(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】コンベヤ装置管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230525BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
G06Q10/20
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020093511
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2020-07-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2020077716
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】巖本 政博
(72)【発明者】
【氏名】菅井 基文
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】古川 哲也
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特許第6602946(JP,B1)
【文献】特開2011-53795(JP,A)
【文献】特開2019-28874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品
に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する
前記複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記
メンテナンス情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理、及び、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、
前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し、
当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する
処理、を実行する。
【請求項2】
前記メンテナンス情報は、
前記コンベヤ装置の仕様書、検査成績書、SDS、及び、
前記コンベヤ装置の取扱説明書の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のコンベヤ装置管理システム。
【請求項3】
前記メンテナンス情報は、前記コンベヤ装置を構成する各部品の修理・購入に必要な情報を含み、
前記端末装置は、各部品の修理・購入に必要な情報に基づき、発注指令を送信可能であり、
前記管理サーバの前記制御部は、前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記発注指令に基づき、前記記憶部に、各部品に対応する受注履歴として記憶する、請求項1に記載のコンベヤ装置管理システム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記コンベヤ装置を構成する各部品の少なくとも1つに設けられた2次元コード又は1次元コードである、
請求項1~3の何れかに記載のコンベヤ装置管理システム。
【請求項5】
端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記端末装置は、
コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取る読取部と、
前記コンベヤ装置を構成する複数の部品
に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力する入力部と、
前記読取部で読み取った前記識別情報、及び、要求された前記部品の情報を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部と、を備え、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する
前記複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記
メンテナンス情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
サーバ側制御部と、を備え、
前記サーバ側制御部は、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理、及び、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、
前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し、
当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する
処理、を実行する。
【請求項6】
コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品
に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力可能な、端末装置が接続可能な管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する
前記複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記
メンテナンス情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理、及び、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、
前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し、
当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する
処理、を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置を構成する複数の部品に関する管理情報を、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が共有することができるコンベヤ装置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送物(物品)を搬送するコンベヤ装置の製造、販売、使用、メンテナンス、廃棄を効率良く管理するためには、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等によるトレーサビリティが重視される。
【0003】
この点、特許文献1には、RF-ID集積回路(RFID:Radio Frequency IDentification)が、ベルトコンベヤ装置のベルトに埋め込まれており、このRF-ID集積回路に記憶された、ベルトの識別情報やベルトの管理情報(ベルトの製造日、ベルトに使用されている構成材料等)を読み取り、ベルトを管理する構成が開示されている。
【0004】
また、ベルトコンベヤ装置のベルトを管理するにあたっては、バーコードやQRコード(登録商標)を、ベルトに刻印することにより、そのベルトの識別情報やベルトの管理情報を記録することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
もっとも、特許文献1において、RF-ID集積回路は、ベルトに埋め込まれた状態であることから、実際の使用現場でリーダー等によって読み込まれて、ベルトの識別情報やベルトの管理情報(ベルトの製造日、ベルトに使用されている構成材料等)だけが、その場で共有されるに留まる。更に、RFIDは、コストがかかるうえ、ベルト等に搭載する場合には、設置場所を確保する必要がある。
【0007】
また、ベルトの識別情報やベルトの管理情報をバーコードやQRコードにより記憶させた場合にも、実際の使用現場でリーダー等によって読み込まれて、ベルトの識別情報やベルトの管理情報だけが、その場で共有されるに留まる。更に、バーコードやQRコードに識別情報や管理情報を記憶させた場合には、管理情報を更新できない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、コンベヤ装置のトレーサビリティの向上のために、コンベヤ装置を構成する複数の部品の管理情報を、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる、コンベヤ装置管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コンベヤ装置が有する識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の管理情報を表示可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記管理情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記部品の情報に基づき、前記記憶部に記憶された前記管理情報を、前記端末装置に送信する、制御部と、を備えている。
【0010】
上記構成によれば、端末装置により、コンベヤ装置が有する識別情報を読み取り、読み取った識別情報と、端末装置により入力(要求)した、コンベヤ装置を構成する部品の情報とを管理サーバに送信することにより、管理サーバ(制御部)では、送信された、識別情報及び部品の情報に対応する管理情報を、端末装置に送信する。そして、管理情報を受信した端末装置では、読み取った識別情報に対応するコンベヤ装置を構成する部品の管理情報を表示することができる。これにより、コンベヤ装置を構成する部品の管理情報を、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる。
【0011】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記制御部は、前記端末装置から送信された、前記識別情報、前記部品の情報及び前記管理情報の更新指令に基づき、前記記憶部の、前記識別情報及び前記部品の情報に対応する、前記管理情報を更新してもよい。
【0012】
上記構成によれば、端末装置によって、管理サーバの記憶部に記憶された、識別情報及び部品の情報に対応する管理情報を変更して更新することができる。これにより、更新された、コンベヤ装置を構成する部品の管理情報を、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる。
【0013】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記管理情報が、前記部品のメンテナンス情報を含んでいてもよい。
【0014】
上記構成によれば、コンベヤ装置を構成する各部品に対して、洗浄、点検等のメンテナンスを行った際に、洗浄・点検の日付、内容、不具合などのメンテナンス情報を更新して、管理サーバにおいて、一括管理することができる。
【0015】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記管理情報が、コンベヤ装置の仕様書、検査成績書、SDS、及び、コンベヤ装置の取扱説明書の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0016】
上記構成によれば、従来、コンベヤ装置に付随していた、コンベヤ装置の仕様書、検査成績書、SDS、及び、コンベヤ装置の取扱説明書などの紙書類を、管理サーバにおいて管理することができ、ペーパーレス化を図ることができる。
【0017】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記管理情報は、交換時期に関する情報を含み、
前記制御部が、前記端末装置から送信された、前記識別情報と、コンベヤ装置の販売日又は使用開始日に基づき、前記記憶部の、前記識別情報に対応する、前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換時期を書き込んでもよい。
【0018】
上記構成によれば、コンベヤ装置の販売元が、販売日や販売者などの販売情報を、端末装置によって入力すると、管理サーバにおいて、コンベヤ装置を構成する各部品の交換時期を管理することができる。
【0019】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記管理情報は、前記コンベヤ装置を構成する各部品の修理・購入に必要な情報を含み、
前記端末装置は、各部品の修理・購入に必要な情報に基づき、発注指令を送信可能であり、
前記管理サーバの前記制御部が、前記端末装置から送信された、前記識別情報及び前記発注指令に基づき、前記記憶部に、各部品に対応する受注履歴として記憶してもよい。
【0020】
上記構成によれば、管理サーバにおいて、コンベヤ装置を構成する各部品の発注・受注を管理することができる。
【0021】
また、本発明は、上記コンベヤ装置管理システムにおいて、
前記識別情報が、前記コンベヤ装置を構成する各部品の少なくとも1つに設けられた2次元コード又は1次元コードであってもよい。
【0022】
上記構成によれば、コンベヤ装置を構成する部品に識別情報を簡単に付記することができる。
【0023】
また、本発明は、端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続される、管理サーバと、を備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記端末装置は、
コンベヤ装置が有する識別情報を読み取る読取部と、
前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の管理情報を表示する表示部と、
前記読取部で読み取った前記識別情報、及び、要求された前記部品の情報を、前記管理サーバに送信する、端末側制御部と、を備え、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記管理情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記部品の情報に基づき、前記記憶部に記憶された前記管理情報を、前記端末装置に送信する、サーバ側制御部と、を備えている。
【0024】
また、本発明は、コンベヤ装置が有する識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の管理情報を表示可能な、端末装置が接続可能な管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、
前記管理サーバは、
前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記管理情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、
前記端末装置で読み取られた、前記識別情報、及び、前記部品の情報に基づき、前記記憶部に記憶された前記管理情報を、前記端末装置に送信する、制御部と、を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
コンベヤ装置のトレーサビリティの向上のために、コンベヤ装置を構成する複数の部品の管理情報を、コンベヤ装置のメーカー、コンベヤ装置を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる、コンベヤ装置管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態1に係るコンベヤ装置管理システムの説明図である。
【
図2】実施形態1に係る、搬送ベルト及び駆動ユニットにQRコードが印刷されたコンベヤ装置の説明図である。
【
図3】実施形態1に係るモバイル端末に表示されるコンベヤ装置を構成する各部品の管理情報の一例である。
【
図4】実施形態1に係る管理サーバの記憶部に格納された管理情報テーブルの説明図である。
【
図5】実施形態1に係るメンテナンス履歴の説明図である。
【
図6】実施形態1に係る管理情報処理のフローチャートである。
【
図7】実施形態1に係る更新処理のフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係るメンテナンス履歴閲覧処理のフローチャートである。
【
図9】実施形態1に係る発注処理のフローチャートである。
【
図10】実施形態1に係る交換時期入力処理のフローチャートである。
【
図11】実施形態2に係るコンベヤ装置管理システムの説明図である。
【
図12】実施形態3に係るコンベヤ装置管理システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
本実施形態に係るコンベヤ装置管理システム1は、
図1に示すように、食品などの搬送物(物品)を乗せて搬送するコンベヤ装置2(
図2参照)を構成する様々な部品に関する管理情報(後述)を、コンベヤ装置2のメーカー、コンベヤ装置2を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等で共有することを目的としている。
【0028】
(コンベヤ装置管理システム1)
コンベヤ装置管理システム1は、
図1に示すように、管理サーバ10を主体として、各種の端末装置(ユーザー使用のモバイル端末30、コンベヤ装置2のメーカー使用のPC40、販売元使用のPC50、ユーザー使用のPC60、コンベヤ装置2を構成する部品のメーカー使用のPC70など)とインターネット(ネットワーク)を介して接続可能に構成されている。これにより、コンベヤ装置2のユーザー、コンベヤ装置2メーカー、部品のメーカー、販売元は、コンベヤ装置管理システム1を利用して管理サーバ10にアクセスすることができる。なお、コンベヤ装置管理システム1の利用に関しては、事前登録、パスワード認証等によりアクセス制限をかけて使用することが好ましい。
【0029】
(コンベヤ装置2)
本実施形態のコンベヤ装置2は、複数の部品の組み合わせにより構成されている。コンベヤ装置2を構成する、主な部品としては、
図2に示すように、食品などの搬送物(物品)が載置される搬送ベルト21や、搬送ベルト21を巻き掛ける第1プーリ22・第2プーリ23や、搬送ベルト21を走行させる駆動力を供出する駆動ユニット24(モータ、駆動プーリ、電源装置等)や、搬送ベルト21に付着したゴミや汚れを除去するスクレーパ25や、第1プーリ22と第2プーリ23との間で搬送ベルト21を支えるテーブル26などが挙げられる。このコンベヤ装置2では、搬送ベルト21は、無端状の平ベルトであり、
図2に示すように、第1プーリ22と、第2プーリ23と、駆動ユニット24に搭載されている駆動プーリ(モータ駆動)とに巻き掛けられて使用される。これにより、本実施形態のコンベヤ装置2では、搬送ベルト21の表面上にパンや菓子生地のような食品などの搬送物(物品)を乗せて、第2プーリ23側から第1プーリ22側に搬送可能となる。
【0030】
なお、上記で説明した、コンベヤ装置2を構成する部品は一例に過ぎず、用途により、テーブル26を支える固定脚や、搬送物を搬送ベルト21から他の場所への乗り移りをスムーズにするために取り付けられるシュートや乗り移りローラや、搬送ベルト21によって運ばれてきた搬送物をプールするステージや、バラ物を搬送する際に搬送ベルト21からのはみ出しを防止するホッパなどが付属される。
【0031】
搬送ベルト21は、搬送面側から視認可能な透明性を有する、透明熱可塑性樹脂または透明熱可塑性エラストマーで形成された、第1樹脂層(表面層)と、経糸と緯糸を交差させて織られた織布(接着剤含浸)で形成された、第1芯体帆布層と、中間層となる第2樹脂層と、第2芯体帆布層とが積層された構造をしている。そして、透明性を有する第1樹脂層の内部には、QRコード29(登録商標)が印字(印刷)されている(
図2参照)。
【0032】
QRコード29の第1樹脂層内部への印字方法の一例としては、第1樹脂層の表面にQRコード29を印刷した後、QRコード29の上に、第1樹脂層と同じ材料で構成された、透過性を有するシートを被せて熱融着により一体化させる手法が挙げられる。この場合、QRコード29が、第1樹脂層の内部に埋設された状態で一体化されることから、QRコード29が保護され、QRコード29が読み取りやすい状態を長く保つことができる。なお、QRコード29は、第1樹脂層に、レーザ加工により刻印してもよいし、シール化したQRコード29を張り付けてもよい。
【0033】
また、駆動ユニット24の側面にもQRコード29が印刷されている(
図2参照)。なお、QRコード29は、駆動ユニット24の側面に、レーザ加工により刻印してもよいし、シール化したQRコード29を張り付けてもよい。
【0034】
QRコード29は、コンベヤ装置2に対してメーカー(コンベヤ装置2のメーカー或いは部品のメーカー)が設定した識別情報をコード化した2次元コードの一種である。識別情報とは、製造されたコンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品を特定し、識別するための情報である。本実施形態では、識別情報は、メーカー(コンベヤ装置2のメーカー或いは部品のメーカー)が、製造したコンベヤ装置2毎に個別に割り当てた製造ナンバー(202000001、202000002など)である。なお、QRコード29の識別情報には、コンベヤ装置管理システム1にアクセスできるURLの情報が付随していてもよい。本実施形態では、QRコード29を採用していることから、コンベヤ装置2に識別情報等を簡単に付記することができる。
【0035】
また、本実施形態では、製造されたコンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品を特定する識別情報として、2次元コードの一種であるQRコード29を例示しているが、縦及び横の2方向(平面的)に情報を持つ、他の2次元コードを使用してもよいし、縦又は横の1方向(直線的)に情報を持つ、1次元コード(例えば、バーコード)を使用してもよいし、単に数字やアルファベット等を組み合わせた情報を使用してもよいし、単に製造ナンバーを使用してもよい。
【0036】
また、本実施形態では、QRコード29は、搬送ベルト21及び駆動ユニット24に付記されているが、それら以外の部品(第1プーリ22、第2プーリ23、スクレーパ25、テーブル26など)に付記してもよいし、各部品全部にQRコード29を付記してもよい。
【0037】
(管理サーバ10)
管理サーバ10は、
図1に示すように、コンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカーなどの管理者が、コンベヤ装置管理システム1を運営・管理する際に利用するコンピュータであり、ユーザーが操作する、モバイル端末30やPC60や、コンベヤ装置2のメーカーが使用するPC40や、販売元が使用するPC50や、コンベヤ装置2を構成する部品のメーカーが使用するPC70などから、各種のデータやリクエストを受信すると、データを記憶保存したり、リクエストされたデータ等を、モバイル端末30や、PC40や、PC50や、PC60、PC70などに送信したりすることができる。本実施形態の管理サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、通信部15とを有している。
【0038】
制御部11は、管理サーバ10でのコンピュータ制御を行うものである(CPU等)。
記憶部12は、システムプログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリ等によって構成されている。
入力部13は、管理者等が、様々な情報やコマンドを入力するための操作機器であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。
表示部14は、制御部11からの指令に基づいて管理者用の操作画面を表示する。
通信部15は、各種の端末装置(モバイル端末30、PC40、PC50、PC60、PC70など)と通信を行うための機器である。
【0039】
ここで、記憶部12には、メーカー(コンベヤ装置2のメーカー或いは部品のメーカー)が製造した多数のコンベヤ装置2に対応する製造ナンバー(識別情報)と、コンベヤ装置2を構成する各部品の情報と、各部品に対応する管理情報(多種類)とが対応付けられた、管理情報テーブルがデータとして格納されている(
図4参照)。
【0040】
具体的には、管理情報テーブルは、製造したコンベヤ装置2毎に個別に割り当てられた製造ナンバーに対して、そのコンベヤ装置2を構成する各部品の部品情報(搬送ベルト(本実施形態では搬送ベルト21)、プーリ(本実施形態では第1プーリ22及び第2プーリ23)、駆動ユニット(本実施形態では駆動ユニット24)、スクレーパ(本実施形態ではスクレーパ25)、テーブル(本実施形態ではテーブル26)等の部品の名称)などが対応付けられている(
図4参照)。更に、コンベヤ装置2を構成する各部品の部品情報には、各部品の仕様、取扱説明書、検査成績書(不図示)、SDS(Safety Data Sheet)(不図示)、交換時期に関する情報、メンテナンス履歴、受注履歴、リコール情報(不図示)などの管理情報が対応付けられており、制御部11からのリクエストにより参照可能とされている(
図4参照)。
【0041】
仕様は、各部品のメーカー名、各部品の種類・型式や材質や形状や大きさなどを規定する記号、コンベヤ装置2のメーカー・部品のメーカー・販売元等への連絡先、製造履歴などがまとめられた情報である(
図4では部品の種類・型式を示す記号のみを表記)。
【0042】
取扱説明書は、コンベヤ装置2の仕様に応じた使用方法や、コンベヤ装置2を構成する各部品の取扱方法や、メンテナンスの仕方や、コンベヤ装置2のメーカー・部品のメーカー等への連絡先などがまとめられた情報であり、リクエストにより参照される(ウェブ上での閲覧やファイルデータでのダウンロードが可能)。なお、取扱説明書としては、文字情報だけでなく、コンベヤ装置2の使用方法やメンテナンスの仕方等(蛇行調整およびテンション調整)を映像化した動画が含まれていてもよい(ユーザーにとって、作業ポイントを確認しやすくなる)。
【0043】
取扱説明書には、仕様書も含まれ、上述した各部品のメーカー名、各部品の種類・型式や材質や形状や大きさなどを規定する記号、コンベヤ装置2のメーカー・部品のメーカー・販売元等への連絡先、製造履歴などをまとめた情報として、リクエストにより参照される(ウェブ上での閲覧やファイルデータでのダウンロードが可能)。また、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する部品の検査結果をまとめた検査成績書や、各部品(搬送ベルト21など)に含まれる化学物質等の性状や取り扱いに関する情報をまとめたSDS(Safety Data Sheet)についても、リクエストにより参照される(ウェブ上での閲覧やファイルデータでのダウンロードが可能)。
【0044】
交換時期に関する情報は、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の、製造日や販売日や使用開始日やメーカーが推奨する交換の目安となる使用期間や交換時期などがまとめられた情報であり、リクエストにより参照される。
【0045】
メンテナンス履歴には、コンベヤ装置2の各部品に対して行ったメンテナンス情報が記載されている(
図4、詳細には
図5)。メンテナンス情報としては、
図5に示すように、メンテナンスを行ったコンベヤ装置2の製造ナンバー、メンテナンスを行った部品情報、メンテナンスを実施した日時、メンテナンスを行った担当者、メンテナンスの内容(ふき取り洗浄、水での洗浄、お湯での洗浄、次亜塩素酸ナトリウム洗浄、目視での点検等)、不具合があった場合の内容(ベルトであれば、耳部ほつれ、カバー摩耗、エンドレスめくれ、蛇行防止桟剥離、よごれなど、プーリであれば、プーリの摩耗、破損など)、特記事項(不具合に対する対応:修理事項など)などが例示できる。例えば、
図5(A)では、製造ナンバー『202000001』のコンベヤ装置2の『搬送ベルト21』(部品情報)のメンテナンス履歴を例示している。また、
図5(B)では、製造ナンバー『202000001』のコンベヤ装置2の『第1プーリ22及び第2プーリ23(プーリ)』(部品情報)のメンテナンス履歴を例示している。
【0046】
受注履歴は、コンベヤ装置2を構成する各部品の受注の有無、発注者(住所等の納品先の情報)、受注者(連絡先等)、部品情報、仕様、個数、販売価格、発注日、納期(納品予定日)などの情報である。受注履歴は、ユーザーから、アプリケーションソフトを介して、コンベヤ装置2を構成する各部品の発注があり、コンベヤ装置2のメーカーや各部品メーカーや販売元で受注した場合に更新される(詳細は後述)。
【0047】
(モバイル端末30)
モバイル端末30は、ディスプレイ31(表示部)、カメラ32(読取部)、タッチパネル33、端末側制御部34を備え、インターネットに接続可能である。このモバイル端末30には、管理サーバ10に、インターネットを介してアクセスする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0048】
ディスプレイ31には、アプリケーションソフトを使用して、タッチパネル33によるタッチ操作を行う操作アイコンやコンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報が表示される。
【0049】
カメラ32は、搬送ベルト21や駆動ユニット24に印刷されたQRコード29を読み取り、アプリケーションソフトを使用して、QRコード29の識別情報を取得することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、広く使用されているモバイル端末30を端末装置として使用しているが、QRコード29を読み取る専用のリーダーやスマートフォンを使用してもよい。
【0051】
(PC40、PC50、PC60、PC70)
PC40は、市販のパーソナルコンピュータであり、コンベヤ装置2のメーカーの担当者がコンベヤ装置管理システム1の管理サーバ10にアクセスする場合に使用される。PC40には、モバイル端末30同様に、管理サーバ10に、インターネットを介してアクセスする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0052】
PC50は、市販のパーソナルコンピュータであり、販売元の担当者がコンベヤ装置管理システム1の管理サーバ10にアクセスする場合に使用される。PC50にも、モバイル端末30同様に、管理サーバ10にアクセスする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。また、PC50には、コンベヤ装置2に設けられたQRコード29を読み取る、専用のリーダーが接続可能である。
【0053】
PC60は、市販のパーソナルコンピュータであり、ユーザーがコンベヤ装置管理システム1の管理サーバ10にアクセスする場合に使用される。PC60にも、モバイル端末30同様に、管理サーバ10にアクセスする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。また、PC60にも、コンベヤ装置2に設けられたQRコード29を読み取る、専用のリーダーが接続可能である。なお、ユーザーとしては、PC60とモバイル端末30を個別に使用してもよいし、併用して使用してもよい。例えば、ユーザーの搬送会社の本社にPC60を載置し、工場の担当者はモバイル端末30を使用することなどが例示できる。
【0054】
PC70は、市販のパーソナルコンピュータであり、コンベヤ装置2を構成する部品のメーカーの担当者がコンベヤ装置管理システム1の管理サーバ10にアクセスする場合に使用される。PC70には、モバイル端末30同様に、管理サーバ10に、インターネットを介してアクセスする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0055】
上記実施形態では、管理サーバ10にアクセス可能な端末装置として、モバイル端末やパーソナルコンピュータを例示して説明したが、QRコード29を読み取り可能なカメラや、各種情報を表示可能なディスプレイなどが搭載されていればよく、タブレットやウェアラブルタイプのデバイスなども採用することができる。
【0056】
(コンベヤ装置管理システム1の使用態様)
次に、ユーザーが、コンベヤ装置管理システム1を使用して、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報を取得する際の態様について説明する。
【0057】
まず、ユーザーは、モバイル端末30にインストールされたアプリケーションソフトを起動して、カメラ32によってQRコード29を読み取り可能にする。
【0058】
次に、ユーザーは、
図1に示すように、カメラ32でコンベヤ装置2の搬送ベルト21のQRコード29、又は、駆動ユニット24のQRコード29を読み取る。これにより、モバイル端末30は、コンベヤ装置2に割り当てられた製造ナンバーを取得することができる。例えば、本実施形態では、コンベヤ装置2の製造ナンバーとして「202000001」を取得する。
【0059】
そして、モバイル端末30が、コンベヤ装置2に割り当てられた製造ナンバーを取得すると、
図3(A)に示すように、ディスプレイ31に、アプリケーションソフトによる操作(指令)を行う、操作アイコンが表示される。具体的には、コンベヤ装置2を構成する各部品の、メンテナンス情報を閲覧・記入する「メンテナンス」と表示された操作アイコンや、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の仕様の詳細が記載された仕様書を参照する「仕様書」と表示された操作アイコンや、コンベヤ装置2や各部品の取扱説明書を参照する「取扱説明書」と表示された操作アイコンや、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期に関する情報を参照する「交換時期」と表示された操作アイコンや、メンテナンス履歴を閲覧する「メンテナンス履歴」と表示された操作アイコンや、コンベヤ装置2やコンベヤ装置2を構成する各部品の修理依頼先である販売元やコンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカーに依頼手続きができる「修理依頼」と表示された操作アイコンや、コンベヤ装置2やコンベヤ装置2を構成する各部品の購入手続きができる「発注」と表示された操作アイコンなどが表示される。
【0060】
(取扱説明書の取得:
図6の管理情報処理)
ユーザーが、モバイル端末30のディスプレイ31に表示された、「取扱説明書」と表示された操作アイコン(
図3(A)参照)をタッチした場合、端末側制御部34がアプリケーションソフトを介して、コンベヤ装置2の製造ナンバーに対応する取扱説明書に関する管理情報を取得するために、QRコード29から取得した製造ナンバー及び取扱説明書に関する管理情報のリクエストを、管理サーバ10に送信する。
【0061】
管理サーバ10は、モバイル端末30から送信された、製造ナンバー及び取扱説明書に関する管理情報のリクエストを受信したら(
図6のS1参照)、制御部11は、記憶部12に格納された、管理情報テーブルを参照して、受信した、製造ナンバーに対応する取扱説明書に関する管理情報を特定する(S2)。本実施形態では、管理情報テーブル(
図4)を参照して、製造ナンバーの「202000001」に対応する取扱説明書が参照され、「コンベヤ装置取扱説明書(型式CM001)」が特定される。
【0062】
そして、管理サーバ10の制御部11は、特定した「コンベヤ装置取扱説明書(型式CM001)」に関する管理情報をモバイル端末30に送信する(S3)。
【0063】
そして、特定された「コンベヤ装置取扱説明書(型式CM001)」に関する管理情報を受信したモバイル端末30は、ディスプレイ31に、製造ナンバーの「202000001」に対応する「コンベヤ装置取扱説明書(型式CM001)」を表示する。これにより、ユーザーは、コンベヤ装置2の仕様に応じた使用方法や、コンベヤ装置2を構成する各部品の取扱方法や、メンテナンスの仕方や、コンベヤ装置2を構成する各部品のメーカー名や、各部品の種類・型式や材質や形状や大きさなどを規定する記号や、コンベヤ装置2のメーカー・部品のメーカー・販売元等への連絡先や、製造履歴などを知ることができる。
【0064】
なお、上記管理情報処理と同様の手順により、コンベヤ装置2の仕様書、検査成績書、SDSなどを取得することができる。
【0065】
上記構成によれば、従来、コンベヤ装置2に付随していた、コンベヤ装置2の仕様書、検査成績書、SDS、及び、コンベヤ装置2の取扱説明書などの紙書類を、管理サーバ10において管理することができ、ペーパーレス化を図ることができる。
【0066】
(メンテナンス情報の更新:
図7の更新処理)
また、ユーザーが、コンベヤ装置2を構成する各部品の洗浄や点検等のメンテナンスを終えた際に、
図3(A)に示すように、「メンテナンス」と表示された操作アイコンをタッチした場合、
図3(B)に示すように、コンベヤ装置2を構成する各部品の部品情報を示すアイコン(名称が付されたアイコン)が表示される。そして、例えば、ユーザーが、搬送ベルト21を洗浄した場合、
図3(B)に示すように、搬送ベルト21の部品情報を示すアイコンをタッチすると、
図3(C)に示すように、搬送ベルト21のメンテナンス情報を記入することができる。具体的には、搬送ベルト21の洗浄を行った日時(実施日時)、搬送ベルト21の洗浄を行った担当者、洗浄の内容(ふき取り洗浄、水での洗浄、お湯での洗浄、次亜塩素酸ナトリウム洗浄、目視での点検等を選択できる)、搬送ベルト21に不具合があった場合の内容(耳部ほつれ、カバー摩耗、エンドレスめくれ、蛇行防止桟剥離、よごれなど)、特記事項(不具合に対する対応:再エンドレス化、中入れ、短縮、パッチ当てなどの修理事項など)を選択・記入することができる。
【0067】
また、ユーザーが、第1プーリ22及び第2プーリ23の洗浄を行った場合、プーリ(第1プーリ22及び第2プーリ23)の部品情報を示すアイコンをタッチすると、第1プーリ22及び第2プーリ23のメンテナンス情報を記入することができる。同様に、ユーザーが、駆動ユニット24の部品情報を示すアイコンをタッチした場合、駆動ユニット24のメンテナンス情報(モーター等の駆動部品の整備・点検等)を記入することができる。また、スクレーパ25やテーブル26などのメンテナンス情報も記入することができる。
【0068】
上記のように、メンテナンス情報を記入したら、ディスプレイ31に「OK」ボタンが表示される。そして、ユーザーが、この「OK」ボタンをタッチしたら、アプリケーションソフトが、メンテナンスを行ったコンベヤ装置2の部品情報に対応するメンテナンス情報を更新するために、QRコード29から取得した製造ナンバー、メンテナンスを行った部品の部品情報及びメンテナンス情報の更新指令を、管理サーバ10に送信する。
【0069】
管理サーバ10は、モバイル端末30から送信された、製造ナンバー、部品情報及びメンテナンス情報の更新指令を受信したら(
図7のS11参照)、制御部11は、記憶部12に格納された、管理情報テーブルのメンテナンス履歴(
図4、詳細は
図5参照)を参照して、受信した、製造ナンバー及び部品情報に対応するメンテナンス情報を更新する(S12)。例えば、
図5(A)に示すように、製造ナンバー『202000001』のコンベヤ装置2の『搬送ベルト21』(部品情報)の洗浄を行った、実施日時(2019.10.10-10:23)の項目が新たに新設され、この実施日時の項目下に、モバイル端末30で記入された、搬送ベルト21の洗浄を行った担当者、洗浄の内容、不具合の内容、特記事項等のメンテンナンス情報が記入され、メンテナンス履歴が更新される。
【0070】
そして、管理サーバ10の制御部11は、メンテナンス情報を更新した旨の通知をするために、更新完了通知をモバイル端末30に送信(返信)する(S13)。
【0071】
そして、更新完了通知を受信したモバイル端末30では、
図3(A)に示す、「メンテナンス履歴」と表示された操作アイコンをユーザーがタッチすると、更新されたメンテナンス履歴を閲覧することができる。
【0072】
なお、上記のように、搬送ベルト21などの各部品を洗浄した実施日時を入力した場合、管理サーバ10において、ユーザーやコンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーが予め設定する、あるいは、過去の洗浄日の間隔から推測される、次回の洗浄日を予約して、予約日前日にモバイル端末30に洗浄予約がある旨を通知するようにしてもよい。また、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元が、搬送ベルト21等の各部品の点検やメンテナンスを行った場合は、コンベヤ装置2のメーカーのPC40や販売元のPC50や部品のメーカーのPC70によってメンテナンス情報を更新してもよい。
【0073】
上記構成によれば、コンベヤ装置2を構成する部品である搬送ベルト21などに対して、洗浄、点検等のメンテナンスを行った際に、洗浄・点検の日付、内容、不具合などのメンテナンス情報を更新して、管理サーバ10において、一括管理することができる。これにより、ユーザーにとっては、洗浄、点検等のメンテナンスの記録を自分で管理する必要がなく、また、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元にとっては、コンベヤ装置2を構成する各部品の使用状況(洗浄や不具合の態様)を共有して、ユーザーに対するきめ細やかなフォローを実施することができる。
【0074】
また、管理サーバ10では、メンテナンス履歴は、食品搬送用のコンベヤ装置2の衛生管理手続きに沿った項目、書式で管理されることが好ましい。例えば、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に対応可能な書式に入力データが整理され、いつでもアウトプットできるようにしてもよい。
【0075】
(メンテナンス履歴の閲覧:
図8のメンテナンス履歴閲覧処理)
ユーザーが、モバイル端末30のディスプレイ31に表示された、「メンテナンス履歴」と表示された操作アイコン(
図3(A)参照)をタッチした場合、
図3(B)に示すように、コンベヤ装置2を構成する各部品の部品情報を示すアイコン(名称が付されたアイコン)が表示される。そして、例えば、ユーザーが、プーリ(第1プーリ22及び第2プーリ23)のメンテナンス履歴を閲覧したい場合、
図3(B)に示す、プーリ(第1プーリ22及び第2プーリ23)の部品情報を示すアイコンをタッチすると、端末側制御部34がアプリケーションソフトを介して、製造ナンバー(識別情報)に対応するコンベヤ装置2を構成するプーリ(部品情報)のメンテナンス履歴(管理情報)を取得するために、QRコード29から取得した製造ナンバー、部品情報及びメンテナンス履歴に関する管理情報のリクエストを、管理サーバ10に送信する。
【0076】
管理サーバ10は、モバイル端末30から送信された、製造ナンバー、部品情報及びメンテナンス履歴に関する管理情報のリクエストを受信したら(
図8のS21参照)、制御部11は、記憶部12に格納された、管理情報テーブルを参照して、受信した、製造ナンバー及び部品情報に対応するメンテナンス履歴に関する管理情報を特定する(S22)。例えば、モバイル端末30から送信された、製造ナンバーが『202000001』であり、部品情報が『プーリ』であれば、管理情報テーブル(
図4、詳細は
図5(B)参照)を参照して、製造ナンバーの「202000001」の『プーリ』に対応するメンテナンス履歴(
図5(B)参照)が特定される。
【0077】
そして、管理サーバ10の制御部11は、特定した製造ナンバーの「202000001」の『プーリ』に対応するメンテナンス履歴に関する管理情報をモバイル端末30に送信(返信)する(S23)。
【0078】
そして、特定された製造ナンバーの「202000001」の『プーリ』に対応するメンテナンス履歴に関する管理情報を受信したモバイル端末30は、ディスプレイ31に、製造ナンバーの「202000001」の『プーリ』に対応するメンテナンス履歴(
図5(B)参照)を表示する。このように、メンテナンス履歴に関する管理情報を受信したモバイル端末30では、QRコード29から読み取った製造ナンバーに対応するコンベヤ装置2を構成する部品(第1プーリ22、第2プーリ23、搬送ベルト21など)のメンテンナンス履歴を表示することができる。これにより、コンベヤ装置2を構成する部品のメンテンナンス履歴に関する管理情報を、コンベヤ装置2のメーカー、コンベヤ装置2を構成する各部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる。
【0079】
(コンベヤ装置2を構成する部品の発注:
図9の発注処理)
また、ユーザーが、ディスプレイ31に表示された「発注」と表示された操作アイコン(
図3(A)参照)をタッチした場合、
図3(B)に示すように、コンベヤ装置2を構成する各部品の部品情報を示すアイコン(名称が付されたアイコン)が表示される。そして、例えば、コンベヤ装置2の搬送ベルト21の交換時期が近づいたため、ユーザーが、搬送ベルト21の部品情報を示すアイコンをタッチすると、モバイル端末30が取得した、搬送ベルト21のベルトの種類(平ベルト)及び仕様(MBLNS32FB)などの管理情報から、ベルトのサイズ、詳細な仕様、販売元、連絡先などがディスプレイ31に表示される(ベルトの修理・購入に必要な情報が表示される)。ここで、ユーザーは、発注するベルトの種類やサイズや個数などを選択することができる。
【0080】
次に、ディスプレイ31には、「見積もり」ボタンと「購入」ボタンとが表示される(不図示)。
【0081】
そして、ユーザーが、選択したベルトの購入に関する見積もりが欲しい場合は、「見積もり」ボタンにタッチする。この場合、アプリケーションソフトが、選択したベルトの購入に関する情報を見積リクエストとして、管理サーバ10に送信する。
【0082】
管理サーバ10は、モバイル端末30から送信された、見積リクエストを受信したら(
図9のS31参照)、制御部11は、ベルトの購入に関する情報と記憶部12に記憶されている見積もりの計算表と(ベルトの種類や仕様によって異なる単価等が記載されている)を参照して、見積書(納期を含む)を計算・作成する(S32)。
【0083】
なお、発注されたベルトの納期に関しては、制御部11が、ベルトの購入に関する情報(発注するベルトの種類やサイズや個数や配送先の住所等)と、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元が管理する、ベルトの在庫情報に基づき算出される。例えば、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元に在庫があれば、納期としては比較的短い日数が算出されるが、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元に在庫がなければ、ベルトの製造にかかる日数を考慮した納期が算出される。
【0084】
そして、管理サーバ10の制御部11は、見積書(納期を含む)をモバイル端末30に送信する(S33)。
【0085】
そして、見積書(納期を含む)を受信したモバイル端末30では、見積書(納期を含む)を閲覧することができる。例えば、発注するベルトの見積額、発注後何日で配送されるか(納期)などの情報を閲覧することができる。
【0086】
その後、見積書(納期を含む)の内容でよければ、ユーザーは、ディスプレイ31に表示された、「購入」ボタンをタッチする。この場合、アプリケーションソフトが、QRコード29から取得した製造ナンバーと、選択した部品情報(ベルト)の購入に関する情報としての発注指令とを、管理サーバ10に送信する。
【0087】
なお、ユーザーは、見積もりなしでベルトを購入したい場合は、ディスプレイ31に表示された「見積もり」ボタンをタッチせずに、「購入」ボタンをタッチすることにより、ベルトの発注を行うことができる。
【0088】
管理サーバ10は、モバイル端末30から送信された、製造ナンバー及び発注指令を受信したら(S34)、制御部11は、購入手続処理を実行する(S35)。具体的には、制御部11は、製造ナンバー及び選択した部品情報(ベルト)の購入に関する情報に基づき、記憶部12の管理情報テーブルの受注履歴を、「受注済」に更新する(
図4参照)。そして、「受注済」に更新されたことを受けて、制御部11が、購入希望のベルトを、ユーザーに納品するための手配を行う(コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元等にメール連絡するなど)。
【0089】
その後、管理サーバ10の制御部11は、ベルトの購入手続きが完了した旨の通知をするために、購入手続完了通知をモバイル端末30に送信する(S36)。
【0090】
そして、購入手続完了通知を受信したモバイル端末30では、「購入手続完了」とのメッセージがディスプレイ31に表示され、ユーザーは、購入手続が完了したことを確認することができる(納期も確認することができる)。
【0091】
これにより、上記コンベヤ装置管理システム1を使用して、コンベヤ装置2を構成する各部品(搬送ベルト21等)の発注・受注に関する管理情報を、コンベヤ装置2のメーカー、コンベヤ装置2を構成する部品のメーカー、販売元、ユーザー等が簡単に共有することができる。
【0092】
上記説明では、搬送ベルト21の購入について説明したが、同様の処理手順により、コンベヤ装置2自体や、コンベヤ装置2を構成する他の部品(第1プーリ22、第2プーリ23、駆動ユニット24、スクレーパ25、テーブル26など)の購入手続きを行うことができる。また、同様の手順により、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元に、コンベヤ装置2(コンベヤ装置2を構成する各部品)の修理依頼をすることもできる(
図3(A)の「修理依頼」と表示された操作アイコンをタッチする)。
【0093】
(交換時期の入力:
図10の交換時期入力処理)
次に、コンベヤ装置2の販売元が、コンベヤ装置管理システム1を使用して、コンベヤ装置2の販売日を入力することにより、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期が入力される態様について説明する。
【0094】
販売元が、ユーザーに、コンベヤ装置2を販売する際に、PC50に接続されたリーダーを使用して、販売したコンベヤ装置2(搬送ベルト21や駆動ユニット24)に印刷されたQRコード29を読み取る。すると、PC50の専用のアプリケーションソフトによって、コンベヤ装置2(製造ナンバーの「202000001」)の販売日を入力する画面が、PC50のディスプレイに表示される。
【0095】
そして、販売元が、コンベヤ装置2の販売日を入力すると、PC50のアプリケーションソフトが、製造ナンバーに対応するコンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の、販売日を入力するために、QRコード29から取得した製造ナンバー及び販売日の入力指令を、管理サーバ10に送信する。
【0096】
管理サーバ10は、PC50から送信された、製造ナンバー及び販売日の入力指令を受信したら(
図10のS41参照)、制御部11は、記憶部12に格納された、管理情報テーブル(
図4)を参照して、受信した製造ナンバーに対応する、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期に関する情報に、販売日を入力する(S42)。例えば、本実施形態では、管理情報テーブルを参照して、製造ナンバーの「202000001」に対応するコンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期に関する情報に販売日(例えば、2016.11.10)が入力される(
図4参照)。
【0097】
ここで、交換時期に関する情報に関して、コンベヤ装置2を構成する各部品によって、交換の目安となる使用期間は予めコンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーによって設定されている。例えば、ベルトであれば、管理サーバ10では、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーによって、ベルトの種類毎に交換の目安となる使用期間(例えば、販売日(使用開始日)から3年や、製造日から10年など)が使用期間として設定されている。従って、販売日が入力された場合、販売日(使用開始日)に使用期間を加えた年月日が交換時期になることから、交換時期の年月日も、交換時期に関する情報として入力される。例えば、搬送ベルト21の交換の目安となる使用期間が販売日から3年に設定されている場合、販売日(2016.11.10)が入力された場合、交換時期(2019.11.10)も、交換時期に関する情報として入力される。
【0098】
そして、管理サーバ10の制御部11は、販売日や交換時期を入力した旨の通知をするために、入力完了通知をPC50に送信する(S43)。
【0099】
その後、入力完了通知を受信したPC50や、コンベヤ装置2のメーカー使用のPC40や、部品のメーカー使用のPC70や、搬送ベルト21を購入したユーザーのモバイル端末30やPC60では、ユーザーは、販売日や推奨される使用期間や交換時期などの交換時期に関する情報を閲覧することができる。
【0100】
上記のように、コンベヤ装置2(コンベヤ装置2を構成する各部品)の販売日を入力すれば、管理サーバ10において、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期も管理することができる。この場合、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期が近づいた際に、ユーザーのモバイル端末30に、交換時期が近づいている旨の通知をしてもよい。これにより、ユーザーにコンベヤ装置2(コンベヤ装置2を構成する各部品)の点検、修理、購入を促すことができる。
【0101】
更に、上記のように交換時期が定まると、交換時期前の、コンベヤ装置2(コンベヤ装置2を構成する各部品)のメンテナンスにおいて、不具合が見つかり、メンテナンス情報として入力された場合、販売元・コンベヤ装置2のメーカー・部品のメーカーに自動的に不具合があったことを連絡するようにしてもよい(無償修理等の対象となる場合あり)。一方、交換時期後の、メンテナンスにおいて、不具合が見つかり、メンテナンス情報として入力された場合、不具合が見つかった部品と同じ部品を再度購入できるように発注案内をしてもよい(モバイル端末30からコンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元に同じ部品の注文をすることができる)。
【0102】
上記交換時期入力処理では、販売元がPC50によって購入日を入力する態様について説明したが、ユーザーがモバイル端末30やPC60により、コンベヤ装置2の実際の使用開始日を入力することにより、管理サーバ10において交換時期が入力されるようにしてもよい。具体的には、モバイル端末30などから使用開始日が入力された場合、管理サーバ10において、使用開始日に使用期間を加えた年月日が交換時期として入力される。
【0103】
(実施形態2)
上記実施形態1では、コンベヤ装置2のユーザーだけでなく、外部(コンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカー、販売元)ともコンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報を共有する場合について説明した。即ち、コンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカーが設置した管理サーバ10に、インターネット回線を使用して、コンベヤ装置2のユーザーや、コンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカーの担当者や、販売元の担当者が、コンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報にアクセスする態様について説明した。
【0104】
しかし、コンベヤ装置2のユーザーとしては、セキュリティの観点から、ユーザーが使用するコンベヤ装置2やコンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報に、外部(社外)の者がアクセスすることが好ましくない場合がある。
【0105】
そこで、実施形態2では、コンベヤ装置2のユーザーである会社内でのみ使用されるコンベヤ装置管理システム101について説明する。
【0106】
実施形態2のコンベヤ装置管理システム101は、
図11に示すように、ユーザーである会社の本社に設置された、管理サーバ110を主体としており、管理サーバ110は、支社に設置されたPC130や、工場の管理部に設置されたPC140や、工場現場の担当者が保有するモバイル端末150(各種の端末装置)などとLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を介して接続されている。これにより、コンベヤ装置2のユーザーである会社の関係者のみが、コンベヤ装置管理システム101を利用して管理サーバ110の記憶部112に格納された、コンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報にアクセスすることができる。なお、管理サーバ110や各種端末装置の詳細な構成や、コンベヤ装置管理システム101の使用態様は、実施形態1と同様である。
【0107】
ただし、コンベヤ装置2を構成する部品の発注処理では、見積依頼や購入や修理に関する情報は、本社に設置された管理サーバ110に送信され、本社の担当者等が確認した後、コンベヤ装置2を構成する部品の見積依頼や購入手続きや修理手続きを行うことになる。即ち、コンベヤ装置管理システム101は、外部(コンベヤ装置2のメーカーやコンベヤ装置2を構成する部品のメーカーや販売元)とは直接接続されていないことから、外部での処理(見積もり、購入、修理)が必要な場合は、社内の担当者を介して間接的に、外部とのやりとりがなされる。
また、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期入力処理においても、ユーザーによって購入日(販売日、使用開始日)等の入力がなされる。
【0108】
(実施形態3)
上記実施形態2では、コンベヤ装置2のユーザーである会社内のネットワーク(LAN、WAN)のみを使用したコンベヤ装置管理システム101について説明した。
【0109】
しかし、コンベヤ装置2のユーザーとしては、セキュリティの観点から、工場の現場の担当者のみが、コンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報にアクセスできればよい場合がある。
【0110】
そこで、実施形態3では、コンベヤ装置2のユーザーである会社の工場内でのみ使用されるコンベヤ装置管理システム201について説明する。
【0111】
実施形態3のコンベヤ装置管理システム201は、
図12に示すように、ユーザーである会社の工場に設置された、管理用PC210(管理サーバに相当)を主体としており、管理用PC210は、工場現場の担当者が保有する専用リーダー230(端末装置)が、有線又は無線により接続されている。これにより、コンベヤ装置2のユーザーである会社の工場内の担当者のみが、コンベヤ装置管理システム201を利用して管理用PC210の記憶部212に格納された、コンベヤ装置2を構成する各部品の管理情報にアクセスすることができる。なお、管理用PC210や専用リーダー230の詳細な構成や、コンベヤ装置管理システム201の使用態様は、実施形態1や実施形態2と同様である。
【0112】
ただし、コンベヤ装置2を構成する部品の発注処理では、見積依頼や購入や修理に関する情報は、管理用PC210によって担当者等が確認した後、コンベヤ装置2を構成する部品の見積依頼や購入手続きや修理手続きを行うことになる。即ち、コンベヤ装置管理システム201は、外部(コンベヤ装置2のメーカーや、コンベヤ装置2を構成する部品のメーカーや、販売元)とは直接接続されていないことから、外部での処理(見積もり、購入、修理)が必要な場合は、工場内の担当者を介して間接的に、外部とのやりとりがなされる。
また、コンベヤ装置2を構成する各部品の交換時期入力処理においても、工場内の担当者によって購入日(販売日、使用開始日)等の入力がなされる。
【0113】
(その他の実施形態)
上記実施形態1では、コンベヤ装置管理システム1を使用して、管理情報にアクセスする権限について特に言及していないが、管理情報へのアクセス制限や入力制限を設定してもよい。例えば、モバイル端末30やPC40やPC50やPC60やPC70から管理サーバ10にアクセスするには、予め登録(氏名、住所などの登録)してからログイン可能なようにしてもよい。また、販売日などは、コンベヤ装置2のメーカーや部品のメーカーや販売元しか入力することができないように制限してもよい(ユーザーは入力できない)。
【0114】
また、上記実施形態1では、コンベヤ装置管理システム1を使用したペーパーレス化のために、管理情報として、コンベヤ装置2及びコンベヤ装置2を構成する各部品の取扱説明書を例示したが、管理情報としては、納入仕様書やコンベヤ装置2や各部品に関するあらゆる情報(データシート、SDS、RoHS、検査成績書など)を採用してもよい。
【0115】
また、上記実施形態1では、管理サーバ10のみを構成要素とするコンベヤ装置管理システム1を例示したが、コンベヤ装置管理システム1は、管理サーバ10と端末装置(モバイル端末30、PC40、PC50、PC60、PC70)を含む構成としてもよい。
【0116】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものでないと考えられるべきである。また、本発明の範囲は、上記した実施形態及び実施例の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0117】
1 コンベヤ装置管理システム
10 管理サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 通信部
2 コンベヤ装置
21 搬送ベルト
22 第1プーリ
23 第2プーリ
24 駆動ユニット
25 スクレーパ
26 テーブル
29 QRコード
30 モバイル端末
31 ディスプレイ
32 カメラ
33 タッチパネル
34 端末側制御部
40 PC
50 PC
60 PC
70 PC