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特許7285169膜式ガスメータおよびその磁気式ガス流量検出機構の交換方法
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  • 特許-膜式ガスメータおよびその磁気式ガス流量検出機構の交換方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】膜式ガスメータおよびその磁気式ガス流量検出機構の交換方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20230525BHJP
【FI】
G01F3/22 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019153311
(22)【出願日】2019-08-24
(65)【公開番号】P2021032709
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000222657
【氏名又は名称】東洋計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】土田 泰秀
(72)【発明者】
【氏名】土田 泰正
(72)【発明者】
【氏名】岩原 伸宏
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-206656(JP,A)
【文献】実公昭50-18529(JP,Y1)
【文献】特開平1-92619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 9/02
G01F15/00-15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量の計量室を仕切っている計量膜の往復運動に連動させて前記計量室の開閉弁を開閉するクランク機構と、
前記クランク機構に、ガス流量検出用の磁石を取り付けるための磁石取付け機構と、
を有しており、
前記クランク機構は、
メータケースによって、前記計量膜の往復運動に連動して中心軸線回りに回転可能に支持されている回転軸と、
前記回転軸の回転に伴って前記中心軸線を中心として所定の半径で公転運動を行うクランク軸と、
前記クランク軸の公転運動を前記開閉弁の開閉運動に変換するために、前記クランク軸に回動可能に連結されたアーム揺動端を備えたクランクアームと、
を有しており、
前記磁石取付け機構は、
前記ガス流量検出用の磁石としての第1磁石を取り付けるために、前記クランクアームにおける前記アーム揺動端から離れた部位に配置した第1磁石装着部と、
前記第1磁石装着部に装着固定可能な装着端を備えたホルダアームと、
前記中心軸線を中心として揺動可能に前記ホルダアームに連結されたホルダ揺動端および前記ガス流量検出用の磁石としての第2磁石を取り付けるための第2磁石装着部を備えたマグネットホルダと、
前記マグネットホルダの前記第2磁石装着部に取り付ける前記第2磁石を、前記中心軸線回りに回転可能に支持するために、前記メータケースに取り付けた支軸と、
を有していることを特徴とする膜式ガスメータ。
【請求項2】
ガス流量の計量室を仕切っている計量膜の往復運動に連動させて前記計量室の開閉弁を開閉するクランク機構を備えた膜式ガスメータにおける磁気式ガス流量検出機構の交換方法であって、
前記クランク機構は、
前記膜式ガスメータのメータケースによって、前記計量膜の往復運動に連動して中心軸線回りに回転可能に支持されている回転軸と、
前記回転軸の回転に伴って前記中心軸線を中心として所定の半径で公転運動を行うクランク軸と、
前記クランク軸の公転運動を前記開閉弁の開閉運動に変換するために、前記クランク軸に回動可能に連結されたアーム揺動端を備えたクランクアームと、
を有しており、
交換前の前記磁気式ガス流量検出機構である第1磁気検出機構は、
前記クランクアームにおける前記アーム揺動端から離れた部位に配置した第1磁石装着部に装着されている第1磁石と、
前記クランクアームの揺動に伴って移動する前記第1磁石の通過を検出するために、前記メータケースに取り付けた第1磁気センサと、
を有しており、
交換後の前記磁気式ガス流量検出機構である第2磁気検出機構として、第2磁石と第2磁気センサとを用意し、
前記第2磁石を前記クランク機構に取り付けるための磁石取付け機構として、
前記第1磁石装着部に装着固定可能な装着端を備えたホルダアームと、
前記中心軸線を中心として揺動可能に前記ホルダアームに連結されたホルダ揺動端および前記第2磁石が取り付けられた第2磁石装着部を備えたマグネットホルダと、
前記マグネットホルダの前記第2磁石装着部に取り付ける前記第2磁石を、前記中心軸線回りに回転可能に支持するために、前記メータケースに取り付ける支軸と、
を用意し、
前記クランクアームの前記第1磁石装着部から前記第1磁石を取り外し、代わりに、前記ホルダアームの前記装着端を前記第1磁石装着部に装着し、
前記メータケースに取り付けた前記支軸によって、前記第2磁石を前記中心軸線回りに回転可能に支持し、
前記第1磁気センサを取り外し、代わりに、前記第2磁気センサを前記第2磁石に対峙する前記メータケースの部位に取付けることを特徴とする膜式ガスメータの磁気式ガス流量検出機構の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気式ガス流量検出機構を備えた膜式ガスメータに関し、更に詳しくは、磁気式ガス流量検出機構の磁石取付け機構、および、磁気式ガス流量検出機構の交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膜式ガスメータにおいては、一般に、ガス流量の計量室を仕切っている計量膜の往復運動に連動させて計量室の開閉弁を開閉するためにクランク機構が搭載されている。図5に示すように、膜式ガスメータのクランク機構100は、中心軸線101を中心として回転可能に支持されている回転軸102と、回転軸102の回転に伴って中心軸線101を中心として一定の半径で公転運動を行うクランク軸103とを備えている。計量膜の往復運動は、一対のクランクアーム(大肘金および小肘金)を介して、クランク機構100に伝達され、クランク機構100は中心軸線101を中心とする回転運動を行う。クランク機構100の回転運動は、不図示のリンク機構を介して、計量膜の往復運動に連動する開閉弁の開閉運動に変換される。
【0003】
また、膜式ガスメータにおけるガス流量の検出機構としては一般に磁気センサ方式が採用されている。このような磁気式ガス流量検出機構においては、クランク機構100に、ガス流量検出用の磁石106を取り付けるための磁石装着部107が備わっている。磁石装着部107は、クランクアーム104(小肘金)における揺動端105から離れた部位に配置されており、上方から例えば円盤状の磁石106を装着可能である。この磁石装着部107に装着された磁石106は、クランク機構100の中心軸線101を中心とする回転運動に伴って揺動するクランクアーム104によって、楕円状軌道に沿って移動する。膜式ガスメータのメータケースには、磁石106の通過位置に対峙する部位に磁気センサとしてリードスイッチ(図示せず)が配置されている。クランク機構100が1回転する間にリードスイッチによる検出領域を磁石106が1回通過し、1周期1パルスの検出信号が出力され、この検出信号に基づきガス流量が計測される。
【0004】
このような磁気式ガス流量検出機構では、検出信号のパルス出力間隔が広く、検出精度が十分でない場合がある。特許文献1には、既存の膜式ガスメータにおける磁気式ガス流量検出機構によるガス流量の計測精度を高めるための方法が提案されている。この方法では、ガス流量検出用の磁石を、クランク機構の回転軸上に位置するように配置し、回転軸の回転中心線回りに回転する磁石の回転磁界をMRセンサ等の磁気センサを用いて検出している。これにより、1回転8パルスの検出信号を得ることができ、検出精度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6436642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に開示の方法では、既設の膜式ガスメータのクランク機構の全体を、磁石を取り付けたプラスチック製の一体成型品であるクランク機構に交換することで、検出精度を高めている。すなわち、図5に示すクランク機構100を構成している回転軸102、クランク軸103、磁石106が搭載されたクランクアーム104を含むクランク機構100の部品一式を、新たなクランク機構に交換している。このように部品一式を交換する必要があるので、交換コストが高く、交換作業も簡単ではない。
【0007】
本発明の目的は、既設の膜式ガスメータのクランク機構における必要最小限の数の部品を交換するだけで、検出精度の高い磁気式ガス流量検出機構に交換可能な磁石取付け機構を備えた膜式ガスメータ、および、膜式ガスメータにおける磁気式ガス流量検出機構の交換方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の膜式ガスメータの磁石取付け機構においては、既存のクランク機構におけるクランクアーム(小肘金)の磁石装着部を利用して、クランクアームに沿ってホルダアームを取り付け、このホルダアームに、磁石を付けたマグネットホルダを取り付けて、磁石をクランク機構の中心軸線上に位置させるようにしている。また、磁石を取り付けたホルダアームの部位に設けた軸穴に、メータケース(上ケース)に取り付けた支軸を嵌めて、磁石が中心軸線回りに回転するようにホルダアームを支持している。
【0009】
本発明によれば、既設の膜式ガスメータを、計測精度の高い磁気式ガス流量検出機構に変更するには、既設の磁石および磁気センサを外し、ホルダアーム、磁石付きのマグネットホルダ、支軸および磁気センサを取り付ければよい。計量膜の往復運動に応じて開閉弁を開閉するためのクランク機構を含む既設の動力伝達機構の構成部品に変更を加える必要が無い。よって、交換コストを抑えることができ、また、交換作業も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用した膜式ガスメータを、上ケースを取り外した状態で斜め後方から見た場合の概略斜視図である。
図2図1の膜式ガスメータの概略断面図である。
図3図1の膜式ガスメータのクランク機構および磁気式ガス流量検出機構の主要部分を示す斜視図、平面図、正面図、側面図である。
図4】膜式ガスメータのクランク機構および磁気式ガス流量検出機構の参考例を示す斜視図である。
図5】一般的な膜式ガスメータのクランク機構および磁気式ガス流量検出機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は実施の形態に係る膜式ガスメータを、その上ケースを取り外した状態で、斜め後方から見た場合の概略斜視図である。図2は、膜式ガスメータを、図1のA-A´線に沿って切断した場合の概略断面図である。膜式ガスメータ1の基本構造は従来のものと同様であるので、本発明に関係する部分のみを説明する。
【0013】
膜式ガスメータ1のメータケース2は、上ケース3および下ケース4から構成されており、下ケース4の内部に、前後一対のガス流量の計量室5F、5Rが配置されている。上ケース3の内部には、前後の計量室5F、5Rを仕切っている前後の計量膜6F、6Rの往復運動に連動して、前後の計量室5F、5Rの開閉弁7F、7Rが開閉する。上ケース3の内部には、前後の計量膜6F、6Rの往復運動に連動して、前後の計量室5F、5Rの開閉弁7F、7Rを開閉させるためのクランク機構20が配置されている。
【0014】
公知のように、前後の計量膜6F、6Rの往復運動は、前後の翼軸8F、8Rの回転運動に変換される。翼軸8F、8Rの回転運動は、一対のクランクアーム9A、9B(大肘金)および一対のクランクアーム10A、10B(小肘金)を介して、クランク機構20の回転運動に変換される。クランク機構20は、前後のリンク11F、11Rを介して、前後の計量室5F、5Rの開閉弁7F、7Rに連結されている。クランク機構20によって、計量膜6F、6Rの往復運動に連動させて開閉弁7F、7Rが交互に開閉する。
【0015】
クランク機構20には、その回転を利用してガス流量を検出するための磁気式ガス流量検出機構40が付設されている。図2に示すように、本例の磁気式ガス流量検出機構40は、磁石41と磁気センサ42を備えている。磁石41はクランク機構20に取り付けられている。磁気センサ42は、上ケース3の内部に形成した略水平に延びる仕切り壁部分3aを挟み、上側から磁石41に対峙する位置に配置されている。なお、図2において、クランク機構20および磁気式ガス流量検出機構40の部分を、灰色を付して示してある。
【0016】
(クランク機構)
図3(a)はクランク機構20および磁気式ガス流量検出機構40の主要部分を示す斜視図であり、図3(b)は矢印bの方向から見た場合の平面図であり、図3(c)は矢印cの方向から見た場合の正面図であり、図3(d)は矢印dの方向から見た場合の側面図である。
【0017】
図1図3を参照して説明すると、クランク機構20は回転軸21を備えており、回転軸21は、中心軸線22回りに回転可能な状態で垂直に支持されている。具体的には、図1に示すように、前後の計量室5F、5Rの上側に、分配室12が下ケース4の上端部に取り付けられており、この分配室12に取り付けたクランク台13に、回転可能な状態で回転軸21が垂直に支持されている。回転軸21の上端には下クランク板23が水平に固定されている。下クランク板23における回転軸21から所定の距離だけ水平方向に離れた部位には、第1クランク軸24が垂直に取付けられている。第1クランク軸24には、図1に示すように、前後のリンク11F、11Rの一端が、揺動可能に連結されている。リンク11F、11Rの他端は、前後の計量室5F、5Rの開閉弁7F、7Rの側に連結されている。
【0018】
第1クランク軸24の上端には、上クランク板26が水平に固定されている。上クランク板26における中心軸線22から所定の距離だけ水平方向に離れた部位であって、第1クランク軸24に対して中心軸線22回りに所定の角度離れた部位、例えば略90°離れた部位には、第2クランク軸27が垂直に固定されている。
【0019】
第2クランク軸27には、図1に示すように、クランクアーム10A、10B(小肘金)の一端が水平に連結されている。図3には一方のクランクアーム10A(小肘金)のみを示す。クランクアーム10Aの一方の端部には上下方向に貫通する軸穴10aが形成されており、第2クランク軸27は軸穴10aを貫通して上方に突出している。第2クランク軸27を中心として、クランクアーム10Aは水平方向に揺動可能である。
【0020】
(磁石取付け機構)
次に、ガス流量検出用の磁石41を取り付けるためにクランク機構20に設けた磁石取付け機構を説明する。本例の磁石取付け機構60は、クランクアーム10A(小肘金)に設けた第1磁石装着部61と、ホルダアーム62と、マグネットホルダ63と、マグネットホルダ63に設けた第2磁石装着部64と、上ケース3の仕切り壁部分3aに取り付けた棒軸65(支軸)とを備えている。
【0021】
第1磁石装着部61は、クランクアーム10A(小肘金)における両端の揺動端の間の部位において、上方に開口した円形凹部を備えている。クランクアーム10Aの上方には、クランクアーム10Aに沿って水平にホルダアーム62が配置されている。ホルダアーム62の一端は、下方に垂直に突出した連結軸62aを備えた装着端となっている。連結軸62aは、上方から、第1磁石装着部61に装着され、ここに固定されている。ホルダアーム62の他方の端部62bは、第2クランク軸27の真上に位置しており、ここには上下方向に貫通する軸穴62cが形成されている。
【0022】
ホルダアーム62の上側には水平にマグネットホルダ63が配置されている。マグネットホルダ63の一方の端部には、下方に垂直に延びる円筒軸63aが形成されている。円筒軸63aは、ホルダアーム62の軸穴62cに上側から挿入されている。軸穴62cに挿入された円筒軸63aには、下側から、第2クランク軸27の上端部が回動可能な状態で挿入されている。ホルダアーム62はクランクアーム10Aと一体となって、第2クランク軸27を中心として、水平方向に揺動可能である。また、マグネットホルダ63は、第2クランク軸27を中心として、水平方向に揺動可能となっている。
【0023】
マグネットホルダ63の他方の端の側には、リング状の磁石41が水平に搭載されている。マグネットホルダ63には、上方に垂直に延びる円筒軸が第2磁石装着部64として形成されている。円筒軸は、磁石41の中心穴41aに下側から嵌め込まれている。ここで、円筒軸は、クランク機構20の回転軸21の中心軸線22上に位置している。また、上ケース3の仕切り壁部分3aにおける中心軸線22上の部位には、下方に垂直に延びる棒軸65が取り付けられている。棒軸65は、円筒軸に上側から挿入されている。これにより、マグネットホルダ63に搭載されている磁石41は、中心軸線22を中心として回転する。また、仕切り壁部分3aを挟み、磁石41に対して真上から対峙する部位に、磁気センサ42、例えばMRセンサが取り付けられている。
【0024】
(磁石取付け機構の交換)
ここで、本例の膜式ガスメータ1のクランク機構20は、先に説明した図5に示す既存の膜式ガスメータのクランク機構100と同一構成である。また、既存の膜式ガスメータにおける磁気式ガス流量検出機構は、クランクアーム104(小肘金)に設けた磁石装着部107に搭載された磁石106と、これに対峙するメータケースの部位に取付けたリードスイッチとから構成されている。クランクアーム104および磁石装着部107は、本例のクランクアーム10Aおよび第1磁石装着部61と同一である。
【0025】
したがって、既存の膜式ガスメータにおける磁気式ガス流量検出機構である磁石106およびリードスイッチを、本例の膜式ガスメータ1の磁気式ガス流量検出機構40を構成する磁石41および磁気センサ42に交換して、ガス流量計測の精度を高めるためには、次のようにすればよい。
【0026】
磁石取付け機構の構成部品として、既設あるいは既存の膜式ガスメータにおけるクランクアーム104の磁石装着部107に装着固定可能な装着端を備えたホルダアーム62と、第2磁石装着部64を備えたマグネットホルダ63と、棒軸65とを用意する。また、磁気式ガス流量検出機構40の構成部品として、磁石41と磁気センサ42を用意する。
【0027】
既設の膜式ガスメータにおいて、クランクアーム104の磁石装着部107に装着されている既存の磁石106を取り外す。この代わりに、本例のホルダアーム62の連結軸62aを装着する。第2磁石装着部64に磁石41が装着されたマグネットホルダ63を、ホルダアーム62に取り付ける。メータケース2の上ケース3における仕切り壁部分3aに取り付けた棒軸65によって、磁石41を中心軸線22回りに回転可能に支持する。また、リードスイッチを取り外し、代わりに、磁気センサ42を取り付ける。
【0028】
なお、本例の磁気式ガス流量検出機構40を取り外して、既存の磁気式ガス流量検出機構に戻すことも勿論可能である。この場合には、磁石取付け機構60の構成部品であるホルダアーム62、磁石41が搭載されているマグネットホルダ63および棒軸65と、磁気センサ42を取り外す。クランクアーム10Aの第1磁石装着部61に磁石106を装着し、これに対峙するメータケース2の上ケース3の部位に、リードスイッチ等の磁気センサを取り付ければよい。
【0029】
このように、既存の磁気式ガス流量検出機構と本例による磁気式ガス流量検出機構40との間の交換を、低コストで簡単な作業により行うことができる。
【0030】
参考例:磁石取付け機構)
図4は磁石取付け機構の参考例を示す斜視図である。この図に示す磁石取付け機構80は、クランク機構20のクランクアーム10Cと、マグネットホルダ63と、マグネットホルダ63に設けた第2磁石装着部64と、メータケースの上ケース3における仕切り壁部分3aに取り付けた棒軸65(図3(c)参照)とを備えている。なお、図4においては棒軸65を省略してある。
【0031】
クランクアーム10C(小肘金)は、既存のクランクアーム104(図5)、上記のクランクアーム10A(図1~3)とは異なり、第1磁石装着部61が備わっていない。また、クランクアーム10Cにおける一端に形成されている軸穴から上方に突出している第2クランク軸27の上端部には、マグネットホルダ63の一方の端部が回動可能に取り付けられる。マグネットホルダ63は、第2クランク軸27を中心として、水平方向に揺動可能となっている。
【0032】
この構成の磁石取付け機構80を用いる場合には、図5に示すクランク機構100の構成部品であるクランクアーム104を交換する必要があるが、ホルダアーム62が不要となる。よって、この場合においても、クランク機構20の全体を交換する場合等に比べて、交換コストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 膜式ガスメータ
2 メータケース
3 上ケース
3a 仕切り壁部分
4 下ケース
5F、5R 計量室
6F、6R 計量膜
7F、7R 開閉弁
8F、8R 翼軸
9A、9B クランクアーム(大肘金)
10A、10B、10C クランクアーム(小肘金)
10a 軸穴
11F、11R リンク
12 分配室
13 クランク台
20 クランク機構
21 回転軸
22 中心軸線
23 下クランク板
24 第1クランク軸
26 上クランク板
27 第2クランク軸
28 クランクアーム
40 磁気式ガス流量検出機構
41 磁石
41a 中心穴
42 磁気センサ
60 磁石取付け機構
61 第1磁石装着部
62 ホルダアーム
62a 連結軸
62b 端部
62c 軸穴
63 マグネットホルダ
63a 円筒軸
64 第2磁石装着部
65 棒軸
80 磁石取付け機構
100 クランク機構
101 中心軸線
102 回転軸
103 クランク軸
104 クランクアーム
105 揺動端
106 磁石
107 磁石装着部
図1
図2
図3
図4
図5