の形態1に係る共用備品の管理システムは、特定の複数の共用備品の貸出を希望する利用者がグループ名により操作入力を行った場合には、グループ化された複数の共用備品の中のいずれであっても貸出可能と判断する。
【0024】
従って、利用者は、例えば、同類である特定の複数の共用備品に相当する3個のUSBメモリ12a、12b、12cのいずれか1つを借りたい場合には、グループ名に相当する「USBメモリ」を貸出備品名として設定すればよい。そして、このような設定を行っておくことで、利用者は、3個のUSBメモリ12a、12b、12cの中の任意のUSBメモリの貸出を受けることが可能となる。
【0025】
図4においては、共用備品のノートパソコン10aが、12時から14時まで、利用者Aにより予約済であり、グループ化された共用備品のUSBメモリ12の内の2個が、10時から15時まで、利用者Bにより予約済である状態を示している。この例では、ノートパソコン10aとノートパソコン10bを個別管理しているが、携帯端末11およびUSBメモリ12と同様に、同類である特定の複数の共用備品としてグループ化することもできる。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態1において、予約システム20aを利用して、新規に共用備品の予約を行う場合の入力画面の一例を示した図である。この
図5に示した予約画面は、
図4の予約状況確認画面において、未予約の部分をクリックするか、あるいは
図4の右下に図示された予約のボタンを押すことにより、表示される。
【0027】
共用備品の予約を行う利用者は、
図5に示した入力画面に対して、貸出を希望する貸出備品名、貸出数、貸出時刻、返却時刻、および利用者情報を入力情報として入力して、予約登録のボタンを押す。ここで、入力情報に含まれる利用者情報は、利用者設定項目に相当し、共用備品を実際に借用する利用者を複数記入できるようになっている。この理由は、予約を登録した人と、実際に共用備品の貸出/返却を行う人が異なる場合があるためであり、同類の複数の共用備品にかかわる人物を、複数の利用者情報としてあらかじめ登録しておくためである。
【0028】
ここで、
図4の予約状況で、新たに利用者XがUSBメモリの終日予約の無い最下段の欄をクリックして、
図5の入力画面で予約する場合について説明する。貸出数として設定された台数が1個であり、貸出時刻から返却時刻までの時間帯である貸出時間帯が、既に予約済みの10時から15時と重なる場合には、最下段に予約が登録される。
【0029】
一方、貸出時間帯が、既に予約済みの10時から15時と重ならない、例えば貸出時刻16:00、返却時刻18:00のような場合には、最上段に予約が登録される。このような予約割り付けを行うことにより、新たにUSBメモリを終日予約したい利用者がいた場合にも、予約することが可能となり、共用備品の利用効率を上げることができる。
【0030】
次に、管理ボックス1側の動作について説明する。管理ボックス1に設置されたコントローラ5は、管理コンピュータ20から、管理された利用者情報および予約情報を受信し、内部の記憶部5dに格納する。
【0031】
カードリーダー3は、予約を行った利用者、または予約時に利用者設定項目の欄で登録された利用者が、貸出を受けるために、所持しているIDカード2をカードリーダー3にかざすことで、利用者属性を読み取る。カードリーダー3によって読み取られた利用者属性に相当する識別情報は、コントローラ5に送信される。
【0032】
コントローラ5は、カードリーダー3から受信した利用者属性と、記憶部5dに記憶されている予約情報の中の利用者属性とを比較する。さらに、コントローラ5は、現在時刻と、予約情報の中の予約時間帯(貸出時刻から返却時刻までの間)とを比較し、利用者属性が一致し、かつ、現在時刻が予約時間帯に含まれる場合には、電気錠1bに対して解錠指令を出力する。これにより、利用者は、開閉扉1aを開くことが可能となる。
【0033】
コントローラ5は、所定の時間間隔で、アンテナ7を介してRFIDタグ6の情報を読み取る。そして、コントローラ5は、予約情報の中の貸出共用備品に貼り付けられたRFIDタグ6の情報が読み取れなくなったことで、利用者により共用備品が取り出されたことを判断できる。コントローラ5は、共用備品が取り出されたことを判断した後、開閉扉1aの閉状態を検知する検知スイッチがオンしたことを確認後、電気錠1bに対して施錠指令を出力する。
【0034】
次に、コントローラ5は、管理コンピュータ20に対して、アンテナ7から読みとった管理ボックス1内の全てのRFIDタグ6の情報を送信する。これにより、管理コンピュータ20は、RFIDタグ6の情報に基づいて、それぞれの共用備品が管理ボックス内に収納されているか否かを示す貸出情報を生成することができ、管理ボックス1内の共用備品の現在の貸出状況を管理することができる。
【0035】
なお、グループ化された複数の共用備品に対するタグ情報には、共通のグループであることを識別するためのグループタグ情報が含まれている。例えば、3個のUSBメモリ12a、12b、12cのそれぞれのタグ情報には、共通のグループとしてのUSBメモリであることを識別するためのグループタグ情報が含まれている。従って、コントローラ5および管理コンピュータ20は、同類である特定の複数の共用備品に関しては、グループタグ情報に基づいて生成した貸出情報に基づいて、貸出状況を管理することができる。
【0036】
予約を行った利用者または予約時に利用者設定項目の欄で登録された利用者が、返却を行う時の動作も、上述した貸し出し時の動作と同様である。なお、返却時において、コントローラ5は、RFIDタグ6の情報が読み取れない状態から読み取れる状態になったことを確認することで、共用備品が返却されたことを判断できる。
【0037】
ここで、コントローラ5は、予約情報と、実際に貸出/返却された共用備品に貼り付けられたRFIDタグ6の情報との比較結果が一致しない場合には、表示灯4を点灯または点滅させる。これにより、利用者は、その場で、予約とは異なった共用備品を貸出/返却しようとしていることを確認することができる。
【0038】
なお、コントローラ5は、グループ化された複数の共用備品に対して比較結果が一致しているか否かの判断を行う際には、共通のグループであることを識別するためのグループタグ情報を用いる。
【0039】
次に、貸出を行った共用備品が返却時刻になっても返却されない場合の処理について、詳細に説明する。返却時刻を所定時間経過した場合には、管理コンピュータ20は、予約した利用者に対応する利用者パソコン30に対して、メール等により、返却時刻が過ぎたことを知らせる通知を行う。これにより、利用者がうっかり返却を忘れたといったような場合に、注意を喚起することができる。
【0040】
さらに、管理コンピュータ20は、コントローラ5に対して、表示灯4を点灯または点滅させる指令を送信する。これにより、管理ボックス1の管理者は、目視により、共用備品の返却遅れを知ることができる。
【0041】
次に、管理ボックス1に保管される共用備品毎に特有の構成について、詳細に説明する。管理ボックス1内には、先の
図3に示したように、電源コンセント9、およびLAN接続用のLANケーブル14が備えられている。共用備品がノートパソコン10の場合、返却時に、ノートパソコン10の電源プラグが電源コンセント9に挿入されることで、内蔵バッテリの充電を行うことができる。
【0042】
さらに、ノートパソコン10は、返却時に、LANケーブル14が接続されることで、LANケーブル14経由でリモートの起動が可能となる。ここで、管理コンピュータ20は、ノートパソコン10の内蔵プログラムに関するプログラム更新情報を入手した場合には、LANケーブル14を経由してノートパソコン10を起動して、この内蔵プログラムの更新を行うようにしてもよい。このような構成にすることで、共用備品としてのノートパソコン10のプログラムを最新状態に保つことができる。
【0043】
また、USBメモリ12、図示しないSDカード等の記憶装置が返却されたときに、記憶情報を消去するために、記憶情報消去装置8を管理ボックス1内に備えてもよい。
【0044】
返却時に、記憶情報消去装置8内にUSBメモリ12、SDカード等が収納されることにより、内部に記憶された情報を消去することができる。この結果、共用で使用する記憶装置の返却時に、記憶情報を消去し忘れた場合でも、自動で消去され、情報が他人に漏れることを防止することができる。
【0045】
なお、以上の説明では、管理ボックス1が1台の例について示したが、管理ボックス1は、1台に限定されることなく、複数台の適用も可能である。管理コンピュータ20は、管理ボックス1毎に異なる番号で管理することにより、容易に複数台の管理ボックス1を管理可能である。
【0046】
また、カードリーダー3は、利用者を特定するための識別情報を読み取る識別情報取得器の一例であり、識別情報を読み取ることができれば、カードリーダー3に限定されることはない。
【0047】
また、表示灯4は、管理ボックス1の利用状態の表示、あるいは警報アナウンスが行えればよく、ディスプレイによるアナウンス、音声によるアナウンスなどを表示灯4によるアナウンスの代わりに使用することも可能である。
【0048】
以上のように、実施の形態1に係る共用備品の管理システムによれば、以下の効果を得ることができる。
・予約制御部は、同類である特定の複数の共用備品をグループ化して管理し、貸出備品名をグループ名として登録可能としている。この結果、特定の複数の共用備品の貸出を希望する利用者がグループ名により操作入力を行った場合には、グループ化された複数の共用備品の中のいずれであっても貸出可能と判断することができる。
【0049】
・入力情報として、特定の複数の共用備品に関する貸出数を設定できる構成を備えている。この結果、予約制御部は、入力情報として、グループ名および貸出数が設定された場合には、グループ化された複数の共用備品の中から、貸出数に相当する台数を貸出可能と判断することができる。
【0050】
・入力情報として、特定の複数の共用備品を実際に利用する複数の利用者を設定できる構成を備えている。この結果、予約制御部は、設定された利用者が、特定の複数の共用備品の貸出および返却を実際に行う人物であると判断することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 管理ボックス、1a 開閉扉、1b 電気錠、2 IDカード、3 カードリーダー、4 表示灯、5 コントローラ、6 RFIDタグ、7 アンテナ、8 記憶情報消去装置、9 電源コンセント、10、10a、10b ノートパソコン、11、11a、11b 携帯端末、12、12a、12b、12c USBメモリ、14 LANケーブル、20 管理コンピュータ、20a 予約システム。