(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】呼吸器状態及び粘膜の炎症を治療及び改善するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7048 20060101AFI20230525BHJP
A61K 31/7052 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/395 20060101ALI20230525BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20230525BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20230525BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20230525BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230525BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230525BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230525BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20230525BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230525BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230525BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20230525BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61K31/7048
A61K31/7052
A61K31/395
A61K31/496
A61P43/00 121
A61P31/10
A61K45/06
A61K9/14
A61K9/72
A61K9/12
A61K9/48
A61K9/20
A61K9/06
A61K45/00 101
A61P31/04
A61P29/00
A61P11/00
A61P11/06
A61P11/02
A61K9/10
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/28
A61K47/24
A61K47/04
(21)【出願番号】P 2020538748
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(86)【国際出願番号】 US2018051965
(87)【国際公開番号】W WO2019060553
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-14
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521091103
【氏名又は名称】アトピック・メディカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボロディ,トーマス・ジュリアス
(72)【発明者】
【氏名】ピーティ,デブラ
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-503586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0054588(US,A1)
【文献】特表2014-513135(JP,A)
【文献】特表2006-523631(JP,A)
【文献】特表2015-528021(JP,A)
【文献】特表2006-514103(JP,A)
【文献】特表2006-513235(JP,A)
【文献】国際公開第2016/141203(WO,A1)
【文献】特表2005-508314(JP,A)
【文献】特表2010-536519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0053149(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アムホテリシンB、アジスロマイシン、及びリファブチンを含む、薬物の治療用組み合わせ物であって、吸入、舌下又は口腔内投与用に製剤化されている、薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項2】
送達系において、スプレー、エアロゾル又は粉末として
、製剤化されている、請求項1に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項3】
さらに、フルシトシン、ケトコナゾール、ミコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、グリセオフルビン、クロトリマゾール、エコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、スプラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、シクロピロックスオラミン、ハロプロギン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン塩酸塩、モルホリン、ナイスタチン、ナタマイシン、ブテナフィン、ウンデシレン酸、プロピオン酸、カプリル酸及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の抗真菌剤を含む、
請求項1又は2に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項4】
抗真菌剤がイトラコナゾールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項5】
アムホテリシンBが、ナノ懸濁剤送達系若しくは渦巻化製剤で、又は多層結晶性らせん状構造として、投与用に製剤化され、
前記渦巻化製剤が、任意選択的に、ナノサイズ粒子で構成された脂質-結晶渦巻化薬物製剤を含み、前記ナノサイズ粒子が、任意選択的に、直径10~1000ナノメートルの間、若しくは直径20~500ナノメートルの間、若しくは直径50~100ナノメートルの間である、
請求項
1から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項6】
アジスロマイシン、イトラコナゾール、又はリファブチン
が、250mg/日、又は200~300mg/日、又は300~500mg/日、又は100、200、300、400若しくは500mg/日の量で投与用に製剤化される、請求項
4に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項7】
アムホテリシンBが、
- アムホテリシンBの微粉化製剤;
- 任意選択的に、Tween 80、Pluronic F68、又はコール酸ナトリウムを含む、アムホテリシンBのナノ懸濁剤;
- アムホテリシンBの可溶化製剤;
- 任意選択的に、PEG化ポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマー(PLGA-PEG)ナノ粒子(NP)又は同等物を含む、アムホテリシンBナノ粒子;
- 官能化されたカーボンナノチューブに結合しているアムホテリシンB;
- リン脂質を含むモノ及びジグリセリドを含む、アムホテリシンBの脂質ベース製剤;又は
- アムホテリシンBの渦巻化製剤
を含む、請求項
1から6のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項8】
真菌感染症の治療を必要とする個体における、少なくとも1つの真菌感染症の治療のための、請求項1
から7のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項9】
真菌感染症の治療を必要とする個体が、皮膚軟化剤の使用を中止していない、又は縮小していない、請求項
8に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項10】
真菌感染症の治療を必要とする個体が、皮膚軟化剤の使用の中止している、又は縮小している、請求項
8に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項11】
少なくとも一つの真菌感染症が、感染症及び/又は炎症を伴う呼吸器又は肺の状態であるか、又はそれに関連する、請求項
8に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項12】
1以上の粘液溶解剤、ステロイド、鬱血除去剤及び気管支拡張剤をさらに含む、請求項
8に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項13】
薬物の治療組み合わせ物の各薬物が、ナノ懸濁剤送達系で、投与されるために製剤化されている、請求項1
から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項14】
薬物の治療用組み合わせ物の各薬物が、渦巻化製剤で、投与されるために製剤化されている、請求項1
から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項15】
薬物の治療用組み合わせ物の各薬物が、多層結晶性らせん状構造として、投与されるために製剤化されている、請求項1
から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項16】
前記渦巻化製剤が、ナノサイズ粒子で構成された脂質-結晶渦巻化薬物製剤を含み、前記ナノサイズ粒子が、直径10~1000ナノメートルの間である、請求項
14に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項17】
ナノサイズ粒子が、直径20~500ナノメートルの間である、請求項
16に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項18】
ナノサイズ粒子が、直径50~100ナノメートルの間である、請求項
17に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項19】
それぞれの薬物の治療用組み合わせ物が、1日1回、1日2回又は1日3回の投与用に製剤化されている、請求項
6に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項20】
感染症及び/又は炎症を伴う呼吸器又は肺の状態が、呼吸器粘膜の感染症若しくは炎症及び/又は気道の表層下にある筋肉の感染症若しくは炎症を含む、請求項
11に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項21】
(a)気道の表層下にある筋肉が、平滑筋又は気管支若しくは細気管支平滑筋であり、
(b)炎症が、慢性又は急性の炎症であり、又は
(c)炎症が二次性であるか、又は嚢胞性線維症に関連しているか、又は嚢胞性線維症関連肺疾患である
請求項
20に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項22】
感染症が、肺炎、喘息、気管支炎、慢性気管支炎、副鼻腔炎若しくは鼻副鼻腔炎、気管支拡張症、又は副鼻腔の感染症であるか、それらを引き起こし、前記副鼻腔が、任意選択的に副鼻洞である、請求項
20に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項23】
感染症が真菌感染症である、請求項
20に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項24】
真菌感染症が、
アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を含むアスペルギルス種、スケドスポリウム属、フザリウム属、ペシロマイセス属、アクレモニウム属、トリコデルマ属、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gatti)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、スポロトリックス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ種、ムコール種、ニューモシスティス若しくはニューモシスティス・イロベチイ(Pneumocystis jiroveci)、ブラストミセス症、接合真菌症、バイポラリス種、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)、クルブラリア種、シュードアレシェリア・ボイディ(Pseudallescheria boydii)上種、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、フザリウム・バシンフェクタム(Fusarium vasinfectum)、ペニシリウム種、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、ステムフィリウム・ラングイノサム(Stemphylium languinosum)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)又はトリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)
によって引き起こされる感染症である、請求項
23に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項25】
炎症が、肺気腫、慢性閉塞性気道疾患又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)によって引き起こされる、請求項
20に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項26】
薬物の治療用組み合わせ物が、単一の製剤として一緒に製剤化され、一緒に投与される、請求項
8に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項27】
薬物が、スプレー、エアロゾル又は粉末として、別々に製剤化される、請求項1
から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【請求項28】
薬物が、スプレー、エアロゾル又は粉末として、単一の送達系に製剤化される、請求項1
から4のいずれか一項に記載の薬物の治療用組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月20日出願の米国仮特許出願第62/561,146号及び2017年9月21日出願の第62/561,636号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
気道の粘膜の炎症及び/又は感染症は、「粘膜炎」と呼ばれることもあり、特に症候性の患者では、気道の一般的な所見である。通常、1つ以上の慢性感染症が原因である。気道では、感染症及び/又は炎症が鼻、副鼻腔、気管支及び細気管支などの大きな気道及び小さな気道、並びに時として肺組織に影響を及ぼす。この炎症には、鼻副鼻腔炎、副鼻腔炎、気管気管支炎、細気管支炎などさまざまな名前が付けられており、いくつかのレベルで炎症が「喘息」と呼ばれる臨床状態を引き起こす可能性がある。
【0003】
喘息は、高い罹患率と著しい死亡率を発生させる一般的な障害である。喘息は、米国では少なくとも2千5百万人に影響を及ぼしており、深刻な喘息発作のために少なくとも年に50万人以上の患者が入院している。
【0004】
気道のこの慢性の感染症及び/又は炎症の一般的な原因は、依然として一般的に不明のままであるが、クラミドフィラ・ニューモニア(Chlamydophila pneumonia)(Cpn)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)及びマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)などの多数の真菌生物を含む、多くの表在性の、時には共存する感染症を見出すことができる。
【0005】
さまざまな治療法が口と肺の間の気流を改善するために使用され、時にはステロイド療法、アドレナリンの利用、抗炎症剤及びその他のさまざまな方法論が必要となる。
【0006】
現在の治療法では、粘膜炎の原因となる粘膜の感染性要素に対処することはできない。むしろ、上記の治療は、そのような感染症に伴う二次的な炎症過程に対処する傾向がある。この治療アプローチは、クローン病及び潰瘍性大腸炎で使用されるものと類似しており、根底にある感染原因を標的とする代わりに、ステロイド及び他の免疫調節剤、例えばアザチオプリン又はインフリキシマブが使用される。
【0007】
米国特許第6,291,500号(参照により組み込まれている)において、Ponikauは、抗真菌剤の粘膜投与又は吸入投与の使用について記載している。彼は、抗真菌剤の製剤の投与による、非侵襲性真菌誘発粘膜炎の治療について記載している。Vydenは、WO02/07682(参照により組み込まれる)において、Lamisil(テルビナフィン)などの抗真菌剤と一緒に抗生物質とを使用した、喘息を含むアトピー性障害の治療について記載しており、この治療では、真菌胞子の吸入を最小限に抑えるために、患者による皮膚軟化剤の使用の縮小又は中止も必要とされる。
【0008】
US7,241,741(参照により組み込まれる)は、抗真菌剤と2種の抗微生物剤との組み合わせを使用した。これらの薬品は、表在性粘膜炎を治療するためだけでなく、抗真菌剤と抗生物質とを使用して、より深く浸透する粘膜感染症を治療するために摂取された。この特許で選択されている抗真菌剤はテルビナフィン塩酸塩であった。その後、イトラコナゾール塩酸塩がより効果的であることが判明した;US7,776,850(参照により組み込まれる)も参照されたい。
【0009】
しかし、時間の経過と臨床経験の増加に伴い、テルビナフィン塩酸塩及び塩酸塩抗真菌剤は、例えば、イトラコナゾール塩酸塩、リファブチン及び/又はクラリスロマイシンなどの他の薬物との交差反応として、又はテルビナフィン塩酸塩の投与による肝障害の発症として見られるように、臨床的に不利であることが判明した。
【0010】
アムホテリシンB(AMB)は、摂取時に吸収されないため、注射剤又は吸入剤として使用される抗真菌剤であり、また、非経口投与すると、顕著な腎毒性を有する。USPN7,241,741(参照により組み込まれる)を参照されたい。喘息で吸入された非経口AMBについていくつかの報告が出されているが、反応は全く変わってきた。
【0011】
他の抗真菌製剤が試みられてきた。経口投与用にAMBを製剤化するための努力がなされてきた。これらには、ナノ懸濁剤(Kayser et al.,2003)としての、ビタミンE-TPGSを安定剤として用いたポリ(ラクチド-co-グリコリド)ナノ粒子(NP)としての(Italia et al.,2009;Italia et al.,2011)、Peceolを使用した脂質ベースの経口製剤としての(Sachs-Barrable et al.,2008)、又は液体逆溶媒沈殿NPとしての(Zu et al.,2014)AMBの製剤化が含まれる。さらに、AMBは、Peceol及びPEGリン脂質(iCo-009)(Gershkovich et al.,2010;Sivak et al.,2011)、カーボンナノチューブ(Prajapati et al.,2012)、ゼラチン被覆脂質NP(Jain et al.,2012)、キトサン-EDTAコンジュゲート(Singh et al.,2013)及びCubosomes(Yang et al.,2012;Yang et al.,2014)、高分子ナノ粒子(Verma RK,Pandya S,Misra A.Loading and release of amphotericin-B from biodegradable poly(lactic-co-glycolic acid)nanoparticles.J Biomed Nanotechnol.2011;7(1):118-120)、ナノ懸濁剤(Golenser J,Domb A.New formulations and derivatives of amphotericin B for treatment of leishmaniasis.Mini Rev Med Chem.2006;6(2):153-162)、固体脂質ナノ粒子(Patel PA,Patravale VB.AmbiOnp:solid lipid nanoparticles of amphotericin B for oral administration.J Biomed Nanotechnol.2011;7(5):632-639)にロードされている。最新の報告としては、セラミドを含むAMBリポソーム(Skiba-Lahiani et al.,2015)及びキトサン誘導体でカプセル化されたAMB(Serrano et al.,2015)が挙げられる。これらの経口薬物送達は、AMBの溶解性と消化管透過性を高めるために開発された。ほとんどの場合、これらの製剤は経口投与されたAMBの吸収を高めることができず、いずれも市場に導入されていない(Ibrahim et al.,2012;Yang et al.,2012)。Radwan et al.(2017)は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を殺す能力の高い、AMBの新規PEG化ポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマー(PLGA-PEG)ナノ粒子(NP)製剤を開発した。ラットでは腎毒性がほとんどなく、AMB NP製剤にグリチルリチン酸(GA)を添加すると、ラットの経口吸収が著しく増加し、生物学的利用能が向上した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第6,291,500号明細書
【文献】国際公開第2002/07682号
【文献】米国特許第7,241,741号明細書
【文献】米国特許第7,776,850号明細書
【文献】米国特許第7,241,741号明細書
【非特許文献】
【0013】
【文献】Kayser et al.,2003
【文献】Italia et al.,2009
【文献】Italia et al.,2011
【文献】Sachs-Barrable et al.,2008
【文献】Zu et al.,2014
【文献】Gershkovich et al.,2010
【文献】Sivak et al.,2011、
【文献】Prajapati et al.,2012
【文献】Jain et al.,2012
【文献】Singh et al.,2013
【文献】Yang et al.,2012
【文献】Yang et al.,2014、
【文献】Verma RK, Pandya S, Misra A.Loading and release of amphotericin-B from biodegradable poly(lactic-co-glycolic acid) nanoparticles.J Biomed Nanotechnol.2011;7(1):118-120、
【文献】Golenser J,Domb A.New formulations and derivatives of amphotericin B for treatment of leishmaniasis.Mini Rev Med Chem.2006;6(2):153-162
【文献】Patel PA, Patravale VB.AmbiOnp:solid lipid nanoparticles of amphotericin B for oral administration.J Biomed Nanotechnol.2011;7(5):632-639
【文献】Skiba-Lahiani et al.,2015
【文献】Serrano et al.,2015
【文献】Ibrahim et al.,2012
【文献】Yang et al.,2012
【文献】Radwan et al.(2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
代替の実施形態では、感染症又は炎症を伴う呼吸器、又は例えば呼吸器粘膜の炎症又は感染症を伴う任意の肺の状態、及び/又は気道の表層下にある筋肉の感染症若しくは炎症;又は喘息;気管支炎;副鼻腔炎若しくは鼻副鼻腔炎;副鼻腔の感染症;慢性閉塞性気道疾患;肺気腫;慢性気管支炎;肺炎;又は気管支拡張症を治療、改善、逆転及び/又は防止(予防として作用)するための組成物及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
代替の実施形態では、治療的組み合わせ物は、経口投与されるアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤単独、又はアムホテリシンBと、1種の抗生物質、2種の抗生物質、3種の抗生物質又は4種以上の抗生物質との組み合わせを含む。代替の実施形態では、これらの組成物及び方法は、それを必要とする子供などの患者に投薬及び投与される。代替の実施形態では、本発明の組成物及び方法は、錠剤、カプセル、液体、粉末若しくはエアロゾルの調製物若しくは製剤、又は経口送達若しくは吸入用調製物若しくは製剤として投薬及び製剤化される。
【0016】
代替の実施形態では、治療的組み合わせ物、又は経口若しくは吸入用に製剤化されたアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物であって、
治療的組み合わせ物が、アムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物を含む、少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物と、
(a)1種の抗生物質若しくは抗細菌剤、
(b)2種の抗生物質若しくは抗細菌剤、
(c)3種の抗生物質若しくは抗細菌剤、又は
(d)4種以上の抗生物質若しくは抗細菌剤、
との組み合わせを含み、
アムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物、又は少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物が、経口投与用、又は吸入、舌下若しくは口腔内による投与用に製剤化され、
任意選択的に、吸入による投与、又は口腔内若しくは舌下による投与用のための製剤が、スプレー、エアロゾル又は粉末としての製剤を含む、
治療的組み合わせ物、又は経口若しくは吸入用に製剤化されたアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物が提供される。
【0017】
代替の実施形態では、経口用に製剤化アムホテリシンBは、
-FUNGILIN(商標)(Aspen Pharma Pty Ltd、New Zealand;iCo Therapeutics Inc.、Vancouver、BC、Canada)、任意選択的にその錠剤、懸濁剤又はロゼンジ;
-アムホテリシンBの微粉化製剤;
-任意選択的に高圧ホモジナイゼーションによって作製された、アムホテリシンBのナノ懸濁剤、例えばWasan et al,J.of Infectious Disease(2009)vol 200(3):357-360、又は Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のものであって、任意選択的にTween 80(任意選択的に0.5w/w%)、Pluronic F68(任意選択的に0.25w/w%)、及びコール酸ナトリウム(任意選択的に0.05w/w%)を含むもの;
-アムホテリシンBの可溶化製剤、例えば、Kravetz et al N.Engl.J.Med(1961)265:183-184に記載のもの;
-任意選択的にPEG化ポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマー(PLGA-PEG)ナノ粒子(NP)又は同等物を含むアムホテリシンBナノ粒子、例えばRadwan et al,J.Drug Delivery(2017)vol 24(1):40-50に記載のもの;
-官能化されたカーボンナノチューブに結合したアムホテリシンB、例えば、Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のもの;
-リン脂質を含むモノ及びジグリセリドを含む、アムホテリシンBの脂質ベース製剤;又は
-アムホテリシンBの渦巻化製剤(脂質結晶ナノ粒子製剤)、任意選択的にMAT2203(Matinas Biopharma Laboratories/ Matinas BioPharma Nanotechnologies、Inc.、Bridgewater、NJ);
であるか、又はこれらを含む。
【0018】
代替の実施形態では、経口投与用に製剤化された少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物(例えば、アムホテリシンB)は、カプセル、錠剤、ゲルタブ又は同等物での送達用に製剤化され、任意選択的、に少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物は、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤と同じ製剤(任意選択的にカプセル、錠剤、ゲルタブ又は同等物)中に経口投与用に製剤化される。
【0019】
代替の実施形態では、少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物(例えば、アムホテリシンB)は、ブリスターパック、バブルパック、スライドブリスターパッケージ、トレイ、クラムシェル又は収縮包装に、経口投与用にパッケージングされ、
任意選択的に、少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物は、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤と同じブリスターパック、バブルパック、スライドブリスターパッケージ、トレイ、クラムシェル又は収縮包装に、経口投与用にパッケージングされ、
任意選択的に、少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物は、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤と同じブリスターパック、バブルパック、スライドブリスターパッケージ、トレイ、クラムシェル又は収縮包装に、:
-少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物と、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤とが一緒に投与又は摂取される;
-少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物が、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤の前に投与される;又は
-少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物が、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤の後に投与される;
-少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物と、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤とが、任意選択的に、高用量での開始、次いで低用量、その後高用量、次いで低用量を含むパルス投薬で投与される、
ように、経口投与用にパッケージングされる。
【0020】
代替の実施形態では、(アムホテリシンBの他の)少なくとも1種の追加の抗真菌剤又は組成物は、フルシトシン、ケトコナゾール、ミコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、グリセオフルビン、クロトリマゾール、エコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、スプラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、シクロピロックスオラミン、ハロプロギン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン塩酸塩、モルホリン、ナイスタチン、ナタマイシン、ブテナフィン、ウンデシレン酸、プロピオン酸、カプリル酸及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
代替の実施形態では、(例えば、アムホテリシンBとともに投与される)(a)1種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(b)2種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(c)3種の抗生物質若しくは抗細菌剤、又は(d)4種以上の抗生物質若しくは抗細菌剤には、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染症、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)感染症、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)感染症の治療に使用される抗生物質又は抗細菌剤が含まれる。
【0022】
代替の実施形態では、(例えば、アムホテリシンBとともに投与される)(a)1種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(b)2種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(c)3種の抗生物質若しくは抗細菌剤、又は(d)4種以上の抗生物質若しくは抗細菌剤には、1以上の下記のクラス:テトラサイクリン系、ペニシリン系、マクロライド系、キノロン系、クロラムフェニコール、リファマイシン系、スルホンアミド系、コトリモキサゾール及びオキサゾリジノン系から選択される、抗生物質又は抗細菌剤が含まれる。
【0023】
代替の実施形態では、(例えば、アムホテリシンBとともに投与される)(a)1種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(b)2種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(c)3種の抗生物質若しくは抗細菌剤、又は(d)4種以上の抗生物質若しくは抗細菌剤には、ドキシサイクリン、クロロテトラサイクリン、テトラサイクリン塩酸塩、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、ペニシリン、アモキシシリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、オレアンドマイシン、ジョサマイシン、キトサマイシン(kitsamysin)、フルリスロマイシン、ナリジキシン酸、オキソリニン酸、ノルフロキサシン、ペルフロキサシン、アミフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシン、リファブチン、リファンピシン、リファペンチン、リファラジル、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファサラジン、スルファフェナゾール、ダプソン、スルファシチジン、リネゾリド、アミノグリコシド類(アミカシン(Amikin)、ゲンタマイシン(Garamycin)、カナマイシン(Kantrex)、ネオマイシン(Neo-Fradin)、ネチルマイシン(Netromycin)、トブラマイシン(Nebcin)、パロモマイシン(Humatin)、ストレプトマイシン(N/A)、スペクチノマイシン(Trobicin)など)、アンサマイシン系(ゲルダナマイシン(トラスツズマブ)、ハービマイシン(N/A)、リファキシミン(Xifaxan)、リファブチン(Mycobutin)、リファンピシン(Rifampin)、リファラジル、リファペンチン、タネスピマイシンなど)、カルバセフェム(ロラカルベフ(Lorabid)など)、カルバペネム(エルタペネム(Invanz)、ドリペネム(Doribax)、イミペネム/シラスタチン(Primaxin)、メロペネム(Merrem)など)、第1世代セファロスポリン(セファドロキシル(Duricef)、セファゾリン(Ancef)、セファレキシン(Keflex)など)、第2世代セファロスポリン(セファクロル(Distaclor)、セフプロジル(Cefzil)、セフロキシム(Ceftin、Zinnat)など)、第3世代セファロスポリン(セフィキシム(Cefspan)、セフジニル(Omnicef、Cefdiel)、セフジトレン(Spectracef、Meiact)、セフォペラゾン(Cefobid)、セフォタキシム(Claforan)、セフポドキシム(Vantin、Banadoz)、セフタジジム(Fortaz)、セフチブテン(Cedax)、セフトリアキソン(Rocephin)など)、第4世代セファロスポリン(セフェピム(Maxipime)など)、第5世代セファロスポリン(セフタロリンフォサミル(Teflaro)、セフトビプロール(Zeftera)など)、糖ペプチド類(テイコプラニン(Targocid)、バンコマイシン(Vancocin)、テラバンシン(Vibativ)、ダルババンシン(Dalvance)、オリタバンシン(Orbactiv)など)、リンコサミド系(クリンダマイシン(例えば、CLEOCIN(商標)、DALACIN(商標)、CLINACIN(商標))、リンコマイシン(Lincocin)など)、リポペチド(lipopetide)(ダプトマイシン(cubicin)など)、マクロライド系(アジスロマイシン(Zithromax、Sumamed、Xithrone)、クラリスロマイシン(Biaxin)、エリスロマイシン(Erythocin、Erythroped)、ロキシスロマイシン(N/A)、テリスロマイシン(Ketek)、スピラマイシン(Rovamycine)など)、モノバクタム系(アズトレオナム(azactam)など)、ニトロフラン系(フラゾリドン(Furoxone)、ニトロフラントイン(Macrodantin、Macrobid)など)、ニトロイミダゾール系(チニダゾール(Fasigyn、Simplotan、Tindamax)、メトロニダゾール(Flagyl)、オルニダゾール(Ornigil)、セクニダゾールなど)、オキサゾリジノン系(リネゾリド(Zyvox)、ポシゾリド(N/A)、ラデゾリド(N/A)、トレゾリド(Sivextro)、カダゾリドなど)、ペニシリン系(アモキシシリン(Novamox、Amoxil)、アンピシリン(Principen)、アズロシリン、ジクロキサシリン(Dynapen)、フルクロキサシリン(Floxapen)、メズロシリン(Mezlin)、メチシリン(Staphcillin)、ナフシリン(Unipen)、オキサシリン(Prostaphlin)、ペニシリンG(Pentids)、ペニシリンV(Veetids)、ピペラシリン(Pipracil)、ペニシリンG(Pfizerpen)、テモシリン(Negaban)、チカルシリン(Ticar)など)、ペニシリンの組み合わせ(アモキシシリン/クラブラネート(Augmentin)、アンピシリン/スルバクタム(Unasyn)、ピペラシリン/タゾバクタム(Zosyn)、チカルシリン/クラブラネート(Timentin)など)、ポリペプチド類(バシトラシン(Baciguent)、コリスチン(Coly-Mycin-S)、ポリミキシンBなど)、キノロン/フルオロキノロン(シプロフロキサシン(Cipro、Ciproxin、Ciprobay)、エノキサシン(Penetrex)、ガチフロキサシン(Tequin)、ゲミフロキサシン(Factive)、レボフロキサシン(Levaquin)、ロメフロキサシン(Maxaquin)、モキシフロキサシン(Avelox)、ナジフロキサシン(Nadoxin)、ナリジクス酸(NegGram)、ノルフロキサシン(Noroxin)、オフロキサシン(Floxin、Ocuflox)、トロバフロキサシン(Trovan)、グレパフロキサシン(Raxar)、スパルフロキサシン(Zagam)、テマフロキサシン(Omniflox)など)、スルホンアミド類(マフェニド(Sulfamylon)、スルファセタミド(Sulamyd、Bleph-10)、スルファジアジン(Micro-Sulfon)、銀スルファジアジン(Silvadene)、スルファジメトキシン(Di-Methox、Albon)、スルファメチゾール(Thiosulfil Forte)、スルファメトキサゾール(Gantanol)、スルファニルイミド(N/A)、スルファサラジン(Azulfidine)、スルフィソキサゾール(Gantrisin)、トリメトプリム(Bactrim、Septra)、スルファメトキサゾール(Gantanol)、スルフォナミドクリソイジン(Prontosil)など)、テトラサイクリン系(デメクロサイクリン(Declomycin)、ドキシサイクリン(Vibramycin)、メタサイクリン、ミノサイクリン(Minocin)、オキシテトラサイクリン(Terramycin)、テトラサイクリン(Sumycin、Achromycin V、Steclin)など)、マイコバクテリアに対する薬物(クロファジミン(Lamprene)、ダプソン(Avlosulfon)、カプレオマイシン(Capastat)、シクロセリン(Seromycin)、エタンブトール(Myambutol)、エチオナミド(Trecator)、イソニアジド(Nydrazid)、ピラジナミド(Aldinamide)、リファンピシン(Rifadin、Rimactane)、リファブチン(Mycobutin)、リファペンチン(Priftin)、ストレプトマイシン)、アルスフェナミン(Salvarsan)、クロラムフェニコール(Chloromycetin)、ホスホマイシン(Monurol、Monuril)、フシジン酸、メトロニダゾール(Flagyl)、ムピロシン(Bactroban)、プラテンシマイシン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン(Synercid)、チアンフェニコール、チゲサイクリン(Tigacyl)、チニダゾール(Tindamax、Fasigyn)、トリメトプリム(Proloprim、Trimpex)、フィダキソマイシン(大環状抗生物質-Dificid)、リジニラゾール、ラモプラニン、ニタゾキサニド、チゾキサニド、スロトマイシン又はこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0024】
代替の実施形態では(例えば、アムホテリシンBとともに投与される)(b)2種の抗生物質若しくは抗細菌剤、(c)3種の抗生物質若しくは抗細菌剤、又は(d)4種以上の抗生物質若しくは抗細菌剤には、
(i)ドキシサイクリン及びリファブチン;
(ii)クラリスロマイシン及びリファンピシン;
(iii)ドキシサイクリン及びリファンピシン;
(iv)クラリスロマイシン及びリファブチン;
(v)テトラサイクリン塩酸塩及びリファンピシン;
(vi)クラリスロマイシン及びリファブチン;
(vii)アジスロマイシン及びリファンピシン;
(viii)アジスロマイシン及びリファブチン;
(ix)エリスロマイシン及びアモキシシリン;
(x)クラリスロマイシン及びドキシサイクリン;
(xi)リファブチン及びアジスロマイシン;又は
(xii)それらの任意の組み合わせ、
が含まれる。
【0025】
代替の実施形態では、アムホテリシンBは、経口投与用に、又はナノ懸濁剤送達系;渦巻化製剤;若しくは、内部に水性スペースのない多層結晶性らせん状構造として製剤化され、任意選択的に、渦巻化製剤は、ナノサイズ粒子で構成される脂質結晶渦巻化薬物製剤を含み、前記ナノサイズ粒子が、任意に直径約10~1000ナノメートル、若しくは直径約20~500ナノメートル、若しくは直径約50~100ナノメートルの間である。
【0026】
代替の実施形態では、経口用に製剤化されたアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物は単独投与用に(活性薬剤のみ、又は少なくとも抗真菌剤のみ)、約250mg/日、又は約200~300mg/日、又は約300~500mg/日、又は約100、200、300、400若しくは500mg/日の量で製剤化され、任意選択的に、これらの量を1日1回、1日2回又は1日3回の投与用に製剤化することができる。
【0027】
代替の実施形態では、治療的組み合わせ物又は経口用に製剤化されたアムホテリシンB又は同等の抗真菌組成物は、アムホテリシンB、リファブチン及びアジスロマイシンを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
【0028】
代替の実施形態では、それを必要とする個体における、少なくとも1つの真菌感染症の治療方法、又は少なくとも1種の真菌と、少なくとも1つの他の感染因子とによる共感染症の治療方法であって、任意選択的に、少なくとも1つの他の感染症因子が細菌を含み、治療有効量の、経口用に製剤化されたアムホテリシンB又は同等の抗真菌剤若しくは組成物を単一(唯一の)活性薬剤として、又は本明細書に記載の治療的組み合わせ物をそれと必要とする個体に投与することを含む方法が提供される。
【0029】
この方法の代替の実施形態では、治療は、それを必要とする個体による皮膚軟化剤の使用の中止又は縮小を伴わない、又は本方法は、それを必要とする個体における皮膚軟化剤の使用の中止又は縮小を含まないという警告を含む。
【0030】
本方法の代替の実施形態では、治療は、それを必要とする個体による皮膚軟化剤の使用の中止又は縮小を含む。
【0031】
代替の実施形態では、この方法は、下記を治療、改善、逆転及び/又は防止(予防として作用)することを含む:
- 任意選択的に、呼吸器粘膜の感染症及び/又は炎症を伴う呼吸器又は肺の状態、及び/又は気道の表層下にある筋肉の感染症又は炎症を伴う呼吸器又は肺の状態であって、
任意選択的に、気道の表層下にある筋肉は,平滑筋、又は気管支若しくは細気管支平滑筋であり、
任意選択的に、炎症は、慢性又は急性の炎症であり、
任意選択的に、炎症は、二次性であるか、又は嚢胞性線維症に関連しているか、又は嚢胞性線維症関連肺疾患であり、
任意選択的に、副鼻腔は、副鼻洞であり、
並びに、任意選択的に、感染症は、少なくとも部分的に真菌によって引き起こされ、真菌は、任意選択的に、アスペルギルス種、すなわちアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)若しくはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、又はスケドスポリウム属、フザリウム属、ペシロマイセス属、アクレモニウム属、トリコデルマ属、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gatti)又はヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、スポロトリックス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ種、ムコール種、ニューモシスティス属(イロベチイ(jiroveci)を含む)、ブラストミセス症、接合真菌症、バイポラリス種、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)、クルブラリア種、シュードアレシェリア・ボイディ(Pseudallescheria boydii)上種、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、フザリウム・バシンフェクタム(Fusarium vasinfectum)、ペニシリウム種、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、ステムフィリウム・ラングイノサム(Stemphylium languinosum)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)及びトリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)を含み、
任意選択的に、感染症は、肺炎であるか、肺炎を引き起こし)、
- 喘息、
- 気管支炎、任意選択的に慢性気管支炎、
- 副鼻腔炎若しくは鼻副鼻腔炎、又は副鼻腔の感染症であって、
任意選択的に、副鼻腔は副鼻洞であり、かつ任意選択的に、感染症は、少なくとも部分的に真菌によって引き起こされ、前記真菌は、任意選択的に、アスペルギルス種、すなわちアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)若しくはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、又はスケドスポリウム属、フザリウム属、ペシロマイセス属、アクレモニウム属、トリコデルマ属、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gatti)又はヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、スポロトリックス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ種、ムコール種、ニューモシスティス属(イロベチイ(jiroveci)を含む)、ブラストミセス症、接合真菌症、バイポラリス種、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)、クルブラリア種、シュードアレシェリア・ボイディ(Pseudallescheria boydii)上種、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、フザリウム・バシンフェクタム(Fusarium vasinfectum)、ペニシリウム種、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、ステムフィリウム・ラングイノサム(Stemphylium languinosum)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾフィルム・コミューネ(Schizophyllum commune)及びトリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)を含み)、
- 気管支拡張症、
- 肺気腫、又は
- 慢性閉塞性気道疾患又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
【0032】
本方法の代替の実施形態では、経口用に製剤化されたアムホテリシンB又は同等の抗真菌剤若しくは組成物、又は少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物は経口投与されるか、又は吸入、舌下又は口腔内投与され、任意選択的に、吸入による投与、又は口腔内若しくは舌下による投与用は、スプレー、エアロゾル又は粉末としての治療用製剤の投与を含む。
【0033】
本方法の代替の実施形態では:
(a)少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物と、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤とが一緒に投与又は摂取される;
(b)少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物が、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤の前に投与される;又は
(c)少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物が、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤の後に投与される。
【0034】
本方法の代替の実施形態では、経口用に製剤化されたアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤若しくは組成物、又は少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物と、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤とが、任意選択的に、高用量での開始、次いで低用量、その後高用量、次いで低用量を含むパルス投薬で投与される。
【0035】
本方法の代替の実施形態では、本方法は、粘液溶解剤、ステロイド、鬱血除去剤及び/又は気管支拡張剤のうちの1以上の使用又は投与をさらに含む。
【0036】
本方法の代替の実施形態では、アムホテリシンB、リファブチン及びアジスロマイシンの治療的に有効な組み合わせが投与される。
【0037】
本方法の代替の実施形態では、投与は経口である。
【0038】
本方法の代替の実施形態では、投与は吸入による。
【0039】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、下記の付随する説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】渦巻状物の概略図である。挿入図は渦巻状物の脂質層を示し、これは、リン脂質二重層(円と尾)、多価カチオン(影のない円)及び渦巻状物内に保護されている例示的カーゴ部分(斜線の円)を含む。
【
図2】渦巻状物とそのカーゴを飲み込むマクロファージの概略を示す図である。挿入図は、発明を実施するための形態に記載されているように、渦巻状物の開口部とマクロファージ内でのカーゴの放出を示している。
【
図3】発明を実施するための形態に記載されているジオード渦巻状物の例示的な調製を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
代替の実施形態では、呼吸器、又は呼吸器粘膜の感染症及び/又は炎症を伴う任意の肺の状態であって、及び/又は気道の表層下にある筋肉の感染症及び/又は炎症;喘息;気管支炎;副鼻腔炎若しくは鼻副鼻腔炎;副鼻腔の感染症;又は気管支拡張症を治療、改善、逆転及び/又は防止(予防として作用)するための組成物及び方法が提供される。代替の実施形態では、治療的組み合わせ物は、経口投与アムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤、又はアムホテリシンB若しくは同等の抗真菌剤と、1種の抗生物質、2種の抗生物質、3種の抗生物質又は4種以上の抗生物質との組み合わせを含む。
【0042】
代替の実施形態では、治療用組成物は、送達又は貯蔵用ビヒクル、例えば、カプセル、丸薬、錠剤、ゲルタブ内に、例えば凍結乾燥形態などの粉末で製剤化されるか、又はカプセルを飲み込めない人のために、液体飲料などの液体として製剤化される。
【0043】
代替の実施形態では、当技術分野の先行技術の欠点を克服するための呼吸器粘膜の炎症の効果的な治療法が提供される。例えば、代替の実施形態では、経口アムホテリシンBと、リファブチン、クラリスロマイシン若しくはドキシサイクリンなどの抗生物質製剤、又は真菌感染症とともに肺に共存することが多いクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染症、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)及びマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)も治療するように設計された抗生物質若しくはその組み合わせなどの任意の他の抗生物質との組み合わせを使用する治療用組成物及び方法が提供される。
【0044】
代替の実施形態では、少なくとも1種の抗真菌剤若しくは組成物又は同等の抗真菌剤若しくは組成物と、第1、第2、第3及び/又は第4以上の抗生物質又は抗細菌剤とが、任意選択的に、高用量での開始、次いで低用量、その後高用量、次いで低用量を含むパルス投薬で、医師が投与の適切なエンドポイントを決定するまで投与される。
【0045】
代替の実施形態では、「治療」という用語は、いずれにせよ、疾患又は状態を改善する、症状を緩和又は排除するか、さもなければ疾患又はむしろ望ましくない症状の進行を妨げる、遅らせる、又は逆行させるあらゆる使用を指す。代替の実施形態では、「治療」は、個体の症状を除去するために治療するように設計された治療だけでなく、病原体又は感染因子、例えば細菌の再成長による症状の再発を制御及び抑制するように設計された継続的な療法(いわゆる「維持療法」)も意味する。代替の実施形態では、治療は区切られた期間であるか、又は所定の個体の特定の状況に応じて治療の継続的基礎がある場合、治療は周期的、連続的、組み合わせであるか、又は特定の時間の間さまざまな用量で投与されることもある。
【0046】
代替の実施形態では、「炎症」という用語は、病原体、損傷細胞又は刺激物などの有害な刺激に対する体組織の複雑な生物学的応答の一部を指し、免疫細胞、血管及び分子メディエーターが関与する防御反応である。炎症の機能は、細胞傷害の最初の原因を排除し、元の傷害及び炎症過程による壊死細胞及び損傷した組織を取り除き、組織修復を開始することである。炎症には、急性及び慢性の炎症が含まれる。急性炎症とは、有害な刺激に対する身体の初期反応を指し、有害な刺激による、血液から損傷した組織への血漿及び白血球の動きの増加によって達成される。慢性炎症とは、炎症部位に存在する細胞の種類の進行性の変化をもたらす長期にわたる炎症を指し、炎症過程による組織の破壊と治癒との同時発生を特徴とする。
【0047】
代替の実施形態では、「気管支炎」という用語は、肺の気管支の炎症を指す。気管支炎には、急性及び慢性の気管支炎が含まれる。慢性気管支炎は、少なくとも2年間、1年に3か月以上続く湿性咳が特徴である。
【0048】
代替の実施形態では、「気管支拡張症」という用語は、肺の気道の1以上の部分が永久に拡大する疾患を指す。
【0049】
「副鼻腔炎」又は「鼻副鼻腔炎」という用語は、感染症を引き起こす1以上の副鼻腔の炎症を指す。1以上の副鼻腔としては、限定するものではないが、副鼻洞、例えば前頭洞、篩骨洞(前篩骨洞及び後篩骨洞など)、上顎洞及び蝶形骨洞を挙げることができる。
【0050】
例えば、代替の実施形態では、アムホテリシンBを1日~10日間経口で(単独又は別の薬物、例えば抗生物質と組み合わせて)投与し、その後約10日間、初期用量を増加し、その後、さらに10日間のサイクルで投薬量をさらに増加し、さらに10日間のサイクルで投薬量をさらに増加することができる。
【0051】
例えば、代替の実施形態では、アムホテリシンBを1日~10日間経口で(単独又は別の薬物、例えば抗生物質と組み合わせて)投与し、その後約10日間、初期用量を減少し、その後、さらに10日間のサイクルで投薬量をさらに減少し、さらに10日間のサイクルで投薬量をさらに減少することができる。
【0052】
代替の実施形態では、「抗細菌剤」又は「抗生物質」という用語は、細菌又は感染因子を殺すことができる、又は細菌又は感染因子によって引き起こされる感染症の治療又は根絶に使用される任意の薬剤を指す。これには、天然源から分離された抗生物質と合成的に生成された抗細菌剤の両方が含まれる。
【0053】
代替の実施形態では、「皮膚軟化剤」という用語は、例えば、軟膏、塗布剤、ローション、クリーム、保湿剤、油、皮膚軟化剤、石鹸、シャンプー、日焼け止め、化粧品などの皮膚の刺激を和らげる皮膚に塗布される任意の製品を指す。
【0054】
代替の実施形態では、「同時」という用語は、例えば、本明細書で提供される例示的な実施形態の利点を実現するための0.1、0.5、1、2、5、10又は24時間以内の投与を意味し、活性薬剤(例えば、抗真菌剤、抗生物質)のそれぞれの投与が正確に同時に起こる必要はなく、個体は所定の0.1、0.5、1、2、5、10又は24時間以内でこれらの薬剤を受け取る。
【0055】
アムホテリシンB及び同等物の経口製剤
代替の実施形態では、モノ及びジグリセリドとリン脂質との混合物などの脂質ベースの製剤を含む、アムホテリシンB(AMB)の経口形態の治療用組成物及びその使用を含む方法が提供される。これらの脂質ベースの製剤は、アムホテリシンBの溶解度を向上させ、例えば、iCO Therapeutics Inc.及びMatinas BioPharmaによるアムホテリシンBの製剤を参照されたい。
【0056】
代替の実施形態では、アムホテリシンBの渦巻化製剤が使用される(Matinas BioPharma、Inc.)。代替の実施形態では、渦巻状物は、内部に水性スペースのない多層結晶性らせん状構造を有し、この構造は、一連の固体脂質シートが巻き上げられ、シートの間に薬物分子を捕捉するときに形成され、この過程は「渦巻化(encochleation)」と呼ばれる。
【0057】
代替の実施形態では、渦巻化は、カルシウム及び大豆由来リン脂質(PS)という、FDAによってGRAS(一般に安全と認められている)として分類される2つの天然物質を、厳密に制御された結晶化工程を通じて組み合わせ、有効薬理成分(API)を包み込むことを含む。結果は、国際特許出願公開番号WO2017/205550及びWO2018/013711に記載されているような、脂質結晶渦巻化薬物製剤であり、当該文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0058】
渦巻状物は、ホスファチジルセリンなどの負に帯電した脂質と、カルシウムなどの二価カチオンとの相互作用により自然に形成される、無水の安定した多層脂質結晶である(例えば、米国特許第4,078,052号、第5,643,574号、第5,840,707号、第5,994,318号、第6,153,217号、第6,592,894号並びにPCT公開番号WO2004/091572、WO2004/091578、WO2005/110361、WO2012/151517及びWO2014/022414、並びに米国特許出願公開第2010/0178325号を参照されたく、当該文献はそれぞれが参照により組み込まれる)。通常、これらは「結晶渦巻状物」と呼ばれる。
【0059】
結晶渦巻状物は、内部に水性スペースのない、大きくて連続した固体リン脂質二重層の、らせん状に巻き上げられたシート若しくは層、又は積み重ねられたシートからなる独自の多層構造を有する(
図1)。この独自の構造が、関連する「渦巻化」された分子を劣化から保護する。渦巻状構造全体が一連の固体層であるため、渦巻状物の外層が厳しい環境条件又は酵素に曝露されても、渦巻状構造の内部の成分は依然として無傷のままである。血清及び粘膜分泌物のインビボでの二価カチオン濃度は、渦巻状構造が維持されるような濃度である。したがって、渦巻状物関連分子の大部分は、固体の安定した不浸透性構造の内層に存在する。しかし、細胞の内部に入ると、低カルシウム濃度により渦巻状結晶が開き、渦巻状物内に製剤化された分子が放出される(
図2)。したがって、渦巻状製剤は、粘膜分泌物、血漿及び胃腸液を含む生理液中で無傷のままであり、それにより、筋肉内及び粘膜、例えば鼻腔内及び経口を含む多くの投与経路による生物活性化合物の送達を媒介する。
【0060】
典型的な渦巻状構造は、二価のカチオンと、少なくとも1つの負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを交互に含む脂質層を含む。典型的には、本明細書に記載の生物活性剤などのカーゴ部分は、渦巻状物の脂質層内に隔離される。
【0061】
代替の実施形態では、本開示の渦巻状物は、DC(直接カルシウム)透析法を使用して形成される。この方法では、多価カチオンを含む緩衝液に対する透析により、渦巻化される脂質と物質との溶液から界面活性剤が除去される。したがって、界面活性剤の除去と多価カチオンの付加は、LC法のように順次ではなく、同時に起こる。いくつかの実装形態では、この方法は、DNAプラスミドなどの核酸を含む本開示の免疫原性組成物、例えばワクチンの製剤化に使用される。DC法は、米国特許第5,994,318号にも記載されており、当該特許は参照により組み込まれる。
【0062】
通常の技術者によって認識されるように、pH、塩濃度、攪拌の方法と速度、カチオンの種類、濃度及び添加速度、脂質の組成、濃度及び脂質と他の材料との比率などを含む多くのパラメータが製剤に影響を及ぼし、特定の材料の渦巻化を最適化するために変更可能である。
【0063】
典型的な実装形態では、多価カチオンは、カルシウム、亜鉛、マグネシウム及びバリウムなどの二価金属カチオンである。より典型的な実装形態では、二価金属カチオンはカルシウムである。
【0064】
渦巻状物の形成中に使用されるリポソームは多層(MLV)であっても、又は、小単層ベシクル(SUV)などの単層(ULV)であってもよい。これらのリポソーム溶液中の脂質の濃度は、約0.1mg/mL~500mg/mLであり得る。典型的には、脂質の濃度は約0.5mg/mL~約50mg/mL、より典型的には約1mg/mL~約25mg/mLである。
【0065】
渦巻状物を作製する方法の際にサイズ調節剤を導入してもよい。本明細書で使用されるサイズ調節剤は、渦巻状物の粒子サイズを縮小させる薬剤を指す。本明細書で使用される「粒子サイズ」という用語は、粒子直径、又は粒子が球形でない場合、粒子の一方向の最大の広がりを指す。
【0066】
渦巻状物の粒子サイズは、サブミクロン粒子サイズ分析器などの従来の方法を使用して測定することができる。特定の実施形態では、サイズ調節剤は、脂質アンカー型ポリヌクレオチド、脂質アンカー型糖(糖脂質)又は脂質アンカー型ポリペプチドである。他の実施形態において、サイズ調節剤は、オキシコレート、コレート、ケノデオキシコレート、タウロコレート、グリコココレート、タウロケノデオキシコレート、グリコケノデオキシコレート、デオキシコレート又はリトコレートなどの胆汁酸塩である。胆汁酸塩は、カチオン、通常はナトリウムと配合された胆汁酸である。胆汁酸は、主に哺乳動物の胆汁中に見られるステロイド酸であり、市販されている。
【0067】
特定の実施形態では、サイズ調節剤は、沈殿した渦巻状物の形成前に脂質又はリポソームに添加される。例えば、一実施形態では、サイズ調節剤は、渦巻状物が(例えば、カチオンの添加又は透析により)形成される前のリポソーム懸濁剤に導入される。又は、サイズ調節剤は、薬理学的活性薬剤の添加の前又は後に脂質溶液に導入してもよい。
【0068】
任意の適切な脂質を使用して渦巻状物を作製することができる。一実施形態では、脂質は、1以上の負に帯電した脂質を含む。本明細書で使用する場合、「負に帯電した脂質」という用語は、酸性、塩基性又は生理学的pHの水溶液中で正式な負電荷を帯びた頭部を有する脂質を含み、双性イオン頭部を有する脂質も含む。一実施形態では、負に帯電した脂質はリン脂質である。
【0069】
渦巻状物は、負に帯電していない脂質(例えば、正の脂質及び/又は中性脂質)も含み得る。通常、渦巻状物には、かなりの量の負に帯電した脂質が含まれている。特定の実施形態では、脂質の大部分が負に帯電している。一実施形態では、脂質は、リン脂質などの負に帯電した脂質を少なくとも50%含む脂質の混合物である。代替の実施形態では、脂質は、リン脂質などの負に帯電した脂質を少なくとも75%含む。他の実施形態では、脂質は、リン脂質などの負に帯電した脂質を少なくとも85%、90%、95%又は98%含む。さらに他の実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、渦巻状物中の総脂質の30%~70%、35%~70%、40%~70%、45%~65%、45%~70%、40%~60%、50%~60%、45%~55%、45%~65%又は45%~50%を構成する。特定の実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、渦巻状物中の総脂質の40%~60%又は45%~55%を構成する。いくつかの実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、渦巻状物の非疎水性ドメイン成分中の総脂質の30%~70%、35%~70%、40%~70%、45%~65%、45%~70%、40%~60%、50%~60%、45%~55%、45%~65%又は45%~50%を構成する。特定の実施形態において、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、渦巻状物の非疎水性ドメイン成分中の総脂質の40%~60%又は45%~55%を構成する。いくつかの実施形態では、負に帯電した脂質はリン脂質であり、渦巻状物中の総脂質の、又は渦巻状物の非疎水性ドメイン成分中の総脂質の30%~70%、35%~70%、40%~70%、45%~65%、45%~70%、40%~60%、50%~60%、45%~55%、45%~65%又は45%~50%を構成する。いくつかの実施形態では、負に帯電した脂質はリン脂質であり、渦巻状物中の総脂質の、又は渦巻状物の非疎水性ドメイン成分中の総脂質の約40%~60%又は45%~55%を構成する。
【0070】
負に帯電した脂質には、卵ベースの脂質、ウシベースの脂質、ブタベースの脂質、大豆ベースの脂質などの植物ベースの脂質、又は合成的に生産された脂質を含む他の供給源に由来する類似の脂質が含まれる。負に帯電した脂質としては、ホスファチジルセリン(PS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)及び/又はホスファチジルグリセロール(PG)及び/又はこれらの脂質の1以上と他の脂質との混合物を挙げることができる。追加的又は代替的には、脂質としては、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ジホスホチジルグリセロール(DPG)、ジオレオイルホスファチジン酸(DOPA)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)などを挙げることができる。代替の実施形態では、ホスファチジルセリンは卵又はウシ由来のホスファチジルセリンである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書で以下に記載されるジオード渦巻状物を含む渦巻状物は、マメ科植物ベースのリン脂質、より典型的には大豆ベースの脂質を使用して調製される。そのような大豆ベースの脂質は、天然のものであっても、又は合成のものであってもよい。さらにより典型的には、大豆ベースの脂質は大豆リン脂質であり、例えば大豆ホスファチジルセリンは、渦巻状物の脂質成分の約40重量%~74重量%の量である。又は、大豆ホスファチジルセリンは、渦巻状物の脂質成分の約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%又は70重量%又はそれらの任意の増分値であり得る。これらの値及び範囲の間のすべての値及び範囲は、本開示に包含されることが意図されていることを理解されたい。典型的な実施形態では、リン脂質は約45~70%の大豆ホスファチジルセリンを含む。より典型的な実施形態では、リン脂質は約45~55%の大豆ホスファチジルセリンを含む。
【0072】
大豆ホスファチジルセリンは、例えばAvanti Polar Lipids,Inc.Alabaster、ALから市販されている。代替として、大豆ホスフィチジルセリンは、周知の標準的な精製技術に従って、いくつかの大豆リン脂質の混合物である大豆リン脂質組成物から精製することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、中性脂質を大豆ホスファチジルセリンと組み合わせて使用して、本渦巻状物を作製する。本明細書で使用する「中性脂質」という用語は、生理学的pHで非荷電又は中性の双性イオン形態のいずれかで存在する多くの脂質種のいずれかを含み、したがって、アニオン機能を欠く脂質の群に含まれる。そのような脂質には、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン及びセレブロシドが含まれる。本明細書に記載の渦巻状物組成物で使用するための中性脂質の選択は、一般に、例えば渦巻状物のサイズ及び安定性の考慮によって導かれる。さまざまな鎖長及び飽和度のさまざまなアシル鎖基を有する脂質を利用することも、又は周知の技術によりこれを単離若しくは合成することもできる。実施形態の1群では、炭素鎖長がC14~C22の範囲の飽和脂肪酸を含む脂質を使用することができる。実施形態の別の群では、炭素鎖長がC14~C22の範囲のモノ又はジ不飽和脂肪酸を含む脂質を使用することができる。実施形態のさらに別の群では、炭素鎖長がC8~C12の範囲のモノ又はジ不飽和脂肪酸を含む脂質を使用することができる。さらに、飽和及び不飽和脂肪酸鎖の混合物を有する脂質を使用することもできる。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示で使用される中性脂質は、DOPE、DSPC、DPPC、POPC又は関連するホスファチジルコリンである。本開示において有用な中性脂質は、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、又はセリン及びイノシトールなどの他の頭部基を有するリン脂質で構成されてもよい。
【0075】
典型的な実装形態では、純度99.9%のジオレオイルホスファチジルセリン、純度99.9%の大豆ホスファチジルセリン、75%の大豆ホスファチジルセリン及び50%の大豆ホスファチジルセリンが渦巻状物の製造に使用される。純度99.9%のホスファチジルセリンの脂質組成は、限定するものではないが、通常、スフィンゴミエリン及び/又はホスファチジルコリンを含む中性脂質の添加により改変される。低純度のホスファチジルセリン(例えば、50%大豆ホスファチジルセリン)を出発物質として使用する場合、低純度のホスファチジルセリンは、ヌクレアーゼなどの不要な不純物を除去するための抽出ステップにかけることができる。
【0076】
いくつかの実装形態では、本開示の渦巻状物は、例えば米国特許出願公開第2013/0224284号に記載のジオード渦巻状物又はジオデートであり、当該文献の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。ジオード渦巻状物は、負に帯電したリン脂質を含む脂質単層をさらに含み、この脂質単層は、油などの疎水性ドメインと、カーゴ部分、例えば疎水性ドメイン内に分散している本明細書に記載の生物活性剤とを取り囲んでいる。脂質単層は、ジオード渦巻状物の脂質層内に隔離されている。
【0077】
本明細書で使用される場合、「疎水性ドメイン」は、その周囲に脂質単層の形成を可能にするために、本質的に十分に疎水性の組成物である。疎水性ドメインは、典型的には、カーゴ部分に関連する油又は脂肪などの疎水性組成物を含む。特定の実施形態では、疎水性ドメイン(HD)とジオード渦巻状物のリン脂質成分(PPLGD)との比であるHD:PPLGD、又はヒマシ油ドメイン(COD)とジオード渦巻状物のリン脂質成分(PPLGD)との比であるCOD:PPLGDは、約1:20以下、1:15以下、1:10以下、1:8以下、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3.5以下、1:3以下、1:2.75以下、1:2.5以下、1:2.25以下、1:2以下、1:1.75以下、1:1.5以下、1:1.25以下、1:1以下である。
【0078】
図3は、ジオード渦巻状物をどのように作製できるかの例示的な概略図を示す。この例示的な方法では、リン脂質(開環として表される)を油などの疎水性ドメイン(影付きの円)と組み合わせ、混合して、リポソームと疎水性ドメインを囲む脂質単層とを含む安定したエマルジョンを形成する。カーゴ部分は、疎水性ドメイン内に分散していてもよい。疎水性ドメインには、表面にリン脂質が埋め込まれている。理論に縛られることを意図するものではないが、リン脂質の疎水性アシル鎖は疎水性ドメイン内にあり、その結果、リン脂質頭部のコーティングにより疎水性ドメインが親水性表面を有し、安定したエマルジョンを形成すると考えられている。リン脂質がホスファチジルセリンなどで負に帯電している場合、カルシウムなどの二価カチオンの添加は、二価カチオンとリン脂質二重層とを交互に含む結晶構造(又は脂質層)の形成を誘導する。脂質層は線影で表される。ジオード渦巻状物では、疎水性ドメインを囲む脂質単層は、「ジオード」に似た結晶性マトリックス内に「ちりばめられている」又は「閉じ込められている」。
【0079】
本発明による渦巻化製剤は、直径約10~1000ナノメートル又は直径約20~500ナノメートル又は直径約50~100ナノメートルのナノサイズ粒子で構成される脂質結晶を含む。代替の実施形態では、本発明の渦巻化薬物製剤は、粘膜(例えば、経口又は鼻腔内)投与用に製剤化されるか、又は粘膜投与することができる。
【0080】
代替の実施形態では、例えば、アムホテリシンB(AMB)の溶解度を著しく高めるために、任意のナノ懸濁剤送達系を使用することができる。
【0081】
代替の実施形態では、経口形態のアムホテリシンBが使用される。本明細書に記載のアムホテリシンBの経口形態は、他の非経口アムホテリシンBの腎毒性を回避できると考えられている。
【0082】
代替の実施形態では、単独で、又は本明細書で提供される治療的組み合わせ物で使用される経口用に製剤化されたアムホテリシンBは、下記の1以上を含む:
-FUNGILIN(商標)(Aspen Pharma Pty Ltd、New Zealand;iCo Therapeuics Inc.、Vancouver、BC、Canada)、任意選択的にその錠剤、懸濁剤又はロゼンジ;
-アムホテリシンBの微粉化製剤;
-任意選択的に高圧ホモジナイゼーションによって作製された、アムホテリシンBのナノ懸濁剤、例えばWasan et al,J.of Infectious Disease(2009)vol 200(3):357-360、又は Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のものであって、任意選択的にTween 80(任意選択的に0.5w/w%)、Pluronic F68(任意選択的に0.25w/w%)、及びコール酸ナトリウム(任意選択的に0.05w/w%)を含むもの;
-アムホテリシンBの可溶化製剤、例えば、Kravetz et al N.Engl.J.Med(1961)265:183-184に記載のもの;
-任意選択的にPEG化ポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマー(PLGA-PEG)ナノ粒子(NP)又は同等物を含むアムホテリシンBナノ粒子、例えばRadwan et al,J.Drug Delivery(2017)vol 24(1):40-50に記載のもの;
-官能化されたカーボンナノチューブに結合したアムホテリシンB、例えば、Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のもの;
-リン脂質を含むモノ及びジグリセリドを含む、アムホテリシンBの脂質ベースの製剤;及び/又は
-アムホテリシンBの渦巻化製剤(脂質結晶ナノ粒子製剤)、任意選択的にMAT2203(Matinas Biopharma Laboratories/ Matinas BioPharma Nanotechnologies、Inc.、Bridgewater、NJ);
であるか、又はこれらを含む。
【0083】
投与及び製剤
代替の実施形態では、抗真菌剤及び抗細菌剤を含む本明細書で提供される治療的組み合わせ物の投与は、経口、静脈内、動脈内、筋肉内又は皮下経路によるものであり得る。
【0084】
代替の実施形態では、少なくとも1種の抗真菌剤及び少なくとも1種の抗細菌剤は、1日1回、又は1日あたり2、3、4回以上の同一又は異なる分割用量で投与されてもよく、それらは同時に投与されても、又は1日のうちの異なる時間に投与されてもよい。代替の実施形態では、活性物質(例えば、抗真菌剤及び抗細菌剤)は同時に投与される。代替の実施形態では、活性物質(例えば、抗真菌剤及び抗細菌剤)は、別個の医薬品若しくは製剤、例えば、別個のカプセル若しくは錠剤に含まれ、又は代替としては、単一の組み合わせ剤形、例えば、単一のカプセル若しくは錠剤に含まれる。
【0085】
代替の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物及び治療的組み合わせ物で使用される例示的な抗真菌剤及び抗細菌剤の用量は、他の状態の治療のための単剤療法で使用される場合の一般に知られ、確立された安全な投薬量範囲に従う。抗細菌剤のそのような投薬量は、当業者に理解されており、例えば、Martindale,The Extra Pharmacopoeia,31st Edition(The Royal Pharmaceutical Society,London,1996)に記載されているように、使用する薬剤に応じて0.0005~50グラム/日の範囲である。
【0086】
代替の実施形態では、任意の特定の患者に対する抗真菌剤及び抗細菌剤の治療有効量は、下記を含むさまざまな因子に依存するものである:治療される障害及びその障害の重症度;採用される組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事;投与の時間;投与経路;治療期間;治療と組み合わせて又は同時に使用される薬物並びに医学において周知の他の関連因子。
【0087】
代替の実施形態では、当業者は、本明細書で提供される治療的組み合わせ物が投与される障害及び疾患を治療するために必要とされる抗真菌剤及び抗細菌剤の有効な非毒性量を、日常的な実験により決定することができる。
【0088】
代替の実施形態では、例示的な(1又は複数の)抗真菌剤及び(1又は複数の)抗細菌剤、又はアムホテリシンB若しくは同等物の単独の有効用量は、約1ミリグラム(mg)/日~約4グラム(g)/日、又は約10mg/日~約2g/日、又は約100mg/日~約1000mg/日の範囲内である。本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物を単独(例えば、唯一の活性抗微生物剤として、しかし一方、他の活性薬物、皮膚軟化剤、緩衝剤、担体、賦形剤なども存在してもよい)で、約250mg/日の量で投与される。
【0089】
例示的な抗真菌剤及び抗細菌剤には、限定するものではないが、フルシトシン、ケトコナゾール、ミコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、グリセオフルビン、クロトリマゾール、エコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、スプラコナゾール、ボリコナゾール、シクロピロクスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン塩酸塩、モルホリン、ナイスタチン、ナタマイシン、ブテナフィン、ウンデシレン酸、プロピオン酸、カプリル酸、テトラサイクリン、ペニシリン、マクロライド、キノロン、クロラムフェニコール、リファマイシン、スルホンアミド、コトリモキサゾール、オキサゾリジノン、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリン、テトラサイクリン塩酸塩、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、ペニシリン、アモキシシリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、オレアンドマイシン、ジョサマイシン、キトサマイシン、フルリスロマイシン、ナリジクス酸、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ペルフロキサシン(perfloxacin)、アミフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシン、リファブチン、リファンピシン、リファペンチン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファサラジン、スルファフェナゾール、ダプソン、スルファシチジン、リネゾリド、アセチルサリチル酸、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ルリコナゾール、オモコナゾール、セルタコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、イサブコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール及びテルコナゾールが含まれる。
【0090】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物を約250mg/日の量で、ドキシサイクリンを約100mg/日の量で、及びリファブチンを約150mg/日の量で投与される。代替の実施形態では、投与は経口である。代替の実施形態では、投与は、毎日約2回(bid)、3回(tid)又はそれ以上、代替的には1週間から6か月の間の期間である。
【0091】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約250mg/日)、クラリスロマイシン(約500mg/日)及びリファンピシン(約300mg/日)を投与される。代替的には、投与は経口及び/又は1日2回であり、子供の体重を反映するように調整されたこのような治療方法は、子供への投与に特に適している。子供のための代替の効果的な治療は、テルビナフィン塩酸塩の形態の1種の抗真菌剤とクラリスロマイシンの形態の1種の抗細菌剤とを含むシロップの投与を伴う。
【0092】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約250mg/日)、ドキシサイクリン(約100mg/日)及びリファンピシン(約300mg/日)を投与される。代替的には、投与は経口で、2か月の期間にわたって1日2回である。
【0093】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約250mg/日)、クラリスロマイシン(約250mg/日)及びリファブチン(約150mg/日)を投与される。代替の実施形態において、投与は経口であり、1週間~1年の期間にわたって1日2回である。
【0094】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約250mg/日)、テトラサイクリン塩酸塩(約500mg/日)及びリファンピシン(約300mg/日)を投与される。好ましくは、投与は経口で、1~3か月の期間にわたって1日2回である。
【0095】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約200mg/日)、クラリスロマイシン(約500mg/日)及びリファブチン(約150mg/日)を投与され、代替的には投与は経口で、1~3か月の期間にわたって1日2回である。
【0096】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約250mg/日)、エリスロマイシン(約1000mg/日)及びアモキシシリン(約1000mg/日)を投与される。代替的には、投与は経口で、1日2回行われる。
【0097】
本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び方法の代替の実施形態では、患者は、アムホテリシンB又は同等物(約500mg/日)、クラリスロマイシン(約500mg/日)及びドキシサイクリン(約100mg/日)を投与される。代替的には、投与は経口で、1日2回行われる。
【0098】
アムホテリシンB又は同等の抗真菌剤は、経口投与などのために、任意の適切な量のアムホテリシンB又は同等の抗真菌剤で、例えば約1mg~約4g、又は約10mg~約2g、又は約100mg~約1000mg、又は約200mg~約300mgの間、又は約300mg~約500mg、又は約100mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg又は約500mgのアムホテリシンB又は同等の抗真菌剤で製剤化することができる。
【0099】
上記の例示的実施形態で提供される投薬量は、列挙された特定の抗真菌剤及び抗細菌剤の典型的な投薬量を単に示しているだけであることは、当業者には認識されよう。任意の所定の個体に投与される各活性薬剤の実際の用量は変更可能であり、下記を含むさまざまな因子に依存するものである:治療される障害及びその障害の重症度;採用される組成物;個体の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事;投与の時間;投与経路;治療期間;治療と同時に使用される薬物並びに医学において周知の他の関連因子。例えば、抵抗性の真菌及び細菌感染症の場合、本明細書で提供される投薬量よりも高い投薬量を使用してもよい。
【0100】
代替の実施形態では、関連する組成物の投与はケースバイケースで決定され、例えば、毎日1回、2回、3回又はそれ以上であり得る。代替の実施形態では、成分薬物は同時に又は別々に摂取される。代替の実施形態では、治療期間は、基礎疾患の重症度と抵抗性に依存する。代替の実施形態では、治療は、1週間~1年以上の期間、任意選択的に約1~4又は約2~3か月間処方される。
【0101】
代替の実施形態では、治療に対する患者の応答は、例えば、臨床的改善、ステロイド及び気管支拡張剤などの典型的な喘息薬への依存度の漸減、ピークフローの改善、並びに患者の幸福状態及び性能に注目することによって測定される。
【0102】
代替の実施形態では、本明細書で提供される個々の成分又は治療的組み合わせ物は医薬組成物として製剤化され、当技術分野で一般的に知られている1以上の薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、希釈剤又は担体を含んでもよい。
【0103】
代替の実施形態では、経口投与の場合、医薬組成物は、錠剤、ロゼンジ、丸薬、トローチ、カプセル、エリキシル、凍結乾燥粉末を含む粉末、溶液、顆粒、懸濁剤、エマルジョン、シロップ及びチンキ剤の形態である。代替の実施形態では、徐放又は持続放出形態を、例えば、被覆粒子、多層錠剤又は微小顆粒の形態で調製することができる。代替の実施形態では、持続作用のために、組成物は徐放又は持続放出形態であり得る。
【0104】
代替の実施形態では、経口投与用の固体形態は、薬学的に許容される結合剤、甘味料、崩壊剤、希釈剤、香味料、コーティング剤、防腐剤、滑沢剤及び/又は時間遅延剤を含み得る。適切な結合剤としては、アカシアゴム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース又はポリエチレングリコールが挙げられる。適切な甘味料としては、スクロース、ラクトース、グルコース、アスパルテーム又はサッカリンが挙げられる。適切な崩壊剤としては、コーンスターチ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、ベントナイト、アルギン酸又は寒天が挙げられる。適切な希釈剤には、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、デキストロース、カオリン、セルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム又はリン酸二カルシウムが挙げられる。適切な香味料としては、ペパーミント油、冬緑油、チェリー、オレンジ又はラズベリー香料が挙げられる。適切なコーティング剤としては、アクリル酸及び/又はメタクリル酸及び/又はそれらのエステルのポリマー又はコポリマー、ワックス、脂肪アルコール、ゼイン、シェラック又はグルテンが挙げられる。適切な防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、α-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン又は亜硫酸水素ナトリウムが挙げられる。適切な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウム又はタルクが挙げられる。適切な時間遅延剤としては、グリセリルモノステレート又はグリセリルジステレートが挙げられる。
【0105】
代替の実施形態では、経口投与用の液体形態は、活性薬剤に加えて、液体担体を含み得る。適切な液体担体としては、水、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、落花生油、ココナッツ油などの油、流動パラフィン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、脂肪アルコール、トリグリセリド又はそれらの混合物が挙げられる。
【0106】
代替の実施形態では、経口投与用の懸濁剤は、分散剤及び/又は懸濁剤をさらに含んでもよい。適切な懸濁剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、アルギン酸ナトリウム又はセチルアルコールが挙げられる。適切な分散剤としては、レシチン、ステアリン酸などの脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンソルビトールモノ又はジオレート、ステアレート又はラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ又はジオレート、ステアレート又はラウレートなどが挙げられる。
【0107】
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物又は医薬組成物は、(1又は複数の)抗真菌剤及び(1又は複数の)抗細菌剤を、選択された(1又は複数の)賦形剤、(1又は複数の)担体、(1又は複数の)アジュバント及び/又は(1又は複数の)希釈剤と一緒にブレンド、粉砕、均質化、懸濁、溶解、乳化、分散及び/又は混合することにより調製される。代替の実施形態では、医薬組成物は錠剤又はカプセルの形態であり、例えば、(a)少なくとも1種の活性物質を、任意の所望の(1又は複数の)賦形剤、(1又は複数の)担体、(1又は複数の)アジュバント及び/又は(1又は複数の)希釈剤と一緒に含む第1の錠剤を調製すること、並びに(b)残りの(1又は複数の)活性物質と第1の錠剤とを含む第2の錠剤又はカプセルを調製すること、によって調製することができる。
【0108】
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物又は医薬組成物はカプセルの形態であり、(a)少なくとも1種の活性物質を、任意の所望の(1又は複数の)賦形剤、(1又は複数の)担体、(1又は複数の)アジュバント及び/又は(1又は複数の)希釈剤と一緒に含む第1のカプセルを調製すること、並びに(b)残りの(1又は複数の)活性物質と第1の錠剤とを含む第2のカプセルを調製すること、によって調製することができる。
【0109】
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物又は医薬組成物は錠剤の形態であり、(a)少なくとも1種の活性物質を、任意の所望の(1又は複数の)賦形剤、(1又は複数の)担体、(1又は複数の)アジュバント及び/又は(1又は複数の)希釈剤と一緒に含むカプセルを調製すること、並びに(b)残りの(1又は複数の)活性物質とカプセルとを含む錠剤を調製すること、によって調製することができる。
【0110】
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物又は医薬組成物は少なくとも1種の抗真菌剤を含み、少なくとも1種の抗細菌剤は、単剤投与用の単一カプセル内に含まれる活性物質とともに提供することができる。代替の実施形態では、そのような組成物の一形態において、少なくとも1種の抗真菌剤は内側のカプセル又は錠剤内に含まれてもよく、該内側のカプセル又は錠剤は外側カプセル内に含まれる少なくとも1種の抗細菌剤によって囲まれている。代替の実施形態では、少なくとも1種の抗細菌剤が内側のカプセル又は錠剤内に含まれ、少なくとも1種の抗真菌剤が外側カプセル内に含まれるように、成分の位置を逆にしてもよい。同じカプセル内に含まれる場合、活性物質が交差反応する可能性が高い場合、この構成は特に望ましい。
【0111】
代替の実施形態では、1種の抗真菌剤及び2種の抗細菌剤の形態の3種の活性物質を含む組成物において、1種の活性物質は中央のコーティングされた錠剤又はカプセル内に含まれ、残りの2種の活性物質はコーティングされたミクロスフェアの形の外側カプセルに含有されてもよい。
【0112】
3種の活性物質の組み合わせの提示のための他の組み合わせも提供される。
【0113】
多成分パッケージング
例えば、本明細書で提供される治療的組み合わせ物及び製剤、例えば、抗真菌剤及び抗細菌剤を、例えば、カプセル、錠剤、ゲルタブ、凍結乾燥粉末などの粉末及び液体などの別の成分として含む、経口投与のために製剤化及び投薬される多成分送達系、例えば製品が提供され、これらの多成分送達系、例えば製品は、例えば米国特許第8,968,717号、第8,931,665号、第7,861,854号、第7,018,089号及び第6,626,912号(これらはすべて参照により組み込まれる)、並びに米国特許出願公開第2010/0034574号、第2009/0180923号、第20090232886号、第2008/0160076号、第2007/0087048号、第2007/0036830号、第2007/0074979号、第2005/0205438号、第2004/0089563号(これらはすべて参照により組み込まれる)に記載されているように設計又は製造することができる。
【0114】
パッケージング
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物の成分の組み合わせは、混合されて一緒に投与されるか、又はそれらは、パッケージングされた成分の組み合わせの個々のメンバー、例えば別々の区画、パッケージ、キット又は容器中に製造された液体成分と固体若しくは粉末成分であってよく、例えば、成分の組み合わせのすべて、若しくはサブセットが別々の区画、パッケージ又は容器中に製造される。別の態様では、パッケージ、キット又は容器は、ブリスターパッケージ、クラムシェル、トレイ、収縮包装などを含む。
【0115】
代替の実施形態では、経口投与アムホテリシンB又は同等物の複数の投薬量が1つのパッケージ、キット又は容器(例えば「ブリスターパッケージ」)で提供され、同じか又は異なる投薬量が、1日1回、1日2回、1日3回又は1日にそれ以上の回数の患者に対する1日の投与計画のために含まれ、パッケージ、キット、又は容器(「ブリスターパッケージ」など)には、各日いつその用量を服用するか明確に示されている。
【0116】
一態様において、パッケージ、キット又は容器は、「ブリスターパッケージ」(ブリスターパック又はバブルパックとも呼ばれる)を含む。一態様では、ブリスターパッケージは2つの別個の要素:製品の形状に成形された透明なプラスチックのくぼみ及びそのブリスター台紙で構成されている。これらの2つの要素は、その後ヒートシール工程で一緒に接合され、製品を吊り下げたり、陳列したりすることができる。「ブリスターパッケージ」の例示的なタイプには、フェイスシールブリスターパッケージ、ギャングランブリスターパッケージ、モックブリスターパッケージ、インタラクティブブリスターパッケージ、スライドブリスターパッケージが含まれる。
【0117】
ブリスターパック、クラムシェル又はトレイは、商品に使用されるパッケージング形態であり、したがって、本発明は、本発明を実施するために使用される微生物叢製品を含むブリスターパック、クラムシェル又はトレイを提供する。ブリスターパック、クラムシェル又はトレイは再密閉できないように設計できるため、消費者はパッケージがすでに開封されているかどうかを確認することができる。それらは、本発明の医薬品など、製品が勝手に開封されることが考慮される販売商品をパッケージングするために使用される。一態様では、本発明のブリスターパックは、本発明の組み合わせを含む錠剤、丸薬などを収容するための隆起領域(「ブリスター」)を有する成形PVCベースを含み、箔積層物で覆われている。錠剤、丸薬などは、フォイルをはがすか、又はブリスターを押して錠剤に箔を破らせることにより、パックから取り出される。一態様では、ブリスターパックの特殊な形態はストリップパックである。一態様では、英国では、ブリスターパックは英国規格8404に準拠している。
【0118】
一実施形態では、成分の組み合わせ、例えば、アムホテリシンBと2種の抗生物質又は抗細菌剤の組み合わせとを含む治療的組み合わせ物を含む組成物が、カードと透明なPVCとの間に含まれるパッケージング方法が提供される。PVCは透明であるため、商品(丸薬、錠剤、ゲルタブなど)を簡単に目で見て確認でき、一態様では、金型の周りに真空成形することができるため、商品をぴったりと収納でき、購入時に開ける場所を有する。一態様では、カードは明るい色で内部の商品(丸薬、錠剤、ゲルタブなど)に応じて設計され、PVCは接着剤が配置された事前に形成されたタブを使用してカードに固定される。接着剤は、パックがペグに掛けられるように十分に強く、この方法で接合部を引き裂いて商品を入手できるように十分に弱くてよい。大きな商品や複数の封入された丸薬、錠剤、ゲルタブなどが含まれている場合、カードは入手用の穴の開いたウィンドウを有する。一態様では、例えば、本発明の丸薬、錠剤、ゲルタブなどの商品用のより安全なブリスターパックが使用され、それらは、縁で互いに噛み合わされた2枚の真空成形PVCシートで構成され、内部に情報カードを収容している。これらは手で開封することが難しい場合があるため、開封にはハサミ又は鋭いナイフが必要とする場合がある。
【0119】
一態様では、ブリスターパッケージは、少なくとも2種又は3種以上の成分(例えば、抗真菌剤及び抗細菌剤)、本発明の多成分の組み合わせを収容する熱成形「ブリスター」、及び次いで前面に粘着コーティングが施された印刷カードである「ブリスターカード」を含む。組立て工程では、PVCで最も一般的に作製されているブリスターコンポーネントが、ブリスターマシンを使用してブリスターカードに取り付けられる。この機械はブリスターのフランジ領域に熱を導入し、その特定の領域でカードの接着剤を活性化し、最終的にPVCブリスターを印刷されたブリスターカードに固定する。熱成形されたPVCブリスターと印刷されたブリスターカードとは、必要に応じて小さくも大きくもできるが、特大のブリスターカードを使用する場合には制限とコストの考慮事項がある。従来のブリスターパックは、通常のヒートシールツールを使用して(例えば、AERGO 8 DUO(商標)、SCA Consumer Packaging、Inc.、DeKalb ILを使用して)シールすることもできる。ヒートシールツールを使用したこの代替態様は、一般的なタイプの熱成形パッケージをシールすることができる。
【0120】
代替の実施形態では、抗真菌剤及び/又は抗細菌剤は、例えば、本発明の方法を実施するための凍結乾燥材料、例えば、本発明の凍結乾燥カプセル化製品などの粉末として製剤化することができ、例えば、蓋付きブリスターパッケージ、蓋付きブリスター若しくはブリスターカード若しくはパケット(packets又はpackettes)を含む「ブリスターパッケージ」として、又は複数のパケットとして、又は収縮包装として、単独若しくは組み合わせてパッケージングすることができる。
【0121】
代替の実施形態では、例えば、本明細書で提供される経口投与される治療的組み合わせ物の調製のために、積層アルミニウム箔ブリスターパックが使用される。製品又はキットは、容器に(例えば、計量された用量を)分配された(1又は複数の)水溶液を含む。トレイを凍結乾燥して、ブリスターポケットの形状をした錠剤を形成することができる。トレイと蓋との両方のアルフォイル(alufoil)積層物は、吸湿性の高い、及び/又は敏感な個々の用量を完全に保護する。一態様では、パックは、子供に安全な剥離開封セキュリティ積層物を組み込んでいる。一態様では、この系は、錠剤が水性状態から固体状態に変化する際に錠剤が占めるアルフォイルポケットにデザインをエンボス加工することにより、錠剤に識別マークを付与する。一態様では、個々の「プッシュスルー」ブリスターパック/パケットが使用され、例えば、硬質焼戻しアルミニウム(例えば、アルフォイル)蓋材料が使用される。一態様では、密封された高バリア性アルミニウム(例えば、アルフォイル)積層物が使用される。一態様では、キット又はブリスターパックを含む本発明の製品はいずれも、箔積層及びストリップパック、スティックパック、サシェ及びポーチ、高バリア性パッケージングのために箔、紙及びフィルムを組み合わせた剥離可能及び剥離不能な積層を使用する。
【0122】
代替の実施形態では、本明細書で提供される治療的組み合わせ物をいつ、どのように服用するかを患者に思い出させるための記憶補助を含むキット又はブリスターパックを含む、多成分製品が本明細書で提供される。これにより、各錠剤、ゲルタブ又は丸薬が服用まで保護されることによって、治療薬の有効性が保護され、製品又はキットに携帯性が付与され、いつでもどこでも簡単に服用することができる。
【0123】
本明細書に記載の実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明はそのような実施例に限定されないことを理解されたい。
【実施例】
【0124】
[実施例1]
経口アムホテリシンBを使用した喘息の例示的治療
長年の喘息、又は高張食塩水への気道応答性亢進が実証された症候性難治性喘息、及び/又は現在のステロイド吸入剤に対する応答が悪い成人に、治療として1又は複数の例示的経口アムホテリシンB製剤を最初は1日1回、次いで、1日2回、その後1日3回投与する。代替の実施形態では、経口アムホテリシンBを最初は1日2回又は1日3回投与する。投薬量は、患者が経口ステロイド吸入剤の使用を中止するか、少なくともステロイド投薬量を約70%又は80%又は90%減らすことができるまで維持する。患者を検出可能な喘息について継続的に監視し、喘息の症状又は発生率が低下した場合(例えば、20%、30%又は40%以上)、患者はステロイド摂取量を減らすことができ、患者が経口ステロイド吸入剤の使用を中止又は実質的に減らすことができるまで、及び/又は喘息が実質的にないか、喘息が検出されなくなるまで、経口アムホテリシンBを同じ又は減少した投薬量で維持する。次の6か月間、患者を正常な腎機能とピーク流量を含む喘息パラメータとについてモニターする。代替の実施形態では、患者が、呼気一酸化窒素(NO)試験(喘息の診断及び治療の標準試験)で正常又はほぼ正常(例えば、年齢及び性別に対する90%又は80%範囲内)となるまで、経口アムホテリシンBを維持する。
【0125】
代替の実施形態では、経口用に製剤化されたアムホテリシンBを、アジスロマイシン及びリファブチンと組み合わせて約8~12週間投与する。アムホテリシンB、アジスロマイシン及びリファブチンは、別々の丸薬で、若しくは1つの製剤として投与しても、又は投薬計画の患者のコンプライアンスを確保するために、ブリスターパックなどの単一の製品に一緒にパッケージングしてもよい。
【0126】
代替の実施形態では、経口用に製剤化されたアムホテリシンBは、下記の1以上を含む:
-FUNGILIN(商標)(Aspen Pharma Pty Ltd、New Zealand;iCo Therapeuics Inc.、Vancouver、BC、Canada)、任意選択的にその錠剤、懸濁剤又はロゼンジ;
-アムホテリシンBの微粉化製剤;
-任意選択的に高圧ホモジナイゼーションによって作製された、アムホテリシンBのナノ懸濁剤、例えばWasan et al,J.of Infectious Disease(2009)vol 200(3):357-360、又は Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のものであって、任意選択的にTween 80(任意選択的に0.5w/w%)、Pluronic F68(任意選択的に0.25w/w%)、及びコール酸ナトリウム(任意選択的に0.05w/w%)を含むもの;
-アムホテリシンBの可溶化製剤、例えば、Kravetz et al N.Engl.J.Med(1961)265:183-184に記載のもの;
-任意選択的にPEG化ポリ乳酸-ポリグリコール酸コポリマー(PLGA-PEG)ナノ粒子(NP)又は同等物を含むアムホテリシンBナノ粒子、例えばRadwan et al,J.Drug Delivery(2017)vol 24(1):40-50に記載のもの;
-官能化されたカーボンナノチューブに結合したアムホテリシンB、例えば、Torrado et al Therapeutic Delivery(2012)vol 4(1):9-12に記載のもの;
-リン脂質を含むモノ及びジグリセリドを含む、アムホテリシンBの脂質ベースの製剤;及び/又は
-アムホテリシンBの渦巻化製剤(脂質結晶ナノ粒子製剤)、任意選択的にMAT2203(Matinas BioPharma Laboratories/ Matinas BioPharma Nanotechnologies、Inc.、Bridgewater、NJ)。
【0127】
代替の実施形態では、患者は、高張食塩水への気道応答性亢進が実証された症候性難治性喘息を有し、重症難治性喘息の臨床的特徴としては下記が挙げられる:
-高用量の吸入コルチコステロイド(ICS)、例えば、毎日、少なくとも12か月間の880mcg以上/日のフルチカゾンプロピオネート又は同等物についての十分に立証された要件;
-高用量ICSに加えて、少なくとも12か月間の追加の長期管理薬の使用;
-1回目若しくは2回目の来院時に予測される気管支拡張剤投与前のFEV1が80%未満であることから示される持続的な気流閉塞、又はrun-in期間の3日以上でピーク流量の日周変動が20%超;
-過去12か月間に全身性コルチコステロイドを必要とする2つ以上の悪化の履歴;
-気道可逆性、気道応答性亢進、又は気流変動-FEV1<FVC比が70%未満、及び予測FEV1%が80%未満によって立証される喘息のエビデンス。
【0128】
[実施例2]
経口アムホテリシンBによる喘息治療の単一患者研究
サルブタモールとステロイド吸入を服用している非常に顕著な喘息の32歳の男性患者は、経口吸収性アムホテリシンBを含む治療研究に参加するよう招待された。彼の元々の1秒の努力呼気量(FEV1)の3回の測定値の平均は200であり、努力肺活量(FVC)は370であり、FEV1:FVC比は0.54であった。彼はサルブタモールとステロイド吸入の服用を中止し、その後カプセル化された形式で1日2回200mgのアムホテリシンBの経口投与を開始し、同時に経口リファブチン150mgと経口アジスロマイシン250mgとを2週間服用した。これらの2週間の終わりに、3回の測定値を収集し、平均した。FEV1は320、FVCは390、FEV1:FVCの比は0.82であった。FEV1の200~320への増加は顕著であり(60.0%の増加)、患者は、喘息のために毎日の吸入療法を全く行う必要がないと述べた。彼は、さらに経口でアムホテリシンB、リファブチン及びアジスロマイシンの併用治療をさらに1週間(3週目)続けることにした。
【0129】
[実施例3]
真菌を治療するための吸入用アムホテリシンB
アムホテリシンB(AMB)は吸入中に全身に吸収されないため、(通常は救急治療室(ER)において)噴霧して、臨床有効用量を、気管支鏡サンプリングにより評価しながら気管支内に到達させることができる。肺への送達は、一般的にサルブタモール(Ventolin(R))などの薬剤を投与するために使用される喘息用「パッファ(puffer)」又は吸入器を使用して、退院後に通院ベースで達成することもできる。
【0130】
非経口的には、AMBは非常に有毒であり得、特に腎障害を引き起こす可能性がある。吸入AMBは、吸入後に血中でほとんど検出されず、長期間使用した後でも非毒性である。吸入AMBのいくつかの形態は、投与後何日間も組織内に保持されるため、少ない頻度の吸入投与で真菌感染症の組織を治療することができる。吸入に使用できるAMBの製剤はいくつかある(下の表を参照)。
【0131】
【0132】
使用される頭字語:AMB、アムホテリシンB;HSPC、水素化大豆ホスファトルジルコリン;DSPG、ジステアロイルホスファチジルグリセロール;Chol、コレステロール;DMPC、ジミリストイルホスファチジルコリン;DMPG、ジミリストイルホスファチジルグリセロール。
【0133】
喘息及びその他の適応症では、吸入AMB製品は、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回又は毎日のいずれかで、単独投与で使用することができる。特定の状況、例えば重症疾患では、最初の高い気管支レベルを達成するために、吸入が1日1回、例えば、1日2回、1日3回若しくは1日4回(qds)又はそれ以上を超える場合がある。AMBは気管支及び肺胞の粘膜に浸透するため、真菌が成長する場所(気管支壁内の深部)に特異的に作用する。したがって、AMBは、ネブライザーを介して頻繁に投与できるERなどの急性期医療環境で単剤として投与でき、その後、患者が改善するにつれて、パッファ装置(吸入器)による噴射で、頻度が少なくてよい長期吸入を維持することができる。投薬量は、1回の吸入あたり0.5mg~1回の吸入あたり500mgまで変化する。
【0134】
ヒトの肺で発生し得る真菌としては、限定するものではないが、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(症例の60%で報告)、次いでバイポラリス種(Bipolaris species)(13%)、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)(11%)、クルブリア種(8%)、シュードアレシェリア・ボイディ(Pseudallescheria boydii)上種(3%)、さらにまれに、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、フザリウム・バシンフェクタム(Fusarium vasinfectum)、ペニシリウム種、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、ステムフィリウム・ラングイノサム(Stemphylium languinosum)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾフィラム・コムーネ(Schizophyllum commune)、トリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii)、アスペルギルス種、すなわちアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)若しくはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、又はスケドスポリウム属、フザリウム属、ペシロマイセス属、アクレモニウム属、トリコデルマ属、クリプトコッカス・ガッティ(Cryptococcus gatti)又はヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、スポロトリックス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ種、ムコール種、ニューモシスティス属(イロベチイ(jiroveci)を含む)、ブラストミセス症及び接合真菌症が挙げられる。
【0135】
吸入AMBは、他の吸入抗真菌剤と組み合わせることもできる。適切な吸入抗真菌剤としては、限定するものではないが、アバフンギン、アリルアミン、アモロフィン、ビフォナゾール、ブテナフィン、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナフチフィン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン、テルビナフィン、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール及びトリアゾール(アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール及びボリコナゾールを含むがこれらに限定されない)が挙げられる。
【0136】
吸入AMBは、経口抗真菌剤と組み合わせて使用することもでき、AMBはパッファ装置又は吸入器で噴霧又は吸入され、上記のような他の抗真菌剤は経口投与される。経口投与、例えば喘息を抑制することが公知のイトラコナゾール[Denning et al(2009)m J Respir Crit Care Med 179:11-18]は、肺内AMBが他の喘息に有効な経口循環抗真菌薬、この場合イトラコナゾールとの組み合わせで局所的有効性を提供するため、喘息治療の有効性を高める。
【0137】
ネブライザー吸入AMBは、上記の抗生物質と併用することもできる。適切な抗生物質としては、限定するものではないが、アンサマイシン(リファンピシン、リファブチン又はリファラジルなど);テトラサイクリン(ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オマダサイクリン、リメサイクリン又はテトラサイクリン塩酸塩など);リメサイクリン(テトラサイクリン誘導体であるが、8歳以上の子供に使用できる);又は、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae)及びモラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)に対して有効なレファムリンが挙げられる。
【0138】
【0139】
AMBは、本明細書に開示の抗生物質のいずれか、特にニトロイミダゾール及びモキシフロキサシンなどの薬剤と組み合わせることができる。
【0140】
代替の実施形態では、吸入AMBは、吸入抗生物質、例えば、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、バンコマイシン、リンコマイシン、ペニシリン、メトロニダゾール、及び表1に列挙された他のものと組み合わせることができる。
【0141】
吸入AMB(又は同等の抗真菌剤)は、維持療法としてAMB(又は同等の抗真菌剤)を毎日吸入するなど、患者使用のための吸入器又はパッファ装置に充填することができる。維持療法用の吸入AMB(又は同等の抗真菌薬)は、喘息発作を引き起こした可能性のある肺感染症の非真菌成分を治療するために、2種以上の抗生物質と一緒に処方することができる。そのような使用に適した抗生物質には、限定するものではないが、上記で述べた抗生物質のいずれかが含まれる。
【0142】
代替の実施形態では、治療方法は、ERでのAMB吸入の前に、プルモザイムなどのバイオフィルム溶解酵素での処置、その後の上記の活性抗真菌剤及び抗生物質の吸入を含み得る。
【0143】
代替の実施形態では、AMBの噴霧の有無にかかわらず、経口抗真菌剤の組み合わせを使用してもよい。適切な経口抗真菌剤には、限定するものではないが、上記のものが含まれる。
【0144】
上記の治療法は、喘息以外の呼吸器用途、限定するものではないが、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、COPD、肺炎、慢性気管支炎及びサルコイドーシスなどに使用することができる。
【0145】
本発明の多くの実施形態を説明してきた。それにも関わらず、さまざまな修正が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。したがって、他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内にある。