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特許7285274費用標的が最適化されるシステム、方法及び非一時的コンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】費用標的が最適化されるシステム、方法及び非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/47 20180101AFI20230525BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230525BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
F24F11/47
F24F11/52
F24F5/00 101Z
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021016288
(22)【出願日】2021-02-04
(62)【分割の表示】P 2019086368の分割
【原出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2021092386
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】62/667,979
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/667,901
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ターニー、 ロバート ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マーシー フィフス、 ヘンリー オー.
(72)【発明者】
【氏名】パン、 ジージョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、 ジアチー
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-196898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106328(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0364105(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0168003(US,A1)
【文献】特表2009-518750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
建物の室内温度に影響を与えるべく動作可能な機器と、
コントローラと
を含み、
前記コントローラは、
将来期間にわたって前記機器を運転する費用を特徴付ける費用関数を取得することと、
前記建物の居住者の快適性に関係する前記室内温度に関する限界を取得することと、
前記室内温度が前記限界を破るときに前記費用を増加させるペナルティ項を含むように前記費用関数を強化することと、
前記将来期間における複数の時間ステップのそれぞれに対して前記室内温度の設定点を決定することであって、前記設定点は、前記将来期間にわたる前記費用関数の標的値以下の前記費用関数の値を達成することと、
前記複数の時間ステップの第1の時間ステップに対する前記設定点に向けて前記室内温度を駆動するように前記機器を制御することと
を行うべく構成される、システム。
【請求項2】
前記限界は前記室内温度に対する上限と前記室内温度に対する下限とを含む、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限と前記下限との間にあるときに零であり、
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限を上回る又は前記下限を下回るときに非零である、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記限界を破る量の凸関数である、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記費用関数の標的値を入力するようにユーザに促すグラフィカルユーザインタフェースを生成するべく構成される、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記機器は、水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流量ユニット、室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記将来期間とは異なる持続時間を有する課金期間に対する費用標的を取得することと、
前記課金期間に対して前記費用標的を割り当てることによって前記将来期間にわたる前記費用関数の標的値を計算することと
を行うべく構成される、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記室内温度に対する前記限界は、ユーザ入力、前記建物の現在状態を類別するべく構成されたニューラルネットワーク、又はユーザ快適性嗜好を学習するべく構成されたニューラルネットワークの少なくとも1つから取得される、請求項1のシステム。
【請求項9】
方法であって、
将来期間にわたって機器を運転する費用を特徴付ける費用関数を取得することであって、前記機器は空間の室内温度に影響を与えるべく構成されることと、
前記空間の居住者の快適性に関係する前記室内温度に関する限界を取得することと、
前記室内温度が前記限界を破るときに前記費用を増加させるペナルティ項を含むように前記費用関数を強化することと、
前記将来期間における複数の時間ステップのそれぞれに対して前記室内温度の設定点を決定することであって、前記設定点は、前記将来期間にわたる前記費用関数の標的値以下の前記費用関数の値を達成することと、
前記複数の時間ステップの第1の時間ステップに対する前記設定点に向けて前記室内温度を駆動するように前記機器を制御することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記限界は前記室内温度に対する上限と前記室内温度に対する下限とを含み、
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限と前記下限との間にあるときに零であり、
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限を上回る又は前記下限を下回るときに非零である、請求項9の方法。
【請求項11】
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記限界を破る量の凸関数である、請求項9の方法。
【請求項12】
グラフィカルユーザインタフェースを介して前記費用関数の前記標的値を入力するようにユーザに促すことを含む、請求項9の方法。
【請求項13】
前記将来期間に対する前記室内温度の前記限界と前記将来期間の前記設定点とのグラフ表現を表示することを含む、請求項9の方法。
【請求項14】
前記機器は、水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流量ユニット、室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む、請求項9の方法。
【請求項15】
プログラム命令を含む1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記プログラム命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されると、
将来期間にわたって機器を運転する費用を特徴付ける費用関数を取得することであって、前記機器は1つ以上の建物の室内温度に影響を与えるべく構成されることと、
前記1つ以上の建物の居住者の快適性に関係する前記室内温度に対する限界を取得することと、
前記室内温度が前記限界を破るときに前記費用を増加させるペナルティ項を含むように前記費用関数を強化することと、
前記将来期間における複数の時間ステップのそれぞれに対して設定点を決定することであって、前記設定点は、前記将来期間にわたる前記費用関数の標的値以下の前記費用関数の値を達成することと、
前記複数の時間ステップの第1の時間ステップに対する前記設定点に向けて前記室内温度を駆動するように前記機器を制御することと
を含む動作を前記1つ以上のプロセッサに行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記限界は前記室内温度に対する上限と前記室内温度に対する下限とを含み、
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限と前記下限との間にあるときに零であり、
前記ペナルティ項は、前記室内温度が前記上限を上回る又は前記下限を下回るときに非零である、請求項15の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、前記1つ以上の建物の複数の可能状態と、前記室内温度に対する複数の可能限界との間のマッピングを記憶し、
前記複数の可能状態は前記室内温度の現在状態を含み、
前記複数の可能限界は前記室内温度に対する前記限界を含む、請求項15の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月7日出願の米国仮特許出願第62/667,979号及び2
018年5月7日出願の米国仮特許出願第62/667,901号の利益及び優先権を主
張し、これらの双方が、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般的に、建物の温度制御を提供する可変冷媒流量(VRF:variabl
e refrigerant flow)システム、室内空調(RAC:room ai
r conditioning)システム、又はパッケージ化空調(PAC:packa
ged air conditioning)システムにおけるエネルギー費用を管理す
ることに関する。このようなシステムのエネルギー消費量を最小化することは、建物の居
住者の不快感をもたらし得る。快適な温度は、電力の増加無しに維持することができない
からである。他方、居住者の嗜好に常に正確に合わせようとすると、通常、高エネルギー
費用がもたらされる。したがって、居住者の不快感をもたらすこと無く、VRF、RAC
及びPACシステムのエネルギー消費量を低減するシステム及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の1つの実施形態はシステムである。本システムは、建物の室内気温に影響を与
えるように動作可能な機器と、コントローラとを含む。コントローラは、将来期間にわた
って機器を運転する費用を特徴付ける費用関数を取得し、建物に関係する複数のデータ点
を含むデータセットを取得し、建物の現在状態を類別するように構成されたニューラルネ
ットワークへデータセットを適用することにより建物の現在状態を決定し、現在状態に関
連付けられた温度限界を選択し、室内気温が温度限界を破ると費用を増加するペナルティ
項を含むように費用関数を強化し、そして将来期間における複数の時間ステップのそれぞ
れに対して温度設定点を決定するように構成される。温度設定点は、将来期間にわたり費
用関数の標的値を達成する。コントローラはまた、複数の時間ステップの第1の時間ステ
ップの温度設定点に向けて室内気温を駆動するように機器を制御するように構成される。
【0004】
いくつかの実施形態では、温度限界は室内気温に対する上限及び室内気温に対する下限
を含む。いくつかの実施形態では、ペナルティ項は、室内気温が上限と下限との間にある
と零であり、室内気温が上限を上回る又は下限を下回ると非零である。
【0005】
いくつかの実施形態では、温度限界は、室内気温に対する第1の上限及び室内気温に対
する第1の下限を含む第1の温度限界と、室内気温に対する第2の上限及び室内気温に対
する第2の下限を含む第2の温度限界とを含む。いくつかの実施形態では、ペナルティ項
は、第1の温度限界が破られるときに第1の量だけ、及び第2の温度限界が破られるとき
に第1の量より大きい第2の量だけ、費用を増加する。いくつかの実施形態では、第1の
上限は第2の上限より小さく、第1の下限は第2の下限より大きい。
【0006】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザに費用関数の標的値を入力するよう
に促すグラフィカルユーザインタフェースを生成するように構成される。いくつかの実施
形態では、コントローラは建物の複数の可能状態と複数の可能温度限界との間のマッピン
グを記憶するように構成される。複数の可能状態は現在状態を含み、複数の可能温度限界
は温度限界を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、機器は水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流
量ユニット、室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は、将来期間にわたって機器を運転する費用を特徴付
ける費用関数を取得する工程を含む。機器は空間の室内気温に影響を与えるように構成さ
れる。本方法は、空間に関係する複数のデータ点を含むデータセットを取得する工程と、
空間の現在状態を類別するように構成されたニューラルネットワークへデータセットを適
用することにより空間の現在状態を決定する工程と、現在状態に関連付けられた温度限界
を選択する工程と、室内気温が温度限界を破るときに費用を増加するペナルティ項を含む
ように費用関数を強化する工程と、将来期間における複数の時間ステップのそれぞれに対
して温度設定点を決定する工程とを含む。温度設定点は、将来期間にわたり費用関数の標
的値を達成する。本方法は、複数の時間ステップの第1の時間ステップの温度設定点に向
けて室内気温を駆動するように機器を制御する工程を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、温度限界は室内気温に対する上限及び室内気温に対する下限
を含む。このような実施形態では、ペナルティ項は、室内気温が上限と下限との間にある
と零であり、室内気温が上限を上回る又は下限を下回ると非零である。
【0010】
いくつかの実施形態では、温度限界は、室内気温に対する第1の上限及び室内気温に対
する第1の下限を含む第1の温度限界と、室内気温に対する第2の上限及び室内気温に対
する第2の下限を含む第2の温度限界とを含む。いくつかの実施形態では、第1の上限は
第2の上限より小さく、第1の下限は第2の下限より大きい。ペナルティ項は、第1の温
度限界が破られるときに第1の量だけ、及び第2の温度限界が破られるときに第2の量だ
け、費用を増加し得る。第2の量は第1の量より大きくてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、ユーザにグラフィカルユーザインタフェースを介
し費用関数の標的値を入力するように促す工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法
は、将来期間の温度限界及び温度設定点のグラフ表示を表示する工程を含む。いくつかの
実施形態では、機器は水供給側システム、空気供給側システム、可変冷媒流量ユニット、
室内空調ユニット、又はパッケージ化空調ユニットのうちの1つ以上を含む。
【0012】
本開示の別の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより実行されると1つ以上のプロセ
ッサにいくつかの動作を実行させるプログラム命令を含む1つ以上の非一時的コンピュー
タ可読媒体である。これらの動作は、将来期間にわたって機器を運転する費用を特徴付け
る費用関数を取得する工程を含む。機器は1つ以上の建物の室内気温に影響を与えるよう
に構成される。これらの動作はまた、1つ以上の建物に関係する複数のデータ点を含むデ
ータセットを取得する工程と、1つ以上の建物の現在状態を類別するように構成されたニ
ューラルネットワークへデータセットを適用することにより1つ以上の建物の現在状態を
決定する工程と、現在状態に関連付けられた温度限界を選択する工程と、室内気温が温度
限界を破るときに費用を増加するペナルティ項を含むように費用関数を強化する工程と、
将来期間における複数の時間ステップのそれぞれに対して温度設定点を決定する工程とを
含む。温度設定点は、将来期間にわたり費用関数の標的値を達成する。本動作はまた、複
数の時間ステップの第1の時間ステップに対する温度設定点に向けて室内気温を駆動する
ように機器を制御する工程を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、温度限界は室内気温に対する上限及び室内気温に対する下限
を含み、ペナルティ項は、室内気温が上限と下限との間にあると零であり、室内気温が上
限を上回る又は下限を下回ると非零である。
【0014】
いくつかの実施形態では、温度限界は、室内気温に対する第1の上限及び室内気温に対
する第1の下限を含む第1の温度限界と、室内気温に対する第2の上限及び室内気温に対
する第2の下限を含む第2の温度限界とを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は1つ以上の建物
の複数の可能状態と複数の可能温度限界との間のマッピングを記憶する。複数の可能状態
は現在状態を含み、複数の可能温度限界は温度限界を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】例示的実施形態によるHVACシステムを備えた建物の図である。
図2】例示的実施形態による図1の建物にサービスを提供するように使用され得る水供給側システムのブロック図である。
図3】例示的実施形態による図1の建物にサービスを提供するように使用され得る空気供給側システムのブロック図である。
図4】例示的実施形態による図1の建物を監視及び制御するために使用され得る建物管理システム(BMS:building management system)のブロック図である。
図5】例示的実施形態による図1の建物を監視及び制御するために使用され得る別のBMSのブロック図である。
図6】例示的実施形態による可変冷媒流量システム、室内空調機システム、窓空調機、及び/又はパッケージ化空調機と共に使用するためのシステムマネージャのブロック図である。
図7】例示的実施形態による図6のシステムマネージャにより解決される費用標的最適化問題を示す第1のグラフを示すグラフィカルユーザインタフェースである。
図8】例示的実施形態による図6のシステムマネージャにより解決される費用標的最適化問題を示す第2のグラフを示すグラフィカルユーザインタフェースである。
図9】例示的実施形態による図6のシステムマネージャにより解決される費用標的最適化問題を示す第3のグラフを示すグラフィカルユーザインタフェースである。
図10】例示的実施形態による図6のシステムマネージャの分類器回路及びプロファイル選択回路のブロック図である。
図11】例示的実施形態による図6のシステムマネージャによる使用のための分類の表である。
図12】例示的実施形態による図6のシステムマネージャと共に使用するためのトレーニング回路のブロック図である。
図13】例示的実施形態による図6のシステムマネージャのリアルタイムプロファイル更新回路のブロック図である。
図14】例示的実施形態による可変冷媒流量システムによりサービスが提供される建物の図である。
図15】例示的実施形態による図13の可変冷媒流量システムの図である。
図16】例示的実施形態による可変冷媒流量システムの詳細な図である。
図17】例示的実施形態による窓空調機のブロック図である。
図18】例示的実施形態による室内空調システムのブロック図である。
図19】例示的実施形態によるパッケージ化空調機システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
建物HVACシステム及び建物管理システム
【0018】
次に図1~5を参照すると、本開示のシステム及び方法が実装され得るいくつかの建物
管理システム(BMS)及びHVACシステムがいくつかの実施形態に従って示される。
要約すると、図1はHVACシステム100を備えた建物10を示す。図2は建物10に
サービスを提供するように使用され得る水供給側システム200のブロック図である。図
3は建物10にサービスを提供するように使用され得る空気供給側システム300のブロ
ック図である。図4は建物10を監視及び制御するために使用され得るBMSのブロック
図である。図5は建物10を監視及び制御するために使用され得る別のBMSのブロック
図である。
【0019】
建物及びHVACシステム
【0020】
特に図1を参照すると、建物10の斜視図が示される。建物10はBMSによりサービ
スが提供される。BMSは、一般的には、建物又は建物領域内の若しくはその周囲の機器
を制御、監視、及び管理するように構成されるデバイス群のシステムである。BMSは例
えば、HVACシステム、セキュリティシステム、照明システム、火事警報システム、建
物機能又はデバイスを管理することができる任意の他のシステム、又はそれらの任意の組
合せを含み得る。
【0021】
建物10にサービスを提供するBMSはHVACシステム100を含む。HVACシス
テム100は、建物10への暖房、冷房、換気又は他のサービスを提供するように構成さ
れた多数のHVACデバイス(例えば、加熱機、冷凍機、空気処理ユニット、ポンプ、フ
ァン、熱エネルギー貯蔵など)を含み得る。例えば、HVACシステム100は、水供給
側システム120及び空気供給側システム130を含むように示されている。水供給側シ
ステム120は、空気供給側システム130の空気処理ユニットに加熱又は冷却流体を提
供することができる。空気供給側システム130は、加熱又は冷却流体を使用して、建物
10に提供される気流を加熱又は冷却することができる。HVACシステム100で使用
することができる例示的な水供給側システム及び空気供給側システムの例は、図2~3を
参照してさらに詳細に説明する。
【0022】
HVACシステム100は、冷凍機102、ボイラ104及び屋上空気処理ユニット(
AHU)106を含むように示されている。水供給側システム120は、ボイラ104及
び冷凍機102を使用して動作流体(例えば、水、グリコールなど)を加熱又は冷却する
ことができ、動作流体をAHU 106まで循環させることができる。様々な実施形態で
は、水供給側システム120のHVACデバイスは、建物10内又は建物10の周りに位
置することも(図1に示されるように)、中央プラントなどの現場を離れた場所に位置す
ることも(例えば、冷却プラント、蒸気プラント、熱プラントなど)可能である。動作流
体は、建物10において暖房が必要か又は冷房が必要かに応じて、ボイラ104で加熱す
ることも、冷凍機102で冷却することもできる。ボイラ104は、可燃性物質(例えば
、天然ガス)を燃やすことによって又は電熱要素を使用することによって循環流体に熱を
加えることができる。冷凍機102は、循環流体から熱を吸収するために、循環流体と熱
交換器(例えば、蒸発器)内の別の流体(例えば、冷媒)とを熱交換関係に置くことがで
きる。冷凍機102及び/又はボイラ104からの動作流体は、配管108を介してAH
U 106に輸送することができる。
【0023】
AHU 106は、動作流体とAHU 106中を流れる気流とを熱交換関係に置くこと
ができる(例えば、冷却コイル及び/又は加熱コイルの1つ以上の段を介して)。気流は
、例えば、外気、建物10内からの還気又は両方の組合せであり得る。AHU 106は
、気流に対する加熱又は冷却を提供するために、気流と動作流体との間で熱を伝達するこ
とができる。例えば、AHU 106は、動作流体を含む熱交換器上又は熱交換器中で気
流を通過させるように構成された1つ以上のファン又はブロワを含み得る。次いで、動作
流体は、配管110を介して、冷凍機102又はボイラ104に戻ることができる。
【0024】
空気供給側システム130は、給気ダクト112を介して、AHU 106によって供
給された気流(すなわち、給気流)を建物10に送ることができ、還気ダクト114を介
して、建物10からAHU 106に還気を提供することができる。いくつかの実施形態
では、空気供給側システム130は、複数の可変空気量(VAV)ユニット116を含む
。例えば、空気供給側システム130は、建物10の各階又はゾーンに別個のVAVユニ
ット116を含むように示されている。VAVユニット116は、建物10の個々のゾー
ンに提供される給気流の量を制御するように動作することができるダンパ又は他のフロー
制御要素を含み得る。他の実施形態では、空気供給側システム130は、中間VAVユニ
ット116又は他のフロー制御要素を使用することなく、給気流を建物10の1つ以上の
ゾーンに送る(例えば、供給ダクト112を介して)。AHU 106は、給気流の属性
を測定するように構成された様々なセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサなど)を含
み得る。AHU 106は、建物ゾーンのセットポイント条件を達成するために、AHU
106内及び/又は建物ゾーン内に位置するセンサから入力を受信し、AHU 106中
の給気流の流速、温度又は他の属性を調整することができる。
【0025】
水供給側システム
【0026】
次に図2を参照すると、水供給側システム200のブロック図がいくつかの実施形態に
従って示される。様々な実施形態では、水供給側システム200は、HVACシステム1
00内の水供給側システム120を補完又は置換することができ、又はHVACシステム
100から離れるように実装することができる。HVACシステム100内に実装される
とき、水供給側システム200は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブ
セット(例えばボイラ104、冷凍機102、ポンプ、バルブなど)を含み得、加熱又は
冷却された流体をAHU 106へ供給するように動作し得る。水供給側システム200
のHVACデバイスは、建物10内に(例えば水供給側システム120の部品として)又
は中央プラントなどの現場を離れた場所に位置し得る。
【0027】
図2において、水供給側システム200は、多数のサブプラント202~212を有す
る中央プラントとして示されている。サブプラント202~212は、加熱機サブプラン
ト202、熱回収冷凍機サブプラント204、冷凍機サブプラント206、冷却塔サブプ
ラント208、温熱エネルギー貯蔵(TES)サブプラント210及び冷熱エネルギー貯
蔵(TES)サブプラント212を含むように示されている。サブプラント202~21
2は、建物又はキャンパスの熱エネルギー負荷(例えば、湯水、冷水、加熱、冷却など)
を提供するために、公益事業から資源(例えば、水、天然ガス、電気など)を消費する。
例えば、加熱機サブプラント202は、加熱機サブプラント202と建物10との間で温
水を循環させる温水ループ214において水を加熱するように構成することができる。冷
凍機サブプラント206は、冷凍機サブプラント206と建物10との間で冷水を循環さ
せる冷水ループ216において水を冷却するように構成することができる。熱回収冷凍機
サブプラント204は、温水の追加の加熱及び冷水の追加の冷却を提供するために、冷水
ループ216から温水ループ214に熱を伝達するように構成することができる。復水器
水ループ218は、冷凍機サブプラント206の冷水から吸熱し、冷却塔サブプラント2
08の吸熱を排熱するか又は吸熱を温水ループ214に伝達することができる。温熱TE
Sサブプラント210及び冷熱TESサブプラント212は、後の使用のために、温熱及
び冷熱エネルギーをそれぞれ貯蔵することができる。
【0028】
温水ループ214及び冷水ループ216は、建物10の屋上に位置するエアハンドラー
に(例えば、AHU 106)又は建物10の個々の階若しくはゾーンに(例えば、VA
Vユニット116)加熱及び/又は冷却水を送ることができる。エアハンドラーは、空気
の加熱又は冷却を提供するために水が流れる熱交換器(例えば、加熱コイル又は冷却コイ
ル)を通り過ぎる形で空気を押し進める。加熱又は冷却された空気は、建物10の熱エネ
ルギー負荷を供給するために、建物10の個々のゾーンに送ることができる。次いで、水
は、さらなる加熱又は冷却を受けるためにサブプラント202~212に戻る。
【0029】
サブプラント202~212は建物への循環のために水を加熱及び冷却するものとして
示され、説明されているが、熱エネルギー負荷を供給するために、水の代わりに又は水に
加えて、他のいかなるタイプの動作流体(例えば、グリコール、CO2など)も使用でき
ることが理解されよう。他の実施形態では、サブプラント202~212は、中間熱伝達
流体を必要とすることなく、建物又はキャンパスに加熱及び/又は冷却を直接提供するこ
とができる。水供給側システム200のこれらの又は他の変形形態は、本開示の教示の範
囲内である。
【0030】
サブプラント202~212の各々は、サブプラントの機能を促進するように構成され
た様々な機器を含み得る。例えば、加熱機サブプラント202は、温水ループ214にお
いて温水に熱を加えるように構成された多数の加熱要素220(例えば、ボイラ、電気加
熱機など)を含むように示されている。また、加熱機サブプラント202は、いくつかの
ポンプ222、224を含むようにも示されており、いくつかのポンプ222、224は
、温水ループ214において温水を循環させ、個々の加熱要素220中を流れる温水の流
速を制御するように構成される。冷凍機サブプラント206は、冷水ループ216におい
て冷水から熱を除去するように構成された多数の冷凍機232を含むように示されている
。また、冷凍機サブプラント206は、いくつかのポンプ234、236を含むようにも
示されており、いくつかのポンプ234、236は、冷水ループ216において冷水を循
環させ、個々の冷凍機232中を流れる冷水の流速を制御するように構成される。
【0031】
熱回収冷凍機サブプラント204は、冷水ループ216から温水ループ214に熱を伝
達するように構成された多数の熱回収熱交換器226(例えば、冷蔵回路)を含むように
示されている。また、熱回収冷凍機サブプラント204は、いくつかのポンプ228、2
30を含むようにも示されており、いくつかのポンプ228、230は、熱回収熱交換器
226を通じて温水及び/又は冷水を循環させ、個々の熱回収熱交換器226中を流れる
水の流速を制御するように構成される。冷却塔サブプラント208は、復水器水ループ2
18において復水器水から熱を除去するように構成された多数の冷却塔238を含むよう
に示されている。また、冷却塔サブプラント208は、いくつかのポンプ240を含むよ
うにも示されており、いくつかのポンプ240は、復水器水ループ218において復水器
水を循環させ、個々の冷却塔238中を流れる復水器水の流速を制御するように構成され
る。
【0032】
温熱TESサブプラント210は、後の使用のために温水を貯蔵するように構成された
温熱TESタンク242を含むように示されている。また、温熱TESサブプラント21
0は、温熱TESタンク242への又は温熱TESタンク242からの温水の流速を制御
するように構成された1つ以上のポンプ又はバルブも含み得る。冷熱TESサブプラント
212は、後の使用のために冷水を貯蔵するように構成された冷熱TESタンク244を
含むように示されている。また、冷熱TESサブプラント212は、冷熱TESタンク2
44への又は冷熱TESタンク244からの冷水の流速を制御するように構成された1つ
以上のポンプ又はバルブも含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、水供給側システム200のポンプ(例えば、ポンプ222、
224、228、230、234、236及び/又は240)又は水供給側システム20
0のパイプラインの1つ以上は、それらのポンプ又はパイプラインと関連付けられた遮断
バルブを含む。遮断バルブは、水供給側システム200の流体の流れを制御するために、
ポンプと統合することも、ポンプの上流又は下流に配置することもできる。様々な実施形
態では、水供給側システム200は、水供給側システム200の特定の構成及び水供給側
システム200によって供給される負荷のタイプに基づいて、より多くの、より少ない又
は異なるタイプのデバイス及び/又はサブプラントを含み得る。
【0034】
空気供給側システム
【0035】
次に図3を参照すると、空気供給側システム300のブロック図がいくつかの実施形態
に従って示される。様々な実施形態では、空気供給側システム300は、HVACシステ
ム100内の空気供給側システム130を補完又は置換し得る、又はHVACシステム1
00から離れて実装され得る。HVACシステム100内に実装される際、空気供給側シ
ステム300は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブセット(例えばA
HU106、VAVユニット116、ダクト112-114、ファン、ダンパなど)を含
み得、建物10内又はその周囲に位置し得る。空気供給側システム300は、水供給側シ
ステム200により供給される加熱又は冷却された流体を使用することにより、建物10
へ供給される気流を加熱又は冷却するように動作し得る。
【0036】
図3において、空気供給側システム300は、エコノマイザタイプの空気処理ユニット
(AHU)302を含むように示されている。エコノマイザタイプのAHUは、加熱又は
冷却のために空気処理ユニットによって使用される外気及び還気の量を変動させる。例え
ば、AHU 302は、還気ダクト308を介して建物ゾーン306から還気304を受
け取り、給気ダクト312を介して給気310を建物ゾーン306に送ることができる。
いくつかの実施形態では、AHU 302は、建物10の屋根に位置する屋上ユニットで
も(例えば、図1に示されるAHU 106)、還気304と外気314の両方を受け取
るように別の方法で配置することも可能である。AHU 302は、組み合わせて給気3
10を形成する外気314及び還気304の量を制御するように排気ダンパ316、混合
ダンパ318及び外気ダンパ320を操作するように構成することができる。混合ダンパ
318を通過しないいかなる還気304も、排気322として排気ダンパ316を通じて
AHU 302から排気することができる。
【0037】
ダンパ316~320の各々は、アクチュエータによって操作することができる。例え
ば、排気ダンパ316は、アクチュエータ324によって操作することができ、混合ダン
パ318は、アクチュエータ326によって操作することができ、外気ダンパ320は、
アクチュエータ328によって操作することができる。アクチュエータ324~328は
、通信リンク332を介してAHUコントローラ330と通信することができる。アクチ
ュエータ324~328は、AHUコントローラ330から制御信号を受信し、AHUコ
ントローラ330にフィードバック信号を提供することができる。フィードバック信号は
、例えば、現在のアクチュエータ若しくはダンパ位置の表示、アクチュエータによって与
えられるトルク若しくは力の量、診断情報(例えば、アクチュエータ324~328によ
って実行された診断テストの結果)、ステータス情報、試運転情報、構成設定、較正デー
タ、及び/又は、アクチュエータ324~328によって収集、格納若しくは使用するこ
とができる他のタイプの情報若しくはデータを含み得る。AHUコントローラ330は、
1つ以上の制御アルゴリズム(例えば、状態ベースアルゴリズム、極値探索制御(ESC
)アルゴリズム、比例・積分(PI)制御アルゴリズム、比例・積分・微分(PID)制
御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリ
ズムなど)を使用してアクチュエータ324~328を制御するように構成されたエコノ
マイザコントローラであり得る。
【0038】
依然として図3を参照すると、AHU 302は、給気ダクト312内に配置された冷
却コイル334、加熱コイル336及びファン338を含むように示される。ファン33
8は、給気310に強制的に冷却コイル334及び/又は加熱コイル336を通過させ、
建物ゾーン306に給気310を提供するように構成することができる。AHUコントロ
ーラ330は、給気310の流速を制御するために、通信リンク340を介してファン3
38と通信することができる。いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、
ファン338の速度を変調することによって、給気310に適用される加熱又は冷却の量
を制御する。
【0039】
冷却コイル334は、配管342を介して水供給側システム200から(例えば、冷水
ループ216から)冷却流体を受け取り、配管344を介して水供給側システム200に
冷却流体を戻すことができる。バルブ346は、冷却コイル334中を流れる冷却流体の
流速を制御するために、配管342又は配管344に沿って配置することができる。いく
つかの実施形態では、冷却コイル334は、給気310に適用される冷却の量を変調する
ために独立して起動及び解除を行うことができる(例えば、AHUコントローラ330に
よって、BMSコントローラ366によってなど)冷却コイルの複数の段を含む。
【0040】
加熱コイル336は、配管348を介して水供給側システム200から(例えば、温水
ループ214から)加熱流体を受け取り、配管350を介して水供給側システム200に
加熱流体を戻すことができる。バルブ352は、加熱コイル336中を流れる加熱流体の
流速を制御するために、配管348又は配管350に沿って配置することができる。いく
つかの実施形態では、加熱コイル336は、給気310に適用される加熱の量を変調する
ために独立して起動及び解除を行うことができる(例えば、AHUコントローラ330に
よって、BMSコントローラ366によってなど)加熱コイルの複数の段を含む。
【0041】
バルブ346及び352の各々は、アクチュエータによって制御することができる。例
えば、バルブ346は、アクチュエータ354によって制御することができ、バルブ35
2は、アクチュエータ356によって制御することができる。アクチュエータ354~3
56は、通信リンク358~360を介してAHUコントローラ330と通信することが
できる。アクチュエータ354~356は、AHUコントローラ330から制御信号を受
け取り、コントローラ330にフィードバック信号を提供することができる。いくつかの
実施形態では、AHUコントローラ330は、給気ダクト312(例えば、冷却コイル3
34及び/又は加熱コイル336の下流)に配置された温度センサ362から給気温度の
測定値を受信する。また、AHUコントローラ330は、建物ゾーン306に配置された
温度センサ364から建物ゾーン306の温度の測定値を受信することもできる。
【0042】
いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、給気310に提供される加熱
又は冷却の量を変調するために(例えば、給気310のセットポイント温度を達成するか
又は給気310の温度をセットポイント温度範囲内に維持するために)、アクチュエータ
354~356を介してバルブ346、352を操作する。バルブ346、352の位置
は、冷却コイル334又は加熱コイル336によって給気310に提供される加熱又は冷
却の量に影響を及ぼし、所望の給気温度を達成するために消費されるエネルギーの量と相
関し得る。AHU330は、コイル334~336を起動若しくは解除することによって
、ファン338の速度を調整することによって、又は、両方の組合せによって、給気31
0及び/又は建物ゾーン306の温度を制御することができる。
【0043】
依然として図3を参照すると、空気供給側システム300は、建物管理システム(BM
S)コントローラ366及びクライアントデバイス368を含むように示されている。B
MSコントローラ366は、空気供給側システム300、水供給側システム200、HV
ACシステム100、及び/又は建物10に資源供給する他の制御可能システム用のシス
テムレベルコントローラ、アプリケーション又はデータサーバ、ヘッドノードあるいはマ
スタコントローラとして機能する1つ以上のコンピュータシステム(例えば、サーバ、監
視コントローラ、サブシステムコントローラなど)を含み得る。BMSコントローラ36
6は、同様の又は異種のプロトコル(例えば、LON、BACnetなど)に従って、通
信リンク370を介して、複数の下流建物システム又はサブシステム(例えば、HVAC
システム100、セキュリティシステム、照明システム、水供給側システム200など)
と通信することができる。様々な実施形態では、AHUコントローラ330及びBMSコ
ントローラ366は、分離することも(図3に示されるように)、統合することもできる
。統合された実装形態では、AHUコントローラ330は、BMSコントローラ366の
プロセッサによって実行するように構成されたソフトウェアモジュールであり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、AHUコントローラ330は、BMSコントローラ366か
ら情報(例えば、コマンド、セットポイント、動作境界など)を受信し、BMSコントロ
ーラ366に情報(例えば、温度測定値、バルブ又はアクチュエータ位置、動作ステータ
ス、診断など)を提供する。例えば、AHUコントローラ330は、温度センサ362~
364からの温度測定値、機器オン/オフ状態、機器動作能力、及び/又は、建物ゾーン
306内の可変状態若しくは条件のモニタ及び制御を行うためにBMSコントローラ36
6によって使用することができる他の任意の情報をBMSコントローラ366に提供する
ことができる。
【0045】
クライアントデバイス368は、HVACシステム100、そのサブシステム、及び/
又はデバイスを制御、閲覧又は別の方法で相互作用するための1つ以上のヒューマンマシ
ンインタフェース又はクライアントインタフェース(例えば、グラフィカルユーザインタ
フェース、報告用のインタフェース、テキストベースのコンピュータインタフェース、顧
客に直接対応するウェブサービス、ウェブクライアントにページを提供するウェブサーバ
など)を含み得る。クライアントデバイス368は、コンピュータワークステーション、
クライアント端末、リモート若しくはローカルインタフェース、又は、他の任意のタイプ
のユーザインタフェースデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、据置型端
末でも、モバイルデバイスでもよい。例えば、クライアントデバイス368は、デスクト
ップコンピュータ、ユーザインタフェースを有するコンピュータサーバ、ラップトップコ
ンピュータ、タブレット、スマートフォン、PDA、又は、他の任意のタイプのモバイル
若しくは非モバイルデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、通信リンク3
72を介して、BMSコントローラ366及び/又はAHUコントローラ330と通信す
ることができる。
【0046】
建物管理システム
【0047】
ここで図4を参照すると、いくつかの実施形態による、建物管理システム(BMS)4
00のブロック図が示されている。BMS 400は、様々な建物機能の自動的なモニタ
及び制御を行うために建物10において実装することができる。BMS 400は、BM
Sコントローラ366及び多数の建物サブシステム428を含むように示されている。建
物サブシステム428は、建物電気サブシステム434、情報通信技術(ICT)サブシ
ステム436、セキュリティサブシステム438、HVACサブシステム440、照明サ
ブシステム442、エレベータ/エスカレータサブシステム432及び火災安全サブシス
テム430を含むように示されている。様々な実施形態では、建物サブシステム428は
、より少ない、追加の又は代替のサブシステムを含み得る。例えば、建物サブシステム4
28は、冷蔵サブシステム、広告若しくは看板サブシステム、調理サブシステム、自動販
売サブシステム、プリンタ若しくはコピーサービスサブシステム、又は、建物10のモニ
タ及び制御を行うために制御可能な機器及び/又はセンサを使用する他の任意のタイプの
建物サブシステムを同様に含むことも、それらを代替として含むこともできる。いくつか
の実施形態では、建物サブシステム428は、図2~3を参照して説明されるような、水
供給側システム200及び/又は空気供給側システム300を含む。
【0048】
建物サブシステム428の各々は、その個々の機能及び制御活動を完了するためのいか
なる数のデバイス、コントローラ及び接続も含み得る。HVACサブシステム440は、
図1~3を参照して説明されるような、HVACシステム100と同じコンポーネントの
多くを含み得る。例えば、HVACサブシステム440は、冷凍機、ボイラ、任意の数の
空気処理ユニット、エコノマイザ、フィールドコントローラ、監視コントローラ、アクチ
ュエータ、温度センサ、及び、建物10内の温度、湿度、気流又は他の可変条件を制御す
るための他のデバイスを含み得る。照明サブシステム442は、任意の数の照明器具、バ
ラスト、照明センサ、調光器、又は、建物空間に提供される光の量を制御可能に調整する
ように構成された他のデバイスを含み得る。セキュリティサブシステム438は、占有セ
ンサ、映像監視カメラ、デジタル映像レコーダ、映像処理サーバ、侵入検出デバイス、ア
クセス制御デバイス及びサーバ又は他のセキュリティ関連デバイスを含み得る。
【0049】
依然として図4を参照すると、BMSコントローラ366は、通信インタフェース40
7及びBMSインタフェース409を含むように示されている。インタフェース407は
、BMSコントローラ366及び/又はサブシステム428のユーザ制御、モニタリング
及び調整を可能にするために、BMSコントローラ366と外部のアプリケーション(例
えば、モニタリング及び報告アプリケーション422、企業制御アプリケーション426
、リモートシステム及びアプリケーション444、クライアントデバイス448上に存在
するアプリケーションなど)との間の通信を容易にすることができる。また、インタフェ
ース407は、BMSコントローラ366とクライアントデバイス448との間の通信を
容易にすることもできる。BMSインタフェース409は、BMSコントローラ366と
建物サブシステム428(例えば、HVAC、照明セキュリティ、エレベータ、配電、ビ
ジネスなど)との間の通信を容易にすることができる。
【0050】
インタフェース407、409は、建物サブシステム428又は他の外部のシステム若
しくはデバイスとのデータ通信を実施するための有線又は無線通信インタフェース(例え
ば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、トランシーバ、ワイヤ端子など)であること
も、それらを含むことも可能である。様々な実施形態では、インタフェース407、40
9を介する通信は、直接的であることも(例えば、ローカル有線又は無線通信)、通信ネ
ットワーク446を介することも(例えば、WAN、インターネット、セルラネットワー
クなど)可能である。例えば、インタフェース407、409は、イーサネット(登録商
標)ベース通信リンク又はネットワークを介してデータを送信及び受信するためのイーサ
ネットカード及びポートを含み得る。別の例では、インタフェース407、409は、無
線通信ネットワークを介して通信するためのWi-Fiトランシーバを含み得る。別の例
では、インタフェース407、409の一方又は両方は、セルラフォン又は携帯電話通信
トランシーバを含み得る。一実施形態では、通信インタフェース407は送電線通信イン
タフェースであり、BMSインタフェース409はイーサネットインタフェースである。
他の実施形態では、通信インタフェース407及びBMSインタフェース409は両方と
も、別個のイーサネットインタフェースであるか又は同じイーサネットインタフェースで
ある。
【0051】
依然として図4を参照すると、BMSコントローラ366は、処理回路404を含むよ
うに示されており、処理回路404は、プロセッサ406及びメモリ408を含む。処理
回路404は、処理回路404及びその様々なコンポーネントがインタフェース407、
409を介してデータの送信及び受信を行えるように、BMSインタフェース409及び
/又は通信インタフェース407に通信可能に接続することができる。プロセッサ406
は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログ
ラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理コンポーネントのグループ、又は、他の適切な
電子処理コンポーネントとして実装することができる。
【0052】
メモリ408(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶装置など)は、本出願で説明さ
れる様々なプロセス、層及びモジュールを完了及び/又は促進するためのデータ及び/又
はコンピュータコードを格納するための1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、
フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリ408は、揮発性
メモリ又は不揮発性メモリであることも、それらを含むことも可能である。メモリ408
は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、又は、
他の任意のタイプの様々な活動をサポートするための情報構造及び本出願で説明される情
報構造を含み得る。いくつかの実施形態によれば、メモリ408は、処理回路404を介
してプロセッサ406に通信可能に接続することができ、本明細書で説明される1つ以上
のプロセスを実行する(例えば、処理回路404及び/又はプロセッサ406によって)
ためのコンピュータコードを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、BMSコントローラ366は、単一のコンピュータ(例えば
、1つのサーバ、1つのハウジングなど)内で実装される。様々な他の実施形態では、B
MSコントローラ366は、複数のサーバ又はコンピュータ(例えば、分散した場所に存
在することができる)にわたって分散させることができる。さらに、図4はBMSコント
ローラ366の外部に存在するものとしてアプリケーション422、426を示している
が、いくつかの実施形態では、アプリケーション422、426は、BMSコントローラ
366内(例えば、メモリ408内)でホストすることができる。
【0054】
依然として図4を参照すると、メモリ408は、企業統合層410、自動化測定及び検
定(AM&V)層412、需要応答(DR)層414、欠陥検出及び診断(FDD)層4
16、統合制御層418及び建物サブシステム統合層420を含むように示されている。
層410~420は、建物サブシステム428及び他のデータ源から入力を受信し、入力
に基づいて建物サブシステム428の最適な制御動作を決定し、最適な制御動作に基づい
て制御信号を生成し、生成された制御信号を建物サブシステム428に提供するように構
成することができる。以下の段落は、BMS 400の層410~420の各々によって
実行される一般機能のいくつかを説明する。
【0055】
企業統合層410は、様々な企業レベルのアプリケーションをサポートするために情報
及びサービスをクライアント又はローカルアプリケーションに供給するように構成するこ
とができる。例えば、企業制御アプリケーション426は、グラフィカルユーザインタフ
ェース(GUI)又は任意の数の企業レベルビジネスアプリケーション(例えば、会計シ
ステム、ユーザ識別システムなど)にサブシステム全体に及ぶ制御を提供するように構成
することができる。企業制御アプリケーション426は、BMSコントローラ366を構
成するための構成GUIを提供するように同様に構成することも、そのように代替として
構成することもできる。さらなる他の実施形態では、企業制御アプリケーション426は
、インタフェース407及び/又はBMSインタフェース409で受信された入力に基づ
いて建物性能(例えば、効率、エネルギー使用、快適性又は安全性)を最適化するために
、層410~420と連動することができる。
【0056】
建物サブシステム統合層420は、BMSコントローラ366と建物サブシステム42
8との間の通信を管理するように構成することができる。例えば、建物サブシステム統合
層420は、建物サブシステム428からセンサデータ及び入力信号を受信し、建物サブ
システム428に出力データ及び制御信号を提供することができる。また、建物サブシス
テム統合層420は、建物サブシステム428間の通信を管理するように構成することも
できる。建物サブシステム統合層420は、多数のマルチベンダ/マルチプロトコルシス
テムにわたって通信(例えば、センサデータ、入力信号、出力信号など)を翻訳する。
【0057】
需要応答層414は、建物10の需要を満たすことに応答して、資源使用量(例えば、
電気使用、天然ガス使用、水使用など)及び/又はそのような資源使用量の金銭的費用を
最適化するように構成することができる。最適化は、使用時間価格、削減信号、エネルギ
ー利用可能性、又は、ユーティリティプロバイダ、分散型エネルギー生成システム424
、エネルギー貯蔵427(例えば、温熱TES 242、冷熱TES 244など)若しく
は他の供給源から受信された他のデータに基づき得る。需要応答層414は、BMSコン
トローラ366の他の層(例えば、建物サブシステム統合層420、統合制御層418な
ど)から入力を受信することができる。他の層から受信される入力は、温度、二酸化炭素
レベル、相対湿度レベル、大気質センサ出力、占有センサ出力、部屋スケジュール及び同
様のものなどの環境又はセンサ入力を含み得る。また、入力は、電気使用(例えば、kW
hで表現される)、熱負荷測定値、価格情報、予想価格、平準化価格、公益事業からの削
減信号及び同様のものなどの入力も含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、需要応答層414は、受信したデータ及び信号に応答す
るための制御論理を含む。これらの応答は、統合制御層418の制御アルゴリズムと通信
すること、制御戦略を変更すること、セットポイントを変更すること、又は、制御の下で
建物機器若しくはサブシステムを起動/解除することを含み得る。また、需要応答層41
4は、貯蔵されたエネルギーをいつ利用するかを決定するように構成された制御論理も含
み得る。例えば、需要応答層414は、ピーク使用時間が始まる直前に、エネルギー貯蔵
427からのエネルギーの使用を開始すると決定することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、需要応答層414は、需要(例えば、価格、削減信号、需要
レベルなど)を表す1つ以上の入力に基づいて又は同需要に基づいてエネルギー費用を最
小化する制御動作を能動的に開始する(例えば、自動的にセットポイントを変更する)よ
うに構成された制御モジュールを含む。いくつかの実施形態では、需要応答層414は、
制御動作の最適なセットを決定するために、機器モデルを使用する。機器モデルは、例え
ば、建物機器の様々なセットによって実行される入力、出力及び/又は機能を説明する熱
力学モデルを含み得る。機器モデルは、建物機器の集合体(例えば、サブプラント、冷凍
機アレイなど)又は個々のデバイス(例えば、個々の冷凍機、加熱機、ポンプなど)を表
し得る。
【0060】
需要応答層414は、1つ以上の需要応答ポリシ定義(例えば、データベース、XML
ファイルなど)をさらに含むことも、それらを活用することも可能である。ポリシ定義は
、ユーザのアプリケーション、所望の快適レベル、特定の建物機器に合わせて又は他の関
心事に基づいて、需要入力に応答して開始された制御動作を調整できるように、ユーザに
よって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介して)編集又は調整することが
できる。例えば、需要応答ポリシ定義は、特定の需要入力に応答してどの機器をオン又は
オフにするか、システム又は機器の部品をどのくらいの時間オフにするべきか、どのよう
なセットポイントを変更することができるか、許容セットポイント調整範囲はどれほどか
、通常のスケジューリングされたセットポイントに戻る前に高需要セットポイントをどの
くらいの時間保持するか、能力限界にどれほど近づいているか、どの機器モードを利用す
るか、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、熱貯蔵タンク、バッテリバンクなど)への及び
エネルギー貯蔵デバイスからのエネルギー伝達料金(例えば、最大料金、警報料金、他の
料金限界情報など)、現場生成されたエネルギーをいつ送り出すか(例えば、燃料電池、
電動発電機セットを介して)を指定することができる。
【0061】
統合制御層418は、制御決定を行うために建物サブシステム統合層420及び/又は
需要応答層414のデータ入力又は出力を使用するように構成することができる。建物サ
ブシステム統合層420によって提供されるサブシステム統合により、統合制御層418
は、サブシステム428が単一の統合上位体系として挙動するように、サブシステム42
8の制御活動を統合することができる。いくつかの実施形態では、統合制御層418は、
別個のサブシステムが単独で提供できる快適性及びエネルギー節約と比べて、より優れた
快適性及びエネルギー節約を提供するために、多数の建物サブシステムからの入力及び出
力を使用する制御論理を含む。例えば、統合制御層418は、第2のサブシステムに対す
るエネルギー節約制御決定を行うために、第1のサブシステムからの入力を使用するよう
に構成することができる。これらの決定の結果は、建物サブシステム統合層420に送り
返すことができる。
【0062】
統合制御層418は、論理的には、需要応答層414の下であるように示されている。
統合制御層418は、需要応答層414と協力して建物サブシステム428及びそれらの
それぞれの制御ループの制御を可能にすることによって、需要応答層414の有効性を強
化するように構成することができる。この構成は、有利には従来のシステムと比べて、破
壊的な需要応答挙動を低減することができる。例えば、統合制御層418は、冷却水温度
のセットポイントの需要応答駆動上方調整(又は温度に直接若しくは間接的に影響を及ぼ
す別の成分)が、冷凍機で保存されたものより多くの総建物エネルギー使用をもたらすこ
とになるファンエネルギー(又は空間を冷却するために使用される他のエネルギー)の増
加をもたらさないことを保証するように構成することができる。
【0063】
統合制御層418は、需要負荷制限が進行中の間でさえも制約(例えば、温度、照明レ
ベルなど)が適切に維持されることを需要応答層414がチェックするように、需要応答
層414にフィードバックを提供するように構成することができる。また、制約は、安全
性、機器動作制限及び性能、快適性、消防規則、電気工事規定、エネルギー規定及び同様
のものに関連するセットポイント又は検知境界も含み得る。また、統合制御層418は、
論理的には、欠陥検出及び診断層416及び自動化測定及び検定層412の下でもある。
統合制御層418は、複数の建物サブシステムからの出力に基づいて、これらのより高い
レベルに計算済みの入力(例えば、集計)を提供するように構成することができる。
【0064】
自動化測定及び検定(AM&V)層412は、統合制御層418又は需要応答層414
によって命令される制御戦略が正しく機能していることを検証するように構成することが
できる(例えば、AM&V層412、統合制御層418、建物サブシステム統合層420
、FDD層416によって集計されたデータを使用して又は別の方法で)。AM&V層4
12によって行われる計算は、建物システムエネルギーモデル及び/又は個々のBMSデ
バイス若しくはサブシステムに対する機器モデルに基づき得る。例えば、AM&V層41
2は、モデルの精度を決定するために、モデル予測出力を建物サブシステム428からの
実際の出力と比較することができる。
【0065】
欠陥検出及び診断(FDD)層416は、建物サブシステム428、建物サブシステム
デバイス(すなわち、建物機器)、並びに、需要応答層414及び統合制御層418によ
って使用される制御アルゴリズムに対する進行中の欠陥検出を提供するように構成するこ
とができる。FDD層416は、統合制御層418から、1つ以上の建物サブシステム若
しくはデバイスから直接、又は、別のデータ源から、データ入力を受信することができる
。FDD層416は、検出された欠陥を自動的に診断し、応答することができる。検出又
は診断された欠陥への応答は、ユーザ、保守スケジューリングシステム、又は、欠陥の修
理を試みるか若しくは欠陥に対処するように構成された制御アルゴリズムに警告メッセー
ジを提供することを含み得る。
【0066】
FDD層416は、建物サブシステム統合層420で利用可能な詳細なサブシステム入
力を使用して、欠陥コンポーネントの具体的な識別又は欠陥の原因(例えば、緩んだダン
パリンク機構)を出力するように構成することができる。他の例示的な実施形態では、F
DD層416は、統合制御層418に「欠陥」事象を提供するように構成され、統合制御
層418は、受信された欠陥事象に応答して、制御戦略及びポリシを実行する。いくつか
の実施形態によれば、FDD層416(又は、統合制御エンジン若しくはビジネスルール
エンジンによって実行されるポリシ)は、エネルギー浪費を低減するため、機器の寿命を
延ばすため又は正しい制御応答を保証するために、欠陥デバイス又はシステムの周りのシ
ステム若しくは直接制御活動を停止することができる。
【0067】
FDD層416は、様々な異なるシステムデータストア(又はライブデータ用のデータ
ポイント)に格納するか又はアクセスするように構成することができる。FDD層416
は、データストアの何らかのコンテンツを使用して、機器レベル(例えば、特定の冷凍機
、特定のAHU、特定の端末ユニットなど)で欠陥を識別することができ、他のコンテン
ツを使用して、コンポーネント又はサブシステムレベルで欠陥を識別することができる。
例えば、建物サブシステム428は、BMS 400及びその様々なコンポーネントの性
能を示す時間的な(すなわち、時系列)データを生成することができる。建物サブシステ
ム428によって生成されるデータは、統計特性を呈する測定済みの又は計算済みの値を
含み得、対応するシステム又はプロセス(例えば、温度制御プロセス、フロー制御プロセ
スなど)がそのセットポイントからの誤差の観点からどのように機能しているかについて
の情報を提供することができる。これらのプロセスは、システムの性能がいつ劣化し始め
るかを暴露し、その劣化がより深刻になる前に欠陥を修理するようにユーザに警告するた
めに、FDD層416によって検査することができる。
【0068】
ここで図5を参照すると、いくつかの実施形態による、別の建物管理システム(BMS
)500のブロック図が示されている。BMS 500は、HVACシステム100、水
供給側システム200、空気供給側システム300、建物サブシステム428のデバイス
、並びに、他のタイプのBMSデバイス(例えば、照明機器、セキュリティ機器など)及
び/又はHVAC機器のモニタ及び制御を行うために使用することができる。
【0069】
BMS 500は、自動機器発見及び機器モデル分散を促進するシステムアーキテクチ
ャを提供する。機器発見は、複数の異なる通信バス(例えば、システムバス554、ゾー
ンバス556~560、564、センサ/アクチュエータバス566など)にわたって及
び複数の異なる通信プロトコルにわたってBMS 500の複数のレベルで起こり得る。
いくつかの実施形態では、機器発見は、各通信バスに接続されたデバイスのステータス情
報を提供するアクティブノードテーブルを使用して遂行される。例えば、各通信バスは、
新しいノードに対して対応するアクティブノードテーブルをモニタすることによって、新
しいデバイスに対するモニタを行うことができる。新しいデバイスが検出されると、BM
S 500は、ユーザが対話することなく、新しいデバイスとの相互作用を開始すること
ができる(例えば、制御信号を送信する、デバイスからのデータを使用する)。
【0070】
BMS 500のいくつかのデバイスは、機器モデルを使用して、それら自体をネット
ワークに提示する。機器モデルは、他のシステムとの統合のために使用される機器オブジ
ェクト属性、ビュー定義、スケジュール、傾向及び関連BACnet値オブジェクト(例
えば、アナログ値、2進値、多状態値など)を定義する。BMS 500のいくつかのデ
バイスは、それら自体の機器モデルを格納する。BMS 500の他のデバイスは、外部
(例えば、他のデバイス内)に格納された機器モデルを有する。例えば、ゾーンコーディ
ネータ508は、バイパスダンパ528の機器モデルを格納することができる。いくつか
の実施形態では、ゾーンコーディネータ508は、バイパスダンパ528又はゾーンバス
558の他のデバイスの機器モデルを自動的に作成する。また、他のゾーンコーディネー
タも、それらのゾーンバスに接続されたデバイスの機器モデルを作成することができる。
デバイスの機器モデルは、ゾーンバスのデバイスによって暴露されたデータポイントのタ
イプ、デバイスタイプ及び/又は他のデバイス属性に基づいて自動的に作成することがで
きる。自動機器発見及び機器モデル分散のいくつかの例は、以下でさらに詳細に論じる。
【0071】
依然として図5を参照すると、BMS 500は、システムマネージャ502、いくつ
かのゾーンコーディネータ506、508、510、518及びいくつかのゾーンコント
ローラ524、530、532、536、548、550を含むように示されている。シ
ステムマネージャ502は、データ通信リンク574(例えば、BACnet IP、イ
ーサネット、有線又は無線通信など)を介してクライアントデバイス504(例えば、ユ
ーザデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルデバイ
スなど)と通信することができる。システムマネージャ502は、データ通信リンク57
4を介してクライアントデバイス504にユーザインタフェースを提供することができる
。ユーザインタフェースは、ユーザがクライアントデバイス504を介してBMS 50
0のモニタ及び/又は制御を行えるようにする。
【0072】
いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は、システムバス554を介して
ゾーンコーディネータ506~510、518と接続される。システムマネージャ502
は、マスタスレーブトークンパッシング(MSTP)プロトコル又は他の任意の通信プロ
トコルを使用して、システムバス554を介してゾーンコーディネータ506~510、
518と通信するように構成することができる。また、システムバス554は、システム
マネージャ502を、定容(CV)屋上ユニット(RTU)512、入力/出力モジュー
ル(IOM)514、サーモスタットコントローラ516(例えば、TEC5000シリ
ーズサーモスタットコントローラ)、及び、ネットワークオートメーションエンジン(N
AE)又は第三者コントローラ520などの他のデバイスと接続することもできる。RT
U 512は、システムマネージャ502と直接通信するように構成することができ、シ
ステムバス554に直接接続することができる。他のRTUは、中間デバイスを介してシ
ステムマネージャ502と通信することができる。例えば、有線入力562は、第三者R
TU 542をサーモスタットコントローラ516に接続することができ、サーモスタッ
トコントローラ516は、システムバス554に接続される。
【0073】
システムマネージャ502は、機器モデルを含むいかなるデバイスに対するユーザイン
タフェースも提供することができる。ゾーンコーディネータ506~510、518及び
サーモスタットコントローラ516などのデバイスは、システムバス554を介してシス
テムマネージャ502にそれらの機器モデルを提供することができる。いくつかの実施形
態では、システムマネージャ502は、機器モデルを含まない接続バイス(例えば、IO
M 514、第三者コントローラ520など)の機器モデルを自動的に作成する。例えば
、システムマネージャ502は、デバイス木(device tree)要求に応答する
いかなるデバイスの機器モデルも作成することができる。システムマネージャ502によ
って作成された機器モデルは、システムマネージャ502内に格納することができる。次
いで、システムマネージャ502は、システムマネージャ502によって作成された機器
モデルを使用して、それら自体の機器モデルを含まないデバイスに対するユーザインタフ
ェースを提供することができる。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502は
、システムバス554を介して接続された機器の各タイプのビュー定義を格納し、格納さ
れたビュー定義を使用して機器に対するユーザインタフェースを生成する。
【0074】
各ゾーンコーディネータ506~510、518は、ゾーンバス556、558、56
0、564を介してゾーンコントローラ524、530~532、536、548~55
0のうちの1つ以上と接続することができる。ゾーンコーディネータ506~510、5
18は、MSTPプロトコル又は他の任意の通信プロトコルを使用してゾーンバス556
~560、564を介してゾーンコントローラ524、530~532、536、548
~550と通信することができる。また、ゾーンバス556~560、564は、ゾーン
コーディネータ506~510、518を、可変空気量(VAV)RTU 522、54
0、切替バイパス(COBP)RTU 526、552、バイパスダンパ528、546
及びPEAKコントローラ534、544などの他のタイプのデバイスと接続することも
できる。
【0075】
ゾーンコーディネータ506~510、518は、様々なゾーニングシステムに対する
モニタ及び命令を行うように構成することができる。いくつかの実施形態では、各ゾーン
コーディネータ506~510、518は、別個のゾーニングシステムに対するモニタ及
び命令を行い、別個のゾーンバスを介してゾーニングシステムに接続される。例えば、ゾ
ーンコーディネータ506は、ゾーンバス556を介してVAV RTU 522及びゾー
ンコントローラ524に接続することができる。ゾーンコーディネータ508は、ゾーン
バス558を介してCOBP RTU 526、バイパスダンパ528、COBPゾーンコ
ントローラ530及びVAVゾーンコントローラ532に接続することができる。ゾーン
コーディネータ510は、ゾーンバス560を介してPEAKコントローラ534及びV
AVゾーンコントローラ536に接続することができる。ゾーンコーディネータ518は
、ゾーンバス564を介してPEAKコントローラ544、バイパスダンパ546、CO
BPゾーンコントローラ548及びVAVゾーンコントローラ550に接続することがで
きる。
【0076】
ゾーンコーディネータ506~510、518の単一のモデルは、複数の異なるタイプ
のゾーニングシステム(例えば、VAVゾーニングシステム、COBPゾーニングシステ
ムなど)を処理するように構成することができる。各ゾーニングシステムは、RTU、1
つ以上のゾーンコントローラ及び/又はバイパスダンパを含み得る。例えば、ゾーンコー
ディネータ506、510は、VAV RTU 522、540にそれぞれ接続されたVe
rasys(登録商標)VAVエンジン(VVE)として示されている。ゾーンコーディ
ネータ506は、ゾーンバス556を介してVAV RTU 522に直接接続されるのに
対して、ゾーンコーディネータ510は、PEAKコントローラ534に提供された有線
入力568を介して第三者VAV RTU 540に接続される。ゾーンコーディネータ5
08、518は、COBP RTU 526、552にそれぞれ接続されたVerasys
COBPエンジン(VCE)として示されている。ゾーンコーディネータ508は、ゾ
ーンバス558を介してCOBP RTU 526に直接接続されるのに対して、ゾーンコ
ーディネータ518は、PEAKコントローラ544に提供された有線入力570を介し
て第三者COBP RTU 552に接続される。
【0077】
ゾーンコントローラ524、530~532、536、548~550は、センサ/ア
クチュエータ(SA)バスを介して個々のBMSデバイス(例えば、センサ、アクチュエ
ータなど)と通信することができる。例えば、VAVゾーンコントローラ536は、SA
バス566を介してネットワーク接続センサ538に接続されるように示されている。ゾ
ーンコントローラ536は、MSTPプロトコル又は他の任意の通信プロトコルを使用し
てネットワーク接続センサ538と通信することができる。図5では1つのSAバス56
6しか示されていないが、各ゾーンコントローラ524、530~532、536、54
8~550は異なるSAバスに接続できることを理解すべきである。各SAバスは、ゾー
ンコントローラを、様々なセンサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、光セ
ンサ、占有センサなど)、アクチュエータ(例えば、ダンパアクチュエータ、バルブアク
チュエータなど)及び/又は他のタイプの制御可能な機器(例えば、冷凍機、加熱機、フ
ァン、ポンプなど)と接続することができる。
【0078】
各ゾーンコントローラ524、530~532、536、548~550は、異なる建
物ゾーンのモニタ及び制御を行うように構成することができる。ゾーンコントローラ52
4、530~532、536、548~550は、それらのSAバスを介して提供された
入力及び出力を使用して、様々な建物ゾーンのモニタ及び制御を行うことができる。例え
ば、ゾーンコントローラ536は、温度制御アルゴリズムにおけるフィードバックとして
、SAバス566を介してネットワーク接続センサ538から受信された温度入力(例え
ば、建物ゾーンの測定温度)を使用することができる。ゾーンコントローラ524、53
0~532、536、548~550は、様々なタイプの制御アルゴリズム(例えば、状
態ベースアルゴリズム、極値探索制御(ESC)アルゴリズム、比例・積分(PI)制御
アルゴリズム、比例・積分・微分(PID)制御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC
)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリズムなど)を使用して、建物10内又は建
物10の周りの可変状態又は条件(例えば、温度、湿度、気流、照明など)を制御するこ
とができる。
【0079】
費用標的最適化を有するシステムマネージャ
【0080】
次に図6を参照すると、システムマネージャ502をより詳細に示すブロック図が例示
的実施形態に従って示される。以下に詳述されるように、システムマネージャ502は、
機器600の制御入力を決定するために最大エネルギー費用により制約される一方で居住
者快適性を考慮し費用関数を最適化するためにペナルティ項を使用する費用関数を生成す
るように構成され得る。システムマネージャ502は、ニューラルネットワークを使用し
て建物の状態の分類を識別し、次にこの分類と最大及び最低温度のプロファイルとを関連
付けることによりペナルティ項を決定し得る。システムマネージャ502のこれら及び他
の機能が以下に詳細に説明される。
【0081】
システムマネージャ502は機器600及びセンサ618へ通信可能に結合され得る。
様々な実施形態によると、機器600は、図1~5に示す様々なHVAC機器(例えばH
VACシステム100、水供給側システム200、空気供給側システム300及びその部
品)、図13~14のVRFシステム2100、図16のVRFシステム2200、図1
7の窓空調機2300、図18の室内空調システム2400、及び/又は図19のパッケ
ージ化空調機システム2500を含む。機器600は、1つの部屋、複数の部屋、1つの
建物、複数の建物などのうちの1つ以上のものの室内気温に影響を与えるように動作可能
である。センサ618は、機器600及びシステムマネージャ502の動作を容易にする
測定結果を提供する。センサ618は、部屋又は建物の室内気温、室外気温、及び/又は
部屋又は建物の湿度を測定し得る。
【0082】
システムマネージャ502は、分類器回路602、プロファイル選択回路604、プロ
ファイルデータベース606、リアルタイムプロファイル更新回路608、費用関数生成
器610、費用関数オプティマイザ612、及びグラフィカルユーザインタフェース生成
器614を含むように示される。システムマネージャ502はトレーニング回路616と
通信可能である。以下にさらに詳細に説明されるように、分類器回路602は、建物の現
在状態を類別するために、ニューラルネットワークと、分類器回路602がサービスする
機器600及び建物に関するデータとを使用する。分類器回路602は分類をプロファイ
ル選択回路604へ提供し、プロファイル選択回路604は、プロファイルデータベース
606内に記憶された参照テーブルを使用することにより、分類と最高温度プロファイル
及び最低温度プロファイルとを関連付ける。最高温度プロファイル及び最低温度プロファ
イルは計画期間(例えば次の24時間の各時間)中の各時間ステップの快適温度の範囲に
関する限界を表す。リアルタイムプロファイル更新回路608は、温度設定点又は他のユ
ーザ入力に対するユーザ変更に基づき最高温度プロファイル及び/又は最低温度プロファ
イルをリアルタイムに更新するように構成される。
【0083】
費用関数生成器610は最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルを受信し、こ
れらプロファイルを、費用関数を生成するために使用する。費用関数は、エネルギー消費
費用項と、最高温度プロファイル及び最低温度プロファイルにより定義されるペナルティ
項とを含む。費用関数は次のように表され得る。
【数1】
式中、NHは期間中の時間ステップの総数であり、Δtは各時間ステップの長さであり
、Pは、時間ステップi内に機器600により消費される電力であり、Cは、時間ス
テップi中に公益事業会社により請求される単位電力当たりの価格であり、Soft
ソフトペナルティ関数であり、Hardはハードペナルティ関数である。項
【数2】
は、デマンドチャージ(需要電力料金)期間内のj=1~M間の時間ステップ毎に要求さ
れる最大電力に対し公益事業会社により課金される最大需要電力料金を捕捉する。費用関
数生成器610はまた、全費用を最大エネルギー消費費用未満として制限するために不等
式制約を設定する。いくつかの実施形態では、最大費用制約は上記費用関数全体の合計値
に関する限界を設定する。他の実施形態では、最大費用制約はペナルティ項に当てはまら
ない(すなわち
【数3】
の値は最大費用制約により制限される)。したがって、不等式制約は、期間中に公共料金
のユーザの予算が越えないということを保証し得る。
【0084】
費用関数オプティマイザ612は費用関数生成器610から費用関数を受信する。費用
関数オプティマイザ612は、計画期間中の最大費用制約を越えることなく費用関数を最
小化する計画期間中の温度設定点軌道を決定する。温度設定点軌道は計画期間中の時間ス
テップ毎の温度設定点を含む。費用関数オプティマイザ612は、計画期間全体にわたる
最適化を容易にするために計画期間中の将来温度、価格などを予測するためにモデル予測
制御手法を使用し得る。次に、温度設定点軌道は機器600へ提供される。機器600は
、温度設定点軌道を追跡するために建物の室内気温に影響を与えるように動作する。
【0085】
いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインタフェース生成器614は、費用関
数オプティマイザ612が直面する最適化問題を視覚化するグラフィカルユーザインタフ
ェースを生成するように、そしてユーザに最大費用制約を定義する最大エネルギー消費費
用を入力できるようにするように構成される。このようなグラフィカルユーザインタフェ
ースの例が図7~9に示され、それを参照し詳細に説明される。
【0086】
次に図7~9を参照すると、費用関数オプティマイザ612により解決される最適化問
題を示すグラフ702、グラフ800、グラフ900を示すグラフィカルユーザインタフ
ェース700が例示的実施形態に従って示される。図7はグラフ702を示し、図8はグ
ラフ800を示し、図9はグラフ900を示す。グラフィカルユーザインタフェース70
0は、グラフィカルユーザインタフェース生成器614により生成され、ユーザのパーソ
ナルコンピュータデバイス(例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュー
タ)上、機器600のディスプレイ上、又はいくつかの他のインタフェース上に提示され
る。
【0087】
図7のグラフ702は、室内気温T線703、温度設定点線704、ハード制約温度
最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト
制約温度最小線712を示す。バー714は現在時刻を示すので、バー714の右側の線
703-712は将来のものであり、バー714の左側の線703-712は履歴データ
を表す。グラフィカルユーザインタフェース700はまた、計画期間中の最大エネルギー
消費費用を設定する標的費用716を示す。標的費用716は、計画期間中の最大エネル
ギー消費費用を変更するためにユーザにより変更され得る。いくつかの実施形態では、ユ
ーザはまた、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温
度最小線710、及び/又はソフト制約温度最小線712を再配置することにより温度制
約を変更し得る。
【0088】
ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線7
10、及びソフト制約温度最小線712は、費用関数生成器610により生成されるペナ
ルティ関数において使用される閾値を示す。ソフト制約ペナルティ関数Softは、室
内気温T線703がソフト制約温度最大線708とソフト制約温度最小線712との間
であると零であり、室内気温T線703がソフト制約温度最大線708を越える又はソ
フト制約温度最小線712を下回るとソフトペナルティ値である。すなわち、Soft
は、室内気温Tが好適温度範囲外であるとソフトペナルティ値を費用関数へ適用する。
ソフト制約ペナルティ関数Softの一例は以下の通りである。
【数4】
式中、Tmax,soft,iは時間ステップiにおけるソフト制約温度最大線708の
値であり、Tmin,soft,iは時間ステップiにおけるソフト制約温度最小線71
2の値であり、Tz,iは時間ステップiにおける室内気温線703の値であり、wso
ftはソフトペナルティへ適用されるペナルティ重み付けである。
【0089】
ハード制約ペナルティ関数Hardは、室内気温T線703がハード制約温度最大
線706とハード制約温度最小線710との間にあると零であり、室内気温T線703
がハード制約温度最大線706を越える又はハード制約温度最小線710を下回ると、ハ
ードペナルティ値を有する。すなわち、Hardは、室内気温Tが快適温度範囲外で
ある(すなわち、室内空気は不快な程度に寒い又は暑い)とハードペナルティ値を費用関
数へ適用する。ハードペナルティ値は実質的にソフトペナルティ値より大きい(例えば、
10倍大きい、100倍大きい、1000倍大きい)。ハード制約ペナルティ関数Har
の一例は以下の通りである。
【数5】
式中、Tmax,hard,iは時間ステップiにおけるハード制約温度最大線706の
値であり、Tmin,hard,iは時間ステップiにおけるハード制約温度最小線71
0の値であり、Tz,iは時間ステップiにおける室内気温線703の値であり、wha
rdはハードペナルティへ適用されるペナルティ重み付け(whard>wsoft)で
ある。
【0090】
これにより、ソフト制約ペナルティ関数Soft及びハード制約ペナルティ関数Ha
rdは居住者快適性を費用関数に取り込む。さらに、Soft及びHardは最適
化問題に対する不等式制約よりむしろペナルティ関数として実施されるので、最適化問題
に対する解決策は、エネルギー消費費用節約とのトレードオフが十分に大きい場合に室内
気温Tが不快温度までドリフトする(すなわち、ソフト又はハード制約を越える)こと
を可能にする工程を含み得る。別の言い方をすれば、ソフト制約ペナルティ関数Soft
及びハード制約ペナルティ関数Hardは居住者快適性を定量化する費用関数に含ま
れる。したがって、費用関数を最適化することは居住者快適性を最適化する工程を含む。
【0091】
図8のグラフ800はまた、室内気温T線703、温度設定点線704、ハード制約
温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソ
フト制約温度最小線712を示す。グラフ800は、ハード制約温度最大線706、ソフ
ト制約温度最大線708、ハード制約温度最小線710、及びソフト制約温度最小線71
2が時間の経過と共に変わり得るということを示すために含まれる。以下に詳述されるよ
うに、ハード制約温度最大線706、ソフト制約温度最大線708、ハード制約温度最小
線710、及びソフト制約温度最小線712は、分類器回路602により決定された分類
に基づきプロファイル選択回路604により選択される最高温度プロファイル及び最低温
度プロファイルに基づき決定される。
【0092】
図9のグラフ900は電力線902及び価格線904を示す。電力線902は、過去動
作電力と予測動作電力との両方を含む機器600の動作電力を時間の経過と共に示す。価
格線904は、機器600により消費される電力の価格(例えば機器600の電力を供給
する公益事業会社により設定される)を示す。グラフ900は、エネルギー価格が時間の
経過と共に変わり得るということと、費用関数オプティマイザ612が計画期間中の温度
設定点軌道を決定する際に時間の経過に伴うエネルギー価格の変化を考慮し得るというこ
ととを示す。例えば、費用関数オプティマイザ612は費用関数を最適化する際に使用さ
れる将来エネルギー価格を予測し得る。
【0093】
次に図10を参照すると、システムマネージャ502の分類器回路602及びプロファ
イル選択回路604の詳細な図が例示的実施形態に従って示される。
【0094】
分類器回路602は様々な入力を受信し、建物の現在分類を出力する。入力は、期間中
の複数時間ステップの建物外の気温を提供する室外気温(Toa)プロファイルを含み得
る。Toaプロファイルは、記録された測定、気象予報、又はそれらのいくつかの組合せ
に基づき得る。入力はまた、期間中の複数時間ステップの部屋/建物の湿度を提供する部
屋湿度又は相対湿度(RH:relative humidity)プロファイルを含み
得る。RHプロファイルは、記録された測定、湿度予測、又はいくつかのそれらの組合せ
に基づき得る。分類器回路602はまた、冷却負荷(Cload)プロファイル及び加熱
負荷(Hload)プロファイルを受信する。冷却負荷プロファイル及び加熱負荷プロフ
ァイルは、期間中の時間ステップ毎の冷却及び加熱要求のレベルを捕捉する。分類器回路
602はまた、建物の削減モードだけでなく機器600及び/又は建物の日付、時刻、及
び場所も取り込む。
【0095】
分類器回路602はそれらの入力を処理し、建物及び機器600の現在分類を決定する
。現在分類は一組の可能な分類から選択される。様々な実施形態では、多くの分類システ
ムが可能である。示された実施形態では、一組の可能な分類は図11の表1100により
示される。表1100は、外気温度Toa、部屋湿度RH、冷熱負荷、温熱負荷、季節、
及び削減を含む6つのカテゴリを含む。6つのカテゴリのそれぞれは5つの関連状態を有
する。現在分類を選び出すために、1つの状態が6つのカテゴリのそれぞれから選択され
る。したがって、表1100は5=15625の可能な分類を含む一組の可能な分類を
示す。
【0096】
入力と分類とを関連付けるために、分類器回路602はニューラルネットワーク(例え
ば畳み込みニューラルネットワーク)を利用する。ニューラルネットワークは、関連性を
決定する規則の明示的ステートメントを要求すること無しに入力と出力とを関連付けるプ
ログラムを生成するべく、ニューロンをモデル化する人工的インテリジェントソフトウェ
アプログラムである。畳み込みニューラルネットワークは、層で編成されており、複数の
隠れ層を介してデータを入力層から出力層へと渡す。畳み込みニューラルネットワークは
、データを処理し出力を生成するときに、学習された重みを使用する。ここで、学習され
た重みは、図12を参照して以下に詳述されるようにトレーニング回路616により生成
される。
【0097】
したがって、分類器回路602は、建物及び/又は機器600に関係する入力を受信し
、次に現在分類を決定するために畳み込みニューラルネットワークにおいて学習された重
みを使用する。次に、分類器回路602は現在分類をプロファイル選択回路604へ提供
する。
【0098】
プロファイル選択回路604は現在分類とTmaxプロファイル及びTminプロファ
イルとを関連付ける。プロファイル選択回路604は、各可能入力とTmaxプロファイ
ルとTminプロファイルとの間の関連性の参照テーブルへアクセスするためにプロファ
イルデータベース606と通信し得る。次に、プロファイル選択回路604は、参照テー
ブル上で現在分類を見出し、対応するTmax及びTminプロファイルを識別し得る。
各Tmaxプロファイルは計画期間全体にわたる時間ステップ毎(例えば24時間中の各
時間)の内部気温に対する上側制約を定義し、一方、各Tminプロファイルは計画期間
全体にわたる時間ステップ毎の外気温度に対する下側制約を定義する。いくつかの実施形
態では、Tmax及びTminプロファイルは、上に論述されたペナルティ関数Soft
及びHardに対応する時間ステップ毎のハード制約とソフト制約との両方を定義す
る。すなわち、このような実施形態では、Tmaxプロファイルは図7及び図8のソフト
制約温度最大線708及びハード制約温度最大線706を定義し、一方、Tminプロフ
ァイルは図7及び図8のソフト制約温度最小線712及びハード制約温度最大線714を
定義する。他の実施形態では、ハード及びソフト制約は他のいくつかのやり方で(例えば
ソフト制約としてTmaxプロファイルを使用し、次にハード制約を決定するために一定
量を加えることにより)Tmax及びTminのプロファイルから導出される。
【0099】
併せて、図10に示すように、分類器回路602及びプロファイル選択回路604は建
物及び/又は機器に関係する様々な入力を受信し、この入力に基づき最適化問題の温度制
約を決定する。
【0100】
次に図12を参照すると、トレーニング回路616が例示的実施形態に従って示される
。トレーニング回路616は、分類器回路602のニューラルネットワークに使用される
学習された重みを決定する。トレーニング回路616は、オフラインで(すなわち、シス
テムマネージャ502の動作制御ループの外で)実行され、システムマネージャ502の
生成及びインストール中に主として使用され得る。学習された重みは、システムマネージ
ャ502のリアルタイム動作より先に決定され得、これにより類別処理が実質的に効率的
となる。
【0101】
トレーニング回路616は教師付き学習(supervised learning)
、モデル駆動型教師無し学習(model-driven unsupervised
learning)又はいくつかの他の手法を使用し得る。教師付き学習では、トレーニ
ング回路616は、分類器回路602と同じカテゴリの入力データ(Toaプロファイル
、RHプロファイル、Cloadプロファイル、Hloadプロファイル、日付、時刻、
場所、削減モード)を受信し、現在分類をユーザ(すなわち人)から受信し、入力とユー
ザが決定した現在分類との間の関連性に基づきニューラルネットワークの重み付けを学習
する。入力と出力との大きなデータセットをこのようにして受信することにより、トレー
ニング回路616は、トレーニング回路616が一組の学習された重みを自動的に決定で
きるようにするデータを提供される。この一組の学習された重みは、それらの同じ関連性
を自動的に作製するようにニューラルネットワークを調節する。教師付き学習は、建物及
び/又は機器600からの実データにより行われ得る、又は模擬入力を使用して適用され
、それらの模擬入力に基づく分類のユーザ決定を促す。
【0102】
モデル駆動型教師無し学習手法では、建物及び機器600のモデルは、現在分類を決定
するために使用される(教師付き学習手法のようにユーザ提供現在分類を有するのとは対
照的に)。出力は、同じ入力に基づき正確な分類を提供することができるがオンライン制
御に使用するにはコンピュータ的に余りに高価であり得る事前プログラム可能モデリング
技術により予測される。したがって、モデルは、トレーニング回路616により受信され
るデータを生成するために使用され、そしてニューラルネットワークをトレーニングする
(すなわち学習された重みを決定する)ために使用される。分類器回路602の畳み込み
ニューラルネットワークは、教師無し学習のデータを生成するために使用される非AIモ
デリング手法より実質的により効率的(すなわち、より高速、より少ない計算資源を必要
するなど)である。
【0103】
様々な他の実施形態では、ニューラルネットワークをトレーニングする他の今知られ又
は将来開発される手法もまた、分類器回路602により使用される学習された重みを提供
するためにトレーニング回路616により使用され得る。
【0104】
次に図13を参照すると、システムマネージャ502のリアルタイムプロファイル更新
回路608が例示的実施形態に従って示される。リアルタイムプロファイル更新回路60
8は、温度設定点を変更するためにユーザ入力に基づき現在分類、Tmaxプロファイル
、及び/又はTminプロファイルを更新するように構成される。
【0105】
機器へ提供される温度設定点は、システムマネージャ502により(例えば費用関数オ
プティマイザ612により)決定され得、そしてまたユーザにより変更され得る(例えば
グラフィカルユーザインタフェース生成器614により生成されるグラフィカルユーザイ
ンタフェースを介し)。ユーザが温度設定点を変更すると、温度設定点Tspの変更がリ
アルタイムプロファイル更新回路608へ提供される。リアルタイムプロファイル更新回
路608はまた、現在室内気温T及び現在温度制約(Tmax、Tmin)を受信する
【0106】
リアルタイムプロファイル更新回路608は、温度設定点Tspの変更が現在分類、T
maxプロファイル、及び/又はTminプロファイルの変更を必要とするかどうかを決
定し、そうであれば、新しい現在分類、Tmaxプロファイル、及び/又はTminプロ
ファイルを決定する。例えば、Tspの変更がTspをTmaxより大きくなるように変
更すれば、リアルタイムプロファイル更新回路608は、Tmaxプロファイルが計画期
間の残りの期間中は上方にシフトされるべきであるということを決定し得る。別の例とし
て、Tspの変更がTspをTminより小さくなるように変更すれば、リアルタイムプ
ロファイル更新回路608は、Tminプロファイルが計画期間の残りの期間中は下方に
シフトされるべきであるということを決定し得る。リアルタイムプロファイル更新回路6
08はまた、これに応じて現在分類のTmaxプロファイルを更新するためにプロファイ
ルデータベース606と通信し得る。TspがTminとTmaxとの間の値へ変更され
れば、リアルタイムプロファイル更新回路608は、現在分類、Tmaxプロファイル、
及びTminプロファイルが更新される必要がないということを決定し得る。
【0107】
いくつかのケースでは、リアルタイムプロファイル更新回路608は、Tspのユーザ
の変更が、現在分類が変更分類へ更新されるべきであるということを示すということを決
定し得る。次に、リアルタイムプロファイル更新回路608は、新分類を決定するために
プロファイルデータベース606へアクセスし、当該変更分類をプロファイル選択回路6
04へ提供する。
【0108】
したがって、リアルタイムプロファイル更新回路608は、システムマネージャ502
が居住者不快感をよりうまく最小化するために費用関数最適化問題に対する制約をリアル
タイムで解析し得るようにする。
【0109】
可変冷媒流量システム
【0110】
ここで図13~14を参照すると、可変冷媒流量(VRF)システム2100がいくつ
かの実施形態に従って示される。VRFシステム2100は1つ以上の室外VRFユニッ
ト2102と複数の室内VRFユニット2104とを含むように示される。室外VRFユ
ニット2102は、建物外に位置し得、冷媒を加熱又は冷却するように動作し得る。室外
VRFユニット2102は、液相、気相、及び/又は加熱気相(super-heate
d gas phase)間で冷媒を変換するために電気を消費し得る。室内VRFユニ
ット2104は建物内の様々な建物ゾーン全体にわたって分散され得、加熱又は冷却され
た冷媒を室外VRFユニット2102から受け取り得る。各室内VRFユニット2104
は、室内VRFユニット2104が位置する特定建物ゾーンの温度制御を提供し得る。用
語「室内」は、室内VRFユニット2104が通常は建物内に位置するということを表す
ために使用されるが、いくつかのケースでは、1つ以上の室内VRFユニットが例えばパ
ティオ、入口通路、歩道などを加熱/冷却するために「室外」(すなわち建物外に)位置
する。
【0111】
VRFシステム2100の1つの利点は、他の室内VRFユニット2104が加熱モー
ドで動作する一方でいくつかの室内VRFユニット2104が冷却モードで動作し得るこ
とである。例えば、室外VRFユニット2102及び室内VRFユニット2104のそれ
ぞれは加熱モード、冷却モード、又はオフモードで動作し得る。各建物ゾーンは独立に制
御され得、様々な温度設定点を有し得る。いくつかの実施形態では、各建物は、建物外(
例えば屋上)に位置する最大3つの室外VRFユニット2102と、建物全体にわたって
(例えば様々な建物ゾーン内に)分散される最大128個の室内VRFユニット2104
とを有する。建物ゾーンは、他の可能性もあるが、アパートユニット、オフィス、小売り
スペース、及び共用領域を含み得る。いくつかのケースでは、様々な建物ゾーンは、多様
なテナントにより所有される、リースされる、又はそうでなければ占有され、すべてVR
Fシステム2100によりサービスされる。
【0112】
多くの様々な構成がVRFシステム2100には存在する。いくつかの実施形態では、
VRFシステム2100は、各室外VRFユニット2102が単一冷媒戻りラインと単一
冷媒出口ラインとへ接続する二重配管システムである。二重配管システムでは、室外VR
Fユニット2102のすべては、加熱された冷媒又は冷却された冷媒のうちの一方だけが
単一冷媒出口ラインを介し供給され得るので、同じモードで動作し得る。他の実施形態で
は、VRFシステム2100は、各室外VRFユニット2102が冷媒戻りライン、温熱
冷媒出口ライン、及び冷熱冷媒出口ラインへ接続する三重配管システムである。三重配管
システムでは、加熱と冷却の両方がデュアル冷媒出口ラインを介し同時に提供され得る。
三重配管VRFシステムの例は図16を参照し詳細に説明される。
【0113】
次に図16を参照すると、VRFシステム2200を示すブロック図がいくつかの実施
形態に従って示される。VRFシステム2200は、室外VRFユニット202、いくつ
かの熱回収ユニット2206、及びいくつかの室内VRFユニット2204を含むように
示される。室外VRFユニット202は、コンプレッサ2208、ファン2210、又は
液相、気相、及び/又は加熱気相間で冷媒を変換するように構成された他の電力消費冷却
部品を含み得る。室内VRFユニット2204は建物内の様々な建物ゾーン全体にわたっ
て分散され得、加熱又は冷却された冷媒を室外VRFユニット202から受け取り得る。
各室内VRFユニット2204は、室内VRFユニット2204が位置する特定建物ゾー
ンの温度制御を提供し得る。熱回収ユニット2206は、室外VRFユニット202と室
内VRFユニット2204との間の冷媒の流れを(例えばバルブを開閉することにより)
制御し得、室外VRFユニット202によりサービスされる加熱又は冷却負荷を最小化し
得る。
【0114】
室外VRFユニット202はコンプレッサ2208及び熱交換器2212を含むように
示される。コンプレッサ2208は冷媒を熱交換器2212と室内VRFユニット220
4との間で循環する。コンプレッサ2208は室外ユニット制御回路214により制御さ
れる可変周波数で動作する。高周波では、コンプレッサ2208はより大きな伝熱容量を
室内VRFユニット2204に与える。コンプレッサ2208の消費電力はコンプレッサ
周波数に比例して増加する。
【0115】
熱交換器2212は、VRFシステム2200が冷却モードで動作するときは凝縮器(
冷媒が熱を外気へ廃棄し得るようにする)として又はVRFシステム2200が加熱モー
ドで動作するときには蒸発器(冷媒が外気から熱を吸収し得るようにする)として機能し
得る。ファン2210は熱交換器2212を介し気流を供給する。ファン2210の速度
は熱交換器2212内の冷媒への又はそれからの伝熱速度を変調するように調整され得る
(例えば室外ユニット制御回路214により)。
【0116】
各室内VRFユニット2204は熱交換器2216及び膨張バルブ2218を含むよう
に示される。熱交換器2216のそれぞれは、室内VRFユニット2204が加熱モード
で動作するときは凝縮器(冷媒が熱を部屋又はゾーン内の大気へ廃棄し得るようにする)
として又は室内VRFユニット2204が冷却モードで動作するときには蒸発器(冷媒が
部屋又はゾーン内の大気から熱を吸収し得るようにする)として機能し得る。ファン22
20は熱交換器2216を介し気流を供給する。ファン2220の速度は熱交換器221
6内の冷媒への又はそれからの伝熱速度を変調するように調整され得る(例えば室内ユニ
ット制御回路2222により)。
【0117】
図16では、室内VRFユニット2204は冷却モードで動作するように示される。冷
却モードでは、冷媒は冷却ライン2224を介し室内VRFユニット2204へ供給され
る。冷媒は、膨張バルブ2218により冷たい低圧状態へ膨張され、そして建物内の部屋
又はゾーンから熱を吸収するために熱交換器2216(蒸発器として機能する)を貫流す
る。次に、加熱された冷媒は戻りライン2226を介し室外VRFユニット202へ逆流
し、コンプレッサ2208により熱い高圧状態に圧縮される。圧縮された冷媒は、熱交換
器2212(凝縮器として機能する)を貫流し、熱を外気へ廃棄する。冷却された冷媒は
冷却ライン2224を介し室内VRFユニット2204へ戻すことができる。冷却モード
では、流量調節バルブ2228が閉じられ、膨張バルブ230は完全に開放され得る。
【0118】
加熱モードでは、冷媒は加熱ライン2232を介し熱い状態の室内VRFユニット22
04へ供給される。温熱冷媒は、熱交換器2216(凝縮器として機能する)を貫流し、
熱を建物の部屋又はゾーン内の大気へ廃棄する。次に、冷媒は、冷却ライン2224を介
し室外VRFユニット(図16に示す流れ方向とは反対方向)へ逆流する。冷媒は膨張バ
ルブ230により冷たい低圧状態へ膨張され得る。膨張された冷媒は熱交換器2212(
蒸発器として機能する)を貫流し、外気から熱を吸収する。加熱された冷媒は、コンプレ
ッサ2208により圧縮され、熱い圧縮状態の加熱ライン2302を介し室内VRFユニ
ット2204へ戻すことができる。加熱モードでは、流量調節バルブ2228は、コンプ
レッサ2208からの冷媒が加熱ライン2302に流入し得るように完全に開放され得る
【0119】
図16に示すように、各室内VRFユニット2204は室内ユニット制御回路2222
を含む。室内ユニット制御回路2222は、建物ゾーン温度設定点に応答して、又は建物
ゾーンへ加熱/冷却を提供する他の要求に応答してファン2220及び膨張バルブ221
8を含む室内VRFユニット2204の部品の動作を制御する。例えば、室内ユニット制
御回路2222はファン2220をオン/オフする信号を生成し得る。室内ユニット制御
回路2222はまた、室内VRFユニット2204により必要とされる伝熱容量とこの容
量に対応するコンプレッサ2208の周波数とを決定する。室内VRFユニット2204
がある容量の加熱又は冷却を提供しなければならないということを室内ユニット制御回路
2222が決定すると、室内ユニット制御回路2222は、必要とされる容量に対応する
コンプレッサ周波数を含むコンプレッサ周波数要求を生成し、これを室外ユニット制御回
路214へ送信する。
【0120】
室外ユニット制御回路214は、1つ以上の室内ユニット制御回路2222からコンプ
レッサ周波数要求を受信し、次に例えばこれらのコンプレッサ周波数要求を合計すること
によりコンプレッサ全周波数に集約する。いくつかの実施形態では、コンプレッサ周波数
は上限を有し、コンプレッサ全周波数が上限を越えることができないようにする。室外ユ
ニット制御回路214は、例えばコンプレッサのDCインバータコンプレッサモータに与
えられる入力周波数としてコンプレッサ全周波数をコンプレッサへ提供する。したがって
、室内ユニット制御回路2222及び室外ユニット制御回路214は共同して、加熱/冷
却要求に整合するようにコンプレッサ周波数を変調する。室外ユニット制御回路214は
また、流量調節バルブ2228及び膨張バルブ2230のバルブ位置、コンプレッサ電力
設定点、冷媒流量設定点、冷媒圧力設定点(例えば圧力センサ2306により測定される
圧力の差圧設定点)、オン/オフ命令、ステージング(staging)命令を制御する
信号、又はコンプレッサ2208の動作に影響を与える他の信号、及びファン速度設定点
、ファン電力設定点、気流設定点、オン/オフ命令、又はファン2210の動作に影響を
与える他の信号を含むファン2210へ提供される制御信号を生成し得る。
【0121】
室内ユニット制御回路2222及び室外ユニット制御回路214は、制御回路2214
、2222により生成される又はそれへ提供される1つ以上の制御信号のデータ履歴を提
供及び/又は格納し得る。例えば、室内ユニット制御回路2222は、生成されたコンプ
レッサ要求周波数、ファンオン/オフ時間及び室内VRFユニット2204オン/オフ時
間のログを提供及び/又は格納し得る。室外ユニット制御回路214は、コンプレッサ要
求周波数及び/又はコンプレッサ全周波数及びコンプレッサランタイムのログを格納及び
/又は提供し得る。
【0122】
VRFシステム2200は、室外メータ2252及び室内メータ2254を介しエネル
ギーグリッド2250により供給される電力で動作するものとして示される。様々な実施
形態によると、エネルギーグリッド2250は、電力の任意の供給源(例えば公益事業会
社により維持され、1つ以上の電力プラントにより電力が供給される電気グリッド)であ
る。室外メータ2252は、室外VRFユニット202の時間の経過に伴う消費電力を例
えばキロワット時(kWh)で測定する。室内メータ2254は室内VRFユニット22
04の時間の経過に伴う消費電力を例えばkWhで測定する。VRFシステム2200は
、電力を供給する公益事業会社により課金されるエネルギー消費費用を室外メータ225
2及び/又は室内メータ2254の測定消費電力に基づき発生する。電力の価格(例えば
kWh当たりドル)は時間の経過に伴って変動し得る。
【0123】
VRFシステム2200はまた、システムマネージャ502を含む。図6~13を参照
して上に詳細に説明されたように、システムマネージャ502は、居住者快適性も維持し
ながらVRFシステム2200のエネルギー消費費用を最小化するように構成される。
【0124】
窓空調機
【0125】
次に図17を参照すると、窓空調機2300が例示的実施形態に従って示される。窓空
調機2300は、建物の外壁2302に跨るように建物の窓に取り付けられるように構成
される。したがって、窓空調機2300は、室内(すなわち建物内)と室外(すなわち建
物外)との両方へ気流を供給する及び/又はそれらから空気を受け取ることができる。窓
空調機2300は時に、当該技術分野では室内空調機とも呼ばれる。
【0126】
窓空調機2300は、熱を室内空気から外気へ転送するヒートポンプとして働く。図1
7に示すように、窓空調機2300は室内空気を取り入れ、冷却された空気を部室内に出
力する。窓空調機2300はまた、外気を取り入れ、排気を建物外に出力する。窓空調機
2300は、コンプレッサ、復水器、蒸発器、及び外壁2302を横断する(すなわち室
内から室外への)熱の転送を容易にする1つ以上のファンを含み得る。したがって、窓空
調機2300は室内空気の温度を温度設定点に向けて低下させるように構成される。
【0127】
窓空調機2300は、外壁2302を横断するように熱を転送するべく動作するとき、
エネルギーグリッド2250から電力を消費する。窓空調機2300は、例えば温度設定
点に基づき様々なレベルの冷却を建物へ提供するために様々な電力で動作するように制御
可能であり得る。窓空調機2300はまた、必要に応じオン/オフされ得る。したがって
、窓空調機2300は、より多くの冷却を提供する際により多くの電力を、より少ない冷
却を提供する際により少ない電力を消費する。
【0128】
システムマネージャ502は、窓空調機2300の制御信号を提供するとともに窓空調
機2300からデータを受信するために窓空調機2300へ通信可能に結合される。例え
ば、システムマネージャ502は温度設定点を窓空調機2300へ提供し得る。システム
マネージャ502は図6~13を参照して詳細に説明される。いくつかの実施形態では、
システムマネージャ502は窓空調機2300に一体化される。いくつかの実施形態では
、システムマネージャ502は遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で)動作する及び/又
は複数の窓空気調節器2300にサービスする。
【0129】
室内空調システム
【0130】
次に図18を参照すると、室内空調システム2400が例示的実施形態に従って示され
る。室内空調システム2400は建物の部屋の冷却を提供する。室内空調システム240
0は室外ユニット2402及び室内ユニット2404を含む。室内ユニット2404が建
物の外壁2302により室外ユニット2402から分離されるように、室外ユニット24
02は建物外に位置し、一方室内ユニット2404は建物内に位置する。室内ユニット2
404は外壁2302の室内面上に取り付けられ得る。室内ユニット2404及び室外ユ
ニット2402は制御信号及びデータを交換するようへ通信可能に結合される。室内ユニ
ット2404はまた、室外ユニット2402を介し電力を受け取り得、その逆も同様であ
る。
【0131】
室外ユニット2402は冷媒を冷却するためにエネルギーグリッド2250から電力を
消費する。次に、冷媒は、室外ユニット2402から室内ユニット2404へ外壁406
を貫通するパイプ2408を通して送られる。ファン2410は、熱を部屋から冷媒へ転
送するために空気を部屋からパイプ2408全体にわたって吹き付ける。次に、冷媒は、
室外ユニット2402へ逆流し、ここで再冷却され室内ユニット2404へ循環して戻る
。したがって、室内空調システム2400は、熱を室内から室外へ外壁2302全体にわ
たって転送するように動作する。
【0132】
室外ユニット2402及び室内ユニット2404は部屋の温度設定点を追跡するように
制御され得る。例えば、室外ユニット2402は、冷媒流の可変速度及び/又は様々な冷
媒温度を室内ユニット2404へ提供するために様々な電力で動作するように制御され得
る。ファン2410は様々な速度で動作するように制御され得る。室内空調システム24
00はまた、必要に応じオン/オフするように制御可能である。したがって、室内空調シ
ステム2400は、より多くの冷却を部屋へ提供する際により多くの電力をエネルギーグ
リッド2250から消費する。
【0133】
システムマネージャ502は、室内空調機システム2400の制御信号を提供するとと
もにデータを室内空調機システム2400から受信するために室外ユニット2402及び
/又は室内ユニット2404へ通信可能に結合される。例えば、システムマネージャ50
2は温度設定点を室内空調機システム2400へ提供し得る。システムマネージャ502
図6~13を参照して詳細に説明される。いくつかの実施形態では、システムマネージ
ャ502は室外ユニット2402及び/又は室内ユニット2404に一体化される。いく
つかの実施形態では、システムマネージャ502は遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で
)動作する及び/又は複数の室内空調機システム2400にサービスする。
【0134】
パッケージ化空調機
【0135】
次に図19を参照すると、パッケージ化空調機システム2500が例示的実施形態に従
って示される。パッケージ化空調機システム2500は、パッケージ化空調機2504、
吸気ベント2506、及び冷気ダクト2508を含む。パッケージ化空調機2504は室
外に位置し、一方、吸気ベント2506及び冷気ダクト2508は、空気がパッケージ化
空調機2504と建物の内部との間に流れ得るようにするために、パッケージ化空調機2
504から建物の外壁2302を貫通する。
【0136】
パッケージ化空調機システム2500は、吸気ベント2506を介し建物の内部から室
内空気を吸い込むためにエネルギーグリッド2250から電力を消費し、空気を冷却する
ために室内空気から熱を除去し、冷気を冷気ダクト2508へ供給する。パッケージ化空
調機システム2500は熱を外気へ追い出す。冷気ダクト2508は、建物の室内気温を
下げるために、冷気が外壁2302を横断して流れ、建物の空気内に流れることを可能に
する。
【0137】
パッケージ化空調機2504は建物の温度設定点を追跡するように制御され得る。例え
ば、パッケージ化空調機2504は、様々な温度の冷気及び/又は様々な流速の冷気を冷
気ダクト2508へ供給するために様々な電力で動作し得る。パッケージ化空調機250
4は、より高い比率の電力消費量で動作することにより及び/又はより多くの時間、動作
することにより、より多くの冷却を部屋へ提供する際に、エネルギーグリッド2250か
らより多くの電力を消費する。
【0138】
システムマネージャ502は、室内空調機システム2400の制御信号を提供するとと
もにパッケージ化空調機2504からデータを受信するためにパッケージ化空調機250
4へ通信可能に結合される。例えば、システムマネージャ502は温度設定点をパッケー
ジ化空調機2504へ提供し得る。システムマネージャ502は図6~13を参照して詳
細に説明される。いくつかの実施形態では、システムマネージャ502はパッケージ化空
調機2504に一体化される。いくつかの実施形態では、パッケージ化空調機2504は
、遠隔的に(例えばクラウドサーバ上で)動作する及び/又は複数の室内空調機システム
2400にサービスする。
【0139】
例示的な実施形態の構成
【0140】
様々な例示的な実施形態に示されるようなシステム及び方法の構築及び配列は単なる例
示である。この開示ではほんのわずかの実施形態のみを詳細に説明してきたが、多くの変
更形態(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合、パラメータの値、取
り付け方法、材料の使用、色、配向などの変化)が可能である。例えば、要素の位置を逆
にするか又は別の方法で変化させることができ、個別の要素又は位置の性質又は数を変更
するか又は変化させることができる。それに従って、そのような変更形態はすべて本開示
の範囲内に含まれることが意図される。いかなるプロセス又は方法ステップの順序又は順
番も代替の実施形態に従って変化させるか又は並べ替えることができる。本開示の範囲か
ら逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配列における他の置換、変
更、変化及び省略を行うことができる。
【0141】
本明細書で使用される用語「回路」は、本明細書で説明された機能を実行するように構
造化されたハードウェアを含み得る。いくつかの実施形態では、各「回路」は、本明細書
で説明された機能を実行するようにハードウェアを構成するための機械可読媒体を含み得
る。回路は、限定しないが処理回路系、ネットワークインタフェース、周辺デバイス、入
力デバイス、出力デバイス、センサなどを含む1つ以上の回路系部品として具現化され得
る。いくつかの実施形態では、回路は、1つ以上のアナログ回路、電子回路(例えば集積
回路(IC)、ディスクリート回路、システムオンチップ(SOC:system on
a chip)回路など)、通信回路、ハイブリッド回路、及び任意の他のタイプの「
回路」の形式を採用し得る。この点に関し、「回路」は、本明細書で説明された動作を遂
行するための又はその実現を容易にするための任意のタイプの部品を含み得る。例えば、
本明細書で述べた回路は、1つ以上のトランジスタ、論理ゲート(例えばNAND、AN
D、NOR、又はXOR、NOT、XNORなど)、抵抗器、マルチプレクサ、レジスタ
、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、配線などを含み得る。
【0142】
「回路」はまた、1つ以上のメモリデバイスへ通信可能に結合された1つ以上のプロセ
ッサ又は1つ以上のメモリデバイスを含み得る。この点に関し、1つ以上のプロセッサは
、メモリ内に記憶された命令を実行し得る、又はそうでなければ1つ以上のプロセッサへ
アクセス可能な命令を実行し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは様
々なやり方で具現化され得る。1つ以上のプロセッサは、少なくとも本明細書で説明され
た動作を実行するのに十分なやり方で構築され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上
のプロセッサは複数の回路により共有され得る(例えば、回路A及び回路Bが同じプロセ
ッサを含み得る又はそうでなければ共有し得、いくつかの例示的実施形態では、メモリの
様々な領域を介して記憶される又はそうでなければアクセスされる命令を実行し得る)。
その代りに又は追加的に、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のコプロセッサとは独立に
いくつかの動作を実行するように構造化され得る。他の例示的実施形態では、2つ以上の
プロセッサが、独立した、並列の、パイプライン化された、又はマルチスレッド化された
命令実行を可能にするためにバスを介し結合され得る。各プロセッサは、1つ以上の汎用
プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specif
ic integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレ
イ(FPGA:field programmable gate array)、デジ
タルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor
)、又はメモリにより提供される命令を実行するように構造化された他の好適な電子デー
タ処理部品として実装され得る。1つ以上のプロセッサは、シングルコアプロセッサ、マ
ルチコアプロセッサ(例えばデュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、クワッ
ドコアプロセッサなど)、マイクロプロセッサなどの形式を採用し得る。いくつかの実施
形態では、1つ以上のプロセッサは装置外にあってもよく、例えば1つ以上のプロセッサ
は遠隔プロセッサ(例えば、クラウドベースプロセッサ)でもよい。その代りに又は追加
的に、1つ以上のプロセッサは装置の内部及び/又は局所に存在し得る。この点に関し、
その所与の回路又は部品は、局所的に(例えばローカルサーバ、ローカルコンピューティ
ングシステムなどの一部として)又は遠隔的に(例えばクラウドベースサーバなどの遠隔
サーバの一部として)配置され得る。そのために、本明細書で説明した「回路」は1つ以
上の場所全体にわたり分散された部品を含み得る。本開示は、様々な動作を遂行するため
のいかなる機械可読媒体における方法、システム及びプログラム製品をも企図する。本開
示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、この又は別の目的のために
組み込まれた適切なシステム用の専用コンピュータプロセッサによって、あるいは、配線
接続されたシステムによって実装することができる。本開示の範囲内の実施形態は、格納
された機械実行可能命令又はデータ構造を保持するか又は有するための機械可読媒体を含
むプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、汎用若しくは専用のコンピュータ
又はプロセッサを伴う他の機械によるアクセスが可能な利用可能ないかなる媒体でもあり
得る。例示として、そのような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPR
OM、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記
憶装置、あるいは、機械実行可能命令又はデータ構造の形態の所望のプログラムコードを
保持又は格納するために使用することができ、汎用若しくは専用コンピュータ又はプロセ
ッサを伴う他の機械によるアクセスが可能な他の任意の媒体を含み得る。上記の組合せも
また、機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、ある特定の機能
又は機能グループを汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理機械に実行させる
命令及びデータを含む。
図1
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図5
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